JP2016157749A - 熱電変換モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】熱電変換モジュールの稼働時に、熱電変換素子及び電極に発生する応力が緩和され、且つ熱電変換効率が維持された熱電変換モジュールを提供することである。【解決手段】金属膜が両面に形成された基板22が高温側及び低温側にそれぞれ設置されており、前記金属膜のうち基板22同士が対向する側の面にそれぞれ形成された電極金属膜23がP型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52に接続され、熱電変換素子群50の最外周に配置された熱電変換素子の外周側面に、熱電変換素子の強度を補強するセラミックス又はガラスにより構成される補強膜61が形成され、少なくとも熱電変換素子群50の最外周に配置された熱電変換素子列の内側に配列された熱電変換素子の側面には補強膜61が形成されていない熱電変換モジュール1である。【選択図】図2
Description
本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換モジュールに関する。
熱電変換モジュールは、環境調和型社会の実現に向けて、廃熱を熱エネルギーとして回収できる手法として注目が集まっており、焼却炉、工業炉、自動車等関連製品等への展開が検討されている。このため、熱電変換モジュールとしては、これらの用途への適用を可能とするため、耐久性向上、変換効率の向上、低コスト化が求められている。
溶鉱炉、焼却炉等の工業炉の配管や自動車の排気管に取り付けて用いられる熱電変換モジュールは、300℃〜650℃の高温の環境下で用いられることが想定される。このような熱電変換モジュール稼働環境下において、熱電変換素子と電極との接合部では、熱電変換素子と電極間の熱膨張差により応力が発生し、接合部や熱電変換素子内における破損が懸念される。接合部に発生する応力は、使用環境温度が高いほど、また熱電変換素子と接合材や電極との熱膨張係数差が大きいほど高くなる。さらに熱電変換モジュールの設置箇所によっては、振動や衝撃を伴う可能性もあり、モジュールに生じる熱応力に振動や衝撃が加わることで接合部や熱電変換素子内の破損が助長されることが懸念される。このような、接合部や熱電変換素子内の破損は、基板を拘束して用いたときに、モジュールに振動や衝撃が加わることで特に顕著となる傾向にある。
特許文献1には、熱電変換素子間が全体的に絶縁樹脂で被覆された構成や、熱電変換素子をガラスや耐熱性有機樹脂等の絶縁材料からなる管内に充填し、管同士を互いに接触させるようにした熱電変換モジュールの構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、熱電変換素子間が有機樹脂やガラス等の絶縁材料によりその全体がほぼ埋め尽くされているため、熱電変換素子の一端側から他端側に熱伝導するときの熱損失により、熱電変換効率が低下するおそれがある。また、特許文献1の構成では、基板に対する応力やひずみの緩和に関しては記載されていない。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱電変換モジュールの稼働時に、熱電変換素子及び電極に発生する応力が緩和され、且つ熱電変換効率が維持された熱電変換モジュールを提供することである。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態としては、金属膜が両面に形成された基板が高温側及び低温側にそれぞれ設置されており、前記金属膜のうち前記基板同士が対向する側の面にそれぞれ形成された電極金属膜がP型熱電変換素子、N型熱電変換素子又はP型熱電変換素子及びN型熱電変換素子の双方に接続され、前記P型熱電変換素子と前記N型熱電変換素子とからなる素子列が、複数列配列されて熱電変換素子群が形成されてなり、前記熱電変換素子群の最外周に配置された熱電変換素子の外周側面に、熱電変換素子の強度を補強するセラミックス又はガラスにより構成される補強膜が形成され、少なくとも前記熱電変換素子群の最外周に配置された熱電変換素子列の内側に配列された熱電変換素子の側面には前記補強膜が形成されていないことを特徴とする熱電変換モジュールとする。
本発明によれば、熱電変換モジュールの稼働時に、熱電変換素子及び電極に発生する応力が緩和され、且つ優れた熱電変換効率が維持された熱電変換モジュールを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図1乃至図4を用いて説明する。なお、各図において、同一の構成には同一の符号を付す。図1は、実施例1に係る熱電変換モジュールの一例を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。
熱電変換モジュール1は、高温側及び低温側に設置された基板22と、基板22同士が互いに対向する側の面にそれぞれ形成された電極金属膜23と、電極金属膜23の形成面と反対側の面に形成された金属膜21と、接合材31を介して電極金属膜23と接続されたP型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52と、を備えている。図2に示す熱電変換モジュール1では、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52の接合材31との接合面には、メタライゼーション33が設けられており、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52の上端及び下端は、メタライゼーション33及び接合材31を介して電極金属膜23と接合されている。金属膜21と電極金属膜23は、基板22の両面に、同一形状で同一膜厚にパターニングされている。
