JP7250097B1 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7250097B1
JP7250097B1 JP2021185409A JP2021185409A JP7250097B1 JP 7250097 B1 JP7250097 B1 JP 7250097B1 JP 2021185409 A JP2021185409 A JP 2021185409A JP 2021185409 A JP2021185409 A JP 2021185409A JP 7250097 B1 JP7250097 B1 JP 7250097B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
output
input
current
control unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021185409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023072769A (ja
Inventor
龍一 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2021185409A priority Critical patent/JP7250097B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7250097B1 publication Critical patent/JP7250097B1/ja
Publication of JP2023072769A publication Critical patent/JP2023072769A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

【課題】カレントトランスを用いて電流検出を行う電力変換装置において、出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を実現する。【解決手段】インバータ回路3と、トランス4と、整流回路5と、平滑回路6と、カレントトランス81を有する入力電流検出部8と、インバータ回路3を制御する制御部7と、を備え、制御部7はデューティ比に基づいてオフセット電圧を定め、入力電流検出部8によって検出される入力電流を電圧に変換した検出電圧にオフセット電圧を加算した補正検出電圧が、閾値電圧以上である場合、インバータ回路3を制御して出力制限を行う。【選択図】図1

Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
近年、環境に優しい自動車として、電気自動車(EV:Electric Vehle)あるいはHEV(Hybrid Electric Vehicle)およびPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等のハイブリッド自動車が開発されている。
これらの自動車には、電力変換装置として、例えば、走行用の電動モータを駆動させる駆動用電池から制御回路を動作させるための補機用電池の充電を行うため、絶縁型降圧DC/DCコンバータが用いられている。このような自動車の分野では、電力変換装置の高信頼性が急務となっている。
電気自動車用の電力変換装置では、負荷変動によって出力電流を定格電流以上にする必要がある場合、出力電圧を低下させる出力制限機能が実装されている。この出力制限機能は、出力電圧を低下させることで、電力変換装置内部の過電流を抑制し、電力変換装置を保護する。出力制限機能では、出力制限開始電流が入出力電圧条件の変動に関わらず一定であることが求められる。
入出力電圧が変化した場合に、入力電流のピーク値が変化することによる出力電流開始電流の変動を抑制するため、カレントトランスによって検出した入力電流に基づいた検出電圧に、入力電圧および出力電圧の検出値に基づいたオフセット電圧を加算した補正検出電圧を、閾値電圧と比較し、閾値電圧以上である場合、出力制限を行う電力変換装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許第6636595号公報
しかし、特許文献1のカレントトランスを用いた電流検出ではデューティ比増大によるリセット電流の増加に起因して、実際の電流値と検出電圧とが大きく乖離する問題がある。特許文献1では、カレントトランスによる検出誤差の影響を考慮していないため、出力制限開始電流が変動し、出力制限機能が十分に発揮されない。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、カレントトランスを用いて電流検出を行う電力変換装置において、出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、直流電源に接続されるとともに、複数のスイッチング素子を有し、スイッチング素子のオン/オフ制御により、入力される直流電圧から交流電圧を生成するインバータ回路と、1次巻線と2次巻線とを有し、インバータ回路により1次巻線の両端に印加される電圧を異なる電圧に変換して2次巻線に出力するトランスと、トランスの2次巻線から出力される交流電圧を整流する整流回路と、平滑リアクトルを含み、整流回路の出力を平滑する平滑回路と、直流電源とインバータ回路との間に直列に接続されたカレントトランスを有し、インバータ回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、インバータ回路を制御する制御部と、を備え、制御部は、スイッチング素子をオン/オフ制御するデューティ比に基づいて、カレントトランスによる検出誤差を打ち消すようにオフセット電圧を定め、入力電流検出部によって検出される入力電流を電圧に変換した検出電圧にオフセット電圧を加算した補正検出電圧が、閾値電圧以上である場合は、インバータ回路を制御することで出力制限を行うものである。
本願に開示される電力変換装置は、直流電源に接続されるとともに、複数のスイッチング素子を有し、スイッチング素子のオン/オフ制御により、入力される直流電圧から交流電圧を生成するインバータ回路と、1次巻線と2次巻線とを有し、前記インバータ回路により1次巻線の両端に印加される電圧を異なる電圧に変換して2次巻線に出力するトランスと、トランスの2次巻線から出力される交流電圧を整流する整流回路と、平滑リアクトルを含み、整流回路の出力を平滑する平滑回路と、直流電源とインバータ回路との間に直列に接続されたカレントトランスを有し、インバータ回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、インバータ回路を制御する制御部と、を備え、制御部は、スイッチング素子をオン/オフ制御するデューティ比に基づいてオフセット電圧を定め、入力電流検出部によって検出される入力電流を電圧に変換した検出電圧にオフセット電圧を加算した補正検出電圧が、閾値電圧以上である場合は、インバータ回路を制御して出力制限を行い、制御部は、デューティ比とあらかじめ定めた基準デューティ比との差の絶対値が増加するにしたがいオフセット電圧を増加させ、絶対値が減少するにしたがいオフセット電圧を減少させるものである。
本願に開示される電力変換装置によれば、カレントトランスを用いて電流検出を行う電力変換装置において、出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置が得られる。
実施の形態1による電力変換装置の構成図である。 実施の形態1による電力変換装置における動作モード1の電流経路説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における動作モード2の電流経路説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における動作モード3の電流経路説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における動作モード4の電流経路説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における動作モード切替のタイミングチャートである。 実施の形態1による電力変換装置における制御部の出力制限機能の説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における制御部の構成図である。 実施の形態1による電力変換装置における入力電流検出部の構成図である。 実施の形態1による電力変換装置における入力電流検出部のターンオン期間の電流経路説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における入力電流検出部のターンオフ期間の電流経路説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における入力電流検出部のデューティ比と入力電流誤差率の関係の説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における制御部の出力制限機能に対する入力電流検出部の検出誤差の影響説明図である。 図14Aおよび図14Bは、実施の形態1による電力変換装置における制御部のデューティ比に対するオフセット電圧の説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における比較例の異なる入出力条件に対する出力電流の説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における異なる入出力条件に対する出力電流の説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における制御部のデューティ比に対するオフセット電圧の説明図である。 実施の形態1による電力変換装置における制御部のハードウェア構成例のブロック図である。
実施の形態1.
