JP2002146937A - 住宅の断熱施工法および天井用断熱材 - Google Patents

住宅の断熱施工法および天井用断熱材

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JP2002146937A JP2000347634A JP2000347634A JP2002146937A JP 2002146937 A JP2002146937 A JP 2002146937A JP 2000347634 A JP2000347634 A JP 2000347634A JP 2000347634 A JP2000347634 A JP 2000347634A JP 2002146937 A JP2002146937 A JP 2002146937A
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裕二 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易かつ確実に施工が可能で、住宅に十分な
断熱性、防湿性、気密性を備えさせることができる住宅
の断熱施工法を提供すること。 【解決手段】 室内側の面が実質的に面一に形成されて
いる天井構造に、繊維マットと防湿フィルムとからなる
繊維質断熱材を充填する住宅の断熱施工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、特に木造住
宅の天井において容易に断熱、防湿および気密化を図る
ことが可能な天井の断熱施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅の高断熱化は、快適な住環境を生み
出すことができ、また、省エネルギーにもつながるた
め、高断熱住宅の建築を促進する政策が関係省庁から出
されて普及が図られている。この高断熱住宅において
は、高い断熱性および高い気密性が必要不可欠である。
例えば、高断熱化されていない旧来の住宅においては、
壁に充填される断熱材の厚さは50mmであり、住宅の
気密性の指標である相当隙間面積は10cm2/m2以上
であった。これに対して高断熱住宅では、壁に充填され
る断熱材の厚さは100mm以上となり、相当隙間面積
は5cm2/m2以下とされており、高い断熱性および高
い気密性を兼ね備えている。この相当隙間面積の基準
は、平成11年3月30日に告示された通商産業省およ
び建設省の告示第二号「住宅に係るエネルギーの使用の
合理化に関する建築主の判断の基準」(以下、「次世代
省エネルギー基準」と記す)に定められている。
【0003】なお、住宅の気密性の指標となる上記の相
当隙間面積とは、住宅の内部を減圧した場合に外部から
入ってくる空気の量を測定し、これを延べ床面積1m2
あたりの隙間の面積に換算した値である。この相当隙間
面積を測定する方法は、財団法人住宅・建築省エネルギ
ー機構(通称:IBEC)によって制定された「住宅の
気密性能試験マニュアル」にて規定されている。
【0004】天井における断熱材の施工方法としては、
従来より、図6に示すように、根太62や野縁63など
から枠組みを組み、断熱材の長手方法に直交する側の根
太62を受け材として一方向に連続に断熱材60を充填
させる方法が用いられてきた。この方法では、室内側よ
り野縁63の間に断熱材60を通して、断熱材を長手方
向に配置させる方向と直交した方向の根太62に断熱材
60を乗せていき、断熱材を配置させていた。この場
合、断熱および気密性能を向上させるために、根太間に
沿って複数枚の断熱材を隙間なく配置させることは非常
に困難であり、また、通常、壁に用いられている断熱材
を使用すると、根太間の寸法に断熱材が合わないため、
配置させるのは簡単ではあるものの、隙間が生じるとい
った問題を有していた。また、断熱施工において屋根裏
へ回りこみ、上方から断熱材を押し込む方法も考えられ
るが、断熱材間に隙間を有さないようにするためには、
作業に時間がかかるものであった。そのうえ、前記方法
では手間を要す割には、施工された天井は隙間なく断熱
材を詰めたとしても隙間や隣り合う断熱材の間から隙間
が生じ、十分な断熱性や気密効果が得られなかった。
【0005】このため、高断熱住宅に高い気密性を備え
させるために一般に推奨されている断熱施工法において
は、天井の枠組みに前記方法と同様にして繊維質断熱材
