JP6150539B2 - 断熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家屋やビル等の建築物の壁部、床部、屋根部、天井部等に用いられるものであって、透湿防水性を維持することができる断熱構造に関するものである。
従来の建築物の断熱構造は、柱・間柱などの骨組みの間に、断熱材を介在させたものが一般的であり、当該断熱材としては、グラスウールやポリウレタンフォームボード、或いは硬質ポリウレタンフォーム原液をスプレーガンで吹き付けて発泡硬化させた、いわゆる現場発泡の硬質ポリウレタンフォームなどが用いられている。
現場発泡の硬質ポリウレタンフォームを使用する場合、例えば、図2に示すように、柱1、間柱2などの骨組みの外壁側に貼設された面材3´に、硬質ポリウレタンフォーム原料を室内側からスプレーガンで吹き付けて発泡・硬化させて断熱層4を形成することで、断熱構造が得られる。この面材3´に外壁材5を貼り合わせれば、建築物の壁部などが得られるが、一般的には、胴縁6を介して面材3´と外壁材5とを貼り合わせて、面材3´と外壁材5との間に、通気路7が形成されている。この通気路7によって、室内で発生した湿気を容易に外部へ排出することができるので、湿気が壁面に滞留し、結露することを抑え、壁面にカビが発生することを防止できる。
しかしながら、面材3´としては、硬質ポリレタンフォーム原液を吹き付けるため、合板、ベニヤ板、ダンボール等の剛性のある板状面材が使用されるが、このような板状面材は重量があり、運搬や骨組みに固定するなどといった作業では取り扱いが困難であった。
そこで、板状面材に代わって、微多孔を有するフィルム、不織布、フェルト、クラフト紙などの軟質面材であって、透湿防水性を有するものを使用する工法が広まっている。
軟質面材は、板状面材に比べ、シート状なので取り扱いが容易であり、施工性は向上するものの、このような軟質面材に直接硬質ポリウレタンフォーム原液を吹き付ける場合、独立気泡率の高いフォームであると、フォーム形成時の発泡圧又は成形されたフォームの収縮応力によって当該軟質系面材が波打つなど変形してしまい、通気路が塞がれ、通気性が確保できなくなるという問題があった。
前記問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、軟質面材として保形性のあるシート材を使用する方法や、特許文献2には、吹き付ける硬質ポリウレタンフォームを連通気泡構造とし、フォーム形成時の発泡圧又は成形されたフォームの収縮応力を低下させる方法が開示されている。
一方、硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応により発泡硬化させて形成されるが、当該ポリオール成分またはポリイソシアネート成分には、発泡剤、整泡剤、触媒など様々な添加剤が含まれている。このような添加剤の中で、反応によって硬質ポリウレタンフォームの樹脂骨格に取り込まれなかったものは、時間経過とともにフォーム中から排出される。このように、フォーム中から排出された添加剤が軟質面材と接触することで、軟質面材に影響を与えることが確認されている。
定かではないが、透湿防水性を有する軟質面材の表面は、疎水性を有するものが一般的であるため、界面活性能を有する添加剤が当該軟質面材と接触すると、疎水性が損なわれ、しいては防水性が損なわれる可能性が指摘されている。
特開平9−105182号公報 特開2006−57398号公報
本願発明は、軟質面材に硬質ポリウレタンフォーム原料を吹き付けて断熱層が形成される断熱構造であって、透湿防水性が損なわれない断熱構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、建築物の骨組み、当該骨組みの外壁側に貼設された軟質面材、及び当該軟質面材に硬質ポリウレタンフォーム原液を室内側から吹き付けて発泡硬化させて形成される断熱層からなる建築物の断熱構造であって、前記断熱層は、独立気泡率が10%以下の連続気泡構造で、かつ密度が5〜25kg/mの硬質ポリウレタンフォームであり、前記軟質面材は、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材が2層以上積層してなり、前記シート材のうち、前記断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有し、かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であることを特徴とする。
本発明は、軟質面材として、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材が2層以上積層してなり、そのうち、断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有し、かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であるものを使用することで、断熱層の硬質ポリウレタンフォームと接する側のシート材に、防水性が無くても、或いは、硬質ポリウレタンフォームから排出された添加剤が接触或いは浸透して防水性が損なわれたとしても、断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層のシート材の透湿防水性が維持されているため、透湿防水性が損なわれることのない断熱構造が得られる。
