JP2016152075A - 燃料電池装置 - Google Patents

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佑輝 向原
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Abstract

【課題】酸化剤ガスを加熱するための予熱器に局所的な変形が生じてしまうことを抑制することのできる燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料電池装置FCは、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて発電する燃料電池スタックCSと、燃料電池スタックを側方から囲むように配置され、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスを加熱する予熱器(空気加熱流路40)とを備える。予熱器は、燃料電池スタックを内部に収納する第4筒状体140と、その中心軸を第4筒状体の中心軸に一致させた状態で配置されており、第4筒状体を内部に収納する第5筒状体150とを有している。第4筒状体と第5筒状体との間に形成された空気流路401には、第4筒状体の周方向に沿って並ぶよう、複数の金属板が挿入されており、第4筒状体と第5筒状体との間の位置ずれが、それぞれの金属板の弾性力によって抑制されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスによって発電する燃料電池装置に関する。
燃料電池装置は、燃料ガス及び酸化剤ガスが持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置である。その発電効率は非常に高く、また排出されるガスも比較的クリーンであることから、次世代の発電装置として注目されている。
発電が行われているときには、燃料電池スタック(セルスタック)は高温に維持される必要がある。特に、固体酸化物形の燃料電池装置においては、発電中の燃料電池スタックの温度は約700℃と非常に高温となっている。
高温の燃料電池スタックに低温の酸化剤ガス(例えば常温の大気)が供給されると、急激な冷却によって燃料電池スタックが破損してしまう可能性がある。そこで、酸化剤ガスは、予めその温度を上昇させた状態で燃料電池スタックに供給される。燃料電池装置には、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスを予め加熱するための予熱器が備えられる。
例えば、下記特許文献1には、酸化剤ガスが通る予熱通路(反応ガス供給通路)が内部に形成された予熱器(挿入部)を、燃料電池スタック(燃料電池ユニット)の近傍に配置した構成の燃料電池装置が記載されている。当該燃料電池装置においては、酸化剤ガスは、予熱通路を通る際において燃料電池スタックからの輻射熱によって加熱される。また、酸化剤ガスは、上記予熱通路に到達するよりも前において、高温の燃焼排ガスによっても加熱される。
ところで、酸化剤ガスが加熱される際においては、予熱通路を区画する金属製の板状壁も加熱される。このため、板状壁が熱膨張により変形してしまい、予熱通路の流路幅が局所的に狭くなってしまったり、広くなってしまったりする可能性がある。その結果、酸化剤ガスの流れが設計時の想定とは異なるものとなってしまい、例えば、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスの温度が不均一になることが懸念される。
そこで、下記特許文献1に記載の燃料電池装置では、予熱通路を構成する一対の板状壁のそれぞれにリブが形成されており、それぞれのリブの先端同士が互いに付き合わされて溶接された構成となっている。このような構成により、予熱器の熱膨張による変形が防止されている。
特開2010−44991号公報
上記特許文献1に記載された燃料電池装置は、予熱通路を区画する板状壁の熱変形が、リブの剛性によって強固に抑えられる構成となっている。このような構成においては、予熱通路の流路幅は、リブの近傍においては維持されるのであるが、リブから離れた箇所においては、板状壁の変形によって局所的に狭くなったり、局所的に広くなったりしてしまう可能性がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化剤ガスを加熱するための予熱器に局所的な変形が生じてしまうことを抑制することのできる燃料電池装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池装置では、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックを側方から囲むように配置され、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスを加熱する予熱器と、を備え、予熱器は、燃料電池スタックを内部に収納する第1円筒と、その中心軸を第1円筒の中心軸に一致させた状態で配置されており、第1円筒を内部に収納する第2円筒と、を有している。第1円筒と第2円筒との間に形成された空間には、第1円筒の周方向に沿って並ぶよう、複数の金属板が挿入されており、第1円筒と第2円筒との間の位置ずれがそれぞれの金属板の弾性力によって抑制されている。
このような構成の燃料電池装置では、互いに同軸となるように配置された第1円筒と第2円筒との間の位置ずれが、リブの剛性によって強固に抑制されるのではなく、金属板の弾性力、すなわち、金属板の変形に略比例した力によって抑制される。このため、第1円筒と第2円筒との間の位置ずれを抑制するための力が大きくなり過ぎることがなく、予熱器を構成する第1円筒等が局所的に変形してしまうようなことが防止される。
尚、第1円筒と第2円筒との間に形成され、金属板が挿入されている空間は、加熱される酸化剤ガスが通る流路であってもよく、酸化剤ガスを加熱するための排ガスが通る流路であってもよい。予熱器の局所的な変形が抑制されるので、燃料電池装置の発電が行われているときにおいても、上記流路の幅が均等な状態を維持することができる。
本発明によれば、酸化剤ガスを加熱するための予熱器に局所的な変形が生じてしまうことを抑制することのできる燃料電池装置が提供される。
