JP2016159258A - 廃棄物焼却排ガスの処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集塵機及び脱塩剤の使用により廃棄物焼却排ガスの処理を行う方法及び装置であって、前記集塵機の負荷の著しい増大を伴うことなく前記脱塩剤の使用量の節減を図りながら、廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を有効に低減させることが可能なものを、提供する。
【解決手段】排ガス中の飛灰を捕集する集塵機14の上流側に、重曹からなる脱塩剤が供給される。集塵機14で捕集された飛灰の一部が、当該集塵機14の入口側に戻されるように循環する。当該飛灰の循環率を15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間に維持しながら、排ガス中の酸性ガスの濃度を目標値以下にするように循環量及び脱塩剤供給量が調節される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、都市ごみ等の廃棄物を焼却することにより発生する廃棄物焼却排ガスを集塵処理するとともに当該廃棄物焼却排ガスに含まれる塩化水素等の酸性ガスを除去するための方法及び装置に関するものである。
従来、前記のような廃棄物焼却排ガスの処理方法として、当該排ガスに酸性ガス除去用の脱塩剤、例えば重曹、を添加してから当該排ガスを集塵機に導入する方法が知られている。この方法では、処理後の排ガス中の酸性ガスの濃度が目標値以下になるように前記脱塩剤の供給量が調整される。
しかし、この方法において、前記酸性ガスの濃度を確実に低下させるには、前記排ガスに対して脱塩剤に余裕をもたせた量、具体的には1.2〜1.3程度の当量比で添加する必要がある。このような高めの当量比によると、前記酸性ガスの除去に寄与しなかった過剰の脱塩剤が未反応のまま排出されることになる。
そこで近年は、前記脱塩剤の有効な節減を図るべく、前記集塵機により捕集される飛灰であって過剰の脱塩剤を含む飛灰の一部を循環させる技術、すなわち、当該集塵機から排出される飛灰の一部を当該集塵機の入口側に戻す技術、が提案されている。例えば特許文献1には、集塵機であるバグフィルタにより捕集される飛灰を3倍以上の飛灰循環倍率で循環させることにより、すなわち集塵機から排出される飛灰の66.7%以上を循環させることにより、新しい脱塩剤の供給量を削減することが、記載されている。
ここで、飛灰循環倍率とは、集塵機から排出される飛灰量(流量)を廃棄物の焼却により発生する飛灰の量(流量)で除した値である。
特開2014−24052号公報
前記の飛灰の循環は、新しい脱塩剤の使用量の削減に寄与する反面、集塵機の負荷を大きくするという課題を発生させる。この集塵機の負荷の増大は、当該集塵機の大型化を招く。さらに、当該集塵機がバグフィルタである場合、そのメンテナンス作業も煩雑となる。具体的には、ろ過圧上昇速度の著しい増加により、当該バグフィルタから粉塵を除去する操作の頻度やフィルタ劣化速度の上昇、ひいてはフィルタ交換頻度の上昇といった不都合を生じさせる。
本発明の目的は、集塵機及び脱塩剤の使用により廃棄物焼却排ガスの処理を行う方法及び装置であって、前記集塵機の負荷の著しい増大を伴うことなく前記脱塩剤の使用量の節減を図りながら、廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を有効に低減させることが可能なものを、提供することにある。
この目的を達成するため、本発明者らは、前記飛灰の好適な循環率について検討を重ねた結果、当該循環率が15%以上であれば、脱塩剤である重曹の使用量について著しい改善が達成されることを見出し、さらに、この傾向は廃棄物焼却設備が流動床式ガス化溶融炉である場合、すなわち、流動媒体からなる流動床を有するガス化炉とその下流側に配置されて当該流動床式ガス化炉から排出されるガス中の灰分を溶融させる溶融炉を併有するものである場合、に特に顕著であることを見出した。ここでいう循環率とは、集塵機に捕集される飛灰のうち当該集塵機の入口側に戻されて循環する飛灰の量(流量)を集塵機から排出される飛灰の量(流量)で除した値である。
従って、この循環率を15%以上の比較的低い範囲、具体的には50%以下の範囲に収めるように当該飛灰の循環を行うことにより、集塵機の負荷を抑えながら前記重曹の使用量を有効に削減することが可能となる。
