JP2016151744A - 液晶表示素子の製造方法、感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法、感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子の製造方法を提供し、それに用いる感放射線性樹脂組成物を提供し、液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶表示素子10は、対向配置された第1の基板2および第2の基板3の該第2の基板3の上に複数のスペーサ4を有し、第1の基板2の上に絶縁膜5を有するとともに、絶縁膜5上のスペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座6を有して、第1の基板2および第2の基板3の間に液晶を挟持してなる。第1の基板3上の絶縁膜5とその上のスペーサ台座6とは、感放射線性樹脂組成物を用い、コンタクトホール7を有して所望の形状となるようにパターニングをして絶縁膜5を形成するときに、一括して一体的に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子の製造方法、感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、対向配置された一対の基板間に液晶が挟持された構造を有する。これらの基板には電極を設けることができ、各基板の表面には液晶の配向を制御する目的で配向膜を設けることができる。また、これら一対の基板は、例えば、一対の偏向板により挟持される。そして、この基板間に電界を印加すると、液晶が駆動されて配向変化が起こり、光を部分的に透過したり、遮蔽したりするようになる。液晶表示素子では、こうした特性を利用して画像を表示している。かかる液晶表示素子には、従来のCRT方式の表示装置に比較して、薄型化や軽量化が図れるといった利点がある。
液晶表示素子では、液晶の初期配向状態や配向変化動作の異なる多様な液晶モードが知られている。例えば、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In−Planes Switching)、FFS(Fringe Field Switching)、VA(Vertical Alignment)およびOCB(Optically Compensated Birefringence)等の液晶モードがある。
開発当初の液晶表示素子は、キャラクタ表示等を中心とする電卓や時計の表示素子として利用された。その後、単純マトリクス方式の開発によって、ドットマトリクス表示が容易となったことにより、ノートパソコンの表示素子等へと用途を拡大した。次いで、画素毎にスイッチングのための薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transister)を配置したアクティブマトリクス方式の開発によって、コントラスト比や応答性能の優れた良好な画質を実現できるようになった。さらに、液晶表示素子は、高精細化、カラー化および視野角拡大等の課題も克服し、デスクトップコンピュータのモニター用等にも用いられるようになった。最近では、より広い視野角、液晶の高速応答化および表示品位の向上等が実現され、大型で薄型のテレビ用表示素子や、高密度表示が必要とされるスマートフォン等の携帯電子機器のディスプレイとして利用されるに至っている。
このような液晶表示素子は、上述のような用途の拡大にともなって、近年、高画質化に対する要求がますます高くなっている。特に、医療用機器のディスプレイや液晶テレビにおいては、黒色の表示が非常に重要視されており、輝度が低く、表示ムラのない、均一な黒色表示が可能な液晶表示素子が強く求められている。
液晶表示素子は、上述したように、対向配置される一対の基板間に液晶が挟持された構造を有しており、表示領域が多数の画素により構成されている。そして、均一な黒色表示を可能として高品位な画質を実現するためには、それぞれの画素における液晶の厚さ(セルギャップ)を均一化することが重要となる。
液晶表示素子において、基板間の液晶の厚さを均一化する方法としては、例えば、一対の基板の間に球状のスペーサ部材であるビーズスペーサを分散させて配置する方法、および一対の基板のいずれか一方の基板の上に柱状に突設されたスペーサを形成する方法等が知られている。特に、均一な黒色表示を可能として高品位な画質を実現する液晶表示素子においては、主に一対の基板のいずれか一方に柱状のスペーサを形成する方法が用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2010−152188号公報
液晶表示素子においては、例えば、その大型化に対応すべく、液晶滴下法を用いた製造方法が有効である。液晶滴下法は、準備された一対の基板のうちの一方の基板上に液晶を滴下した後、もう一方の基板と張り合わせて、液晶を一対の基板間に挟持して配置することができる。
そして、液晶表示素子においては、上述した柱状をなすスペーサを有する場合、そのスペーサに段差を設ける構造が知られている。すなわち、基板上に形成されるスペーサを、例えば、高さの異なる2種類のスペーサから構成することにより、スペーサに段差を設けることができる。スペーサに段差を設ける構造は、特に、上述した液晶滴下法に有効となる。
液晶表示素子の製造において、基板上のスペーサに段差を設けた場合、一対の基板同士を張り合わせることにより、スペーサには、その先端が、対向する基板表面に接触しないものが含まれるようになる。すなわち、基板上の複数のスペーサのうちのいくつかは、その先端と対向基板表面との間に隙間が形成されることになる。このようなスペーサを備えた液晶表示素子では、製造時において液晶滴下法による基板張り合わせのための位置合わせが容易となって、基板の張り合わせ工程のマージンを拡大することができる。
そして、スペーサに段差を設けた構造の液晶表示素子では、通常の使用時において、スペーサのうちの、より高く形成されたスペーサが、セルギャップの均一性を確保するように機能する。すなわち、その先端が、対向する基板表面に接触するように形成されたスペーサが、セルギャップの均一性を向上させる。一方で、液晶表示素子に外部から押圧等の圧力が加えられたような場合、スペーサのうちの、より低く形成されたスペーサも基板の支えとして機能するようになる。すなわち、対向する基板との間で、その先端が隙間を形成するように設けられたスペーサも基板の支えとして作用し、セルギャップの変動を抑制して、外部圧力耐性を向上させることができる。
このような段差を設けたスペーサは、感光性のスペーサ形成用部材を用いたパターニングによって形成することができる。その場合、スペーサ形成用部材を露光するときに、パターニングのためのマスクの一部でマスク開口を下げたり、任意の透過率の遮光膜を設ける等して、高さの異なる複数種のスペーサを形成することが可能である。
しかしながら、上述したような方法で段差の設けられたスペーサを形成しようとする場合、特に、その高さがより低く形成される複数のスペーサにおいては、それらを均一な高さで形成することが難しい。そして、高さがより低く形成されるスペーサは、基板上での高さにばらつきが生じやすく、液晶表示素子の製造において、基板張り合わせ時の歩留まりの低下を招く懸念があった。
また、近年は、液晶表示素子においては、上述したように、画素の高精細化が進められている。そのため、高精細なパターンとして基板上にスペーサを形成しようとする場合、段差が設けられたスペーサでは、高さがより低く形成されるスペーサにおいて高さのばらつきが大きくなって問題となっていた。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子の製造に用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、対向配置された第1の基板および第2の基板の該第2の基板の上に複数のスペーサを有し、
前記第1の基板の上に絶縁膜を有するとともに、該絶縁膜上の前記スペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座を有して、
前記第1の基板および前記第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶表示素子の製造方法であって、
(1)前記第1の基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程、
(2)前記塗膜にハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射する露光工程、
(3)前記放射線が照射された塗膜を現像する現像工程、および
(4)前記現像された塗膜を加熱する加熱工程
を有し、前記第1の基板の上に、前記スペーサ台座を有する絶縁膜を一括して形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明の第1の態様において、前記(2)露光工程では、前記ハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射し、前記感放射線性樹脂組成物の塗膜に、該放射線の照射量が異なる少なくとも2つの部分を設け、
前記(3)現像工程および前記(4)加熱工程によって、前記(2)露光工程の2つの部分のうちの1つの部分が前記絶縁膜とその上に配置された前記スペーサ台座とを形成し、他の1つの部分が前記絶縁膜を形成することが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物は、
[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および
[B]感放射線性化合物
を含有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物が含有する[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体は、さらに架橋性基を有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物が含有する[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体の有する前記架橋性基は、オキセタニル基、オキシニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物が含有する前記[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体は、さらに下記式(1)で示される構造単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2016151744
(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基および炭素数1〜6のアルコキシ基のうちのいずれかを示す。nは1〜6の整数を示す。)