本発明の実施形態に係る燃料電池装置の内部構造を模式的に示す図である。 図1に示される燃料電池装置のうち、空気流路の構成を模式的に示す図である。 空気流路に挿入された金属板の形状を示す図である。 図2におけるA部を拡大して示す図である。 貫通穴が形成された金属板の例を示す図である。 図5に示された金属板が空気流路に配置された場合における、空気の流れを模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本実施形態に係る燃料電池装置FCは、燃料電池スタックCS(セルスタック)と、ケーシング10と、燃焼器20と、改質ユニット30と、を備えている。
燃料電池スタックCSは、複数の燃料電池セル(不図示)の集合体である。各燃料電池セルは、固体酸化物形の燃料電池セル(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)であって、平板状の固体電解質の一方側の面に燃料極(アノード)が形成され、他方側の面に空気極(カソード)が形成された構成となっている。これら燃料極及び空気極は、いずれも導電性のセラミックスで形成された多孔質体である。
燃料電池スタックCSでは、全ての燃料電池セルが上下方向に積層されており、これらが電気的に直列接続された状態となっている。燃料電池スタックCSは、スタックアダプタADを介してベースプレートBPの上面側に立設されている。
スタックアダプタADは、内部に複数のガス流路(不図示)が形成された板状の部材である。後に説明するように、燃料電池スタックCSに対する燃料ガスの供給は、スタックアダプタADを介して行われる。また、燃料電池スタックCSからのガスの排出(発電に供しなかった残余の燃料ガス及び空気の排出)も、スタックアダプタADを介して行われる。ベースプレートBPは、ケーシング10の内部に水平に配置された円形の金属板である。ベースプレートBPにより、ケーシング10の内部空間は概ね上下2室に分けられている。
ケーシング10は、燃料電池スタックCS、燃焼器20、改質ユニット30等を内部に収容する略円柱形状の筐体である。ケーシング10は、その側面及び上面の全体を断熱材(不図示)により覆われている。ケーシング10は、第1筒状体110と、第2筒状体120と、第3筒状体130と、第4筒状体140と、第5筒状体150と、第6筒状体160とを有している。第1筒状体110、第2筒状体120、第3筒状体130、第4筒状体140、第5筒状体150、及び第6筒状体160は、いずれもステンレス製で中心軸周りに略円筒状に形成されており、それぞれの中心軸を一致させた状態で(同軸となるように)配置されている。
第1筒状体110は、ケーシング10のうち最も内側に配置された筒状体であって、燃料電池スタックCS及びスタックアダプタADをその内部に収容している。第1筒状体110の上端は水平な天板181によって塞がれている。また、第1筒状体110の下端はベースプレートBPの上面に当接した状態で固定されている。第1筒状体110の下端から上端までの高さは、スタックアダプタADの下端から燃料電池スタックCSの上端までの高さよりも高くなっている。このため、天板181と燃料電池スタックCSの上端とは離間している。第1筒状体110の下部には、貫通穴である吹出口111が複数形成されている。これら複数の吹出口111は、同じ高さにおいて等間隔に並ぶよう形成されている。吹出口111は、燃料電池スタックCSに向けて供給される発電用の空気(酸化剤ガス)が通る穴である。
第2筒状体120は、第1筒状体110を外側から囲むように配置された筒状体である。第2筒状体120の内側面と第1筒状体110の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第2筒状体120と第1筒状体110との間に形成された空間は、発電用の空気が加熱されながら通る流路(空気流路403)となっている。
第2筒状体120の内径は、ベースプレートBPの外径と略等しい。第2筒状体120の下端部近傍における内側面は、全周に亘ってベースプレートBPの側面に当接している。当該当接部分において、第2筒状体120がベースプレートBPに対して固定されている。このような構成により、ベースプレートBPよりも下方側の空間と空気流路403との間を気体が出入りすることはできなくなっている。
第3筒状体130は、第2筒状体120を外側から囲むように配置された筒状体である。第3筒状体130の内側面と第2筒状体120の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第3筒状体130と第2筒状体120との間に形成された空間は、燃焼器20における燃焼により生じた高温の燃焼排ガスが通る流路(燃焼排ガス流路411)となっている。第3筒状体130の上端は、第2筒状体120の上端よりも低い位置に配置されている。第3筒状体130はベースプレートBPの下端よりも更に下方側まで延びている。
第4筒状体140は、第3筒状体130を外側から囲むように配置された筒状体である。第4筒状体140の内側面と第3筒状体130の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第4筒状体140と第3筒状体130との間に形成された空間は、燃焼器20における燃焼により生じた高温の燃焼排ガスが通る流路(燃焼排ガス流路412)となっている。
第2筒状体120の上端と第4筒状体140の上端とは、その高さ方向の位置が同一となっている。両者は、水平に配置された板である天板182により繋がれている。つまり、第2筒状体120の上端が天板182の内周端に繋がれており、第4筒状体140の上端が天板182の外周端に繋がれている。第3筒状体130の上端と天板182との間には隙間が形成されている。このため、燃焼排ガス流路411と燃焼排ガス流路412とは、それぞれの上端部において互いに繋がっている。
第3筒状体130の下端と第4筒状体140の内側面とは、水平に配置された板である底板183により繋がれている。つまり、燃焼排ガス流路412の下端が底板183により塞がれている。
第4筒状体140の下部(底板183よりも僅かに上方側)には、ガス排出管191が接続されている。ガス排出管191の内部空間は燃焼排ガス流路412に通じている。ガス排出管191は、燃焼排ガス流路412を通った燃焼排ガスをケーシング10の外部に排出するための配管である。
第4筒状体140は、第3筒状体130の下端よりも更に下方側まで延びている。第4筒状体140の下端には、当該下端から外側に向かって延びる水平なフランジ部141が形成されている。フランジ部141は、燃料電池装置FCが設置される際においてケーシング10の固定に利用されるフランジである。