本発明は、このような観点からなされたものである。すなわち、本発明が提供するのは、廃棄物焼却設備における廃棄物の焼却により発生するガスである廃棄物焼却排ガスを集塵処理するとともに当該廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を低下させるための方法であって、当該廃棄物焼却排ガスを集塵機に導入して飛灰を捕集することと、前記集塵機に導入される廃棄物焼却排ガスに対して重曹からなる脱塩剤を当該集塵機の上流側で供給することと、前記集塵機の上流側または下流側における前記廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を検出することと、前記集塵機で捕集された飛灰の一部を当該集塵機の入口側に戻して循環させることと、当該飛灰の循環率を15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間に維持しながら、前記酸性ガスの濃度を目標値以下にするように前記飛灰の循環量及び前記脱塩剤の供給量を調節することと、を含む。
この方法によれば、15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間の範囲内に循環率を維持する運転が、集塵機の負荷を抑えながら前記脱塩剤の使用量を有効に削減することを可能にする。具体的に、前記特許文献1に記載される3倍以上の循環倍率は、66.7%以上の循環率に相当し、この循環率は集塵機の負荷を著しく大きくし、その大型化を必要とするのに対し、当該循環率を50%以下に抑えることは、従来に比べて集塵機の負荷の増大を有効に抑えることを可能にする。しかも、前記許容循環範囲内に収めながら酸性ガス濃度を目標値以下に抑えるように当該循環量及び脱塩剤の供給量を調節することにより、十分な酸性ガスの除去と、脱塩剤の使用量の削減と、集塵機の負荷の抑制を同時に成立させることが可能となる。
具体的に、前記飛灰の循環量及び前記脱塩剤の供給量の調節については、例えば、原則として前記脱塩剤の供給量を予め設定された最低供給量に固定して前記最低循環率と前記最高循環率との間の範囲で前記飛灰の循環率を操作することにより前記酸性ガス濃度の制御を行い、例外として前記循環率を前記最高循環率に設定しても酸性ガス濃度が目標値を上回る場合にのみ前記脱塩剤の供給量を前記最低供給量よりも増加させるものが、好適である。この制御によれば、前記飛灰の循環をその循環率が許容範囲に収まる条件下でフルに活用することにより、新しい脱塩剤の供給量を必要最小限に抑えながら良好な酸性ガス濃度の制御を行うことが、可能である。
前記飛灰の循環については、前記集塵機で捕集された飛灰を飛灰貯留容器に貯留することと、この飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部を前記集塵機の入口側に供給するとともにその飛灰の供給量である循環量を調節して前記酸性ガス濃度を制御することと、前記飛灰が前記飛灰貯留容器内に滞留する時間を予め設定された許容範囲内に収めるように前記飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部を循環させずに排出しかつその排出量を調節することと、を含むのが、好ましい。
この方法では、前記飛灰貯留容器から前記集塵機の入口側への前記飛灰の供給及びその調節によって良好な酸素ガス濃度制御の実行を可能にするとともに、この飛灰の循環とは別に前記飛灰貯留容器内の飛灰の一部を排出してその排出量を調節することにより、前記飛灰貯留容器内での前記飛灰の滞留時間を短く抑えることができる。このように飛灰の滞留時間を予め設定された範囲内(例えば30分前後の範囲)に制限することは、貯留された飛灰が吸湿することによる当該飛灰の各所への付着や流動性の低下の抑止を可能にする。
また本発明は、廃棄物焼却設備における廃棄物の焼却により発生するガスである廃棄物焼却排ガスを集塵処理するとともに当該廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を低下させるための装置を提供する。この装置は、前記廃棄物焼却排ガスを受け入れて当該廃棄物焼却排ガス中の飛灰を捕集する集塵機と、前記集塵機に導入される廃棄物焼却排ガスに対して重曹からなる脱塩剤を当該集塵機の上流側で供給する脱塩剤供給部と、前記集塵機の上流側または下流側における前記廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を検出する酸性ガス濃度検出器と、前記集塵機で捕集された飛灰の一部を当該集塵機の入口側に戻して循環させる飛灰循環装置と、当該飛灰の循環率を15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間に維持しながら、前記酸性ガスの濃度を目標値以下にするように前記飛灰の循環量及び前記脱塩剤の供給量を調節する、酸性ガス濃度制御部と、を含む。
この装置によれば、前記のように、15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間に循環率を維持する運転が、集塵機の負荷の抑制及び脱塩剤の使用量の削減を図りながら酸性ガスの十分な除去を行うことを可能にする。
