JP2000352130A - 断熱材 - Google Patents

断熱材

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JP2000352130A
JP2000352130A JP16689299A JP16689299A JP2000352130A JP 2000352130 A JP2000352130 A JP 2000352130A JP 16689299 A JP16689299 A JP 16689299A JP 16689299 A JP16689299 A JP 16689299A JP 2000352130 A JP2000352130 A JP 2000352130A
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Japan
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moisture
insulating material
heat insulating
film
proof film
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JP16689299A
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Youji Nunoi
洋二 布井
Masahiko Ikeda
昌彦 池田
Kiichi Yamatsuta
紀一 山蔦
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気象条件や立地条件等の環境に左右されず、
壁の内外で温度差が生じ易い夏季や冬季においても、結
露が発生しない断熱材を提供すること。 【解決手段】 第1の防湿フイルムを介して当接した2
層の無機質繊維マットからなる断熱材において、前記断
熱材の室内側表面が第2の防湿フイルムで覆われている
ことを特徴とする断熱材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の壁構造体内
部の結露防止に優れた無機質繊維断熱材(以下単に断熱
材という)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の壁にガラスウール等の断熱
材を充填して建物を断熱する場合、冬季の結露を重視
し、湿気の多い室内側に防湿層(防湿フイルム)を設け
て結露を防ぎ、断熱材を介して室外側は湿気が抜けやす
い構造が望ましいとされていた。しかし、夏場にはこの
ような構造の壁では、冷房等により室内が冷やされてい
るため、外気の湿気が壁を通ったり、日射を受けた外壁
等の合板から多量の水分が放出されたりして、室内側に
設けた防湿フイルムの外壁側の面に到着し、そこで結露
を引き起こすという問題を有していた。
【0003】この問題を解決するために、防湿フイルム
を外壁側に設けると、逆に冬季に結露するため、防湿フ
イルムとして断熱材の中間に防湿フイルムを設ける方法
が特開平8−27917号公報で提案されている。この
方法では、温度差の影響の少ない断熱層の内部に、該断
熱材の表裏面と平行に防湿フイルム(以下、中間防湿フ
イルムという)を配置することにより、夏冬の結露を防
止することができるものであった。更に前記中間防湿フ
イルムの位置を室内側から厚さ方向に20〜40%の範
囲で変えることで、使用地域に合った結露を防止するこ
とが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平8−2
7917号公報に開示された発明は、冬季に適用させて
いた従来の室内側防湿フイルムよりも室外側に防湿フイ
ルムを配置するために、従来よりも冬季結露防止の性能
が劣り、断熱材をそのまま壁に充填すると、冬季室内側
から進入した湿気が中間防湿フイルムの室内側の面で結
露を起こす問題があった。
【0005】更にその建物に合った条件において前記中
間防湿フイルムの位置を決める必要があった。すなわ
ち、同じ地域であっても周囲の環境、例えば、日照時
間、壁の方角等によって条件が変化するために、中間防
湿フイルムの位置を建築場所ごとに条件を把握して、中
間防湿フイルムの位置決めをしなければならないといっ
