JP5955622B2 - 排ガス処理装置およびこれを用いた排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理装置およびこれを用いた排ガス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス処理装置およびこれを用いた排ガス処理方法に関するものであり、特に、廃棄物焼却炉などから排出される燃焼排ガス中のばいじんや酸性ガス成分の除去処理を行い、無害化を図る排ガス処理装置およびこれを用いた排ガス処理方法に関する。
ごみ処理施設など廃棄物焼却炉など、ばいじんや酸性ガス(HCL、SOx等)を含む燃焼排ガスを排出するプロセスにおいては、ばいじんを集塵装置によって除去するとともに、排ガス中に粉体の消石灰を噴霧し、集塵装置の濾布上にその消石灰を付着保持させることにより、酸性ガスと消石灰粒子を高効率に接触・除去することが一般的に行われている。
しかし、消石灰粒子はその表面しか十分に酸性ガスと反応せず、未反応消石灰といわれる部分がその中心部付近に存在するため、酸性ガス類の中和反応から想定される化学的な必要量以上の消石灰(例えば当量比1.5〜3程度)を投入することによって酸性ガス成分の除去を図り、排ガス規制値を充足させることが通常行われている。また、集塵装置において回収された飛灰を再度集塵装置前段の排ガス中に噴霧し、循環使用することにより飛灰中の未反応消石灰を有効利用するシステムも提案されている。
例えば、図3に示すような構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。排ガス中の酸性ガスを中和する消石灰の使用量を節約できる燃焼排ガスの処理方法を提供することを目的とし、ごみ焼却炉101の排ガス煙道に消石灰を導入して排ガス中のHCLガスを中和し、中和生成物及び未反応消石灰を粉体としてバグフィルタ110で除去し、浄化した排ガスを煙突112から排出する共に、除去した粉体を灰溶融炉118に導入して固化する排ガス処理方法において、消石灰導入点Aの上流のB点とバグハウス109下流のC点で排ガス中のHCl濃度を連続的に測定し(131,134)、B点でのHCLガス濃度が上昇した際に消石灰の導入量を一時的に増すと共に、一時的な増量供給の終了後にC点でのHCL濃度が規制値以下となるまで、バグフィルタ110で除去した粉体を消石灰導入点Aに循環させ、未反応消石灰を再利用する。ここで、102はガスクーラ、103は空気予熱機、104はブロア、105はガスクーラ、106は煙道、107は消石灰ホッパ、108は定量供給機、111は誘引送風機、113は電磁弁、114は抜き出しライン、115,117,137は弁、116は中継ホッパ、119は溶融スラグ、120はスラグタップ、121はスラグピット、132は演算機、133は制御器、135は制御器、136は循環ラインを示す。
特開平11−248141号公報
しかし、上記のような排ガス処理方法や排ガス処理装置では、以下に挙げるような問題点や課題が生じることがあった。
(i)燃焼によって発生する酸性ガス濃度は、廃棄物の性状によって変動し、特に、ごみ焼却炉のように、その組成が大きく変化する廃棄物においては、酸性ガス濃度は非常に大きな変動を伴う。このため、排ガス中に含まれる酸性ガスの中和に必要となる薬剤の吹込み量を一時的に増加させる基準の設定が難しい。
(ii)また、バグフィルタによって捕集された飛灰等を循環させる場合には、新たに吹き込まれた消石灰と循環された飛灰とがバグフィルタで捕集後、その全量が循環飛灰となるため、バグフィルタに捕集される飛灰の量は増加し続け、バグフィルタのダスト負荷の増大につながり、バグフィルタの逆洗処理の頻度の増加や、ろ布の取り替え頻度の増加につながる。
(iii)図3のような構成を用いた排ガス処理方法においては、排ガス中に含まれる酸性ガス濃度が増加した時のみ、消石灰を一時的に増加させた後、捕集された飛灰を循環するため、消石灰の使用量の大幅な削減は期待できない。
(iv)さらに、バグフィルタに捕集された飛灰の一部を常時消石灰供給点に循環させる場合があるが、消石灰の吹込み量の変動にかかわらず、循環量を一定としているため、排ガス中に含まれる酸性ガス濃度が高い条件においては、循環による酸性ガスの除去効果が十分得られないことがある。
