JP6745632B2 - 断熱積層体及びその施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱積層体及びその施工方法に関する。特に、本発明は、非常に限られたスペースにおいても、持ち運びが容易でかつ施工も容易である断熱積層体及びその施工方法に関する。
建築物の省エネルギー化のために、様々な断熱材が用いられている。このような断熱材としては、発泡樹脂系断熱材、ロックウール系断熱材、グラスウール系断熱材等を挙げることができる。
ロックウール系断熱材、グラスウール系断熱材等の無機繊維系断熱材を用いた場合、例えば住宅の壁は、図1の水平方向断面図に示すような構造を有する場合がある。すなわち、住宅の壁は、屋内側から屋外側へと、壁紙11、石膏ボード等である内壁材12、ポリエチレンシート等の気密性の防湿シート13、柱又は間柱15間の無機繊維系断熱材14、構造用合板16、透湿防水性シート17、通気胴縁18によって形成される通気層19、及び外壁材(サイディング)20を有する場合がある。無機繊維系断熱材14と、透湿防水性シート17との間に、さらに追加で断熱材を与えてもよい。
住宅等の壁は、防湿シート13を有することによって内部の気密性を高めることができる。また、防湿シートより屋外側に位置する無機繊維系断熱材に入り込んだ水分は、無機繊維系断熱材の断熱性能を低下させうるが、この水分は、透湿防水性シートを通過し、さらに通気層から排出させることができる。
住宅等の床については、図2に示すような構造を有する場合がある。すなわち、住宅の床は、屋内側から地面側へと、床材(床仕上材+床下地材)21、防湿シート22、根太23間の無機繊維系断熱材24、大引25間の無機繊維系断熱材26、及び透湿防水性シート27を有する場合がある。大引25は、床束28によって支えられている。例えば、床材21の床下地材を防湿性とすることで防湿シート22を用いなくてもよい。
ここで、無機繊維系断熱材は、特許文献1に示されるように、透湿防水性シート等の表皮材と一体化して用いられることがある。さらに、無機繊維系断熱材を表皮材で覆うと共に、その表皮材の耳部分を建築物の構造部材に留め付けて、表皮材付断熱材を施工する方法が知られている。
また、発泡樹脂系断熱材には、スリット(切れ目)が設けられる場合がある。例えば、特許文献2では、厚みを確保することが難しい発泡樹脂系断熱材において、その厚みを確保するために、発泡樹脂系断熱材にスリットを設けて折り曲げて用いる発明を開示している。特許文献3及び4では、比較的高い弾性を有し施工箇所への嵌め込みが難しい発泡樹脂系断熱材にスリットを設けて、これを容易にしている発泡樹脂系断熱材を開示している。
特開2001-9940号公報 特開2001−40794号公報 特開平11−22049号公報 特開平7−293923号公報
近年、建築物の断熱性能を高めるためのリフォーム工事が、建築物に対して数多く行われている。この場合、例えば住宅の床下に断熱材を施工するリフォームでは、床等を取り除いて断熱材を施工して、再度床等を敷設する場合があり、また床にある点検口から作業者が床下に入って断熱材を施工する場合もある。
後者の場合、施工中に住人が住宅を使用できるという利点があるが、点検口が通常非常に狭く、かつ床下の作業スペースも非常に狭い一方で、大引間等に施工する断熱材は比較的大きいため、施工が困難であるという課題がある。
すなわち、地面から大引の下部までの高さは250mm〜600mm程度であり、通常では250mm〜400mm又は300mm〜400mmであるため、作業者は、地面に仰向きで寝そべりながら作業を行う必要がある。また、大引間の断熱材は、幅900mm×長さ2000mm(又はその半分の1000mm)×厚さ100mm程度の断熱材が必要になる一方で、床下点検口は450mm×450mm程度(大きくても561mm×561mm)が一般的である。無機繊維系断熱材は、発泡樹脂系断熱材と比較すると、柔軟性が高いため比較的変形させやすく、非常に限られたスペースにおいても運搬及び施工が容易であるが、このような床下点検口から、無機繊維系断熱材を変形させて床下に運搬することは、これが比較的変形しやすいとしても非常に困難である。