た問題を有していた。従って、本発明の目的は、気象条
件や立地条件等の環境に左右されず、壁の内外で温度差
が生じ易い夏季や冬季においても、結露が発生しない断
熱材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、第1の防湿フイルムを介して当接した2
層の無機質繊維マット(以下単にマットという)からな
る断熱材において、前記断熱材の室内側表面が第2の防
湿フイルムで覆われていることを特徴とする断熱材を提
供する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明は、図1に示す如
く、マット1,1’の間に該マットの表裏面と平行に配
置した第1の防湿フイルム2、及び室内側の表面に配置
した第2の防湿フイルム3を設けることを必須とする。
前記第1の防湿フイルム2と第2の防湿フイルム3とを
設けることにより、年間を通して結露の懸念の少ない断
熱材が、作業性良く、且つ確実に形成される。
【0008】本発明において使用するマット1,1’
は、特に限定されず、ガラスウール、ロックウール等の
無機質繊維に熱硬化性樹脂を主成分とするバインダーを
付与して堆積させ、バインダーを加熱硬化させてマット
状に成形したものを用いることができる。又、マットの
密度は、5〜100kg/m3程度とするのが好まし
い。
【0009】本発明においてマットを被覆するとしてフ
イルムは、紙、アルミニウム、樹脂フイルム、有機繊維
不織布、無機繊維不織布等が挙げられるが、取扱性等か
ら樹脂フイルムが好ましく、第1及び第2の防湿フイル
ムとしては樹脂フイルムが好ましい。樹脂フイルムとし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート等の熱
可塑性樹脂のフイルム、これらの積層品、これらにアル
ミニウム等の金属を蒸着したもの、異種の樹脂フイルム
やアルミニウム箔等をラミネートしたもの等が挙げられ
る。
【0010】前記第2の防湿フイルム3の厚さは、使用
する箇所の必要な透湿抵抗にもよるが10〜200μm
が好ましく、15〜100μmがより好ましい。第2の
防湿フイルム3の厚さが10μm未満の場合には、引裂
強度が不十分であったり、ピンホールが存在する場合が
あるために好ましくなく、一方、200μmを超える
と、重量が重くなり過ぎて好ましくない。上記第2の防
湿フイルム3の透湿抵抗は30〜3000m2Hrmm
Hg/gであることが好ましく、30〜500m2Hr
mmHg/gであることがより好ましい。これらのフイ
ルムの透湿抵抗は、フイルムの材質や厚みを変えること
によって所望の値にすることができる。
【0011】更に、第1の防湿フイルム2の透湿抵抗
は、30〜300m2HrmmHg/gであることが好
ましい。上記第1の防湿フイルム2の透湿抵抗(R1)
と前記第2の防湿フイルム3の透湿抵抗(R2)との関
係は、下記式
【数2】 を満たすこと、即ち、第2の防湿フイルム3の透湿抵抗
(R2)が、R1の2〜100倍であることが好まし
い。このように室内側の第2の防湿フイルム3の透湿抵
抗を高めることにより、冬季における室内外の温度差に
よる結露を継続的に防止することが可能となるためであ
る。
【0012】ここで透湿抵抗の算出方法を以下に説明す
る。 JIS Z 0208に規定されている方法(カップ
法)に基づいて、合成樹脂フイルムの透湿度を測定す
る。 次式によって、透湿度から透湿抵抗を算出する。
【数3】 上記の式における水蒸気圧差Dとは、透湿度を測定し
た際の合成樹脂フイルムを境界にした上下の空間のそれ
ぞれの水蒸気圧の差である。尚、透湿度の測定では、一
方の空間を乾燥状態に保つため、他方の空間の水蒸気
圧、すなわち透湿度を測定する雰囲気の水蒸気圧を上記
の水蒸気圧Dとして使用しても差し支えない。例えば、
JIS Z 0208における温湿度条件A(温度25
℃、相対湿度90%)の場合は、温度25℃の飽和水蒸
気圧23.756mmHgの90%の値(21.380
mmHg)を水蒸気圧Dとして使用して差し支えない。
【0013】本発明の室内側表面を被覆する第2の防湿
フイルム3は、該フイルムを、柱、間柱、土台及び桁等
にしっかり固定するとともに、柱、間柱、土台及び桁で
囲まれた空間を該フイルム3で完全に覆い、空間に湿気