図1、2において、基板22上には、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52が交互に隣り合うように配置されて形成された素子列が、複数列配列されて熱電変換素子群50が形成されている。
熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面には、セラミックス又はガラスにより構成される補強膜61が形成されている。補強膜61は、熱電変換素子の強度を補強するためのものであり、詳細は後述する。
なお、以下の説明では、便宜的に、熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子及びN型熱電変換素子を、それぞれP型熱電変換素子51a、N型熱電変換素子52aと示し、P型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aからなる素子列の内側に配置されたP型熱電変換素子及びN型熱電変換素子を、それぞれP型熱電変換素子51b、N型熱電変換素子52bと示すが、図面上では特に区別しない。
P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52は、シリコン−ゲルマニウム系、鉄−シリコン系、ビスマス−テルル系、マグネシウム−シリコン系、マンガン−シリコン系、鉛−テルル系、コバルト−アンチモン系、ビスマス−アンチモン系、スクッテルダイド系やホイスラー合金系、ハーフホイスラー合金系からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機材料又は合金材料で形成される熱電変換素子が望ましい。
P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52の表面(接合面)には、図2に示すように、メタライゼーション33として、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウム、クロム、金、銀、錫等の金属膜が形成されていてもよい。メタライゼーション33を設けることで、接合材31と熱電変換素子との接合性を向上させることができる。メタライゼーション33はめっき法、エアロゾルデポジション法、溶射法、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、同時一体焼結法等で形成することができ、その方法は特に限定されない。
また、基板22は、アルミナ、窒化珪素及び窒化アルミニウムからなる群から選択されるセラミックスや、プリント基板やフレキシブル基板などで一般に用いられる樹脂材料からなる絶縁性材料が適している。
高温側の基板22と低温側の基板22との熱膨張係数差は、小さいほど熱電変換素子接合部やモジュール全体に発生する応力を低減し、モジュールの反りを抑制できるため、両者は同一材料で形成することが望ましい。
金属膜21及び電極金属膜23は、熱伝導性及び電気伝導性を有する金属材料であれば、特に限定されないが、電気伝導度及び熱伝導度が高く、電極部材として適する金属材料として、90質量%以上のCuで構成されていることが望ましい。
金属膜21及び電極金属膜23は、両者が実質的に同じ熱膨張係数を有する金属材料で形成されていれば、必ずしも同じ金属材料で形成されていなくてもよいが、このように、基板両面に同じ金属材料からなる金属膜が形成されることにより、熱膨張係数差に起因する基板の反りをより効果的に抑制することができる。
また、基板22に接合される電極金属膜23は、上記したように、金属膜21と同一形状にパターニングされた同一膜厚の金属膜とするのが望ましい。すなわち、基板22の両面には、同じ金属材料からなる金属膜21と電極金属膜23が、同一膜厚でかつ同一形状でパターニングされて形成されていることが好ましい。
金属膜21及び電極金属膜23の膜厚は、厚くなり過ぎると熱膨張の際の応力が大きくなるため、これらの膜厚はできる限り薄いことが望ましい。具体的には、金属膜21及び電極金属膜23の膜厚は、それぞれ0.5mm以下とすることが好ましい。一方、金属膜21及び電極金属膜23の膜厚が薄くなり過ぎると、電流が流れにくくなることから、これらの膜厚は1.0μm以上とすることが好ましい。なお、金属膜21は、電極金属膜23とともに基板22の反りを防止するために形成されるものであるが、この金属膜21を、例えば外部電極との接続端子として用いることもできる。
接合材31は、アルミニウム、ニッケル、錫、銅、ゲルマニウム、マグネシウム、金、銀、シリコン、インジウム、鉛、亜鉛、ビスマス、テルルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属材料又は合金材料、又はこれらの金属元素のうちのいずれかを主成分とし、かつチタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜10質量%含有する活性金属ろう材を用いることが望ましい。
これらの中でも、接合材31としては、Ag及びCuの二元素系合金を主成分とし、Ti、Zr及びHfからなる群から選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜10質量%含有する活性金属ろう材、又はアルミニウム、インジウム及び亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属箔を用いることができる。
