JP3665299B2 - 遮熱材を用いた外壁断熱構造、及び断熱パネル - Google Patents

遮熱材を用いた外壁断熱構造、及び断熱パネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物の外壁を、通気性及び断熱性に優れた新規な構造とし、施工容易、且つ省エネルギー化された建築物を提供せんとするものであり、建築の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な住宅の外壁の断熱構造としては、主に構造体を形成する縦材(柱、間柱)と横材(梁、土台)で規定する壁空間に断熱材等を配置する充填断熱と、外壁構造体の外周部に断熱材を配置する外張断熱とが存在し、充填断熱は、壁厚を大きくせずとも充分な断熱材厚と出来る利点がある。
【0003】
〔従来例1〕
図8は、従来の一般的な充填断熱施工の説明図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B断面図である。
図から明らかな如く、室外側の柱、間柱(縦材)面上に薄いベニヤ板等の防風層を張設し、次いで、室内側から各縦材間に断熱材を充填し、断熱材への室内側からの水蒸気を遮断するための防湿フィルム(防湿シート)を施工して内面材を釘で張設する。
【0004】
次いで、室外側には、各縦材(柱、間柱)表面に防風層上から通気用下地材を固定し、外装材(外壁材)を通気用下地材に張設し、防風層と外装材との間に通気層を形成する。
従って、外壁は各柱(縦材)間に断熱材が充填され、該断熱材には、室内側からの湿気が防湿フィルムによって遮断され、室外側表面の防風層によって吸放湿可能兼防水状態に保護されることとなり、通気層での外気の導通によって外壁内の結露も阻止出来る。
【0005】
〔従来例2〕
図9は、特開平9−184213号公報に開示された外壁断熱構造であって、断熱材のクッション性によって通気層が埋まる問題を解決するものであり、柱間にグラスウール、ロックウール等の無機繊維断熱材を、透湿シートで周側面及び室外側表面を保護して充填し、室内側には防湿シートを張設し、室外側には、柱表面に縦胴縁を固定して縦胴縁間にハニカム構造の通気部材を嵌入し、通気部材の上面(表面)に外壁材を張設するものである。
即ち、従来例1に於ける通気層内にハニカム構造の通気部材を介在させたものである。
【0006】
そして、ハニカム構造通気部材は、透湿防水性を備えた外壁下地材としての外壁側面材と、透湿防水性の不織布シート防水加工紙から成る内壁側面材とを折り曲げ可能な連結材でハニカム状に連結し、通気路を両面材間の連結材間によって形成保持したものである。
従って、外壁材と断熱材間には断熱材のクッション性によっても埋没することのない通気路が確保出来、通気性と断熱性を兼備した外壁構造となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図8の従来例1の如き一般的な充填断熱施工にあっては、工数が多くて施工が煩雑であり、断熱材層の変位によって通気層が埋没する恐れがある。
しかも、断熱材は伝導熱遮断機能を発揮するため、断熱機能を高めれば蓄熱機能も高まり、例えば夜間に外気温が低下しても、断熱材は蓄熱体として長時間室内側へ蓄熱量を放出し続けることとなり、室内の冷房エネルギーの負荷となる。
【0008】
また、図9の従来例2の外壁断熱構造にあっても、断熱材の透湿シートによる保護、充填、及び縦胴縁を柱に固定した後の通気部材の嵌入取付け等が煩雑であり、しかも、通気部材は単に通気路を確保するだけのものであって断熱機能は断熱材のみが発揮するため、断熱壁厚は断熱材厚+通気部材厚となり壁厚が大きくなる欠点がある。その上、断熱材の機能は、従来例1と同様に、高温外気を受けて伝導熱遮断するため、断熱材中に負荷熱が蓄熱されることとなり、従って、断熱材は、外気温が低下しても蓄熱体として室内側へ長時間にわたって放熱することとなる。
【0009】
本発明は、これら従来例1,2では全く着目されていない、外壁への外部からの加熱のうち、断熱材表面への熱線加熱を遮熱材で遮断して断熱材の輻射熱加熱を阻止し、遮熱材層直下の断熱材に対する熱的負荷を軽減すると共に、遮熱材で外気導通用の通気路を確保することにより、各従来例では予想すら出来なかった、高断熱、低蓄熱、且つ結露防止能を発揮する画期的な外壁断熱構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段、及び作用】
例えば、図1,図2に示す如く、柱5、間柱50等の縦材と、横架材6、土台材60等の横材で形成した壁空間Ws(図4)内の室内側には、断熱材3を配置し、断熱材3の室外側表面には、少なくとも上面シート21及び下面シート22を含み、少なくとも下面シート22が輻射熱反射層Reを備えた上下複数シート21,22,23から成り、シート表面での輻射熱反射作用とシート間の空気層空間S1による空気流通作用とを奏する遮熱材2を、遮熱材2の空気層空間S1の両端縁が各横材6,60と間隔Dを保ち、且つ、上面シート21が縦材5,50と面一に張設し、縦材5,50表面に通気層S0を介在して外壁材8を張設し、各空気層空間S1の両端部を通気層S0と空気流通可能に配置し、断熱材3室外側の実質上全表面を遮熱材2によって被覆保護した外壁断熱構造である。
【0011】