本発明の第1の態様において、[B]感放射線性化合物が、酸発生剤、重合開始剤またはこれらの組み合わせであることが好ましい。
本発明の第2の態様は、対向配置された第1の基板および第2の基板の該第2の基板の上に複数のスペーサを有し、前記第1の基板の上に絶縁膜を有するとともに、該絶縁膜上の前記スペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座を有して、前記第1の基板および前記第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶表示素子の前記絶縁膜と前記スペーサ台座とをハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いた放射線の照射によって一括して形成するのに用いられる感放射線性樹脂組成物であって、
[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および
[B]感放射線性化合物
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明の第2の態様において、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が、さらに架橋性基を有することが好ましい。
本発明の第2の態様において、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が有する前記架橋性基は、オキセタニル基、オキシニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第2の態様において、前記[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が、さらに下記式(1)で示される構造単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2016151744
(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基および炭素数1〜6のアルコキシ基のうちのいずれかを示す。nは1〜6の整数を示す。)
本発明の第3の態様は、対向配置された第1の基板および第2の基板の該第2の基板の上に複数のスペーサを有し、
前記第1の基板の上に絶縁膜を有するとともに、該絶縁膜上の前記スペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座を有して、
前記第1の基板および前記第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
前記第1の基板の上の絶縁膜および該絶縁膜の上のスペーサ台座が、下記(1)〜(4)の工程によって一括して形成されたものであることを特徴とする液晶表示素子に関する。
(1)前記第1の基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程
(2)前記塗膜にハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射する露光工程
(3)前記放射線が照射された塗膜を現像する現像工程
(4)前記現像された塗膜を加熱する加熱工程
本発明の第3の態様において、前記感放射線性樹脂組成物は、
[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および
[B]感放射線性化合物
を含有することが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子の製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子の製造に用いられる感放射線性樹脂組成物が提供される。
本発明の第3の態様によれば、スペーサの高さばらつきが少なく、且つスペーサに段差を設けた液晶表示素子が提供される。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子の構造を模式的に説明する断面図である。 従来の液晶表示素子の構造を模式的に説明する断面図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子の構成の一例を示す模式的な構成図である。 本発明の第1実施形態の液晶表示素子の画素の回路構成の一例を説明する模式的な回路図である。 本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子の画素部を模式的に説明する平面図である。 図5のA−A’線に沿った断面構造を模式的に示す断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の構造を模式的に説明する断面図である。
図1では、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1の特徴が明確となるように、第1の基板2、第2の基板3、スペーサ4、絶縁膜5およびスペーサ台座6のみが示され、他の構成要素は便宜上省略されている。尚、絶縁膜5には、その上に配置される電極等(図示されない)と第2の基板3上に設けられる電極等(図示されない)を電気的に接続するためのコンタクトホール7も示されている。
図1に示すように、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1は、対向配置された第1の基板2および第2の基板3のうちの、第2の基板3の第1の基板2側の面に複数のスペーサ4を有し、第1の基板2の第2の基板3側の面に絶縁膜5を有する。さらに、液晶表示素子1は、絶縁膜5上のスペーサ4の先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座6を有する。そして、液晶表示素子1は、第1の基板2および第2の基板3の間に、図示されない液晶が挟持されて構成される。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子1において、第1の基板2の絶縁膜5上のスペーサ台座6は、その下層をなす絶縁膜5の一部として、コンタクトホール7とともに、絶縁膜5の形成時に絶縁膜5と一括的に形成されたものである。すなわち、液晶表示素子1において、絶縁膜5とその上のスペーサ台座6とは、後述する本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法によって、コンタクトホール7を有して所望の形状となるようにパターニングがなされて絶縁膜5を形成するときに、一括して形成された一体のものである。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子1において、複数のスペーサ4は、第2の基板3上、それぞれ等しい均一な高さを有するように形成される。そして、スペーサ4のうちの一部において、その先端が、それと対向するように絶縁膜5の一部に形成されたスペーサ台座6と当接する。一方、スペーサ4のうちの残りのもの、すなわち、第1の基板2上の絶縁膜5の対向する部分にスペーサ台座6が設けられていないスペーサ4では、絶縁膜5の対向する部分との間に隙間が形成されている。
したがって、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1では、複数のスペーサ4が、第2の基板3上、それぞれ等しい高さを有するように形成される一方、スペーサ4に段差が設けられている。このとき、液晶表示素子1では、複数のスペーサ4のそれぞれが等しい高さを有するように形成されているため、スペーサの高さばらつきを少なくすることが容易となる。すなわち、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1は、スペーサの高さばらつきを少なくし、且つスペーサに段差を設けることができる。
図2は、従来の液晶表示素子の構造を模式的に説明する断面図である。
図2では、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1との構造の違いが明確となるように、図1と同様、従来の液晶表示素子1001の第1の基板1002、第2の基板1003、主スペーサ1004、副スペーサ1014および絶縁膜1005のみが示され、他の構成要素は便宜上省略されている。尚、絶縁膜1005には、その上に配置される電極等(図示されない)と第2の基板1003上に設けられる電極等(図示されない)を電気的に接続するためのコンタクトホール1007も示されている。
図2に示すように、従来の液晶表示素子1001は、対向配置された第1の基板1002および第2の基板1003のうちの、第2の基板1003の第1の基板1002側の面に主スペーサ1004および副スペーサ1014を有し、第1の基板1002の第2の基板1003側の面に絶縁膜1005を有する。従来の液晶表示素子1001において、主スペーサ1004と副スペーサ1014とは、第2の基板1003上で異なる高さを有するように形成されている。そして、液晶表示素子1001は、第1の基板1002および第2の基板1003の間に、図示されない液晶が挟持されて構成される。
従来の液晶表示素子1001の主スペーサ1004は、第2の基板1003上で副スペーサ1014より高くなるように形成されている。そして、主スペーサ1004の先端は、それと対向する絶縁膜5の一部と当接する。一方、液晶表示素子1001の副スペーサ1014では、主スペーサ1004より低い高さを有するように形成されており、絶縁膜5の対向する部分との間に隙間が形成されている。
したがって、従来の液晶表示素子1001では、主スペーサ1004と副スペーサ1014との間に段差が設けられている。しかしその一方で、副スペーサ1014が、主スペーサ1004と異なる高さを有して、より低くなるように形成されているため、上述したように、その高さにばらつきが生じやすい。その結果、液晶表示素子1001では、その製造時において、基板張り合わせ工程の歩留まりを低下させる懸念があった。
これに対し、図1に示した本発明の第1実施形態の液晶表示素子1では、上述したように、スペーサ4の高さばらつきを少なくし、且つスペーサ4に段差を設けることができる。その結果、図2の従来の液晶表示素子1001とは異なり、その製造時において、基板張り合わせ工程の歩留まりの低下を抑えることができる。
以下、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1について、より詳しい構造の例を、適宜図面を用いながら説明する。その後、本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法およびそれに用いられる本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物について説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
実施形態1.
