JP2016155645A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】DCSを起動していない状態でも、乗りかごを通常通り運転して工事に使用する。【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムは、乗場行先階登録装置12によって登録された行先階に基づいて乗りかご21a,21b,21cの運転を制御する群管理制御装置32を備える。群管理制御装置32は、工事使用の指示があったときに、乗りかご21a,21b,21cの中の工事使用対象かごを群管理から切り離して工事運転モードに切り替え、乗場行先階登録装置12を用いた運転制御に関係する異常を無視して作業用の運転操作ボタンの操作に従って上記工事使用対象かごの運転を制御する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、乗場行先階登録装置を備えたエレベータシステムに関する。
一般に、建物の各階の乗場には、乗場呼びを登録するための乗場呼びボタンが設置されている。エレベータの利用者がこの乗場呼びボタンを操作すると、乗りかごが乗場呼びの登録階に応答する。利用者が乗りかごに乗り込み、かご操作盤の行先階ボタンを操作すると、行先階が登録され、乗りかごがその行先階に移動する。
近年、上述した乗場呼びボタンとは別に、乗場にて直接行先階を指定可能な乗場行先階登録装置(HDC:Hall Destination Controller)を備えたエレベータシステムが実用化されている。このようなエレベータシステムを「行先階制御システム(DCS:Destination Control System)」と呼ぶ。DCSは、利用者が乗場にて登録した行先階に基づいて、複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを選出して、当該乗場に応答させる。この場合、同じ行先階の利用者を同じ乗りかごに乗車させることで、輸送効率の向上を図っている。
ここで、すべての階に乗場行先階登録装置が設置されたDCSを「フルDCS」と呼ぶ。フルDCSでは、各階の乗場で行先階を登録できるので、乗りかご内に行先階ボタンを必要としない。
特開2013−18585号公報
通常、エレベータの据付時には、作業員が乗りかご内に機材を入れて各階を移動することがある。ところが、DCSでは、乗りかご内に通常の行先階ボタンが設置されていないので、作業員が各階へ移動することができない。
また、工事中はDCSに関連する機器(HDC等)が設置されていないことが多い。これは、関連機器を設置しておくと、工具等がぶつかって破損する可能性があるからである。したがって、工事中は、DCSの関連機器が接続される制御盤自体も起動しないのが一般的である。ここで、DCSが起動されていない状態で、乗りかごを運転するための何らかの操作を行うと、DCSの異常として検知される。
本発明が解決しようとする課題は、DCSを起動していない状態でも、乗りかごを通常通り運転して工事に使用することのできるエレベータシステムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータシステムは、複数台の乗りかごを群管理し、各階の乗場に設置された乗場行先階登録装置によって登録された行先階に基づいて上記各乗りかごの運転を制御する。
このエレベータシステムは、指示手段と、運転モード切替え手段と、運転制御手段とを備える。上記指示手段は、上記各乗りかごの中の任意の乗りかごを工事中に使用することを指示する。上記運転モード切替え手段は、上記指示手段によって工事使用の指示があったときに、上記各乗りかごの中の工事使用対象かごを群管理から切り離して工事運転モードに切り替える。上記運転制御手段は、上記運転モード切替え手段によって上記工事運転モードに切り替えられた場合に、上記各乗場行先階登録装置を用いた運転制御に関係する異常を無視して作業用の運転操作ボタンの操作に従って上記工事使用対象かごの運転を制御する。
図1は一実施形態に係るエレベータの乗場の構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータの乗りかごの構成を示す図である。 図3は同実施形態におけるエレベータの乗りかご内に設けられた点検ボックスの作業用の運転操作ボタンの一例を示す図である。 図4は同実施形態におけるエレベータシステムの構成を示す図である。 図5は同実施形態における群管理制御装置の機能構成を示す図である。 図6は同実施形態における群管理制御装置の工事運転時の動作を示すフローチャートである。 図7は同実施形態における乗りかごの運転が禁止されたときの表示例を示す図である。 図8の他の実施形態としてかご制御装置のスイッチを用いて、任意の乗りかごを工事中に使用することを指示する方法を説明するための図である。 図9の他の実施形態として保守点検用の端末装置を用いて、任意の乗りかごを工事中に使用することを指示する方法を説明するための図である。 図10の他の実施形態として乗場行先階登録装置に設置された呼びボタンを用いて、任意の乗りかごを工事中に使用することを指示する方法を説明するための図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は一実施形態に係るエレベータの乗場の構成を示す図である。なお、ここで言うエレベータとは、基本的には「乗りかご」のことである。