尚、通気層S0は、好適には、図2の如く、縦材5,50の表面に防風層(透湿防水シート)9を張設し、縦材5,50の防風層9上に通気胴縁材7を用いて外壁材8を取付けて、外壁材8と防風層9間に形成するが、遮熱材2の両端縁が上下横材6,60間に亘って、図2(B)に示す如く、間隔Dを保って配置されるため、遮熱材内の空気層空間S1は、防風層9を介して通気層S0と連通する。
論、防風層9は必須でなく、通気層S0が遮熱材2の空気層空間S1と空気流通可能であれば良い
た、遮熱材2の空気流通作用のための空気層空間S1は、遮熱材2が上面シート21と下面シート22のみの2層形態で1層の空気層空間S1を形成しても、或いはシートが多層形態(3層以上)で複数層の空気層空間S1を形成しても良いが、遮熱材2内部の加熱空気を放出するために、少なくとも1層の空気層空間S1は必須である。
【0012】
また、「断熱材3の室外側の実質上全表面を遮熱材によっ被覆保護」の意は、断熱材3表面への輻射熱阻止作用が全表面被覆の場合と略同一である場合の被覆保護形態をも含むものであり、断熱材3の両端部等が下面シート22から若干露出する場合をも含む意である。
また、輻射熱反射層Reは下面シート22のみであっても断熱材3の表面への輻射熱による伝達が阻止出来るため、下面シート22表面への輻射熱反射層Re付与は必須であるが、下面シート22以外のシート21,23等にも輻射熱反射層Reを付与すれば、断熱材3の熱負荷軽減効果はより大となる。
【0013】
また、輻射熱反射層Reは、アルミ蒸着膜等の熱線反射層でも良いが、アルミ箔の如き熱線反射能を有する金属箔層が微視的に平坦面であって正反射をする点、シート材との接着で容易に形成出来る点より有利であり、特にアルミ箔の採用が機能面、コスト面、製作加工面からも有利である。
また、断熱材3としてはグラスウール系断熱材、ロックウール系断熱材、グラスウール圧縮板、合成樹脂発泡板状断熱材等、慣用の各種断熱材の採用が可能である。
【0014
また、遮熱材2は、図2の如く、空気層空間S1の両端縁、即ち、上面シート21及び中間シート23の両端縁が各横材6,60と間隔Dを保つように配置することとなる。
この場合、下面シート22による断熱材3の被覆保護は、下面シート22を上面シート21や中間シート23より延長形態として、断熱材3の表面を全面被覆するのが、断熱材3への輻射熱阻止上好ましいが、遮熱材の空気層空間S1の各横材6,60との空気吸入吐出用間隔Dが小寸(3〜5cm)の場合は、間隔D部で断熱材3が露出しても、断熱材全表面積に対する無視出来る露出面であって、実質上全表面の被覆と同様の断熱材3への遮熱材2による輻射熱阻止効果が期待出来る。そして、遮熱材2の各シート21,22,23が等長の場合は、遮熱材2を連続長尺物として製作した後、所定寸法に切断出来るため、遮熱材2の製作が合理化出来る。
【0015】
従って、本発明の断熱構造にあっては、遮熱材2の少なくとも下面シート22が輻射熱反射層Reを有するため、断熱材3への室外側からの輻射熱加熱が阻止出来て、断熱材3への室外側からの加熱は、対流熱伝達、及び伝導熱伝達のみとなるが、空気層空間S1の空気流A1(図2)により遮熱材2内の加熱空気も好適に排除出来るため、断熱材3の加熱蓄熱が好適に軽減出来、熱伝達の3要素、即ち、伝導、対流、輻射の3要素全てに対処した、高断熱、且つ低蓄熱の画期的な高性能断熱構造が得られる。
また、遮熱材2は、上面シート21が縦材(柱5、間柱50)の表面と面一に固定するため、遮熱材2の釘打ち等の取付け作業が容易となり、しかも、遮熱材2の外面が縦材5,50の表面から突出しないため、外壁構造の厚み増大が抑制出来る。
即ち、遮熱材2の輻射熱反射層Reと空気層空間S1とによって断熱材3への加熱負荷が軽減出来て、断熱材自体も肉厚が薄く出来、遮熱材2と断熱材3との合計厚みを従来の同材質の断熱材のみと略同厚と出来るため、従来の断熱材スペースに収納出来、外壁厚が従来の外壁厚と略同厚に形成出来る。
【0016
そして、遮熱材2は横材6,60と間隔D(図2)を保つように取付けるため、図2に示す如く、空気層空間S1の両端に空気流通用の空間Osが形成出来、遮熱材上面シート21を、図2の如く縦材(柱5、間柱50)及び横材(横架材6、土台材60)の表面と面一に取付けても、空気層空間S1の通気経路(矢印A1)が外壁材内面の通気層S0へ空間Osを介して好適に合流出来る形態に確保出来て、空気層空間S1の両端部は、上面シート21の外面側(通気層S0)と空気流通可能となる。そして、空気層空間S1内の空気流A1(図2)も、空気層空間S1の下端から上端への流れとなり、スムーズとなる。
【0017
また、遮熱材2は、空気層空間S1の下面を規定する各シート22,23が表面に輻射熱反射層Reを備え、且つ輻射熱反射層Reが断熱材3の延長部L3を含む全表面を被覆するのが好ましい。
尚、「延長部L3」は、図3の如く、断熱材3の長手方向両端部の遮熱材2から突出した部分であり、断熱材3を上下方向横材6,60間に配置し、遮熱材2を各横材6,60と間隔Dを保って配置したために生ずる断熱材3の上下の間隔Dに相当する部分の意である。
【0018