<液晶表示素子>
本発明の第1実施形態の液晶表示素子は、例えば、パッシブマトリクス方式の液晶表示素子やアクティブマトリクス方式の液晶表示素子として使用することができる。アクティブマトリクス方式の液晶表示素子は、携帯型電子機器向けのディスプレイ(モニター)、パーソナルコンピュータ用のディスプレイ、印刷やデザイン向けのディスプレイ、医療用機器のディスプレイ、液晶テレビ等に用いられている。
図3は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の構成の一例を示す模式的な構成図である。
図4は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の画素の回路構成の一例を説明する模式的な回路図である。
図3に示した、アクティブマトリクス方式である液晶表示素子10は、上述した図1の本発明の第1実施形態の液晶表示素子1の一例となる。液晶表示素子10は、例えば、図3に示すように、画像を表示する液晶表示パネル31、第1の駆動回路32、第2の駆動回路33、制御回路34およびバックライト35を有して構成される。
液晶表示パネル31は、複数本の走査信号線36および複数本の映像信号線37を有し、映像信号線37はそれぞれ第1の駆動回路32に接続しており、走査信号線36はそれぞれ第2の駆動回路33に接続している。
尚、図3では、第2の駆動回路33に接続する5本の走査信号線36が示されているが、これは複数本の走査信号線36のうちの一部を模式的に示すものであり、実際の液晶表示パネル31には、さらに多数本の走査信号線36が密に配置されている。同様に、図3には、第1の駆動回路32に接続する8本の映像信号線37が示されているが、これは複数本の映像信号線37のうちの一部を模式的に示すものであり、実際の液晶表示パネル31には、さらに多数本の映像信号線37が密に配置されている。
また、液晶表示パネル31の画像を表示する表示領域38は、マトリクス状に配置された多数の画素の集合として構成されている。表示領域38において1つの画素が占有する領域は、例えば、隣接する2本の走査信号線36と、隣接する2本の映像信号線37とにより囲まれる領域に相当する。このとき、1つの画素の回路構成は、例えば、図4に示すような構成になっており、アクティブ素子として機能するTFT43、画素電極42、共通電極41(対向電極と称することもある。)および液晶40を有する。そして、液晶表示パネル31には、図4に示すように、例えば、複数の画素の共通電極41を共通化する共通化配線39が設けられている。
液晶表示パネル31は、図1の第1の基板2の例である、TFT43の設けられたTFT基板(図3および図4中には図示されない。)と、図1の第2の基板3の例である、TFT基板と対向配置される対向基板と、TFT基板と対向基板との間に配置される液晶40とを有する構造になっている。このとき、TFT基板と対向基板とは、表示領域38の外側に設けられた環状のシール材(図3および図4中には図示されない。)で接着されており、液晶40は、TFT基板、対向基板およびシール材で囲まれた空間に密封されている。そして、液晶表示素子10の液晶表示パネル31は、TFT基板、液晶40および対向基板を挟持して対向配置された一対の偏光板(図3および図4中には図示されない。)を有する。また、液晶表示素子10は、観察者側となる前面側とは反対の背面側に配置され、背面側から液晶表示パネル31に光を放射するバックライト35を有する。
尚、TFT基板は、ガラス基板等の絶縁基板の上に走査信号線36、映像信号線37、アクティブ素子であるTFT43および画素電極42等が形成された基板である。また、液晶表示素子10の駆動方式がIPSモードやFFSモード等の横電界駆動方式である場合、液晶表示パネル31の共通電極41および共通化配線39はTFT基板に配置されている。また、液晶表示素子10の駆動方式がVAモードやTNモード等の縦電界駆動方式である場合、液晶表示パネル31の共通電極41は対向基板に配置されている。縦電界駆動方式の液晶表示素子1の場合、液晶表示パネル31の共通電極41は、通常、すべての画素で共有される大面積の一枚のべた状の平板電極であり、共通化配線39は設けられていない。
液晶表示素子10において、第1の駆動回路32は、映像信号線37を介してそれぞれの画素の画素電極42に加える映像信号(階調電圧ということもある)を生成する駆動回路であり、一般に、ソースドライバ、データドライバ等と称されている駆動回路である。また、第2の駆動回路33は、走査信号線36に加える走査信号を生成する駆動回路であり、一般に、ゲートドライバ、走査ドライバ等と称されている駆動回路である。
また、制御回路34は、第1の駆動回路32の動作の制御、第2の駆動回路33の動作の制御およびバックライト35の輝度の制御等を行う回路であり、一般に、TFTコントローラ、タイミングコントローラ等と称されている制御回路である。
また、バックライト35は、例えば、冷陰極蛍光灯等の蛍光灯または発光ダイオード(LED)等の光源であり、バックライト35から放射された光は、図示されない反射板、導光板、光拡散板、プリズムシート等により面状光線に変換されて液晶表示パネル31に照射される。
以上の構成を有する本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10は、TFT基板と対向基板との間に液晶40が挟持されるとともに、柱状形状を有するスペーサ(図3および図4中には図示されない。)を設けて構成される。すなわち、図1の液晶表示素子1と同様に、液晶表示素子10においては、液晶40が密封された空間に、それぞれの画素における液晶40の厚さ(セルギャップとも称することがある。)を均一化するためのスペーサが複数設けられている。液晶表示素子10においては、この複数のスペーサが、対向基板に設けられる。そして、TFT基板上では、その絶縁膜において、スペーサの先端と対向する部分に、スペーサ台座(図3および図4中には図示されない。)が設けられる。
以下、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10の構造、特に、スペーサとスペーサ台座とが設けられた液晶表示パネル31の画素の構造について、より詳細に説明する。
図5は、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子の画素部を模式的に説明する平面図である。
本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10は、横電界駆動方式であるFFSモードの液晶表示素子である。
図5に示すように、液晶表示素子10において、走査信号線36と映像信号線37とで囲まれたマトリクス状の各領域に画素が形成されている。各画素においては、下側に平面ベタでITO(Indium Tin Oxide)によって形成された共通電極41が形成され、共通電極41の端部には、共通電極41にコモン電位を供給するための共通化配線39がオーバーラップして形成されている。共通電極41の上に後述する絶縁性の膜を挟んでスリットを有する画素電極42が形成されている。画素電極42に映像信号が供給されると、共通電極41との間にスリットを介して液晶40(図5には図示されない。)に電気力線が発生し、これによって液晶40の液晶分子を基板面と平行な平面内で回転動作させて、図示されないバックライトからの光の量を制御することによって画像を形成することができる。
図5に示すように、走査信号線36の上にはTFTが形成されている。すなわち、走査信号線36の上には、ゲート絶縁膜(図5には図示されない。)を挟んで半導体層104が形成されている。ドレイン電極105は映像信号線37が分岐したものである。ドレイン電極105と対向してソース電極106が形成され、ソース電極106は、画素領域に延在し、コンタクトホール109を介して画素電極42と電気的に接続している。
図5に示すように、走査信号線36の上に、スペーサ台座114が形成されている。スペーサ台座114は、TFT基板100上で走査信号線36を覆うように設けられたパッシベーション膜107(図5中、図示されない。)と同じ形成材料を用いて、一括して一体的に形成されたものである。また、スペーサ台座114の上には、配向膜113(図5中、図示されない。)が形成されている。スペーサ台座114に対応する部分には、対向基板に形成された柱状形状のスペーサ204の先端が接触している。
図6は、図5のA−A’線に沿った断面構造を模式的に示す断面図である。
図6に示すように、TFT基板100の外側には偏光板120が形成され、対向基板200の外側には偏光板220が形成されている。TFT基板100と対向基板200の間に液晶40が挟持されている。すなわち、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10は、液晶40が、TFT基板100と対向基板200とにより挟持され、さらに、その外側から一対の偏光板120、220により挟持される。
図6に示すように、TFT基板100の液晶40側の面上には、透明電極であるITOによる共通電極41が形成されている。共通電極41の端部には共通電極41にコモン電位を供給するための共通化配線39がオーバーラップしている。共通電極41は、走査信号線36と絶縁して形成されている。
走査信号線36は2層構造を有し、下層は共通電極41と同じITOによる導電層361で形成され、上層は、共通化配線39と同じ金属からなる金属膜362によって形成されている。走査信号線36を形成する金属膜362は、例えば、MoWまたはAl合金等から形成することができる。
液晶表示素子10においては、走査信号線36および共通電極41を覆ってゲート絶縁膜103が形成され、ゲート絶縁膜103の上に、図1の絶縁膜5の一例となるパッシベーション膜107が設けられている。パッシベーション膜107の上には、透明導電材料であるITOによって、画素電極42が形成されている。一方、走査信号線36上のパッシベーション膜107の一部の上には、パッシベーション膜107と一括して形成されたスペーサ台座114が配置されている。パッシベーション膜107と一括して一体的に形成されたスペーサ台座114は、図1の絶縁膜5のスペーサ台座6の一例となる。
そして、液晶表示素子10のパッシベーション膜107は、後述する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された絶縁性の有機膜である。そして、その上に一括して一体的に形成されたスペーサ台座114も、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された絶縁性の有機部材となる。
液晶表示素子10のパッシベーション膜107に形成されたスペーサ台座114は、正方形、長方形、円形、長円形および楕円形等の平面形状を有することができるが、角のない円形や長円形や楕円形の平面形状とすることが好ましい。このとき、図6に示すように、スペーサ台座114の液晶40側の上端部は、画素電極42の液晶40側の上端部よりも高くなるように形成されている。
尚、図6においては、パッシベーション膜107とその上のスペーサ台座114とが、破線によって区別されて示されているが、図6中の波線は、スペーサ台座114が明確となるように設けられた便宜的なものであり、スペーサ台座114とパッシベーション膜107とは、上述したように、同じ材料を用い、一体的に、一括して形成されたものである。
液晶表示素子10において、配向膜113は、このような構造のTFT基板上に、配向膜形成用の配向剤を塗布し、その塗膜を硬化させて配向処理をすることにより形成される。
また、図6に示すように、対向基板200にはブラックマトリクス201とカラーフィルタ202が形成されている。ブラックマトリクス201はスペーサ台座114部分を覆うように配置されている。したがって、この部分において、液晶40の配向制御が十分ではない状態であっても、バックライトからの光が透過して、表示の品位を低下させることはない。
図6に示すように、カラーフィルタ202を覆ってオーバーコート膜203が形成され、オーバーコート膜203上には、TFT基板100側に突設するように、柱状形状のスペーサ204が形成されている。スペーサ204は、図1の第2の基板4上のスペーサ4の一例となる。
スペーサ204は、例えば、感放射線性の樹脂組成物を用い、フォトリソグラフィ法を利用したパターニングによって、対向基板200上に形成することができる。スペーサ204は、例えば、TFT基板100側の先端が平坦な円錐台状の形状を有することができる。尚、スペーサ204は、パッシベーション膜107とスペーサ台座114とを形成するための、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。すなわち、スペーサ204は、パッシベーション膜107と同様に、後述する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成することができる。
そして、図6に示すように、対向基板200上に設けられたスペーサ204は、その先端が、TFT基板100に配置されたスペーサ台座114と対向するように配置されている。
対向基板200では、オーバーコート膜203およびスペーサ204を覆ってTFT基板と同様の配向膜113が形成されている。
尚、対向基板200において、配向膜113を形成するための配向剤を塗布すると、オーバーコート膜203の上は所定の膜厚の配向膜113が形成されるが、突設する柱状形状のスペーサ204の先端にはレベリング効果によって配向膜113は殆ど形成されないことがある。
以上の構造を有する本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10は、液晶40を挟持する対向基板200の上にスペーサ204を設けるとともに、もう一方のTFT基板100のパッシベーション膜107の上にスペーサ204を受けるためのスペーサ台座114を設けて構成される。したがって、液晶表示素子10は、液晶40の厚さを均一に形成することができる。