実施の形態1は、直流電圧から交流電圧を生成するインバータ回路と、異なる電圧に変換するトランスと、交流電圧を整流する整流回路と、平滑リアクトルを含む平滑回路と、カレントトランスを有し入力電流を検出する入力電流検出部と、インバータ回路を制御する制御部と、を備え、制御部はデューティ比に基づいてオフセット電圧を定め、入力電流検出部によって検出される入力電流を電圧に変換した検出電圧にオフセット電圧を加算した補正検出電圧が、閾値電圧以上である場合、インバータ回路を制御して出力制限を行う電力変換装置に関するものである。
以下、実施の形態1に係る電力変換装置の構成および動作について、図1~図18に基づいて説明する。
なお、各図において、同一部分もしくは相当部分は、同一符号で示し、重複する説明は、省略する。
まず、実施の形態1の電力変換装置の構成を図1に基づいて説明する。
なお、高圧バッテリ21、低圧バッテリ22、および負荷23は電力変換装置の構成要素ではないが、電力変換装置の動作上関連しているため、特に区別せずに説明する。
電力変換装置1は、DC-DCコンバータとして機能する電力変換器2、電力変換器2を制御する制御部7、入力電流検出部8、入力電圧検出部9、および出力電圧検出部10を備える。なお、図1では、入力電流検出部8をA、入力電圧検出部9をSV1、および出力電圧検出部10をSV2と記載している。
また、電力変換装置1の入力側に高圧バッテリ21が接続され、電力変換装置1の出力側に負荷23および低圧バッテリ22が接続されている。なお、図1では、負荷23をLと記載している。
電力変換器2は、複数の半導体スイッチング素子3a~3dによって構成されるインバータ回路3、1次巻線4aおよび2次巻線4bによって構成されるトランス4、ダイオード5aおよび5bによって構成される整流回路5、平滑リアクトル6aおよび平滑コンデンサ6bによって構成される平滑回路6を備える。
インバータ回路3は、制御部7によって半導体スイッチング素子3a~3dのそれぞれがオン/オフでスイッチング制御されることで、入力される直流電圧を交流電圧に変換する。
インバータ回路3の半導体スイッチング素子3aおよび3cは、高圧バッテリ21の正極側となる上アームに設けられ、半導体スイッチング素子3bおよび3dは、高圧バッテリ21の負極側となる下アームに設けられている。半導体スイッチング素子3aのソースおよび3bのドレインが接続される接続点は、1次巻線4aの第1端に接続されている。半導体スイッチング素子3cのソースおよび3dのドレインが接続される接続点は、1次巻線4aの第2端に接続されている。
半導体スイッチング素子3a~3dとしては、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いることができる。
トランス4は、インバータ回路3によって変換される交流電圧を変圧する機能を持つ。トランス4の2次巻線4bは、第1の2次巻線および第2の2次巻線の2つの巻線が直列に接続された構成をとる。
整流回路5は、ダイオード整流回路であり、トランス4によって変圧された交流電圧を整流する機能を持つ。ダイオード5aのアノードは、トランス4の2次巻線4bの第1端に接続され、カソードは平滑リアクトル6aに接続されている。ダイオード5bのアノードは、トランス4の2次巻線4bの第2端に接続され、カソードは平滑リアクトル6aに接続されている。
平滑回路6は、整流回路5の出力を平滑化する機能を持つ。平滑リアクトル6aの第1端は、ダイオード5aおよび5bのカソードと接続され、平滑リアクトル6aの第2端は、平滑コンデンサ6bの第1端と接続されている。平滑コンデンサ6bの第2端は、トランス4の2次巻線4bを構成する第1および第2の2次巻線の2つの巻線が直列に接続された接続点と接続されている。
次に、入力電流検出部8、入力電圧検出部9、および出力電圧検出部10について説明する。
説明に際して、インバータ回路3に対し入力される電流を入力電流Iin、入力される電圧を入力電圧Vinと定義する。平滑回路6から出力される電圧を出力電圧Vout、出力される電流を出力電流Ioutと定義する。また、平滑リアクトル6aに流れる電流をリアクトル電流ILfと定義する。
入力電流検出部8は、高圧バッテリ21と直列に接続され、入力電流Iinを検出する。入力電圧検出部9は、高圧バッテリ21と並列に接続され、入力電圧Vinを検出する。出力電圧検出部10は、負荷23および低圧バッテリ22と並列に接続され、出力電圧Voutを検出する。
なお、入力電流検出部8には、カレントトランス(CT:Current Transformer)が用いられる。入力電圧検出部9および出力電圧検出部10には、例えば、電圧センサが用いられる。
なお、図1に示しているように、制御部7は、入力電流検出部8から入力電流Iinを取得し、入力電圧検出部9から入力電圧Vinを取得し、出力電圧検出部10から出力電圧Voutを取得する。また、制御部7は、インバータ回路3の半導体スイッチング素子3a~3dのそれぞれをスイッチング制御する。
次に、電力変換装置1の基本動作を動作モード1~動作モード4の電流経路説明図である図2~図5、および動作モード切替のタイミングチャートである図6に基づいて説明する。
電力変換装置1は、半導体スイッチング素子3a~3dのスイッチング状態に応じた4つの動作モードを有しており、一連の動作はスイッチング周期Tswごとに行われる。
図2に示す動作モード1では、半導体スイッチング素子3aおよび3dがオンの状態であり、半導体スイッチング素子3bおよび3cがオフの状態である。この場合、トランス4の1次側に流れる電流は、高圧バッテリ21、半導体スイッチング素子3a、1次巻線4a、および半導体スイッチング素子3dの経路で流れる。トランス4は、1次側から2次側に電力を伝達する。トランス4の2次側に流れる電流は、2次巻線4b、ダイオード5a、平滑リアクトル6a、および負荷23の経路で流れる。
図3に示す動作モード2では、半導体スイッチング素子3a~3dが全てオフの状態である。この場合、トランス4の1次側には電流が流れず、トランス4の1次側から2次側に電力が伝達されない。ただし、2次側では、平滑リアクトル6aの自己誘導によって、負荷23、2次巻線4b、ダイオード5a、ダイオード5b、および平滑リアクトル6aの経路で電流が流れる。この場合、トランス4の2次側には、電圧が発生しないので、リアクトル電流ILfが減少する。