また、輻射熱反射層Reが断熱材3の延長部L3を覆う手段としては、遮熱材2にあって、下面シート22のみを断熱材3と同長の長寸とし、他のシート21,23等を延長部L3上に存在しないように短寸として一体化製作した遮熱材2を断熱材3上に層着しても良く、或いは、各シート21,22,23が同長の遮熱材を予め製作して断熱材3上に層着し、断熱材3の延長部L3上には、下面シート22材で別途用意した補助下面シート22´(図3)を延長部L3上に輻射熱反射層Reを上面にして貼着しても良い。
【0019
従って、断熱材3の全面が輻射熱反射層Reで被覆されるため、断熱材3の延長部L3上への熱線加熱も、輻射熱反射層Reで反射されて加熱空気流A1として遮熱材上面シート21の外面側(通気層S0)へと排出され、断熱材3への室外側からの輻射熱による加熱は完全に阻止出来、遮熱材2による断熱材3への輻射熱加熱の阻止作用は完全となる。
【0020
また、遮熱材2の少なくとも上面シート21が透湿防水性を有するのが好ましい。
この場合、上面シート21への透湿防水性付与は、図5の如く、上面シート21に多数のピンホール(微細孔)hをニードリングで穿設すれば良い。
そして、室外から通気層S0に入り込む空気流A0と遮熱材2内の空気流A1との温度差に暴される上面シート21が透湿性であれば、遮熱材2内の結露も防止出来、遮熱材2の輻射熱反射層Reの汚れが抑制出来、遮熱材2の耐候性が向上する。
勿論、中間シート23や下面シート22も透湿防水性であれば、結露防止機能はより向上する。
【0021
また、遮熱材2の透湿防水性の上面シート21の両側の突出縁21Eを縦材5,50に固定して遮熱材2を張設し、該上面シート21の上面に防風層9を張設し、防風層9上に通気胴縁材7を介して外壁材8を張設するのが好ましい。
尚、防風層9としては、空気透過性の高い薄手のスパンボンド不織布等が好ましい。
また、遮熱材2は柱5等の縦材表面との面一の取付けとなるので、遮熱材2の張設、及び防風層9の張設が容易であると共に、遮熱材2は防風層9で保護されて通気層S0内を流れる外気による汚染防止となると共に、上面シート21と防風層9との透湿性により遮熱材内の結露も防止出来る。
しかも、防風層9と外壁材8との間に通気層S0が存在するため、通気層S0内の空気流A0が遮熱材2内の加熱された空気流A1の排出を助長し、外壁材8、遮熱材2、及び断熱材3の耐候性を向上する。
【0022
また、遮熱材2は、全シート21,22,23が透湿防水性であるのが好ましい。
輻射熱反射層Reを有するシートにあってもニードリング処理によって微細孔(ピンホール)を多数穿設すれば透湿防水性となるので、この場合、図5に示す如く、遮熱材2の構成全シートに微細孔h穿設処理を施せば良い。
【0023
従って、下面シート22も透湿防水性であるため、断熱材3が吸湿しても、水蒸気(湿気)は断熱材3からの遮熱材2への放湿が可能となり、断熱材3の吸湿による断熱機能低下が抑制出来るため、断熱材としての使用材料の選択の自由度が増す。また、遮熱材2の結露汚染による輻射熱反射機能低下も抑制出来、断熱材3及び遮熱材2の耐候性が向上する。
【0024
また、遮熱材2と断熱材3とを予め層着一体化して用いるのが好ましい。
この場合、図3に示す如く、断熱材3の上下両端の延長部L3を残して遮熱材2の下面シート22を断熱材3の表面に貼着し、次いで、延長部L3上に補助下面シート22´を貼着して空気流通用の空間Osを延長部L3に形成し、遮熱材2の空気層空間S1の両端縁に間隔Dを形成することとなるが、遮熱材2一体化断熱材3は、断熱材3を壁空間Ws(図4)内に介装固定すれば、壁空間Ws内への断熱材3と遮熱材2の固定が同時に達成出来るため、外壁断熱構造の実施が合理化出来る。
しかも、遮熱材2と断熱材3との層着一体化作業は現場以外で実施出来、従って、均質な外壁断熱構造物の形成が容易となる。
【0025
また、壁空間Wsの室内側の面には防湿シート10を介して内装面材80を張設し、壁空間Wsの室外側に張設した遮熱材2の下面シート22と該防湿シート10との空間に断熱材3を配置するのが好ましい。
【0026
この場合は、グラスウール等の不定形断熱材3の吹込み充填も可能となり、板状断熱材を含む各種の慣用の断熱材の配置が容易に実施出来る。
また、断熱材充填を発泡系断熱材の現場での注入発泡により実施することも可能となる。
従って、比較的低コストの断熱材の採用も可能となり、しかも、断熱材3の壁空間Ws内への配置も容易となる。
【0027
本発明の断熱パネルは、例えば図3に示す如く、少なくとも上面シート21及び下面シート22を含み、少なくとも下面シート22が輻射熱反射層Reを備えた上下複数シート21,22,23から成り、各シート21,22,23間は、折曲自在な起立片24,25群によって連結されて空気層空間S1を備えた遮熱材2を断熱材3上に、且つ、断熱材3両端の延長部L3が遮熱材2の空気層空間S1の端縁から突出した形態に層着し、輻射熱反射層Reで断熱材3の実質上全表面を被覆したものである。
【0028
尚、断熱材3両端の延長部L3は、図3から明らかな如く、遮熱材2が被覆していない両側の端部であり、また、空気層空間S1の端縁は、空気層空間S1の上面を規定している上面シート21及び中間シート23の端縁に相当するものである。
また、延長部L3は、空気層空間S1の端縁、即ち開放口から遮熱材上面シート21の外面側、即ち通気層S0への空気の流通を保証出来れば良く、50mm前後であれば良い。
【0029
