以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図3を参照して、本実施形態に係る赤外線検出装置IFの構成を説明する。図1は、本実施形態に係る赤外線検出装置の平面構成を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係る赤外線検出装置の断面構成を模式的に示す図である。図3は、信号処理基板の平面構成を模式的に示す図である。
赤外線検出装置IFは、図1及び図2に示されように、赤外線検出素子1と、赤外線検出素子1が搭載される信号処理基板10と、信号処理基板10が搭載される支持配線基板30と、を備えている。
赤外線検出素子1は、互いに対向する主面3a,3bを有する半導体基板3を有している。半導体基板3は、たとえばn型の半導体基板である。半導体基板3は、半導体基板3(主面3a,3b)に直交する方向から見て、すなわち平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。
赤外線検出素子1は、半導体基板3の主面3b側に形成されている複数の半導体領域5を有している。複数の半導体領域5は、二次元状に配置されている。本実施形態では、赤外線検出素子1は、「36(=6行×6列)」の半導体領域5を有している。半導体領域5は、たとえばp型の半導体基板である。すなわち、半導体領域5の導電型は、半導体基板3の導電型と異なる。半導体領域5は、平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。半導体領域5は、用途に応じて、円形状又は楕円形状を呈していてもよい。
赤外線検出素子1は、半導体領域5と半導体基板3とでフォトダイオードが形成されている。半導体領域5と半導体基板3とで形成されるフォトダイオードが画素を構成する。したがって、赤外線検出素子1では、複数の画素が二次元状に配置されている。赤外線検出素子1は、赤外域での波長領域に感度を有する受光素子を用いることができる。このような受光素子として、化合物光半導体(たとえば、InGaAs、InGaAsP、InAs、InAsSb、又はInSbなど)のフォトダイオードアレイなどが挙げられる。
赤外線検出素子1は、複数の半導体領域5に対応して、二次元状に配置されている複数の電極7を有している。本実施形態では、赤外線検出素子1は、「36(=6行×6列)」の電極7を有している。電極7は、対応する半導体領域5にコンタクトしており、アノード電極として機能する。電極7は、平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。電極7は、用途に応じて、円形状又は楕円形状を呈していてもよい。
信号処理基板10は、互いに対向する主面10a,10bを有している。信号処理基板10は、主面10aが半導体基板3の主面3bと対向するように配置されている。すなわち、信号処理基板10は、半導体基板3と対向するように配置されている。主面10bは、半導体基板3の主面3bと対向する主面10aの裏面である。信号処理基板10は、平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。信号処理基板10は、互いに対向する一対の辺11a,11bと、互いに対向する一対の辺11c,11dと、を有する。四辺11a,11b,11c,11dは、信号処理基板10の輪郭を形成している。
信号処理基板10は、主面10a側に、積層されている複数の絶縁層13を有している。各絶縁層13は、層間絶縁膜として機能する。本実施形態では、信号処理基板10は、少なくとも3層の絶縁層13を有している。絶縁層13は、たとえば、酸化シリコンなどからなる。
信号処理基板10は、図3に示されるように、素子配置領域17と、回路配置領域19とを有している。素子配置領域17には、赤外線検出素子1が配置される。すなわち、素子配置領域17は、赤外線検出素子1(半導体基板3)の直下に位置している。本実施形態では、素子配置領域17は、半導体基板3に直交する方向から見たときに、信号処理基板10の中央に位置している。素子配置領域17は、平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。図3では、構造の明確化のため、絶縁層13及び後述する配線24の図示が省略されている。
