JP2016150629A - 電力貯蔵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タップ切替操作に関係なく、適正な充電または放電開始電圧の補正を可能とする電力貯蔵装置を提供する。
【解決手段】内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、整流器の入力電圧に応じて充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、放電の開始電圧を補正する補正回路は、電力貯蔵装置の放電運転開始タイミングを整流器の入力電圧に含まれる高調波電圧であって、整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって判定し、そのときの直流電圧を放電開始電圧として記憶し、一定に保持することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源から変圧器と整流器を介して構成される直流電源に接続され、直流電源に接続された負荷からの回生電力を貯蔵するとともに、負荷へ電力を放出する電力貯蔵装置に係り、特に、変圧器の二次電圧を用いて当該電力貯蔵装置の充電または放電条件を補正制御する電力貯蔵装置に関する。
蓄電池を主体に構成される電力貯蔵装置は、電力を取り扱う各種分野への適用が検討され、実施されている。例えば自動車への蓄電池の応用が世界的に広まっている。また、電気車の分野においても蓄電池を応用して省エネを達成しようという動きが既に始まっている。あるいは電力系統の系統安定化設備として使用されている。
本発明は、これらの適用分野のうち、交流電源から変圧器と整流器を介して作成される直流電源に接続され、この直流電源に接続された負荷からの回生電力を貯蔵(以後、充電という)するとともに、負荷へ電力を放出(以後、放電という)する電力貯蔵装置を対象としている。なおここで、整流器の交流側についてみると、この交流電源は内部インピーダンスのある交流電源であるということができる。従って、以下に示す直流電源は、内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して構成された直流電源ということができる。
具体的には、例えば電気車に対する電力供給設備を対象としている。特に直流電化区間を走行する直流電気車を対象としている。電気車の直流電化区間に対しては、変電所の整流器において交流電力を直流電力に変換し電力供給するのが一般的である。この場合に、直流電化区間における電気車からの回生電力を有効活用するには、同一直流電化区間を走行する他の電気車による電力消費を行うか、回生インバータを設置して交流電源に戻す方法があった。
この場合に、いずれの方法においても電気車の力行電力の供給に関しては交流電源側の変電所から供給するのがほとんどであった。このため、直流電化区間における直流電力を貯蔵および放出可能な蓄電池を用いた電力貯蔵装置は、これを変電所に備え直流電化区間に電力供給するのがよい。変電所という地上設備に電力貯蔵装置を設置することで、電気車の床下機器として設備する場合のような寸法重量の制約が少ないという利点もある。
変電所に設置した蓄電池に電力を充電または放電制御するための監視パラメータとしては直流電化区間における直流電圧を使用することが多い。その理由は、変電所と電気車は一般には離れた位置にあり、かつ電気車は移動していることから、電気車の運転条件を変電所に取り込んで監視することが困難であるためである。
この点、直流電化区間における直流電圧は、変電所内の整流器設置地点から容易に取り込むことができ、かつ電気車の回生運転を直流電圧の上昇で、電気車の力行運転を直流電圧の下降で検出することができるので充放電の制御が比較的容易に行える。
直流電化区間における直流電圧を監視パラメータとする具体的な蓄電池の制御手法としては、一般的には電気車が回生運転も力行運転もしていない無負荷直流電圧を基準とし、直流電圧が無負荷直流電圧以上の第1の設定値(充電設定値)を超えたら充電し、直流電圧が無負荷電圧以下の第2の設定値(放電設定値)を下回ったら放電するようにすればよい。
このような充放電制御を蓄電池に対して行う装置としてチョッパ制御装置が実用化されている。特許文献1には、チョッパ制御装置を含む鉄道車両の駆動システムを備える変電所として、「交流電力を整流器にて直流電力に変換し、該直流電力を電気車へ架線を介して供給する電気鉄道の変電所であって、蓄電要素と、前記整流器と前記蓄電要素の間に接続され、前記蓄電要素の充放電を行なう電力変換器と、前記変電所の出力電流を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された変電所出力電流が第1の基準値を下回った場合に充電を行い、第2の基準値を上回った場合に放電を行うよう前記電力変換器を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする変電所。」が、開示されている。
特許第5044340号号公報
交流電源の交流電圧は、送電系統に接続された他の負荷の影響や発電所の変動等により常時変動している。このため、例えば充電開始電圧設定値を固定にしていた場合には交流電源電圧の上昇により、回生電気車が存在しない場合でも交流電源から電力を蓄電池に充電してしまうケースが考えられる。その場合、回生電力が発生しても蓄電池の充電余裕がないために回生電力を充分に貯蔵できなくなることがある。このため、交流電源電圧を検出し、充電および放電開始電圧を補正するのがよい。