なお、各シート材間は接着されていないとは、接着剤や加熱によるラミネートなどで積層一体化した多層のシート材ではなく、各シート材を重ねただけの状態であって、各シート材の層間に、隙間が存在することを意味しており、そうすれば、硬質ポリウレタンフォームから排出された添加剤が一方の層に浸透したとしても、他層に移行することが防止できる。
ここで、本発明の透湿抵抗は、JIS A 1324に準拠して測定した値を示し、透湿防水性を有するシート材とは、JIS A 6111に規定された透湿防水シートAに相当するものである。
また、本発明の断熱層は、独立気泡率が10%以下の連続気泡構造で、かつ密度が5〜25kg/mの硬質ポリウレタンフォームである。
低密度で、連続気泡構造の硬質ポリウレタンフォームであれば、軟質面材に吹き付けて発泡硬化させた場合に、フォーム形成時の発泡圧又は成形されたフォームの収縮応力で当該軟質面材が撓むことがないので、通気路を塞ぐことを防止できる。
なお、本発明の硬質ポリウレタンフォームの密度は、JIS A 9526に準拠して測定したものである。また、独立気泡率は、ASTM D 2856に準拠して測定したものである。
本発明において、軟質面材として、透湿防水性を有するシート材が2層積層してなり、かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であるものであってもよい。
本発明の断熱構造であれば、断熱層に接するシート材が透湿防水性を有するものであっても、外壁側の透湿防水性を有するシート材との間は、接着されていないため、断熱層を構成する硬質ポリウレタンフォームから排出された添加剤によって、断熱層に接するシート材の防水性が損なわれたとしても、外壁側のシート材の透湿防水性が維持されているため、透湿防水性が損なわれることのない断熱構造が得られる。
本発明は、軟質面材として、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材を2層以上積層したものであり、前記シート材のうち、断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有し、かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であるものを使用することで、硬質ポリウレタンフォームと接する側のシート材に防水性が無くても、或いは、硬質ポリウレタンフォームから排出された添加剤が接触或いは浸透して防水性が損なわれたとしても、外壁側のシート材によって、透湿防水性が維持できる断熱構造を得ることができる。
本発明の断熱構造を用いた壁部の横断面図を示す。 断熱構造の施工例を示す。
本発明は、建築物の断熱構造に関するものであって、建築物の骨組み、当該骨組みの外壁側に貼設された軟質面材、及び当該軟質面材に硬質ポリウレタンフォーム原液を室内側から吹き付けて発泡硬化させて形成される断熱層からなる。
本発明の軟質面材としては、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材が2層以上積層してなり、そのうち、断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有し、かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であることを特徴とする。
シート材の透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下であれば、室内で発生した湿気を容易に外部へ排出することができる。しかも、断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有するシート材とすることによって、外部からの水の浸入を遮断しつつも、湿気を容易に外部へ排出することができるので、湿気が壁面に滞留し、結露することを抑え、壁面にカビが発生することを防止できる。
軟質面材の材料としては、一般的に使用されるものであればよく、例えば、不織布、微多孔を有するフィルム、フェルト、クラフト紙などが挙げられる。本発明では、その中で、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材及び透湿防水性を有するシート材が使用できる。
不織布を構成する繊維としては、ポリエチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタンなどの合成樹脂、またはセルロール系、たんぱく質系、その他の半合成繊維、再生繊維等が挙げられる。
また、微多孔が形成させた合成樹脂フィルムとしては、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられる。
また、当該不織布と合成樹脂フィルム、或いは、当該不織布又は合成樹脂フィルムに、他のシート材を接着剤、又は加熱によって積層一体化したものであっても、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材であれば使用できる。なお、接着剤、又は加熱によって積層一体化したシート材については、本発明では一層としてみなす。