より具体的には、高温側の基板22と熱電変換素子との接合のための接合材31としては、Ag及びCuの二元素系合金を主成分とし、Ti、Zr及びHfからなる群から選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜10質量%含有する活性金属ろう材を用いることが好ましく、低温側の基板22と熱電変換素子との接合のための接合材31としては、アルミニウム箔材、インジウム箔材、亜鉛箔材からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属箔を用いることが好ましい。
以下に、P型熱電変換素子51をマンガン−シリコン素子、N型熱電変換素子52をマグネシウム−シリコン素子とした場合の熱電変換モジュールについて、さらに説明する。
P型熱電変換素子51であるマンガン−シリコン素子と、N型熱電変換素子52であるマグネシウム−シリコン素子とは、300〜650℃の温度域において最も効率的な発電を行うことができる素子の組み合わせである。すなわち、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52として、それぞれマンガン−シリコン素子とマグネシウム−シリコン素子を使用する場合、熱電変換モジュール1の稼動温度は300〜650℃となり、熱電変換素子と電極金属膜23間の接合部は、300〜650℃の温度に耐え得る必要がある。
このため、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52を、それぞれ上記組み合わせとする場合、接合材31としては、熱電変換モジュールの稼働温度である300〜650℃よりも高い融点を有するろう材(融点780℃)を使用する。これにより、モジュール稼働中の接合材31としてのろう材の軟化を抑制し、P型熱電変換素子51及びN型熱電素子52のはく離等を抑制することができる。
具体的には、P型熱電変換素子51であるマンガン−シリコン素子の熱膨張係数が8.0ppm/℃であり、N型熱電変換素子52であるマグネシウム−シリコン素子の熱膨張係数が15.5ppm/℃であることから、実使用環境の温度変化を加えたときの膨張収縮量は、P型熱電変換素子51とN型熱電変換素子52とで異なっている。各々のP型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52(以下、単に熱電変換素子とも示す。)が、Niメタライゼーション33(熱膨張係数:13.4ppm/℃)を介して、Cu電極金属膜23(熱膨張係数:16.5ppm/℃)に接合された構造の場合、熱電変換モジュール1に温度差を加えると、電極金属膜23の電極材料と各熱電変換素子との熱膨張係数差により、接合部近傍に応力とひずみが発生し、接合部破断や、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52のクラックが懸念される。
そこで、実施例1に係る上記構造について、応力シミュレーション解析を実施した。応力評価温度条件は、熱電変換モジュール稼働時を想定し、高温側を550℃、低温側を25℃とした。熱電変換素子1個の場合と、上記構造の熱電変換モジュール1に設置された熱電変換素子の場合での、素子にかかる影響の違いを最大応力で比較した。その結果、熱電変換モジュール1に設置されている熱電変換素子にかかる応力は、単独の熱電変換素子1個にかかる応力の約1.2倍程度であり、両者にかかる応力差は小さいことが確認された。
すなわち、応力シミュレーション解析を行った、上記図1、2に示す構造では、基板22の両面に、熱膨張係数が同じで、且つ同一形状にパターニングされた同一膜厚の金属膜21と電極金属膜23とを接合しているため、上下の基板(高温側の基板22と低温側の基板22)の熱変形差が略同じになり、基板の反りが低減されている。
一方、熱電変換モジュール1を、振動や衝撃が伴う環境で稼働させる場合、熱電変換モジュール1が動かないようにし、また排熱部からの吸熱性を向上させるため、一般に、熱電変換モジュール1の高温側の基板22は、熱源に拘束して用いられることが多い。
このため、基板22の拘束有の場合と拘束無の場合の双方における、熱電変換素子にかかる最大応力をシミュレーション解析した。その結果、高温側の基板22を拘束した場合、熱電変換モジュール1の熱電変換素子群50の最外周の熱電変換素子51a、52aの外周側面に応力が集中し、基板の拘束無の場合と比較すると、約3.7倍の応力が、熱電変換素子51a、52aの外周側面に集中することが確認された。すなわち、最大応力が集中する、熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面を補強することで、高温側の基板22を拘束して稼働させた場合に熱電変換モジュール1にかかる応力を低減できることが確認された。
本実施例の熱電変換モジュール1は、熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面に、セラミックス又はガラスにより構成される補強膜61を形成することで、例えば高温側の基板22を拘束した状態で熱電変換モジュール1を稼働したときに、熱電変換素子と電極金属膜23との間に生じる歪みが抑制されるとともに、P型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの強度が補強され、これらの破損を防止することができる。また、補強膜61をガラス又はセラミックで形成することで、膜の薄膜化が可能となり、モジュール稼働時における、熱電変換素子の一端側から他端側への熱伝導による熱損失が低減され、熱電変換効率の低下が抑制される。