図中の10は任意の階の乗場、11a,11bは乗場ドアである。乗場ドア11aは、A号機の乗りかごの到着時にかごドアと連動して開閉動作する。乗場ドア11bは、B号機の乗りかごの到着時にかごドアと連動して開閉動作する。
乗場ドア11aと乗場ドア11bとの間に、利用者が行先階を登録するための乗場行先階登録装置12が設置されている。乗場行先階登録装置12は、行先階を入力操作するための操作部12aと、利用者が乗車する乗りかご(割当かご)等を表示するための表示部12bとを有する。
なお、行先階の登録方法としては、テンキーの操作によるものが一般的であるが、例えばICカードなどを用いた方法であっても良い。また、乗場行先階登録装置12は、乗場10から離れた場所に設置されていても良い。
乗場ドア11aの上部付近に表示器13aが設置されている。表示器13aには、A号機の乗りかごの行先階や運転方向などが表示される。同様に乗場ドア11bの上部付近に表示器13bが設置されている。表示器13bには、B号機の乗りかごの行先階や運転方向などが表示される。
ここで、本実施形態では、フルDCSを前提としており、各階の乗場に乗場行先階登録装置に設置されている。したがって、乗りかご内には行先階ボタンが設置されていない構成である。
図2はエレベータの乗りかごの構成を示す図である。
乗りかご21の乗降口にかごドア22が開閉自在に設けられている。かごドア22の近傍に表示器23と戸開ボタン24a、戸閉ボタン24bが設置されている。表示器23は、現在位置や運転方向など、乗りかご21の運転状態に関する情報を表示する。戸開ボタン24aは、かごドア22の戸開を指示するための操作スイッチである。戸閉ボタン24bは、かごドア22の戸閉を指示するための操作スイッチである。
ここで、乗りかご21内の任意の箇所に鍵付きの点検ボックス25が設置されている。この点検ボックス25の中には、図3に示すように作業用の運転操作ボタン26を有する操作盤27が設けられている。作業用の運転操作ボタン26には、行先階を指定するための行先階ボタンが含まれる。通常、点検ボックス25は施錠された状態にあり、点検ボックス25の鍵はビル管理者などによって管理されている。したがって、一般の利用者は点検ボックス25内の作業用の運転操作ボタン26を操作することはできない。
また、操作盤27上には、工事使用スイッチ28が設けられている。工事使用スイッチ28は、作業員が乗りかご21を工事中に使用することを指示するための指示手段である。この工事使用スイッチ28をON操作すると、工事運転モードに切り替えられ、当該乗りかご21が工事使用として運転される。そのときの運転操作は、作業用の運転操作ボタン26を用いる。
図4はエレベータシステムの構成を示す図であり、ここでは3台のエレベータ(乗りかご)が群管理された構成が示されている。なお、図1と同じ部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態におけるエレベータシステムは、かご制御装置31a,31b,31cと、これらのかご制御装置31a,31b,31cに接続された群管理制御装置32とで構成される。
かご制御装置31a,31b,31cは、乗りかご21a,21b,21cに対応して設けられている。かご制御装置31a,31b,31cは、図示せぬ巻上機の駆動制御やドアの開閉制御などを含むかご単体での制御を行う。
かご制御装置31aには表示器13aが接続されている。表示器13aは、乗りかご21aの乗場ドア付近に設置され、乗りかご21aの行先階や運転方向などを表示する。同様に、かご制御装置31bには表示器13bが接続され、かご制御装置31cには表示器13cが接続されている。表示器13bは、乗りかご21bの乗場ドア付近に設置され、乗りかご21bの行先階や運転方向などを表示する。表示器13cは、乗りかご21cの乗場ドア付近に設置され、乗りかご21cの行先階や運転方向などを表示する。
なお、図1の例では、便宜的に表示器13a,13b,13cを1つずつしか図示していないが、実際には各階の乗場に表示器13a,13b,13cが設置されている。
各階の乗場には、乗場行先階登録装置12が少なくとも1台ずつ設置されている。図1で説明したように、乗場行先階登録装置12は、乗場にて利用者が行先階を登録するための装置である。この乗場行先階登録装置12によって行先階が登録されると、行先階と登録階(行先階の登録操作が行われた階)の2つの情報を1つの組とした乗場呼び情報が群管理制御装置32に送られる。