素子配置領域17は、互いに対向する一対の辺17a,17bと、互いに対向する一対の辺17c,17dと、を有する。四辺17a,17b,17c,17dは、素子配置領域17の輪郭を形成している。素子配置領域17の一対の辺17a,17bは、信号処理基板10の一対の辺11a,11bと平行である。素子配置領域17の一対の辺17c,17dは、信号処理基板10の一対の辺11c,11dと平行である。
素子配置領域17には、複数の電極21が配置されている。複数の電極21は、複数の電極7(画素)の配置と対応するように、二次元状に配置されている。複数の電極21は、最表面に位置する絶縁層13上に形成されている。本実施形態では、信号処理基板10は、「36(=6行×6列)」の電極21を有している。対応する電極7と電極21とは、導電性バンプ22を介して接続されている。すなわち、電極21は、対応する画素と電気的に接続される。電極21は、平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。電極21は、用途に応じて、円形状又は楕円形状を呈していてもよい。
素子配置領域17は、矩形状(たとえば、正方形状など)の四つの部分領域18a,18b,18c,18dに分割される。各部分領域18a,18b,18c,18dは、平面形状が同じであり、各部分領域18a,18b,18c,18dには、同数の電極21が配置されている。本実施形態では、各部分領域18a,18b,18c,18dでは、「9(=3行×3列)」の電極21が配置されている。半導体基板3にコンタクトしている電極(カソード電極)は、信号処理基板10に配置されている電極(不図示)に電気的に接続されている。
回路配置領域19は、信号処理基板10(主面10a,10b)に直交する方向から見て、すなわち平面視で、素子配置領域17を囲むように素子配置領域17の外側に位置している。回路配置領域19は、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、赤外線検出素子1(半導体基板3)の外側に位置している。
信号処理基板10は、対応する画素から出力された信号を処理する複数の信号処理回路23を有している。本実施形態では、信号処理基板10は、画素数に対応して、「36」の信号処理回路23を有している。信号処理回路23には、たとえば、チャージアンプ回路、ソースフォロワ回路、又はオートゼロ回路などを適用することができる。これらの回路は、本技術分野の当業者にとって周知の構成を備えているため、詳細な説明は省略する。本実施形態では、信号処理回路23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)として、信号処理基板10に搭載されている。すなわち、信号処理基板10は、信号処理回路23が搭載されている基板部分12を有し、基板部分12上に複数の絶縁層13が配置されている。
信号処理回路23は、絶縁層13の間に形成されている配線24を通して、対応する電極21と電気的に接続されている。したがって、赤外線検出素子1の画素から出力される信号は、対応する電極7、導電性バンプ22、電極21、及び配線24を通して、信号処理回路23に出力される。
複数の信号処理回路23は、素子配置領域17を囲むように回路配置領域19に配置されている。本実施形態では、複数の信号処理回路23は、信号処理基板10の四辺11a,11b,11c,11dに沿うように、回路配置領域19に配置されている。
部分領域18aに配置されている複数の電極21と電気的に接続されている複数の信号処理回路23(本実施形態では、「9」の信号処理回路23)は、部分領域18aの一辺と対向する信号処理基板10の辺11aに沿うように配置されている。これらの信号処理回路23は、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、部分領域18aと辺11aとの間に位置する。本実施形態では、「9」の信号処理回路23が、辺11aに沿って、一列に並んでいる。
部分領域18bに配置されている複数の電極21と電気的に接続されている複数の信号処理回路23(本実施形態では、「9」の信号処理回路23)は、部分領域18bの一辺と対向する信号処理基板10の辺11bに沿うように配置されている。これらの信号処理回路23は、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、部分領域18bと辺11bとの間に位置する。本実施形態では、「9」の信号処理回路23が、辺11bに沿って、一列に並んでいる。