図1に示すように、補強膜61は、熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面に形成されており、P型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aからなる素子列の内側に配置されたP型熱電変換素子51b及びN型熱電変換素子52bの側面には、補強膜61は形成されていない。なお、P型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面とは、P型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの側面のうち、熱電変換素子群50の外周側に露出した面をいう。
このように、強度向上が必要とされる、最外周のP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aだけに補強膜61を形成し、内側に設置されたP型熱電変換素子51b及びN型熱電変換素子52bには補強膜61を形成しないことで、最外周の熱電変換素子と内側の熱電変換素子の双方の素子の側面に補強膜61を形成した場合と比較して、補強膜61の形成面積が少なくなる。このため、モジュール稼働時における、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52の一端側から他端側への熱伝導による熱損失が低減され、熱電変換効率の低下が抑制される。また、強度向上が要求される部分にのみ補強膜61を形成することで、補強膜61の形成に要するコストを低減することができる。
同様の観点から、補強膜61は、最外周に配列されたP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの内周側面には形成されていない。
補強膜61の形成方法は、特に限定されないが、セラミックスにより構成される補強膜61は、溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法、スパッタリング法、エアロゾルデポジション法等により形成することができ、ガラスにより構成される補強膜61は、ガラスペーストの塗布により形成することができる。
以下、補強膜61をエアロゾルデポジション法で形成する方法について説明する。エアロゾルデポジション法は、セラミックス粒子を基材に衝突させて基材にセラミックス膜を形成する方法であり、常温で膜成形することができ、膜成形時のエネルギーを削減できる利点がある。この方法により形成されたセラミックス膜には、粒子衝突による衝撃力衝突を拡大させようとする力と、粒子衝突の影響のない基材内部からの拘束力が同時に働く。そのため、膜内には圧縮応力が残留し、基材にはその応力につりあうように引張り応力が残留する。また、熱電変換モジュール稼働時には、熱電変換素子は熱によって伸び、この伸びが原因で熱電変換素子の破断やクラックが発生する。熱電変換モジュール稼働時に熱電変換素子にかかる熱ひずみをε、熱膨張係数をα、モジュールの低温側温度をT0、高温側温度をTとすると、熱ひずみは次式(1)で求められる。
εThermal=α(T−T0)・・・(1)
さらに、熱電変換素子への内部応力σThermalは、フックの法則より、ヤング率E、熱ひずみεThermalから次式(2)式で求められる。
さらに、熱電変換素子への内部応力σThermalは、フックの法則より、ヤング率E、熱ひずみεThermalから次式(2)式で求められる。
σThermal=−E・εThermal=−E・α(T−T0)
・・・(2)
式(2)及び式(1)より、T>T0の場合、σThermal<0となり圧縮の熱応力が、また、T<T0の場合、σThermal>0となり引張りの熱応力が熱電変換素子にかかるのが分かる。以下、本実施例では、T>T0の場合について説明する。
・・・(2)
式(2)及び式(1)より、T>T0の場合、σThermal<0となり圧縮の熱応力が、また、T<T0の場合、σThermal>0となり引張りの熱応力が熱電変換素子にかかるのが分かる。以下、本実施例では、T>T0の場合について説明する。
すなわち、補強膜61としては、モジュール稼働時に熱電変換素子が熱によって伸びるのをできる限り抑制するため、熱電変換素子よりも熱膨張係数が小さく、且つヤング率が大きいセラミックス又はガラスで形成されることが望ましい。
具体的には、補強膜61は、汎用セラミックスである炭化珪素、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、ジルコニア、イットリア、溶融シリカガラスからなる群から選択される少なくとも1種を主成分とする材料で形成することが好ましい。
これにより、上記材料からなる補強膜61で、熱電変換素子表面に予め圧縮応力を作用させておき、さらに、熱電変換素子よりも低熱膨張で、かつヤング率が大きい上記材料で補強膜61を形成することで、モジュール稼働時の熱に起因する熱電変換素子の伸びによる素子破断やクラック発生を防止することができる。