を隙間なく充填した後、ポリエチレンフィルムなどの通
気性および透湿性の低いシート状の材料を室内側に連続
的に貼り、さらにシートのつなぎ目では重ねをとり、下
地ボードなどで挟みつける方法などの施工により防湿気
密層を設け、天井への湿気の出入りを防止しつつ、気密
性を向上させている。この従来の施工法は、一般的に
「別貼り防湿気密層工法」と呼ばれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の断熱施工法においては、まず、室内側から天井の
野縁間より断熱材を入れ、その断熱材を天井の枠組みに
沿わせてながら、隣り合う断熱材と隙間を持たせないよ
うに断熱材を隙間なく施工したうえで、さらに室内側面
に防湿シート材料を貼る必要があるため、非常に手間を
要すものであった。さらに前記シートはロール状に巻き
取られた幅2m程の防湿気密シートなどを使用するた
め、人手によって重量物であるロールを天井に沿って引
き回しつつ貼ることは容易ではない。また、天井面の広
い面にフィルムのような柔軟性を有するものを設置する
ため、特に室内側から行う天井の施工法に関しては、フ
ィルムが垂れ下がり、天井の枠組みにフィルムを固定す
るのに多大な手間がかかるという問題を有していた。し
たがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、容易かつ確実に施工が可能で、住
宅に十分な断熱性、防湿性、気密性を備えさせることが
できる住宅の断熱施工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、横材と縦材とから空間を有する天井枠組
みが構成され、該空間を構成する横材と縦材の室内側の
面が、実質的に面一に形成されている天井構造に、繊維
質断熱材(以下単に「断熱材」という)を充填する住宅
の断熱施工法であって、前記断熱材が、上記空間を構成
している横材と縦材の内面形状と相似の形状を有する繊
維マット(以下単に「マット」という)と、該マットの
少なくとも一面に設けた透湿抵抗10m2・h・mmH
g/g以上の防湿フィルムと、前記マットの長辺方向お
よび短辺方向に沿った四側面から延出した取付支持片と
からなり、上記の空間内に上記マットを充填し、上記取
付支持片を上記空間を構成している枠組み材の室内側の
面に固定して、室内側に防湿フィルムを配置させること
を特徴とする住宅の断熱施工法を提供する。
【0008】上記施工法によれば、防湿フィルムを有す
る断熱材を、室内側から天井構造中に容易に充填するこ
とが可能となり、しかも天井の枠組みを構成している横
材および縦材の室内側の面を水平(面一)に合わせ、防
湿フィルムを室内面に配置させて取付支持片を固定する
ことで、室内側から天井構造中に断熱材を容易に設置で
きるうえに、防湿性および気密性も向上する。
【0009】また、本発明は、マット、該マットの少な
くとも一面に設けた透湿抵抗10m 2・h・mmHg/
g以上フィルム、および前記マットの長辺方向と短辺方
向に沿った四側面から延出した取付支持片とからなり、
前記マットの長辺の長さが820〜1300mmであ
り、短辺の長さが330〜650mmであることを特徴
とする天井用断熱材を提供する。
【0010】上記天井用断熱材は、天井用の断熱材とし
て専用のサイズとして構成されているので、従来の壁用
断熱材などの長尺の断熱材を用いる場合に、断熱材中の
無機質マットの一部を取り出して寸法調整する必要がな
く、作業手間がかからず、また、半端物を排出させな
い。
【0011】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。図1には、本発明にお
いて使用する断熱材の一例が示されている。すなわち、
この断熱材10は、マット11の少なくとも一面に配置
させる面(図ではマットの下側)が、防湿フィルム13
で被覆されている。この防湿フィルム13は、本発明の
断熱施工に際し、室内側に配置させるものである。防湿
フィルム13は、接着剤12によってマット11へ貼り
付けられ、マット11の長辺方向および短辺方向に沿っ
た四側面から延出した取付支持片14を形成している。
【0012】図2は、本発明において使用する断熱材2
0の好適な例を示し、該好適例は、例えば、マット21
から繊維や繊維粉が飛散することを防止すること、およ