また、遮熱材2が、上面シート21と下面シート22のみの2層形態であれば、両シート間に1層の空気層空間S1が形成出来、上面シート21、中間シート23、下面シート22の3層形態であれば、図3の如く2層の空気層空間S1が形成出来ることとなるが、本発明では空気層空間S1が必須であるため、上下複数シートは、少なくとも上面シート21と下面シート22とを具備すれば良い。
【0030
また、輻射熱反射層Reは、断熱材3への輻射熱負荷を阻止するものであること、及び空気層空間S1内を外気が導通することより、断熱材3表面を覆う下面シート22に存在することが必須であり、空気層空間S1の下面を規定するシート22,23に存在すれば、各空気層空間S1毎に輻射熱を空気流A1(図2)で排除出来るため有効であるが、遮熱材2の複数シート全てに輻射熱反射層Reを付与すれば、輻射熱反射機能の低下したシートを他のシートで補完出来、空気層空間S1内の空気の高温化も抑制出来、断熱材3に対する輻射熱加熱阻止及び熱負荷軽減がより有効となる。
また、輻射熱反射層Reで断熱材の実質上全表面を被覆するためには、遮熱材2の輻射熱反射層Reを備えた下面シート22を、他のシート21,23より長くして、断熱材3と等長とすれば良い。
また、断熱材3の表面が若干露出しても、輻射熱反射機能上無視出来る程度であれば、実質上の全表面被覆に相当するものである。
【0031
従って、本発明断熱パネル1は、空気層空間S1の両端部が断熱材3の延長部L3では、既に空間Osを介して外方と空気連通形態のため、図2の如く、壁空間Ws内へ、縦材と遮熱材上面シート21とを面一に嵌合装着しても、遮熱材2内の空気層空間S1からの外方の通気層S0への空気流A1は保証され、本発明断熱パネル1を壁空間Ws内に配置すれば、遮熱材2が断熱材3への輻射熱による加熱を阻止し、且つ空気層空間S1の空気流動によって遮熱材2内の空気の高温化を抑制するため、断熱材3の伝導熱伝達抑制と相俟って、得られる外壁構造は、熱伝達の3要素、即ち、伝導、対流、輻射の3要素全てに対処した断熱構造となり、高断熱、且つ低蓄熱の画期的な高性能断熱構造となる。
【0032
しかも、遮熱材2の空気層空間S1は、遮熱材両端部では断熱材3の延長部L3上で開放されているため、遮熱材2を壁空間Ws内に柱5、間柱50の表面と上面シート21とを面一に嵌入固定することが可能となり、しかも、遮熱材2が断熱材3への熱負荷を軽減するため、断熱材3は従来品より薄く出来、遮熱材2を採用したための外壁厚さの増大を招来することもなく、外観上優れた高断熱、且つ低蓄熱の高性能断熱外壁が合理的に施工出来る。
【0033
また、遮熱材2は、上下複数の各シート21,22,23が折曲自在な起立片24,25群によって連結されているため、断熱パネル1の製作前の遮熱材2は、起立片24,25を倒伏した各シート21,22,23の積層形態として取扱うことにより、保管、搬送が容易となり、断熱パネル形成後も、遮熱材2を積層形態として取扱うことが出来、保管、搬送が容易である。
【0034
また、遮熱材2が各シート21,22,23の積層状態として取扱い可能なため、遮熱材2と断熱材3との接着剤層着時の遮熱材2への押圧操作が可能となって、層着作業が容易であり、型枠(図示せず)を用いての断熱材の発泡成形による遮熱材2との一体化層着も容易である。
【0035
また、断熱材3の延長部L3上には、輻射熱反射層Reを備えた補助下面シート片22´を層着するのが好ましい。
この場合は、遮熱材2は、上下複数の各シート21,22,23を等長として製作しておき、断熱パネル製作時に、遮熱材2を断熱材3の上下に延長部L3を残した形態で断熱材3と層着し、次いで、下面シート22と同一材料の細幅(L3幅)の補助下面シート22´を断熱材3の延長部L3上に貼着すれば良く、輻射熱反射層Reによる断熱材3の全表面被覆が達成出来る。
【0036
従って、遮熱材2の各シート21,22,23が等長であるため、遮熱材2の製造に際しては、上面シート21、下面シート22、中間シート23等の各シート、及び起立片24,25を連続長尺片として供給しながら必要個所の接着等により、各シート21,22,23を各起立片24,25で連結した積層形態の遮熱材連続体として製造し、順次所定寸法に切断して遮熱材2とすることが可能であり、遮熱材2の製作、及び断熱パネル1の製作が合理化出来る。
【0037
また、他の断熱パネル1の発明は、例えば図7に示す如く、少なくとも上面シート21及び下面シート22を含み、少なくとも下面シート22が輻射熱反射層Reを備えた上下複数シート21,22,23から成り、各シート21,22,23間は、折曲自在な起立片24,25群によって連結されて空気層空間S1を備え、且つ、空気層空間S1の上面を規定するシート21,23の両端部には空気孔O2,O2´を備えた遮熱材2を、断熱材3上に、且つ、断熱材3両端に延長部L3が存在する形態に層着し、輻射熱反射層Reで断熱材3の実質上全表面を被覆したものである。
【0038
この断熱パネル1は、図7に示す如く、遮熱材2は、上下2層の空気層空間S1を備えている場合は、空気層空間S1の上面を規定する上面シート21及び中間シート23に空気孔O2を穿設することとなり、壁空間Ws内に断熱パネル1を取付けた際に、遮熱材外面側、即ち図2の防風層9の外側の通気層S0と遮熱材2内の空気層空間S1とが空気孔O2によって空気連通状態となり、断熱材3両端の延長部L3上の空気流通用の空間OSからの作用と相俟って、遮熱材2内の輻射熱で加熱される空気の外方への放出が促進出来る。