そのため、無機繊維系断熱材を既存住宅の床下の大引間に施工する場合には、床下点検口に入る大きさに断熱材を切断し、これを床下に1つ1つ運搬する。そして、床下で寝そべりながら、大引間に嵌め込んだ後に、下側から透湿防水性シートを張り、さらにプラスチックバンド等でこれを大引に固定するという作業が必要になっている。
さらに、住宅密集地等で住宅を建築する際、天井裏に断熱材を施工する際等には、上記の床下作業と同様に、非常に小さな入口から断熱材を運搬し、非常に狭いスペースで断熱材を施工する必要があり、施工が困難であるという課題がある。
そこで、本発明は、非常に限られたスペースにおいても持ち運びが容易で、かつ施工も容易である断熱積層体及びその施工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の態様を有する本発明によって上記課題を解決できることを見出した:
《態様1》
長さ方向及び幅方向に延びる第1主面並びに第2主面を有する無機繊維系断熱材、並びに前記無機繊維系断熱材の第1主面と少なくとも部分的に接着する表皮材を含む断熱積層体であって、
前記無機繊維系断熱材が、その長さ方向及び/又は幅方向に略平行に延びる1つ以上のスリットを有しており、それにより折り畳むことができるようになっている、断熱積層体。
《態様2》
前記無機繊維系断熱材が2つの前記スリットを有しており、前記2つのスリットが、前記無機繊維系断熱材の幅方向のそれぞれの両端から、その幅の長さの略1/4の場所に位置している、態様1に記載の断熱積層体。
《態様3》
前記表皮材が、前記無機繊維系断熱材の幅よりも長い幅を有しており、前記表皮材には前記無機繊維系断熱材の少なくとも幅方向から延出している耳部分が存在しており、前記耳部分は、前記断熱積層体を固定箇所に留め付け可能にする、態様2に記載の断熱積層体。
《態様4》
前記無機繊維系断熱材が20kg/m以上の密度を有している、態様3に記載の断熱積層体。
《態様5》
以下の工程を含む、断熱積層体の施工方法:
態様1〜4のいずれか一項に記載の断熱積層体を折り畳んで、施工箇所付近まで運搬する工程;
運搬した断熱積層体を施工箇所付近で展開する工程;及び
展開した断熱積層体を施工箇所に固定する工程。
《態様6》
以下の工程を含む、既存建築物の床下の大引間に断熱積層体を施工する方法:
前態様1〜4のいずれか一項に記載の断熱積層体を折り畳んで、700mm以下×700mm以下の床下点検口から、地面から大引下部までの高さが250〜600mmである床下に運ぶ工程;
前記折り畳んで床下に運んだ断熱積層体を展開する工程;及び
前記展開した断熱積層体を大引間に設置して、前記断熱積層体の表皮材の耳部分を、大引に留め付ける工程、
ここで、前記無機繊維系断熱材は、700mm〜2000mmの幅、700mm〜2000mmの長さ、及び30mm〜120mmの厚みを有し、かつ
前記表皮材は、透湿防水性シートであり、かつ前記無機繊維系断熱材の幅よりも長い幅を有し、それにより70mm〜130mmの耳部分を有する。
本発明の断熱積層体及びその施工方法によれば、非常に限られたスペースにおいても、持ち運びが容易でかつ施工も容易である。
壁構造体の水平方向の断面図を例示している。 床下構造体の断面図を例示している。 本発明の断熱積層体のスリットを変更した実施態様の斜視図である。 (a)本発明の1つの実施態様の断熱積層体の断面図を例示している。(b)本発明の1つの実施態様の断熱積層体の折り畳んだ状態の断面図を例示している。(c)本発明の1つの実施態様の断熱積層体を大引間に施工した状態の断面図を例示している。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
《断熱積層体》
本発明の断熱積層体は、長さ方向及び幅方向に延びる第1主面並びに第2主面を有する無機繊維系断熱材、及び無機繊維系断熱材の第1主面と少なくとも部分的に接着する表皮材を含む。ここで、無機繊維系断熱材は、その長さ方向及び/又は幅方向に略平行に延びる1つ以上のスリットを有しており、それにより表皮材が内側になるようにして折り畳むことができるようになっている。
本発明の断熱積層体は、無機繊維系断熱材にスリットを有しているため、幅方向及び/又は長さ方向の寸法を小さくでき、かつ無機繊維系断熱材が表皮材に接着していることで、無機繊維系断熱材を折り曲げたとしても断熱積層体が一体性を失わず、これにより床下点検口から床下等への非常に狭いスペースにも容易に運搬できる。