そこで、本発明の目的は、例えば廃棄物焼却プラントから排出される排ガス中に含まれる酸性ガスをアルカリ薬剤にて乾式処理した際に集塵装置にて捕集される飛灰を再度集塵装置入口部に供給し(還流し)、飛灰中の未反応アルカリ薬剤を再利用するシステムにおいて、簡便な手段によって、排ガス中に含まれる酸性ガス濃度に応じて、アルカリ薬剤と再利用される飛灰を常に適量供給し、中和反応の効率を高め、中和剤の使用量の低減を図るとともに、飛灰の還流に伴う集塵装置の負担を軽減することができる排ガス処理装置およびこれを用いた排ガス処理方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す排ガス処理装置およびこれを用いた排ガス処理方法によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、排ガス中のばいじんおよび酸性ガス成分の除去処理を行う排ガス処理装置であって、
排ガスの供給量の調整機構を有する排ガス供給部と、中和剤の供給量の調整機構を有する中和剤供給部と、供給された排ガス中の酸性ガス成分と供給された中和剤を反応させる反応処理部と、酸性ガス成分と中和剤による中和反応によって生じた処理済中和剤および排ガス中のばいじんを捕集する集塵装置と、該集塵装置において気固分離処理された気体成分が供出される気体供出部と、該気体成分中の残留酸性ガス成分を測定するガス測定部と、前記集塵装置で気固分離処理された固体成分を排出する固体排出部と、排出された該固体成分の一部を還流固体成分として前記反応処理部に還流する還流量の調整機構を有する固体成分還流処理部と、前記排ガスの供給量,前記中和剤の供給量および前記還流固体成分の還流量が制御される制御部と、を備え、
前記反応処理部において、高純度の中和剤との1次混合処理された後に、前記還流固体成分との2次混合処理された前記排ガスが、前記集塵装置に導入され、
前記制御部において、前記中和剤の供給量が、前記残留酸性ガス成分の測定値を指標として、フィードバック制御され、前記還流固体成分の還流量が、前記残留酸性ガス成分の測定値を指標として、単位時間をステップの基準とする以下のステップ制御が行われることを特徴とする。
(1)前記残留酸性ガス成分濃度が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記残留酸性ガス成分濃度を制御する。
(2)前記残留酸性ガス成分濃度が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記残留酸性ガス成分濃度に制御する。
排ガス処理においては、排ガス中の酸性成分と中和剤の中和処理の反応効率を確保しながら、集塵装置の圧力損失の増大を防止することが重要な課題である。本発明は、その検証過程において、中和処理の反応効率を上げるために、未反応の中和剤を含む固体成分(以下「未反応固体成分」という)を再度排ガス中の酸性成分との中和処理に使用するとともに、排ガスに対する中和処理として、高純度の中和剤との1次混合処理と低純度の中和剤との2次混合処理という多段処理を行うことによって、中和剤の供給量を最小にすることができるとの知見を得た。また、大きく変動する排ガス中の酸性成分に適切に対応できる制御方法として、後述するように、中和剤の供給量に対してフィードバック制御を、および未反応固体成分の還流量に対して比例制御あるいはステップ制御を用いて調整することが好適であるとの知見を得た。こうした構成によって、排ガス中のばいじんおよび酸性ガス成分を除去する排ガス処理装置において、簡便な手段によって、排ガス中に含まれる酸性ガス濃度に応じて、アルカリ薬剤と再利用される飛灰を常に適量供給し、中和反応の効率を高め、中和剤の使用量の低減を図るとともに、飛灰の還流に伴う集塵装置の負担を軽減することが可能となった。なお、中和剤の供給量の調整は、残留酸性ガス成分の測定値を指標とするフィードバック制御(PID制御)が基本であるが、これに付随して、排ガスの供給量を指標とした比例制御を組み合わせることも可能である。
本発明は、上記排ガス処理装置であって、
前記制御部において、指標となる排ガスの供給量あるいは残留酸性ガス成分の測定値の所定時間内の変動が、
(1)低下傾向にある場合には、中和剤の供給量あるいは還流固体成分の還流量を、前記ステップを所定の単位時間数減少させ、
(2)増加傾向にある場合には、中和剤の供給量あるいは還流固体成分の還流量を、前記ステップを所定の単位時間数増加させ、
ステップ制御されることを特徴とする。
