JP6229611B2 - 燃料電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池装置に関する。
燃料電池装置は、燃料及び酸化剤が持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置である。その発電効率は非常に高く、また排出されるガスも比較的クリーンであることから、次世代の発電装置として注目されている。
燃料としては水素が用いられるのであるが、現状では水素インフラが十分に整備されていない。このため、燃料電池装置は、既存インフラから得られる原燃料(都市ガス、LPG等)を改質して水素を生成する改質器を備えるのが一般的となっている。改質器の内部には改質触媒が配置されている。改質器では、供給された原燃料及び水蒸気が高温の改質触媒に触れることで改質反応が生じ、水素が生成される。当該水素を含有するガスが、燃料として改質器から燃料電池スタック(セルスタック)へと供給される。
改質反応を安定的に生じさせるためには、改質器内部の改質触媒及び原燃料が高温に保たれている必要がある。そこで、改質器の近傍には、改質器を外側から加熱するための燃焼器が配置されている。燃焼器は、例えば燃料電池スタックから排出された残余の燃料を燃焼させて、生じた燃焼熱により改質器を加熱する。
下記特許文献1に記載の燃料電池装置では、改質器及び燃焼器が燃料電池スタックの近傍に配置されている。また、燃料電池スタックに供給される空気(酸化剤)を予め加熱する空気予熱器も、燃料電池スタックの近傍に配置されている。
発電が行われている際には、燃料電池スタックは反応熱により高温となっている。このため、下記特許文献1に記載の燃料電池装置では、高温の燃料電池スタックからの輻射熱が、改質器、燃焼器、及び空気予熱器のそれぞれに対して直接到達する。空気が、燃焼器のみならず燃料電池スタックからの輻射熱によっても加熱されるため、燃料電池装置におけるエネルギー利用効率が更に高いものとなっている。また、燃料電池スタックが収容されたケースと同一のケース内に改質器及び燃焼器が配置されているため、全体がコンパクトな構成となっている。
特開2011−238363号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の燃料電池装置では、燃焼器に隣接している改質器に対しても燃料電池スタックからの輻射熱が直接到達するため、燃焼器から改質器への伝熱が減少し、燃焼器が更に加熱されてしまう。その結果、高温となり過ぎた構成部品の酸化が促進されることにより、燃焼器が早期に劣化してしまう可能性があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、全体をコンパクトな構成としながらも、燃焼器が早期に劣化してしまうことを抑制することのできる燃料電池装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池装置は、原燃料を改質して改質燃料を生成する改質器(302)と、改質燃料と酸化剤との供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックから排出された改質燃料を燃焼させることにより、改質器を加熱する燃焼器(20)と、燃料電池スタック、改質器、及び燃焼器を内部に収容するケース(10)と、を備えている。また、改質器及び燃焼器は、燃料電池スタックからの輻射熱が直接到達しない位置に配置されている。本発明に係る燃料電池装置には更に、燃料電池スタックに向けて供給される発電用の空気と、燃焼器で生じた燃焼排ガスとが、互いに出入りしないように遮蔽する遮蔽板(BP)が設けられている。

本発明に係る燃料電池装置では、燃料電池スタック、改質器、及び燃焼器が単一のケース内に配置されており、全体の構成がコンパクトなものとなっている。また、このような構成であっても、燃料電池スタックからの輻射熱が、改質器及び燃焼器に直接到達することが無い。輻射熱によって改質器が直接加熱されず、改質器の温度が上昇し過ぎることがないため、燃焼器から改質器への伝熱が減少して燃焼器の温度が上昇し過ぎてしまうこともない。その結果、燃焼器が過昇温により早期に劣化してしまうことを抑制することができる。
本発明によれば、全体をコンパクトな構成としながらも、燃焼器が早期に劣化してしまうことを抑制することのできる燃料電池装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池装置の内部構造を示す模式図である。 図1に示される改質ユニットの外観を示す斜視図である。 図1に示される燃料電池装置におけるガス及び水の流れを説明するためのブロック図である。 図1に示される燃料電池装置の内部における輻射を説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、燃料電池装置FCは、燃料電池スタックCS(セルスタック)と、ケーシング10と、燃焼器20と、改質ユニット30とを備えている。
燃料電池スタックCSは、複数の燃料電池セル(不図示)の集合体である。各燃料電池セルは、固体酸化物形の燃料電池セル(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)であって、平板状の固体電解質の一方側の面に燃料極(アノード)が形成され、他方側の面に空気極(カソード)が形成された構成となっている。これら燃料極及び空気極は、いずれも導電性のセラミックスで形成された多孔質体である。