透湿防水性を有するシート材とは、例えば、不織布の繊維同士の隙間、又は合成樹脂フィルムに形成された微多孔から、湿気は通過するが、水は遮断できる層を含むシート材であって、JIS A 6111に規定された透湿防水シートAに相当するものであればよい。
具体的には、デュポン社製「タイベック」、セーレン社製「ラミテクト」等が挙げられる。
透湿防水性を有するシート材は、必要に応じて、撥水剤を塗布又は含浸させたり、或いは化学的に疎水基を導入するなどして、シート材表面を疎水性とすることが一般的である。
後述する断熱層を構成する硬質ポリウレタンフォーム中には、界面活性能を有する添加剤が含有していることが多く、そのため、当該シート材と界面活性能を有する添加剤とが接触すると、シート材の疎水性が損なわれ、強いては防水性が損なわれる可能性が指摘されている。
そこで、本発明では、軟質面材を構成する2層以上のシート材間は、接着されていないことが必要である。
各シート材間は接着されていないとは、接着剤や加熱によるラミネートなどで積層一体化したシート材ではなく、各シート材を重ねただけの状態であることを意味している。
各シート材が接着されていなければ、時間経過とともに硬質ポリウレタンフォームから排出された添加剤が、一方のシート材に接触或いは浸透しても、隣接するシート材との間は接着されていないため、各シート材の層間に隙間が存在することによって、当該添加剤が他のシート材に移行することを防止できる。
その結果、断熱層の硬質ポリウレタンフォームと接する側のシート材に、防水性が無くても、或いは、硬質ポリウレタンフォームから排出された添加剤が接触或いは浸透して防水性が損なわれたとしても、外壁側のシート材の透湿防水性が維持されているため、透湿防水性が維持できる断熱構造を得ることができる。
各シート材を接着剤などでラミネートして積層一体化したものを使用した場合では、接着剤に透湿性がないと効果が得られないし、接着剤に透湿性があったとしても、時間経過とともに、一方のシート材に接触或いは浸透した添加剤が他方のシート材に浸透してしまうため、結局は添加剤によって両方のシート材の防水性が損なわれることとなる。
また、本発明の構造であれば、軟質面材を構成する2層、またはそれ以上のシート材のすべてが、透湿防水性を有するものであってもよい。
透湿防水性を有するシート材の防水性が損なわれる要因は、硬質ポリウレタンフォームから排出される添加剤に限られるものではない。
他の要因として、施工時に透湿防水性を有するシート材に傷が付いたりすることによって、防水性が損なわれる場合などが考えられる。
そのような場合には、軟質面材が、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材が3層以上積層してなり、前記シート材のうち、断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有するものとすればよい。好ましくは、中間層に透湿防水性を有するシート材を配置することで、透湿防水性が維持しやすくなる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームは、独立気泡率が10%以下であって、密度が5〜25kg/mのものが使用できる。独立気泡率が高いフォームは、フォーム形成時の発泡圧又は成形されたフォームの収縮応力が高すぎるため、軟質面材が波打つなど変形してしまい、通気路を塞いでしまう虞がある。また、密度が5kg/m未満の場合は、発泡過程でフォームがコラップスを起こす虞があり、25kg/mを超える場合は、施工性は問題ないものの、コスト増となり、経済性が悪化する。
なお、本発明の硬質ポリウレタンフォームの密度は、JIS A 9526に準拠して測定したものである。また、独立気泡率は、ASTM D 2856に準拠して測定したものである。
本発明の断熱層を構成する硬質ポリレタンフォームは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応により発泡硬化させて形成される。
一般的に、ポリオール成分には、ポリオール、発泡剤、触媒が含まれ、必要に応じて、界面活性剤などの整泡剤、難燃剤、相溶化剤などの各種添加剤が含有されている。なお、ポリイソシアネート成分に、これらの添加剤が含まれていてもよい。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークローズ、ビスフェノールA、などの多価アルコール;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの脂肪族アミン;トルエンジアミン、メチレンジアニリンなどの芳香族アミン類;マンニッヒ縮合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを1種または2種以上を付加重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