上記排ガス処理装置においては、排ガスの供給量を指標とするフィードフォワード制御、あるいは残留酸性ガス成分の測定値を指標とするフィードバック制御を基本とする。このとき、こうした制御を行う基準として、単位時間をステップの基準とするステップ制御を適用することが好ましいとの知見を得た。つまり、気体の酸性成分と固体の中和剤による中和反応のように、固体表面での動的な接触を要する反応系においては、単位時間当りの供給量(流量)を一定にし、単位時間をステップの基準として、そのステップの数量(供給時間)で中和剤あるいは還流固体成分の供給量を効率よく制御することができるとの知見を得た。具体的には、例えば排ガスの供給流量と中和剤の単位時間あたりの供給量(供給流量)を相関があるように設定すると、排ガスが所定の容量を有する空間を所定の速度で通過することを想定すれば、これとほぼ同じ速度でその空間を中和剤が移動することが期待できる。つまり、両者は、短時間ながら静的に接触する状態を形成し、安定な中和反応を形成することが期待できる。排ガスの供給量の減少に応じて、中和剤を供給する単位時間の数量を減少させ、中和剤の供給量を減少させることによって、安定で効率的な中和反応を形成することが可能となる。排ガスの供給量の増加傾向にある場合、あるいは残留酸性ガス成分の変動に対しても、同様の思想を適用することができる。ここで、単位時間は、効率的な接触が期待できる時間またはその所定倍数あるいは所定分数に設定することができる。
また、前記還流固体成分の還流量を調整する指標として、前記残留酸性ガス成分の測定値に代え、前記高純度の中和剤の供給量を用い、
(1a)前記中和剤の供給量が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記中和剤の供給量を制御する
(2a)前記中和剤の供給量が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記中和剤の供給量に制御する
ことにより、ステップ制御が行われることを特徴とする。
迅速に、過剰量の中和剤Cの供給を防止することができるとともに、飛灰の還流に伴う集塵装置の負担を軽減することができる。
また、本発明は、上記いずれかの排ガス処理装置を用いた排ガス中のばいじんおよび酸性ガス成分の除去処理を行う排ガス処理方法であって、
供給された排ガスが、高純度の中和剤との1次混合処理の後に、前記除去処理された排ガスが気固分離処理されて発生した固体成分の一部と2次混合処理され、さらに集塵処理されるとともに、
前記中和剤の供給量が、前記集塵処理された気体成分中の残留酸性ガス成分の測定値を指標として、フィードバック制御され、前記固体成分の一部である還流固体成分の還流量が、前記残留酸性ガス成分の測定値を指標として、単位時間をステップの基準とする以下のステップ制御が行われる。
(1)前記残留酸性ガス成分濃度が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記残留酸性ガス成分濃度を制御する。
(2)前記残留酸性ガス成分濃度が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記残留酸性ガス成分濃度に制御する。
こうした処理方法によって、中和剤の供給量を最小にすることができるとの知見、および中和剤の供給量に対してフィードバック制御を用い、未反応固体成分の還流量に対して比例制御またはステップ制御を用いて調整することが好適であるとの知見を基に、簡便な処理方法によって、排ガス中に含まれる酸性ガス濃度に応じて、アルカリ薬剤と再利用される飛灰を常に適量供給し、中和反応の効率を高め、中和剤の使用量の低減を図るとともに、飛灰の還流に伴う集塵装置の負担を軽減することが可能となった。
本発明は、上記排ガス処理方法であって、指標となる排ガスの供給量あるいは残留酸性ガス成分の測定値の所定時間内の変動が、
(1)低下傾向にある場合には、中和剤の供給量あるいは還流固体成分の還流量を、前記ステップを所定の単位時間数減少させ、
(2)増加傾向にある場合には、中和剤の供給量あるいは還流固体成分の還流量を、前記ステップを所定の単位時間数増加させ、
ステップ制御されることを特徴とする。
気体の酸性成分と固体の中和剤による中和反応のように、固体表面での動的な接触を要する反応系において、単位時間当りの供給量(流量)を一定にし、単位時間をステップの基準として、そのステップの数量(供給時間)で中和剤あるいは還流固体成分の供給量を効率よく制御することができる。こうした処理方法によって、安定で効率的な中和反応を形成し、中和反応の効率を高め、中和剤の使用量の低減を図ることが可能となる。
また、前記還流固体成分の還流量を調整する指標として、前記残留酸性ガス成分の測定値に代え、前記高純度の中和剤の供給量を用い、
(1a)前記中和剤の供給量が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記中和剤の供給量を制御する
(2a)前記中和剤の供給量が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記中和剤の供給量に制御する
ことにより、ステップ制御が行われることを特徴とする。