従来、施工場所への入口が狭い場合には、無機繊維系断熱材を切断して運搬して施工をし、さらに表皮材を施工していたが、本発明の断熱積層体によれば、そのような場所に対しても運搬可能であるために、無機繊維系断熱材と表皮材とを別々に施工する必要がなく、一度の施工で済むため非常に有利である。
この断熱積層体は、建築物の壁面、天井裏、床下等のいずれの場所に用いられてもよく、持ち運ぶのが困難で、かつ施工する際の作業スペースが非常に限られている場所で用いることができる。好ましくは、この断熱材は、既存建築物の天井裏及び/又は床下に施工する場合に、好適に用いることができる。具体的には、床下の大引間に施工する場合に、本発明の断熱積層体は、特に好適に用いることができる。
本発明の断熱積層体は、折り畳んだ状態で、好ましくは700mm以下×700mm以下、650mm以下×650mm以下、600mm以下×600mm以下、500mm以下×500mm以下、又は450mm以下×450mm以下の入口(例えば、床下点検口、天井裏口等)を通過することができる。また、本発明の断熱積層体は、1つの辺の長さが600mm以下、500mm以下、450mm以下、400mm以下、300mm以下、又は260mm以下で、かつ200mm以上、250mm以上、300mm以上、又は350mm以上である空間(特に、床下高さ)で、折り畳んだ状態から展開することができる。
図3(a)〜(c)に、本発明の断熱積層体の各実施態様の斜視図を示す。図3(a)は、長さ方向及び幅方向の両方にスリット(1a)を有する断熱積層体(10)を例示しており、図3(b)は、長さ方向に2つのスリット(1a)を有する断熱積層体(10)を例示しており、図3(c)は、幅方向に2つのスリット(1a)を有する断熱積層体(10)を例示している。
この断熱積層体(10)は、第1主面(1x)並びに第2主面(1y)を有する無機繊維系断熱材(1)、及び無機繊維系断熱材(1)の第1主面(1x)と接着しており、かつ無機繊維系断熱材(1)の幅よりも長い幅を有する表皮材(2)を含む。表皮材(2)は、その幅方向において無機繊維系断熱材から延出している耳部分(2a)を有している。
図4に様々な状態の、本発明の断熱積層体の1つの実施態様の断面図を示す。図4(a)は、断熱積層体を展開している状態での断面図であり、図4(b)は、断熱積層体を折り畳んだ状態での断面図であり、図4(c)は、断熱積層体を施工箇所に施工した状態の断面図である。
図4(a)は、長さ方向に2つのスリット(1a)を有する無機繊維系断熱材(1)を有する断熱積層体(10)を示している。これをスリット(1a)から折り畳むことで、図4(b)のように、断熱積層体(10)は、厚みが約2倍になる一方で、幅が約1/2まで小さくなる。このような状態であれば、小さな入口(例えば床下点検口、天井裏口等)から、断熱積層体を施工場所へと運搬することができる。そして、図4(c)に示すように、断熱積層体(10)を被固定部材(3)(例えば大引)に固定する際には、断熱積層体(10)を展開した上で、表皮材(2)の耳部分(2a)を、固定部材(4)(例えばタッカー)を用いて、被固定部材(3)に留め付ける。同様にして、幅方向にスリットを有する場合にも、断熱積層体を折り畳んで入口から運搬し、被固定部材に固定することができる。幅方向及び長さ方向にスリットを有する場合には、両方の方向のスリットを折り目として折り畳んでもよく、いずれか一方のスリットを折り目として折り畳んでもよい。
〈無機繊維系断熱材〉
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、長さ方向及び幅方向に延びる第1主面並びに第2主面を有し、かつ厚みを有する。この断熱材は、好ましくはさらに側面を有し、好ましくは略直方体の形状、特に板状の形状を有する。すなわち、本発明で用いる無機繊維系断熱材は、幅、長さ、及び厚さを有してもよい。略直方体とは、直方体である必要はなく、本発明の課題を解決できる形状であれば、あらゆる形状を含むものとする。
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、その長さ方向及び/又は幅方向に略平行に延びるスリットを1つ以上有しており、これにより本発明の断熱積層体が折り曲げることができるようになっている。ここで、略平行とは、平行である必要はなく、その方向にスリットが入っていることによって、断熱積層体の幅寸法を縮められるように断熱積層体を折り曲げることができれば、その方向を含むものとする。本発明の断熱積層体を折り曲げることで、その幅方向の寸法を、スリットの数に応じて小さくすることができる。