勿論、遮熱材2が上面シート21と下面シート22との2層形態で空気層空間S1が一層の場合は、上面シート21のみに空気孔O2を穿設すれば良い。
【0039
また、空気孔O2の穿孔密度は、遮熱材2の両端部、即ち、外方の通気層S0との空気流A1の入口部及び出口部で大とすれば、空気流A1は、断熱材3両端の空気流通用の空間OSの存在と相俟って、空気層空間S1の一端部(下端部)から他端部(上端部)へ遮熱材2内を好適に貫流し、好適な煙突効果が得られる
【0040
また、遮熱材2の全てのシート21,22,22´,23が透湿防水性を有するのが好ましい。
透湿防水性の付与は、アルミ箔を貼着して輻射熱反射層Reを有するシートであっても、ニードリング処理によって微細孔(ピンホール)hを多数散在穿孔すれば良い。
そして、遮熱材2の全てのシートが透湿防水性を具備するため、例え断熱材3が室内側から吸湿しても、断熱材3→下面シート22→空気層空間S1のルートで断熱材3の水分を放出出来、また各シート21,22,23は自己吸収が可能となって、各シート面の温度差による結露も防止出来る。
従って、輻射熱反射層Reの結露汚染による熱線反射能低下も、断熱材3の吸湿による断熱機能低下も阻止出来、遮熱材2及び断熱材3の耐候性が向上する。
【0041
また、遮熱材2は、上下複数シート21,22,23、及び起立片24,25が紙材であって同長であり、起立片24,25が両端の折曲面24´,25´で上面シート21と下面シート22とに貼着しているのが好ましい。
この場合、断熱パネル1は、遮熱材2を層着した段階で上下端に延長部L3を露出するが、延長部L3には補助下面シート22´(図3)を貼着すれば、断熱材3全表面の輻射熱反射層Reによる被覆が完了する。
【0042
そして、遮熱材2の各シート21,22,23、及び起立片24,25が同長であるため、各構成材料を連続シートとしてローラー群装置に供給し、定寸切断して各遮熱材2とすることにより、製造の合理化が可能である。
また、起立片24,25の折曲面の折込み形成、折曲面24´,25´への接着剤塗布もシート状材料の走行過程で可能である。しかも、起立片24,25が遮熱材2中の全長に亘って空気層空間S1を仕切るため、各起立片24,25が空気流誘導壁となって、乱流のない空気流通が可能となる。
【0043
また、遮熱材2の下面シート22以外の各シート21,23及び起立片24,25が空気孔O2,O2´を備えているのが好ましい。
この場合、起立片24,25で仕切られた各空気層空間S1が上下左右に空気孔O2で連通しているため、各空気層空間S1内の空気流は平準化され、遮熱材2全体としては略均質の空気流通を生じ、遮熱材2の断熱材3に対する熱負荷軽減作用も、通気による水蒸気排出及び高温化空気排出も遮熱材全体としてスムーズに達成出来る。
【0044
また、断熱材3が中間に間柱50を一体化固定するのが好ましい。
間柱50の一体化固定は、単に断熱材3を間柱50の両側面に接着固定して広幅の断熱材3とし、広幅の遮熱材2を断熱材表面に層着すれば良い。
この場合、短寸法の設定に応じて断熱パネル1は柱5と柱5間の幅寸法と出来、間柱50を中間に備えた広幅の断熱パネルとなるため、壁空間Ws内への嵌合固定作業が効率化出来る。
【0045
【発明の実施の形態】
〔遮熱材(図5)〕
中間シート23用及び下面シート22用として予め表面にアルミ箔を層着した紙シートを用意し、上面シート21はアルミ箔のない紙シートを用意し、各シート用材料にはニードリング処理して微細孔(ピンホール)hを散在穿孔し、適用壁空間Wsの縦材(柱5、間柱50)間寸法に応じて下面シート22の幅W1を各縦材間寸法に、上面シート21の幅W1´は、下面シート22の幅W1+両側の突出縁21E(15mm)に、中間シート23の幅は、各起立片24,25間寸法+両側の折曲面23´とする。
【0046
また、各起立片24,25としては、アルミ箔のない紙シートを用いて、幅は遮熱材2の所定厚T2(標準30mm)+上下の折曲面24´,25´(標準20mm)とする。
そして、図5(A)に示す如く、中間シート23の折曲面23´及び起立片24,25の折曲面24´,25´の当接面に糊剤を塗布し、各シート材料21,22,23,24,25を所定寸法関係に接着押圧処理し、長さを所定横材(横架材6、土台材60)間寸法−上下の間隔D(標準50mm)に切断する。
【0047
従って、遮熱材2は、アルミ箔シート、上面シート21、中間シート23、下面シート22、及び起立片24,25の各構成部材を、全て長尺シート状態でローラー群装置(図示せず)に走行供給しながら、アルミ箔の紙シートへの層着及びニードリング処理を含め、折り目付与、折り込み、糊剤塗布、圧着、定寸切断の流れ工程で合理的に実施出来る。
【0048
得られた遮熱材2の起立片24,25を起立させれば、図5(B)に示す如く、上面シート21が両側に取付用の突出縁21Eを備え、上面シート21と下面シート22とが起立片24,25で強固に連結され、中間シート23が各起立片24,25間に差し渡し状に連結された形態で、起立片24,25によて厚さT2が確保され、且つ、全シート21,22,23が透湿防水用の微細孔hを備え、中間シート23及び下面シート22が表面に輻射熱反射層Reを備えた遮熱材となる。
【0049
〔断熱パネル(図3)〕