が侵入するのを防ぎ、空間内での内部結露を防止するた
めに、図1に示すように、マット1,1’の長辺方向に
沿った両側面から第2の防湿フイルム3が耳状(フラン
ジ状)に延出していることが好ましく、更に短辺方向に
沿った両側面からも耳状に延出していることがより好ま
しい。
【0014】マットの長辺方向に沿った両側面から第2
の防湿フイルム3を延出させる場合、その長さ(a)は
10〜100mmが好ましく、20〜50mmがより好
ましい。第2の防湿フイルム3の延出長さが10mm未
満の場合には、断熱材の施工時にステープル留めがしに
くくなり、100mmを超える場合には、幅の広い第2
の防湿フイルム3が必要となって、経済的に不利になる
ので好ましくない。
【0015】又、マットの短辺方向に沿った両側面から
第2の防湿フイルム3を延出させる場合、その長さ
(b)は10〜200mmが好ましく、70〜170m
mがより好ましい。上記第2の防湿フイルム3の延出長
さが10mm未満の場合には、製造工程において、押圧
切断装置により接着及び切断することが困難であるとと
もに、断熱材の施工時にステープル留めがしにくくなる
ので好ましくない。一方、上記第2の防湿フイルム3の
延出長さが200mmを超える場合には、断熱材の包装
や施工の際に邪魔になることがあるとともに、第2の防
湿フイルム3の必要長さが増え、経済的に不利になる。
【0016】又、本発明は、図3、図7及び図8に示す
ように、マット1,1’から繊維や繊維粉が飛散するこ
とを防止するために、断熱材の室外側表面及び側面を樹
脂フイルム4で被覆することが好ましい。この場合、前
述した樹脂フイルム一枚で被覆しても、二枚で被覆して
もよい。前記室外側フイルム4は断熱材の梱包時の圧縮
や施工時の復元に必要な空気の流出流入を容易にすると
ともに、内部の湿気を通気によって逃がすために、透湿
抵抗を10m2HrmmHg/g以下にすることがより
好ましい。この場合、図8に示すように直径1〜5mm
程度の通気孔5を多数設けた孔開きフイルムを用いるこ
とが好ましい。
【0017】本発明は、断熱材と柱の間に隙間がある
と、夏季の場合は、外壁からの湿気がこの隙間を通過し
て、第1の防湿フイルム2で防湿することが困難になる
ので、第2の防湿フイルム3と第1の防湿フイルム2と
によって得られる防湿性能を低下させないように、断熱
材の寸法は、柱間からバックリングを起こして(膨れだ
して)隙間が生じず、嵌め込みやすい程度で、柱間の寸
法より大きく充填できる寸法であることが好ましい。例
えば、幅900mm程度までの柱間に充填する場合の大
きさ加減は、マットの密度が12kg/m3までの場
合、柱間の枠寸法より、3〜8%大きくすることが望ま
しい。同じく密度が24kg/m3までの場合は、2〜
5%大きくすることが望ましい。
【0018】更に、本発明において第1の防湿フイルム
2は、図2に示すように、断熱材1,1’から延出した
形態も可能である。前述したように断熱材の寸法が適当
に大きいものであれば、断熱材の弾力で充填枠からずり
落ちることはなく、特に枠留めしなくとも、透湿抵抗も
実用上問題のない程度に高く確保でき、第1の防湿フイ
ルムでの防湿が困難となるような隙間が生じることがな
く好ましい。断熱材が柱間より同じか或いは小さい場合
や、柱と第1の防湿フイルム2との確実な密着性を向上
させる場合に、第1の防湿フイルム2の延出部分を、柱
枠にタッカー等で留めることが好ましい。
【0019】第1の防湿フイルム2を持つ本発明の断熱
材の製法としては、例えば、一旦繊維化及び集綿し、熱
硬化性樹脂の結合剤を塗布して加熱キュアしたマット
を、所定の位置で厚さ方向に鋸刃等で2分割するか、前
記マットを2枚用意し、その間に第1の防湿フイルム2
を差し入れ、フイルム2とマットとを一体化し、マット
の室内側表面に第2の防湿フイルム3を接着剤で一体化
する方法が挙げられる。この際、マット1とマット1’
の厚みは同じでも、マット1の方が薄くてもよい。
【0020】更に断熱材の室外側表面、及び側面のうち
少なくとも長辺方向に沿った両側面を樹脂フイルムで被
覆することが好ましい。この室外側表面及び側面を被覆
する方法は、図7、図8及び図9に示すように、部分的
又は全辺に渡って樹脂フイルム4とマットを接着剤で接
着し、更に樹脂フイルム4と第2の防湿フイルム3とを