本実施例では、モジュール稼働時(300〜650℃)やろう付け時(約800℃)における耐熱性の観点から、補強膜61としては、セラミックスの場合には融点が1500℃以上のセラミックスで形成されることが好ましく、溶融シリカガラスの場合には融点が900℃以上の溶融シリカガラスで形成されることが好ましい。上記列記したアルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、ジルコニア、イットリア等のセラミックスは、いずれも融点が1500℃以上であり、また溶融シリカガラスは融点が900℃以上であるため、ろう付け時(約800℃)やモジュール稼働時(300〜650℃)における耐熱性の点で問題は無い。
補強膜61の厚さは、1μm〜100μmの範囲であれば良い。ただし、補強膜61が上記範囲より厚すぎると、膜内の圧縮応力によって膜内にクラックなどの欠陥が発生する傾向がある。例えば、補強膜61がアルミナの場合には、膜内における欠陥の発生を抑制する観点から、補強膜61の厚さは1μm〜10μmであることが好ましい。
表1に、上記したセラミックス及び溶融シリカガラスの熱膨張係数、ヤング率及び熱伝導率を示す。
例えば、P型熱電変換素子51をマンガン−シリコン素子(熱膨張係数:8.0ppm/℃、ヤング率120GPa)、N型熱電変換素子52をマグネシウム−シリコン素子(熱膨張係数:15.5ppm/℃、ヤング率12GPa)とした場合、これらの素子よりも熱膨張係数が小さく、且つヤング率が大きい材料としては、表1より、アルミナ、窒化アルミ、イットリア、炭化珪素、窒化珪素が選定される。これらの中でも、マンガン−シリコン素子及びマグネシウム−シリコン素子とより近い熱膨張係数を有する、アルミナ、窒化アルミ、イットリアは、これらの素子の補強膜61として好適に用いられる。
以上より、最外周のP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面に、これらの素子よりも熱膨張係数が小さく且つヤング率が大きく、また高融点の上記セラミックス又はガラスにより構成される補強膜61を形成することで、耐熱性及び剛性に優れる熱電変換素子を備えた熱電変換モジュール1を得ることができる。
(耐性試験)
以下に、補強膜61としてアルミナを使用し、熱電変換素子として、P型熱電変換素子51(マンガン−シリコン素子、熱膨張係数:8.0ppm/℃、ヤング率120GPa)とN型熱電変換素子52(マグネシウム−シリコン素子、熱膨張係数:15.5ppm/℃、ヤング率12GPa)との組み合わせを用いた場合の具体例について、以下に説明する。なお、この具体例においては、基板22としてアルミナを使用し、金属膜21及び電極金属膜23としてCu(熱膨張係数16.5ppm/℃)を使用し、メタライゼーション33としてNi(熱膨張係数13.4ppm/℃)を用いて熱電変換モジュール1を作製した。
以下に、補強膜61としてアルミナを使用し、熱電変換素子として、P型熱電変換素子51(マンガン−シリコン素子、熱膨張係数:8.0ppm/℃、ヤング率120GPa)とN型熱電変換素子52(マグネシウム−シリコン素子、熱膨張係数:15.5ppm/℃、ヤング率12GPa)との組み合わせを用いた場合の具体例について、以下に説明する。なお、この具体例においては、基板22としてアルミナを使用し、金属膜21及び電極金属膜23としてCu(熱膨張係数16.5ppm/℃)を使用し、メタライゼーション33としてNi(熱膨張係数13.4ppm/℃)を用いて熱電変換モジュール1を作製した。
この熱電変換モジュール1を、常温状態(約30℃)の加熱炉に入れ、約1時間で600℃まで昇温した後、約8時間かけて常温(約30℃)まで降温した。このような昇温工程及び降温工程を経た後の熱電変換モジュール1を加熱炉から取り出したところ、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52の割れもなく、温度変化による歪みや破損が防止されていることが確認された。
上記したように、実施例1では、熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子51a、N型熱電変換素子52aの外周面に補強膜61を形成することで、図1及び図2に示す熱電変換モジュール1が形成されている。この熱電変換モジュール1では、例えば上記した具体例では、P型熱電変換素子51a、N型熱電変換素子52a及び電極金属膜23の外周面に、補強膜61として、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52よりも熱膨張係数が低く、且つヤング率が高いアルミナからなる膜が形成されている。これにより、熱電変換モジュール1の稼働時に、熱電変換素子及び電極金属膜23に生じる歪みが抑制されるとともに、P型熱電変換素子51a、N型熱電変換素子52aの強度が高められている。このため、熱電変換素子の破損が防止されている。
また、補強膜61を、セラミックスであるアルミナで形成することで、膜の薄膜化が可能となり、モジュール稼働時における、熱電変換素子の一端側から他端側への熱伝導による熱損失が低減され、熱電変換効率の低下が抑制されている。
図1に示すように、熱電変換素子51及び52は、交互に接続されて、電気的に直列に接続されている。このような直列接続の両端に引き出し配線を形成することで(図1参照。)、この引き出し配線から外部へ起電力を取り出す構造とする。
なお、図1及び図2に示す熱電変換モジュール1では、基板22に接合された金属膜21及び電極金属膜23の端部にテーパーを形成しない構成としたが、金属膜21及び電極金属膜23の端部には、テーパーが形成されてもても良い。テーパーを有することで、モジュール稼働時における熱応力のさらなる低減を図ることができる。