燃料電池スタックCSでは、全ての燃料電池セルが上下方向に積層されており、これらが電気的に直列接続された状態となっている。燃料電池スタックCSは、スタックアダプタADを介してベースプレートBPの上面側に立設されている。
スタックアダプタADは、内部に複数のガス流路(不図示)が形成された板状の部材である。後に説明するように、燃料電池スタックCSに対する燃料ガスの供給は、スタックアダプタADを介して行われる。また、燃料電池スタックCSからのガスの排出(発電に供しなかった残余の燃料ガス及び空気の排出)も、スタックアダプタADを介して行われる。ベースプレートBPは、ケーシング10の内部に水平に配置された円形の金属板である。ベースプレートBPにより、ケーシング10の内部空間は概ね上下2室に分けられている。
ケーシング10は、燃料電池スタックCS、燃焼器20、改質ユニット30等を内部に収容する略円柱形状の筐体である。ケーシング10は、その側面及び上面の全体を断熱材(不図示)により覆われている。ケーシング10は、第1筒状体110と、第2筒状体120と、第3筒状体130と、第4筒状体140と、第5筒状体150と、第6筒状体160とを有している。第1筒状体110、第2筒状体120、第3筒状体130、第4筒状体140、第5筒状体150、及び第6筒状体160は、いずれも金属製で中心軸周りに略円筒状に形成されており、それぞれの中心軸が同軸となるように配置されている。図1は、当該中心軸に沿う平面を断面とする燃料電池装置FCの模式的な断面図である。
第1筒状体110は、ケーシング10のうち最も内側に配置された筒状体であって、燃料電池スタックCS及びスタックアダプタADをその内部に収容している。第1筒状体110の上端は水平な天板181によって塞がれている。また、第1筒状体110の下端はベースプレートBPの上面に当接した状態で固定されている。第1筒状体110の下端から上端までの高さは、スタックアダプタADの下端から燃料電池スタックCSの上端までの高さよりも高くなっている。このため、天板181と燃料電池スタックCSの上端とは離間している。第1筒状体110の下部には、貫通孔である吹出口111が複数形成されている。これら複数の吹出口111は、同じ高さにおいて等間隔に並ぶよう形成されている。吹出口111は、燃料電池スタックCSに向けて供給される発電用の空気(酸化剤ガス)が通る孔である。
第2筒状体120は、第1筒状体110を外側から囲むように配置された筒状体である。第2筒状体120の内側面と第1筒状体110の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第2筒状体120と第1筒状体110との間に形成された空間は、発電用の空気が加熱されながら通る流路(空気流路403)となっている。
第2筒状体120の内径は、ベースプレートBPの外径と略等しい。第2筒状体120の下端部近傍における内側面は、全周に亘ってベースプレートBPの側面に当接している。当該当接部分において、第2筒状体120がベースプレートBPに対して固定されている。このような構成により、ベースプレートBPよりも下方側の空間と空気流路403との間を気体が出入りすることはできなくなっている。
第3筒状体130は、第2筒状体120を外側から囲むように配置された筒状体である。第3筒状体130の内側面と第2筒状体120の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第3筒状体130と第2筒状体120との間に形成された空間は、燃焼器20における燃焼により生じた高温の燃焼排ガスが通る流路(燃焼排ガス流路411)となっている。第3筒状体130の上端は、第2筒状体120の上端よりも低い位置に配置されている。第3筒状体130はベースプレートBPの下端よりも更に下方側まで延びている。
第4筒状体140は、第3筒状体130を外側から囲むように配置された筒状体である。第4筒状体140の内側面と第3筒状体130の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第4筒状体140と第3筒状体130との間に形成された空間は、燃焼器20における燃焼により生じた高温の燃焼排ガスが通る流路(燃焼排ガス流路412)となっている。
第2筒状体120の上端と第4筒状体140の上端とは、その高さ方向の位置が同一となっている。両者は、水平に配置されたドーナツ状の円板である天板182により繋がれている。つまり、第2筒状体120の上端が天板182の内周端に繋れており、第4筒状体140の上端が天板182の外周端に繋れている。第3筒状体130の上端と天板182との間には隙間が形成されている。このため、燃焼排ガス流路411と燃焼排ガス流路412とは、それぞれの上端部において互いに繋がっている。
第3筒状体130の下端と第4筒状体140の内側面とは、水平に配置されたドーナツ状の円板である底板183により繋がれている。つまり、燃焼排ガス流路412の下端が底板183により塞がれている。
第4筒状体140の下部(底板183よりも僅かに上方側)には、ガス排出管191が接続されている。ガス排出管191の内部空間は燃焼排ガス流路412に通じている。ガス排出管191は、燃焼排ガス流路412を通った燃焼排ガスをケーシング10の外部に排出し、後述の排熱回収器62に供給するための配管である。
第4筒状体140は、第3筒状体130の下端よりも更に下方側まで延びている。第4筒状体140の下端には、当該下端から外側に向かって延びる水平なフランジ部141が形成されている。フランジ部141は、燃料電池装置FCが設置される際においてケーシング10の固定に利用されるフランジである。