所定厚さ(標準50mm)で、所定壁空間Wsに嵌合する硬質ウレタンフォーム、グラスウール圧縮板等の板状断熱材3を用意し、起立片24,25が倒伏して積層形態の遮熱材2の下面シート23を、断熱材3の上下端に延長部L3を備えた形態に接着する。そして、断熱材3の上下の延長部L3上には、下面シート用材を切断した補助下面シート22´を、輻射熱反射層Reを表にして接着する。
【0050
得られた断熱パネル1の遮熱材2を起立すれば、図3に示す如く、断熱材3の表面の上下両端の延長部L3は、補助下面シート22´で覆われ、延長部L3以外は遮熱材2で覆われ、断熱材3の全表面が下面シート22と補助下面シート22´の輻射熱反射層Reで覆われ、遮熱材2の上面シート21の両側が断熱材3両側より突出縁21Eだけ突出し、且つ遮熱材2の上下2層の空気層空間S1が断熱材3の延長部L3上に開口した形態の断熱パネル1となる。
【0051
〔外壁の断熱施工(図1,図2,図4)〕
従来例1(図8)同様の手法で、図4(A)に示す如く、基礎B上に土台材60を固定し、各柱5及び間柱50を立設して壁空間Wsを形成し、図4(B)に示す如く、本発明の断熱パネル1(図3)を、遮熱材2の上面シート21の突出縁21Eが縦材(柱5、間柱50)表面に当接した形態に壁空間Ws内に嵌合固定し、横架材6を取付け、釘Nで上面シート21を縦材に固定する。
【0052
次いで、室外側では、通気性を有する不織布の透湿防水シート(防風層9)を、図2の如く、縦材(柱5、間柱50)及び横材(横架材6、土台材60)表面を介して全面張設し、防風層9上から通気胴縁材7を各縦材5,50に釘打ち固定し、通気胴縁材7上に外壁材8を取付ける。
また、室内側では、図2に示す如く、柱5、間柱50間に差し渡し固定した横胴縁材70及び、縦材、横材を介して防湿シート(防水層)10及び内装面材80を固定する。
【0053
得られた外壁断熱構造にあっては、外壁材8の下端の水切りCの空気孔(図示せず)から入り込む空気流A0が外壁材内側の通気層S0を上昇するが、空気流A0の一部は不織布の防風層9から土台材60と遮熱材2との間隔Dに空気流A1として入り込み、遮熱材2の空気層空間S1を通過して横架材6と遮熱材2との間隔Dから防風層9を介して通気層S0へと流れ出る。
遮熱材2内部の空気は、室外側からの輻射熱を輻射熱反射層Reで反射して通気層S0内の空気より湿度上昇を生じるため、防風層9の空気抵抗に打ち勝って遮熱材内を空気流A1として流動し、遮熱材2内の過度の高温化を抑制する。
【0054
また、遮熱材2内の輻射熱加熱分は、中間シート23及び下面シート22の輻射熱反射層Reによって空気層空間S1内の空気流A1として排出するため、遮熱材2内の過度の加熱は抑制出来る。
そして、外壁断熱材3の室外側からの加熱は、断熱材3の遮熱材2から露出した延長部L3も輻射熱反射層Reで保護されていることにより、輻射熱加熱が完全に阻止され、対流熱加熱と伝導熱加熱のみとなる。
従って、断熱材3は、遮熱材2の存在しない従来の外壁断熱材に比して加熱量が低減出来るため、断熱材厚も薄く出来、断熱材3への加熱量の低減と断熱材厚の低減とが相俟って、断熱材3の室外側からの加熱蓄熱が軽減出来、外気温の低下に比較的短時間で追従出来る外壁断熱構造が得られる。
【0055
また、遮熱材2の上面シート21、中間シート23及び下面シート22が、共にピンホール(微細孔)hを備えた透湿防水性を具備するため、断熱材3の吸湿による断熱機能低下が阻止出来、遮熱材各シート21,22,23に対する結露汚染による輻射熱反射層Reの反射機能低下も抑制出来る。
そして、遮熱材2が防風層9によって保護されているため、外気導通の汚染による輻射熱反射層Reの機能低下も抑制出来るため、断熱材3及び遮熱材2の耐候性も向上する。
従って、本発明の実施によって得られる外壁断熱構造は、室内側への熱伝達が、熱伝達の3要素である伝導熱伝達には断熱材3が対処し、対流熱伝達には遮熱材の空気流A1が対処し、輻射熱伝達には遮熱材の輻射熱反射層Reが対処するため、比較的薄い断熱材厚による高断熱、且つ低蓄熱の画期的断熱構造となる。
【0056
〔その他〕
図7は、空気層空間S1を上面シート21の外面側と空気流通可能とする変形例発明である。
即ち、図7に示す如く、上面シート21及び中間シート23に適数の空気孔O2を穿孔すれば、遮熱材両端の空気流通用の空間OSと相俟って、遮熱材2内部の輻射加熱された空気層空間S1内の空気は、上面シート21を覆う透湿防水シート9を解して通気層S0へ好適に排除出来る。
【0057
この場合、上面シート21及び中間シート23の特に上部及び下部に空気孔O2を高密度で穿孔し、中央部の穿孔を0又は少なくすれば、輻射熱反射機能低下を最少に抑制しながら、空気層空間S1内の空気流通作用が好適に発揮出来る。勿論、上面シート21及び中間シート23の上下端では、空気孔O2に替えて端縁からの切込み孔O2´とすることが可能であり、且つ有効である。
また、図7(B)に示す如く、起立片24,25の仕切壁面fにも空気孔O2を穿設すれば遮熱材2内の各空気層空間S1内の空気流A1がより一層平準化出来、遮熱材2の通気機能がスムーズとなる。
