JP2016159049A - 手指関節リハビリ装置 - Google Patents
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- A61H1/02—Stretching or bending or torsioning apparatus for exercising
Abstract
【課題】手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着可能な手指関節リハビリ装置を提供すること。
【解決手段】手指関節の伸展運動を支援する手指関節リハビリ装置であって、リハビリの対象となる手指の伸展方向側皮膚面に沿って、少なくとも一の手指関節を跨いで配置される有底筒状体であって、軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在なベローズ11と、ベローズと連通する配管20と、配管を通じて、ベローズ内の動作流体を排出し、ベローズの内圧を負圧にしてベローズを収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力を発生させる内圧調整部と、を備え、ベローズは、ベローズの側面に形成され、弾性変形可能な一対の固定片の弾性力の付勢によって手指の外周を挟持する挟持部41,42と、ベローズの指先方向の端部に形成され、指先を挿入可能な凹部を有するキャップ部31を備える。
【選択図】図7
【解決手段】手指関節の伸展運動を支援する手指関節リハビリ装置であって、リハビリの対象となる手指の伸展方向側皮膚面に沿って、少なくとも一の手指関節を跨いで配置される有底筒状体であって、軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在なベローズ11と、ベローズと連通する配管20と、配管を通じて、ベローズ内の動作流体を排出し、ベローズの内圧を負圧にしてベローズを収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力を発生させる内圧調整部と、を備え、ベローズは、ベローズの側面に形成され、弾性変形可能な一対の固定片の弾性力の付勢によって手指の外周を挟持する挟持部41,42と、ベローズの指先方向の端部に形成され、指先を挿入可能な凹部を有するキャップ部31を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、手指の関節の伸展運動を補助し、拘縮した手指の関節機能の回復を支援する手指関節リハビリ装置に関する。
従来から、リハビリテーションに用いられる様々な装置が登場している。こうした装置の中には、理学療法士等に代って、患者の基本的動作の回復を図るための治療体操・運動を支援するものがある。
かかる患者の運動を支援する装置の一つとして、脳梗塞などの中枢神経障害により手指が麻痺して拘縮してしまった場合等に、手指の関節運動を支援する装置がある。
手指の関節運動を支援する装置について一例を挙げると、所定対象物の関節運動を支援する関節運動支援装置であって、空気圧調整部により、手指関節運動支援部のベローズへの空気の供給が行われると、ベローズの関節と対向する側の環状溝が弾性部材により弾性的に拘束されているため、ベローズが、略円孤状に伸長し、これにより、ベローズは、連動して、手指の第1〜第3関節を伸展状態から屈曲させる回動方向の力を発生させる。次いで、空気圧調整部により、ベローズからの空気の排出が行われると、ベローズが収縮する。これにより、ベローズは、連動して、手指の第1〜第3関節を屈曲状態から伸展させる回動方向の力を発生させる。こうして発生した力は、伝達部材により各関節に伝えられる。この結果、容易に装着できるとともに、関節ごとに十分な関節運動を支援することができる関節運動支援装置が開示されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載のものは、所定対象物の関節運動を支援するのに必要な回動力を得るために、伸縮自在なベローズの両端にL字状又はU字状の金属板で形成される2つの伝達部材で挟持し、一端に配置された伝達部材の関節側の近傍部分と、他端に配置された伝達部材における関節側の近傍部分との間を拘束部材で連結する構造であるため、部品点数が多く構造が複雑である。
また、特許文献1に記載のものは、患者の手指への装着する際、伝達部材と固着している装着用シートを手指に巻きつけて装着する。しかし、脳梗塞などの中枢神経障害により手指が麻痺すると、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮する傾向にある。このような場合、手指の間に装着用シートを通すのが難しく、特許文献1記載のものをそのような患者に装着するのは困難であった。