第4筒状体140の下端部近傍には、水平な円板である底板184が配置されている。底板184の外径は第4筒状体140の内径と略等しい。底板184は、その外側面全体を第4筒状体140の内側面に当接させた状態で固定されている。底板184の下方側の空間には断熱材TIが配置されている。
第5筒状体150は、ケーシング10のうち最も外側に配置された筒状体であり、第4筒状体140の上部を外側から囲むように配置されている。第5筒状体150の内側面と第4筒状体140の外側面との間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。第5筒状体150と第4筒状体140との間に形成された空間は、発電用の空気が加熱されながら通る流路(空気流路401)となっている。
第5筒状体150は、第1筒状体110、第2筒状体120、第3筒状体130、及び第4筒状体140のいずれの上端よりも更に上方側まで延びている。第5筒状体150の上端は水平な天板185によって塞がれている。天板185と天板182との間には隙間402が形成されている。空気流路401の上端部と空気流路403の上端部とは、隙間402を介して互いに繋がっている。
第5筒状体150の下端と第4筒状体140の外側面とは、水平に配置されたドーナツ状の円板である底板186により繋がれている。つまり、空気流路401の下端が底板186により塞がれている。
第5筒状体150の下部(底板186よりも僅かに上方側)には、空気導入管192が接続されている。空気導入管192の内部空間は空気流路401に通じている。空気導入管192は、発電用の空気をケーシング10の内部に導入するための配管である。
第6筒状体160は、第3筒状体130の内側であり且つベースプレートBPの下方側となる位置に配置された筒状体である。第6筒状体160は、上方側の部分である上円筒部161と、下方側の部分である下円筒部162とを有している。上円筒部161の径は下円筒部162の径に比べて小さい。上円筒部161の下端と下円筒部162の上端とは、水平に配置されたドーナツ状の円板である中間部163で繋がれている。上円筒部161の上端はベースプレートBPの下面に当接している。下円筒部162の下端は底板184の上面に当接している。
下円筒部162の径は第3筒状体130の径よりも小さい。このため、第3筒状体130と第6筒状体160との間には全周に亘って隙間が形成されている。また、当該隙間には改質ユニット30が配置されているが、改質ユニット30と第6筒状体160との間にも全周に亘って隙間が形成されている。以下の説明においては、第6筒状体160の内側に形成された空間を「内側空間601」とも称する。また、第6筒状体160の下円筒部162と、改質ユニット30の内側円筒320との間に形成された空間を、「外側空間602」とも称する。
下円筒部162のうち、改質ユニット30の下端部よりも低い位置には、貫通孔である流出口165が複数形成されている。これら複数の流出口165は、同じ高さにおいて等間隔に並ぶよう形成されている。これら流出口165により、内側空間601と外側空間602とが連通されている。流出口165は、燃焼器20における燃焼により生じた高温の燃焼排ガスが通る孔である。
燃焼器20は、発電に供しなかった残余の燃料ガス(以下、「残余燃料」とも称する)及び発電に供しなかった残余の空気(以下、「残余空気」とも称する)を混合して燃焼させるためのバーナーである。燃焼器20はステンレス鋼により形成されている。燃焼器20は、全体が略円柱形状に形成されており、ベースプレートBPの下面のうち中央から下方に向けて突出するように配置されている。また、上面視において、燃焼器20はケーシング10の中央となる位置(上円筒部161の中心軸に沿った位置)に配置されている。
燃料電池スタックCSから排出された残余燃料及び残余空気は、いずれもスタックアダプタAD内に形成された流路(不図示)及びベースプレートBP内に形成された流路(不図示)を通じて、燃焼器20の上端部へと供給される。その後、残余燃料及び残余空気は、燃焼器20内に形成された流路(不図示)を通って燃焼器20の下端部に到達し、下端部において混合されながら下方に向けて噴出される。燃焼器20の下端部では、噴出された残余燃料及び残余空気が燃焼し、高温の燃焼排ガスが生じる。また、当該燃焼の熱により燃焼器20自体も高温となる。
燃焼器20の下方側には着火器IGが配置されている。着火器IGは、燃焼器20から噴出された残余燃料及び残余空気の混合気体に着火させて、燃焼を開始させるための装置である。着火器IGは、底板184及び断熱材TIを上下に貫いており、火花放電が生じる上端部を燃焼器20の下端に近接させた状態で配置されている。着火器IGによる着火は、燃料電池装置FCの起動時において行われる。
図1及び図2を参照しながら、改質ユニット30の構成について説明する。改質ユニット30は、改質反応によって都市ガス(原燃料)から燃料ガス(改質燃料:水素含有ガス)を生成する改質器302と、水蒸気を発生させて改質器302に供給する蒸発器301とが一体となったものである。改質ユニット30は、その全体が略円筒形状となっており(図2参照)、ケーシング10の内部のうち第3筒状体130と第6筒状体160との間の空間に配置されている。改質ユニット30は、外側円筒310と、内側円筒320と、天板330と、第1底板340と、第2底板350と、第1仕切板360と、第2仕切板370とを有している。このうち、外側円筒310、内側円筒320、天板330、第1底板340、第2底板350、及び第1仕切板360のうち第1底板340よりも下方側の部分は、改質ユニット30の外形を区画している。