前記酸性ガス濃度制御部は、例えば、原則として前記脱塩剤の供給量を予め設定された最低供給量に固定して前記最低循環率と前記最高循環率との間の範囲で前記飛灰の循環率を操作することにより前記酸性ガス濃度の制御を行い、例外として前記循環率を前記最高循環率に設定しても酸性ガス濃度が目標値を上回る場合にのみ前記脱塩剤の供給量を前記最低供給量よりも増加させるものが、好適である。この酸性ガス濃度制御部は、前記飛灰の循環をその循環率が許容範囲に収まる条件下でフルに活用することにより、新しい脱塩剤の供給量を必要最小限に抑えながら良好な酸性ガス濃度の制御を行うことを、可能にする。
前記飛灰循環装置は、前記集塵機で捕集された飛灰を貯留する飛灰貯留容器と、この飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部を前記集塵機の入口側に供給する飛灰循環系と、その飛灰の供給量である循環量を変化させる循環調節部と、前記飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部の排出を許容するとともにその排出量を変化させる排出調節部と、含み、前記酸性ガス濃度制御部は、前記酸性ガス濃度を前記目標値以下にするように前記循環調節部に指令を与えることが、好ましい。
この場合、さらに、前記飛灰が前記飛灰貯留容器内に滞留する時間を予め設定された許容時間内に収めるように前記排出調節部に指令を与える排出量制御部を、さらに備えることが、好ましい。この排出量制御部は、前記排出調節部とともに、前記酸性ガス濃度の制御のための前記飛灰の循環とは別に前記飛灰貯留容器内の飛灰の一部の排出量を調節することにより、前記飛灰貯留容器内での前記飛灰の滞留時間を短く抑えることができる。
前記飛灰循環装置は、前記飛灰循環系を構成する配管の途中に設けられる差圧計を含むことが、好ましい。この差圧計は、前記飛灰貯留容器から前記集塵機の入口側に供給されるべき循環飛灰が前記配管内で閉塞しているか否かの確認を可能にする。
本発明に係る方法及び装置において、前記集塵機は、例えば、排ガス中の飛灰を捕捉するろ布を含むバグフィルタが好適である。当該バグフィルタによれば、捕捉した飛灰に含まれる重曹と排ガス中の酸性ガスとを効率よく反応させることができる。
以上のように、本発明によれば、集塵機及び脱塩剤の使用により廃棄物焼却排ガスの処理を行う方法及び装置であって、前記集塵機の負荷の著しい増大を伴うことなく前記脱塩剤の使用量の節減を図りながら、廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を有効に低減させることが可能なものが、提供される。
本発明の第1の実施の形態に係る廃棄物焼却設備及びその排ガスの処理装置を示すブロック図である。 前記排ガス処理装置に含まれる飛灰循環装置及び制御装置を示すフローシートである。 前記制御装置の機能構成を示すブロック図である。 前記制御装置が行う酸性ガス濃度の制御の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る廃棄物焼却設備及びその排ガスの処理装置を示すブロック図である。 各循環率における脱塩剤供給量の当量比と脱塩率との関係を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る廃棄物焼却設備10と、この廃棄物焼却設備10から排出される廃棄物焼却排ガスを冷却する排ガス冷却設備12と、その冷却後の廃棄物焼却排ガスを処理するための排ガス処理装置と、を示す。
前記廃棄物焼却設備10は、都市ごみ等の廃棄物を少なくとも焼却処理するものであり、例えば、流動床式焼却炉、ストーカー炉、を含む。この廃棄物焼却設備10としては、後にも述べるように、流動床式ガス化溶融炉を含むものが好適である。この流動床式ガス化溶融炉は、砂等の流動媒体からなる流動床を有して廃棄物を焼却する流動床式ガス化炉と、前記焼却により発生したガスをさらに燃焼させて当該ガス中の灰分を溶融させる溶融炉と、を併有する。
前記排ガス冷却設備12は、前記廃棄物焼却設備10から排出される廃棄物焼却排ガスを許容温度(例えば170〜180°C)まで冷却するものであり、ボイラや減温塔が該当する。
この実施の形態に係る前記排ガス処理装置は、集塵機14と、脱塩剤供給部16と、酸性ガス濃度検出器18と、飛灰循環装置20と、制御装置30と、を備える。
前記集塵機14は、冷却された前記廃棄物焼却排ガスを受け入れて当該廃棄物焼却排ガス中の飛灰を捕集する。この集塵機14には、例えばバグフィルタが好適である。バグフィルタは、ろ布及びこれを収容するハウジングを備え、前記ろ布は前記廃棄物焼却排ガス中の飛灰をその表面に捕捉するから、その捕捉された飛灰に含まれる脱塩剤と後続の廃棄物焼却排ガス中の酸性ガスとを効率よく反応させることが可能である。
前記脱塩剤供給部16は、前記集塵機14の入口側で当該集塵機14に導入される前記廃棄物焼却排ガスに対して酸性ガスを除去するための脱塩剤を供給する。この脱塩剤は重曹からなる。脱塩剤供給部16は、前記脱塩剤を貯留する脱塩剤貯留部と、この脱塩剤貯留部に貯留された脱塩剤を前記集塵機14の入口側、例えば入口側配管内、に供給するととともにその供給量を調節する調節部と、を含み、前記制御装置30により指令される量の脱塩剤の供給を行う。