接着する方法が好ましく採用される。
【0021】マットと樹脂フイルム4とを一体化する方
法は、マットをフイルム4で挟持させる方法でも可能で
あるが、接着剤で接着することが好ましい。又、前記フ
イルム同士を接着する方法としては、熱融着させる方
法、接着剤を用いる方法が挙げられるが、接着性や接着
時間が短いことから接着剤を用いることが好ましい。
【0022】前記接着剤としては、例えば、エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂等のホットメルト系接着剤、ク
ロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム
糊、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の水溶性接
着剤、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等のエマル
ジョン系接着剤等を用いるのが好ましいが、接着に要す
る時間が短いことから、粘着系のホットメルト系接着剤
がより好ましい。
【0023】又、接着剤を、第1の防湿フイルム2、第
2の防湿フイルム3及び(その他の)樹脂フイルム4に
塗布する方法は、特に限定されず、スプレーを用いる方
法、ロールコーターを用いる方法等が採用できるが、接
着剤を断続的に塗布する場合には、エアアトマイズ方
式、スパイラルスプレー方式、広幅スプレー方式等のス
プレーを用いる方法が好ましく、塗布幅を一定に保ち易
いことから広幅スプレー方式が特に好ましい。尚、スプ
レーを用いて、接着剤を断続的に塗布するには、スプレ
ー装置の接着剤吐出口に、電磁式等の弁を設け、この弁
を所定間隔で開閉するように制御して、接着剤を断続的
に吐出させればよい。尚、本発明では、樹脂フイルム同
士を接着する場合、図7に示すように部分的に未接着部
分が残るようにし、断熱材の梱包時の圧縮や施工時の復
元の際の空気の流出、流入を助ける通気孔5とすること
も可能である。
【0024】接着剤の塗布位置は、マットの表面及び/
又は裏面に、長手方向に沿って、樹脂フイルム同士の接
着位置に隣接する部分、マットの短辺方向の略中央部等
とするのが好ましい。又、接着剤の塗布幅は、断熱材の
幅の1/5〜1/2程度とするのが好ましく、例えば、
通常の住宅用断熱材の場合には、100mm程度とする
のが好ましい。尚、上記において、単位面積当たりの接
着剤の塗布量は、1〜10g/m2が好ましく、1〜5
g/m2がより好ましい。
【0025】次に、図面に示す本発明の幾つかの実施の
形態を説明する。図1は、既に説明の通り、本発明の断
熱材の基本形態であり、図2も既に説明の通り、本発明
の他の1実施形態である。図3は、図4にその断面を示
すように、第1の防湿フイルム2と樹脂フイルム4とで
マット1又はマット1’を包囲した断熱材の2枚を積層
した構成であり、このような構成における第1の防湿フ
イルム2、樹脂フイルム4及びマット1,1’は前記説
明の通りであるが、図3及び図4における第1の防湿フ
イルム2の透湿抵抗は、前記と同様な値とする。又、図
示していないが、上下の断熱材に適当な通気孔を設ける
ことも好ましい。
【0026】図5は、図2に示す実施形態において2枚
のマット1,1’に挟持された第1の防湿フイルム2の
延出部分を、第2の防湿フイルム3に接着させてマット
1’の長手方向の側面を被覆した例であり、図6に示す
実施形態は、上記の第1の防湿フイルム2をマット1’
の全ての側面に延出させ、該延出部分によってマット
1’の、第2の防湿フイルム3のある部分を除く全ての
側面を被覆した例である。
【0027】図7、図8及び図9は、第2の防湿フイル
ム3と樹脂フイルム4とにより、マットの全ての部分を
被覆し、適当な方法で通気孔5を設けた例である。この
例は、図10、図11及び図12にその断面を示すよう
に、マット1,1’の中間に第1の防湿フイルム2が設
けられており、図10に示す例では、該第1の防湿フイ
ルム2の延出部分は第2の防湿フイルム3に接着される
とともに、その上にマット1を載置した状態で、全体が
樹脂フイルム4により被覆されている。図11に示す例
では、第1の防湿フイルム2の延出部分はマット1’の
底面に折り込み接着され、その上にマット1を載置した