更に、特許文献1に記載のものには、ベルト部材を使用せずに手指の手指関節表面に対応する位置に、伝達部材と接続されたベローズが配設される手袋を採用する実施例が記載されているが、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者に手袋を装着するのは困難であった。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、構成部材の部品点数を少なくできると共に、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着可能な手指関節リハビリ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る手指関節の伸展運動を支援する手指関節リハビリ装置は、手指関節の伸展運動を支援する手指関節リハビリ装置であって、 リハビリの対象となる手指の伸展方向側皮膚面に沿って、少なくとも一の手指関節を跨いで配置される有底筒状体であって、軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在なベローズと、 上記ベローズと連通する配管と、 上記配管を通じて、上記ベローズ内の動作流体を排出し、上記ベローズの内圧を負圧にして上記ベローズを収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力を発生させる内圧調整部と、を備え、 上記ベローズは、上記ベローズの側面に形成され、弾性変形可能な一対の固定片の弾性力の付勢によって手指の外周を挟持する挟持部と、上記ベローズの指先方向の端部に形成され、指先を挿入可能な凹部を有するキャップ部を備える、ことを特徴とする(請求項1)。
このように構成することによって、ベローズの先端部に配置されるキャップ部の凹部に指先を挿入すると共に、ベローズの側面に配置された挟持部の一対の固定片を弾性変形させて固定片間のスペースに手指の外周を挿入し、固定片の弾性力の付勢によって手指の外周を挟持すれば装着することができるため、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着することができる。
この場合、上記ベローズの側面に、皮膚面に沿って回避溝が形成され、上記回避溝は、円弧状の凹曲面である方がよい(請求項2,3)。
このように構成することによって、ベローズが屈曲した際のベローズの側面と手指の接触を最小限にしてベローズの屈曲範囲を広げることにより、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着することができる。
この場合、上記挟持部は、軸方向と直交する方向の断面が狭隘開口状に形成される方がよい(請求項4)。
このように構成することによって、挟持部による手指の外周の挟持を強固なものにすることができる。
この場合、上記固定片は、軸方向と直交する方向の先端部の断面が円形に形成される方がよい(請求項5)。
このように構成することによって、挟持部を手指の外周に挟持させる際に、患者の手指を傷つけることを防止することができる。
この場合、上記挟持部は、第二指から第五指のいずれかに配置される場合において、上記ベローズの軸方向に隔離して二個形成され、一の上記挟持部は中節を挟持し,他の上記挟持部は基節を挟持する方がよい(請求項6)。
このように構成することによって、DPI関節とPIP関節の伸展運動を支援することができると共に、一の挟持部にかかる張力を分散させることができるので、ベローズと手指との接着を強固にすることができる。
また、上記挟持部は、第一指に配置される場合において、上記ベローズの側面に一個形成され、上記挟持部は基節を挟持する方がよい(請求項7)。
このように構成することによって、IP関節の伸展運動を支援することができる。
この場合、上記内圧調整部は、上記ベローズへの動作流体の供給、及び、上記ベローズからの動作流体の排出を行う方がよい(請求項8)。
この場合、上記動作流体は、空気である方がよい(請求項9)。
本発明の手指関節リハビリ装置によれば、上記のように構成されているので、構成部材の部品点数を少なくできると共に、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着することができる。
以下、本発明の実施形態に係る手指関節リハビリ装置について、図面を参照して説明する。この実施形態においては、右手の全ての手指すなわち第一指1,第二指2,第三指3,第四指4,第五指5がリハビリの対象となる患者、例えば脳梗塞などの中枢神経障害により手指が麻痺して手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮している状態の患者に装着した例について説明する。