この場合に、この補正は変圧器の二次電圧でなく一次側の交流電源電圧を検出すべきである。その理由は、二次側電圧は変圧器のインピーダンスの影響で出力電流が大きくなると低下することにある。この結果、放電開始後も力行電流が増大すれば二次電圧の低下により放電開始電圧も下方に補正されてしまい、直流電圧と放電開始電圧設定の出力の偏差が小さくなって放電電流指令も小さくなり、放電電力量が低下するためである。
しかしながら、交流電源に接続された変圧器は一般にタップ付のものが設置されており、送電系統の事情で変動する電圧の影響が少なくなるようにタップ切替操作が行われる場合がある。このとき、一次側電圧を検出して充電または放電開始電圧の補正を行うとタップの切替による無負荷電圧の変化がわからないため、代わりに二次電圧を検出する方式があるが、二次電圧の採用には上述の問題があった。
このように、タップ切替操作の影響を受けないようにするには補正電圧として二次電圧を用いるのがよいが、二次電圧を用いると出力電流が大きくなる時に二次電圧の低下幅が大きくなるという別の課題(課題1)を生じることになる。
また別の問題点としては、充電と放電の制御状態の頻繁な入り切りを避けるために入りと切りの検出値に差(ヒステリシス特性)を設けるのが一般的である。また、直流電圧検出器の検出誤差(初期調整誤差や経時変化誤差)による充放電制御の誤判定を避ける必要もある。このため、充電開始電圧と放電開始電圧には両者のヒステリシス電圧の2倍以上の差を設ける必要があるので、放電開始電圧を無負荷直流電圧よりある程度下げた値に設定せざるを得ない。
この場合、その分整流器の出力電流が流れて直流電圧が低下するのを待つことになり放電開始のタイミングが遅れるので省エネルギーの観点からは好ましくない。充電開始のタイミングについても同様の遅れがあり、回生運転中の電気車の電圧が上がり過ぎて回生エネルギーを絞る制御が動作しやすくなるのでこれも省エネルギーの観点から好ましくない。これらの解決策として特許文献1に整流器の出力電流を検出する方法が開示されているが、既設の変電所に追加設備されることの多い本発明に関わる電力貯蔵装置が、既設への大電流検出器の追加を必要とすることは不利である。
このように、直流電圧の上昇/低下で充電/放電を開始する制御の場合、充電/放電開始電圧が無負荷直流電圧の直近に設定困難なため充電/放電開始のタイミングが遅れるという課題(課題2)がある。
以上のことから本発明の課題は、タップ切替操作に関係なく、適正な充電または放電開始電圧の補正を可能とする電力貯蔵装置を提供することにある。
上記課題1および2を解決するために本発明においては、内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、整流器の入力電圧に応じて充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、放電の開始電圧を補正する補正回路は、電力貯蔵装置の放電運転開始タイミングを整流器の入力電圧に含まれ高調波電圧であって、整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって判定し、そのときの直流電圧を放電開始電圧として記憶し、一定に保持することを特徴とする。
また上記課題1および2を解決するために本発明においては、内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、蓄電池の充電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、電力の貯蔵を調整する電力制御回路と、整流器の入力電圧に応じて充電の開始電圧を補正する補正回路と、整流器の入力電圧に含まれる高調波電圧であって、整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧を検出する高調波電圧検出回路と、放電時の高調波電圧の目標値を設定する高調波電圧目標設定器と、高調波電圧検出回路の出力と高調波電圧目標設定器の出力の差に応じて、電力の放出を調整する電力制御回路とを備えたことを特徴とする。
また上記課題1および2を解決するために本発明においては、内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、整流器の入力電圧に応じて充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、放電の開始電圧を補正する補正回路は、電力貯蔵装置の放電運転開始タイミングを整流器の入力電圧に含まれる高調波電圧であって、整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって判定し、そのときの直流電圧を放電開始電圧として記憶し、一定に保持するとともに、充電の開始電圧を補正する補正回路は、整流器の入力電圧に含まれる整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって等価無負荷直流電圧を測定し、等価無負荷直流電圧に所定値を加算したものを好適な充電開始電圧として充電開始電圧を補正することを特徴とする。
また上記課題1および2を解決するために本発明においては、内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、整流器の入力電圧に応じて充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、補正回路は、整流器の入力電圧に含まれ高調波電圧であって、整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって充電及び放電の開始電圧の補正を行うことを特徴とする。