状態で、全体が樹脂フイルム4により被覆されている。
図12に示す例では、図1の第2の防湿フイルム3をマ
ット1’に貼る前に、マット1とマット1’との間に第
1の防湿フイルム2を挟み込んだ状態で、樹脂フイルム
4でマット1,1’の全体を被覆し、その樹脂フイルム
4の延出部分をマット1’の底面に折り込み、その状態
で第2の防湿フイルム3に接着されている。この場合に
は、各フイルム同士及びマットとフイルムとを同時に接
着剤で接着できるので工程的に合理的である。図7、図
8及び図9に示されるように、断熱材の梱包時の圧縮や
施工時の復元に必要な空気の流出流入を容易にするため
に、図7及び図9では、未接着部分を通気孔5とし、図
8では多数の小孔を設けて通気孔5としている。
【0028】上記図7〜12に示す実施形態が本発明の
ベストモードであり、これらの断熱材を用いた外壁は、
年間を通して結露の懸念が少ないとともに、マット全体
が樹脂フイルム4によって被覆されていることから、微
細繊維の発生による問題がなく、且つ通気孔5の形成に
よって、運搬時や作業時において断熱材の形状の圧縮・
収縮及び復元が容易であり、作業性にも非常に優れる。
図7〜12に示す本発明のベストモードにおいても、使
用する各種材料、それらの厚み、サイズ、物性等は前記
と同様である。
【0029】次に、1例として、図8の示す本発明の断
熱材を用いる外壁の断熱施工例を図13を説明する。通
常の外壁構造は、サイディングボード等の外装材とプラ
スターボード等の内装材とが、所定間隔をおいて設けら
れた間柱に固定され、これらの構造材によって区画され
る空間に断熱材が充填されて構成される。本発明の断熱
材を使用する場合、間柱に外装材を固定した後、断熱材
をその間柱間に挿入し、断熱材の周辺に延びている第2
の防湿フイルム3又は該フイルム3と樹脂フイルム4と
の積層体の部分を用いてタッカー等の適当な手段で間
柱、梁、その他の構造材に固定する。この際、外装材と
断熱材との間に、断熱材に接して合成紙や不織布等の防
水透湿シートを設けることが好ましい。次いで内装材を
施工することによって目的とする断熱外壁が完成する。
【0030】尚、図13に示す施工例は単なる1例であ
り、本発明の断熱材は、その適用箇所には限定されず、
外壁のように、その外側と内側との間に温度差が生じる
2室間の内壁、天井、床、更には建物以外の構造物の隔
壁等にも有用であることは勿論である。以上のように第
1の防湿フイルム2と第2の防湿フイルム3とを用いて
断熱材を構成し、該断熱材を壁体内に配設することによ
って、年間を通して結露の懸念の少ない断熱外壁を作業
性良く、確実に施工できる。
【0031】
【実施例】次に比較例及び実施例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 比較例断熱材1 :長さ2808mm、幅440mm、厚さ10
0mm及び密度16kg/m3のガラスウールマットを
用い、その一方の面に防湿フイルム(材質:ポリエチレ
ン、厚み:50μm)を接着剤で貼合し、枠寸法より4
%大きい断熱材とした。該断熱材の防湿フイルムがある
以外の面は裸である。断熱材2 :長さ2700mm、幅430mm、厚さ10
0mm及び密度12kg/m3のガラスウールマットを
用い、該マットの室内側から30%厚みの位置に第1の
防湿フイルム(材質:ポリエチレン、厚み:100μ
m)を介在させて比較例の断熱材とした。該断熱材の被
覆形態はD型とした。断熱材3 :長さ2700mm、幅430mm、厚さ10
0mm及び密度16kg/m3のガラスウールマットを
用い、該マットの室内側から30%厚みの位置に第1の
防湿フイルム(材質:ポリエチレン、厚み:100μ
m)を介在させて比較例の断熱材とした。該断熱材の被
覆形態はD型とした。
【0032】実施例断熱材4 :断熱材2と同じガラスウールマットを用い、
厚さ中央位置に第1の防湿フイルム(材質:ポリエチレ
ン、厚み:30μm)を介在させ、室内側に第2の防湿
フイルム(材質:ポリエチレン、厚み:50μm)を接
着剤で貼合し、マットが枠寸法より4%大きい実施例の
断熱材とした。該断熱材の被覆形態はA型である。断熱材5 :断熱材1と同じガラスウールマットを用い、
厚さ中央位置に第1の防湿フイルム(材質:ポリエチレ
ン、厚み:30μm)を介在させ、室内側に第2の防湿