スリットの深さは、断熱積層体が折り畳めるのであれば、特に限定されず、無機繊維系断熱材を完全に分断していてもよい。また、完全に分断している場合には、もともと1つの断熱材を分断したものではなく、別個に製造した断熱材を隣り合わせて用いることで、事実上のスリットとなるようにしてもよい。
長さ方向に略平行に延びるスリットは、1つ以上であればよく、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上であってよい。スリットが多ければ多いほど、折り曲げた状態から展開するために必要な空間(特に床下高さ)が小さくて済む一方で、スリットが少ない方が取扱い性が高い場合がある。したがって、このスリットは10つ以下又は8つ以下でもよい。幅方向に略平行に伸びるスリットを有する場合には、長さ方向に略平行に延びるスリットは存在していなくてもよい。
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、幅方向に略平行に延びるスリットを1つ以上有していてもよい。このスリットも、1つ以上であればよく、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上であってよい。また、このスリットは10つ以下又は8つ以下でもよい。例えば、長さのある断熱材を用いる場合に、長さ方向に略平行なスリットを2つ有している場合には、区切られた断熱材のうち真ん中にある断熱材が自重でたわむことがあるが、この場合には、長さ方向ではなくて幅方向にスリットを設けることで、たわみを防止できる場合がある。
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、好ましくは2つのスリットを有し、これらは、無機繊維系断熱材の幅の両端から、その幅の長さの略1/4の位置にそれぞれ位置する。これにより、本発明の複合材を展開する際に必要となるスペースをさらに小さくすることができる。すなわち、スリットが1つの場合には、折り畳まれた断熱積層体を展開するには、無機繊維系断熱材の幅の半分の長さのスペースが必要であるが、上記のような位置に2つのスリットが位置していれば、折り畳まれた断熱積層体を展開するのに必要なスペースは、無機繊維系断熱材の幅の1/4で済む。ここで、両端からその幅の長さの略1/4とは、上記の効果が得られるような位置であれば、1/4の位置に限定されず、両端からその幅の長さの1/3〜1/5の程度であってもよい。
スリットが1つの場合には、スリットの位置は無機繊維系断熱材の幅方向の略中心の位置にあることが、折り畳んだ状態で最も幅方向の寸法が小さくなるという点で好ましい。同様に、スリットが多数ある場合には、無機繊維系断熱材を折り畳んだ状態で幅方向及び厚さ方向の寸法がその用途に応じて適切になるような位置に、スリットが存在することが好ましい。
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、展開した状態で、600mm以上、700mm以上、又は800mm以上、かつ2000mm以下、1800mm以下、1500mm以下、1200mm以下、又は1000mm以下の幅を有していてもよい。このような範囲である場合、大引間又は胴縁間に挿入する場合に、適切な寸法となる。本発明の無機繊維系断熱材は、折り曲げた状態で、スリットの数に応じて、展開した状態よりも短い幅を有することができる。
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、例えば、700mm以上、800mm以上、かつ2500mm以下、2000mm以下、1800mm以下、1500mm以下、1200mm以下、1000mm以下の長さを有していてもよい。
本発明で用いる無機繊維系断熱材は、長さ方向と幅方向の長さの差が250mm以下、200mm以下、150mm以下、又は120mm以下、かつ30mm以上、50mm以上、又は70mm以上の実質的に正方形の形状となってもよい。
また、本発明で用いる無機繊維系断熱材は、30mm以上、40mm以上、又は50mm以上、かつ200mm以下、150mm以下、120mm以下、又は100mm以下の厚さを有していてもよい。1つの大引間に、本発明の断熱積層体を2つ以上挿入して用いることもできる。