この発明に係る手指関節の伸展運動を支援する手指関節リハビリ装置は、図1に示すように、軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在なベローズ10〜14と、ベローズ10〜14と連通する配管20と、配管20を通じて、ベローズ10〜14内の動作流体を排出し、ベローズ10〜14の内圧を負圧にしてベローズ10〜14を収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力を発生させる内圧調整部100と、で主に構成されている。
ベローズ10〜14は、リハビリの対象となる指の伸展方向側皮膚面に沿って、少なくとも一の手指関節を跨いで配置される有底筒状体であって、軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在に形成されている。上述したように、この実施形態においては右手の全ての手指すなわち第一指1,第二指2,第三指3,第四指4,第五指5がリハビリの対象となる。図1に示すように、手指1〜5にベローズ10〜14は配置され、ベローズ10は第一指1の伸展方向側皮膚面に沿って配置され、ベローズ11は第二指2の伸展方向側皮膚面に沿って配置され、ベローズ12は第三指3の伸展方向側皮膚面に沿って配置され、ベローズ13は第四指4の伸展方向側皮膚面に沿って配置され、ベローズ14は第五指5の伸展方向側皮膚面に沿って配置されている。
ベローズ11は、図1〜図5に示すように、例えば樹脂により形成され中空筒状の筒状部11aを有し、筒状部11aの側面には、等間隔で筒状部11aの軸方向に山部と谷部が連続する蛇腹構造が形成されている。筒状部11aが蛇腹構造を有することにより、筒状部11aは軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在となる。また、筒状部11aの指先方向の端部には、図1〜3に示すように、キャップ部41が連設されている。キャップ部41は、図2,3に示すように、略砲弾状の蓋部31aと、蓋部31aの底面に形成され指先を挿入可能な凹部31bとからなる。蓋部31aは、ベローズ11の気密が保持できるように連設されている。また、他端には配管20を脱着可能にする孔部を有する端部(図示せず)が形成されており、筒状部11aと蓋部31aと端部により、有底筒状体を構成している。なお、ベローズ10,12〜14についても同様に構成されている。
この場合、ベローズ11の筒状部11aは、リハビリの対象となる手指の伸展方向側皮膚面に沿って、少なくとも一の手指関節を跨いで配置される長さで形成される。この実施形態においては、図1〜3に示すように、第二指2に配置されるベローズ11について、筒状部11aが第二指2の末節2dから基節2fまで配置されている。したがって、ベローズ11の軸方向の長さは、第二指2における手指関節であるDPI関節2a,PIP関節2bを跨ぐことができる軸方向の長さで形成されている。なお、第三指3,第四指4,第五指5に配置されるベローズ12〜14についても同様に構成されている。
また、第一指1に配置されるベローズ10については、図1に示すように、筒状部10aが第一指1の末節1aから基節1bまで配置されている。したがって、ベローズ10の軸方向の長さは、第一指1における手指関節であるIP関節1cを跨ぐことができる軸方向の長さで形成されている。
また、図4〜6に示すように、ベローズ11の筒状部11aの側面には、ベローズが屈曲した際のベローズ11と第二指2の接触を回避可能な円弧状の凹曲面にて形成される回避溝11cが皮膚面に沿って形成されている。回避溝11cが形成されることにより、筒状部11aは断面略半円形に形成される。なお、ベローズ10,12〜14についても同様に構成されている。
このように、ベローズ10〜14の側面に、皮膚面に沿って回避溝11cを形成することによって、ベローズ10〜14が屈曲した際のベローズ10〜14と手指1〜5の接触を最小限にしてベローズ10〜14の屈曲範囲を広げることができる。
また、図1〜5に示すように、ベローズ11は、皮膚面側の側面に一対の固定片50,51からなる挟持部41を備える。固定片50,51は、弾性変形可能な素材例えば樹脂で形成されている。この場合、固定片50は、図4に示すように、回避溝11cの端部の位置から軸方向と直交する方向に延設され、先端に向かうに連れて回避溝11cを覆う方向に屈曲する基部50aと、基部50aの先端に沿って形成され断面が円形に形成され突起部50bと、からなる。固定片51は、固定片50と対向する回避溝11cの端部の位置に、固定片50と同様にして構成されている。
このように、一対の固定片50,51が、先端に向かうに連れて回避溝11cを覆う方向に屈曲することにより、挟持部41は、軸方向と直交する方向の断面が狭隘開口状に形成される。また、固定片50,51が突起部50b,51bを有することにより、固定片50,51は、軸方向と直交する方向の先端部の断面が円形に形成される。