フイルム(材質:ポリエチレン、厚み:50μm)を接
着剤で貼合し、寸法より4%大きい実施例の断熱材と
した。該断熱材の被覆形態はA型である。断熱材6 :断熱材1と同じガラスウールマットを用い、
厚さ1:2で室内寄りに第1の防湿フイルム(材質:ポ
リエチレン、厚み:50μm)を介在させ、室内側に第
2の防湿フイルム(材質:ポリエチレン、厚み:200
μm)を接着剤で貼合し、枠寸法より4%大きい実施例
の断熱材とした。該断熱材の被覆形態はC型である。
【0033】断熱材7:長さ2754mm、幅435m
m、厚さ100mm及び密度24kg/m3のガラスウ
ールマットを用い、厚さ中央位置に第1の防湿フイルム
(材質:ポリエチレン、厚み:50μm)を介在させ、
室内側に第2の防湿フイルム(材質:ポリエチレン、厚
み:200μm)を接着剤で貼合し、枠寸法より2%大
きい実施例の断熱材とした。該断熱材の被覆形態はC型
である。断熱材8 :断熱材1と同じガラスウールマットを用い、
厚さ中央位置に第1の防湿フイルム(材質:ポリエチレ
ン、厚み:50μm)を介在させ、室内側に第2の防湿
フイルム(材質:ポリエチレン、厚み:200μm)を
接着剤で貼合し、枠寸法より4%大きい実施例の断熱材
とした。該断熱材の被覆形態はB型である。
【0034】上記比較例及び実施例における被覆形態は
以下の通りである。 A型:第1の防湿フイルムがマットと同一寸法である形
態(図1参照) B型:第1の防湿フイルムが、その4辺においてマット
から30mmずつ延出している形態(図2参照)。 C型:前記A型においてマットの室内側を除き全面が厚
さ0.02mmのポリエチレンフイルムで被覆され、室
外側に直径1mmの孔を約35000個/m2設けた形
態(図8参照)。 D型:前記C型の第2の防湿フイルムが全面に直径1m
mの孔を有する0.02mm厚のポリエチレンフイルム
である。
【0035】前記比較例及び実施例の断熱材の性能試験
用の壁構成として、幅900mm、高さ2700mm、
太さ100mmの木の柱で構成される北向き及び南向き
の壁面が、外側から、窯業系サイディング(旭硝子製
ほんばん(商標)、厚さ12mm)、20mmスペー
スの通気層、防水透湿シート(タイベック(商
標))、断熱材充填用空間、厚さ12mmの石膏ボ
ードの順で重ね合わせて壁構成K1とする。又、試験用
の壁構成K2は、上記K1の構成からの通気層をなく
した構成である。壁構成K1〜2を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記の壁構成K1〜2と前記の比較例及び
実施例の断熱材とを下記表2に記載のように組み合わせ
て壁を構成した。各壁体内の床上1mの高さの位置(測
定ポイントは図14参照)における相対湿度を、湿度セ
ンサー(神栄製、THP−B3T)を用いて、冬季(1
2〜2月)及び夏季(7〜9月)を通して長野(地区
1)及び名古屋(地区2)において測定し、相対湿度が
95%を越える一日のうちの時間割合(H%)をそれぞ
れ集計し、その結果を表3に纏めた。尚、測定ポイント
は、第2の防湿フイルムの裏面(断熱材側)をA点、第
1の防湿フイルムの室内側面をB点、室外側をC点とし
た(図14参照)。又、比較例1については中間防湿フ
イルムである第1の防湿フイルムがないので、断熱材の
室外側をB点とした。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】上記表の結果からして、夏季おいて、比較
例2、3及び4の仕様は、第2の防湿フイルムがないた
め、室外から室内への湿気の移動が妨げられないので、
A点での相対湿度が実施例と比較しても低く安全である
といえる。しかし、冬季においては、比較例2、3及び
4は室内から室外への湿気の移動を止めることができ
ず、実施例と比較してB点での相対湿度が高くなり、壁
内が高湿化し結露が発生し易くなった。室内と室外との
環境差を通年で考慮すると、通常、夏季の状態より冬季
の状態の方が温度の差が長期にわたって続くので、特に
冬季に結露が発生しないことが重要である。
【0041】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、第1の防湿
フイルム(中間防湿フイルム)を介し且つ第2の防湿フ
イルム(室内側用の防湿フイルム)を付属して一体化さ