前記酸性ガス濃度検出器18は、前記集塵機14の下流側に設けられ、この集塵機14から排出されて煙突に向かう廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度Cgを検出する。本発明において対象となる酸性ガスは、適宜設定可能であるが、多くの場合は塩化水素及び硫黄酸化物である。酸性ガス濃度検出器18は、前記酸性ガスの濃度Cgに対応した電気信号すなわち検出信号を生成し、前記制御装置30に入力する。
前記飛灰循環装置20は、前記集塵機で捕集された飛灰の一部を当該集塵機の入口側に戻して循環させるとともに、その循環する飛灰の量(流量)を変化させる機能を有する。
具体的に、この実施の形態に係る飛灰循環装置20は、図2に示すような飛灰搬入コンベア21、飛灰貯留容器22、循環切出し弁23、排出切出し弁24、飛灰搬出コンベア25及びブロア26を有する。
前記飛灰貯留容器22は、前記集塵機14で捕集された飛灰を一時的に貯留するための容器であり、当該飛灰を受け入れるための入口と、当該飛灰のうち循環されるべき飛灰を排出するための循環用出口と、当該飛灰のうち系外(別の飛灰処理設備)に排出するための排出用出口と、を有する。前記入口は、前記飛灰貯留容器22の上部に設けられ、前記両出口は前記飛灰貯留容器22の底部に設けられる。
前記飛灰搬入コンベア21は、当該集塵機14から回収される飛灰を前記飛灰貯留容器22に搬入するように配置される。前記集塵機14内の飛灰の回収は、当該集塵機14が例えばバグフィルタの場合、これに含まれるろ布に対して一時的に高圧を作用させることにより、行われる。
前記飛灰貯留容器22には、堆積量検出器27が設けられる。この堆積量検出器27は、前記飛灰貯留容器22内に貯留される貯留飛灰28の堆積量Vを検出し、その堆積量Vに応じた電気信号である堆積量検出信号を前記制御装置30に入力する。具体的に、この飛灰貯留容器22は、前記飛灰貯留容器22内において上下方向に並ぶ複数のレベルセンサ(図2では下から順に並ぶn個のレベルセンサL1,L2,L3,…,Ln)を含み、各レベルセンサは、当該レベルセンサが設けられる高さ位置まで貯留飛灰28が堆積した場合にオフからオンに切換えられる。従って、これらのレベルセンサのうちオンに切換わったレベルセンサを確認することにより、前記堆積量V(正確には当該堆積量Vが存在する堆積量範囲)を特定することが、可能である。
前記循環切出し弁23は、前記飛灰貯留容器22の循環用出口に設けられ、当該循環用出口を通じての貯留飛灰28の排出量(すなわち循環流量)を変化させる循環調節部を構成する。具体的に、循環切出し弁23は、当該循環用出口を通じての貯留飛灰28の排出の許容/阻止を切換えるように開閉作動する。
前記排出切出し弁24は、前記飛灰貯留容器22の排出用出口に設けられ、当該排出用出口を通じての貯留飛灰28の排出量(狭義の排出流量)を変化させる排出調節部を構成する。具体的に、排出切出し弁24は、当該排出用出口を通じての貯留飛灰28の排出の許容/阻止を切換えるように開閉作動する。
これらの切出し弁23,24は、単なる開閉作動のみを行うものでもよいし、貯留飛灰28の排出流量を連続的に調節することができるように可変の開度を有するものでもよい。
前記飛灰搬出コンベア25は、前記循環切出し弁23を通じて排出される飛灰すなわち循環飛灰の搬出を行うように配置され、前記ブロア26は、その搬出された飛灰を前記集塵機14の入口側に給送するように作動する。これらの飛灰搬出コンベア25及びブロア26は、前記循環切出し弁23とともに、前記飛灰貯留容器22内に貯留される貯留飛灰28を前記集塵機14の入口側に循環させるための飛灰循環系を構成する。なお、飛灰循環系の具体的な構成は図2に示されるものに限定されるものではない。
この飛灰循環装置20は、さらに、図2に示すような差圧計29を含むことが、好ましい。この差圧計29は、前記飛灰循環系を構成する配管中に設けられ、その特定箇所における差圧ΔPすなわち前後の圧力の差を検出する。この差圧の検出は、前記飛灰循環系において循環飛灰の閉塞が発生しているか否かの確認を可能にする。具体的に、詰りが生じていないときは負圧が検出される一方、詰りが生じているときには正圧が検出される。
前記制御装置30は、これに入力される前記各検出信号に基づき、次の制御を行う。
1)酸性ガス濃度制御:制御装置30は、酸性ガス濃度検出器18により検出される酸性ガス濃度Cgに基づき、当該酸性ガス濃度を予め設定された目標値Cgo以下にするように、脱塩剤供給量Snの調節及び飛灰循環量Yrの調節を行う。飛灰循環量の調節は飛灰循環率Rに基いて行う。飛灰循環率Rは次式により与えられる。
飛灰循環率R=[集塵機14に捕集される飛灰のうち当該集塵機14の入口側に戻されて循環する飛灰の量(流量)]/[集塵機14から(飛灰貯留容器22に)排出される飛灰の総量(流量)]…(1)