迅速に、過剰量の中和剤Cの供給を防止することができるとともに、飛灰の還流に伴う集塵装置の負担を軽減することができる。
本発明に係る排ガス処理装置の基本構成を例示する全体構成図。 本発明に係る排ガス処理装置の他の構成を例示する全体構成図。 従来技術に係る燃焼排ガスの処理方法を具現化する装置の構成を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る排ガス処理装置(以下「本装置」という)は、供給された排ガスが、中和剤との1次混合処理の後に、ばいじんおよび酸性ガス成分の除去処理された排ガスが気固分離処理されて発生した固体成分の一部と2次混合処理され、さらに集塵装置に導入されるとともに、中和剤の供給量が、集塵処理された気体成分中の残留酸性ガス成分の測定値を指標として、フィードバック制御され、固体成分の一部である還流固体成分の還流量が、残留酸性ガス成分の測定値および/または中和剤の供給量および/または排ガスの供給量を指標として、比例制御または単位時間をステップの基準とするステップ制御されることを特徴とする。具体的には、以下の構成によって、排ガス中に含まれる酸性ガス濃度に応じて、アルカリ薬剤と再利用される飛灰を常に適量供給し、中和反応の効率を高め、中和剤の使用量の低減を図るとともに、飛灰の還流に伴う集塵装置の負担を軽減することが可能となった。
<本装置の構成例>
本装置の1つの実施態様として、基本的な概略全体構成を、図1に示す(第1構成例)。本装置は、排ガスEの供給量の調整機構を有する排ガス供給部1と、中和剤Cの供給量の調整機構2aを有する中和剤供給部2と、供給された排ガス中の酸性ガス成分Aと供給された中和剤Cを反応させる反応処理部3と、中和反応によって生じた処理済中和剤および排ガスE中のばいじん(以下「反応生成物P」という)を捕集する集塵装置4と、集塵装置4において気固分離処理された気体成分Gが供出される気体供出部5と、気体成分G中の残留酸性ガス成分Gaを測定するガス測定部6と、集塵装置4で気固分離処理された固体成分Sを排出する固体排出部7と、排出された該固体成分の一部を還流固体成分Rsとして反応処理部3に還流する還流量の調整機構8aを有する固体成分還流処理部8と、排ガスEの供給量,中和剤Cの供給量および還流固体成分Rsの還流量が制御される制御部10と、を備える。
〔中和剤の機能〕
所定の粒径を有する中和剤Cが、中和剤供給部2に貯留され、制御部10からの制御信号に基づき、調整機構2aよって反応処理部3に供給される中和剤Cの供給量が調整される。中和剤Cとしては、消石灰を始め、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリウムなどが好ましい。酸性ガス成分Aとの反応性が高く、反応生成物Pのハンドリングが容易である。
中和剤Cの粒径は、平均粒径約数μm〜150μmとすることが好ましい。また、消石灰を中和剤とした場合、「JIS特号」相当の消石灰であって、上記平均粒径を有し、予め粒度分布が測定された薬剤を新規に導入することが好ましい。中和剤Cの粒径は、例えばLDV(レーザードップラー流速形)等の測定装置で測定することができる。
このとき、平均粒径20μm以下の小粒径の中和剤Cを主成分として含有することによって、酸性ガス成分Aと中和剤Cの高い反応効率を確保することができる。つまり、中和反応の多くは粒状中和剤の表面反応が支配的であり、小粒径の中和剤は各粒子の表面積は小さいが、多量の中和剤Cが反応処理部3に導入されるため、導入された中和剤全体として、非常に高い反応効率を期待することができる。
また、平均粒径20〜150μmの大粒径の中和剤は、小粒径の中和剤に比べ反応効率は低下するが、バグフィルタ等濾材を用いた反応処理部3においては、反応助剤として機能し、反応の促進と濾布の目詰まりによる圧力損失の増大の防止を図ることができる。つまり、小粒径の中和剤が濾材の細孔や繊維材の内部に入り込み、逆洗時においても容易に払い落とされず、濾材の圧力損失の増大につながりやすい一方、大粒径の中和剤を濾材表面に付着させることによって、目詰まり防止、およびポーラス状の通気部を構成することができる。特に、中和剤Cを繰り返し還流することに伴う粒子の細砕化・微細化による急激な濾布の圧損増大やハンドリング性悪化を防止することができるとともに、細砕化・微細化による還流固体成分Rsの反応効率の向上も期待することができる。また、中和反応によって生成した反応生成物も、消石灰のように小粒径成分が凝集し反応性のない大粒径成分となることから、反応助剤として機能する。
〔反応処理部において〕