現場発泡の硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオールとして、エチレンジアミン等の自己活性の高い化合物を開始剤としたポリエーテルポリオールを含むことが好ましく、また、連通化させることからすれば、いわゆる軟質ウレタンフォームに通常使用されるグリセリン等にアルキレンオキシドを付加させた平均水酸基価20〜150程度のポリエーテルポリオールを併用するのが好ましい。なお、両タイプのポリオールを併用する場合、相分離の問題が生じる恐れがあるため、平均水酸基価250〜500程度のポリオールをさらに併用するのがより好ましい。
発泡剤としては、水を使用することが好ましい。水は、ポリイソシアネートと反応して二酸化炭素を発生させるため、環境的に好ましい。
水の添加量としては、ポリオール合計100重量部に対して、10〜40重量部が好ましい。この範囲であれば、フォーム密度を5〜25kg/mとすることができる。
触媒としては、通常用いられているものであればよく、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のアミン触媒を使用することができ、特にペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等、イソシアネートと水の反応を促進するいわゆる泡化触媒が好ましい。また、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート等の金属触媒や、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のイソシアヌレート化触媒も使用することができる。これらは組み合わせて使用することももちろん可能である。
整泡剤としては、一般に、硬質ポリウレタンフォームに使用できるものであればよい。例えば、シリコーン系界面活性剤やフッ素系化合物などが挙げられる。その使用量は、ポリオール合計100重量部に対して0.1〜5.0重量部程度が好ましい。
ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネートや脂肪族ジイソシアネートなどが使用される。
芳香族ポリイソシアネーとしては、例えば2,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,6−ジメチルー1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、9,10−アントラセンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,6’−ジメチル4,4’−ジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
また、脂肪族ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。更に、脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI(トルエンジイソシアネート)、水素添加MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)等が挙げられる。また、上記の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート又は脂環族ジイソシアネートのイソシアネート基の一部をウレタン及び/又はウレアに変性したものを用いてもよく、イソシアネート基の一部をビュウレット、アロファネート、カルボジイミド、オキサジリドン、アシド、イミド等に変性したものを用いてもよい。
ポリイソシアネートの添加量としては、イソシアネートインデックス(=ポリイソシアネート成分のNCO基/ポリオール成分の活性水素[当量比]×100)が100以下となる量であればよい。
なお、硬質ポリウレタンフォーム中に、透湿防水性を有するシート材の防水性を損なう添加剤が存在していなくとも、前述したように、当該添加剤の移行以外の要因によって、防水性を損なう虞があるため、硬質ポリウレタンフォームに当該添加剤が含まれていない場合も、本発明の範囲である。
次に、本発明の断熱構造について、図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の断熱構造を用いた建築物の壁部の横断面図、図2には、断熱構造の施工例を示す。
図1に示すように、本発明の断熱構造10は、柱1、間柱2などの骨組み、骨組みの外壁側に貼設された軟質面材3、及び軟質面材3に硬質ポリウレタンフォーム原料を室内側からスプレーガンで吹き付けて発泡・硬化させることで形成される断熱層4から構成されている。
そして、軟質面材3には、胴縁6を介して外壁材5が貼設されており、軟質面材3と外壁材5との間に、通気路7が形成され、建築物の壁部が構成されている。
この通気路7によって、室内で発生した湿気を容易に外部へ排出することができるので、湿気が壁面に滞留し、結露することを抑え、カビが発生することを防止できる。
本発明の軟質面材3は、前述したように、外壁側のシート材3a及び硬質ポリレタンフォーム側のシート材3bの少なくとも2層以上が積層したものが使用できる。シート材3a,3bは、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下であり、シート材3aは、透湿防水性を有するものである。