この場合、ベローズ11は、図2,3に示すように、挟持部41から手背方向の位置にもう一つの挟持部42を備える。挟持部42は、固定片52,53からなり、固定片52,53は固定片50,51と同様にして構成される。挟持部41,42の配置については、中節2e,基節2fに配置できる位置に形成されていればよい。このように構成することにより、DPI関節とPIP関節を跨いで挟持部41,42を配置することができる。
この場合、ベローズ12〜14についてもベローズ11と同様に2個の挟持部(図示せず)が配置されている。また、第一指1に配置されるベローズ10については、図1に示すように、挟持部40を1個備える。挟持部40の配置については、第一指1の基節1bに挟持部40を配置できる位置に形成されていればよい。
配管20は、可撓性を有する樹脂製であり、図1に示すように、動作流体である空気が分岐する分岐口を有する基管20aと、ベローズ10〜14と基管20aを連通する分岐管20cと、基管20aと内圧調整部100と連通する接続管20bと、から形成される。
内圧調整部100は、図9に示すように、ベローズ10〜14への動作流体である空気の供給を行う加圧タンク101と、ベローズ10〜14からの空気の排出を行う真空タンク102と、流路切換三方向弁と圧力制御弁(比例ソレノイド)とを備える電気−空気圧制御弁103と、加圧タンク101と電気−空気圧制御弁103を連通する配管101aと、配管101aに介設される開閉弁101bと、真空タンク102と電気−空気圧制御弁103を連通する配管102aと、配管102aに介設される開閉弁102bと、電気−空気圧制御弁103、開閉弁101b,102bを制御する制御部104と、で主に構成されている。
制御部104は、例えば、CPU等のマイクロプロセッサとその周辺回路を有する演算処理部を備えたコンピュータにより構成され、ベローズ10〜14内の空気の供給/排出の切り換えを実行させるための実行用プログラム等を格納するプログラム格納部(図示せず)と、加圧速度、減圧速度、稼働時間等に関するデータ等を記憶するための記憶部(図示せず)と、例えば開始指令やオペレータが加圧速度、減圧速度等のパラメータを設定入力可能な入力部(図示せず)と、を主に備えている。
また、制御部104は、図9で示すように、電気−空気圧制御弁103,開閉弁101b、102bと電気的に接続されており、制御部104からの制御信号に基づいて、開閉弁101b、102bの開閉動作,電気−空気圧制御弁103の弁切換動作等が行われるようになっている。
制御部104は、入力部からの開始指令を受けると、実行用プログラムを実行し、電気−空気圧制御弁103へ向けて、真空タンク102と接続されている流路に切り換えるべき旨の制御信号を送信すると共に、開閉弁102bに向けて、開閉弁102bを開放する制御信号を送信し、真空タンク102が所定時間をかけて所定の減圧速度でベローズ10〜14からの空気の排出を行い、ベローズ内の空気圧を所定の圧力にまで下げるようになっている。また、制御部104は、電気−空気圧制御弁103に向けて、加圧タンク101と接続されている流路に切り換えるべき旨の制御信号を送信すると共に、開閉弁101bに向けて、開閉弁101bを開放する制御信号を送信し、所定時間をかけて所定の加圧速度でベローズ10〜14への空気の供給を行い、ベローズ10〜14内の空気圧を所定の圧力にまで上昇させる。
このように構成される内圧調整部100は、配管20を通じて、ベローズ10〜14内の動作流体を排出し、ベローズ10〜14の内圧を負圧にしてベローズ10〜14を収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力を発生させる。また、内圧調整部100は、配管20を通じて、ベローズ10〜14内の動作流体を供給し、ベローズ10〜14の内圧を正圧にしてベローズ10〜14を伸張させ、手指関節の屈曲運動を支援する力を発生させる。
次に、上記のように構成される手指関節リハビリ装置の装着態様について説明する。上述したように、手指が麻痺して手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮している状態の患者に装着する。最初に、ベローズ11の指先方向の端部のキャップ部31に形成された凹部31bに指先を挿入する。
次いで、硬く握り込んだままの状態で拘縮している状態の第二指2に沿うように、ベローズ11を伸張及び屈曲させると共に、図6に示すように、回避溝11cを覆う方向に屈曲した固定片50,51をそれぞれ外方に開く力を加えて弾性変形させ固定片50,51間にスペースを形成して、そのスペースに第二指2の中節2eを挿入する。手指を挿入する際、固定片50,51がそれぞれ突起部50b,51bを有することにより、固定片50,51の軸方向と直交する方向の先端部の断面が円形に形成されるため、挟持部41を手指の外周に挟持させる際に、患者の手指を傷つけることを防止することができる。