反応処理部3には、排ガス供給部1から排ガスEが供給され、その上流側で中和剤供給部2から所定の粒径分布を有する新規の中和剤Cが供給され、下流側で固体成分還流処理部8から還流固体成分Rsが供給される。高純度の中和剤Cとの1次混合処理と低純度の中和剤成分を含む還流固体成分Rsとの2次混合処理という、多段の混合処理による中和反応を構成することによって、中和剤Cの供給量を最小にすることができる。上流側において、排ガスEと中和剤Cとの1次混合処理が行われ、排ガスE中の酸性ガス成分Aと中和剤Cとの中和反応が開始される。未反応の高濃度の酸性ガス成分Aと新鮮な高純度の中和剤Cとの接触によって、高い反応効率を期待することができる。
ここで、中和剤Cの供給量が、残留酸性ガス成分Gaの測定値を指標として、フィードバック制御(PID制御)されることが好ましい。排ガスEの性状が特定されれば、予め排ガスE中の酸性成分Aについて、変動幅を考慮した所定の範囲の含有量を設定することができる。その平均値あるいは最大値を基に、排ガスEの供給量に対応した酸性成分Aの導入量を決定することができ、これに対応した中和剤Cの供給量を設定することができるとともに、中和反応後の気体成分中の残留酸性ガス成分Gaの濃度(測定値)を指標とすることによって、より正確な中和に必要な中和剤Cの供給量を設定することができる。具体的には、制御部10において、中和剤Cの供給量の制御方法として、残留酸性ガス成分Gaの測定値を指標とするフィードバック制御を用いることによって、排ガス中の酸性ガス成分Aの大きな変動に対しても、迅速かつ適切に応答することができる。なお、中和剤Cの供給量の調整は、残留酸性ガス成分Gaの測定値を指標とするフィードバック制御が基本であるが、これに付随して、排ガスEの供給量を指標とした比例制御を組み合わせることも可能である。比例制御との組み合わせによって、排ガスE中の酸性ガス成分Aの変動と合せて排ガスEの供給量の大きな変動に対しても、迅速かつ適切に応答することができる。
1次混合処理後の排ガスEは、下流側において、供給された還流固体成分Rsとの2次混合処理が行われ、残留する未反応の酸性ガス成分の中和反応処理が行われる。後述するように、所定時間内における排ガスEの供給量とこれに対応する中和剤Cの供給量が一定の場合において、排ガスE中に含まれる酸性ガス成分Aの短時間での変動により、未反応の酸性ガス成分Aが残留する可能性がある。また、中和剤Cの供給量は、常に理論供給量よりも過剰に設定されることから、処理済中和剤には、未反応の中和剤成分Co(中和剤Cの一部に残存する未反応部分を含む)が生じる。こうした中和剤成分Coを再利用するために、集塵装置4で気固分離処理された固体成分Sを還流固体成分Rsとして、1次混合処理後に残留する未反応の酸性ガス成分Aとの2次混合処理が行われる。2次混合処理よって生じた反応生成物Pは、中和剤供給部2から供出され、集塵装置4に導入される。
ここで、還流固体成分Rsの還流量が、残留酸性ガス成分Gaの測定値および/または中和剤Cの供給量および/または排ガスEの供給量を指標として、比例制御または単位時間をステップの基準とするステップ制御されることが好ましい。排ガスEの性状の変化に伴う酸性ガス成分Aの大きな変動に対しては、還流固体成分Rsの流量を制御しても、所定の反応時間を必要とする気−固系の中和反応では十分に中和処理できない。従って、比例制御または時間を要素とし単位時間をステップの基準とするステップ制御を用い、還流固体成分Rsを供給する時間を制御することによって、十分な中和処理を確保することを可能とした。制御部10において、還流固体成分Rsの供給量の制御方法として、残留酸性ガス成分Gaの測定値および/または中和剤Cの供給量および/または排ガスEの供給量を指標とするフィードバック制御を用いるとともに、比例制御またはステップ制御を用いることによって、排ガスE中の酸性ガス成分Aの大きな変動に対しても、迅速かつ適切に応答することができる。
1次,2次混合処理ともに、例えば、中和剤Cとして消石灰を用いた場合、反応温度は約150〜200℃が好ましい。150℃以下においては、装置の腐食が懸念されるとともに、反応速度が低下して未反応成分が多くなり、200℃以上においては、反応効率が大きく低下し、また後段の集塵装置4の濾材等の耐熱性に影響を与えるとともに、加熱エネルギーが大きくなる。また、加熱条件下において、排ガスE中のばいじんに含まれていた酸性成分Aoも一部蒸発して、酸性ガス成分Aとともに中和反応処理が行われる。
〔集塵装置において〕