軟質面材3を骨組みに貼設する方法としては、予めシート材3a,3bを2枚重ねた状態で、柱1又は間柱2の外壁側に貼設してもよく、或いは、シート材3bを柱1又は間柱2に貼設して、硬質ポリウレタンフォーム原液を吹き付けて断熱層を形成した後、又は胴縁6を介して外壁材5を貼設する直前に、シート材3aを柱1又は間柱2に固定してもよい。
後者の方法であれば、壁面の施工途中で、シート材3bが破損したりしても、後工程でシート材3aを貼設すれば、透湿防水性を有する断熱構造が得られる。
本発明の断熱構造は、建築物の壁部以外にも、例えば、床部、屋根部、天井部等にも使用できる。
縦1000mm、横500mm、幅50mm、厚さ50mmの木枠を用意し、当該木枠の一方の面に木枠と同じ大きさの軟質面材を貼設した。次いで、当該軟質面材に、他面から硬質ポリウレタンフォーム原液をスプレーガンで塗布し、発泡硬化させて、厚みが50mmになるように断熱層を形成し、試験体1,2を得た。使用した硬質ポリウレタンフォーム原液の組成を重量部で表1に示す。得られた硬質ポリウレタンフォームの物性は、独立気泡率0%(ASTM D 2856)、密度14kg/m(JIS A 9526)であった。
試験体1では、軟質面材として、透湿防水性を有するシート材を接着せずに2層重ねて積層したものを使用し、試験体2では、軟質面材として、透湿防水性を有するシート材1層のものを使用した。なお、透湿防水性を有するシート材としては、JIS A 6111で規定された透湿防水シートAに相当する、不織布タイプのものを用いた。
〔硬質ポリウレタンフォーム原料〕
ポリエーテルポリオール1
グリセリン系ポリエーテルポリオール(水酸基価56mgKOH/g)
ポリエーテルポリオール2
エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(水酸基価760mgKOH/g)
ポリエーテルポリオオール3
トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール(水酸基価350mgKOH/g)
触媒1
東ソー株式会社製、製品名「TOYOCAT−RX5」
触媒2
東ソー株式会社製、製品名「TEDA−L33」
触媒3
日東化成株式会社製、製品名「ネオスタンU−28」
整泡剤
エボニックデグサジャパン株式会社製、製品名「B−8443」
難燃剤
大八化学工業株式会社製、製品名「TMCPP」
(トリス(クロロプロピル)フォスフェート)
ポリイソシアネート
日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「MR−100」
得られた試験体1,2について、条件1、2において、以下に示すはっ水度試験を行い、はっ水性を評価した。その結果を表1に示す。
条件1:試験体作成後
条件2:試験体作成してから、1ヶ月後
〔はっ水度試験〕
試験体1,2を設置面に対して垂直になるよう配置し、当該試験体1,2の透湿防水性を有するシート材の表面全体に、水をスプレーで散布した。次に、試験体から余分な水滴を落とし、試験体のぬれた状態を以下のように評価した。
〔はっ水性の評価方法〕
○ 表面に湿潤及び水滴の付着がないもの
× 表面の一部に湿潤を示すもの
表1によると、試験体2は、作成直後はスプレーの水をはじき、はっ水性があることが確認できたが、作成してから1ヶ月後に、同様の評価を行った場合は、部分的に湿潤した箇所、すなわち防水性が損なわれた箇所が発見された。
一方、試験体1は、作成直後、一ヶ月後とも、はっ水性があり、湿潤した箇所は発見されなかった。
以上のことから、本発明の断熱構造であれば、断熱層の硬質ポリウレタンフォームと接する側のシート材の防水性が損なわれたとしても、隣接するシート材の透湿防水性が維持されているため、透湿防水性が損なわれることのない断熱構造が得られることが確認できた。
本発明の断熱構造は、建築物の壁部、床部、屋根部、天井部等を断熱するのに用いる断熱構造材として好適に使用することができる。
10 断熱構造
1 柱
2 間柱
3 軟質面材
3a 外壁側のシート材
3b 硬質ポリウレタンフォーム側のシート材
3´ 面材
4 断熱層;硬質ポリウレタンフォーム
5 外壁材
6 胴縁
7 通気路

Claims (2)

  1. 建築物の骨組み、当該骨組みの外壁側に貼設された軟質面材、及び当該軟質面材に硬質ポリウレタンフォーム原液を室内側から吹き付けて発泡硬化させて形成される断熱層からなる建築物の断熱構造であって、
    前記断熱層は、独立気泡率が10%以下の連続気泡構造で、かつ密度が5〜25kg/mの硬質ポリウレタンフォームであり、
    前記軟質面材は、透湿抵抗が0.19m・s・Pa/μg以下のシート材が2層以上積層してなり、
    前記シート材のうち、前記断熱層と接するシート材以外の少なくとも1層が透湿防水性を有し、
    かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であることを特徴とする断熱構造。
  2. 前記軟質面材が、透湿防水性を有するシート材が2層積層してなり、
    かつ各シート材間は接着されておらず、重ねられた状態であることを特徴とする請求項1に記載の断熱構造。
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