そして、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10は、図6に示した、対向基板200の上にスペーサ204を設けるとともにTFT基板100のパッシベーション膜107の上にスペーサ204を受けるためのスペーサ台座114を設ける構造と併せて、図示されない、パッシベーション膜107上の、スペーサ204の先端が対向する部分にスペーサ台座114を設けない構造も含むことができる。すなわち、例えば、図5および図6のTFT基板100上のスペーサ204が設けられた位置とは異なる位置に、同じ高さを有する別のスペーサを設けることができる。ここで、同じ高さの別のスペーサを設ける位置は、例えば、図5の走査信号線36の上の、スペーサ204の設けられた位置とは離れた異なる位置とすることができる。そして、その別のスペーサの先端が対向するパッシベーション膜107の部分においては、スペーサ台座を設けない構造とすることもできる。その場合、その別のスペーサの先端と、それに対向するパッシベーション膜107の部分との間には、隙間が形成される。
このように、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10においては、TFT基板100上のスペーサ204を受けるためのスペーサ台座114が設けられた構造と、スペーサ台座114が設けられない構造とを併せて含有することにより、上述した図1の液晶表示素子1の構造を実現することができる。すなわち、複数のスペーサ204が、TFT基板100上に、それぞれ等しい高さを有するように形成される一方、スペーサ204に段差を設けることができる。そして、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10は、その製造時において、基板張り合わせ工程の歩留まりの低下を抑えることができる。
実施形態2.
<液晶表示素子の製造方法>
次に、本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法について説明する。
本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法では、上述した本発明の第1実施形態の液晶表示素子を製造することができる。すなわち、本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法は、図1に示した、対向配置された第1の基板2および第2の基板3のうちの、第2の基板3の上に複数のスペーサ4を有し、第1の基板2の上に絶縁膜5を有するとともに、絶縁膜5上のスペーサ4の先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座6を有して、第1の基板2および第2の基板3の間に液晶(図示されない)を挟持してなる液晶表示素子の製造方法となる。
ここで、第1の基板としては、例えば、図6等を用いて説明した本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10のTFT基板100を用いることができる。すなわち、ガラス基板等の絶縁基板の上に、公知の方法を用いて、走査信号線36、映像信号線37、アクティブ素子であるTFT43および画素電極42等が形成されたTFT基板100を使用することができる。したがって、第1の基板は、公知の方法によって準備することができる。
また、第2の基板としては、例えば、図6等を用いて説明した本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10の対向基板200を用いることができる。すなわち、ガラス基板等の絶縁基板の上に、公知の方法を用いて、ブラックマトリクス201とカラーフィルタ202が形成され、カラーフィルタ202を覆ってオーバーコート膜203が形成された対向基板200を使用することができる。そして、対向基板200のオーバーコート膜203上には、公知の方法にしたがい、TFT基板100の側に突設するように、柱状形状のスペーサ204を形成することができる。したがって、スペーサを有する第2の基板は、公知の方法によって準備することができる。
以上から、本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法については、適宜図1を参照しながら、第1の基板上に絶縁膜およびスペーサ台座を一括して形成する方法について、すなわち、絶縁膜およびスペーサ台座を有する液晶表示素子用の基板の製造方法について、詳しく説明する。
(絶縁膜およびスペーサ台座を有する基板の製造方法)
本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法に含まれる、絶縁膜およびスペーサ台座を形成する方法は、下記の工程[1]〜工程[4]をこの順で含むことが好ましい。
[1] 後述する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を、第1の基板2上に形成する塗膜形成工程(以下、「工程[1]」と言うことがある。)。尚、本工程の第1の基板2には、上述したように、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10のTFT基板100を用いることができる。
[2] 工程[1]で形成された感放射線性樹脂組成物の塗膜にハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射する露光工程(以下、「工程[2]」と言うことがある。)。
[3] 工程[2]で放射線が照射された塗膜を現像する現像工程(以下、「工程[3]」と言うことがある。)。
[4] 工程[3]で現像された塗膜を加熱する加熱工程(以下、「工程[4]」と言うことがある。)。
工程[1]〜工程[4]によれば、第1の基板2上に、樹脂からなる所定形状のパターンの形成が可能となり、第1の基板2上に所望とする組成の樹脂からなる絶縁膜5およびスペーサ台座6を形成することができる。すなわち、図1に示した、第1の基板2上の絶縁膜5およびスペーサ台座6を、一括して一体に形成することができる。
以下、上述の工程[1]〜工程[4]についてより詳細に説明する。
[工程[1]]
本工程では、後述する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を第1の基板上2に形成する。尚、使用する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物については、この後に詳しく説明する。
この基板において、一方の面に本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布した後、プレベークを行って有機溶媒等の溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。
第1の基板2の材料としては、例えば、ソーダライムガラスおよび無アルカリガラス等のガラス基板、シリコン基板、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリイミド等の樹脂基板等が挙げられ、また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を施しておくこともできる。そして、第1の基板として、上述したように、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10のTFT基板100を用いる場合、そのTFT基板100を構成する基板に、上述のガラス基板、シリコン基板および樹脂基板を用いることができる。
感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法またはスピンナ法と称されることもある。)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、均一な厚みの膜を形成できる点から、スピンコート法またはスリット塗布法が好ましい。
上述のプレベークの条件は、感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃〜120℃の温度で行うのが好ましく、時間は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置によって異なるが、おおよそ1分間〜10分間程度とすることができる。
[工程[2]]
次いで、本工程では、工程[1]で形成された第1の基板2上の塗膜に対し、半透過膜からなるハーフトーンマスク、および、スリットによる半透過領域を含むグレートーンマスクよりなる群から選ばれる少なくとも一方を用いる。このようにすれば、膜厚が異なる部分を含む絶縁膜を好適に作成することが可能となり、スペーサ台座6が配置されコンタクトホール7が形成された絶縁膜5を好適に形成することができる。
本工程で使用するハーフトーンマスクまたはグレートーンマスクは、図1に示した、スペーサ台座6とコンタクトホール7とを備えた絶縁膜5の形状に対応するマスクパターンを備えたものとなる。
そして、使用する感放射線性樹脂組成物がポジ型の感放射線性を有する場合、図1に示した、絶縁膜5上にスペーサ台座6が形成された領域は、放射線の照射がなされない未露光領域となる。そして、第1の基板2上に絶縁膜5のみが形成されスペーサ台座6が形成されていない領域は、放射線の照射量が制御されたハーフ露光領域となる。また、絶縁膜5のコンタクトホール7の形成領域は、放射線の照射量を制御することなく放射線の照射が行われるフル露光領域となる。
一方、使用する感放射線性樹脂組成物がネガ型の感放射線性を有する場合、図1に示した、絶縁膜5上にスペーサ台座6が形成された領域は、放射線の照射量を制御することなく放射線の照射が行われるフル露光領域となる。そして、第1の基板2上に絶縁膜5のみが形成されスペーサ台座6が形成されていない領域は、放射線の照射量が制御されたハーフ露光領域となる。また、絶縁膜5のコンタクトホール7の形成領域は、放射線の照射がなされない未露光領域となる。
放射線の照射に使用される放射線としては、上述したように、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。これらの放射線の中でも、波長が190nm〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
工程[2]における放射線の照射量は、放射線の波長365nmにおける強度を、照度計(OAI model356、OAI Optical Associates Inc.製)により測定した値として、上述のフル露光領域において、好ましくは100J/m〜10000J/m、より好ましくは500J/m〜6000J/mである。
そして、上述のハーフ露光領域では、これらフル露光領域での照射量と比べて、より制限された小さな値となる照射量が選択されて、放射線の照射が行われる。
[工程[3]]
次いで、本工程では、工程[2]で得られた放射線照射後の塗膜を現像することにより、不要な部分を除去して、硬化膜として、スペーサ台座6とコンタクトホール7とを備えた所定の絶縁膜5のパターンを一括して形成する。使用する感放射線性樹脂組成物の塗膜がネガ型の場合は、放射線の非照射部分が不要部分となる。また、使用する感放射線性樹脂組成物の塗膜がポジ型の場合は、放射線の照射部分が不要部分となる。
工程[3]の現像工程に使用される現像液としては、アルカリ(塩基性化合物)の水溶液からなるアルカリ現像液の使用が好ましい。アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
また、このようなアルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液におけるアルカリの濃度は、適当な現像性を得る観点から、好ましくは0.1質量%〜5質量%とすることができる。現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。現像時間は、感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは10秒間〜180秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、例えば、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望の形状の絶縁膜5のパターンを形成することができる。
[工程[4]]
次いで、本工程では、工程[3]で得られた第1の基板2上のパターン状の塗膜を、ホットプレートやオーブン等の適当な加熱装置により加熱して、硬化膜として、スペーサ台座6とコンタクトホール7とを備えた所定形状の絶縁膜5を形成する。加熱温度としては、150℃〜350℃が好ましい。150℃以上の加熱温度とすることで塗膜の十分な硬化が可能となる。また、350℃以下とすることで、第1の基板2が樹脂基板を用いて構成されていたとしても、その熱劣化を防止することができる。以上のような点から、加熱温度としては、150℃〜300℃がより好ましい。硬化時間としては、例えば、ホットプレート上では5分間〜30分間、オーブン中では30分間〜180分間が好ましい。
(液晶表示素子の製造方法)
以上に従い、本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法では、複数のスペーサ4を有する第2の基板3と、スペーサ台座6およびコンタクトホール7が一括して形成された絶縁膜5を有する第1の基板2とが準備され、液晶表示素子が製造される。
まず、上述の第1の基板2および第2の基板3それぞれの上に、液晶を配向するための配向膜(図1中、図示されない)を、公知の液晶配向剤を用いて公知の方法にしたがって形成する。