集塵装置4に導入された反応生成物Pは、集塵装置4の内部に設けられた濾布によるろ過処理あるいはサイクロンによる遠心分離処理等によって、気固分離処理が施される。気固分離処理された気体成分Gは、気体供出部5から供出され、反応生成物P中のばいじんおよび処理済中和剤は捕集され、気固分離処理された固体成分Sとして固体排出部7から排出される。集塵装置4としては、逆洗式等のバグフィルタ装置を用いることができる。なお、こうしたろ過式集塵機以外に中和反応機能を有する電気集塵機などを用いることも可能である。また、風力式,サイクロン式やエアセパレート式等の乾式分級機、あるいは篩式分級機などによる分離処理を行うことができる。
このとき、既述のように、バグフィルタ等濾材を有する集塵装置4においては、平均粒径約20〜150μmの大粒径の反応生成物P(処理済中和剤およびばいじんからなる飛灰)が導入されることによって、反応助剤として機能し、特別な反応助剤を用いることなく反応の促進と濾布の目詰まりによる圧力損失の増大の防止を図ることができる。
〔未反応固体成分の還流〕
集塵装置4において気固分離処理され、固体排出部7から排出された固体成分Sは、その一部を還流固体成分Rsとして反応処理部3に還流され、他を排出物として系外に取り出される。未反応の中和剤を含む未反応固体成分の一部を、再度排ガスE中の酸性成分Aとの中和処理に使用し、1次混合処理により低濃度に低減された酸性成分Aと低純度の中和剤との2次混合処理を行うことによって、中和剤の供給量を最小にすることができる。
特に、排ガスE中の酸性成分Aが大きく変動する場合等のように、1次混合処理における中和剤Cの供給量の制御では対応が難しい場合に有効である。また、中和剤Cと酸性ガス成分Aとの反応効率が低い場合や反応速度が遅い場合には、小粒径成分を含む還流固体成分Rsあるいは大粒径成分が粉砕された還流固体成分Rsを還流して反応効率を上げることによって、新規の中和剤Cの導入量を大きく低減することができる。ここで、還流固体成分Rsの還流量は、上記のように、残留酸性ガス成分Gaの測定値および/または中和剤の供給量および/または排ガスの供給量を指標として、比例制御または単位時間をステップの基準とするステップ制御されることが好ましい。比例制御またはステップ制御を用いることによって、排ガスE中の酸性ガス成分Aの大きな変動に対しても、迅速かつ適切に応答することができる。
<本装置を用いた排ガス処理方法について>
本装置を用いた排ガス処理方法は、
(i)供給された排ガスEが、
(i−1)中和剤Cとの1次混合処理の後に、
(i−2)還流固体成分Rsと2次混合処理され、
(i−3)さらに集塵処理されるとともに、
(ii)各処理において
(ii−1)中和剤Cの供給量が、残留酸性ガス成分Gaの測定値を指標として、フィードバック制御され、
(ii−2)還流固体成分Rsの還流量が、集塵処理(気固分離処理)された気体成分中の残留酸性ガス成分Gaの測定値および/または中和剤Cの供給量および/または排ガスEの供給量を指標として、比例制御またはステップ制御される
ことを特徴とする。簡便な処理方法によって、排ガスE中に含まれる酸性ガスAの濃度に応じて、アルカリ薬剤(中和剤C)と再利用される飛灰(還流固体成分Rs)を常に適量供給し、中和反応の効率を高め、中和剤Cの使用量の低減を図るとともに、還流固体成分Rsの還流に伴う集塵処理の負担を軽減することができる。
〔中和処理の機能〕
ここで、所定の酸性ガス成分Aが含まれる排ガスEの供給量と、中和剤Cおよび還流固体成分Rsの供給量との関係を検証するに、排ガスEの供給量e(mN/h),酸性ガス成分Aの濃度a(kg/mN),中和剤Cの供給量c(kg/h)とし、酸性ガス成分Aが中和剤Cと等重量で100%中和すると仮定すると、酸性ガス成分Aの濃度aの変化が小さい場合には、
c ≧ e×a …(式1)
とすることによって、安定で低濃度の残留酸性ガス成分Gaが排出される。
しかし、中和剤Cの供給量cが残留酸性ガス成分Gaの測定値によって調整され、酸性ガス成分Aの濃度aが大きく増加した場合には、酸性ガス成分Aを中和剤Cによって100%中和することはできない、あるいは残留酸性ガス成分Gaの上昇に対する中和剤Cの供給量cの増加操作が対応しきれない、という異常な状態が発生する可能性がある。そこで、残留酸性ガス成分Gaの変動に対しては還流固体成分Rsの供給量(還流量)rを調整することによって、迅速に対応することが好ましい。つまり、酸性ガス成分Aの濃度aが大きく増加したとしても、それをカバーできる量の還流固体成分Rsの還流量rの循環系を形成しておけば、上記のような異常な状態を回避することができるとともに、系外への排出物の増加を防ぐことができる。ただし、系外に排出される固体成分Sの排出量sに対する還流量rの比率が増加すれば、酸性ガス成分Aの除去効率はアップするが、還流量rの増加に伴う集塵装置4の負荷の増加につながり、逆洗頻度の増加、ろ布の取替頻度の増加につながる。従って、集塵装置4の負荷を極力低減しながら常時高い酸性ガス除去効率を維持できる制御方法が望まれる。具体的には、最大見込みの酸性ガス成分Aの濃度a(max)に対する還流固体成分Rsの還流量rおよびその中和剤C含有率αから設定される、