び天井の断熱施工に際し、フィルムによる滑りで天井構
造の空間内にマット21が挿入し易いなどの施工性や断
熱性の観点から好ましい形態であり、上記図1の断熱材
の構成に加えて、さらにマット21の表面、裏面(室内
側に配置させる面)、長辺方向に沿った両側面および短
辺方向に沿った両側面の六面全てが第一のフィルムであ
る防湿フィルム23と第二のフィルム25で被覆されて
いる。さらにマット21の長辺方向および短辺方向に沿
った四側面から延出した取付支持片24を形成してい
る。
【0013】図示の例では、第二のフィルム25はマッ
ト21を覆って、その長辺方向の両端部がマットの下側
に折り込まれているが、これは必須ではなく、フィルム
25の両端部は、マットの下側ではなくマットの外側の
防湿フィルム23上に接着されていてもよい。また、マ
ット21は1枚であるが、これを薄くして2枚重ねと
し、その間に別の防湿フィルム(不図示)を介在させて
もよい。また、前記第二のフィルム25は断熱材の梱包
時の圧縮や施工時の復元に必要な空気の流出流入を容易
にするとともに、内部の湿気を通気によって逃がすため
に、直径1〜5mm程度の通気孔26を多数設けた孔開
きフィルムを用いることが好ましい。
【0014】また、図2に示す断熱材は、本発明の好ま
しい実施形態であって、例えば、図2では、マットの表
面、裏面(室内側に配置させる面)、長辺方向に沿った
両側面および短辺方向に沿った両側面の六面全てがフィ
ルム23,25で被覆されているが、本発明はこれには
限定されない。例えば、マットの裏面(室内側に配置さ
せる面)のみが防湿フィルム23で被覆されているもの
(図1)でもよいし、また、短辺方向に沿った両側面は
フィルム25で被覆されておらず、または短辺方向に沿
った両側面に耳部が無いものでもよい。
【0015】本発明に用いられるマット11,21とし
ては、従来から断熱材として使用されているグラスウー
ル、ロックウール、セルロースなどの繊維からなるマッ
トを使用することができ、不燃性を有することからグラ
スウールマットまたはロックウールマットを用いること
が好ましい。マット11,21の密度は、性能、施工性
およびコストを考慮すると、グラスウールマットでは5
〜48kg/m3であることが、ロックウールマットで
は20〜60kg/m3であることが好ましい。密度が
上記の範囲未満であると断熱性が不十分な場合があり、
上記の範囲を超えるとマットが固くなって施工する部位
の形状になじみ難い場合がある。
【0016】本発明において、マット11,21の少な
くとも一面に設けた防湿フィルムを設けることを必須と
し、前記防湿フィルム13,23の少なくとも一面は、
天井の断熱施工に際して室内側に配置される。前記防湿
フィルム13,23は透湿抵抗が10m2・h・mmH
g/g以上であることが必要であり、50m2・h・m
mHg/g以上であることが好ましく、100m2・h
・mmHg/g以上であることがより好ましい。透湿抵
抗が10m2・h・mmHg/g未満であると室内から
天井内への湿気の流入を防ぐことができず、冬季におけ
る内部結露を防止することができないために好ましくな
い。
【0017】なお、ここでいう透湿抵抗とは、次のよう
な方法によって求めたものである。すなわち、JIS
Z 0208に規定されている方法(カップ法)に従
い、温度25℃または40℃において防湿包装材料を境
界面とし、一方の側の空気を相対湿度90%、他の側の
空気を吸湿剤によって乾燥状態に保ったとき、24時間
にこの境界面を通過する水蒸気の質量(g)を、その材
料1m2当たりに換算した値(透湿度)として求める。
この透湿度から下記式1によって透湿抵抗を算出する。
【0018】
【数1】R=(24×D)/T ただし、R:透湿抵抗(m2・hr・mmHg/g)、
T:透湿度(g/m2・24hr)、D:水蒸気圧差
(mmHg)を意味する。
【0019】上記における水蒸気圧差Dとは、透湿度を
測定した際の防湿フィルム13,23を境界にした二つ
の空間のそれぞれの水蒸気圧の差である。なお、透湿度
の測定では一方の空間を乾燥状態に保つため、他方の空
間の水蒸気圧、すなわち、透湿度を測定する雰囲気の水
蒸気圧を上記の水蒸気圧差Dとして使用しても差支えな
い。
【0020】本発明においては、透湿抵抗が所望の値と
なるように、防湿フィルムの厚さおよび材質を適宜選択
する。厚さは、10〜200μmであることが好まし