次いで、中節2eをスペースに挿入した状態で、弾性変形させた固定片50,51に加えた力を解除すると、固定片50,51が元の形状に戻ろうとする弾性力の付勢によって中節2eの外周が挟持され、中節2eとベローズ11を連結することができる。次いで同様にして、挟持部42の固定片52,53を第二指2の基節2fに連結する。第三指3〜第五指5についても同様にしてベローズ12〜14と連結する。
このように、ベローズ11〜14が第二指2から第五指5のいずれかに配置される場合において、挟持部41,42がベローズ11〜14の軸方向に隔離して二個に形成され、一の挟持部41は中節2eを挟持し,他の挟持部42は基節2fを挟持することによって、DPI関節2aとPIP関節2bの伸展運動を支援することができると共に、挟持部41,42のそれぞれにかかる張力を分散させることができるので、ベローズ11〜14と手指2〜5との接着を強固にすることができる。
この場合、ベローズ11を粘着させた際の軸方向と直交する方向の断面は図4に示すような状態であり、ベローズ11の筒状部11aの側面に、ベローズ11と第二指2の接触を回避する円弧状の凸曲面にて形成される回避溝11cが皮膚面に沿って形成されているため、ベローズ11が屈曲した際のベローズ11と手指2の手指関節との接触を最小限にして屈曲することができる。また、挟持部41の軸方向と直交する方向の断面が狭隘開口状に形成されることにより、挟持部41による手指の外周の挟持を強固なものにすることができる。
次いで、第一指1の指先をキャップ部30に形成された凹部に指先を挿入した後、ベローズ10を伸張及び屈曲させ、回避溝を覆う方向に屈曲した固定片をそれぞれ外方に開く力を加えて弾性変形させ固定片間に形成されたスペースに、第一指1の基節1bを挿入する。
図1に示すように、ベローズ10が第一指1に配置される場合において、挟持部40はベローズ10の側面に一個形成されるため、挟持部40は基節1bを挟持することによって、第一指1のIP関節1cの伸展運動を支援することができる。
次いで、配管20の分岐管20cの端部をベローズ10〜14の蓋部に設けられた孔部に接続し、配管20とベローズ10〜14を連通させることにより手指関節リハビリ装置の装着は完了する。
このように手指関節リハビリ装置は、ベローズ11の先端部に配置されるキャップ部31の凹部31bに指先を挿入すると共に、ベローズ11の側面に配置された挟持部41の一対の固定片50,51を弾性変形させて固定片50,51の間に手指の外周を挿入し、固定片50,51の弾性力の付勢によって手指の外周を挟持すれば装着することができるため、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着することができる。
次に、上記のように装着された手指関節リハビリ装置の動作態様について説明する。手指関節リハビリ装置は、補助者が内圧調整部100の制御部104の表示部から、開始指令を入力することにより開始する。制御部104は、開始指令を受けると、実行用プログラムを起動して配管20を通じて、ベローズ10〜14への空気の供給、及び、ベローズからの空気の排出を切り換えて行う。
図7,図8(a)に示すように、開始時点では手指を硬く握り込んだまま拘縮している状態の手指2すなわち屈曲した第二指2にベローズ11を装着するため、ベローズ11の山部と谷部の間隔が広がり、ベローズ11は伸張かつ屈曲した状態である。最初の動作として、内圧調整部100がベローズ10〜14からの空気の排出を行う。配管20を通じて、内圧調整部100によりベローズ10〜14からの空気の排出が行われると、ベローズ10〜14内の空気圧が下降する。ベローズ10〜14内の空気圧が下降し、ベローズ10〜14内圧が十分な値の負圧となったときのベローズ10〜14の状態を図8(b)に示す。空気圧の下降によりベローズ10〜14が収縮して、第二指2のDPI関節2a,PIP関節2bに対し、屈曲状態から伸展させる力が発生している。なお、第一指,第三指〜第五指についても、同様にして屈曲状態から伸展させる力が発生している。
次いで、内圧調整部100により、配管20を通じて、ベローズ10〜14への空気の供給が行われると、ベローズ10〜14内の空気圧が上昇する。ベローズ11内の空気圧が上昇し、ベローズ11内圧が十分な値の正圧となったときのベローズ11の状態を図8(a)に示す。空気圧の上昇によりベローズ11が伸張して、第二指2のDPI関節2a,PIP関節2bを伸展状態から屈曲させる力が発生している。なお、第一指,第三指〜第五指についても、同様にして伸展状態から屈曲させる力を発生する。
次いで、内圧調整部100は、ベローズ10〜14からの空気の排出、及び、ベローズ10〜14への空気の供給を順次切り換えて行い、図8(a)と図8(b)に示す状態を交互に形成する。この結果、受動的に手指1〜5の屈伸運動が行われる。
このように本発明の手指関節リハビリ装置によれば、構成部材の部品点数を少なくできると共に、手指を硬く握り込んだままの状態で拘縮した患者であっても容易に装着することができる。