外側円筒310は、改質ユニット30の外側面を形成する筒状体である。外側円筒310の中心軸は第3筒状体130の中心軸と一致している。外側円筒310の外径は第3筒状体130の内径に略等しい。外側円筒310は、その外側面の略全体が第3筒状体130の内側面に当接している。外側円筒310は、底板183よりも更に下方側まで延びている。
内側円筒320は、改質ユニット30の内側面を形成する筒状体である。内側円筒320の中心軸は第3筒状体130の中心軸と一致している。内側円筒320の外径は、外側円筒310の内径よりも小さい。このため、外側円筒310と内側円筒320と間には空間が形成されている。後に説明するように、当該空間の一部が、水が水蒸気となって流れる空間となっている。また、当該空間の他の一部が、改質反応が生じて燃料ガスが生成される空間となっている。
内側円筒320の内径は、第3筒状体130の下円筒部162の外径よりも大きい。このため、既に説明したように、改質ユニット30と第6筒状体160との間には全周に亘って隙間が形成されている。内側円筒320の上端の高さは、外側円筒310の上端の高さと同一となっている。一方、内側円筒320の下端の高さは、外側円筒310の下端の高さよりも高くなっており、底板183の下端の高さと同一となっている。
天板330は、水平に配置されたドーナツ状の円板である。天板330の外側面は、外側円筒310の内側面のうち上端部に繋がっている。また、天板330の内側面は、内側円筒320の外側面のうち上端部に繋がっている。このように、天板330によって外側円筒310の上端と内側円筒320の上端とが繋がれている。
第1底板340は、水平に配置されたドーナツ状の円板である。第1底板340は底板183と同一の高さとなる位置に配置されている。第1底板340の外側面は、後述の第1仕切板360の内側面に繋がっている。また、第1底板340の内側面は、内側円筒320の内側面のうち下端部に繋がっている。
第2底板350は、水平に配置されたドーナツ状の円板である。第2底板350の外側面は、外側円筒310の内側面のうち下端部に繋がっている。また、第2底板350の内側面は、後述の第1仕切板360の外側面のうち下端部に繋がっている。このため、第2底板350は第1底板340よりも低い位置に配置されている。
第1仕切板360は、その一部が改質ユニット30の内部に配置された筒状体である。第1仕切板360の中心軸は、外側円筒310の中心軸及び内側円筒320の中心軸と一致している。第1仕切板360の外径は、外側円筒310の内径よりも小さい。このため、外側円筒310と第1仕切板360と間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。
第1仕切板360の上端の高さは、外側円筒310の上端の高さよりも低くなっている。このため、第1仕切板360の上端と天板330の下面との間には隙間が空いている。第1仕切板360の下端の高さは、外側円筒310の下端の高さと同一となっている。既に述べたように、第1仕切板360の下端部には外側から第2底板350が繋がっている。また、第1仕切板360には内側から第1底板340が繋がっている。
第2仕切板370は、その全体が改質ユニット30の内部に配置された筒状体である。第2仕切板370の中心軸は、外側円筒310の中心軸及び内側円筒320の中心軸と一致している。第2仕切板370の外径は、第1仕切板360の内径よりも小さい。このため、第2仕切板370と第1仕切板360と間には、全周に亘って一定の隙間が形成されている。また、第2仕切板370の内径は、内側円筒320の外径よりも大きい。このため、第2仕切板370と内側円筒320と間にも、全周に亘って一定の隙間が形成されている。
第2仕切板370は、その上端を天板330の底面に当接させた状態で、天板330に対して固定されている。第2仕切板370の下端の高さは、内側円筒320の下端の高さよりも高くなっている。このため、第2仕切板370の下端と第1底板340の上面との間には隙間が空いている。
以上のような構成により、改質ユニット30の内部には、外側円筒310と第1仕切板360と間に形成された空間である第1空間381と、第1仕切板360と第2仕切板370と間に形成された空間である第2空間382と、第2仕切板370と内側円筒320と間に形成された空間である第3空間383とが形成されている。第1仕切板360の上方において第1空間381と第2空間382とが繋がっており、第2仕切板370の下方において第2空間382と第3空間383とが繋がっている。
第2底板350には、水供給配管391の一端が下方から接続されている。水供給配管391は、第1空間381に水を供給するための配管である。水供給配管391の他端は、ケーシング10の外部に配置された水供給ポンプ(不図示)に接続されている。
後に詳しく説明するように、水供給配管391から第1空間381内に供給された水は、燃焼排ガス流路412を通る高温の燃焼排ガスによって加熱されて水蒸気となる。水蒸気は、第1空間381、第2空間382を順に通って、第3空間383の入口に到達する。このように、改質ユニット30のうち、第1空間381、第2空間382、及びこれらを区画する壁面は、外部から水の供給を受けて水蒸気を発生させる部分、すなわち蒸発器301に該当する部分となっている。
