JP2016151107A - ポリウレタン系断熱材用通気層形成部材及びその通気層形成部材を用いた屋根断熱施工方法 - Google Patents
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この屋根断熱施工方法としては、垂木間にグラスウール製の断熱材を充填するとともに、断熱材の室外側に通気層を設ける方法が採用されており、以下の施工方法が一般的に採用されている。
そのため、屋根断熱材にポリウレタン系の断熱材を用いた場合には、上記スペーサーでは通気層へのポリウレタン系断熱材の侵入を防止することが困難であり、また、スペーサーとポリウレタン系断熱材との接着性も不十分な場合があり、満足できる断熱性能を得られない場合もあった。
さらに、従来のスペーサーは、その形状面でも取付け時の作業性に注意が払われておらず、現場での施工に十分対応できるものではなかった。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材において、隣接する通気層形成部材との重なり部の長さが10〜50mmであることを規定したものである。
この取付け部は、折り返し部の一部をくり抜く形で形成され、板状部材とは折り返し線の部分でつながっており、垂木への取り付け作業をし易くするために取付け部と折り返し部の間には隙間が設けられている。そして、取付けの便宜を図るため、両方の折り返し線に沿ってそれぞれ2〜3個の取付け部が形成され、その長手方向長さが30〜100mmであり、高さ方向の高さが10〜40mmである。
具体的には、重なり部を含めた長手方向長さが800〜1000mmであり、折り返し部を含めた幅方向長さが300〜600mmである。また、厚さは5mm程度が標準であるが、ポリウレタン系断熱材の充填圧力などに応じて適宜調節することができる。
請求項6では段ボールを使用する場合について規定し、その段ボールのいずれかの表面がポリウレタン系断熱材との接着性改善処理又は遮熱処理が施されていることを規定するものであり、その処理の具体的な処理の内容は次の請求項7で規定されている。
具体的には、接着性改善処理として、段ボールのポリウレタン系断熱材との接触面に複数の凹部を設けることにより、強固な接着を可能としたものである。
請求項8に係る発明は、本発明の通気層形成部材を用いた屋根断熱施工方法について、規定したものである。
通気層形成部材を、取付け部を介して垂木に取り付けて通気層を確保するようにし、その後、ポリウレタン系断熱材を通気層形成部材と垂木の設置面に充填することを特徴とする屋根断熱施工方法である。
本発明では屋根の断熱材にグラスウール等のファイバー系断熱材ではなく、ポリウレタン系断熱材を用いるものであることから、従来の通気層を形成する方法では、施工時にポリウレタン系の断熱材が通気層にはみ出すことがしばしばあり、そのため部材間のつなぎ目の隙間にはテープを張る等の作業が必要とされていた。
とが可能となり、現場施工作業の大幅な効率化を可能としている。
また、取付け部については、折り返し部の一部をくり抜く形で形成され、板状部材とは折り返し線の部分でつながっており、垂木への取り付け作業をし易くするために取付け部と折り返し部の間には隙間が設けられている。そして、取付けの便宜を図るため、両方の折り返し線に沿ってそれぞれ2〜3個の取付け部が形成され、その長手方向長さは好ましくは30〜100mmであり、高さ方向の高さは10〜40mmであることが好ましい。
取付け部が、この程度の個数と大きさを有することで、通気層形成部材をステープル等を用いて、垂木に確実にまた簡単に取り付けることができる。
また、この段ボールの中芯の方向が垂木に対して直角になるようにすることで、取付け時の強度や施工作業性を改善することができる。
この凹部は、目的とする接着性能が確保できる範囲であれば、図2,4及び5に示すように、直径5〜20mm程度の穴を30〜100mm間隔で規則的あるいはランダムに設ける態様が好ましい。
また、この凹部は、ポリウレタン系断熱材が通気層に侵入しないように、特に凹部の直径が大きい場合には貫通孔ではないことが好ましい。
根の断熱施工に用いるものであり、所定の寸法に形成した段ボール等の軽量性と通気性を有する板状部材の長辺方向に沿った両側面部の折り返し部2を、取付け部3を残して折り返し線4に沿って一体に折り返して両折り返し部2を立ち上げて、この状態で取付け部3を介して垂木に取り付けることにより通気層を形成する。この時、折り返し部2が一体に成形されているので垂木への取り付けが容易である。