図4に示す動作モード3では、半導体スイッチング素子3bおよび3cがオンの状態であり、半導体スイッチング素子3aおよび3dがオフの状態である。この場合、トランス4の1次側に流れる電流は、高圧バッテリ21、半導体スイッチング素子3c、1次巻線4a、および半導体スイッチング素子3bの経路で流れる。トランス4は、1次側から2次側に電力を伝達する。トランス4の2次側に流れる電流は、2次巻線4b、ダイオード5b、平滑リアクトル6a、および負荷23の経路で流れる。
図5に示す動作モード4では、半導体スイッチング素子3a~3dが全てオフの状態である。この場合、トランス4の1次側には電流が流れず、トランス4の1次側から2次側に電力が伝達されない。ただし、2次側では、平滑リアクトル6aの自己誘導によって、負荷23、2次巻線4b、ダイオード5a、ダイオード5b、および平滑リアクトル6aの経路で電流が流れる。この場合、トランス4の2次側には、電圧が発生しないので、リアクトル電流ILfが減少する。
次に、制御部7が行う動作モード1~動作モード4の切り替えにについて、図6に基づいて説明する。
なお、図6では、半導体スイッチング素子3a~3dのゲート波形(すなわち、オンとオフの状態)、トランス4の1次側電圧V1、入力電流Iin、およびリアクトル電流ILfの各時間変化が図示されている。
図6に示すように、制御部7は、半導体スイッチング素子3a~3dのそれぞれをスイッチング制御しながら、各半導体スイッチング素子3a~3dのデューティ比Dを調整することで、出力電圧Voutが目標値Vtになるように制御する。
動作モード1および動作モード3は、式(1)で表される関係が成り立つ。
ここで、トランス4の1次巻線4aに印加される電圧をV1、2次巻線4bに印加される電圧をV2、1次巻線4aに流れる電流をI1、および2次巻線4bに流れる電流をI2と定義する。また、1次巻線4aの巻数をN1、2次巻線4bの巻数をN2と定義し、N1/N2はトランス4の巻数比である。
N1/N2=V1/V2=I2/I1 式(1)
このとき、V1には入力電圧Vinが印加されるため、式(2)が得られる。
N1/N2=Vin/V2 式(2)
トランス4の2次側には、トランス4の1次側に印加された入力電圧Vinを、巻数比(N1/N2)で除した値である電圧V2が出力される。すなわち、V2=(1/(N1/N2))×Vin=(N2/N1)×Vinで表される関係が成り立つ。
平滑リアクトル6aの両端には、電圧V2と出力電圧Voutとの差分の大きさ、すなわち、|V2-Vout|で表される電圧が印加される。したがって、図6から分かるように、動作モード1および動作モード3では、リアクトル電流ILfが増加する。
また、トランス4の1次側には、リアクトル電流ILfを巻数比(N1/N2)で除した値である入力電流Iinが流れる。すなわち、Iin=(1/(N1/N2))×ILf=(N2/N1)×ILfで表される関係が成り立つ。
動作モード2および動作モード4では、半導体スイッチング素子3a~3dは、制御部7によってオフに制御されるため、トランス4の1次巻線4aに印加される電圧V1への印加電圧はゼロとなる。すなわち、半導体スイッチング素子3a~3dは、すべてオフとなるためIin=0となる。
平滑リアクトル6aの両端には、出力電圧Voutが印加されるためリアクトル電流ILfは減少する。トランス4の2次側には、リアクトル電流ILfと同じ値の電流が流れるため、I2=ILfで表される関係が成り立つ。また、トランス4の2次側では電圧が発生しないため、V2=0となる。
次に、制御部7の出力制限機能について、図7に基づいて説明する。図7は、実施の形態1における電力変換装置1の制御部7によって行われる出力制限機能を説明するものである。なお、図7では、横軸の出力電流Ioutと、縦軸の出力電圧Voutとの関係が図示されている。
ここで、制御部7の出力制限機能では、負荷変動によって出力電流Ioutを定格電流以上とする必要がある場合、出力制限が開始される。このとき、出力制限が開始される時の出力電流Ioutを出力制限開始電流と定義する。
図7に示すように、出力電流Ioutが定格電流未満である場合、制御部7は、出力電圧検出部10によって検出される出力電圧Voutが目標値Vtになるように、各半導体スイッチング素子3a~3dをスイッチング制御する。なお、目標値Vtは、例えば、予め設定された固定値である。
このように、出力電流Ioutが定格電流未満の領域では、制御部7は、出力電圧Voutが定電圧である目標値Vtになるよう制御する。
次に、制御部7が出力制限を行う場合について説明する。
負荷変動によって出力電流Ioutを定格電流以上とする必要がある場合、出力制限機能によって出力制限が開始される。具体的には、制御部7が半導体スイッチング素子3a~3dの全てをオフに制御する。
これにより、図6の動作モード2、4から分かるように、リアクトル電流ILfが減少する。その結果、出力電圧Voutが低下するため、出力制限機能が実現される。
制御部7が出力制限を行った場合の出力電圧Voutは、図7の曲線(LI)で示すように変化する。出力電流Ioutが定格電流を超えることをトリガとして、出力制限が開始される。この出力制限によって、出力電圧Voutが低減されていることが分かる。
なお、図7では、出力電流Ioutが定格電流以上になったタイミングで、すぐに出力制限が行われないよう出力制限が開始する閾値を設けている。また、出力制限から復帰する閾値は、開始する閾値と同じ値である場合を例示している。しかし、出力制限が開始される閾値と、出力制限から復帰する閾値が異なる値であっても良い。
ここで、制御部7が行う出力制限から通常制御への復帰について説明する。制御部7は入力電流検出部8の検出電流の値から出力電流を推定して、この推定値が出力制御開始電流の値以下に低下した場合に通常モードに復帰する。
なお、出力電流検出部を平滑回路6の出力側に平滑リアクトル6aに直列に設けて、この検出電流値で直接判定することもできる。
次に、制御部7の構成を、制御部7の構成図である図8に基づいて説明する。制御部7は、閾値発生器71、比較器72、および加算器73を備える。閾値発生器71は、閾値電圧Vthを発生させる。
比較器72には、閾値発生器71が発生した閾値電圧Vthと、加算器73から出力される補正検出電圧Vd*とが入力される。
補正検出電圧Vd*は、基準電位Vrefと、入力電流検出部8によって検出された入力電流Iinを電圧に変換した検出電圧Vdと、オフセット電圧Voffsetを加算したものである。つまり、検出電圧Vdは基準電位Vrefに対し、オフセット電圧Voffsetの分だけ上昇する。
なお、閾値電圧Vthは、出力電流の増加により、電力変換装置1の定格電力を超過しないように予め設定されている。また、基準電位Vrefは、検出電圧Vdおよびオフセット電圧Voffsetに対する基準となる。