第1空間381には支持板352が配置されている。支持板352は、第1空間381を上下に仕切るように水平に配置されたドーナツ状の板である。支持板352は、第1底板340と同一の高さとなる位置において、外側円筒310及び第1仕切板360に対して固定されている。支持板352には複数の貫通孔(不図示)が形成されており、支持板352を水が通過し得るようになっている。第1空間381のうち支持板352よりも上方側には、外側円筒310から水への伝熱を促進するための伝熱促進部材CBが充填されている。伝熱促進部材CBは複数のアルミナの球体(セラミックボール)である。
第1底板340には、都市ガス供給配管392の一端が下方から接続されている。都市ガス供給配管392は、第3空間383の入口部分に都市ガスを供給するための配管である。都市ガス供給配管392の他端は脱硫器61(図3参照)に接続されている。
第3空間383には改質触媒RCが充填されている。改質触媒RCは、アルミナの球体表面にニッケル等の触媒金属を担持させたものである。第3空間383のうち、第2仕切板370の下端より僅かに高い位置には、水平に配置された金属網(不図示)が固定されており、当該金属網によって改質触媒RCが下方から支えられている。
後に詳しく説明するように、都市ガス供給配管392から改質ユニット30の内部に供給された都市ガスは、第3空間383の入口部分において水蒸気と混合された後、第3空間383を上方に向かって流れる。この時、都市ガスと水蒸気が改質触媒RCに触れることによって水蒸気改質反応が生じ、燃料ガス(水素含有ガス)が生成される。このように、改質ユニット30のうち、第3空間383及びこれを区画する壁面は、蒸発器301からの水蒸気の供給、及び外部から都市ガスの供給を受けて水蒸気改質反応が生じる部分、すなわち改質器302に該当する部分となっている。改質触媒RCは、第3空間383の周方向全体に亘って充填されている。このため、蒸発器301から供給された水蒸気が、改質触媒RCに触れることなく第3空間383を通過してしまうことはない。
内側円筒320のうち上端部の近傍には、燃料ガス供給配管393の一端が接続されている。燃料ガス供給配管393は、改質ユニット30(改質器302)において生成された燃料ガスを燃料電池スタックCSへ供給するための配管である。燃料ガス供給配管393の他端はベースプレートBPの下面に接続されている。燃料ガスは、第3空間383の上部から燃料ガス供給配管393を通ってベースプレートBPに到達する。その後、ベースプレートBP内に形成された流路(不図示)及びスタックアダプタAD内に形成された流路(不図示)を通って、燃料電池スタックCSに供給される。
燃料ガス供給配管393は、上流側から順に、水平部393a、湾曲部393b、鉛直部393cを有している(図2参照)。水平部393aは、内側円筒320の中心軸に向かって内側円筒320から水平に延びる配管である。湾曲部393bは、水平部393aの下流側端部から内側円筒320の中心軸の周りに円弧状に延びる配管である。鉛直部393cは、湾曲部393bの下流側端部から鉛直上方に向かって延びる配管である。
燃料ガス供給配管393はこのような形状に形成されているため、全体が撓みやすくなっており、燃料電池装置FCの動作中に高温となり熱膨張しても大きな熱応力が生じてしまうことがない。その結果、改質ユニット30、ベースプレートBP、及び燃料ガス供給配管393自体が熱応力により破損してしまうことが防止される。
改質ユニット30は、耐熱性の材質からなる円筒型のシールブロックSBにより下方から支持されている。シールブロックSBは、その上端が改質ユニット30の下面(第1底板340)に当接しており、その下端が底板184の上面に当接している。シールブロックSBの内径は改質ユニット30の内径に等しい。また、シールブロックSBの径方向の寸法(厚さ)は、改質ユニット30の径方向の寸法(厚さ)よりも小さくなっている。このため、図1に示されるように、シールブロックSBの外側(改質ユニット30の下方側)には空間SPが形成されている。
第6筒状体160の外側の空間と空間SPとは、改質ユニット30及びシールブロックSBによって分離されており、両者の間をガスが通過することができなくなっている。高温の燃焼排ガスが空間SP内に流入しないため、空間SP内の気温は比較的低温に保たれている。
続いて、図1及び図3を主に参照しながら、燃料電池装置FCの動作中におけるガス(空気、都市ガス、燃料ガス、及び燃焼排ガス)の流れについて説明する。
まず、燃料電池スタックCSに供給される発電用の空気(酸化剤ガス)の流れについて説明する。空気は、ケーシング10の外部に配置されたブロア(不図示)から、空気導入管192を通じてケーシング10の内部に供給される。
空気導入管192を通じて供給された空気は、空気流路401を上方に向かって流れる。その後、隙間402を経由して空気流路403に流入し、空気流路403を下方に向かって流れる。
空気流路401と空気流路403との間には、燃焼排ガス流路411及び燃焼排ガス流路412が形成されている。これら燃焼排ガス流路411及び燃焼排ガス流路412の内部では、高温の燃焼排ガスが通っている。このため、ケーシング10内に導入された空気は、空気流路401及び空気流路403を通る間に燃焼排ガスによって加熱され、その温度を上昇させる。つまり、空気と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われる。
また、発電中において燃料電池スタックCSは高温となっており、燃料電池スタックCSからの輻射熱によって第1筒状体110も高温となっている。このため、空気は、空気流路403を通る際において第1筒状体110に触れることにより更に加熱される。