第4筒状体140の下端部近傍には、水平な円板である底板184が配置されている。底板184の外径は第4筒状体140の内径と略等しい。底板184は、その外側面全体を第4筒状体140の内側面に当接させた状態で固定されている。底板184の下方側の空間には断熱材TIが配置されている。
第5筒状体150は、ケーシング10のうち最も外側に配置された筒状体であり、第4筒状体140の上部を外側から囲むように(第4筒状体140の一部を内部に収納するように)配置されている。第5筒状体150の内側面と第4筒状体140の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第5筒状体150と第4筒状体140との間に形成された空間は、発電用の空気が加熱されながら通る流路(空気流路401)となっている。
尚、第5筒状体150と第4筒状体140との間に形成された空間(空気流路401)には、後述の金属板700が複数挿入されているのであるが、図1においては金属板700の図示が省略されている。金属板700の形状、配置、及び機能については、後に説明する。
第5筒状体150は、第1筒状体110、第2筒状体120、第3筒状体130、及び第4筒状体140のいずれの上端よりも更に上方側まで延びている。第5筒状体150の上端は水平な天板185によって塞がれている。天板185と天板182との間には隙間402が形成されている。空気流路401の上端部と空気流路403の上端部とは、隙間402を介して互いに繋がっている。
第5筒状体150の下端と第4筒状体140の外側面とは、水平に配置された板である底板186により繋がれている。つまり、空気流路401の下端が底板186により塞がれている。
第5筒状体150の下部(底板186よりも僅かに上方側)には、空気導入管192が接続されている。空気導入管192の内部空間は空気流路401に通じている。空気導入管192は、発電用の空気をケーシング10の内部に導入するための配管である。
第6筒状体160は、第3筒状体130の内側であり且つベースプレートBPの下方側となる位置に配置された筒状体である。第6筒状体160は、上方側の部分である上円筒部161と、下方側の部分である下円筒部162とを有している。上円筒部161の径は下円筒部162の径に比べて小さい。上円筒部161の下端と下円筒部162の上端とは、水平に配置された板である中間部163で繋がれている。上円筒部161の上端はベースプレートBPの下面に当接している。下円筒部162の下端は底板184の上面に当接している。
下円筒部162の径は第3筒状体130の径よりも小さい。このため、第3筒状体130と第6筒状体160との間には全周に亘って隙間が形成されている。また、当該隙間には改質ユニット30が配置されているが、改質ユニット30と第6筒状体160との間にも全周に亘って隙間が形成されている。以下の説明においては、第6筒状体160の内側に形成された空間を「内側空間601」とも称する。また、第6筒状体160の下円筒部162と、改質ユニット30の内側円筒320との間に形成された空間を、「外側空間602」とも称する。
下円筒部162のうち、改質ユニット30の下端部よりも低い位置には、貫通穴である流出口165が複数形成されている。これら複数の流出口165は、同じ高さにおいて等間隔に並ぶよう形成されている。これら流出口165により、内側空間601と外側空間602とが連通されている。流出口165は、燃焼器20における燃焼により生じた高温の燃焼排ガスが通る穴である。
燃焼器20は、発電に供しなかった残余の燃料ガス(以下、「残余燃料」とも称する)及び発電に供しなかった残余の空気(以下、「残余空気」とも称する)を混合して燃焼させるためのバーナーである。燃焼器20はステンレス鋼により形成されている。燃焼器20は、全体が略円柱形状に形成されており、ベースプレートBPの下面から下方に向けて突出するように配置されている。また、上面視において、燃焼器20はケーシング10の中央となる位置(上円筒部161の中心軸に沿った位置)に配置されている。
燃料電池スタックCSから排出された残余燃料及び残余空気は、いずれもスタックアダプタAD内に形成された流路(不図示)及びベースプレートBP内に形成された流路(不図示)を通じて、燃焼器20の上端部へと供給される。その後、残余燃料及び残余空気は、燃焼器20内に形成された流路(不図示)を通って燃焼器20の下端部に到達し、下端部において混合されながら下方に向けて噴出される。燃焼器20の下端部では、噴出された残余燃料及び残余空気が燃焼し、高温の燃焼排ガスが生じる。また、当該燃焼の熱により燃焼器20自体も高温となる。
燃焼器20の下方側には着火器IGが配置されている。着火器IGは、燃焼器20から噴出された残余燃料及び残余空気の混合気体に着火させて、燃焼を開始させるための装置である。着火器IGは、底板184及び断熱材TIを上下に貫いており、火花放電が生じる上端部を燃焼器20の下端に近接させた状態で配置されている。着火器IGによる着火は、燃料電池装置FCの起動時において行われる。
改質ユニット30の構成について説明する。改質ユニット30は、改質反応によって都市ガスから燃料ガス(水素含有ガス)を生成する改質器302と、水蒸気を発生させて改質器302に供給する蒸発器301とが一体となったものである。改質ユニット30は、その全体が略円筒形状となっており、ケーシング10の内部のうち第3筒状体130と第6筒状体160との間の空間に配置されている。改質ユニット30は、外側円筒310と、内側円筒320と、天板330と、第1底板340と、第2底板350と、第1仕切板360と、第2仕切板370とを有している。
外側円筒310は、改質ユニット30の外側面を形成する筒状体である。外側円筒310の中心軸は第3筒状体130の中心軸と一致している。外側円筒310の外径は第3筒状体130の内径に略等しい。外側円筒310は、その外側面の略全体が第3筒状体130の内側面に当接している。外側円筒310は、底板183よりも更に下方側まで延びている。
内側円筒320は、改質ユニット30の内側面を形成する筒状体である。内側円筒320の中心軸は第3筒状体130の中心軸と一致している。内側円筒320の外径は、外側円筒310の内径よりも小さい。このため、外側円筒310と内側円筒320と間には空間が形成されている。後に説明するように、当該空間の一部が、水が水蒸気となって流れる空間となっている。また、当該空間の他の一部が、改質反応が生じて燃料ガスが生成される空間となっている。