本実施例の熱電変換モジュール1は、ケースに封入して使用しても良いし、このまま使用しても良い。また、図1においては、熱電変換素子を四角柱としているが、熱電変換素子は、円柱、多角柱、楕円柱など柱状であれば良い。
実施例1に係る熱電変換モジュール1は、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、熱電変換モジュール1は、絶縁性材料からなる基板の一方の面に電極金属膜23をパターン形成し、この基板の反対側の面に、電極金属膜23と同一形状でかつ同一膜厚の金属膜21をパターン形成して基板22を形成するステップと、パターニングされた電極金属膜23及び金属膜21を両面に有する高温側の基板22を支持冶具上に設置するステップと、高温側の基板22の電極金属膜23上に、接合材31と、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52をこの順で設置するステップと、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52上に、接合材31と、電極金属膜23及び金属膜21を両面に有する低温側の基板22をこの順で設置するステップと、支持冶具上に形成された積層体を、加圧冶具により加圧すると共に、加熱を行い、電極金属膜23とP型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52とを一括接合するステップと、熱電変換素子群50の最外周に配置されたP型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52の外周側面にセラミックス又はガラスにより構成される補強膜61を形成するステップと、を備える方法により製造することができる。
このように、本実施例の熱電変換モジュール1は、同一形状でかつ同一膜厚にパターニングされた金属膜21と電極金属膜23とを両面に有する高温側の基板22と低温側の基板22とで、熱電変換素子を挟み、高温側の基板22及び低温側の基板22と熱電変換素子とが左右対称な状態で一括接合されることで、熱歪バランスがとれ、基板の反りの低減が可能となる。
なお、加熱接合を行うステップは、上記したように、高温側の基板22と低温側の基板22とを一括して加熱接合するようにしてもよいが、例えば、高温側の基板22を先に熱電変換素子と加熱接合し、その後に低温側の基板22を熱電変換素子と加熱接合するようにしてもよい。
例えば、低温側の稼働温度、及び高温側の稼働温度のいずれの稼働温度よりも高い融点を有する接合材31を用いて、低温側及び高温側の双方を、同じ接合材31で接合する場合には、上記したように、高温側の基板22と低温側の基板22とを一括して加熱接合することができる。一方、低温側の接合材31と高温側の接合材31として、各々の稼働温度よりも高い融点を有する材料を使用し、低温側の基板22側の接合材31と高温側の基板22側の接合材31とが異なる融点を有している場合には、高温側の基板22を先に熱電変換素子と加熱接合し、その後に低温側の基板22を熱電変換素子と加熱接合するようにしてもよい。
図3は、実施例2に係る熱電変換モジュールの概略構成を示す断面図である。なお、以下の説明では、実施例2に係る熱電変換モジュール2の構成のうち、実施例1に係る熱電変換モジュールと異なる構成について説明する。その他の基本的な構成については、実施例1に係る熱電変換モジュールと同様であるため、その説明を省略する。実施例3〜4も同様である。
実施例1の熱電変換モジュール1では、図2に示すように、補強膜61が、熱電変換素子群50の最外周に設置されているP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面だけでなく、その上側及び下側のメタライゼーション33、接合材31、電極金属膜23の外周側面にも形成されている。これに対し、実施例2の熱電変換モジュール2では、補強膜61が、最外周に設置されているP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面だけに形成されており、その上下に積層されている、接合材とメタライゼーションとの化合物層32(以下、単に化合物層32と示す。)及び電極金属膜23の外周側面には、補強膜61は形成されていない(図3参照。)。
すなわち、実施例1では、高温側の基板22と低温側の基板22との間に、P型熱電変換素子51及びN型熱電変換素子52を有する積層体を形成した後、熱電変換素子群50の最外周のP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面に、補強膜61を形成している。
一方、実施例2では、熱電変換素子群50の最外周に配置されるP型熱電変換素子51a及びN型熱電変換素子52aの外周側面となる一側面又は二側面に、予め補強膜61を形成した後、これらの熱電変換素子を、高温側の基板22又は低温側の基板22上に並べることにより得ることができる。すなわち、実施例2では、予め補強膜を形成した熱電変換素子を、モジュールに組み込むことで、図3に示す熱電変換モジュール2が形成されている。
実施例2では、補強膜61として、熱電変換素子(マンガン−シリコン素子、マグネシウム−シリコン素子)より熱膨張係数が低く、かつヤング率が大きいアルミナを用いている。これにより、熱電変換モジュール2の稼働時に、電極金属膜23の伸びにより、熱電変換素子が引っ張られて熱電変換素子に歪みが生じても、低熱膨張でかつ剛性の高い補強膜61により、熱電変換素子の歪みが抑制される。なお、補強膜61としては、熱電変換素子より熱膨張係数が低く、かつヤング率が大きいガラス又はセラミックスで構成されるものであれば、アルミナ以外のセラミックスやガラスで形成されていてもよい。