群管理制御装置32では、乗場呼び情報を受信すると、乗りかご21a,21b,21cの中の最適な乗りかごに当該乗場呼び情報を割り当てる。なお、乗場呼び情報が割り当てられた乗りかごのことを「割当かご」と呼ぶ。割当かごが決まると、利用者が操作した乗場行先階登録装置12の表示部12bに当該割当かごの号機名が表示される。乗場行先階登録装置12を用いて乗りかご21a,21b,21cを運転制御(群管理制御)することを「DCS」と呼ぶ。
群管理制御装置32は、乗りかご21a,21b,21cの運転を統括的に制御する装置である。群管理制御装置32には、上述したDCSの機能が備えられている。また、この群管理制御装置32には、図5に示すように、工事中のオペレーションを実現するための機能として、運転モード切替え部32a、運転制御部32bが備えられている。
運転モード切替え部32aは、工事使用スイッチ28の操作により工事使用の指示があったときに、乗りかご21a,21b,21cの中の工事使用対象かごを群管理から切り離して工事運転モードに切り替える。
運転制御部32bは、工事運転モードに切り替えられた場合に、各階の乗場行先階登録装置12を用いた運転制御に関係する異常(DCS異常)を無視して工事使用対象かご内に設けられた作業用の運転操作ボタン26の操作に従って当該乗りかごの運転を制御する。
次に、本実施形態の動作を説明する。
なお、以下のフローチャートで示される処理は、コンピュータである群管理制御装置32が所定のプログラムを読み込むことにより実行される。
図6は群管理制御装置32の工事運転時の動作を示すフローチャートである。
いま、エレベータの据付け工事中であり、乗りかご21a,21b,21cが戸開した状態で例えば基準階で運転停止しているものとする。作業員が任意の乗りかご(A号機の乗りかご21aとする)内に乗り込み、図2,3に示した点検ボックス25の鍵を解錠する。点検ボックス25内には、作業用の運転操作ボタン26や工事使用スイッチ28が設けられている。
工事使用スイッチ28がON操作されると(ステップS101のYes)、群管理制御装置32の運転モード切替え部32aは、工事使用スイッチ28が操作された乗りかごを工事使用対象かごとして選択する(ステップS102)。この場合、A号機の乗りかご21a内の工事使用スイッチ28が操作されたので、乗りかご21aが工事使用対象かごとして選択されることになる。
運転モード切替え部32aは、工事使用対象かごとして選択された乗りかご21aを群管理から切り離して工事運転モードに切り替える(ステップS103)。「群管理から切り離す」とは、群管理制御装置32によって実行されるDCSの運転制御から外すことである。
ここで、工事運転モードに切り替えたときに、運転制御部32bは、DCS関連機器以外の一般機器が正常な状態にあるか否かを確認する(ステップS104)。
「DCS関連機器」とは、DCSの運転制御に必要な機器のことであり、例えば乗場行先階登録装置12などである。群管理制御装置32では、これらのDCS関連機器から出力される信号の有無などから正常な状態にあるか否かを判断できる。
「DCS関連機器以外の一般機器」とは、通常の運転制御には必要であり、DCSの運転制御には直接関係しない機器のことである。例えば乗りかご21内の表示器23や戸開ボタン24a、戸閉ボタン24b、点検ボックス25に設けられた操作盤27上の各種操作ボタン26,28などである。群管理制御装置32では、これらの一般機器から出力される信号の有無などから正常な状態にあるか否かを判断できる。
一般機器が正常な状態であれば、工事使用対象かごとして選択された乗りかご21aをかご単体として運転制御することができる。ただし、工事中はDCSに必要な乗場行先階登録装置12が乗場に設置されていないことや、乗場に設置されていても群管理制御装置32に接続されていないため、DCSを起動していない。このような状態で、何らかの運転操作を行うと、DCSの異常として検知されてしまう。
そこで、一般機器が正常な状態であれば(ステップS104のYes)、運転制御部32bは、DCSの異常を無視して作業用の運転操作ボタン26の操作に従って当該乗りかご21aの運転を制御する(ステップS105)。すなわち、通常はDCSが起動されていない状態で何らかの運転操作をするとDCSの異常として検知されるが、工事運転モードでかご単体で運転する場合には、そのDCSの異常が無視されることになる。
一方、上記ステップS104において、一般機器に何らかの異常が検出された場合には、運転制御部32bは、工事使用対象かごとして選択された乗りかご21aの運転を禁止する(ステップS106)。このとき、乗りかご21aに対応した乗場の表示器13aまたは乗りかご21a内の表示器23に異常発生により運転できない旨が表示される(ステップS107)。
図7に乗りかご21aの運転が禁止されたときの表示例を示す。このような異常表示があった場合には、直ちに異常箇所の点検が必要となる。正常な状態に修復できた後に工事使用スイッチ28を再び操作すると、ステップS101からの処理が繰り返される。
このように本実施形態によれば、工事使用スイッチ28が操作された乗りかごが工事使用対象かごとして選択され、群管理から切り離されて工事運転モードに切り替えられる。工事運転モードでは、DCSの異常が無視されるので、DCSが起動されていない状態であっても、当該乗りかご内の作業用の運転操作ボタン26を操作して各階を自由に移動できるようになる。