本発明によれば、交流電源に接続される変圧器の二次電圧を補正用として検出する場合の充電/放電特性を簡単に改善することができる。
本発明の実施例1に係る電力貯蔵装置の構成例を示す図。 交流電圧に応じて充放電開始電圧の補正量を演算する交流電圧補正器92の一例回路を示す図。 実施例1に係る放電開始電圧設定器80Dの内部構成を示す図。 一般的手法によるときの運転モード判定器の出力を示す図。 整流器出力電流と整流器入力電圧に含まれる5次高調波電圧の関係を示す図。 放電開始のタイミングの従来例と本発明の比較を示す図。 本発明の運転モード判定器の出力を示す図。 本発明の実施例における補助補正機能の構成を示す図。 第1の観点による補正における電力貯蔵装置の放電動作波形を示す図。 第2、第3の補正を追加した時の電力貯蔵装置の放電動作波形を示す図。 実施例2に係る放電開始電圧設定器80Dの内部構成を示す図。 実施例3に係る放電開始電圧設定器80Dの内部構成を示す図。 補助補正器105の動作特性を示す図。 本発明の実施例4に係る電力貯蔵装置の構成例を示す図。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る電力貯蔵装置の一例を示している。
図1において、1は送電系統の交流電源、2は一次側が交流電源1に接続される変圧器、3は送電系統1に接続される他の負荷、4は変圧器2の二次側に接続される整流器、5は整流器出力の直流電圧で駆動される電気車、7は電力貯蔵装置である。上記構成において、変圧器2、整流器4及び電力貯蔵装置7が変電所構内に設置されていることが望ましく、整流器4の直流側回路Lが直流電化区間に相当している。
電力貯蔵装置7は、電力主回路7Aと電力制御回路7Bと本発明により付加された補正回路7Cで構成されている。このうち電力主回路7Aは、平滑リアクトル71、平滑コンデンサ72、チョッパ用トランジスタ73および74、昇圧リアクトル75、蓄電池76から構成されている。図1の構成の場合に、電力貯蔵装置7がチョッパ制御装置に相当している。チョッパ制御装置は直流電源と蓄電池76間の電力の移動を行うための装置である。
この電力主回路7Aの構成によれば、整流器4の直流側回路の両端間に平滑リアクトル71と平滑コンデンサ72が直列に接続されることで、平滑コンデンサ72の両端には平滑された直流電圧が印加されている。また平滑コンデンサ72の両端にはチョッパ用トランジスタ73および74の直列回路が接続され、かつチョッパ用トランジスタ73、74の接続点間と整流器4の直流側回路の負端子間に蓄電池76が接続されている。係る電力主回路7Aの構成において、蓄電池76を充電するにはトランジスタ73および74の接続点の平均電圧が蓄電池電圧より高くなるように制御し、放電させるには平均電圧が蓄電池電圧より低くなるように制御すればよい。
電力制御回路7Bは、トランジスタ73および74の接続点の平均電圧を制御することにより、蓄電池の充電及び放電状態を制御する。この制御の実行にはすでに多くの手法が知られており、チョッパ回路による電力制御方法の詳細説明は省略するが、その一例は特許文献1にも紹介されている。図1はその典型的な一例を示しており、以下簡便に説明を行う。
電力制御回路7Bは、上記制御の達成のために、電力主回路7Aに設置された電圧検出器77から整流器4の両端の直流電圧を検知入力しており、また電力主回路7Aに設置された電流検出器78から蓄電池電流を検知入力している。そして最終的にゲート駆動回路79によりトランジスタ73および74のゲートを駆動する。また放電及び充電を開始する基準電圧が、充電開始電圧設定器80C、放電開始電圧設定器80Dにより設定されている。
電力制御回路7B内では、充電開始電圧設定器80Cと放電開始電圧設定器80Dにより設定された放電及び充電を開始するための基準電圧が、減算器82C、82Dにおいて電圧検出器77で検知した整流器4の両端直流電圧と比較されその差分が求められる。またこの差分は電圧制御器84C、84Dにおいて比例積分制御される。この比例積分制御の結果として、蓄電電流の電流目標値が導出される。切替器86は運転モード判定器81の出力により、2つの電圧制御器84C、84Dの出力を切り替える。
なお運転モード判定器81には、充電開始電圧設定器80Cと放電開始電圧設定器80Dにより設定された放電及び充電を開始する基準電圧と、電圧検出器77で検知した整流器4の直流電圧とが与えられており、要するに検出した直流電圧が、充電開始電圧設定器80Cが与える無負荷直流電圧以上の充電開始電圧設定値を超えたら電圧制御器84Cの出力を選択すべく切替信号S1を与え、検出した直流電圧が、放電開始電圧設定器80Dが与える無負荷直流電圧以下の放電開始電圧設定値を下回ったら電圧制御器84Dの出力を選択すべく切替信号S1を与える。なお直流電圧が充電開始電圧設定値と放電開始電圧設定値との間の範囲内にあるときには、電圧制御器84C、84Dのいずれの出力も選択しない。
切替器86が与える蓄電電流の電流目標値は、電力主回路7Aに設置された電流検出器78からの蓄電池電流と減算器85において比較、減算され、電流制御器87において比例積分制御される。電流制御器87の信号はスイッチ83を介してゲート駆動回路79に与えられる。なお、スイッチ83には運転モード判定器81の出力である運転指令S2が与えられて、ゲート駆動回路79におけるゲート駆動期間が制御されている。