このように、空気流路401及び空気流路403は、燃焼排ガスの熱及び燃料電池スタックCSからの輻射熱によって空気が加熱されながら流れる流路となっている。このため、以下の説明においては、空気流路401と空気流路403とをまとめて「空気加熱流路40」とも表記する。空気加熱流路40は、燃料電池スタックCSを側方から取り囲むように配置されている。空気加熱流路40は、燃焼器20における燃焼により生じた燃焼排熱(燃焼排ガスの熱)と、燃料電池スタックCSに供給される空気と、の間で熱交換を行う「予熱器」に該当するものということができる。
空気流路403の下部まで到達した空気は、第1筒状体110に形成された吹出口111から燃料電池スタックCSに向けて噴出される。その後、空気はそれぞれの燃料電池セルの空気極に到達し、発電に供される。
燃料電池スタックCSに供給される燃料ガスの流れ、及び燃料ガスの原料である都市ガスの流れについて説明する。都市ガスは、ケーシング10の外部から都市ガス供給配管392を通じて改質ユニット30内に供給される。都市ガスの供給源と都市ガス供給配管392との間には脱硫器61が配置されている。脱硫器61は、都市ガスに含まれる硫黄成分を除去するための装置である。都市ガスは、燃料電池セルの性能に悪影響を及ぼす硫黄成分が脱硫器61によって除去された後、改質ユニット30内に供給される。
都市ガス供給配管392から改質ユニット30の内部に供給された都市ガスは、第3空間383の入口部分において水蒸気と混合される。その後、改質触媒RCが充填された第3空間383を上方に向かって流れる。
第6筒状体160の下円筒部162と、改質ユニット30の内側円筒320との間に形成された空間には、高温の燃焼排ガスが通っている。このため、都市ガス及び水蒸気は、第3空間383を通る間に燃焼排ガスによって加熱され、その温度を上昇させる。つまり、都市ガス及び水蒸気と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われる。また、第3空間383に充填されている改質触媒RCも、内側円筒320を通じた伝熱によって高温となっている。
燃焼器20を取り囲む第6筒状体160は、燃焼排ガスによって加熱されていることに加え、燃焼器20からの輻射熱によっても加熱されているため、非常に高温となっている。その結果、改質ユニット30の内側円筒320には、高温となった第6筒状体160からの輻射熱(燃焼器20から第6筒状体160を経由して到達した輻射熱ともいえる)が到達している。つまり、内側円筒320を含む改質器302は、燃焼排ガスによって加熱されるだけではなく、燃焼器20からの輻射熱によっても加熱されている。
このような状態において、都市ガスと水蒸気の混合ガスが改質触媒RCに触れると、第3空間383(改質器302)では水蒸気改質反応が生じる。その結果、上記混合ガスから燃料ガスが生成される。尚、水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、反応を安定して維持させるためには熱の供給が必要となる。本実施形態においては、内側円筒320を通じて加えられる燃焼排ガスからの熱、及び燃焼器20からの輻射熱の両方が、水蒸気改質反応を維持するための熱として用いられる。
改質器302において生成された燃料ガスは、燃料ガス供給配管393及びスタックアダプタAD内の流路を通って燃料電池スタックCSに供給される。燃料ガスは、それぞれの燃料電池セルの燃料極に到達し、発電に供される。
燃焼排ガスの流れについて説明する。既に説明したように、燃料電池スタックCSから排出された残余燃料及び残余空気は燃焼器20に供給され、燃焼器20の下端部において燃焼する。当該燃焼の結果、第6筒状体160の内部(内側空間601)では高温の燃焼排ガスが生じる。燃焼排ガスは、流出口165を通って第6筒状体160の外側(外側空間602)へ流出する。
その後、燃焼排ガスは、内側円筒320に沿って外側空間602を上方に向かって流れる。このとき、既に述べたように、燃焼排ガスの熱は内側円筒320を通じて第3空間383に伝達され、水蒸気改質反応を維持するための熱の一部として用いられる。
外側空間602を通過した燃焼排ガスは、空気流路403を流れる空気との間で熱交換しながら、燃焼排ガス流路411を上方に向かって流れる。続いて、空気流路401を流れる空気との間で熱交換しながら、燃焼排ガス流路412を下方に向かって流れる。
改質ユニット30の外側円筒310は、支持板352よりも上方側の部分において第3筒状体130の内側面に当接している。このため、燃焼排ガス流路412を通る燃焼排ガスによって外側円筒310は高温となっている。
水供給配管391から第1空間381内に供給された水は、外側円筒310からの伝熱(燃焼排ガスの熱)により加熱されて水蒸気となる。つまり、水と燃焼排ガスとの間で熱交換が行われ、これにより第1空間381内で水蒸気が生成される。
燃焼排ガス流路412の下端部まで到達した燃焼排ガスは、ガス排出管191を通って排熱回収器62に供給される。排熱回収器62は、燃焼排ガスと水と熱交換させることにより湯を生成するものである。このように、燃料電池装置FCは発電を行うことに加えて湯を生成することも可能となっており、高い効率でエネルギーを利用するコジェネレーションシステムとなっている。