また、隣接する通気層形成部材との重なり部5を有することにより、ポリウレタン系断熱材が通気層に侵入することを防止でき、良好な通気性能を確保することができる。
また、ポリウレタン系断熱材用通気層形成部材1の材料を段ボールとすれば、透湿性があるので結露の虞が少なく、軽量性の点でも優れている。
なお、折り返し線はミシン目に限らず、折り返しが可能であれば、特に限定されない。
また、取付け部3は、折り返し部との分離を容易にするために折り返し部との間にスペースとなる隙間が設けられている。この取付け部隙間については、少なくとも取付け部の幅方向の両サイドに設けられていれば機能的には十分である。
段ボール片側表面の凹部6は、ポリウレタン系断熱材と接触する側の表面に必要に応じ設けられていてもよい。また、裏面の通気層側表面には、必要に応じて遮熱を目的とした処理、例えば、アルミニウム等の金属粉含有塗料の塗布、アルミニウム箔の貼合などによって遮熱層となる金属層が形成されていてもよい。
この時、隣接する通気層形成部材同士は、重なり部5を介して隙間のない状態で取り付けて連続した通気層を形成する。
また、段ボールの中芯の方向が垂木と直交するようにすることが、作業性の点で好ましい。
次いで、通気層を確保した状態で、ポリウレタン系断熱材を通気層形成部材1と垂木の設置面に室内側から充填する。
た断熱材であり、その断熱性能は住宅用グラスウールよりも優れた性能を有するものである。
ポリウレタン系断熱材の施工は、ポリオール、触媒、添加剤及び発泡剤からなる液とイソシアネート及び添加剤からなる液とを現場で発泡機により加温、加圧、混合攪拌し、スプレーを用いた吹付けで行う。この場合、段ボール等の通気層形成部材の吹付表面は接着性改善処理、例えば凹部の形成などが施されていることが好ましい。
通気層形成部材を形成する材料としては、上述のとおり、段ボールが好ましいが、同程度の軽量性と透湿性を有する材料であれば、特に限定されない。また、段ボールの場合、紙の質、紙の厚さや中芯の段数などは、特に限定されないが、接着性改善処理や遮熱性改善の処理が施されているものが望ましい。
2 折り返し部
3 取付け部
4 折り返し線
5 重なり部
6 凹部
Claims (8)
- 屋根の断熱施工に用いる通気層形成部材であって、板状部材の長手方向両側面部に、通気層の高さに対応する一体の折り返し部を有するとともに、
板状部材の長手方向片側端部に、隣接する通気層形成部材との重なり部を有し、
さらに、折り返し部の折り返し線に沿って一定間隔ごとに、折り返し部からくり抜いた垂木への取り付け部を有することを特徴とするポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。 - 前記一体の折り返し部の高さが20〜60mmであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。
- 前記重なり部の長さが10〜50mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。
- 前記垂木への取付け部は、その両側面部が折り返し部との間に隙間を設けてくり抜いた状態で、両方の折り返し線に沿ってそれぞれ2〜3個形成され、かつ、長手方向長さが30〜100mmであり、高さ方向の高さが10〜40mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。
- 前記通気層形成部材の寸法が、重なり部を含めた長手方向長さが800〜1000mmであり、折り返し部を含めた幅方向長さが300〜600mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。
- 前記通気層形成部材が段ボールで形成され、該段ボールのいずれかの表面がポリウレタン系断熱材との接着性改善処理又は遮熱処理が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。
- 前記通気層形成部材が、ポリウレタン系断熱材との接触面側に接着性改善のための凹部が複数形成され、その裏面側に遮熱層が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリウレタン系断熱材用通気層形成部材を用いる屋根断熱施工方法であって、
ポリウレタン系断熱材を充填するに先立ち、前記の通気層形成部材を、取付け部を介して垂木に取り付けて通気層を確保するようにし、その後、ポリウレタン系断熱材を通気層形成部材と垂木の設置面に充填することを特徴とする屋根断熱施工方法。
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