典型的な一実施例を示す図1の回路によれば、直流電圧が上昇し、電圧検出器77の出力電圧が充電開始電圧設定器80Cの出力より高くなると、運転モード判定器81の出力である運転指令S2とスイッチ83によりチョッパ制御装置が起動するとともに、電圧検出器77の出力電圧と充電開始電圧設定器80Cの出力の偏差に応じて電圧制御器84Cが充電電流指令を立ち上げる。この充電電流指令は運転モード判定器81の出力である切替信号S1が切替器86に与えられることによって選択され、次段の減算器85に送られ蓄電池電流と比較される。そして電流検出器78によって検出された蓄電池電流が充電電流指令に一致するように電流制御器87がチョッパの出力電圧制御を行う。尚、ゲート駆動回路79はトランジスタ73および74の点弧タイミングを決定している。
他方、電圧検出器77の出力電圧が放電開始電圧設定器80Dの出力より低くなると、チョッパ制御装置が起動するとともに電圧制御器84Dが偏差電圧に応じて放電電流指令を立ち上げる。以降の動作は充電時と同様であるので、ここでの詳細説明は省略する。
本発明においては、図1の電力制御回路7Bの制御に対して、補正回路7Cによる補正を実施する。補正回路7Cによる補正は、3つの観点から行われる。第1の観点は、交流電圧補正器92による補正である。変圧器2の二次電圧に応じて、充電開始電圧設定器80Cの出力を補正している。
まず、第1の観点からの補正について説明する。図1の補正回路7Cにおいて、96は交流電圧検出器、92は交流電圧に応じて充放電開始電圧の補正量を演算する交流電圧補正器であり、加算器93Cにおいて交流電圧補正器92の出力が充電開始電圧設定器80Cの出力に加算され、補正された充電開始電圧となる。電力制御回路7B内における制御は先に示したとおりであり、補正された充電開始電圧を基準として充電が制御される。なおここで、交流電圧検出器96は変圧器2の二次電圧(整流器5の入力電圧)を検出したものである。
図2は、交流電圧に応じて充放電開始電圧の補正量を演算する交流電圧補正器92の一例回路を示している。この回路では、要するに入力電圧の変動をそのまま出力するのではなく緩変動信号として出力する機能を有する。例えば積分機能を有する一時遅れ回路として構成されている。
具体的には、ディジタル的な処理を行うものとして説明すると、実効値演算器921では一定周期で実効値換算して得た値として交流電圧を得る。減算器922では前回処理時の出力との差を求める。入力の交流電圧が長時間一定であれば、差分は得られず、後段のゲイン回路923を介して、加算器924において前回値記憶回路925の値と加算しても、最終の交流電圧補正器92の出力は変動しない。これに対し、入力の交流電圧が例えば増加している時には、減算器922に差分が発生し、後段のゲイン回路923を介して、加算器924において前回値記憶回路925の値と加算する結果、最終の交流電圧補正器92の出力は増加することになる。但し、この場合の増加幅は、ゲイン回路923におけるゲインの大きさにより変動し、緩変動信号を与えている。
図3に、実施例1に係る放電開始電圧設定器80Dの内部構成を示している。放電開始電圧設定器80Dは、5次高調波電圧検出器101、5次高調波電圧判定値設定器102、比較器103、放電開始電圧設定回路104から構成されている。図3の実施例1においては、放電開始電圧設定器80D内に、第2の観点からの補正手法を含んでいる。
第2の観点からの補正の一部は、運転モード判定器81の判断に変更を加えた点にある。放電モード開始の判定を、5次高調波電圧検出器101、5次高調波電圧判定値設定器102、比較器103の処理結果によるものとし、その判定結果を運転モード判定器81が受け取るようにしたことである。
ここで実施例1により5次高調波電圧を判定することの技術的意味合いを明確にするために、一般的な放電開始条件での判定を例にして、比較説明する。一般的には、直流電圧が放電開始電圧設定値を超過した時としている。
図4は一般的手法によるときの運転モード判定器の出力を示す図である。この図では横軸に時間tを取り、上段のように直流電圧が変動したものとする。図4上段の直流電圧は、時刻t0以前は放電開始電圧(図1の104出力)以下であったものが増加して、時刻t0で放電開始電圧に放電側ヒステリシス電圧を加算した値以上、時刻t1で充電開始電圧(図1の93C出力)以上に増加した。その後、減少に転じて時刻t3で充電開始電圧から充電側ヒステリシス電圧を減算した値以下、時刻t3で放電開始電圧以下に変化したものとする。
この場合に、時刻t0以前、時刻t3以降の状態では直流電圧が放電開始電圧以下となることにより、切替信号S1は放電側の電圧制御器84Dの出力を選択する切替信号S1(放)を与える。時刻t1から時刻t2の間の状態では直流電圧が充電開始電圧以上となることにより、切替信号S1は充電側の電圧制御器84Cの出力を選択する切替信号S1(充)を与える。
また運転指令S2としては、切替信号を与えている全区間において運転指令S2をスイッチ83に出力して、ゲート駆動回路79におけるゲート制御を実行せしめる。
これに対し本発明の実施例1を示す図3では、整流器4の入力電圧(変圧器2の二次電圧)に含まれる5次高調波電圧を5次高調波電圧検出器101により検知し、5次高調波電圧判定値設定器102が与える5次高調波検出レベルと比較器103において比較し、所定以上の5次高調波を検知するときに整流器出力開始信号として運転モード判定器81に与える。
ここで5次高調波電圧を検出する意味について説明する。前述したように、直流電圧の低下により放電開始のタイミングを決定することは実際の電車の力行運転開始のタイミングより遅れる欠点がある。これを対策する案として特許文献1では整流器4の出力電流を検出する案が提示されているが、大電流直流電流検出器を既設回路に追加することは前述したように本発明に関わる電力貯蔵装置にとって不利である。