内側円筒320の内径は、第3筒状体130の下円筒部162の外径よりも大きい。このため、既に説明したように、改質ユニット30と第6筒状体160との間には全周に亘って隙間が形成されている。内側円筒320の上端の高さは、外側円筒310の上端の高さと同一となっている。一方、内側円筒320の下端の高さは、外側円筒310の下端の高さよりも高くなっており、底板183の下端の高さと同一となっている。
天板330は、水平に配置された板である。天板330の外側面は、外側円筒310の内側面のうち上端部に繋がっている。また、天板330の内側面は、内側円筒320の外側面のうち上端部に繋がっている。このように、天板330によって外側円筒310の上端と内側円筒320の上端とが繋がれている。
第1底板340は、水平に配置された板である。第1底板340は底板183と同一の高さとなる位置に配置されている。第1底板340の外側面は、後述の第1仕切板360の内側面に繋がっている。また、第1底板340の内側面は、内側円筒320の内側面のうち下端部に繋がっている。
第2底板350は、水平に配置された板である。第2底板350の外側面は、外側円筒310の内側面のうち下端部に繋がっている。また、第2底板350の内側面は、後述の第1仕切板360の外側面のうち下端部に繋がっている。このため、第2底板350は第1底板340よりも低い位置に配置されている。
第1仕切板360は、その一部が改質ユニット30の内部に配置された筒状体である。第1仕切板360の中心軸は、外側円筒310の中心軸及び内側円筒320の中心軸と一致している。第1仕切板360の外径は、外側円筒310の内径よりも小さい。このため、外側円筒310と第1仕切板360と間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。
第1仕切板360の上端の高さは、外側円筒310の上端の高さよりも低くなっている。このため、第1仕切板360の上端と天板330の下面との間には隙間が空いている。第1仕切板360の下端の高さは、外側円筒310の下端の高さと同一となっている。既に述べたように、第1仕切板360の下端部には外側から第2底板350が繋がっている。また、第1仕切板360には内側から第1底板340が繋がっている。
第2仕切板370は、その全体が改質ユニット30の内部に配置された筒状体である。第2仕切板370の中心軸は、外側円筒310の中心軸及び内側円筒320の中心軸と一致している。第2仕切板370の外径は、第1仕切板360の内径よりも小さい。このため、第2仕切板370と第1仕切板360と間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。また、第2仕切板370の内径は、内側円筒320の外径よりも大きい。このため、第2仕切板370と内側円筒320と間にも、全周に亘って一定の隙間が形成されている。
第2仕切板370は、その上端を天板330の底面に当接させた状態で、天板330に対して固定されている。第2仕切板370の下端の高さは、内側円筒320の下端の高さよりも高くなっている。このため、第2仕切板370の下端と第1底板340の上面との間には隙間が空いている。
以上のような構成により、改質ユニット30の内部には、外側円筒310と第1仕切板360と間に形成された空間である第1空間381と、第1仕切板360と第2仕切板370と間に形成された空間である第2空間382と、第2仕切板370と内側円筒320と間に形成された空間である第3空間383とが形成されている。第1仕切板360の上方において第1空間381と第2空間382とが繋がっており、第2仕切板370の下方において第2空間382と第3空間383とが繋がっている。
第2底板350には、水供給配管391の一端が下方から接続されている。水供給配管391は、第1空間381に水を供給するための配管である。水供給配管391の他端は、ケーシング10の外部に配置された水供給ポンプ(不図示)に接続されている。
後に詳しく説明するように、水供給配管391から第1空間381内に供給された水は、燃焼排ガス流路412を通る高温の燃焼排ガスによって加熱されて水蒸気となる。水蒸気は、第1空間381、第2空間382を順に通って、第3空間383の入口に到達する。このように、改質ユニット30のうち、第1空間381、第2空間382、及びこれらを区画する壁面は、外部から水の供給を受けて水蒸気を発生させる部分、すなわち蒸発器301に該当する部分となっている。
第1空間381には支持板352が配置されている。支持板352は、第1空間381を上下に仕切るように水平に配置された板である。支持板352は、第1底板340と同一の高さとなる位置において、外側円筒310及び第1仕切板360に対して固定されている。支持板352には複数の貫通穴(不図示)が形成されており、支持板352を水が通過し得るようになっている。第1空間381のうち支持板352よりも上方側には、外側円筒310から水への伝熱を促進するための伝熱促進部材CBが充填されている。伝熱促進部材CBは複数のアルミナの球体(セラミックボール)である。
第1底板340には、都市ガス供給配管392の一端が下方から接続されている。都市ガス供給配管392は、第3空間383の入口部分に都市ガスを供給するための配管である。都市ガス供給配管392の他端は、都市ガスの供給源であるガスメータ(不図示)に接続されている。
第3空間383には改質触媒RCが充填されている。改質触媒RCは、アルミナの球体表面にニッケル等の触媒金属を担持させたものである。第3空間383のうち、第2仕切板370の下端より僅かに高い位置には、水平に配置された金属網が固定されている。当該金属網によって改質触媒RCが下方から支えられている。
後に詳しく説明するように、都市ガス供給配管392から改質ユニット30の内部に供給された都市ガスは、第3空間383の入口部分において水蒸気と混合された後、第3空間383を上方に向かって流れる。この時、都市ガスと水蒸気が改質触媒RCに触れることによって水蒸気改質反応が生じ、燃料ガス(水素含有ガス)が生成される。このように、改質ユニット30のうち、第3空間383及びこれを区画する壁面は、蒸発器301からの水蒸気の供給、及び外部から都市ガスの供給を受けて水蒸気改質反応が生じる部分、すなわち改質器302に該当する部分となっている。改質触媒RCは、第3空間383の周方向全体に亘って充填されている。このため、蒸発器301から供給された水蒸気が、改質触媒RCに触れることなく第3空間383を通過してしまうことはない。