なお、オフセット電圧Voffsetについては後述する。
比較器72は、補正検出電圧Vd*と閾値電圧Vthとを比較する。比較器72による比較の結果、補正検出電圧Vd*が閾値電圧Vth以上になった場合、制御部7は出力制限を行う。
次に、入力電流検出部8の構成、機能について、図9~図13に基づいて説明する。
まず、入力電流検出部8の構成を、入力電流検出部8の構成図である図9に基づいて説明する。
入力電流検出部8は、カレントトランス81、リセット抵抗82、分圧抵抗83、ダイオード84、およびフィルタ85を備える。
入力電流検出部8は、カレントトランス81の1次側電流としてIinが流れることで、巻数比に応じて2次側電流が流れる。2次側電流は、分圧抵抗83に流れることで電圧に変換され、フィルタ85を介し、検出電圧Vdとして制御部7に出力される。
ターンオン期間、ターンオフ期間の電流経路説明図である図10、図11では、リセット抵抗82に流れる電流をリセット電流ires、ダイオード84を介し分圧抵抗83に流れる電流を電力伝送電流ipowerと定義する。なお、図10、図11において、リセット電流iresの矢印は電流の正の向きを表している。
図10に示すターンオン期間において、2次側電流は、リセット抵抗82と分圧抵抗83の関係がリセット抵抗82の抵抗値>>分圧抵抗83の抵抗値であることから、大半が電力伝送電流ipowerとして分圧抵抗83に流れる。
図11に示すターンオフ期間では、入力電流Iin=0であるからカレントトランス81の1次側から2次側への電力伝送は行われない。しかし、ターンオン期間に流れた2次側電流によりカレントトランス81が励磁されているため、カレントトランス81を消磁するようにリセット抵抗82にのみリセット電流iresが流れる。このとき、リセット電流iresは電力伝送電流ipowerの逆方向となる。
図10および図11におけるターンオン期間、ターンオフ期間にカレントトランス81に印加される電圧Von、Voffは、式(3)、(4)で表される。なお、式(3)、(4)のR82、R83はそれぞれリセット抵抗82、分圧抵抗83の抵抗値である。
Von=R83×(ipower-ires) 式(3)
Voff=R82×ires 式(4)
ここで、スイッチング素子3a~3dのスイッチング周波数をfswとすると、インダクタの基本原理より式(5)が得られる。
Von×(D/fsw)=Voff×(1-D)/fsw 式(5)
式(3)~式(5)より、式(6)が得られる。
R83×(ipower-ires)=R82×ires×((1-D)/D)
式(6)
式(6)より、リセット電流iresと電力伝送電流ipowerの関係は式(7)で表される。
ires/ipower =(1/((R82×(1-D))/(R83×D)+1))×100 式(7)
電力伝送電流ipowerに対するリセット電流iresの割合を入力電流誤差率[%]とすると、例えば、リセット抵抗82と分圧抵抗83の抵抗値の割合を、R82:R83=100:1としたとき、式(7)より、入力電流誤差率とデューティ比Dの関係は図12で表せる。なお、図12はデューティ比Dと入力電流誤差率の関係の説明図であり、デューティ比Dが1のとき、入力電流誤差率は100%である。
すなわち、デューティ比Dの増加により、リセット電流iresの割合が増加することで、実際の電流値と検出電流値の乖離が拡大、すなわち電流を電圧に変換した検出電圧の乖離が拡大する。
この検出電圧の乖離による出力制限への影響を図13で説明する。図13は、出力制限機能に対する検出誤差の影響説明図である。
図13中の曲線LI(図7のLIに対応)が理想的な出力制限電流であるが、実際は図12に示す入力電流の検出誤差により、曲線LSのように出力制限開始電流が曲線LIに対し大きく乖離してしまう。
次に、デューティ比D増大による検出誤差の問題を解決するための対応を図14に基づいて説明する。
図8で説明したように、制御部7は検出電圧Vdにオフセット電圧Voffsetを加算した値である補正検出電圧Vd*と、閾値電圧Vthとの比較に基づき出力制限を行うよう構成されている。
図12からわかるように、入力電流誤差率はデューティ比Dが大きいほど大きくなるため、検出電圧Vdはデューティ比Dが大きいほど理想的な値に対して乖離してしまう。つまり検出電圧Vdの乖離分を打ち消すようにオフセット電圧を設定することで、補正検出電圧Vd*の乖離を抑制できる。
このように、検出電圧Vdはデューティ比Dが大きいほど実際の値に対して小さくなるため、オフセット電圧を図14Aに示すように、デューティ比Dが大きいほど大きく、デューティ比Dが小さいほど小さくすることで、検出電圧Vdの検出誤差を打ち消し、補正検出電圧Vd*の乖離を抑制できる。
つまり、デューティ比Dによる出力制限開始電流の変動を抑制できる。かつ、オフセット電圧の傾きはほぼ一定であるため、演算式はデューティ比Dを変数とする線形の関数とすることができる。このため、制御部7の演算負荷を低減できる。
また図12に示す通り、デューティ比Dが小さい範囲では、検出電圧Vdの検出誤差は非常に小さくなるため、図14Bに示すように、デューティ比Dに閾値を設け、閾値以下ではオフセット電圧をゼロとするよう定めても同様の効果を得ることができる。
つまり、閾値以下ではオフセット電圧がゼロとなり、制御部での演算が不要となるため、演算負荷を削減できる。なお、図14Bの閾値は第1の閾値である。
なお、実施の形態1では、デューティ比Dに対するオフセット電圧の関係は線形を例に示したが、これに限定されない。例えば、デューティ比Dに対するオフセット電圧の関係は非線形であってもよい。
次に入出力電圧が変化した場合の影響を図15に基づいて説明する。
図15は、比較例における入出力電圧条件が異なる場合にそれぞれ出力される出力電流Ioutを示す説明図である。
図15に示す比較例は本実施の形態1とは異なり、オフセット電圧Voffsetが無い場合である。なお、図15では、図12に示した入力電流の検出誤差については考慮していない。
図15の左側は、入出力電圧条件が入力電圧Vin高、または出力電圧Vout低である場合のリアクトル電流ILf、閾値電圧Vth、および検出電圧Vdの各時間変化が図示されている。また、出力電流Ioutが記載されている。
図15の右側は、入出力電圧条件が入力電圧Vin低、または出力電圧Vout高である場合に、リアクトル電流ILf、閾値電圧Vth、および検出電圧Vdの各時間変化が図示されている。また、出力電流Ioutが記載されている。
図15においては、図15の左側の出力電流Ioutと図15の右の出力電流Ioutにばらつき(VR)が生じていることがわかる。