一方で、天井裏の断熱材は、部材間に挿入するのではなく、通常は天井面に敷き詰めるだけであるため、天井裏に本発明の断熱積層体を用いる場合には、天井裏口から通すことができれば特にその大きさは限定されない。例えば、天井裏に本発明の断熱積層体を用いる場合には、そこで用いる無機繊維系断熱材の大きさは、上述した寸法と同じとすることができる。
本発明で用いる無機繊維系断熱材としては、具体的にはロックウール及びグラスウールを挙げることができ、特に好適にはグラスウールを用いることができる。
本発明で用いる無機繊維系断熱材の密度は、8kg/m以上、10kg/m以上、15kg/m以上、20kg/m以上、又は25kg/m以上であってもよく、100kg/m以下、80kg/m以下、60kg/m以下又は40kg/m以下であってもよい。無機繊維系断熱材の密度を高くすると、断熱性が高くなる一方で、フェルト状からボード状になって変形しにくくなる。しかし、本発明の断熱積層体では、変形しにくくても狭いスペースへと運搬することができるため、例えば20kg/m以上の高い密度の無機繊維系断熱材を使用できる点で、有利である。
本発明で用いる無機繊維系断熱材には、それがボード状となるように比較的高い含有量でバインダー樹脂が含まれていてもよい。バインダー樹脂としては、フェノール樹脂等を挙げることができ、バインダー樹脂は、無機繊維系断熱材の総重量に対して、3重量%以上、5重量%以上、又は7重量%以上、また20重量%以下、15重量%以下、又は12重量%以下の範囲で、無機繊維系断熱材に含まれていてもよい。例えば、密度が20kg/m以上100kg/m以下である無機繊維系断熱材の場合には、7重量%以上12重量%以下の含有量でバインダー樹脂を有している場合に、ボード状の形状を維持しやすい。
バインダー樹脂としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の無機繊維系断熱材(特にグラスウール)用のバインダー樹脂を挙げることができる。また、ホルムアルデヒドを実質的に放出しない、天然由来の材料を主成分とするバインダーを用いてもよい。このようなバインダーとしては、特表2009−517513号、特表2009−517514号等に記載のバインダーを挙げることができる。
〈表皮材〉
表皮材は、無機繊維系断熱材の第1主面と少なくとも部分的に接着する。表皮材は、シート状の形態であってもよく、また袋状の形態で無機繊維系断熱材を包囲してもよい。
表皮材と無機繊維系断熱材が接着することによって、無機繊維系断熱材をスリット位置で折り畳んでも、断熱積層体として一体性を保つことができる。したがって、表皮材は、好ましくは無機繊維系断熱材の第1主面のスリットを挟んで両側で、無機繊維系断熱材と接着する。
表皮材の幅及び長さは、用いる無機繊維系断熱材の幅及び長さの寸法以上であることが好ましい。表皮材の厚さは、例えば、3mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.25mm以下、0.1mm以下、又は0.05mm以下であってもよい。
特に、表皮材は、好ましくは無機繊維系断熱材の幅よりも長い幅を有することが好ましい。これにより、無機繊維系断熱材の少なくとも幅方向から延出している耳部分を用いて、大引等の断熱積層体の固定箇所に、タッカー、釘等(好ましくはタッカー)を用いて容易に固定することが可能となる。好ましくは、表皮材の耳部分の寸法は、10mm以上、20mm以上、50mm以上、又は70mm以上であり、150mm以下、130mm以下、110mm以下、又は100mm以下とすることができる。耳部分は、幅方向と長さ方向の両方に存在していてもよく、幅方向のみ又は長さ方向のみに存在していてもよい。すなわち、無機繊維系断熱材の第1主面の4方向、3方向、2方向、又は1方向から耳部分が延在していてもよい。好ましくは、耳部分は、無機繊維系断熱材の幅方向及び長さ方向の辺のうちの長辺に沿って、両側に2方向に延出している。
表皮材は、結露等によって無機繊維系断熱材に入り込んだ水分を排出できるように、好ましくは透湿性の材料で構成される。また、好ましくは表皮材は、より高い断熱性を与えることができるように、防風性又は防水性の材料で構成される。より好ましくは、表皮材は、透湿防水性の材料で構成される。