く、30〜100μmであることがより好ましい。厚さ
が10μm未満であると透湿抵抗や強度が十分ではな
く、200μmを超えると断熱材を製造、あるいは包装
する際に傷が付きやすく、また、取扱い難くなるため好
ましくない。
【0021】防湿フィルム13,23および第二のフィ
ルム25の材質としては、断熱材10,20の被覆に従
来から用いられているものを挙げることができ、例え
ば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートな
どの熱可塑性樹脂のフィルム、これらの積層品、これら
にアルミニウムなどの金属を蒸着したもの、異種の防湿
フィルムやアルミニウム箔などをラミネートしたものな
どを用いるのが好ましく、中でも高密度ポリエチレンフ
ィルムがより好ましい。
【0022】また、本発明の断熱材10,20は、前記
マット11,21の長辺方向および短辺方向に沿った四
側面から延出した取付支持片14,24を有しているこ
とが必要である。この取付支持片14,24は、室内面
に配置させる防湿フィルム13,23から延出させた
り、室内面のフィルムに取付支持片を実質的に別途接合
させるようにして形成したりすることが可能である。
【0023】マット11,21の長辺方向または短辺方
向に沿った両側面から延出させる長さ、すなわち、長辺
方向または短辺方向に沿った取付支持片は、10〜10
0mmが好ましく、30〜60mmがより好ましい。こ
の取付支持片の幅が10mm未満であると、断熱施工時
に天井の枠組みへステープル止めしにくくなり、100
mmを超えると幅の広い防湿フィルム13,23が必要
となって経済的に不利になり、包装時や施工時に邪魔に
なるために好ましくない。
【0024】本発明において、全面に防湿フィルム1
3,23を被覆する図2のような場合、マットの室外側
に配置させる面を被覆する防湿フィルム25には、断熱
材の梱包時の圧縮、施工時の復元に必要な空気の流出、
流入を容易にするため、および不可避的に流入してしま
った内部の湿気を通気によって逃がすために、直径1〜
5mm程度の小孔26を多数設けておくことが好まし
い。なお、防湿フィルムとしては、上記防湿フィルムで
例示した材質の中から適宜選択したものを用いることが
できる。
【0025】そして、マット11,21へ防湿フィルム
13,23を貼り付ける際に使用する接着剤12,22
は、マットと防湿フィルム13,23とを接着できるも
のであればよく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂などを主成分とするホットメルト系接着剤、クロ
ロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどを主成分
とするゴム糊、アクリル樹脂、ポリビニルアルコールな
どを主成分とする水溶性接着剤、アクリル樹脂、ポリビ
ニルアルコールなどを主成分とするエマルジョン系接着
剤などを用いることができるが、接着に要する時間が短
いことから、ホットメルト系接着剤を用いることが好ま
しい。また、前記接着剤は防湿フィルムどうしを貼り付
ける際に使用する場合も同様である。
【0026】本発明は、前記マットの長辺の長さが82
0〜1300mmであり、短辺の長さが330〜650
mmであることが好ましい。前記寸法は、後述する天井
の枠組みにおいて形成される空間に、前記マットを実質
的に隙間を有さずに前記枠組みと密接させることが可能
で、天井の断熱性を損なうことがないうえに、前記取付
支持片が空間を形成している枠組みに固定できる寸法と
なる。このように、マットの寸法を決めることで、断熱
性は勿論のこと、天井の気密性および防湿性に優れるも
のとなる。さらに前記枠組みの空間の寸法よりも前記マ
ットが長手方向または短辺方向に寸法が拡寸されている
ことが好ましい。拡寸されていてもマットは柔軟である
ため、枠組みの空間への挿入が容易で、しかも、マット
を枠組みの空間に挿入した際に、マットの反発弾性によ
りマットが下に容易に抜け落ちことがないので施工が容
易になる。
【0027】次に、本発明の断熱施工法の一実施形態を
図3a〜cを参照して説明する。図3aに示す天井構造
30は、一般の木造住宅に多く使用されている構造であ
る。この構造は、不図示の梁などの構造材に一方の端部
が一定間隔をおいて固定されている吊り具31の他方の