ここで、集塵機14から排出される飛灰の総量は、何らかの手段で検出されてもよいし、廃棄物の組成から算定された量であってもよい。
前記制御装置30は、前記飛灰循環率Rが、予め設定された最小循環率Rminと最大循環率Rmaxとの間に収まる範囲内で、前記飛灰循環量Yrの調節を行う。前記最小循環率Rmin及び最大循環率Rmaxは、15%以上50%以下の範囲内で設定される。すなわち、15%≦Rmin<Rmax≦50%となるように、設定される。その効果については後述する。
2)滞留時間制御:制御装置30は、前記酸性ガス濃度制御のための飛灰循環量Yrの調節を行いながら、前記循環飛灰が前記飛灰貯留容器22内に滞留する滞留時間Tsを許容時間Ta内に収めるように、飛灰排出量Ydすなわち前記排出切出し弁24を通じて系外(例えば別の飛灰処理設備)に排出される飛灰の量(流量)の調節を行う。前記許容時間Taは、飛灰が集塵機14からその入口側に循環するまでに要する時間の許容値Toに基いて決定される。具体的には、次式により与えられる。
許容時間Ta=To−Ti−Tr…(2)
ここで、Tiは飛灰が集塵機14より排出されてから飛灰貯留容器22内に搬入されるまでに要する時間、Trは飛灰貯留容器22から循環切出し弁23を通じて排出される循環飛灰が集塵機14の入口側に到達するまでに要する時間であり、いずれも一定値とみなされる。
この滞留時間制御は、前記滞留時間Tsひいては循環時間を一定時間内に制限することにより、循環飛灰の吸湿を抑止するためのものである。
前記制御装置30は、具体的に、図3に示すような機能構成を有する。すなわち、制御装置30は、酸性ガス濃度判定部32と、飛灰循環操作部34と、脱塩剤供給操作部36と、飛灰排出量演算部37と、飛灰排出操作部38と、を含む。
前記酸性ガス濃度判定部32は、前記飛灰循環操作部34及び前記脱塩剤供給操作部36とともに、酸性ガス濃度を制御するための酸性ガス濃度制御部を構成する。具体的に、前記酸性ガス濃度判定部32は、前記酸性ガス濃度検出器18により検出される(実際の)酸性ガス濃度Cgと、前記目標値Cgoと、の偏差ΔCg=Cg−Cgoを演算し、この偏差ΔCgを0以下にする制御のための飛灰循環量Yr及び(新しい)脱塩剤の供給量Snの決定を行う。その具体的な内容については後述する。
前記飛灰循環操作部34及び脱塩剤供給操作部36は、前記酸性ガス濃度判定部32により決定された飛灰循環量Yr及び脱塩剤供給量Snが得られるように、前記循環切出し弁23及び前記脱塩剤供給部16に指令信号を入力してこれらを作動させる。前記循環切出し弁23が単なる開閉作動のみを行うものである場合、つまり、当該循環切出し弁23の開度が固定されたものである場合、前記飛灰循環操作部34は、単位時間当たりの飛灰の循環量である前記飛灰循環量Yrが得られるように前記循環切出し弁23の開弁時間と閉弁時間の比を調節する。
前記飛灰排出量演算部37は、前記飛灰排出操作部38とともに、排出量制御部を構成する。この排出量制御部は、前記貯留飛灰28が前記飛灰貯留容器22内に滞留する時間である滞留時間Tsを前記許容時間Ta内に収めるように前記排出切出し弁24に指令信号を入力してこれを作動させる。具体的に、前記飛灰排出量演算部37は、前記滞留時間Tsの制御のための飛灰排出量Ydを演算し、前記飛灰排出操作部38は、当該飛灰排出量Ydを得るための指令信号を前記排出切出し弁24に入力する。前記排出切出し弁24が単なる開閉作動のみを行うものである場合、つまり、当該排出切出し弁24の開度が固定されたものである場合、前記飛灰排出操作部38は、単位時間当たりの飛灰の排出量である前記飛灰循環量Ydが得られるように前記排出切出し弁24の開弁時間と閉弁時間の比を調節する。
次に、前記排ガス処理装置の作用と、これに付随する前記制御装置30の制御動作の詳細を、図4のフローチャートを併せて参照しながら説明する。
図1に示されるシステムにおいて、廃棄物焼却設備10から排出されるガスすなわち廃棄物焼却排ガスは、排ガス冷却設備12で適当な温度まで冷却された後、集塵機14に導入される。この集塵機14は、導入される廃棄物焼却排ガス中に含まれる煤塵であって飛灰を含むものを捕捉する。この集塵機14を通過したガス、すなわち前記煤塵が除去された後のガス、は煙突を通じて大気に放出される。
一方、脱塩剤供給部16は、前記廃棄物焼却排ガスが前記集塵機14に導入される前に当該廃棄物焼却排ガスに脱塩剤である重曹を供給する。この脱塩剤は、前記廃棄物焼却排ガスに含まれる酸性ガスと反応することにより当該酸性ガスの除去に寄与する。特に、前記集塵機14がバグフィルタの場合、供給される脱塩剤は前記飛灰とともに当該バグフィルタ内のろ布に付着するため、このバグフィルタ内で効率よく酸性ガスと反応することが可能である。