具体的には、表皮材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等のポリマーフィルムを挙げることができる。また、ポリオレフィン系、ポリエステル系等の合成樹脂の織布又は不織布であってもよく、上記のポリマーフィルムと織布又は不織布の積層体であってもよい。より具体的には、透湿防水性の表皮材としては、例えば特開2002−172739号公報に記載の表皮材を挙げることができる。また、高密度ポリエチレンの3次元網目状繊維を熱圧着した不織布「タイベック」(商標、デュポン株式会社)等も用いることができる。また、「アウトール」(商標、三菱樹脂インフラテック株式会社)、「ウォーターガード」(商標、ケイミュー株式会社)、「スーパーエアテックス」(商標、フクビ化学工業株式会社)等を挙げることができる。
透湿防水性の表皮材は、例えば、JIS A 6111に規定する透湿抵抗が、0.25m2・s・Pa/μg以下、0.20m2・s・Pa/μg以下、又は0.18m2・s・Pa/μg以下であってもよく、0.01m2・s・Pa/μg以上、又は0.05m2・s・Pa/μg以上あってもよい。また、JIS A 6111に規定する耐水圧が、例えば、3kPa以上、5kPa以上、又は7kPa以上であってもよく、100kPa以下又は50kPa以下であってもよい。
表皮材と無機繊維系断熱材とは、それぞれで用いる材料に応じて、公知の接着剤によって接着することができる。例えば、接着剤としては、ホットメルト系のポリオレフィン系接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等を挙げることができる。
《断熱積層体の施工方法》
本発明の断熱積層体の施工方法は、上記の断熱積層体を、建築物の壁面、天井裏、床下等の場所に設置する方法に関する。この方法は、上記の断熱積層体を折り畳んで、施工箇所付近まで運搬する工程;運搬した断熱積層体を施工箇所付近で展開する工程;及び展開した断熱積層体を施工箇所に設置する工程を少なくとも含む。
断熱積層体を折り畳んで、施工箇所付近まで運搬する工程では、断熱積層体を表皮材が内側になるようにして折り畳むことによって、断熱積層体の幅を小さくする。例えば、無機繊維系断熱材がスリットを2つ有する場合に、2箇所とも折り畳む必要がない場合には、片方側のみを折り畳んでもよい。施工箇所付近までの入口、例えば天井裏口、床下点検口等が非常に狭い場合には、この工程を有することが非常に有利である。
次に、運搬した断熱積層体を施工箇所付近で展開する。例えば、既存の住宅の床下で断熱積層体を展開する場合には、作業者は、地面に仰向きで寝そべりながら、非常に小さな隙間(地面から大引の下部までの高さは250mm〜600mm程度であり、通常では250mm〜400mm又は300mm〜400mmである)で、断熱積層体を展開する必要がある。この場合には特に、展開するために必要なスペースが小さくても済む、2つ以上のスリットを有する無機繊維系断熱材を含む断熱積層体を用いることが有利である。
さらに、展開した断熱積層体を施工箇所に設置する。断熱積層体の設置は、天井裏等では、特に固定手段を用いなくてもよい。構造部材等に固定する場合には、固定手段としては、プラスチックバンド、ピン、木材等を用いてもよい。表皮材に耳部分を有する断熱積層体では、耳部分をタッカー等によって被固定部材(例えば、大引、根太、胴縁、間柱、柱等)に留め付ければよく、この場合には非常に施工が容易である。
通常、大引間及び胴縁間の幅が、根太間及び柱−間柱間の幅よりも大きいことから、大引間及び胴縁間の方が、折り曲げ可能な幅広の断熱積層体を特に必要とするため、本発明の施工方法においては、大引間又は胴縁間に対して断熱積層体を施工することが有利である。根太間等に既存の断熱材が設置されている場合には、既存の断熱材を除去することなく、本発明の断熱積層体を、例えば大引間にさらに施工することができる。
床材、根太、大引、及び断熱材を有する床の模型を作製し、これを一辺1.5m程度の上部が開放されている立方体の上面に設置した。その立方体の内部にファンを設置し、立方体の外部に設置した気密測定器を用いて、各床の模型における気密性の評価を行った。ここでは、「住宅の気密性能試験方法」(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)の「第2章 住宅の気密性能試験方法」に記載されている減圧法に準じて、床の模型にどれくらいの隙間面積が存在するか(相当隙間面積(cm/m))を、気密シートと気密テープで立方体の上面を密封した場合との差を計算することで、評価した。