また、熱電変換素子の外周側面だけに補強膜61を形成し、化合物層32や電極金属膜23の外周側面には補強膜61を形成しないことで、補強膜61としての材料費が低減され、全体として低コスト化できる。さらに、熱電変換素子の外周側面だけに補強膜61を形成することで、モジュール稼働時における、熱電変換素子の一端側から他端側(高温側から低温側)への熱伝導による熱損失が低減され、優れた熱電変換効率が維持される。
図4は、実施例3に係る熱電変換モジュールの概略構成を示す断面図である。実施例1の熱電変換モジュール1では、熱電変換素子の端部が、電極金属膜23の端部と一致するように配置されている(図2参照)。これに対し、実施例3の熱電変換モジュール3では、熱電変換素子の端部を、電極金属膜23の端部よりも内側に配置している。
すなわち、実施例3では、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52を、その端部が電極金属膜23の端部の内側にくるようにして、高温側の基板22と低温側の基板22との間に設置した後、熱電変換素子群50の最外周の熱電変換素子の外周側面に補強膜61を形成している。これにより、熱電変換モジュール3では、補強膜61が、電極金属膜23及び熱電変換素子により形成される凹凸面に追従するように形成されている。
実施例3は、上記構成により、熱電変換モジュール3の稼働時に、電極金属膜23と熱電変換素子との間で歪みが生じても、凹凸部がアンカーとなり、このアンカー部において歪みが吸収される。このような凹凸部各々において、補強膜61により低熱膨張性及び高い剛性が付与されることで、優れた歪み抑制効果を得ることができる。
次に、実施例4に係る熱電変換モジュールについて説明する。実施例4の熱電変換モジュールは、補強膜61の設置領域以外の構成は、実施例3の熱電変換モジュールと同様とする(図4参照。)。また、実施例4の熱電変換モジュールは、補強膜61の設置領域を、実施例2と同様、熱電変換素子群50の最外周に設置された熱電変換素子の外周側面のみとし、化合物層32、電極金属膜23には補強膜61は形成しない構成とする。なお、実施例4の熱電変換モジュールは、図示は省略する。
実施例4の熱電変換モジュールでは、実施例3と同様、熱電変換素子を、その端部が電極金属膜23の端部の内側にくるように設置することで、熱電変換モジュールの稼働時に、熱電変換素子と電極金属膜23との間で歪みが生じても、電極金属膜23及び熱電変換素子により形成される凹凸部がアンカーとなり、このアンカー部において歪みが吸収され、優れた歪み抑制効果を得ることができる。
また、熱電変換素子の外周側面だけに補強膜61を形成し、化合物層32及び電極金属膜23の外周側面には補強膜61を形成しないことで、補強膜61としての材料費が低減され、全体として低コスト化できるうえ、モジュール稼働時における、熱電変換素子の一端側から他端側(高温側から低温側)への熱伝導による熱損失が低減され、優れた熱電変換効率が維持される。
以上説明したように、実施例1乃至4に係る熱電変換モジュールでは、モジュール稼働時に応力が集中する、熱電変換素子群50の最外周に配置された熱電変換素子の外周側面に補強膜61を形成することで、モジュール稼働時に熱電変換素子にかかる応力が抑制される。また、最外周の熱電変換素子の他の二側面又は三側面には補強膜61を形成せず、フリーな状態とすることで、モジュール稼働時に、最外周の熱電変換素子にかかる応力を開放することができる。
また、熱電変換モジュールの熱電変換素子同志が対向する面には補強膜61を形成せず、補強膜61を形成するのは最外周の熱電変換素子の外周側面とすることで、熱電変換素子の高温側から低温側への熱伝導を抑制し、熱電変換効率を維持することができる。
実施例5では、図1乃至図4に示す熱電変換モジュール1〜3を用いて、熱電変換素子の外周側面からの熱放射による熱損失の影響を説明する。
本実施例では、P型熱電変換素子51、N型熱電変換素子52のいずれも、シリコン−ゲルマニウム素子(熱伝導率:4.0W/m・K)とした場合について説明する。このようにして形成されたモジュールの熱電変換素子群50の最外周に配置された熱電変換素子の外周側面に、熱電変換素子よりも熱伝導率の小さい補強膜61として、例えば表1に示すジルコニア(熱伝導率:3.0W/m・K)や溶融シリカガラス(熱伝導率:1.4W/m・K)を形成する。これにより、最外周に配置された熱電変換素子の外周側面からの熱放射による熱損失が低減される。
1、2、3…熱電変換モジュール、21…金属膜、22…基板、23…電極金属膜、31…接合材、32…接合材とメタライゼーションとの化合物層、33…メタライゼーション、50…熱電変換素子群、51…P型熱電変換素子、52…N型熱電変換素子、61…補強膜
Claims (14)
- 金属膜が両面に形成された基板が高温側及び低温側にそれぞれ設置されており、
前記金属膜のうち前記基板同士が対向する側の面にそれぞれ形成された電極金属膜がP型熱電変換素子、N型熱電変換素子又はP型熱電変換素子及びN型熱電変換素子の双方に接続され、
前記P型熱電変換素子と前記N型熱電変換素子とからなる素子列が、複数列配列されて熱電変換素子群が形成されてなり、