勿論、遮熱材2を断熱材3より若干短寸として断熱材3の両端に延長部L3を形成し、遮熱材2の上下端と横材6,60との間に若干(例えば10mm前後)の間隔Dを形成するため、空気層空間S1内の空気流A1の吸排出は、遮熱材2の両端縁の間隔Dと空気孔O2とで促進するが、断熱材3に対する遮熱材2の実質上の全表面被覆の効果を維持するように留意する必要がある。
【0058
また、実施態様例(図2)では、断熱材3の室内側(裏面)には横胴縁材70を介して防湿シート(防水層)10と内装面材80とを張設したが、縦材、横材の厚みと断熱パネル1の厚みを適切に選択して断熱材3の裏面(室内側表面)を縦材(柱5、間柱50)及び横材(横架材6、土台材60)の内側面と面一に配置すれば、内装面材80及び防水層10は、横胴縁材70なしで直接縦材、横材に張設出来て、施工が合理化出来る。
【0059
また、断熱パネル1は、図6に示す如く、中間に間柱50を挟着した形態に、間柱50の両側に断熱材3を固定して柱5,5間寸法とし、遮熱材2も両側の柱5,5間に亘る寸法として断熱材3と層着すれば、柱5,5間の壁空間Wsへ2枚の断熱パネルを同時に張設出来、施工性が向上する。
【0060
また、外壁断熱構造の発明(請求項1)の実施に際しては、実施態様例(図2)では断熱パネル1を用いたが、壁空間Ws内への断熱材3の装着固定を従来慣用の手段(従来例1,従来例2)で、且つ慣用の断熱材を採用して実施し、断熱材3の表面(室外側の面)上に、別体の本発明の遮熱材2を、下面シート22の裏面を断熱材表面に密接形態にして上面シート21の両側の突出縁21Eを両側の縦材(柱5、間柱50)上に当接して釘打ち固定しても良く、この場合は、表面の接着性に問題がある断熱材3の使用に好都合であり、断熱材3の選択の自由度も大となり、リフォーム施工にも有利である。
【0061
また、断熱パネル1は、遮熱材2として、輻射熱反射層Reを備えた下面シート22を断熱材3と同長に用意し、輻射熱反射層Reを備えた中間シート23及び輻射熱反射層Reのない上面シート21を断熱材3の両端部の延長部L3だけ短い長さで用意し、起立片24,25、上面シート21、中間シート23、及び下面シート22を手作業で接着連結して遮熱材2を製作し、断熱材3上に層着して形成しても良い。
この場合は、ローラー装置処理の困難な、例えば厚手の紙やプラスチック材の如き、比較的に剛性及び保形成の大なシート材での遮熱材2が形成出来、断熱材3として繊維片充填タイプ、或いは現場での充填発泡タイプを採用する場合に適している。
【0062
【発明の効果】
本発明の外壁断熱構造は、遮熱材2の輻射熱反射層Reが断熱材3への室外側からの輻射熱加熱を阻止するため、断熱材3への室外側からの加熱負荷が対流熱伝達と伝導熱伝達のみとなり、しかも、遮熱材2が空気層空間S1の空気流A1によって遮熱材2内部の高温化を抑制するため、断熱材3への室外側からの加熱負荷は、従来の外壁断熱構造に於ける断熱材への加熱負荷と比べて大幅に低減出来る。
【0063
従って、断熱材3厚が薄く出来ることと断熱材3への加熱負荷の低減とが相俟って、断熱材3の蓄熱量を大幅に低減出来て、外気温の低下に短時間で追従可能な断熱構造となり、建物、特に戸建て住宅に於ける省エネルギーの外壁断熱構造が提供出来る。
また、断熱材3を比較的薄く出来るため、遮熱材2+断熱材3の厚みも、従来の同一材質の断熱材厚と近似となり、図7に示す従来の多用されている外壁断熱構造に於いて、断熱材のスペースに遮熱材2と断熱材3とを配置することが出来、外壁厚を増大することなしに高断熱、低蓄熱の外壁断熱構造の提供が可能となる。
【0064
また、断熱材3の両端部が延長部L3を有して遮熱材2と層着された断熱パネル(図3)を外壁断熱構造に採用すれば、断熱パネル1を壁空間Wsに嵌合配置するだけで、断熱材3と遮熱材2との配置が合理的に実施出来、高断熱、且つ低蓄熱の外壁断熱構造の施工実施が合理化出来る。
しかも、遮熱材2の空気層空間S1が断熱材延長部L3上で開放しているため、遮熱材2の上面シート21を縦材5,50の表面と面一に取付けても、遮熱材内の空気層空間S1の必要空気流A1が保証出来、高断熱、且つ低蓄熱の外壁断熱構造が合理的に実施出来る
、本願各断熱パネルは、建物の新築時のみならず、耐用中の建物外壁のリフォーム断熱構造にも簡単に採用出来、実用性の極めて高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明外壁断熱構造の一部切欠斜視図である。
【図2】 本発明外壁断熱構造の説明図であって、(A)は横断面図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図3】 本発明断熱パネルの説明図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図4】 本発明外壁断熱構造の施工説明図であって、(A)は縦材配置状態斜視図、(B)は断熱材及び遮熱材を壁空間Wsに配置した状態の斜視図、(C)は(B)のC−C断面図である。
【図5】 本発明に用いる遮熱材2の説明図であって、(A)は折曲状態説明図、(B)は起立状態説明図である。
【図6】 本発明断熱パネルの変形例であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図7】 本発明の他の断熱パネルに用いる遮熱材の説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は上面シート21を除去した状態の斜視図である。