部分領域18cに配置されている複数の電極21と電気的に接続されている複数の信号処理回路23(本実施形態では、「9」の信号処理回路23)は、部分領域18cの一辺と対向する信号処理基板10の辺11cに沿うように配置されている。これらの信号処理回路23は、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、部分領域18cと辺11cとの間に位置する。本実施形態では、「9」の信号処理回路23が、辺11cに沿って、一列に並んでいる。
部分領域18dに配置されている複数の電極21と電気的に接続されている複数の信号処理回路23(本実施形態では、「9」の信号処理回路23)は、部分領域18dの一辺と対向する信号処理基板10の辺11dに沿うように配置されている。これらの信号処理回路23は、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、部分領域18dと辺11dとの間に位置する。本実施形態では、「9」の信号処理回路23が、辺11dに沿って、一列に並んでいる。
回路配置領域19には、複数の電極25が配置されている。複数の電極25は、信号処理基板10の四辺11a,11b,11c,11dに沿うように、回路配置領域19に配置されている。複数の電極25は、最表面に位置する絶縁層13上に形成されており、図示しないが、絶縁層13を貫通するコンタクトホールを介して、絶縁層13に形成されている配線に接続されている。信号処理回路23の出力は、上述した配線及びコンタクトホールと、電極25とを通して、信号処理基板10の外部に送られる。
信号処理基板10には、熱伝導層27が配置されている。熱伝導層27は、複数の絶縁層13の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。本実施形態では、熱伝導層27は、金属層である。熱伝導層27を構成する材料として、たとえば、アルミニウム又は銅などが挙げられる。
熱伝導層27は、少なくとも一層の絶縁層13上であり、かつ、素子配置領域17に位置するように、配置されている。本実施形態では、隣り合う二層の絶縁層13の間に位置するように配置されている。すなわち、熱伝導層27は、信号処理基板10から露出しておらず、信号処理基板10内に位置している。
熱伝導層27の一部は、回路配置領域19に位置している。すなわち、熱伝導層27は、素子配置領域17に位置する層部分27aと、回路配置領域19に位置する層部分27bとを有している。層部分27aは、平面視で、素子配置領域17と同じ矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。層部分27bは、平面視で、層部分27aを囲うように層部分27aの外側に位置している。熱伝導層27(層部分27b)の端は、図4に示されるように、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、信号処理回路23の端と略一致している。図4では、構造の明確化のため、絶縁層13及び配線24などの図示が省略され、熱伝導層27及び信号処理回路23のみが図示されている。
熱伝導層27は、ベタ状に形成されている。本実施形態では、熱伝導層27は、平面視で、矩形状(たとえば、正方形状など)を呈している。熱伝導層27は、必ずしもベタ状に形成されている必要はない。たとえば、熱伝導層27は、格子状に形成されていてもよく、あるいは、複数の開口が形成されていてもよい。熱伝導層27は、不図示の配線を通して、接地電位に接続される。
支持配線基板30は、信号処理基板10が搭載される面側に、対応する電極25と電気的に接続される複数の電極31と、電極35とを有している。電極31と電極25とは、ボンデングワイヤWにより接続されている。電極35は、信号処理基板10の主面10b側にコンタクトしている。
以上のように、本実施形態では、複数の信号処理回路23が、素子配置領域17の外側に位置する回路配置領域19に、素子配置領域17を囲むように配置されている。複数の信号処理回路23が回路配置領域19に配置されている構成では、複数の信号処理回路23が赤外線検出素子1の直下に位置する領域に配置されている従来の構成に比して、熱の発生源となる信号処理回路23から赤外線検出素子1までの距離が長く、赤外線検出素子1が信号処理回路23から離れて位置する。このため、赤外線検出装置IFでは、上記従来の構成に比して、赤外線検出素子1は信号処理基板10からの熱の影響を受け難く、赤外線検出素子1での暗電流の増加を抑制することができる。