一方、整流器4の出力電流と整流器4の入力電圧(変圧器2の二次電圧)に含まれる5次高調波電圧を解析すると図5に示すように整流器4の出力電流に対して単調増加の関係になることが一般的に知られている。従って適切な検出レベルを設定することで整流器4の出力開始のタイミングを検出できる。
なお実施例1では、整流器4の出力電流に対して単調増加の関係にある電気量として整流器4の入力電圧(変圧器2の二次電圧)に含まれる5次高調波電圧を採用しているが、これは単調増加の関係にある他の高調波次数の電気量を採用可能である。以下の説明では、検出精度の高い5次高調波電圧の例で説明する。なお、単調増加の関係は、直流電圧の低下より早いタイミングで検出することが目的であるため、ある程度までの検出レベルで単調増加の関係が確認できれば、それ以上のレベルでの単調増加の関係を必要としない。
本発明の図3の実施例1では、充電開始電圧と放電開始電圧を整流器の入力電圧(変圧器の二次電圧)によって補正する構成なので、検出器を追加せずに整流器の出力開始を検出できることは大きな利点である。
直流電圧低下による放電条件検出方式と5次高調波電圧増加による放電条件検出方式の特性比較を図6に示す。5次高調波電圧増加を適切なレベルで検出することで直流電圧の低下より早いタイミングで放電開始できることを示す。
図6は、図4と同様に横軸に時間、縦軸に各種量を示している。図4と相違するのは、縦軸に各種量として、直流電圧、切替信号S1、運転指令S2の他に、整流器出力電流と5次高調波電圧と比較器出力S3を記載している。ここでの比較条件は図4と同じである。
図6の直流電圧変動に際し、整流器出力電流は放電開始電圧に到達する時刻t0に向けて減少し、時刻t0から充電開始時刻t1を経由して充電停止時刻t2に至るまでの間ほぼゼロを維持し、その後放電開始電圧以下の領域では整流器出力電流は増加する。
この場合に、本発明で着目した5次高調波電圧は、図5の特性に示したように整流器出力電流に対して単調増加の関係にある。従って、5次高調波電圧について、図3の5次高調波電圧判定値設定器102が与える5次高調波電圧検出レベル以上の条件で比較器103出力を与えると、これは時刻t0に先行する時刻t51、時刻t3に先行する時刻t52で出力を得たことになる。本発明では、時刻t52のタイミングで比較器出力S3を発する。また切替信号S1(放)を時刻t52のタイミングで放電開始電圧設定回路104から与える。
第2の観点からの補正の一部では、上記したように切替信号S1(放)を時刻t52のタイミングまで早めて実施している。さらに第2の観点からの補正では、設定電圧の大きさを適正に設定する。具体的には、図3の放電開始電圧設定器80Dの構成では比較器103の出力S3によって直流電圧検出器77の出力を記憶し、これを放電開始電圧とする放電開始電圧設定回路104を設けている。この放電開始電圧を次の放電開始のタイミングまでホールドする。図3には、放電開始電圧設定回路104の構成を示しており、比較器103の信号S3の立ち上がり時期(時刻t52)で直流電圧検出器77の出力を記憶する。この出力を放電開始電圧とする。このことは、図6に示すように、放電開始電圧を従来よりも高めに変更したことに他ならない。
上記構成を採用した実施例1の運転モード判定器81の出力について図7により説明する。図7は、本発明の運転モード判定器の出力を示す図である。図4と異なる点は、5次高調波電圧検出器101出力と5次高調波電圧判定値設定器102出力を比較器103で比較し、5次高調波電圧検出器101出力のほうが大きい区間で比較器103の出力S3が出て、この信号S3が立ち上がったときの直流電圧を記憶ホールドし、これを放電開始電圧とする点である。図7では時刻t52(図6の時刻t3より早いタイミング)のときに放電開始電圧が更新されたことを示す。
次に、図1に戻り第3の観点からの補正について説明する。第3の観点からの補正は、充電開始電圧の補助補正器105を設けたことである。これは放電開始のタイミング信号である比較器103が出力したときの直流電圧検出器77の値を等価無負荷電圧とし、同一タイミングにおける従来の充電開始電圧設定器80C出力と交流電圧補正器92の出力の和の値(加算器93Cの出力)を比較し、加算器93Cの出力が等価無負荷電圧に所定値を加算して得られる値(好適な充電開始電圧設定値)になるように加算器93C1の入力に補正を追加するようにしたものである。
図8に本発明の実施例における具体的な補助補正機能105の構成例を示す。補助補正器105は比較器103出力S3の立ち上がりのタイミングで直流電圧と加算器93Cの出力(充電開始電圧)を記憶してホールドするホールド回路H1、H2を有する。ホールド回路H1でホールドした直流電圧は真の無負荷時直流電圧に近いので、これに充電開始するのに適当な値(充電開始加算分)を加算回路AD1で加算すれば好適な充電開始電圧設定値が得られる。
この好適な充電開始電圧(加算器AD1出力)と、先にホールド回路H2でホールドした加算器93Cの出力になる充電開始電圧の差をとり(減算回路AD2)、その差分を加算器93C1によって加算することで充電開始電圧を好適な充電開始電圧設定値に近づけることができる。
図13は、補助補正器105の動作特性を示す図である。この図において、LD1は初期設定の放電開始設定電圧、LC1が初期設定の充電開始設定電圧を意味している。これに対し本発明の補正採用後では、放電開始設定電圧の判定レベルを等価無負荷電圧LD2に変更し、充電開始設定電圧を好適な充電開始電圧設定の判定レベルLC2に変更したことを意味している。この図で、レベルLC1とレベルLC2の差分が補助補正器105による補助補正値であり、レベルLC2とレベルLD2の差分が充電開始加算分に相当している。