なお、閾値電圧Vthは、サブハーモニック発振を抑制するために、スロープ補償を考慮して設定されている。このため、閾値電圧Vthの波形は、図15に示すように、鋸歯のような形状となっている。
図15に示すように、検出電圧Vdが入力電圧Vin、または出力電圧Voutが変化すると、結果として、リアクトル電流ILfを平滑コンデンサ6bによって直流化した出力電流Ioutが変化してしまう。
このため、図15の比較例では、入力電圧Vin、または出力電圧Voutが変化することで、直流化した出力電流Ioutの間で、ばらつき(VR)が生じている。
ここで、出力電圧Voutが一定であると仮定すると、デューティ比Dは、入力電圧Vinが高いほど小さく、入力電圧Vinが低いほど大きい。
同様に、入力電圧Vinが一定であると仮定すると、デューティ比Dは、出力電圧Voutが低いほど小さく、出力電圧Voutが高いほど大きくなる。
次にこの問題を解決するための方法を説明する。すなわち、入出力電圧の変化に起因する出力電流Ioutのばらつきを、先に説明した入力電流の検出誤差による問題を解決するために導入したオフセット電圧を用いて、影響を抑制する方法を図16に基づいて説明する。
図16は、本実施の形態1における電力変換装置1によって入出力電圧条件が異なる場合にそれぞれ出力される出力電流Ioutを示す説明図である。ただし、図16では、図12に示した入力電流の検出誤差については考慮していない。
図16の左側は、入出力電圧条件が入力電圧Vin高、または出力電圧Vout低である場合の実施の形態1におけるリアクトル電流ILf、閾値電圧Vth、検出電圧Vd、オフセット電圧Voffset、および補正検出電圧Vd*の各時間変化が図示されている。また、出力電流Ioutが記載されている。
図16の右側は、入出力電圧条件が入力電圧Vin低、または出力電圧Vout高である場合の実施の形態1におけるリアクトル電流ILf、閾値電圧Vth、検出電圧Vd、オフセット電圧Voffset、および補正検出電圧Vd*の各時間変化が図示されている。また、出力電流Ioutが記載されている。
また、比較器72で用いられる閾値電圧Vthは、サブハーモニック発振を抑制するために、スロープ補償を考慮して設定されている。このため、閾値電圧Vthの波形は、図16に示すように、図15と同様に鋸歯のような形状となっている。
比較例の図15に対する本願実施の形態1の図16の特徴は、オフセット電圧Voffsetを導入していることである。図16の左側の入出力電圧条件(入力電圧Vin高、または出力電圧Vout低)では、オフセット電圧Voffsetを大きくしている。図16の右側の入出力電圧条件(入力電圧Vin低、または出力電圧Vout高)では、オフセット電圧Voffsetを小さくしている。
なお、図16の補正検出電圧Vd*は、図8で説明したように、基準電位Vrefと、入力電流検出部8によって検出された入力電流Iinを電圧に変換した検出電圧Vdと、オフセット電圧Voffsetを加算したものである。
この結果、図16の左側の出力電流Ioutと図16の右の出力電流Ioutにばらつき(VR)が生じていない。
図14に示したデューティ比Dの変化に伴う電流検出誤差に起因する検出電圧Vdの乖離に対するオフセット電圧に加え、図16に示した入出力電圧の変化に起因する出力電流のばらつき(変動)に対するオフセット電圧を考慮すると、オフセット電圧は図17に示す通りとなる。
図17における関数OS1の特性は電流検出誤差に起因する検出電圧Vdの乖離に対するオフセット電圧の概略図である。関数OS2の特性は、入出力電圧の変化に起因する出力電流の変動に対するオフセット電圧の概略図である。関数OS1と関数OS2の両方を考慮すると、オフセット電圧は関数OS3の特性のようになる。
つまり、図17に示すようにデューティ比Dの変化によりオフセット電圧が屈折点を持つように変化する。オフセット電圧を、デューティ比Dが屈折点に近づくに従いオフセット電圧が小さくなり、デューティ比Dが屈折点から遠ざかるに従いオフセット電圧が大きくなるように、設定する。このようにオフセット電圧を設定することで、出力制限開始電流の変動を抑制し、かつ、入出力電圧の変化による出力電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置1を得ることができる。
すなわち、図17の屈折点は、電流検出誤差に対するオフセット電圧直線(OS1)と入出力電圧の変化に対するオフセット電圧直線(OS2)の交点である。また、この屈折点のデューティ比Dが基準デューティ比である。
また、オフセット電圧はデューティ比Dを変数とする演算式によって算出可能であり、関数OS3に示すように屈折点を持つ場合、その演算式は2次以上の関数とする必要がある。なお、図17では、関数OS1の特性および関数OS2の特性は線形である例を示したが、これに限定されず、非線形であってもよい。
図17では、関数OS1と関数OS2とは交点を持つ例を示したが、動作領域内で交点を持たない場合もあり得る。この場合は、関数OS1と関数OS2とを外挿してその交点を屈折点とすることができる。
関数OS1の特性は電流検出誤差に起因する検出電圧Vdの乖離に対するオフセット電圧であるため、デューティ比Dを変数とする演算式となる。
また、関数OS2の特性は、入出力電圧の変化に起因する出力電流の変動に対するオフセット電圧であるため、入力電圧Vinもしくは出力電圧Voutを変数とする演算式となる。
すなわち、関数OS1のオフセット電圧をデューティ比Dに基づいて設定し、関数OS2のオフセット電圧を入力電圧または出力電圧に基づいて設定することができる。
ここで、入力電圧は、入力電圧検出部9が検出するインバータ回路3に入力される直流電圧である。出力電圧は、出力電圧検出部10が検出する平滑回路6から出力される出力電圧である。
この場合も出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置1を得ることができる。
なお、図17における関数OS1に関数OS2を加算することでオフセット電圧を算出してもよい。
また、図17における屈折点のデューティ比Dを第2の閾値として、第2の閾値においてオフセット電圧を算出する演算式を切り替えてもよい。その場合、屈折点の前後ではオフセット電圧の傾きはほぼ一定のため、演算式はデューティ比Dを変数とする線形の関数とすることができる。