端部に、図面上縦材である根太32が固定され、該根太
32に直交するように図面上横材である野縁33が固定
されて構成されている。この構造においては根太32の
下面と、野縁33の下面とは、野縁33の厚み分だけ段
差が生じている。従来は、上記構造の枠組みの空間Aに
断熱材を挿入し、野縁33を支持体として不図示の石膏
ボードのような天井材が固定されている。
【0028】本発明では、上記天井の枠組みにおいて、
根太32の下面と野縁33の下面との段差を無くして、
図3a〜cに示すように、前記断熱材10のマット11
を枠組みの空間A内に挿入し、断熱材10の取付支持片
14を前記空間Aを構成している枠組み材料の下面に固
定することを特徴としている。根太32の下面と野縁3
3の下面との段差を無くする方法の1例が図3aに示さ
れている。すなわち、根太32の下面で、かつ互いに隣
接している野縁33,33の間に、野縁33と実質的に
同一厚みの下地材34を嵌め込み固定し、点線図示の状
態、すなわち、野縁33の下面と下地材34(点線図
示)の下面とを実質的に同一平面(面一)に調整する。
【0029】次いで上記の如く形成された枠組みの空間
Aに、図3bに示す断熱材10のマット11を、その防
湿フィルム13と取付支持片14とを室内側にして挿入
する。このマット11は、上記枠組みの空間Aより幾分
拡寸されて形成されているが、マット11は柔軟である
ので容易に前記空間A内に挿入され、挿入された状態に
おいてマット11の反発弾性によって、マット11が空
間Aから容易に外れることがなく、そのうえ上記反発弾
性によってマット11の外側4面と空間Aを区画してい
る根太32、下地材34および野縁33の内面とは常に
密着しており、そこに空隙が生じることはない。マット
11を枠組みの空間Aに挿入したら、図3cに示すよう
にマット11に設けられている取付支持片14を野縁3
3および下地材34の下面に、任意の手段、例えば、ガ
ンタッカーを用いてステープルで固定することによって
本発明の断熱施工法が完了する。
【0030】図4には、本発明の断熱施工法の別の実施
形態が示されている。この実施形態はツーバイフォー方
式の住宅の断熱施工に適している。図4a〜cに示すよ
うに、天井構造を構成している平行な複数本の根太4
1,41・・・・の間に所定の間隔をおいて、該根太間
に、根太に直交して胴縁42,42・・・・を、上記根
太41,41・・・・の下面と胴縁42,42・・・・
の下面が実質的に面一になるように固定する。このよう
に胴縁42,42・・・・を固定することによって形成
される空間Aに、図4bに示す断熱材10を、その防湿
フィルム13と取付支持片14とを室内側に面するよう
にしてマット11を挿入する。この実施形態においても
前記実施形態と同様にマットの弾性によって、断熱材1
0が空間Aから容易に落下することはなく、また、マッ
トの4側面と、根太41,41・・・・と胴縁42,4
2・・・・の内面とは密着し、空隙が生ずることはな
い。断熱材10の取付支持片14の固定も前記の実施形
態と同様である。
【0031】以上のように本発明の断熱施工法では、空
間Aを構成している天井枠組みの室内面が全て実質的に
水平(面一)に構成されているため、断熱材の長手方向
および短辺方向に延出されている取付支持片の全てを前
記枠組みの下面に容易にかつ完全に固定することが可能
となる。これにより、天井面の結露や住宅の気密度の低
下をより確実に防止することができる。
【0032】さらに、室内から天井内への湿気の流入を
確実に防止するために、図4cのA−A線断面図でもあ
る図5に示すように、隣接して充填された断熱材10の
長辺方向または短辺方向に沿った取付支持片14,14
同士を重ねて固定することが好ましい。このようにする
ためには、枠組み材の幅寸法を考慮して、隣接する断熱
材10,10の取付支持片14,14同士を重ねること
ができるように取付支持片の寸法を設定すればよい。な
お、図5に示す実施形態においては、取付支持片14,
14を枠組み材下面にステープルで固定したが、ステー
プルで固定しなくても、内壁材を取付ける際の釘やビス
によって、最終的には取付支持片14,14が天井構造
材の下面に固定されていればよい。
【0033】以上の実施形態において形成される空間A
の寸法は、通常天井で用いられている寸法を利用して適
宜設定することができる。例えば、図3に示されるよう