前記熱電変換素子群の最外周に配置された熱電変換素子の外周側面に、熱電変換素子の強度を補強するセラミックス又はガラスにより構成される補強膜が形成され、少なくとも前記熱電変換素子群の最外周に配置された熱電変換素子列の内側に配列された熱電変換素子の側面には前記補強膜が形成されていないことを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換素子群の最外周に配列された前記熱電変換素子の内周側面には、前記補強膜が形成されていないことを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1又は2に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記補強膜は、該補強膜が形成されている前記熱電変換素子よりも熱膨張係数が小さく、且つヤング率が大きいことを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記基板の一方の面に形成された前記電極金属膜と、該基板の他方の面に形成された前記金属膜とは、熱膨張係数が実質的に同じであることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換モジュールは、300〜650℃の高温環境下で使用されることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記補強膜が、1500℃以上の融点を有するセラミックスか、又は950℃以上の融点を有するガラスで構成されることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記補強膜が、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、ジルコニア、イットリア及び溶融シリカガラスからなる群から選択される少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
高温側に設置された高温側基板及び低温側に設置された低温側基板は、モジュール稼働温度よりも高い融点を有する接合材を介して、前記P型熱電変換素子及び前記N型熱電変換素子に一括して加熱接合されてなることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至8の何れか1項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換素子は、Ag及びCuの二元素系合金を主成分とし、Ti、Zr及びHfからなる群から選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜10質量%含有する活性金属ろう材、又はアルミニウム、インジウム及び亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属箔を介して、前記基板に接合されていることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
低温側の稼働温度は100〜200℃であり、高温側の稼働温度は300〜650℃であり、
前記低温側基板及び前記高温側基板が、各々の稼働温度よりも高い融点を有する接合材を介して、前記熱電変換素子と加熱接合されてなることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項10に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記高温側基板は、前記接合材として、Ag及びCuの二元素系合金を主成分とし、Ti、Zr及びHfからなる群から選ばれる少なくとも1種の活性金属を0.1〜10質量%含有する活性金属ろう材を用いて前記熱電変換素子と接合されており、
前記低温側基板は、前記接合材として、アルミニウム箔材、インジウム箔材及び亜鉛箔材からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属箔を用いて前記熱電変換素子と接合されていることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至11の何れか1項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記補強膜の熱伝導率が、前記熱電変換素子の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至12の何れか1項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記P型熱電変換素子及び前記N型熱電変換素子が、シリコン−ゲルマニウム系、鉄−シリコン系、ビスマス−テルル系、マグネシウム−シリコン系、マンガン−シリコン系、鉛−テルル系、コバルト−アンチモン系、ビスマス−アンチモン系、ホイスラー合金系及びハーフホイスラー合金系からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機材料又は合金材料からなることを特徴とする熱電変換モジュール。 - 請求項1乃至13の何れか1項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記基板は、アルミナ、窒化珪素及び窒化アルミニウムからなる群から選択されるセラミックス又は樹脂材料からなる絶縁性材料で形成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
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