内側円筒320のうち上端部の近傍には、燃料ガス供給配管393の一端が接続されている。燃料ガス供給配管393は、改質ユニット30(改質器302)において生成された燃料ガスを燃料電池スタックCSへ供給するための配管である。燃料ガス供給配管393の他端はベースプレートBPの下面に接続されている。燃料ガスは、第3空間383の上部から燃料ガス供給配管393を通ってベースプレートBPに到達する。その後、ベースプレートBP内に形成された流路(不図示)及びスタックアダプタAD内に形成された流路(不図示)を通って、燃料電池スタックCSに供給される。
改質ユニット30は、耐熱性の部材からなる円筒型のシールブロックSBにより下方から支持されている。シールブロックSBは、その上端が改質ユニット30の下面(第1底板340)に当接しており、その下端が底板184の上面に当接している。シールブロックSBの内径は改質ユニット30の内径に等しい。また、シールブロックSBの径方向の寸法(厚さ)は、改質ユニット30の径方向の寸法(厚さ)よりも小さくなっている。このため、図1に示されるように、シールブロックSBの外側(改質ユニット30の下方側)には空間SPが形成されている。
第6筒状体160の外側の空間と空間SPとは、改質ユニット30及びシールブロックSBによって分離されており、両者の間をガスが通過することができなくなっている。高温の燃焼排ガスが空間SP内に流入しないため、空間SP内の気温は比較的低温に保たれている。
続いて、燃料電池装置FCの定常運転中、すなわち、起動が完了して定格電力又はそれに近い電力が出力されているときにおける、ガス(空気、都市ガス、燃料ガス、及び燃焼排ガス)の流れについて説明する。
まず、燃料電池スタックCSに供給される発電用の空気(酸化剤ガス)の流れについて説明する。空気は、ケーシング10の外部に配置されたブロア(不図示)から、空気導入管192を通じてケーシング10の内部に供給される。
空気導入管192を通じてケーシング10に供給された空気は、空気流路401を上方に向かって流れる。その後、隙間402を経由して空気流路403に流入し、空気流路403を下方に向かって流れる。
空気流路401と空気流路403との間には、燃焼排ガス流路411及び燃焼排ガス流路412が形成されている。これら燃焼排ガス流路411及び燃焼排ガス流路412の内部では、高温の燃焼排ガスが通っている。このため、ケーシング10内に導入された空気は、空気流路401及び空気流路403を通る間に燃焼排ガスによって加熱され、その温度を上昇させる。つまり、空気と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われる。
また、発電中において燃料電池スタックCSは高温となっており、燃料電池スタックCSからの輻射熱によって第1筒状体110も高温となっている。このため、空気は、空気流路403を通る際において第1筒状体110に触れることにより更に加熱される。
このように、空気流路401及び空気流路403は、燃焼排ガスの熱及び燃料電池スタックCSからの輻射熱によって空気が加熱されながら流れる流路となっている。このため、以下の説明においては、空気流路401と空気流路403とをまとめて「空気加熱流路40」とも表記する。空気加熱流路40は、燃料電池スタックCSを側方から取り囲むように配置されている。ケーシング10のうち空気加熱流路40を区画する部分は、燃料電池スタックCSに供給される空気(酸化剤ガス)を予め加熱する「予熱器」に該当するものである。
空気流路403の下部まで到達した空気は、第1筒状体110に形成された吹出口111から燃料電池スタックCSに向けて噴出される。その後、空気はそれぞれの燃料電池セルの空気極に到達し、発電に供される。
燃料電池スタックCSに供給される燃料ガスの流れ、及び燃料ガスの原料である都市ガスの流れについて説明する。都市ガスは、ケーシング10の外部から都市ガス供給配管392を通じて改質ユニット30内に供給される。都市ガスの供給源(ガスメータ)と都市ガス供給配管392との間には脱硫器(不図示)が配置されている。脱硫器は、都市ガスに含まれる硫黄成分を除去するための装置である。都市ガスは、燃料電池セルの性能に悪影響を及ぼす硫黄成分が脱硫器によって除去された後、改質ユニット30内に供給される。
都市ガス供給配管392から改質ユニット30の内部に供給された都市ガスは、第3空間383の入口部分において水蒸気と混合される。その後、改質触媒RCが充填された第3空間383を上方に向かって流れる。
第6筒状体160の下円筒部162と、改質ユニット30の内側円筒320との間に形成された空間には、高温の燃焼排ガスが通っている。このため、都市ガス及び水蒸気は、第3空間383を通る間に燃焼排ガスによって加熱され、その温度を上昇させる。つまり、都市ガス及び水蒸気と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われる。また、第3空間383に充填されている改質触媒RCも、内側円筒320を通じた伝熱によって高温となっている。
燃焼器20を取り囲む第6筒状体160は、燃焼排ガスによって加熱されていることに加え、燃焼器20からの輻射熱によっても加熱されているため、非常に高温となっている。その結果、改質ユニット30の内側円筒320には、高温となった第6筒状体160からの輻射熱(燃焼器20から第6筒状体160を経由して到達した輻射熱ともいえる)が到達している。つまり、内側円筒320を含む改質器302は、燃焼排ガスによって加熱されるだけではなく、燃焼器20からの輻射熱によっても加熱されている。
このような状態において、都市ガスと水蒸気の混合ガスが改質触媒RCに触れると、第3空間383(改質器302)では水蒸気改質反応が生じる。その結果、上記混合ガスから燃料ガスが生成される。尚、水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、反応を安定して維持させるためには熱の供給が必要となる。本実施形態においては、内側円筒320を通じて加えられる燃焼排ガスからの熱、及び燃焼器20からの輻射熱の両方が、水蒸気改質反応を維持するための熱として用いられる。
改質器302において生成された燃料ガスは、燃料ガス供給配管393及びスタックアダプタAD内の流路を通って燃料電池スタックCSに供給される。燃料ガスは、それぞれの燃料電池セルの燃料極に到達し、発電に供される。