に、空間Aが根太32、野縁33、下地材34で構成さ
れている場合は、その空間A内寸法は、長辺が910〜
1240cmであり、短辺が407〜670cmである
ことが好ましい。また、図4に示されるように根太4
1,41・・・・および胴縁42,42・・・で構成さ
れている枠組みの場合は、長辺が910〜1240cm
で、短辺が407〜610cmであるように、胴縁4
2,42・・・・を配置することが好ましい。なお、前
記実施形態は、断熱材として図1に示されるもので説明
したが、図2に示される断熱材を使用しても同様な効果
が得られる外に、前記したような図2に示される断熱材
に基づくさらに別の効果が得られる。
【0034】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。 実施例1 図2に示す構造の断熱材を以下の材料を用いて常法にし
たがって作製した。 マット:密度16kg/m3、幅420mm、長さ9
30mm、厚さ155mmのグラスウールマット。 第一のフィルム(防湿フィルム):厚さ50μmのポ
リエチレンフィルム。 第二のフィルム:アルミニウムを蒸着した多数の小孔
を設けた厚さ10μmのポリエチレンフィルム。 接着剤:ホットメルト系接着剤。 長辺方向に沿った取付支持片の幅:100mm。 短辺方向に沿った取付支持片の幅:50mm。
【0035】芯々455mmの間隔で設置された206
材(38mm×140mm)の根太で構成される枠組み
壁工法の住宅の天井で、芯々910mmの間隔で根太
(図4の41,41・・・・)の間に、その下面が上記
根太の室内側の面と面一(水平)になるように、204
材(38mm×89mm×418mm)で胴縁(図4の
42,42・・・・)を設けて天井枠組みを構成した。
次いで前記枠組みの空間Aに図2に示す上記の断熱材2
0のマット21を挿入し、根太と胴縁のそれぞれの室内
面に、前記取付支持片24を、隣り合う断熱材の取付支
持片同士24,24(図5参照)で重ね合わせステープ
ル止めをした。約20坪の天井面積の施工を1人で3日
間を要した。結果を表1に示す。
【0036】実施例2 図3aに示すような天井構造を、芯々455mmの間隔
で204材の根太32を設置し、該根太に芯々910m
mの間隔で204材の野縁33を固定し、根太32の室
内面に、上記野縁33と直交する下地材34(野縁と同
じ断面の材料)天井枠組みを構成した。次いで前記枠組
みの空間Aに図1に示すと同様の断熱材10を挿入し、
枠組みの室内面に前記取付支持片14を、隣り合う断熱
材の取付支持片同士14,14で重ね合わせステープル
止めをした。約25坪の天井面積を1人の施工で3日間
を要した。結果を表1に示す。
【0037】比較例1 断熱材を以下の材料を用いて常法にしたがって作製し
た。 マット:密度16kg/m3、幅430mm、長さ1
370mm、厚さ100mmのグラスウールマット。 第一のフィルム(防湿フィルム):厚さ50μmのポ
リエチレンフィルム。 第二のフィルム:アルミニウムを蒸着した多数の小孔
を設けた厚さ10μmのポリエチレンフィルム。 接着剤:ホットメルト系接着剤。 長辺方向に沿った取付支持片の幅:100mm。 短辺方向に沿った取付支持片の幅:50mm。
【0038】芯々455mmの間隔で204材を根太6
2として設置し、芯々910mmの間隔で204材の室
内面に該204材と直交する野縁63(巾45mm厚1
2mm)を取付けて天井の枠組みを構成させた。前記枠
組みに図6に示すように、大きめのサイズの断熱材60
を下から押し込んで配置させて断熱施工を行なった。こ
の際、マットの反発力で断熱材がずり落ちないようにす
るか、根太62の側面にステープルなどで仮止めしなけ
れば断熱材が落ちてくるため、防湿フィルムとグラスウ
ールの間に隙間ができやすく、性能に問題が生じやすか
った。次いで幅1800mmの別張りシートを室内側か
ら野縁面に施工した。約25坪の天井面積を1人の施工
で4日間を要した。結果を表1に示す。
【0039】
【0040】以上の結果からして、実施例に比べ、比較
例では断熱材の充填が難しく、また、断熱材間に隙間が
見られた。また、別張りシートを施工する場合、幅の広
いシートで施工をする必要があるため、一人では施工に
困難で作業に手間がかかり、施工に時間がかかるもので
あった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、容易かつ確実に施工が