続いて、水及び水蒸気の流れについて説明する。改質ユニット30(蒸発器301)には、ケーシング10の外部に配置された水供給ポンプ(不図示)から水供給配管391を通じて水が供給される。水供給配管391は第2底板350に対して下方から接続されている。このため、供給された水は、まず第1空間381の下部に形成された空間に溜まることとなる。具体的には、第1空間381のうち支持板352よりも下方側の空間である貯水部WSに溜まることとなる。
貯水部WSは、外側円筒310のうち底板183よりも下方側の部分(以下、当該部分を「区画壁311」とも表記する)と、第2底板350と、第1仕切板360のうち第1底板340よりも下方側の部分(以下、当該部分を「区画壁361」とも表記する)とによって区画された空間となっている。
図2に示されるように、貯水部WSを区画する区画壁311、第2底板350、及び区画壁361は、改質ユニット30の底面の一部を下方に向けて延ばしたような形状となっている。これらは、いずれも空間SP内に配置されている(図1参照)。つまり、高温の燃焼排ガスが到達せず、比較的低温となっている空間内に配置されている。
また、燃焼排ガス流路412を通る燃焼排ガスによって外側円筒310は加熱されるのであるが、区画壁311は底板183よりも下方側に配置されているため、燃焼排ガスによって直接は加熱されない。このため、貯水部WS内において水が沸騰することはなく、貯水部WS内は全体が水(液体)で満たされている。
水供給ポンプから水が供給されることにより、第1空間381内の水面の高さは、支持板352の上面よりも僅かに高い位置に維持される。このため、支持板352の上方側に充填された伝熱促進部材CB(アルミナの球体)は、一部が水没した状態となっている。
第1空間381内においては、燃焼排ガスによって高温となった外側円筒310からの伝熱により、伝熱促進部材CBも高温となっている。支持板352よりも上方側に存在する水は、高温の伝熱促進部材CBに触れることにより沸騰し、水蒸気となる。
このように、第1空間381内において水は水蒸気となり、上方側に向かって流れる。その後、水蒸気は第2空間382を下方に向かって流れて、第3空間383(改質器302)に供給される。
図4を参照しながら、燃料電池装置FCの内部(ケーシング10の内部)における輻射について説明する。既に説明したように、燃料電池装置FCの動作中において燃料電池スタックCSは高温となっているため、その周囲に向けて燃料電池スタックCSからの輻射熱が放散されている。図4においては、燃料電池スタックCSから周囲に向けて放射される輻射熱が、符号RD1を付された矢印により示されている。以下では、燃料電池スタックCSから放射される輻射熱を「輻射熱RD1」とも表記する。
空気流路401及び空気流路403からなる空気加熱流路40は、その略全体が燃料電池スタックCSを側方から囲むように配置されている。また、燃料電池スタックCSと空気加熱流路40との間には、燃料電池スタックCSからの輻射熱RD1を遮るような遮蔽物は存在していない。輻射熱RD1が空気加熱流路40に直接到達するので、空気加熱流路40における空気の加熱が効率的に行われる。
空気加熱流路40を流れる空気の温度は、燃料電池スタックCSの温度よりも低い。その結果、第1筒状体110の温度は燃料電池スタックCSの温度に比べれば低温となっている。このため、燃料電池スタックCSは低温の空気加熱流路40(予熱器)によって周囲を囲まれており、輻射により冷却されているということもできる。このような構成により、燃料電池スタックCSを冷却することを目的として発電用の空気を過剰に供給する必要性は小さくなっている。本実施形態においては、空気加熱流路40が燃料電池スタックCSの周囲に配置されていない場合に比べて、空気供給用のブロアの回転数を低減することが可能となっており、燃料電池装置FC全体の効率が高められている。
このように、本実施形態に係る燃料電池装置FCでは、改質器302及び燃焼器20が単一のケース内に配置されたコンパクトな構成でありながらも、燃料電池スタックCSからの輻射熱に起因した燃焼器20の劣化が抑制されている。
尚、燃料電池スタックCSを輻射により冷却することのみに鑑みれば、燃料電池スタックCSの周囲全体が(空気加熱流路40ではなく)改質器で囲まれているような構成とすることも考えられる。しかしながら、そのような構成では、燃料電池スタックCSの下端から上端までの広い範囲全体が改質器(改質触媒が充填された流路)で囲まれた構成とする必要があるため、改質器の流路抵抗が大きくなり過ぎてしまう可能性が高い。その結果、燃料供給ポンプの負荷が大きくなり過ぎて、燃料電池装置FC全体のエネルギー利用効率が低下してしまう可能性が高い。
これに対し、本実施形態のように燃料電池スタックCSの周囲全体が空気加熱流路40で囲まれているような構成であれば、燃料電池スタックCSの下端から上端までの広い範囲全体が空気加熱流路40で囲まれた構成としても、空気加熱流路40の流路抵抗が大きくなり過ぎてしまうことがない。
ケーシング10の内部空間は、水平面に沿った板であるベースプレートBPによって概ね上下2室に分けられている。燃料電池スタックCSはベースプレートBPよりも上方の空間に配置され、燃焼器20及び改質ユニット30の両方はベースプレートBPよりも下方の空間に配置されている。その結果、燃料電池スタックCSからの輻射熱RD1は、ベースプレートBPによって遮られており、燃焼器20及び改質ユニット30には直接しない。換言すれば、改質ユニット30(改質器302)及び燃焼器20は、ケーシング10の内部のうち、燃料電池スタックCSからの輻射熱RD1が直接到達しない位置に配置されている。このため、輻射熱RD1によって燃焼器20が直接加熱されることはなく、温度が上昇し過ぎることによって燃焼器20が劣化したり破損したりしてしまうことが抑制されている。