図9は、図2の第1の観点の補正を採用したときの放電時の制御状態を示し、図10はさらに第2、第3の補正を追加採用したときの放電時の制御状態を示している。次に図9と図10を対比して説明する。
図9と図10には、その上段から順に電気車の力行電流、変圧器2の二次電圧実効値、直流電圧と放電開始電圧、および放電電流指令の時間変化波形を示している。これらの事例では上段の電気車の力行電流が時刻t1以前は0%であったものが、時刻t1から時刻t3の間で100%まで増加したものとする。またこの期間での電気車の力行電流の増加を反映して変圧器2の二次電圧実効値が低下し、さらに直流電圧も低下したものとする。ここまでの各量の変更期間及び変動の大きさは図9と図10で同じものとしている。
また図9と図10の上から3段目の直流電圧について着目すると、時刻t1以降直流電圧が減少している。また第1の観点の補正後の放電開始電圧(放電開始設定電圧に交流電圧補正器92の出力を加算した放電開始電圧)についてみると、これも交流電圧の低下を反映した交流電圧補正器92の出力の影響を受けて(緩変動信号ではあるが)低下している。このように、直流電圧も交流電圧補正器92の補正後の放電開始電圧も低下しているが、時刻t2において直流電圧が放電開始電圧を下回ったものとする。なお、図9と図10の上から3段目の各量の時刻t2までの状態も図9と図10で同じものとしている。
図9と図10では、3段目より下の各量について、かつ時刻が図10の時刻t2’(図9の時刻t2より早いタイミング)以降に違いが表れている。図9の交流電圧補正器92による補正では、時刻t2以降も放電開始電圧が低下し続けている。この結果、電圧制御器84Dに与えられる直流電圧と放電開始電圧の差は発生するものの、その大きさは比較的に小さいものである。
これに対し、図10の本発明の第2、第3の補正を追加採用した補正回路による補正では、時刻t2’以降は放電開始電圧としてそのときの直流電流を記憶し保持されている。この結果、電圧制御器84Dに与えられる直流電圧と記憶された放電開始電圧の差の大きさは比較的に大きいものとなっている。図9の放電電流指令が例えば10%程度変動したものであるとすると、図10では例えば25%程度の大きな変動となって表れていることが理解できる。
図9の波形は、以下の問題点を明確に表している。まず、電力主回路7Aにおいて、電気車の力行電流は電力貯蔵装置の放電電流よりも大きいので電力貯蔵装置が放電を開始しても更に増加し、変圧器二次電圧は放電運転開始後も低下を続ける。このため、図9の例では放電開始電圧も力行電流が最大になるところまで補正され続けることになる。その結果、図1における電圧検出器77の出力電圧と充電開始電圧設定器80Dの出力の偏差は大きくなりにくく、比例積分で出力される放電電流指令がその影響を受けるので放電電力量が小さくなり(図の例では10%程度)、省エネ効果が悪くなっている。
これに対して本発明では、図10の直流電圧と放電開始電圧の波形を見るとわかるように放電運転開始と同時にホールドする放電開始電圧が図9の例よりも高く、且つ、ホールドするので変圧器の二次電圧が低下を続けても放電開始電圧は放電運転開始時の値を保ち、電圧検出器77の出力電圧と充電開始電圧設定器80Dの出力の偏差は図9の例に比べて大きくなるので、比例積分された出力は絶対値も、立上り速度も大きくなり(図の例では25%程度)、省エネ効果を改善することができる。
尚、電気車が回生運転したときの電力貯蔵装置の充電運転について考えると、もし放電運転と同様に補正量をホールドしたとすると充電中に交流電源電圧の上昇により無負荷電圧が充電開始電圧を超過することが考えられる。こうなると、電気車からでなく、交流電源から蓄電池に充電することとなり、省エネルギー設備の意味が薄くなってしまう。このため、基準電圧をホールドする方法は電力貯蔵装置の放電運転時に適用することで大きな効果を発揮することができる。但し、直流電圧検出器の出力変動(初期調整誤差や経時変化誤差)などによって充電開始のタイミングがずれてくることへの対策として、放電開始時の直流電圧を等価無負荷直流電圧とみなし、これに所定値を加算したものを好適な充電開始電圧とすることもできる。この好適な充電開始電圧と直前の充電開始電圧を比較し、差がある場合にこれを補正する制御が考えられる。これによれば従来よりも充電開始タイミングを安定化することが可能になる。
図11は本発明の実施例2に係る放電開始電圧設定器80Dの内部構成を示している。図11以外の部分は、図1と同じであり、その説明を省略する。要するに図11では、5次高調波電圧の大きさが所定値以上となる条件と、5次高調波電圧の大きさの変化率が所定変化率値以上となる条件がともに成立することをもって、整流器出力開始の条件成立としている。
図11のように機能を構成する理由は、同一送電系統に接続された他の負荷が6パルス整流器の場合、変圧器2の一次側に5次高調波電圧が発生するので、送電系統のインピーダンス分布に従って所定の割合で当該変圧器2の一次電圧にその5次高調波電圧が現れる。この5次高調波電圧は、整流器4の入力電圧に現れる5次高調波電圧と区別がつかないため、レベルだけで5次高調波電圧を検出するときの精度を悪くする。
この対策として、実施例2では5次高調波電圧の増加率が上昇した条件をAND条件として追加したものである。レベル判定のみの場合より一次側からの影響を小さくすることができる。なお、実施例2による制御特性改善内容は実施例1と同様である。
図12は本発明の実施例3に係る放電開始電圧設定器80Dの内部構成を示している。図12以外の部分は、図1と同じであり、その説明を省略する。