可能で、住宅に十分な断熱性、防湿性、および気密性を
備えさせることができる住宅の断熱施工法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の天井用断熱材の1例を説明する図。
【図2】 本発明の天井用断熱材の他の例を説明する
図。
【図3】 本発明の施工法を説明する図。
【図4】 本発明の施工法を説明する図。
【図5】 本発明の施工法を説明する図。
【図6】 比較例の施工法を説明する図。
【符号の説明】
10,20:断熱材 11,21:マット 12,22:接着剤 13,23:防湿フィルム 14,24:取付支持片 25:第二のフィルム 26:通気孔 30,40:天井構造 31:吊り具 32,41:根太 33:野縁 34:下地材 42:胴縁 60:断熱材 61:吊り具 62:根太 63:野縁 A:空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】横材と縦材とから空間を有する天井枠組み
    が構成され、該空間を構成する横材と縦材の室内側の面
    が、実質的に面一に形成されている天井構造に、繊維質
    断熱材を充填する住宅の断熱施工法であって、 前記繊維質断熱材が、上記空間を構成している横材と縦
    材の内面形状と相似の形状を有する繊維マットと、該マ
    ットの少なくとも一面に設けた透湿抵抗10m 2・h・
    mmHg/g以上の防湿フィルムと、前記マットの長辺
    方向および短辺方向に沿った四側面から延出した取付支
    持片とからなり、 上記の空間内に上記繊維マットを充填し、上記取付支持
    片を上記空間を構成している枠組み材の室内側の面に固
    定して、室内側に防湿フィルムを配置させることを特徴
    とする住宅の断熱施工法。
  2. 【請求項2】前記天井枠組みにおける前記空間を構成し
    ている横材と縦材の内側面と前記繊維マットの側面とが
    実質的に隙間を有することなく密接している請求項1に
    記載の断熱施工法。
  3. 【請求項3】前記空間を構成する枠組みが、天井を構成
    している根太(32)と、該根太と直交している野縁
    (33)と、根太の下面でかつ隣接する野縁間に、根太
    の室内側の面に設けられた下地材(34)とからなり、
    該下地材(34)と野縁(33)の室内側の面が実質的
    に面一に構成されている請求項1または2に記載の断熱
    施工法。
  4. 【請求項4】前記空間が、天井を構成している平行な複
    数本の根太(41,41・・・・)と、該根太間に根太
    に直交して設けられた胴縁(42,42・・・・)とか
    ら構成され、上記根太と胴縁の室内側の面が実質的に面
    一に構成されている請求項1または2に記載の断熱施工
    法。
  5. 【請求項5】前記繊維質断熱材の取付支持片の幅が10
    mm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の断
    熱施工法。
  6. 【請求項6】繊維マットの表面、裏面、長辺方向に沿っ
    た両側面および短辺方向に沿った両側面の六面の全てが
    フィルムで被覆されている繊維質断熱材を用いる請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の住宅の断熱施工法。
  7. 【請求項7】繊維マット、該マットの少なくとも一面に
    設けた透湿抵抗10m2・h・mmHg/g以上の防湿
    フィルム、および前記マットの長辺方向と短辺方向に沿
    った四側面から延出した取付支持片とからなり、前記マ
    ットの長辺の長さが820〜1300mmであり、短辺
    の長さが330〜650mmであることを特徴とする天
    井用繊維質断熱材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010024638A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Panasonic Corp 住宅

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