さらに、図2に示す飛灰循環装置20は、前記集塵機14で捕捉された飛灰を一旦貯留し、その一部を集塵機14の入口側に循環させるとともに、残りの部分を系外の例えば飛灰処理設備に排出する。前記飛灰の循環は、新しい脱塩剤の供給量の節減に寄与し、それ以外の飛灰の排出(狭義の排出)は貯留飛灰28の滞留時間の短縮に寄与する。具体的に、前記集塵機14から排出される飛灰は、搬入コンベア21によって飛灰貯留容器22内に貯留される。この飛灰貯留容器22内の貯留飛灰28の一部は、循環切出し弁23の開弁により、当該循環切出し弁23、搬出コンベア25及びブロア26を通じて集塵機14の入口側に戻される。また、当該貯留飛灰28の一部は、排出切出し弁23の開弁により、循環されることなくそのまま他の飛灰処理設備に送られる。
前記脱塩剤の供給及び飛灰の循環について、制御装置30は図4に示すような制御動作を行う。
まず、制御装置30の酸性ガス濃度判定部32は、初期設定として、新しい脱塩剤の供給量である脱塩剤供給量Snを最小供給量Snoに設定するとともに、飛灰循環率Rを予め設定された最小循環率Rminとするような飛灰循環量Yrを設定する(ステップS0)。この最小循環率Rminは既述のように15%以上の範囲で設定される。この設定は、後の実施例の項でも述べるように、脱塩剤を含む飛灰の循環により新しい脱塩剤の供給量Snの節減を図りながら酸性ガス濃度の良好な制御を行うことを可能にし、さらに、この脱塩剤の供給量Snの節減効果は、前記廃棄物焼却設備10が流動床式ガス化溶融炉である場合に顕著となる。
前記酸性ガス濃度判定部32は、検出された実際の酸性ガス濃度Cgと予め設定された目標値Cgoとの偏差ΔCg=Cg−Cgoを演算し(ステップS1)、当該偏差ΔCgを0に近づけるための飛灰循環量Yrを決定する。この飛灰循環量Yrの決定は、前記飛灰循環率Rを前記最小循環率Rmin以上でかつ予め設定された最大循環率Rmax(>Rmin)以下の範囲内に維持するように、つまりRmin≦R≦Rmaxという条件を満たすように、行われる(ステップS2)。
前記最大循環率Rmaxは、50%以下の範囲で、つまり、15%≦Rmin<Rmax≦50%となるように、設定される。このように飛灰循環率Rを50%以下の範囲に抑えることは、集塵機14の負荷の増大を抑えながら脱塩剤の使用量の節減を図ることを可能にする。従って、当該負荷の増大に伴う集塵機14の著しい大型化や、集塵機14がバグフィルタである場合のろ布の劣化の促進によるメンテナンス作業の頻度の上昇を、有効に抑止することができる。
前記酸性ガス濃度判定部32は、原則として、前記脱塩剤供給量Snを前記最小値Snoに固定したまま前記飛灰循環量Yrを操作することにより、前記偏差ΔCgに基づくフィードバック制御を行う。具体的に、初期状態において前記偏差ΔCgが0または負である場合、すなわち実際の酸性ガス濃度Cgが目標値Cgo以下の場合、酸性ガス濃度判定部32は、脱塩剤供給量Sn及び飛灰循環率Rをそれぞれ初期設定のまま最小供給量Sno及び最小循環率Rminに維持する。偏差ΔCgが正である場合は、これを0に近づけるように、前記飛灰循環量Yrを増加させる。
この飛灰循環量Yrの操作は、当該飛灰循環量Yrに対応する飛灰循環率RがRmaxに到達するまでは(ステップS3でYES)、脱塩剤供給量Snを最小供給量Snoに固定したまま行われるが(ステップS4)、当該飛灰循環率RがRmaxまで到達した時点からは(ステップS3でNO)、それ以上飛灰循環率Rの増加すなわち飛灰循環量Yrの増加は行わずに、脱塩剤供給量Snを最小供給量Snoよも増やすことによって、酸性ガス濃度のフィードバック制御が実行される(ステップS5)。
逆に、このように脱塩剤供給量Snが最小供給量Snoよりも大きい状態から酸性ガス濃度Cgが目標値Cgoよりも低下した場合、酸性ガス濃度判定部32は、飛灰循環率RをRmaxに維持したまま脱塩剤供給量Snを下げる(最小供給量Snoに近づける)ことによりフィードバック制御を実行し、当該脱塩剤供給量Snを最小供給量Snoまで下げた時点でまだ酸性ガス濃度Cgが低い場合は当該脱塩剤供給量Snを最小供給量Snoに固定しながら飛灰循環量Yrを減少させることによりフィードバック制御を実行する。
以上説明した制御は、飛灰循環率Rの許容範囲(Rmin−Rmax)内で飛灰循環機能をフルに活用することにより、新しい脱塩剤の供給量Snを最小限に抑えながら、良好な酸性ガス濃度の制御を行うことを可能にする。なお、この制御では、酸性ガス濃度Cgの増加時と減少時との間に適当なヒステリシスが与えられてもよい。例えば、酸性ガス濃度Cgの増加時に脱塩剤供給量Snの増加開始の起点となる最小供給量Snoと、酸性ガス濃度Cgの減少時に飛灰循環率Rの低下を開始するトリガーとなる最小供給量Sno′との間に差が与えられてもよい。あるいは、飛灰循環率RがRmin≦R≦Rmaxという条件を満たす範囲で、前記脱塩剤供給量Snと前記飛灰循環量Yrの双方を変化させることによりフィードバック制御が実行されてもよい。
一方、前記制御装置30の飛灰排出量演算部37及び飛灰排出操作部38は、堆積量検出器27が検出する(飛灰貯留容器22内の)貯留飛灰28の堆積量Vに基づき、当該貯留飛灰28が前記飛灰貯留容器22内に滞留する滞留時間Tsを許容時間Ta内に収めるように、飛灰排出量Ydの演算及び調節を行う。