次に、第1の基板2および第2の基板3のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば、紫外線硬化性のシール材(図1中、図示されない)を塗布し、公知の液晶滴下法にしたがって、さらに配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせる。そして、基板間の液晶を基板全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶表示パネルを製造する。
このようにして製造された液晶パネルに対し、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
以上より、配向膜を形成した第1の基板2および第2の基板3の間に、液晶が配置され挟持されて、液晶表示パネルが製造される。このとき、液晶表示パネルを製造する方法としては、よく知られた別の方法として、配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して第1の基板2および第2の基板3を対向配置し、基板同士の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画された空間内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止する方法を用いることも可能である。
そして、得られた液晶パネルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1を得ることができる。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子1は、例えば、図3に示したように、第1の駆動回路32、第2の駆動回路33、制御回路34およびバックライト35等を公知の方法によって設けることにより、本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10を構成することができる。
次に、本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法に好適に用いられ、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1およびその一例である液晶表示素子10の絶縁膜5(パッシベーション膜107)を形成することができる、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物について説明する。
実施形態3.
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子における絶縁膜の形成に好適に用いることができる。本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、上述した本発明の第2実施形態の液晶表示素子の製造方法における、絶縁膜およびスペーサ台座を有する基板の製造方法により形成された絶縁膜は、所望とする部分にスペーサ台座を一体的に形成して有することができる。すなわち、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて、所定の基板上にその塗膜を形成し、感放射線性を利用したパターニングを行った後、硬化膜として、その基板上に樹脂からなる絶縁膜およびスペーサ台座を一括して一体的に形成することができる。
このとき、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型およびネガ型のいずれの感放射線性も選択して備えることが可能である。
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および、[B]感放射線性化合物を含有してなる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は感放射線性を有する。そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[C]重合性不飽和化合物を含有することができる。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
([A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体)
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体(以下、単に[A]重合体ということがある。)は、
(A1)カルボキシル基を有する構造単位(以下「構造単位(A1)」という。)、
(A2)架橋性基を有する構造単位(以下「構造単位(A2)」という。)および
(A3)下記式(1)で表される構造単位(以下「構造単位(A3)」という。)を有する。[A]重合体は、(A4)上記(A1)〜(A3)以外の構造単位(以下「構造単位(A4)」という。)を有していてもよい。
Figure 2016151744
(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基およびフェニル基のうちのいずれかを示し、nは1〜6の整数を示す。)
上記式(1)におけるRの炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。また、上記式(1)におけるRの炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基等を;炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシロキシ基等を挙げることができる。
上記式(1)におけるRの炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。また、上記式(1)におけるRの炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基等を;炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシロキシ基等を挙げることができる。
上記式(1)におけるRの炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。また、上記式(1)におけるRの炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基等を;炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシロキシ基等を挙げることができる。
上記式(1)におけるnは、2〜6の整数であることが好ましく、特に3または4であることが好ましい。
構造単位(A2)は、架橋性基を有する構造単位である。架橋性基としては、オキセタニル基、オキシニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。すなわち、構造単位(A2)は、オキセタニル基、オキシニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有する構造単位である。
上記構造単位(A1)は、(a1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「化合物(a1)」という。)に由来する構造単位であることが好ましく;
上記構造単位(A2)は、(a2)オキシラニル基またはオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物(以下、「化合物(a2)」という。)に由来する構造単位であることが好ましく;
上記構造単位(A3)は、(a3)下記式(a3)で表される化合物(以下、「化合物(a3)」という。)に由来する構造単位であることが好ましく;
上記構造単位(A4)は、(a4)上記(a1)〜(a3)以外の重合性不飽和化合物(以下、「化合物(a4)」という。)に由来する構造単位であることが好ましい。
Figure 2016151744
(式(a3)中のR、R、R、Rおよびnは、それぞれ、上記式(1)におけるのと同じ意味である。)
上記化合物(a1)としては、例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物等を挙げることができる。上記モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等を;
上記ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等を;
上記ジカルボン酸の無水物としては、上記したジカルボン酸の無水物等を、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、共重合反応性、得られる共重合体の現像液に対する溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸または無水マレイン酸が好ましい。
そして、化合物(a1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記化合物(a2)は、オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物およびオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物として、例えば、(メタ)アクリル酸オキシラニル(シクロ)アルキルエステル、α−アルキルアクリル酸オキシラニル(シクロ)アルキルエステル、重合性不飽和結合を有するグリシジルエーテル化合物等を;
オキセタニル基を有する重合性不飽和化合物として、例えば、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル等を、それぞれ挙げることができる。
上記化合物(a2)について、それらの具体例としては、
(メタ)アクリル酸オキシラニル(シクロ)アルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシル(メタ)アクリレート、等を;
α−アルキルアクリル酸オキシラニル(シクロ)アルキルエステルとして、例えば、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等を;
重合性不飽和結合を有するグリシジルエーテル化合物として、例えば、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等を;
オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとして、例えば、3−((メタ)アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−((メタ)アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−((メタ)アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン等を、それぞれ挙げることができる。
これら具体例のうち、特に、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルメタアクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート、3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンまたは3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンが、重合性の点から好ましい。
上述した化合物(a2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構造単位は、重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られる。反応後の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構造単位は、下記式(2)で表される構造単位であることが望ましい。
Figure 2016151744
上記式(2)中、R10およびR11は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基である。cは、1〜6の整数である。R12は、下記式(2−1)または下記式(2−2)で表される2価の基である。
Figure 2016151744
上記式(2−1)中、R13は、水素原子またはメチル基である。上記式(2−1)および上記式(2−2)中、*は、酸素原子と結合する部位を示す。
上記式(2)で表される構造単位について、例えば、カルボキシル基を有する共重合体に、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル等の化合物を反応させた場合、式(2)中のR12は、式(2−1)となる。一方、カルボキシル基を有する共重合体に、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等の化合物を反応させた場合、式(2)中のR12は、式(2−2)となる。
上述した重合体中のカルボキシル基とエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等の不飽和化合物との反応においては、必要に応じて適当な触媒の存在下において、好ましくは重合禁止剤を含む重合体の溶液に、エポキシ基を有する不飽和化合物を投入し、加温下で所定時間攪拌する。上記触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。上記重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール等が挙げられる。反応温度は、70℃〜100℃が好ましい。反応時間は、8時間〜12時間が好ましい。