このように、線形の関数とすることで制御部の演算負荷を低減可能であり、制御部により安価なIC(Integrated Circuit)を用いることができる。そして、出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置1を得ることができる。
オフセット電圧の算出に、デューティ比Dを変数とする演算式と入力電圧または出力電圧を変数とする演算式を用いる場合、制御部7がデューティ比Dを算出する際の処理時間は、入力電圧また出力電圧を検出する際の処理時間より短いことが好ましい。
この処理時間は、実装されているフィルタ回路による遅延および制御部7での演算及び処理時間も含む。
実施の形態1における電力変換装置1の入力、出力はバッテリに接続されていることを想定しているため、負荷電流の急変時でも電圧の変化は小さい。一方、電力変換器内部の抵抗値による電圧降下は急変し、それに伴いデューティ比Dも即座に変化する。このため、出力制限開始電流の変動を抑制するためにはデューティ比Dはより早く追従する必要がある。
したがって、制御部7がデューティ比Dを算出する際の処理時間は、入力電圧または出力電圧を検出する際の処理時間より短くすることで、負荷急変時においても出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置1を得ることができる。
また制御部7は、スイッチング素子を駆動する第1の制御部と、オフセット電圧及びデューティ比Dを算出する第2の制御部を持ち、第1の制御部と第2の制御部が異なる部品で構成されていてもよい。例えば、それぞれの機能に適した種類の部品とすることで、第1の制御部は非常に安価な汎用ICを使用し、第2の制御部も低機能で安価なマイクロコンピュータを使用可能となるため、コスト低減を図ることができる。
この構成では、第2の制御部が入力電圧検出部9および出力電圧検出部10により検出した入力電圧Vinと出力電圧Voutを用いて、下記の式(8)からデューティ比Dを算出することができる。このため、式(8)から算出したデューティ比Dを変数とした演算式によりオフセット電圧を算出することで、出力制限開始電流の変動を抑制し、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置1を得ることができる。
なお、式(8)のKは,電力変換器2の構成で決まる定数である。
D=K×Vin/Vout 式(8)
実施の形態1では、制御部7がデューティ比Dに基づいてオフセット電圧を定め、入力電流検出部8によって検出された入力電流を電圧に変換した検出電圧Vdと、閾値電圧Vthとに基づいて、検出電圧Vdにオフセット電圧Voffsetを加算した補正検出電圧Vd*を算出する。この算出した補正検出電圧Vd*が閾値電圧Vth以上である場合、制御部7はインバータ回路3を制御することで出力制限を行う。このため、電流検出誤差による出力制限開始電流の変動だけでなく、入出力電圧の変化による出力電流の変動も抑制できる。その結果、信頼性の高い出力制限機能を有する電力変換装置1を得ることができる。
なお、実施の形態1では、制御部7は、出力制限を行う場合、半導体スイッチング素子3a~3dの全てをオフに制御するように構成される場合を例示した。しかし、半導体スイッチング素子3a~3dの全てを必ずしもオフにする必要はない。
すなわち、入力電流Iinの値が0になるような半導体スイッチング素子3a~3dの組み合わせに従って、1つ以上の半導体スイッチング素子をオフにすれば、リアクトル電流ILfを減少させて出力電圧Voutを低下させることができる。
なお、実施の形態1では、電力変換器2のトランス4がセンタータップ方式の構成としたが、これに限定されない。例えば、トランス4は、2次巻線の両端がそれぞれフルブリッジ構成のダイオードの中点に接続される構成であってもよい。
なお、実施の形態1では、トランス4の2次巻線4bの中点が低圧バッテリ22の負極側に接続され、2次巻線4bの両端がそれぞれダイオード5aおよび5bのアノード側に接続されている構成としたが、これに限定されない。例えば、トランス4の2次巻線4bの中点が平滑リアクトル6aに接続され、2次巻線4bの両端がそれぞれダイオード5aおよび5bのカソード側に接続され、ダイオード5aおよび5bのアノードが低圧バッテリ22の負極側に接続されていてもよい。
なお、実施の形態1では、電力変換器2は、入力側の電圧よりも出力側の電圧が低い降圧型のコンバータとしたが、これに限定されない。例えば、電力変換器2は、入力側の電圧よりも出力側の電圧が高い昇圧型のコンバータであってもよい。
なお、実施の形態1では、電力変換器2のスイッチング方式は、ハードスイッチング方式としたが、これに限定されない。例えば、電力変換器2のスイッチング方式は、位相シフト制御方式であってもよい。この場合、制御部7は、半導体スイッチング素子3aおよび半導体スイッチング素子3dを1つのスイッチング素子対として制御し、各半導体スイッチング素子3bおよび3cの位相を半周期ずらして制御する。
なお、実施の形態1では、制御部7は、オフセット電圧Voffsetを検出電圧Vdに加算した値である補正検出電圧Vd*と、閾値電圧Vthとを比較するように構成したが、これに限定されない。例えば、制御部7は、閾値電圧Vthからオフセット電圧Voffsetを減算した値である補正閾値電圧Vth*と、検出電圧Vdとを比較するように構成してもよい。
この場合、加算器73は、求めたオフセット電圧Voffsetを、閾値電圧Vthから減算した値である補正閾値電圧Vth*を出力する。制御部7は、入力電流検出部8によって検出される入力電流Iinを電圧に変換した検出電圧Vdと、加算器73によって出力される補正閾値電圧Vth*とを比較する。制御部7は、その比較の結果、検出電圧Vdが補正閾値電圧Vth*以上である場合、出力制限を行う。
なお、実施の形態1における制御部7の各機能は、処理回路によって実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
一方、処理回路がプロセッサの場合、制御部7の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリに格納される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
なお、各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各機能を実現することができる。
ここで、電力変換装置1の制御部7のハードウェアの一例を図18に示す。図18に示すようにプロセッサ2000と記憶装置2001から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを備える。