赤外線検出素子1に発生する暗電流は、温度依存性を有している。赤外線検出素子1の温度が高くなると暗電流は大きくなり、赤外線検出素子1の温度が低くなると暗電流は小さくなる。本実施形態では、必ずしも、冷却装置(たとえば、ペルチェ素子など)により赤外線検出素子1を冷却する必要はない。
複数の信号処理回路23が回路配置領域19に配置されている構成においても、信号処理回路23にて発生した熱は、素子配置領域17に伝わる。このとき、素子配置領域17では、信号処理回路23に近い位置と、信号処理回路23から離れた位置とで、温度が異なることがある。すなわち、信号処理回路23に近い位置が、信号処理回路23から離れた位置に比して温度が高く、素子配置領域17に温度勾配が生じることがある。
素子配置領域17に温度勾配が生じると、素子配置領域17の信号処理回路23に近い位置に対向して配置されている画素と、素子配置領域17の信号処理回路23から離れた位置に対向して配置されている画素とでは、信号処理基板10からの熱の影響が異なる。素子配置領域17の信号処理回路23に近い位置に対向して配置されている画素は、素子配置領域17の信号処理回路23から離れた位置に対向して配置されている画素に比して、温度が高くなり易く、暗電流が増加するおそれがある。すなわち、赤外線検出素子1の画素間で暗電流がばらつくおそれがある。
これに対し、赤外線検出装置IFでは、信号処理基板10に、少なくとも一層の絶縁層13上であり、かつ、素子配置領域17に位置するように、熱伝導層27が配置されている。したがって、熱伝導層27を備えている赤外線検出装置IFでは、たとえば、熱伝導層27を備えていない赤外線検出装置に比して、信号処理回路23からの熱が素子配置領域17に伝わり易く、素子配置領域17に温度勾配が生じ難い。この結果、赤外線検出素子1において、暗電流が画素間でばらつくのを抑制することができる。
上述した従来の構成においても、赤外線検出装置IFの駆動開始からの時間経過に伴い、赤外線検出素子1の直下に位置する領域の温度分布が略一様となり、温度勾配が生じなくなることが考えられる。これに対し、熱伝導層27を備えている赤外線検出装置IFは、たとえば、熱伝導層27を備えていない赤外線検出装置に比して、素子配置領域17の温度分布が略一様となるまでの期間が短い。これにより、赤外線検出装置IFでは、赤外線検出素子1の画素間で暗電流のばらつきが生じている期間が比較的短く、赤外線検出装置IFでの検出結果に対し、暗電流のばらつきの影響が低く抑えられる。この結果、赤外線検出装置IFでは、より精度の高い赤外線検出を行うことができる。
熱伝導層27は、ベタ状の金属層である。この場合、熱伝導層27は、絶縁層13の間に形成されている配線24と同じプロセスで形成することが可能となる。これにより、素子配置領域17に温度勾配が生じ難い構成を簡易に実現することができる。また、熱伝導層27は、ベタ状であるため、信号処理回路23で発生した熱を効果的に素子配置領域17に伝えることができる。
熱伝導層27は、隣り合う二層の絶縁層13の間に位置するように配置されている。この場合、熱伝導層27は、信号処理基板10の赤外線検出素子1(半導体基板3)と対向する面よりも、信号処理基板10内に位置する。したがって、熱伝導層27が信号処理基板10内に位置している場合、たとえば、信号処理基板10の赤外線検出素子1と対向する面に熱伝導層27が配置されている場合に比して、熱伝導層27から赤外線検出素子1までの距離が長く、赤外線検出素子1は熱伝導層27からの熱の影響を受け難い。これにより、赤外線検出素子1での暗電流の増加をより一層抑制しつつ、暗電流の画素間でのばらつきを抑制することができる。
信号処理基板10は、平面視で矩形状を呈し、複数の信号処理回路23は、信号処理基板10の各辺11a,11b,11c,11dに沿うように、回路配置領域19に配置されている。これにより、素子配置領域17には、熱が各辺11a,11b,11c,11d側から、すなわち四方向から伝わるので、素子配置領域17での温度勾配がより一層生じ難い。
素子配置領域17は、平面視で、四辺17a,17b,17c,17dを有する矩形状を呈し、素子配置領域17には、複数の電極21が、赤外線検出素子1での複数の画素の配置と対応するように二次元状に配置されている。素子配置領域17を矩形状の四つの部分領域18a,18b,18c,18dに分割したとき、四つの部分領域18a,18b,18c,18dにそれぞれ配置されている電極21は、各部分領域18a,18b,18c,18dの一辺と対向する信号処理基板10の一辺11a,11b,11c,11dに沿うように配置されている信号処理回路23と接続されている。これにより、素子配置領域17に温度勾配を生じ難くしつつ、信号処理基板10の各辺11a,11b,11c,11dに沿うように配置されている各信号処理回路23と、当該信号処理回路23に対応する電極21とを適切に接続することができる。