燃焼排ガスの流れについて説明する。既に説明したように、燃料電池スタックCSから排出された残余燃料及び残余空気は燃焼器20に供給され、燃焼器20の下端部において燃焼する。当該燃焼の結果、第6筒状体160の内部(内側空間601)では高温の燃焼排ガスが生じる。燃焼排ガスは、流出口165を通って第6筒状体160の外側(外側空間602)へ流出する。
その後、燃焼排ガスは、内側円筒320に沿って外側空間602を上方に向かって流れる。このとき、既に述べたように、燃焼排ガスの熱は内側円筒320を通じて第3空間383に伝達され、水蒸気改質反応を維持するための熱の一部として用いられる。
外側空間602を通過した燃焼排ガスは、空気流路403を流れる空気との間で熱交換しながら、燃焼排ガス流路411を上方に向かって流れる。続いて、空気流路401を流れる空気との間で熱交換しながら、燃焼排ガス流路412を下方に向かって流れる。
改質ユニット30の外側円筒310は、支持板352よりも上方側の部分において第3筒状体130の内側面に当接している。このため、燃焼排ガス流路412を通る燃焼排ガスによって外側円筒310は高温となっている。
水供給配管391から第1空間381内に供給された水は、外側円筒310からの伝熱(燃焼排ガスの熱)により加熱されて水蒸気となる。つまり、水と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われ、これにより第1空間381内で水蒸気が生成される。
燃焼排ガス流路412の下端部まで到達した燃焼排ガスは、ガス排出管191を通って排熱回収器(不図示)に供給される。排熱回収器は、燃焼排ガスと水と熱交換させることにより湯を生成するものである。このように、燃料電池装置FCは発電を行うことに加えて湯を生成することも可能となっており、高い効率でエネルギーを利用するコジェネレーションシステムとなっている。
続いて、水及び水蒸気の流れについて説明する。改質ユニット30(蒸発器301)には、ケーシング10の外部に配置された水供給ポンプ(不図示)から水供給配管391を通じて水が供給される。水供給配管391は第2底板350に対して下方から接続されている。このため、供給された水は、まず第1空間381の下部に形成された空間に溜まることとなる。具体的には、第1空間381のうち支持板352よりも下方側の空間である貯水部WSに溜まることとなる。
貯水部WSは、外側円筒310のうち底板183よりも下方側の部分(以下、当該部分を「区画壁311」とも表記する)と、第2底板350と、第1仕切板360のうち第1底板340よりも下方側の部分(以下、当該部分を「区画壁361」とも表記する)とによって区画された空間となっている。
貯水部WSを区画する区画壁311、第2底板350、及び区画壁361は、改質ユニット30の底面の一部を下方に向けて延ばしたような形状となっている。これらは、いずれも空間SP内に配置されている。つまり、高温の燃焼排ガスが到達せず、比較的低温となっている空間内に配置されている。
また、燃焼排ガス流路412を通る燃焼排ガスによって外側円筒310は加熱されるのであるが、区画壁311は底板183よりも下方側に配置されているため、燃焼排ガスによって直接は加熱されない。このため、貯水部WS内において水が沸騰することはなく、貯水部WS内は全体が水(液体)で満たされている。
水供給ポンプから水が供給されることにより、第1空間381内の水面の高さは、支持板352の上面よりも僅かに高い位置に維持される。このため、支持板352の上方側に充填された伝熱促進部材CB(アルミナの球体)は、一部が水没した状態となっている。
第1空間381内においては、燃焼排ガスによって高温となった外側円筒310からの伝熱により、伝熱促進部材CBも高温となっている。支持板352よりも上方側に存在する水は、高温の伝熱促進部材CBに触れることにより沸騰し、水蒸気となる。
このように、第1空間381内において水は水蒸気となり、上方側に向かって流れる。その後、水蒸気は第2空間382を下方に向かって流れて、第3空間383(改質器302)に供給される。
ところで、ケーシング10はステンレスにより形成されているので、燃料電池装置FCの運転中においては、温度上昇により熱膨張が生じる。特に、空気加熱流路40を区画する第1筒状体110、第2筒状体120、第3筒状体130、第4筒状体140、及び第5筒状体150(ケーシング10のうち予熱器を構成する部分)は、燃焼排ガス及び燃料電池スタックCSからの輻射熱によって加熱され、熱膨張によってそれぞれの直径が大きくなる。その結果、例えば第4筒状体140の中心軸と第5筒状体150の中心軸とがずれてしまい、両者の間に形成された空気流路401の流路幅G1(図2参照)が、全体で一様ではなくなってしまうことが考えられる。
また、定常状態においても、それぞれの筒状体の温度は全体で均等にはならない。例えば、第5筒状体150においては、常温の空気が流入する空気導入管192の近傍部分(下方側部分)では低温となっており、空気導入管192から遠い部分(上方側部分)では高温となっている。また、第5筒状体150よりも内側に配置された第4筒状体140の温度分布もこれと同様なのであるが、第4筒状体140は燃焼排ガスに直接触れるので、全体的には第5筒状体150よりも高温となっている。
その結果、空気流路401のうち下方側部分においては、第4筒状体140の直径D2(図2参照)が熱膨張によって大きくなる一方で、第5筒状体150の直径D1はさほど変化しない。このため、当該部分においては、空気流路401の流路幅G1が比較的狭くなる。
これに対し、空気流路401のうち上方側部分においては、第4筒状体140の直径D2が熱膨張によって大きくなり、第5筒状体150の直径D1も同様に大きくなる。これにより、当該部分においては、熱膨張による空気流路401の流路幅G1の変化量は比較的小さい。
燃料電池装置FCが運転を停止しており、全体が常温の時には、空気流路401の流路幅G1が全体で一様であったとしても、燃料電池装置FCの運転中においては、空気流路401の流路幅G1は全体で一様ではなくなり、特に下方側において局所的に狭くなってしまうことになる。このような比較的大きな変形が空気流路401の下方側において生じる結果、第4筒状体140の中心軸と第5筒状体150の中心軸とがずれてしまい、周方向における流路幅G1の分布が一様でなくなってしまうことが考えられる。すなわち、図2示されるような断面において、一部における流路幅G1が、他部における流路幅G1よりも狭くなってしまうことが考えられる。