[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体における(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構造単位の含有量は、[A]重合体全成分のうちの10モル%〜70モル%であることが好ましく、20モル%〜50モル%であることがより好ましい。
(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構造単位の含有量が10モル%より少ない場合、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の放射線への感度が低下する傾向にあり、得られる硬化膜の耐熱性も十分でない。また、70モル%より多く含有する場合では、現像時の現像不良の原因となり、現像残渣が発生しやすくなる。
上記化合物(a3)としては、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
上述の化合物(a3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記化合物(a4)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル、含酸素複素5員環または含酸素複素6員環を有する(メタ)アクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物、共役ジエン化合物およびその他の重合性不飽和化合物を挙げることができる。これらの具体例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等を;
(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、(メタ)アクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル等を;
(メタ)アクリル酸アリールエステルとして、例えば、アクリル酸フェニル等を;
(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル等を;
不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルとして、例えば、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル等を;
含酸素複素5員環または含酸素複素6員環を有する(メタ)アクリル酸エステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、(メタ)アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等を;
ビニル芳香族化合物として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等を;
共役ジエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等を;
その他の重合性不飽和化合物として、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等を、それぞれ挙げることができる。
以上で挙げた化合物(a4)のうち、共重合反応性の点から、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、1,3−ブタジエン等が好ましい。
化合物(a4)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本実施形態における好ましい[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体は、上記のような化合物(a1)〜(a4)を、それぞれ、以下の割合で含む重合性不飽和化合物の混合物を共重合することにより、合成することができる。
化合物(a1):好ましくは0.1モル%〜30モル%、より好ましくは1モル%〜20モル%、さらに好ましくは5モル%〜15モル%
化合物(a2):好ましくは1モル%〜95モル%、より好ましくは10モル%〜60モル%、さらに好ましくは20モル%〜30モル%
化合物(a3):好ましくは50モル%以下、より好ましくは1モル%〜40モル%、さらに好ましくは10モル%〜30モル%
化合物(a4):好ましくは80モル%以下、より好ましくは1モル%〜60モル%、さらに好ましくは25モル%〜50モル%
の範囲で使用することが好ましい。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、各化合物を上記の範囲で含有する重合性不飽和化合物の混合物を共重合して得られた[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体を含有することにより、良好な塗布性が損なわれることなく高い解像度が達成されるから、高精細なパターンであっても特性のバランスが高度に調整された硬化膜を与えることができることとなり、好ましい。
[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2000〜100000であり、より好ましくは5000〜50000である。この範囲のMwを有する[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体を使用することにより、良好な塗布性が損なわれることなく高い解像度が達成されるから、高精細なパターンであっても特性のバランスが高度に調整された硬化膜を与えることができることとなる。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物における[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体は、上記のような重合性不飽和化合物の混合物を、好ましくは適当な溶媒中において、好ましくはラジカル重合開始剤の存在下で重合することにより製造することができる。
上記重合に用いられる溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸3−メトキシブチル、シクロヘキサノールアセテート、ベンジルアルコール、3−メトキシブタノール等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4―シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物を挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
<[B]感放射線性化合物>
[B]感放射線性化合物は、当該感放射線性組成物に感放射線特性を付与するものである。この[B]感放射線性化合物は、放射線の露光によって反応活性な活性種を生じる化合物である。ここで、放射線とは、少なくとも可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線(荷電粒子線)およびX線を含む。[B]感放射線性化合物としては、(B1)酸発生剤、(B2)重合開始剤またはこれらの組み合わせが好ましい。(B1)酸発生剤を使用する場合、他の添加成分によって、ポジ型、ネガ型の感放射線性組成物のいずれにもすることができる。キノンジアジド化合物を用いた場合はポジ型の感放射線性組成物とすることができる。一方、(B2)重合開始剤を用いた場合は、ネガ型の感放射線性組成物とすることができる。
((B1)酸発生剤)
(B1)酸発生剤は、放射線の照射によって酸を発生する化合物である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、(B1)酸発生剤を含むことで、例えば、アルカリ現像液に対するポジ型の感放射線特性を発揮できる。
(B1)酸発生剤は、放射線の照射によって酸(例えば、カルボン酸、スルホン酸等)を発生させる化合物である限り、特に限定されない。(B1)酸発生剤としては、例えば、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等が挙げられる。これらのうち、キノンジアジド化合物が好ましい。
(キノンジアジド化合物)
キノンジアジド化合物は、放射線の照射によってカルボン酸を発生する。キノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」ともいう。)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物を用いることができる。
母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核等が挙げられる。
トリヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
テトラヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとしては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等が挙げられる。
その他の母核としては、例えば、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−[1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル]−3−〔1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
これらの母核のうち、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールが好ましい。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド等が挙げられる。これらのうち、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドが好ましい。
キノンジアジド化合物の合成は、公知の縮合反応により行うことができる。この縮合反応では、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%以上85モル%以下、すなわち、30モル%〜85モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。
また、キノンジアジド化合物としては、先に例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば、2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
これらのキノンジアジド化合物は、1種または2種以上を混合して用いることができる。また、キノンジアジド化合物は、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物等とともに組み合わせて用いることもできる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における(B1)酸発生剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、5質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましい。一方、この上限としては、80質量部が好ましく、60質量部がより好ましく、40質量部がさらに好ましい。(B1)酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、現像液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差を大きくして、パターニング性能を向上させることができる。また、絶縁膜の耐溶媒性を良好なものとすることもできる。
((B2)重合開始剤)
(B2)重合開始剤は、放射線に感応して、重合性を備えた化合物の重合を開始し得る活性種を生じる成分である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、(B2)重合開始剤を含むことで、例えば、アルカリ現像液に対するネガ型の感放射線特性を発揮できる。(B2)重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を挙げることができる。この光ラジカル重合開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
(O−アシルオキシム化合物)
O−アシルオキシム化合物としては、例えば、1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
(アセトフェノン化合物)
アセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物等が挙げられる。
(α−アミノケトン化合物)
α−アミノケトン化合物としては、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
(α−ヒドロキシケトン化合物)
α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。
(ビイミダゾール化合物)
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における(B2)重合開始剤の含有量としては、例えば、[A]重合体100質量部に対して1質量部以上40質量部以下とすることができる。(B2)重合開始剤の含有量をこのような範囲とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、硬度および密着性を有する絶縁膜を形成することができる。