また、DCSの異常は無視されても、DCS関連機器以外の一般機器に何らかの異常があれば、当該乗りかごの運転が禁止されるので、作業員の安全を守ることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、工事使用スイッチ28を乗りかご21内の点検ボックス25に設けたが、乗りかご21内の点検ボックス25以外の場所に設置しておくことでも良い。ただし、乗りかご21に乗車した一般の利用者が誤って操作しないように、通常は工事使用スイッチ28の操作をロックしておき、例えば暗証番号の入力などで、そのロック状態を解除することが好ましい。
また、下記のように別の方法で、任意の乗りかごを工事中に使用することを指示することでも良い。
(a)かご制御装置のスイッチを用いる方法
図8に示すように、かご制御装置31(31a,31b,31c)には、作業員が各種設定操作を行うためのスイッチ部41が設けられている。そのスイッチ部41を操作して工事中に使用することを指示する。この場合、例えばA号機の乗りかご21aに対応したかご制御装置31aのスイッチ部41を操作した場合には、乗りかご21aが工事使用対象かごとして選択され、群管理から切り離されて工事運転モードに切り替えられる。
なお、かご制御装置31(31a,31b,31c)は、群管理制御装置32と一緒に例えばビルの機械室に設置されている。したがって、作業員はビルの機械室に入ってスイッチ部41を操作することになる。
また、機械室を持たないマシーンルームレスタイプのエレベータでは、昇降路内にかご制御装置31(31a,31b,31c)と群管理制御装置32が設置される。この場合には、作業員は特定の階に設置された扉から昇降路内に入り、かご制御装置31のスイッチ部41を操作することになる。
(b)保守点検用の端末装置を用いる方法
図9に示すように、作業員は、保守点検用の端末装置42を所持している。この端末装置42は、保守点検に必要な各種機能と、制御装置31(31a,31b,31c)や群管理制御装置32に無線接続するための機能を備える。
この端末装置42を用いれば、かご制御装置31から離れた場所からでもかご制御装置31に無線接続することで、任意の乗りかごを工事使用対象かごとして選択して工事中に使用することができる。
(c)戸開/戸閉ボタンを用いる方法
図2に示したように、乗りかご21(21a,21b,21c)内には、戸開ボタン24aと戸閉ボタン24bが備えられている。例えば基準階で戸開ボタン24aと戸閉ボタン24bを同時に数秒以上長押しすることで、工事中に使用することを指示する。この場合、例えばA号機の乗りかご21a内の戸開ボタン24aと戸閉ボタン24bを操作した場合には、乗りかご21aが工事使用対象かごとして選択され、群管理から切り離されて工事運転モードに切り替えられる。
(d)乗場行先階登録装置に設置された呼びボタンを用いる方法
各階の乗場には乗場行先階登録装置12が設置されている。図1に示したように、乗場行先階登録装置12には、例えばテンキーなどで構成された操作部12aが設けられている。この操作部12aを操作することで行先階を登録する。
ここで、例えば基準階に設置された乗場行先階登録装置12の操作面を2重構造にしておき、図10に示すように、操作部12aを有する第1の操作面43と、呼びボタン44a,44b,44cを有する第2の操作面45を切り替えられるようにしておく。切替え方法としては、例えば第1の操作面43の裏に第2の操作面45を設けておき、機械的に第1の操作面43と第2の操作面45を切り替えることでも良い。また、操作面全体をタッチパネルで構成し、ソフト的に第1の操作面43と第2の操作面45を切り替えることでも良い。
工事中は第2の操作面45に切り替えておき、この第2の操作面45に設けられた呼びボタン44a,44b,44cのいずれかを押下操作して工事使用対象かごを選択して工事中に使用する。図中の呼びボタン44a,44b,44cは、乗りかご21a,21b,21cに対応している。例えばA号機の乗りかご21aに対応した呼びボタン44aを押下操作した場合には、乗りかご21aが工事使用対象かごとして選択され、群管理から切り離されて工事運転モードに切り替えられる。なお、工事完了後は、第1の操作面43に切り替えておき、乗場行先階登録装置12をDCSの専用機器として使用する。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、DCSを起動していない状態でも、乗りかごを通常通り運転して工事等に使用することのできるエレベータシステムを提供することができる。
なお、上記実施形態では、エレベータの据付け工事を想定して説明したが、例えばDCSが何らかの原因で故障し、その修復のために乗りかごを単体で運転する場合などにも応用である。