c+r×α ≒ e×a(max) …(式2)
とし、酸性ガス成分Aの濃度aの低下に伴い(残留酸性ガス成分Gaの低下によって検知することができる)、還流量rを減少させる(循環系の)ことによって、安定で低濃度の残留酸性ガス成分Gaが排出される。こうした処理方法によって、中和剤Cの使用量の低減と集塵装置4の負荷の軽減を図ることができる。
また、還流固体成分Rsの還流量rを調整する指標として、残留酸性ガス成分Gaの測定値に代え、あるいはこれと中和剤Cの供給量cおよび/または排ガスEの供給量eを用いることができる。酸性ガス成分Aの濃度aの変動に直接的に影響する残留酸性ガス成分Gaの測定値に代え、あるいはこれと、酸性ガス成分Aの濃度aの変動に間接的に影響する要素を指標とすることによって、同等あるいはそれ以上の精度の高い中和処理を行い、中和剤Cの使用量の低減と集塵装置4の負荷の軽減を図ることができる。つまり、例えば酸性ガス成分Aの濃度aの急激な増加は、1次混合処理としての中和剤Cの供給量cの急激な増量制御に繋がる。従って、中和剤Cの供給量cに対応して還流固体成分Rsの還流量rを調整することによって、残留酸性ガス成分Gaの測定値を指標とした調整と同等の中和処理を行うことができるとともに、これを残留酸性ガス成分Gaの測定値とともに複数の指標とすることによって、より中和剤Cの使用量の低減と集塵装置4の負荷の軽減を図ることができる。また、酸性ガス成分Aの濃度aの急激な増加は、排ガス処理装置の処理対象にとしては、排ガスEの供給量eの増量と共通の処理内容を必要とする。従って、排ガスEの供給量eに対応して還流固体成分Rsの還流量rを調整することによって、残留酸性ガス成分Gaの測定値を指標とした調整と同等の中和処理を行うことができるとともに、これを残留酸性ガス成分Gaの測定値とともに指標とすることによって、より中和剤Cの使用量の低減と集塵装置4の負荷の軽減を図ることができる。同様に、複数の指標として、残留酸性ガス成分Gaと中和剤Cの供給量cおよび排ガスEの供給量eを用いることによって、さらに中和剤Cの使用量の低減と集塵装置4の負荷の軽減を図ることができる。
〔ステップ制御の機能〕
ステップ制御は、単位時間をステップの基準として、指標となる排ガスEの供給量あるいは残留酸性ガス成分Gaの測定値の所定時間内の変動が、
(1)低下傾向にある場合には、中和剤Cの供給量あるいは還流固体成分Rsの還流量を、前記ステップを所定の単位時間数減少させ、
(2)増加傾向にある場合には、中和剤Cの供給量あるいは還流固体成分Rsの還流量を、前記ステップを所定の単位時間数増加させる
ことが好ましい。こうしたステップ制御を用いることによって、排ガスE中の酸性ガス成分Aの大きな変動に対しても、迅速かつ適切に応答することができる。
具体的には、例えば、酸性成分AをHCL、単位時間(例えば10sec)を1ステップとして、還流固体成分Rsの還流量をステップ制御した場合を、図2に例示する。
(1)集塵装置4の出口HCL濃度が低下傾向にあり、それに伴い還流固体成分Rsの供給量が、予め設定された所定の下限値(W)以下となる時間が、一定時間( )継続した場合、還流固体成分Rsの供給量を1ステップ分だけ減少させると、徐々に出口HCL濃度が上昇する。迅速に、過剰量の中和剤Cの供給を防止し、安全で安定な出口HCL濃度に制御することができる。
(2)集塵装置4の出口HCL濃度が増加傾向にあり、それに伴い還流固体成分Rsの供給量が、予め設定された所定の上限値(W)以上となる時間が、一定時問( )継続した場合、還流固体成分Rsの供給量を1ステップ分だけ増加させると、徐々に出口HCL濃度が低下する。迅速に、1次混合処理における中和剤Cの供給が不足した分を補充し、安全で安定な出口HCL濃度に制御することができる。
特に、発生酸性ガス濃度が急激に増加した場合、アルカリ薬剤供給量を増加するだけでなく、再利用灰供給量も併せて増加させるため、急な発生酸性ガス濃度の変動にも対応しやすい。また、再利用灰供給量の演算値が所定の値となった場合に再利用灰供給量を変更する制御を採用し、減少傾向時、増加傾向時それぞれに確認タイマー時間を設定することで、さらに安定した出口酸性ガス濃度制御が可能となる。
1 排ガス供給部
2 中和剤供給部
2a 供給量の調整機構
3 反応処理部
4 集塵装置
5 気体供出部
6 ガス測定部
7 固体排出部
8 固体成分還流処理部
8a (固体成分)還流量の調整機構