図12のように機能を構成する理由は、同一送電系統に接続された他の負荷が6パルス整流器の場合、変圧器の一次側に5次高調波電圧が発生するので、送電系統のインピーダンス分布に従って所定の割合で当該変圧器の一次電圧にその5次高調波電圧が現れる。この5次高調波電圧は本発明の整流器4の入力電圧に現れる5次高調波電圧と区別がつかないため、レベルだけで5次高調波電圧を検出するときの精度を悪くする。
この対策として、実施例3では、図12に示したように二次側の5次高調波電圧から、二次側の5次高調波電圧に変圧器2の一次側の5次高調波電圧の割合(一次側電圧基本波の大きさに対する一次側の5次高調波電圧の割合)を乗じた値を減算し、レベル判定するようにしたものである。これにより二次側のみのレベル判定の場合より一次側からの影響を小さくすることができる。
以上説明したように、本発明によれば交流電源に接続される変圧器の二次電圧を補正用として検出する場合の放電および充電特性を簡単に改善することができる。なお、実施例2による制御特性改善内容は実施例1と同様である。
図14は本発明の実施例4に係る電力貯蔵装置の構成例を示している。図14の構成が図1の構成と相違する点は、放電開始電圧設定回路104を設けず、減算器106によって5次高調波電圧検出器101の出力と5次高調波電圧検出設定器102の出力の差を取り、これを5次高調波電圧制御器107にて比例積分制御するようにした点である。この場合、充電制御の判定は直流電圧で行い放電制御の判断は5次高調波電圧で行うことになるので両者の判定値の競合がなくなり、設定の自由度が上がる利点がある。
以上の実施例を通じて本発明によれば、図9と図10を比較して明らかなように、本発明では要するに放電運転時における放電電流が変圧器二次電圧の低下に影響されて十分な大きさを与えられないことから、これを制限しないようにしたものである。実施例では具体的な事例として、放電開始電圧を従来より高い値にホールドすることにより放電開始電圧の補正を取りやめたものということができる。あるいは放電開始電圧と直流電圧の差が大きくなるように修正したものということができる。これらの変形は、放電運転時における放電電流が変圧器二次電圧の低下に影響されることの解消に向けて、種々の形で行いうることである。したがって、電流制御器87の出力を大きくする方向での各種手段を採用することが可能である。
また本発明は直流電気車が走行する直流電化区間を対象として説明したがこれは、適用対象の一例であって、要するに交流電源から変圧器と整流器を介して直流電源を構成し、直流側負荷における電力の貯蔵または放出を電力貯蔵装置において調整するものであれば広く適用が可能である。
以上により本発明によれば、交流電源に接続される変圧器の二次電圧を補正用として検出する場合の放電特性を簡単に改善することができるとともに充電開始特性も改善することができる。尚、これまで説明した本発明の実施形態において、チョッパ回路で説明した電力変換回路は、双方向に電力を変換できる構成でさえあれば適用可能である。
1:送電系統の交流電源
2:変圧器
3:他の負荷
4:整流器
5:電気車
7:電力貯蔵装置
7A:電力主回路
7B:電力制御回路
7C:補正回路
71:平滑リアクトル
72:平滑コンデンサ
73、74:チョッパ用トランジスタ
75:昇圧リアクトル
76:蓄電池
77:電圧検出器
78:電流検出器
79:ゲート駆動回路
80C:充電開始電圧設定器
80D:放電開始電圧設定器
81:運転モード判定器
92:交流電圧補正器
83:スイッチ
84C:電圧制御器
84D:電圧制御器
86:電流指令切替器
87:電流制御器
S1:切替信号
S2:運転指令
101:5次高調波電圧検出器
102:5次高調波電圧判定値設定器
103:比較器
104:放電開始電圧設定回路
105:充電開始電圧補助補正器

Claims (11)

  1. 内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、
    前記蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、前記電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、前記整流器の入力電圧に応じて前記充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、該放電の開始電圧を補正する補正回路は、前記電力貯蔵装置の放電運転開始タイミングを前記整流器の入力電圧に含まれる高調波電圧であって、前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって判定し、そのときの前記直流電圧を放電開始電圧として記憶し、一定に保持することを特徴とする電力貯蔵装置。
  2. 内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、
    前記蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、前記電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、前記整流器の入力電圧に応じて前記充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、該充電の開始電圧を補正する補正回路は、前記整流器の入力電圧に含まれる高調波電圧であって、前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって等価無負荷直流電圧を測定し、該等価無負荷直流電圧に所定値を加算したものを好適な充電開始電圧として充電開始電圧を補正することを特徴とする電力貯蔵装置。