具体的に、前記貯留飛灰28の滞留時間Tsは、前記堆積量V[m]と、前記飛灰循環量Yrすなわち前記循環切出し弁23を通じて排出される循環飛灰の流量[m/h]と、前記飛灰排出量Ydすなわち前記排出切出し弁24を通じて排出される飛灰の流量[m/h]と、を用いて次の式により表される。
Ts=V/(Yr+Yd) …(3)
この式において、飛灰循環量Yrは前記酸性ガス濃度のフィードバック制御のために酸性ガス濃度判定部32により決定されるから、実際の堆積量Vに基づき、(3)式及びTs≦Taを満たすような飛灰排出量Ydを決定することにより、前記の良好な飛灰循環を行いながら飛灰貯留容器22内の貯留飛灰28の滞留を抑制することができる。この滞留の抑制は、貯留飛灰28の吸湿に起因する当該飛灰の各所への付着や流動性の低下の抑止を可能にする。
ただし、前記堆積量Vが過度に小さいと、運転状態によっては飛灰貯留容器22内の貯留飛灰28が枯渇して循環が不能になるおそれがあるため、滞留時間Tsの下限値Tminも設定されてTmin≦Ts≦Taという条件を満たすように飛灰排出量Ydが決定されること、あるいは、堆積量の最小値Vminが設定されてV≧Vminという条件も満たすように飛灰排出量Ydが決定されること、が好ましい。
例えば、図2に示される堆積量検出器27の場合、これに含まれる最下位のレベルセンサL1またはその近傍のレベルセンサ(例えばレベルセンサL2またはL3)がオフとなった時点で、実際の飛灰循環量Yrにかかわらず排出切出し弁24を閉弁する制御が行われてもよい。逆に、排出切出し弁24が閉じている状態で、堆積量検出器27により検出される堆積量Vが、現在の飛灰循環量Yrに基いて算定される許容堆積量Va(=Yr×Ta)に達した時点で排出切出し弁24を開弁するような制御が行われてもよい。
前記酸性ガス濃度検出器18が酸性ガス濃度Cgを検出する部位は、前記集塵機14の出口側の部位に限られない。例えば、第2の実施の形態として図5に示すように、集塵機14の入口側の部位であって、循環飛灰が供給される部位及び新しい脱塩剤が供給される部位よりも上流側の位置における酸性ガス濃度を検出するように酸性ガス濃度検出器18が配置されてもよい。すなわち、当該酸性ガス濃度検出器18が検出する酸性ガス濃度Cgに基いてフィードフォワード制御が行われてもよい。
本発明者らは、廃棄物焼却設備10が流動床式ガス化溶融炉であるシステムにおいて、飛灰循環率を適宜変更して運転を行い、そのときの脱塩剤供給量の当量比と脱塩率との関係を特定する実験を行った。その結果を図6に示す。ここで当量比とは、実際に供給される(新しい)脱塩剤の量と、理論上、廃棄物焼却排ガス中の酸性ガスを全て脱塩剤(重曹)と反応させるために必要な当該脱塩剤の量と、の比である。従って、脱塩率が一定の場合、当量比が低いほど、飛灰の循環による脱塩剤供給量の節減効果が高いことを意味する。
図5において、例えば96%の脱塩率を目標とする場合、飛灰循環率が0%である場合に比べて飛灰循環率が15%の場合には当量比にして約0.05の改善がみられる。換言すれば、15%以上の飛灰循環率を確保すれば、脱塩剤供給量の節減について著しい改善が認められる。さらに、20%以上の飛灰循環率を確保すれば、当量比にして約0.2もの改善が期待できる。この効果は、廃棄物焼却設備10が流動床式ガス化溶融炉以外のもの、例えば流動床式焼却炉やストーカー炉である場合も得られることが可能であるが、当該廃棄物焼却設備10が流動床式ガス化溶融炉である場合に顕著であることが確認された。
10 廃棄物焼却設備
14 集塵機
16 脱塩剤供給部
18 酸性ガス濃度検出器
20 飛灰循環装置
22 飛灰貯留容器
23 循環切出し弁(循環調節部)
24 排出切出し弁(排出調節部)
25 飛灰搬出コンベア(飛灰循環系)
26 ブロア(飛灰循環系)
27 堆積量検出器
28 貯留飛灰
29 差圧計
30 制御装置
32 酸性ガス濃度判定部
34 飛灰循環操作部
36 脱塩剤供給操作部
37 飛灰排出量演算部
38 飛灰排出操作部

Claims (11)

  1. 廃棄物焼却設備における廃棄物の焼却により発生するガスである廃棄物焼却排ガスを集塵処理するとともに当該廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を低下させるための方法であって、
    前記廃棄物焼却排ガスを集塵機に導入して飛灰を捕集することと、
    前記集塵機に導入される廃棄物焼却排ガスに対して重曹からなる脱塩剤を当該集塵機の上流側で供給することと、
    前記集塵機の上流側または下流側における前記廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を検出することと、
    前記集塵機で捕集された飛灰の一部を当該集塵機の入口側に戻して循環させることと、