10 制御部
C 中和剤
E 排ガス
G 気体成分
P 反応生成物
Rs 還流固体成分

Claims (4)

  1. 排ガス中のばいじんおよび酸性ガス成分の除去処理を行う排ガス処理装置であって、
    排ガスの供給量の調整機構を有する排ガス供給部と、中和剤の供給量の調整機構を有する中和剤供給部と、供給された排ガス中の酸性ガス成分と供給された中和剤を反応させる反応処理部と、酸性ガス成分と中和剤による中和反応によって生じた処理済中和剤および排ガス中のばいじんを捕集する集塵装置と、該集塵装置において気固分離処理された気体成分が供出される気体供出部と、該気体成分中の残留酸性ガス成分を測定するガス測定部と、前記集塵装置で気固分離処理された固体成分を排出する固体排出部と、排出された該固体成分の一部を還流固体成分として前記反応処理部に還流する還流量の調整機構を有する固体成分還流処理部と、前記排ガスの供給量,前記中和剤の供給量および前記還流固体成分の還流量が制御される制御部と、を備え、
    前記反応処理部において、高純度の中和剤との1次混合処理された後に、前記還流固体成分との2次混合処理された前記排ガスが、前記集塵装置に導入され、
    前記制御部において、前記中和剤の供給量が、前記残留酸性ガス成分の測定値を指標として、フィードバック制御され、前記還流固体成分の還流量が、前記残留酸性ガス成分の測定値を指標として、単位時間をステップの基準とする以下のステップ制御が行われることを特徴とする排ガス処理装置。
    (1)前記残留酸性ガス成分濃度が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記残留酸性ガス成分濃度を制御する。
    (2)前記残留酸性ガス成分濃度が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記残留酸性ガス成分濃度に制御する。
  2. 前記還流固体成分の還流量を調整する指標として、前記残留酸性ガス成分の測定値に代え、前記高純度の中和剤の供給量を用い、
    (1a)前記中和剤の供給量が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記中和剤の供給量を制御する
    (2a)前記中和剤の供給量が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記中和剤の供給量に制御する
    ことにより、ステップ制御が行われることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 請求項1または2記載の排ガス処理装置を用いた排ガス中のばいじんおよび酸性ガス成分の除去処理を行う排ガス処理方法であって、
    供給された排ガスが、高純度の中和剤との1次混合処理の後に、前記除去処理された排ガスが気固分離処理されて発生した固体成分の一部と2次混合処理され、さらに集塵処理されるとともに、
    前記中和剤の供給量が、前記集塵処理された気体成分中の残留酸性ガス成分の測定値を指標として、フィードバック制御され、前記固体成分の一部である還流固体成分の還流量が、前記残留酸性ガス成分の測定値を指標として、単位時間をステップの基準とする以下のステップ制御が行われることを特徴とする排ガス処理方法。
    (1)前記残留酸性ガス成分濃度が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記残留酸性ガス成分濃度を制御する。
    (2)前記残留酸性ガス成分濃度が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記残留酸性ガス成分濃度に制御する。
  4. 前記還流固体成分の還流量を調整する指標として、前記残留酸性ガス成分の測定値に代え、前記高純度の中和剤の供給量を用い、
    (1a)前記中和剤の供給量が低下傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の下限値以下となる時間が一定時間継続した場合、前記還流固体成分の供給量を減少させ、前記中和剤の供給量を制御する
    (2a)前記中和剤の供給量が増加傾向にあり、それに伴い前記還流固体成分の供給量が、予め設定された所定の上限値以上となる時間が一定時問継続した場合、前記還流固体成分の供給量を増加させ、前記中和剤の供給量に制御する
    ことにより、ステップ制御が行われることを特徴とする請求項3記載の排ガス処理方法。
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