空気流路401を上方に向かって流れる空気の流量が大きい部分(流路幅G1が広い部分)では、当該空気は比較的低温のまま空気流路401の上端に到達する。一方、空気流路401を上方に向かって流れる空気の流量が小さい部分(流路幅G1が狭い部分)では、当該空気は比較的高温となって空気流路401の上端に到達する。このため、空気流路401を上方に向かう空気の流量に上記のような偏りがあると、空気流路401の上端部分(天板182の上方側の空間)における空気の温度分布にも偏りが生じることとなる。
尚、熱膨張に起因した流路幅の変化は、空気流路401のみならず、予熱器における他の流路(空気流路401、燃焼排ガス流路411、燃焼排ガス流路412)においても同様に生じる。
そこで、本実施形態に係る燃料電池装置FCでは、予熱器の流路内に複数の金属板700を挿入することにより、周方向における流路幅G1の分布が均一となっている状態を保っている。
図2乃至図4を参照しながら、金属板700の形状や配置等について説明する。以下においては、第4筒状体140と第5筒状体150との間に形成された空気流路401内に金属板700が配置された例について説明するが、金属板700は他の流路(空気流路401、燃焼排ガス流路411、燃焼排ガス流路412)内に挿入されていてもよい。
金属板700は、ステンレスによって形成された平坦な板であって、空気流路401に計8枚挿入されている。それぞれの金属板700の形状は互いに同一である。図2に示されるように、金属板700は、第4筒状体140の周方向に沿って等間隔に並ぶように配置されている。それぞれの金属板700は、その法線方向が第4筒状体140の径方向と平行になるように配置されている。
図3に示されるように、金属板700は細長い矩形の板となっており、その長手方向を上下方向に沿わせた状態で空気流路401内に配置されている。金属板700は、上端部における幅W1が、下端部における幅W2よりも僅かに広くなっており、全体が台形となっている。このため、金属板700を空気流路401に挿入する際には、幅W2が短くなっている下端部から先に挿入すれば、挿入作業が容易なものとなる。
以下の説明では、金属板700の上端面を「上端面701」と表記し、下端面を「下端面702」と表記する。また、上端面701の一端(図3では右端)から下端面702に向かう側面のことを「側面703」と表記し、上端面701の他端(図3では左端)から下端面702に向かう側面のことを「側面704」と表記する。更に、金属板700の主面(図3では紙面手前側の面)のうち、上端面701の中心と下端面702の中心とを結ぶ直線上の部分を「中央部705」と表記する。
上端面701と下端面702との距離、すなわち金属板700の長さH1は、天板182から底板186までの距離、すなわち空気流路401の流路長に略等しい。
金属板700の厚さは、空気流路401の流路幅G1よりも小さくなっている。図4に示されるように、それぞれの金属板700は、中央部705の全体が第4筒状体140の外側面に当接している。また、側面703のうち最も第5筒状体150側の辺P1の全体が、第5筒状体150の内側面に当接している。同様に、側面704のうち最も第5筒状体150側の辺P2の全体が、第5筒状体150の内側面に当接している。
金属板700は、空気流路401に挿入される前においては平坦となっているのであるが、図4のように空気流路401に挿入された状態においては、第4筒状体140の外周面に沿って湾曲した形状となっている。つまり、第4筒状体140側から見た場合において、中央部705が後退して全体が凹状となるよう、弾性変形した状態となっている。換言すれば、金属板700の全体が平坦のままでは空気流路401に挿入することができないように、上端面701の幅W1と下端面702の幅W2とが設定されている。尚、金属板700がこのように弾性変形し湾曲している状態のことを、以下では「湾曲状態」とも称する。
既に述べたように、燃料電池装置FCの停止中における流路幅G1と、燃料電池装置FCの運転中における流路幅G1とは互いに異なっている。金属板700は、いずれの場合においても湾曲状態が保たれるような形状となっている。つまり、燃料電池装置FCが運転中となり、流路幅G1が狭くなったときにのみ金属板700が湾曲状態となるのではなく、燃料電池装置FCの停止中においても金属板700は(上端から下端に至るまで)全体が湾曲状態となっている。
このため、金属板700は、その上端から下端に至るまでの全範囲において、その中央部705が第4筒状体140から押圧されている。また、その反力として、第4筒状体140の外周面は、金属板700により中心軸に向かって押圧されている(図4の矢印AR1)。
同様に、金属板700は、その上端から下端に至るまでの全範囲において、その両端部(辺P1、辺P2)が第5筒状体150から押圧されている。また、その反力として、第5筒状体150の内周面は、金属板700により外方に向かって押圧されている(図4の矢印AR2、AR3)。
このように、第4筒状体140及び第5筒状体150は、両者の間に形成された空気流路401を押し広げるような力を受けている。当該力は、(湾曲状態となり)弾性変形した金属板700の弾性力(復元力)によって生じるものである。第5筒状体150等の熱膨張によって流路幅G1の一部が狭くなった場合には、当該部分に配置された金属板700の弾性変形が大きくなり、弾性力も大きくなるため、流路幅G1はより強い力で押し広げられることとなる。
その結果、熱膨張に起因した流路幅G1の変化は抑制される。更に、金属板700は、空気流路401の周方向に沿って並ぶように等間隔に配置されているので、一部の流路幅G1のみが局所的に変化することも抑制される。このように、それぞれの金属板の弾性力によって、第4筒状体140と第5筒状体150との間の位置ずれが抑制されている。
このような構成においては、第4筒状体140と第5筒状体150との間の位置ずれを抑制するための力(弾性力)が大きくなり過ぎることがなく、予熱器を構成する第4筒状体140等が局所的に変形してしまうようなことが防止される。
尚、金属板700の上端部における幅W1は、下端部における幅W2よりも広くなっている。このため、燃料電池装置FCの停止中、すなわち空気流路401の流路幅G1が上下方向においても均一になっているときには、上端部における弾性変形量が、下端部における弾性変形量よりも大きくなっている。その結果、上方側において空気流路401が押し広げられる力は、下方側において空気流路401が押し広げられる力よりも大きくなっている。