また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を備えてもよい。プロセッサ2000は、記憶装置2001から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ2000にプログラムが入力される。また、プロセッサ2000は、演算結果等のデータを記憶装置2001の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
1 電力変換装置、2 電力変換器、3 インバータ回路、
3a,3b,3c,3d 半導体スイッチング素子、4 トランス、4a 1次巻線、
4b 2次巻線、5 整流回路、5a,5b ダイオード、6 平滑回路、
6a 平滑リアクトル、6b 平滑コンデンサ、7 制御部、8 入力電流検出部、
9 入力電圧検出部、10 出力電圧検出部、21 高圧バッテリ、
22 低圧バッテリ、23 負荷、71 閾値発生器、72 比較器、73 加算器、
81 カレントトランス、82 リセット抵抗、83 分圧抵抗、84 ダイオード、
85 フィルタ、2000 プロセッサ、2001 記憶装置。

Claims (11)

  1. 直流電源に接続されるとともに、複数のスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオン/オフ制御により、入力される直流電圧から交流電圧を生成するインバータ回路と、
    1次巻線と2次巻線とを有し、前記インバータ回路により前記1次巻線の両端に印加される電圧を異なる電圧に変換して前記2次巻線に出力するトランスと、
    前記トランスの前記2次巻線から出力される交流電圧を整流する整流回路と、
    平滑リアクトルを含み、前記整流回路の出力を平滑する平滑回路と、
    前記直流電源と前記インバータ回路との間に直列に接続されたカレントトランスを有し、前記インバータ回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、
    前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記スイッチング素子をオン/オフ制御するデューティ比に基づいて、前記カレントトランスによる検出誤差を打ち消すようにオフセット電圧を定め、
    前記入力電流検出部によって検出される前記入力電流を電圧に変換した検出電圧に前記オフセット電圧を加算した補正検出電圧が、閾値電圧以上である場合は、前記インバータ回路を制御して出力制限を行う電力変換装置。
  2. 前記制御部は、
    前記デューティ比が増加するにしたがい前記オフセット電圧を増加させ、
    前記デューティ比が減少するにしたがい前記オフセット電圧を減少させる請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、
    前記デューティ比があらかじめ定めた第1の閾値以下では、前記オフセット電圧をゼロとし、
    前記デューティ比が前記第1の閾値を越えた場合、前記オフセット電圧を増加させる請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 直流電源に接続されるとともに、複数のスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオン/オフ制御により、入力される直流電圧から交流電圧を生成するインバータ回路と、
    1次巻線と2次巻線とを有し、前記インバータ回路により前記1次巻線の両端に印加される電圧を異なる電圧に変換して前記2次巻線に出力するトランスと、
    前記トランスの前記2次巻線から出力される交流電圧を整流する整流回路と、
    平滑リアクトルを含み、前記整流回路の出力を平滑する平滑回路と、
    前記直流電源と前記インバータ回路との間に直列に接続されたカレントトランスを有し、前記インバータ回路の入力電流を検出する入力電流検出部と、
    前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記スイッチング素子をオン/オフ制御するデューティ比に基づいてオフセット電圧を定め、
    前記入力電流検出部によって検出される前記入力電流を電圧に変換した検出電圧に前記オフセット電圧を加算した補正検出電圧が、閾値電圧以上である場合は、前記インバータ回路を制御して出力制限を行い、
    前記制御部は、
    前記デューティ比とあらかじめ定めた基準デューティ比との差の絶対値が増加するにしたがい前記オフセット電圧を増加させ、
    前記絶対値が減少するにしたがい前記オフセット電圧を減少させる電力変換装置。
  5. 前記インバータ回路に入力される前記直流電圧を検出する入力電圧検出部と、
    前記平滑回路から出力される出力電圧を検出する出力電圧検出部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記入力電圧検出部によって検出される前記直流電圧、および前記出力電圧検出部によって検出される前記出力電圧に基づき、前記デューティ比を定める請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、
    前記スイッチング素子を駆動する第1の制御部と、前記オフセット電圧を定める第2の制御部を備え、
    前記第1の制御部と、前記第2の制御部は、それぞれの機能に適した種類の部品で構成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記インバータ回路に入力される前記直流電圧を検出する入力電圧検出部を備え、
    前記制御部は、
    前記デューティ比に加え、前記入力電圧検出部によって検出される前記直流電圧に基づき、前記オフセット電圧を定める請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記平滑回路から出力される出力電圧を検出する出力電圧検出部を備え、
    前記制御部は、
    前記デューティ比に加え、前記出力電圧検出部によって検出される前記出力電圧に基づき、前記オフセット電圧を定める請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記インバータ回路に入力される前記直流電圧を検出する入力電圧検出部および前記平滑回路から出力される出力電圧を検出する出力電圧検出部の両方、もしくは、いずれか一方を備え、