実施例1では、無機繊維系断熱材が開孔を有する袋に入っている断熱材を根太間に設置し、本発明の断熱積層体を大引間に設置した。参考例1では、無機繊維系断熱材が開孔を有する袋に入っている断熱材を根太間及び大引間に設置した。比較例1では、市販の裸の無機繊維系断熱材を根太間に設置し、大引間には断熱材を使用しなかった。比較例2では、発泡系断熱材を根太間に設置し、大引間には断熱材を使用しなかった。
結果を表1に示す。
Figure 0006745632
本発明の断熱積層体を使用した実施例1は、気密シートと気密テープで立方体の上面を密封した場合と、相当隙間面積に差がなく、袋入り断熱材を用いた参考例1と比較して気密性が高かった。大引間に断熱材を使用しない比較例1及び2では、気密性が低かった。
1 無機繊維系断熱材
1a スリット
1x 第1主面
1y 第2主面
2 表皮材
2a 耳部分
3 被固定部材(大引)
4 固定部材
10 断熱材
11 壁紙
12 内壁材
13 防湿シート
14 無機繊維系断熱材
15 柱又は間柱
16 構造用合板
17 透湿防水性シート
18 通気胴縁
19 通気層
20 外壁材
21 床材
22 防湿シート
23 根太
24 根太間無機繊維系断熱材
25 大引
26 大引間無機繊維系断熱材
27 透湿防水性シート
28 床束

Claims (6)

  1. 長さ方向及び幅方向に延びる第1主面並びに第2主面を有する無機繊維系断熱材、並びに前記無機繊維系断熱材の第1主面と少なくとも部分的に接着する表皮材を含む断熱積層体であって、
    前記無機繊維系断熱材が、その長さ方向及び/又は幅方向に略平行に延びる1つ以上のスリットを有しており、それにより、前記無機繊維系断熱材の幅寸法を縮められるようにし、かつ表皮材が内側になるようにして、折り畳むことができるようになっておりかつ、
    前記表皮材が、前記無機繊維系断熱材の前記スリットを挟んで両側で、前記無機繊維系断熱材と接着している、
    断熱積層体。
  2. 前記無機繊維系断熱材が2つの前記スリットを有しており、前記2つのスリットが、前記無機繊維系断熱材の幅方向のそれぞれの両端から、その幅の長さの1/3〜1/5の場所に位置している、請求項1に記載の断熱積層体。
  3. 前記表皮材が、前記無機繊維系断熱材の幅よりも長い幅を有しており、前記表皮材には前記無機繊維系断熱材の少なくとも幅方向から延出している耳部分が存在しており、前記耳部分は、前記断熱積層体を固定箇所に留め付け可能にする、請求項2に記載の断熱積層体。
  4. 前記無機繊維系断熱材が20kg/m以上の密度を有している、請求項3に記載の断熱積層体。
  5. 以下の工程を含む、断熱積層体の施工方法:
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱積層体を折り畳んで、施工箇所付近まで運搬する工程;
    運搬した断熱積層体を施工箇所付近で展開する工程;及び
    展開した断熱積層体を施工箇所に固定する工程。
  6. 以下の工程を含む、既存建築物の床下の大引間に断熱積層体を施工する方法:
    求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱積層体を折り畳んで、700mm以下×700mm以下の床下点検口から、地面から大引下部までの高さが250〜600mmである床下に運ぶ工程;
    前記折り畳んで床下に運んだ断熱積層体を展開する工程;及び
    前記展開した断熱積層体を大引間に設置して、前記断熱積層体の表皮材の耳部分を、大引に留め付ける工程、
    ここで、前記無機繊維系断熱材は、700mm〜2000mmの幅、700mm〜2000mmの長さ、及び30mm〜120mmの厚みを有し、かつ
    前記表皮材は、透湿防水性シートであり、かつ前記無機繊維系断熱材の幅よりも長い幅を有し、それにより70mm〜130mmの耳部分を有する。
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