  3. 請求項1に記載の電力貯蔵装置であって、
    前記電力貯蔵装置の放電運転開始タイミングを、前記整流器の入力電圧に含まれ前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある5次高調波電圧が所定値以上に増加し、かつ5次高調波電圧の増加率が所定値以上であることで判定するようにしたことを特徴とする電力貯蔵装置。
  4. 整流器の交流電源側に変圧器を備えた請求項1に記載の電力貯蔵装置であって、
    前記整流器の入力電圧に含まれ前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある5次高調波電圧の増加を判定する方法は、前記整流器の入力電圧に含まれる5次高調波電圧から、前記変圧器の一次電圧に含まれる5次高調波電圧の影響を除外して得られた5次高調波電圧から判定するようにしたことを特徴とする電力貯蔵装置。
  5. 請求項2に記載の電力貯蔵装置であって、
    前記整流器の入力電圧に含まれ前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある5次高調波電圧が所定値以上に増加し、かつ5次高調波電圧の増加率が所定値以上であることによって等価無負荷直流電圧を測定するようにしたことを特徴とする電力貯蔵装置。
  6. 整流器の交流電源側の変圧器を備えた請求項2に記載の電力貯蔵装置であって、
    前記整流器の入力電圧に含まれる前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある5次高調波電圧の増加を判定する方法は、前記整流器の入力電圧に含まれる5次高調波電圧から、前記変圧器の一次電圧に含まれる5次高調波電圧の影響を除外して得られた5次高調波電圧から判定するようにしたことを特徴とする電力貯蔵装置。
  7. 請求項4または請求項6に記載の電力貯蔵装置であって、
    前記整流器の入力電圧に含まれる5次高調波電圧の増加を判定する方法は、変圧器一次側5次高調波電圧の比率と同じだけ、前記変圧器二次側電圧に含まれる5次高調波電圧の比率から減算し、該減算結果をレベル判定したことを特徴とする電力貯蔵装置。
  8. 請求項6に記載の電力貯蔵装置であって、
    前記整流器の入力電圧に含まれる5次高調波電圧の増加を判定する方法は、変圧器一次側5次高調波電圧の比率と同じだけ、前記変圧器二次側電圧に含まれる5次高調波電圧の比率から減算し、該減算結果をレベル判定したことを特徴とする電力貯蔵装置。
  9. 内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、
    前記蓄電池の充電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、前記電力の貯蔵を調整する電力制御回路と、前記整流器の入力電圧に応じて前記充電の開始電圧を補正する補正回路と、前記整流器の入力電圧に含まれ前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧を検出する高調波電圧検出回路と、放電時の高調波電圧の目標値を設定する高調波電圧目標設定器と、前記高調波電圧検出回路の出力と前記高調波電圧目標設定器の出力の差に応じて、前記電力の放出を調整する電力制御回路とを備えたことを特徴とする電力貯蔵装置。
  10. 内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、
    前記蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、前記電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、前記整流器の入力電圧に応じて前記充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、
    該放電の開始電圧を補正する補正回路は、前記電力貯蔵装置の放電運転開始タイミングを前記整流器の入力電圧に含まれ前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって判定し、そのときの前記直流電圧を放電開始電圧として記憶し、一定に保持するとともに、
    前記充電の開始電圧を補正する補正回路は、前記整流器の入力電圧に含まれる前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって等価無負荷直流電圧を測定し、該等価無負荷直流電圧に所定値を加算したものを好適な充電開始電圧として充電開始電圧を補正することを特徴とする電力貯蔵装置。
  11. 内部インピーダンスのある交流電源から整流器を介して直流電源を構成し、直流側に設けた蓄電池の充電及び放電を行うことにより直流側負荷における電力の貯蔵または放出を調整する電力貯蔵装置であって、
    前記蓄電池の充電及び放電の開始電圧と直流電圧の差に応じて、前記電力の貯蔵または放出を調整する電力制御回路と、前記整流器の入力電圧に応じて前記充電及び放電の開始電圧を補正する補正回路とを備え、
    該補正回路は、前記整流器の入力電圧に含まれる高調波電圧であって、前記整流器の出力電流と単調増加の関係にある高調波電圧が所定値以上に増加したことによって前記充電及び放電の開始電圧の補正を行うことを特徴とする電力貯蔵装置。
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