    前記制御部は、
    前記デューティ比を算出する際の処理時間が、
    前記入力電圧検出部によって前記直流電圧を検出する際の処理時間または、
    前記出力電圧検出部によって前記出力電圧を検出する際の処理時間よりも短い請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御部は、
    前記デューティ比に基づく演算式により前記オフセット電圧を定め、かつ、
    前記デューティ比に第2の閾値を設け、前記第2の閾値により前記演算式を切り替える請求項4に記載の電力変換装置。
  11. 前記第2の閾値は前記基準デューティ比とする請求項10に記載の電力変換装置。
JP2021185409A 2021-11-15 2021-11-15 電力変換装置 Active JP7250097B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021185409A JP7250097B1 (ja) 2021-11-15 2021-11-15 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021185409A JP7250097B1 (ja) 2021-11-15 2021-11-15 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7250097B1 true JP7250097B1 (ja) 2023-03-31
JP2023072769A JP2023072769A (ja) 2023-05-25

Family

ID=85772960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021185409A Active JP7250097B1 (ja) 2021-11-15 2021-11-15 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7250097B1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002305873A (ja) 2001-01-31 2002-10-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd スイッチング電源装置
JP2019062689A (ja) 2017-09-27 2019-04-18 富士通株式会社 電源装置及び電源管理プログラム
CN112054658A (zh) 2020-09-16 2020-12-08 杰华特微电子(杭州)有限公司 一种开关电源电路的控制方法、控制电路及开关电源

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002305873A (ja) 2001-01-31 2002-10-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd スイッチング電源装置
JP2019062689A (ja) 2017-09-27 2019-04-18 富士通株式会社 電源装置及び電源管理プログラム
CN112054658A (zh) 2020-09-16 2020-12-08 杰华特微电子(杭州)有限公司 一种开关电源电路的控制方法、控制电路及开关电源

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023072769A (ja) 2023-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5928913B2 (ja) 共振形dc−dcコンバータの制御装置
US10224826B2 (en) Control apparatus determining transformer magnetization in a DC/DC converter based on difference between primary and secondary currents
US9343986B2 (en) Power converter with current feedback loop
JP5382552B2 (ja) Dcdcコンバータ及びdcdcコンバータの制御方法
US9160238B2 (en) Power converter with current feedback loop
US20150049515A1 (en) Resonant converter and method of operating the same
US20170207714A1 (en) Current resonance type power supply device
JP5478190B2 (ja) Dcdcコンバータシステム
JP4466866B2 (ja) スイッチング電源装置
JP5403438B2 (ja) Dcdcコンバータ及びdcdcコンバータの制御方法
US8817490B2 (en) DC-DC converter
US7330359B2 (en) Power supply unit
JP7250097B1 (ja) 電力変換装置
JP5589771B2 (ja) 充電器の電流制御装置
JP6636595B1 (ja) 電力変換装置
JP5534508B2 (ja) 直流電源装置
JP6406133B2 (ja) 電力変換装置
JP5954256B2 (ja) 制御方法
JP5383522B2 (ja) 直流電源装置
JP6762173B2 (ja) 電力変換装置
JP2017139867A (ja) Dc‐dcコンバータ装置及びそれを用いた蓄電システム
JP7246459B1 (ja) 電力変換装置
JP6464034B2 (ja) 電力変換装置
US8830700B2 (en) DC-DC converter and method for controlling DC-DC converter
JP2013099194A (ja) 絶縁型dc‐dcコンバータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230320

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7250097

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151