れた断熱材を、住宅の壁内に充填し第2の防湿フイルム
を柱に留めることによって、年間を通して壁体内の結露
や高湿化を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例の断熱材の構成を説明する図。
【図2】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図3】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図4】 図3の断熱材の断面を説明する図。
【図5】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図6】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図7】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図8】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図9】 本発明の他の例の断熱材の構成を説明する
図。
【図10】 図7又は図8の断熱材の断面を説明する
図。
【図11】 図7又は図8の断熱材の断面を説明する
図。
【図12】 図9の断熱材の断面を説明する図。
【図13】 本発明の断熱材の使用を説明する図。
【図14】 実施例及び比較例における湿度測定ポイン
トを説明する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山蔦 紀一 東京都千代田区神田鍛冶町3丁目6番地3 旭ファイバーグラス株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DB05 DD01 FA03 FA11 FA14 GA23 GA42 HA32 HA33 HB04 HC07 HD11 JD02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中間に第1の防湿フイルムを介して当接し
    た2層の無機質繊維マットからなる無機質繊維断熱材に
    おいて、前記無機質繊維断熱材の室内側表面が第2の防
    湿フイルムで覆われていることを特徴とする無機質繊維
    断熱材。
  2. 【請求項2】前記第2の防湿フイルムが、前記無機質繊
    維断熱材の少なくとも長辺方向に沿った両側面から延出
    している請求項1に記載の無機質繊維断熱材。
  3. 【請求項3】前記無機質繊維断熱材の長辺方向に沿った
    両側面から延出した前記第2の防湿フイルムの長さ
    (a)が、10〜100mmである請求項1又は2に記
    載の無機質繊維断熱材。
  4. 【請求項4】前記第2の防湿フイルムが前記無機質繊維
    断熱材の短辺方向に沿った両側面から延出しており、そ
    の延出した長さ(b)が10〜200mmである請求項
    1〜3の何れか1項に記載の無機質繊維断熱材。
  5. 【請求項5】前記無機質繊維断熱材の側面のうち少なく
    とも長辺方向に沿った両側面、及び室外側表面が、樹脂
    フイルムで覆われている請求項1〜4の何れか1項に記
    載の無機質繊維断熱材。
  6. 【請求項6】前記無機質繊維断熱材の全ての表面が、樹
    脂フイルムで被覆されている請求項1〜5の何れか1項
    に記載の無機質繊維断熱材。
  7. 【請求項7】前記第1及び第2の防湿フイルムの透湿抵
    抗が、30〜3000m2HrmmHg/gである請求
    項1〜6の何れか1項に記載の無機質繊維断熱材。
  8. 【請求項8】前記第1の防湿フイルムの透湿抵抗R1
    が、30〜300m2HrmmHg/gであり、前記第
    2の防湿フイルムの透湿抵抗R2が、下記式 【数1】 を満たす請求項1〜7の何れか1項に記載の無機質繊維
    断熱材。
  9. 【請求項9】前記無機質繊維断熱材の室外側表面の樹脂
    フイルムの透湿抵抗が、10m2HrmmHg/g以下
    である請求項1〜8何れか1項に記載の無機質繊維断熱
    材。
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