    当該飛灰の循環率を15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間に維持しながら、前記酸性ガスの濃度を目標値以下にするように前記飛灰の循環量及び前記脱塩剤の供給量を調節することと、を含む、廃棄物焼却排ガスの処理方法。
  2. 請求項1記載の廃棄物焼却排ガスの処理方法において、前記廃棄物焼却設備が流動床式ガス化溶融炉を含む、廃棄物焼却排ガスの処理方法。
  3. 請求項1または2記載の廃棄物焼却排ガスの処理方法において、前記飛灰の循環量及び前記脱塩剤の供給量の調節は、原則として前記脱塩剤の供給量を予め設定された最低供給量に固定して前記最低循環率と前記最高循環率との間の範囲で前記飛灰の循環率を操作することにより前記酸性ガス濃度の制御を行い、例外として前記循環率を前記最高循環率に設定しても酸性ガス濃度が目標値を上回る場合にのみ前記脱塩剤の供給量を前記最低供給量よりも増加させることと、を含む、廃棄物焼却排ガスの処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄物焼却排ガスの処理方法において、前記飛灰の循環について、前記集塵機で捕集された飛灰を飛灰貯留容器に貯留することと、この飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部を前記集塵機の入口側に供給するとともにその飛灰の供給量である循環量を調節して前記酸性ガス濃度を制御することと、前記飛灰が前記飛灰貯留容器内に滞留する時間を予め設定された許容範囲内に収めるように前記飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部を循環させずに排出しかつその排出量を調節することと、を含む、廃棄物焼却排ガスの処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の廃棄物焼却排ガスの処理方法において、前記集塵機が排ガス中の飛灰を捕捉するろ布を含むバグフィルタである、廃棄物焼却排ガスの処理方法。
  6. 廃棄物焼却設備における廃棄物の焼却により発生するガスである廃棄物焼却排ガスを集塵処理するとともに当該廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を低下させるための装置であって、
    前記廃棄物焼却排ガスを受け入れて当該廃棄物焼却排ガス中の飛灰を捕集する集塵機と、
    前記集塵機に導入される廃棄物焼却排ガスに対して重曹からなる脱塩剤を当該集塵機の上流側で供給する脱塩剤供給部と、
    前記集塵機の上流側または下流側における前記廃棄物焼却排ガス中の酸性ガス濃度を検出する酸性ガス濃度検出器と、
    前記集塵機で捕集された飛灰の一部を当該集塵機の入口側に戻して循環させる飛灰循環装置と、
    当該飛灰の循環率を15%以上50%以下の範囲内で設定される最低循環率と最高循環率との間に維持しながら、前記酸性ガスの濃度を目標値以下にするように前記飛灰の循環量及び前記脱塩剤の供給量を調節する、酸性ガス濃度制御部と、を含む、廃棄物焼却排ガスの処理装置。
  7. 請求項6記載の廃棄物焼却排ガスの処理装置であって、前記酸性ガス濃度制御部は、原則として前記脱塩剤の供給量を予め設定された最低供給量に固定して前記最低循環率と前記最高循環率との間の範囲で前記飛灰の循環率を操作することにより前記酸性ガス濃度の制御を行い、例外として前記循環率を前記最高循環率に設定しても酸性ガス濃度が目標値を上回る場合にのみ前記脱塩剤の供給量を前記最低供給量よりも増加させる、廃棄物焼却排ガスの処理装置。
  8. 請求項6または7記載の廃棄物焼却排ガスの処理装置であって、前記飛灰循環装置は、前記集塵機で捕集された飛灰を貯留する飛灰貯留容器と、この飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部を前記集塵機の入口側に供給する飛灰循環系と、その飛灰の供給量である循環量を変化させる循環調節部と、前記飛灰貯留容器に貯留された飛灰の一部の排出を許容するとともにその排出量を変化させる排出調節部と、含み、前記酸性ガス濃度制御部は、前記酸性ガス濃度を制御するように前記循環調節部に指令を与える、廃棄物焼却排ガスの処理装置。
  9. 請求項8記載の廃棄物焼却排ガスの処理装置であって、前記飛灰が前記飛灰貯留容器内に滞留する時間を予め設定された許容時間内に収めるように前記排出調節部に指令を与える排出量制御部をさらに備える、廃棄物焼却排ガスの処理装置。
  10. 請求項8または9記載の廃棄物焼却排ガスの処理装置であって、前記飛灰循環装置は、前記飛灰循環系を構成する配管の途中に設けられる差圧計を含む、廃棄物焼却排ガスの処理装置。
  11. 請求項6〜10のいずれかに記載の廃棄物焼却排ガスの処理装置であって、前記集塵機は、排ガス中の飛灰を捕捉するろ布を含むバグフィルタである、廃棄物焼却排ガスの処理装置。

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