【図8】 従来例1の説明図であって、(A)は室外側からの一部切欠斜視図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図9】 従来例2の横断面図である。
【符号の説明】
1:断熱パネル、 2:遮熱材、 3:断熱材、 5:柱(縦材)、
6:横架材(横材)、 7:通気胴縁材、 8:外壁材、
9:防風層(透湿防水シート)、 10:防水層(防湿シート)、
21:上面シート、 21E:突出縁、 22:下面シート、
22´:補助下面シート、 23:中間シート、 24,25:起立片、
24´,25´:折曲面、 50:間柱(縦材)、 60:土台材(横材)、
70:横胴縁材、 80:内装面材、 A0,A1:空気流、
D:間隔、 L3:延長部、 O2,O2´:空気孔、
Re:輻射熱反射層、 S0:通気層、 S1:空気層空間、
Ws:壁空間

Claims (14)

  1. 柱(5)、間柱(50)等の縦材と、横架材(6)、土台材(60)等の横材で形成した壁空間(Ws)内の室内側には、断熱材(3)を配置し、断熱材(3)室外側表面には、少なくとも上面シート(21)及び下面シート(22)を含み、少なくとも下面シート(22)が輻射熱反射層(Re)を備えた上下複数シート(21,22,23)から成り、シート表面での輻射熱反射作用とシート間の空気層空間(S1)による空気流通作用とを奏する遮熱材(2)を、遮熱材(2)の空気層空間(S1)の両端縁が各横材(6,60)と間隔(D)を保ち、且つ、上面シート(21)が縦材(5,50)と面一に張設し、縦材(5,50)表面に通気層(S0)を介在して外壁材(8)を張設し、各空気層空間(S1)の両端部を通気層(S0)と空気流通可能に配置し、断熱材(3)室外側の実質上全表面を遮熱材(2)によって被覆保護した外壁断熱構造。
  2. 遮熱材(2)は、空気層空間(S1)の下面を規定する各シート(22,23)が表面に輻射熱反射層(Re)を備え、且つ輻射熱反射層(Re)が断熱材(3)の延長部(L3)を含む全表面を被覆した請求項1の外壁断熱構造。
  3. 遮熱材(2)の少なくとも上面シート(21)が透湿防水性を有する請求項1又は2のいずれか1項の外壁断熱構造。
  4. 遮熱材(2)の透湿防水性の上面シート(21)の両側の突出縁(21E)を縦材(5,50)に固定して遮熱材(2)を張設し、該上面シート(21)の上面に防風層(9)を張設し、防風層(9)上に通気胴縁材(7)を介して外壁材(8)を張設した請求項1乃至のいずれか1項の外壁断熱構造。
  5. 遮熱材(2)は、全シート(21,22,23)が透湿防水性である、請求項1乃至のいずれか1項の外壁断熱構造。
  6. 遮熱材(2)と断熱材(3)とを予め層着一体化して用いた請求項1乃至のいずれか1項の外壁断熱構造。
  7. 壁空間(Ws)の室内側の面には防湿シート(10)を介して内装面材(80)を張設し、壁空間(Ws)の室外側に張設した遮熱材(2)の下面シート(22)と防湿シート(10)との空間に断熱材(3)を配置した請求項1乃至のいずれか1項の外壁断熱構造。
  8. 少なくとも上面シート(21)及び下面シート(22)を含み、少なくとも下面シート(22)が輻射熱反射層(Re)を備えた上下複数シート(21,22,23)から成り、各シート(21,22,23)間は、折曲自在な起立片(24,25)群によって連結されて空気層空間(S1)を備えた遮熱材(2)を断熱材(3)上に、且つ、断熱材(3)両端の延長部(L3)が遮熱材(2)の空気層空間(S1)の端縁から突出した形態に層着し、輻射熱反射層(Re)で断熱材(3)の実質上全表面を被覆した外壁用の断熱パネル。
  9. 断熱材(3)の延長部(L3)上には、輻射熱反射層(Re)を備えた補助下面シート片(22´)を層着した請求項の断熱パネル。
  10. 少なくとも上面シート(21)及び下面シート(22)を含み、少なくとも下面シートが輻射熱反射層(Re)を備えた上下複数シート(21,22,23)から成り、各シート(21,22,23)間は、折曲自在な起立片(24,25)群によって連結されて空気層空間(S1)を備え、且つ、空気層空間(S1)の上面を規定するシート(21,23)の両端部には空気孔(O2,O2´)を備えた遮熱材(2)を、断熱材(3)上に、且つ、断熱材(3)両端に延長部(L3)が存在する形態に層着し、輻射熱反射層(Re)で断熱材(3)の実質上全表面を被覆した外壁用の断熱パネル。
  11. 遮熱材(2)の全シート(21,22,22´,23)が透湿防水性を有する請求項乃至10のいずれか1項の断熱パネル。
  12. 遮熱材(2)は、上下複数シート(21,22,23)、及び起立片(24,25)が紙材であって同長であり、起立片(24,25)が両端の折曲面(24´,25´)で上面シート(21)と下面シート(22)とに貼着している請求項乃至11のいずれか1項の断熱パネル。
  13. 遮熱材(2)の下面シート(22)以外の各シート(21,23)及び起立片(24,25)が空気孔(O2,O2´)を備えている請求項乃至12のいずれか1項の断熱パネル。
  14. 断熱材(3)が中間に間柱(50)を一体化固定した請求項乃至13のいずれか1項の断熱パネル。
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