熱伝導層27の端と信号処理回路23の端とは、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、必ずしも一致している必要はない。たとえば、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、熱伝導層27の端と信号処理回路23の端とが離れていてもよく、あるいは、熱伝導層27の端が信号処理回路23と重なっていてもよい。信号処理基板10に直交する方向から見たときに、熱伝導層27の端と信号処理回路23の端とが離れている場合、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、信号処理回路23の端と略一致している場合に比して、信号処理回路23の熱が熱伝導層27に発生し難い。熱伝導層27の端が信号処理回路23と重なっている場合、熱伝導層27と信号処理回路23との間に浮遊容量が発生し、当該浮遊容量が信号処理回路23の特性に影響を及ぼすおそれがある。
次に、図5を参照して、赤外線検出装置IFの変形例の構成を説明する。図5は、信号処理回路と熱伝導層との位置関係を模式的に示す図である。本変形例では、熱伝導層27の構成が上述した実施形態と異なる。図5では、図4と同じく、構造の明確化のため、熱伝導層27及び信号処理回路23のみが図示されている。
図5に示されるように、複数の信号処理回路23は、配列方向で互いに間隔を有して配置されている。熱伝導層27は、層部分27a、層部分27b、及び回路配置領域19に位置している複数の層部分27cを有している。各層部分27cは、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、隣り合う信号処理回路23の間に位置している。
熱伝導層27が、信号処理基板10に直交する方向から見たときに、隣り合う信号処理回路23の間に位置している層部分27cを有している場合、信号処理回路23からの熱は、層部分27cに伝わり、更に、層部分27cから、層部分27bを通って層部分27aに伝わる。これにより、信号処理回路23からの熱が熱伝導層27に伝わり易いので、素子配置領域17での温度勾配がより一層生じ難い。層部分27a,27bと各層部分27cとは、同じ絶縁層13の間に位置していてもよく、あるいは、異なる絶縁層13上に位置していてもよい。
次に、図6を参照して、赤外線検出装置IFの変形例の構成を説明する。図6は、本変形例に係る赤外線検出装置の断面構成を模式的に示す図である。
図6に示された赤外線検出装置IFも、赤外線検出素子1と、信号処理基板10と、支持配線基板30と、を備えている。
信号処理基板10には、複数の熱伝導部材29が配置されている。各熱伝導部材29は、熱伝導層27に接続されている一端29aと、信号処理基板10の主面10b側に位置している他端29bとを有している。熱伝導部材29は、熱伝導層27と同様に、複数の絶縁層13の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有している。本実施形態では、熱伝導部材29は、金属部材である。熱伝導部材29を構成する材料として、たとえば、アルミニウム又は銅などが挙げられる。
熱伝導部材29は、信号処理基板10の厚み方向に基板部分12を貫通するように形成されている。熱伝導部材29の一端29a及び他端29bは、基板部分12から露出している。熱伝導部材29の他端29bは、電極35に接続されている。電極35を接地電位に接続することにより、熱伝導層27には、熱伝導部材29を通して接地電位が与えられる。
熱伝導層27の熱の一部は、熱伝導部材29を通して、信号処理基板10の主面10b側に伝わる。主面10b側に伝わった熱は、信号処理基板10から放散されるので、熱伝導層27の温度が低下する。これにより、赤外線検出素子1での暗電流の増加をより一層抑制しつつ、暗電流が画素間でばらつくのを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
半導体基板3、半導体領域5、信号処理基板10、素子配置領域17、熱伝導層27、及び電極7,21の各形状は、上述した矩形状に限られない。これらの形状は、たとえば円形状であってもよい。半導体領域5、電極7,21、及び信号処理回路23の各数は、上述した数に限られない。