また、輻射熱RD1によって改質ユニット30が直接加熱されることもないため、これにより改質ユニット30の温度が上昇し過ぎてしまうこともない。その結果、燃焼器20から改質ユニット30への伝熱が減少してしまうことが防止され、燃焼器20の温度上昇は更に抑制される。ベースプレートBPは、本発明の「遮蔽板」に該当するものである。
燃料電池装置FCの動作中において、燃焼器20は燃料電池スタックCSよりも更に高温となっている。このため、燃焼器20からも周囲に向けて輻射熱が放散されている。図4においては、燃焼器20から周囲に向けて放射される輻射熱が、符号RD2を付された矢印により示されている。以下では、燃焼器20から放射される輻射熱を「輻射熱RD2」とも表記する。
既に説明したように、改質器302を含む改質ユニット30は、燃焼器20を側方から囲むように配置されている。その結果、改質器302は輻射熱RD2により加熱されており、改質器302内においては水蒸気改質反応(吸熱反応)が安定して生じている。
改質ユニット30の温度は燃焼器20の温度よりも低い。このため、燃焼器20は低温の改質ユニット30によって周囲を囲まれており、輻射により冷却されているということもできる。このような構成により、燃焼器20が高温となり過ぎて劣化してしまうことを抑制している。
また、燃焼器20からの輻射熱RD2は、ベースプレートBPによって遮られており、燃料電池スタックCSに直接到達することはない。このため、燃料電池スタックCSが高温になり過ぎてしまう可能性は更に小さくなっている。
本実施形態においては、燃料電池スタックCSの側方(周囲)には空気加熱流路40のみが配置されており、燃焼器20や改質器302は配置されていない。その結果、燃料電池スタックCSを側方から囲む複雑な流路を形成する必要がなく、ケーシング10の内部が比較的シンプルな構成となっている。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
FC:燃料電池装置
10:ケーシング
CS:燃料電池スタック
BP:ベースプレート
30:改質ユニット
302:改質器
20:燃焼器
40:空気加熱流路

Claims (5)

  1. 原燃料を改質して改質燃料を生成する改質器(302)と、
    前記改質燃料と酸化剤との供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックから排出された前記改質燃料を燃焼させることにより、前記改質器を加熱する燃焼器(20)と、
    前記燃料電池スタック、前記改質器、及び前記燃焼器を内部に収容するケース(10)と、を備え、
    前記改質器及び前記燃焼器は、前記燃料電池スタックからの輻射熱が直接到達しない位置に配置されており、
    前記燃料電池スタックに向けて供給される発電用の空気と、前記燃焼器で生じた燃焼排ガスとが、互いに出入りしないように遮蔽する遮蔽板(BP)が設けられていることを特徴とする燃料電池装置。
  2. 原燃料を改質して改質燃料を生成する改質器(302)と、
    前記改質燃料と酸化剤との供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックから排出された前記改質燃料を燃焼させることにより、前記改質器を加熱する燃焼器(20)と、
    前記燃料電池スタック、前記改質器、及び前記燃焼器を内部に収容するケース(10)と、
    前記ケースのうち最も内側に配置され、前記燃料電池スタックをその内部に収容する第1筐体(110)と、
    当該第1筐体(110)を外側から囲むように配置される第2筐体(120)と、
    前記燃料電池スタックに向けて供給される発電用の空気と、前記燃焼器で生じた燃焼排ガスとが、互いに出入りしないように遮蔽する遮蔽板(BP)と、を備え、
    前記改質器及び前記燃焼器は、前記燃料電池スタックからの輻射熱が直接到達しない位置に配置されており、
    前記第2筐体と前記第1筐体との間には、前記燃料電池スタックに向けて供給される発電用の空気が加熱されながら通る流路(403)となる空間が形成されており、
    前記第2筐体の下端部近傍における内側面は、全周に亘って前記遮蔽板の側面と当接されていることを特徴とする燃料電池装置。
  3. 前記ケースの内部には水平面に沿って前記遮蔽板が配置されており、
    前記燃料電池スタックは前記遮蔽板よりも上方に配置され、
    前記改質器及び前記燃焼器は前記遮蔽板よりも下方に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池装置。
  4. 上面視において、前記燃焼器は前記ケースの中央となる位置に配置されており、
    前記改質器は、前記燃焼器を側方から囲むように配置されていることを特徴とする、請求項に記載の燃料電池装置。
  5. 前記燃焼器における燃焼により生じた燃焼排熱と、前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤と、の間で熱交換を行う予熱器(40)を更に備え、
    前記予熱器は、前記燃料電池スタックを側方から囲むように配置されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の燃料電池装置。
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