一方、燃料電池装置FCの運転中、すなわち、空気流路401の流路幅G1が全体で均一になっておらず、熱膨張に起因して下方側の流路幅G1が上方側の流路幅G2よりも狭くなっているときには、金属板700の上端部における弾性力と、下端部における弾性力とが略等しくなっている。その結果、上方側において空気流路401が金属板700により押し広げられる力は、下方側において押し広げられる力と略等しくなっている。
換言すれば、燃料電池装置FCの運転中、予熱器における各部の温度が定常的となったときにおいて、空気流路401を押し広げる力が金属板700の上端から下端に至るまでの全範囲で且つ均一に生じるように、幅W1及び幅W2が設定されている。
尚、本実施形態においては、燃料電池装置FCの停止中(常温時)においても、金属板700は上端から下端までの全体が湾曲状態となっている。すなわち、上端から下端までの全範囲において、周方向における中央部(705)が第4筒状体140に押圧され、周方向における両端部(辺P1、辺P2)が第5筒状体150に押圧されている。その結果、空気流路401を押し広げる力は、金属板700の上端から下端に至るまでの全範囲で(不均一ではあるが)生じている。
このような態様に換えて、燃料電池装置FCの停止中においては、例えば金属板700の下端部においては湾曲状態となっておらず、空気流路401を押し広げる力が当該部分では生じないような態様であってもよい。
本実施形態においては、金属板700は計8枚挿入されている。しかしながら、金属板700の枚数は、本発明を実施するに当たって特に限定されない。金属板700の枚数は、空気流路401の形状、それぞれの金属板700の厚さや復元力の大きさ等に応じて、適宜変更することができる。
ところで、金属板700の長さH1は、空気流路401の流路長(天板182から底板186までの距離)に略等しくなっている。このため、空気流路401の周方向に沿った空気の流れが、金属板700によって妨げられてしまう可能性がある。
そこで、周方向に沿った空気の流れが妨げられないように、金属板700には貫通穴が形成されていることが望ましい。例えば、図5に示されるように、円形の貫通穴710が複数形成されたパンチングメタルによって金属板700を形成すればよい。また、パンチングメタルに換えて、エキスパンドメタル(切れ目が形成された金属板を引き伸ばして網目状としたもの)によって金属板700を形成してもよい。
このように、金属板700に複数の貫通穴710が形成されていれば、空気は当該貫通穴710を通過して、属板700の一方の面から他方の面に向けて流れるようになる。その結果、図6に模式的に示されるように、空気は上下方向のみならず周方向に沿っても流れるようになる(当該流れが矢印AR10で示されている)。
金属板700が、予熱器における他の流路(空気流路401、燃焼排ガス流路411、燃焼排ガス流路412)に配置される場合にも、上記のように貫通穴710を形成しておくことが望ましい。例えば、燃焼排ガスについても周方向に沿った流れを許容すべき場合には、燃焼排ガス流路411や燃焼排ガス流路412内に、図5に示されるような金属板700を配置すればよい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
FC:燃料電池装置
CS:燃料電池スタック
10:ケーシング
140:第4筒状体
150:第5筒状体
401,403:空気流路
411,412:燃焼排ガス流路
700:金属板
703,704:側面
P1,P2:辺
705:中央部

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて発電する燃料電池スタック(CS)と、
    前記燃料電池スタックを側方から囲むように配置され、前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスを加熱する予熱器(401,403,411,412)と、を備え、
    前記予熱器は、
    前記燃料電池スタックを内部に収納する第1円筒(140)と、
    その中心軸を前記第1円筒の中心軸に一致させた状態で配置されており、前記第1円筒を内部に収納する第2円筒(150)と、を有しており、
    前記第1円筒と前記第2円筒との間に形成された空間(401)には、前記第1円筒の周方向に沿って並ぶよう、複数の金属板(700)が挿入されており、前記第1円筒と前記第2円筒との間の位置ずれが、それぞれの前記金属板の弾性力によって抑制されていることを特徴とする燃料電池装置。
  2. それぞれの前記金属板は、
    前記周方向における中央部(705)が前記第1円筒に押圧され、
    前記周方向における両端部(P1,P2)が前記第2円筒に押圧されるよう、弾性変形した状態で挿入されていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. それぞれの前記金属板は、上端部における幅寸法である第1幅寸法(W1)と、下端部における幅寸法である第2幅寸法(W2)とが互いに異なっており、全体が台形となっていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池装置。
  4. 燃料電池装置による発電が行われているときに、前記金属板の上端から下端に至るまでの全範囲において、
    前記周方向における前記金属板の中央部が前記第1円筒に押圧され、
    前記周方向における前記金属板の両端部が前記第2円筒に押圧された状態となるように、前記第1幅寸法及び前記第2幅寸法が設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池装置。
  5. 前記金属板には貫通穴(710)が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池装置。
  6. 前記金属板はパンチングメタル又はエキスパンドメタルで形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池装置。
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Citations (8)

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