[C]重合性不飽和化合物
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物における[C]重合性不飽和化合物は、上述した[B]感放射線性化合物の存在下において放射線を照射することにより重合する不飽和化合物である。このような[C]重合性不飽和化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルが、重合性が良好であり、且つ形成される絶縁膜やスペーサ台座の強度が向上する点から好ましい。
上記単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)(2−ヒドロキシプロピル)フタレート、ω―カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの市販品としては、商品名で、例えば、アロニックス(登録商標)M−101、同M−111、同M−114、同M−5300(以上、東亞合成(株)製);KAYARAD(登録商標)TC−110S、同TC−120S(以上、日本化薬(株)製);ビスコート158、同2311(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
上記2官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの市販品としては、商品名で、例えば、アロニックス(登録商標)M−210、同M−240、同M−6200(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD(登録商標)HDDA、同HX−220、同R−604(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレート1,9−NDA(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
上記3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとの混合物;
エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレートとイソシアヌル酸EO変性トリアクリレートとの混合物;
直鎖アルキレン基および脂環式構造を有し且つ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し且つ3個、4個または5個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート系化合物等を挙げることができる。
上述した3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルの市販品としては、商品名で、例えば、アロニックス(登録商標)M−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1450(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD(登録商標)TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120、同DPEA−12(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)や、多官能ウレタンアクリレート系化合物を含有する市販品として、ニューフロンティア(登録商標)R−1150(第一工業製薬(株)製)、KAYARAD(登録商標)DPHA−40H(日本化薬(株)製)等を挙げることができる。
これらのうち、特に、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートとトリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートとの混合物;
エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、多官能ウレタンアクリレート系化合物、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを含有する市販品等が好ましい。
上記のような[C]重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物における[C]重合性不飽和化合物の使用割合は、[A]重合体100質量部に対して、好ましくは30質量部〜250質量部であり、さらに好ましくは50質量部〜200質量部である。[B]重合性不飽和単量体の使用割合を上記の範囲とすることにより、現像残差の問題を生じることなく、硬化膜を高い解像度で形成することができることができて好ましい。
(その他の任意成分)
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体および[B]感放射線性化合物に加え、または、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、[B]感放射線性化合物および[C]重合性不飽和化合物に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の任意成分を含有できる。ここで使用可能なその他の任意成分としては、例えば、[D]接着助剤、[E]界面活性剤、[F]重合禁止剤等を挙げることができる。その他の任意成分は、2種以上を混合して使用してもよい。以下、各任意成分について記載する。
[D]接着助剤
上記[D]接着助剤は、形成される硬化膜と基板との接着性をさらに向上するために使用することができる。このような[D]接着助剤としては、上記化合物(a3)と同じものを使用することができるほか、トリメトキシシリル安息香酸、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[D]接着助剤の使用割合は、[A]重合体100質量部に対して、好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは1質量部〜10質量部である。[D]接着助剤の含有割合を上記の範囲とすることにより、形成される硬化膜と基板との密着性が効果的に改善される。
[E]界面活性剤
上記[E]界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[E]界面活性剤の使用割合は、[A]重合体100質量部に対して、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部〜0.6質量部である。
[F]重合禁止剤
上記[F]重合禁止剤は、露光若しくは加熱によって発生したラジカルを捕捉し、または酸化によって生成した過酸化物を分解することにより、[A]重合体の分子の開裂を抑制する成分である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物が[F]重合禁止剤を含有することにより、形成される硬化膜中の重合体分子の解裂劣化が抑制されることから、得られる硬化膜において、例えば、耐光性等を向上させることができる。
このような[F]重合禁止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、アルキルホスファイト化合物、チオエーテル化合物等を挙げることができるが、これらのうちのヒンダードフェノール化合物を好ましく使用することができる。
上記ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、3,3’,3’,5’,5’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン]フェノール等を挙げることができる。
これらの市販品としては、例えば、アデカスタブ(登録商標)AO−20、同AO−30、同AO−40、同AO−50、同AO−60、同AO−70、同AO−80、同AO−330(以上、(株)ADEKA製)、sumilizer(登録商標)GM、同GS、同MDP−S、同BBM−S、同WX−R、同GA−80(以上、住友化学(株)製)、IRGANOX(登録商標)1010、同1035、同1076、同1098、同1135、同1330、同1726、同1425WL、同1520L、同245、同259、同3114、同565、IRGAMOD295(以上、BASF社製)、ヨシノックス(登録商標)BHT、同BB、同2246G、同425、同250、同930、同SS、同TT、同917、同314(以上、(株)エーピーアイコーポレーション製)等を挙げることができる。
本実施形態における[F]重合禁止剤としては、上記のうちのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]およびトリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
[F]重合禁止剤の含有割合は、[A]重合体100質量部に対して、10質量部以下とすることが好ましく、0.1質量部〜5質量部とすることがより好ましい。この範囲の含有割合とすることにより、本発明の効果を阻害することなく、硬化膜の開裂劣化を効果的に抑制することができる。
(感放射線性樹脂組成物の調製)
次に、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物の調製について説明する。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体および[B]感放射線性化合物に加え、または、[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、[B]感放射線性化合物および[C]重合性不飽和化合物に加え、必要に応じて、[E]界面活性剤等のその他の任意成分を混合して調製される。このとき、液状の感放射線性樹脂組成物を調製するため、有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、単独で、または、2種以上を混合して使用できる。
有機溶剤の機能としては、感放射線性樹脂組成物の粘度等を調節して、例えば、基板等への塗布性を向上させることのほか、操作性、成形性を向上させること等が挙げられる。有機溶剤等の含有によって実現される感放射線性樹脂組成物の粘度としては、例えば、0.1mPa・s〜50000mPa・s(25℃)が好ましく、より好ましくは、0.5mPa・s〜10000mPa・s(25℃)である。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物に使用可能な有機溶剤としては、他の含有成分を溶解または分散させるとともに、他の含有成分と反応しないものを挙げることができる。
例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
本発明の第3実施形態のの感放射線性樹脂組成物において用いられる有機溶剤の含有量は、粘度等を考慮して適宜決めることができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
[合成例1]
<[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体([A]重合体)の合成(1)>
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸55質量部、メタクリル酸ベンジル45質量部、並びに分子量調節剤としてのα−メチルスチレンダイマー2質量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇し、この温度を4時間保持した後、100℃に上昇させ、この温度を1時間保持して重合することにより共重合体を含有する溶液を得た。次いで、この共重合体を含む溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド1.1質量部、重合禁止剤としての4−メトキシフェノール0.05質量部を加え、空気雰囲気下90℃で30分間攪拌後、メタクリル酸グリシジル74質量部を入れて90℃のまま10時間反応させることにより、重合体(A−1)を得た(固形分濃度=35.0%)。重合体(A−1)の重量平均分子量Mwは、9000であった。
[合成例2]
<[A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体([A]重合体)の合成(2)>
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5質量部および酢酸3−メトキシブチル250質量部を仕込み、さらにメタクリル酸18質量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−8−イル25質量部、スチレン5部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン20質量部およびメタクリル酸グリシジル32質量部を仕込んで窒素置換した後、緩やかに撹拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇した。この温度を5時間保持して重合することにより重合体(A−2)を28.8質量%含有する溶液を得た。この重合体(A−2)のMwは、12000であった。
[実施例1]
<ネガ型感放射線性樹脂組成物の調製>
[A]重合体として上記合成例1で得られた重合体(A−1)を含有する溶液を固形分換算で100質量部、[B]感放射線性化合物としての重合開始剤として下記の(B−1)10質量部、[C]重合性不飽和化合物として下記の(C−1)100質量部、を混合し、固形分濃度が30質量%となるように溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、実施例1の感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例2]