要するに、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…乗場、11a,11b…乗場ドア、12…乗場行先階登録装置、12a…操作部、12b…表示部、13a,13b,13c…表示器、21a,21b,21c…乗りかご、22…かごドア、23…表示器、24a…戸開ボタン、24b…戸閉ボタン、25…点検ボックス、26…作業用の運転操作ボタン、27…操作盤、31a,31b,31c…かご制御装置、32…群管理制御装置、32a…運転モード切替え部、32b…運転制御部、41…スイッチ部、42…端末装置、43…第1の操作面、44a,44b,44c…呼びボタン、45…第2の操作面。
このエレベータシステムは、指示手段と、運転モード切替え手段と、運転制御手段とを備える。上記指示手段は、上記各乗りかごの中の任意の乗りかごを工事中に使用することを指示する。上記運転モード切替え手段は、上記指示手段によって工事使用の指示があったときに、上記各乗りかごの中の工事使用対象かごを群管理から切り離して工事運転モードに切り替える。上記運転制御手段は、上記各乗場行先階登録装置を用いた運転制御が正常に起動されていない状態で、上記運転モード切替え手段によって上記工事運転モードに切り替えられた場合に、上記各乗場行先階登録装置を用いた運転制御に関係する異常を無視して作業用の運転操作ボタンの操作に従って上記工事使用対象かごの運転を制御する。

Claims (10)

  1. 複数台の乗りかごを群管理し、各階の乗場に設置された乗場行先階登録装置によって登録された行先階に基づいて上記各乗りかごの運転を制御するエレベータシステムにおいて、
    上記各乗りかごの中の任意の乗りかごを工事中に使用することを指示する指示手段と、
    この指示手段によって工事使用の指示があったときに、上記各乗りかごの中の工事使用対象かごを群管理から切り離して工事運転モードに切り替える運転モード切替え手段と、
    この運転モード切替え手段によって上記工事運転モードに切り替えられた場合に、上記各乗場行先階登録装置を用いた運転制御に関係する異常を無視して作業用の運転操作ボタンの操作に従って上記工事使用対象かごの運転を制御する運転制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータシステム。
  2. 上記運転制御手段は、
    上記工事運転モードに切り替えられた場合に、上記各乗場行先階登録装置を用いた運転制御に関連した機器以外の一般機器が正常な状態であるか否かを確認し、上記一般機器が正常な状態であれば、上記各乗場行先階登録装置を用いた運転制御の異常を無視して上記作業用の運転操作ボタンの操作に従って上記工事使用対象かごの運転を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  3. 上記運転制御手段は、
    上記一般機器の異常が検出された場合に、上記工事使用対象かごの運転を禁止することを特徴とする請求項2記載のエレベータシステム。
  4. 上記工事使用対象かごの運転が禁止されたことを表示する表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載のエレベータシステム。
  5. 上記作業用の運転操作ボタンは、上記各乗りかご内の所定の場所に設置されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  6. 上記指示手段は、
    上記各乗りかご内に設けられた工事使用スイッチの操作によって、上記工事使用対象かごを選択して工事中に使用することを指示することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  7. 上記指示手段は、
    上記各乗りかごに対応した制御装置に設けられたスイッチ部の操作によって、上記工事使用対象かごを選択して工事中に使用することを指示することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  8. 上記指示手段は、
    作業員が持つ保守点検用の端末装置を上記各乗りかごに対応した制御装置に無線接続することにより、上記工事使用対象かごを選択して工事中に使用することを指示することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  9. 上記指示手段は、
    上記各乗りかご内に設けられた戸開ボタンと戸閉ボタンの操作によって、上記工事使用対象かごを選択して工事中に使用することを指示することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  10. 上記指示手段は、
    上記各乗場行先階登録装置のうちの任意の階の乗場に設置された乗場行先階登録装置に設置された呼びボタンの操作によって、上記工事使用対象かごを選択して工事中に使用することを指示することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
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