なお、上述した実施形態において、内圧調整部100は、ベローズ10〜14への動作流体の供給、及び、ベローズ10〜14からの動作流体の排出を行ったが、内圧調整部100は、ベローズ10〜14の内圧を負圧にしてベローズ10〜14を収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力のみを発生させてもよい。患者は手指を硬く握り込んだまま拘縮している状態のため、ベローズ10〜14への空気の供給がなくても屈曲する力が自然に働いているためである。例えば、図9に示す内圧調整部100において、ベローズ10〜14への空気の供給を行う加圧タンク101を配置せずに、電気−空気圧制御弁103に接続された配管101aを大気に開放して負圧下のベローズ10〜14の内圧を大気圧にする構成であってもよい。
本発明は上記の実施形態及び実施例の例示に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
1 第一指
2 第二指
2a DPI関節(手指関節)
1c,2b PIP関節(手指関節)
2c MP関節(手指関節)
1a,2d 末節
2e 中節
1b,2f 基節
3 第三指
4 第四指
5 第五指
10,11,12,13,14 ベローズ
11c 回避溝
20 配管
30,31,32,33,34 キャップ部
40,41,42 挟持部
50,51,52,53 固定片
50b,51b 突起部
100 内圧調整部
2 第二指
2a DPI関節(手指関節)
1c,2b PIP関節(手指関節)
2c MP関節(手指関節)
1a,2d 末節
2e 中節
1b,2f 基節
3 第三指
4 第四指
5 第五指
10,11,12,13,14 ベローズ
11c 回避溝
20 配管
30,31,32,33,34 キャップ部
40,41,42 挟持部
50,51,52,53 固定片
50b,51b 突起部
100 内圧調整部
Claims (9)
- 手指関節の伸展運動を支援する手指関節リハビリ装置であって、
リハビリの対象となる手指の伸展方向側皮膚面に沿って、少なくとも一の手指関節を跨いで配置される有底筒状体であって、軸方向に伸縮自在かつ曲げ方向に屈曲自在なベローズと、
上記ベローズと連通する配管と、
上記配管を通じて、上記ベローズ内の動作流体を排出し、上記ベローズの内圧を負圧にして上記ベローズを収縮させ、手指関節の伸展運動を支援する力を発生させる内圧調整部と、を備え、
上記ベローズは、上記ベローズの側面に形成され、弾性変形可能な一対の固定片の弾性力の付勢によって手指の外周を挟持する挟持部と、上記ベローズの指先方向の端部に形成され、指先を挿入可能な凹部を有するキャップ部を備える、
ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1記載の手指関節リハビリ装置において、
上記ベローズの側面に、皮膚面に沿って回避溝が形成される、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項2記載の手指関節リハビリ装置において、
上記回避溝は、円弧状の凹曲面である、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の手指関節リハビリ装置において、
上記挟持部は、軸方向と直交する方向の断面が狭隘開口状に形成される、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の手指関節リハビリ装置において、
上記固定片は、軸方向と直交する方向の先端部の断面が円形に形成される、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の手指関節リハビリ装置において、
上記挟持部は、第二指から第五指のいずれかに配置される場合において、上記ベローズの軸方向に隔離して二個形成され、一の上記挟持部は中節を挟持し,他の上記挟持部は基節を挟持する、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の手指関節リハビリ装置において、
上記挟持部は、第一指に配置される場合において、上記ベローズの側面に一個形成され、上記挟持部は基節を挟持する、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の手指関節リハビリ装置において、
上記内圧調整部は、上記ベローズへの動作流体の供給、及び、上記ベローズからの動作流体の排出を行う、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の手指関節リハビリ装置において、
上記動作流体は、空気である、ことを特徴とする手指関節リハビリ装置。
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