<ポジ型感放射線性樹脂組成物の調製>
[A]重合体として上記合成例2で得られた重合体(A−2)を含有する溶液を固形分換算で100質量部、[B]感放射線性化合物としてのキノンジアジド化合物として下記の(B−2)30質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、実施例2の感放射線性樹脂組成物を調製した。
実施例1および実施例2で用いた各成分の詳細を以下に示す。
[B]感放射線性化合物
B−1:1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](イルガキュア(登録商標)OXE01、BASF社製)
B−2:4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物
[C]重合性不飽和化合物
C−1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD(登録商標) DPHA、日本化薬(株)製)
[実施例3]
<液晶表示素子の製造と評価>
本実施例の液晶表示素子は、アクティブマトリクス方式のFFSモード液晶表示素子である。本実施例の液晶表示素子は、図3〜図6を用いて説明した本発明の第1実施形態の一例である液晶表示素子10と同様の構造を有する。
本実施例の液晶表示素子は、TFTおよび絶縁膜の形成されたTFT基板を製造し、カラーフィルタおよびスペーサの形成された対向基板を製造し、その後、液晶滴下法にしたがって基板間に液晶を挟持して封止を行うことにより製造した。
まず、公知の方法および特許文献1に記載の方法に従いTFT基板を製造した。すなわち、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITOによる共通電極、共通電極にオーバーラップするクロム(Cr)による共通化配線および走査信号線を順次形成し、次いで、走査信号線および共通電極を覆う窒化シリコンからなるゲート絶縁膜を形成した後、走査信号線上にTFTを形成した。
次に、実施例1で調整した感放射線性組成物を用いてTFT基板上にその感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成した後、ハーフトーンマスクを用いてその塗膜に放射線を照射した。次いで、放射線が照射された塗膜を現像し、現像後の塗膜を加熱して、所定の領域に、スペーサ台座および貫通するコンタクトホールが形成されたパッシベーション膜を形成した。その後、パッシベーション膜の上にITOからなる共通電極を形成した。
次に、光配向性基を有する感放射線性重合体を含む配向剤として、国際公開(WO)2009/025386号パンフレットの実施例6に記載の液晶配向剤A−1をスピンナによりTFT基板上に塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、内部を窒素置換したオーブン中、180℃で1時間加熱して膜厚80nmの配向剤の塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線200J/mを、基板表面に垂直な方向に対して40°傾いた方向から照射し、光配向膜を有するTFT基板を製造した。
次に、公知の方法および特許文献1に従い対向基板を製造した。対向基板には、カラーフィルタおよびブラックマトリクスを覆うオーバーコート膜の上にスペーサが形成されており、そのスペーサは、テーパ形状を有し、高さは、約4.2μmであった。尚、対向基板の配向膜は、上述のTFT基板と同様の方法で形成した。
次に、製造されたTFT基板と対向基板とを張り合わせて液晶を封入した。すなわち、対向基板の表示領域の外周部に環状のシール材を塗布し、シール材で囲まれた領域に液晶を滴下した後、TFT基板との張り合わせを行った。液晶は、誘電異方性Δεが正で、屈折率異方性Δnが0.075のネマティック液晶組成物を用いた。液晶の厚み(セルギャップ)はスペーサの高さとほぼ同じ4.2μmであった。
次に、一対の偏光板を用い張り合わせた。そして、第1の駆動回路、第2の駆動回路、制御回路、バックライト等を接続してモジュール化し、液晶表示素子を製造した。
次に、製造された液晶表示素子を用い、点灯試験を行った。その結果、製造された液晶表示素子は、輝度が低く表示ムラのない均一な黒色表示が可能であることがわかった。さらに、製造された液晶表示素子を用い、その表示領域に対して一時的に外部から押圧を加えて、発生する表示の乱れの状況を目視により観察した。その結果、押圧印加の直後は、液晶配向の乱れによる表示の乱れが発生するものの、その程度は軽微であることがわかった。また、外部からの押圧印加を停止すると、速やかに表示の乱れは解消され、押圧印加前の元の表示状態に復帰することがわかった。
次に、実施例2で調整した感放射線性組成物を用い、上述の実施例1で調整した感放射線性組成物を用いた場合と同様に、液晶表示素子を製造して、その点灯試験を行った。その結果、実施例2で調整した感放射線性組成物を用いて製造された液晶表示素子は、上述の実施例1で調整した感放射線性組成物を用いた場合と同様、輝度が低く表示ムラのない均一な黒色表示が可能であることがわかった。また、その液晶表示素子を用い、表示領域に対して一時的に外部から押圧を加えて、発生する表示の乱れの状況を目視により観察した。その結果、上述の実施例1で調整した感放射線性組成物を用いた場合と同様、押圧印加の直後は、液晶配向の乱れによる表示の乱れが発生するものの、その程度は軽微であることがわかった。また、外部からの押圧印加を停止すると、速やかに表示の乱れは解消され、押圧印加前の元の表示状態に復帰することがわかった。
本発明の液晶表示素子は、均一に制御された液晶の厚みに基づく優れた画質を備えた液晶表示素子である。したがって、本発明の液晶表示素子は、優れた画質での表示が強く求められるスマートフォン等の携帯電子機器のディスプレイや大型液晶TVとして好適に利用することができる。
1,10,1001 液晶表示素子
2,1002 第1の基板
3,1003 第2の基板
4,204 スペーサ
5,1005 絶縁膜
6,114 スペーサ台座
7,1007 コンタクトホール
32 第1の駆動回路
33 第2の駆動回路
34 制御回路
35 バックライト
36 走査信号線
37 映像信号線
38 表示領域
39 共通化配線
40 液晶
41 共通電極
42 画素電極
43 TFT
100 TFT基板
103 ゲート絶縁膜
104 半導体層
105 ドレイン電極
106 ソース電極
107 パッシベーション膜
109 コンタクトホール
113 配向膜
120、220 偏光板
200 対向基板
201 ブラックマトリクス
202 カラーフィルタ
203 オーバーコート膜
361 導電層
362 金属膜
1004 主スペーサ
1014 副スペーサ

Claims (13)

  1. 対向配置された第1の基板および第2の基板の該第2の基板の上に複数のスペーサを有し、
    前記第1の基板の上に絶縁膜を有するとともに、該絶縁膜上の前記スペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座を有して、
    前記第1の基板および前記第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶表示素子の製造方法であって、
    (1)前記第1の基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程、
    (2)前記塗膜にハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射する露光工程、
    (3)前記放射線が照射された塗膜を現像する現像工程、および
    (4)前記現像された塗膜を加熱する加熱工程
    を有し、前記第1の基板の上に、前記スペーサ台座を有する絶縁膜を一括して形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 前記(2)露光工程では、前記ハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射し、前記感放射線性樹脂組成物の塗膜に、該放射線の照射量が異なる少なくとも2つの部分を設け、
    前記(3)現像工程および前記(4)加熱工程によって、前記(2)露光工程の2つの部分のうちの1つの部分が前記絶縁膜とその上に配置された前記スペーサ台座とを形成し、他の1つの部分が前記絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. 前記感放射線性樹脂組成物は、
    [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および
    [B]感放射線性化合物
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子の製造方法。
  4. [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が、さらに架橋性基を有することを特徴とする請求項3に記載の液晶表示素子の製造方法。
  5. 前記架橋性基が、オキセタニル基、オキシニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子の製造方法。
  6. [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が、さらに下記式(1)で示される構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
    Figure 2016151744
    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基および炭素数1〜6のアルコキシ基のうちのいずれかを示す。nは1〜6の整数を示す。)
  7. 対向配置された第1の基板および第2の基板の該第2の基板の上に複数のスペーサを有し、前記第1の基板の上に絶縁膜を有するとともに、該絶縁膜上の前記スペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座を有して、前記第1の基板および前記第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶表示素子の前記絶縁膜と前記スペーサ台座とをハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いた放射線の照射によって一括して形成するのに用いられる感放射線性樹脂組成物であって、
    [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および
    [B]感放射線性化合物
    を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  8. [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が、さらに架橋性基を有することを特徴とする請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. 前記架橋性基が、オキセタニル基、オキシニル基および(メタ)アクリロイル基よりなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載の感放射線性樹脂組成物。
  10. [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体が、さらに下記式(1)で示される構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016151744
    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基および炭素数1〜6のアルコキシ基のうちのいずれかを示す。nは1〜6の整数を示す。)
  11. [B]感放射線性化合物が、酸発生剤、重合開始剤またはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  12. 対向配置された第1の基板および第2の基板の該第2の基板の上に複数のスペーサを有し、
    前記第1の基板の上に絶縁膜を有するとともに、該絶縁膜上の前記スペーサの先端と対向する部分の少なくとも1つにスペーサ台座を有して、
    前記第1の基板および前記第2の基板の間に液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
    前記第1の基板の上の絶縁膜および該絶縁膜の上のスペーサ台座が、下記(1)〜(4)の工程によって一括して形成されたものであることを特徴とする液晶表示素子。
    (1)前記第1の基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程
    (2)前記塗膜にハーフトーンマスクおよびグレートーンマスクから選ばれる少なくとも一方を用いて放射線を照射する露光工程
    (3)前記放射線が照射された塗膜を現像する現像工程
    (4)前記現像された塗膜を加熱する加熱工程
  13. 前記感放射線性樹脂組成物は、
    [A]カルボキシル基を有する構造単位を含む重合体、および
    [B]感放射線性化合物
    を含有することを特徴とする請求項12に記載の液晶表示素子。
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