JP7246459B1 - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの自動車には、電力変換装置として、例えば、走行用の電動モータを駆動させる駆動用電池から、制御回路を動作させるための補機用電池の充電を行うために必要な直流変換装置として、絶縁型降圧DC/DCコンバータが用いられている。
そこで、CTを使用した電流検出回路において、CTの2次側に誤差改善用のトランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を追加し、主回路のトランジスタに対して反転したゲート信号で駆動することで、リセット電流による乖離を無くし、検出電流による誤差を改善する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、誤差改善用のトランジスタに、主回路のトランジスタに入力されるゲート信号を反転したゲート信号を入力し、同時にスイッチングすることで誤差を改善している。しかし実際は主回路のトランジスタと誤差改善用のトランジスタのスイッチング速度のばらつき、更にはそれぞれのトランジスタを駆動するための絶縁ドライバの遅延のばらつきが存在する。従って、主回路のトランジスタと誤差改善用のトランジスタのスイッチングを同時に行うことは難しく、これらのばらつきを考慮すると、電流検出誤差の改善は困難であるという問題がある。
前記電力変換回路の入力電流を検出するために前記入力電源と前記スイッチング素子との間に1次巻線が直列に接続されるカレントトランスと、
前記カレントトランスの2次巻線に流れる電流値を出力電圧値に変換する電流電圧変換回路と、
前記スイッチング素子をオン又はオフ駆動するための駆動信号を出力する制御回路を備えたものであって、
前記制御回路は、前記出力電圧値に基づいて演算式により前記入力電流を算出するとともに、前記制御回路は予め定められた1以上の整数であるN個の前記スイッチング素子を駆動するための前記駆動信号のDuty比閾値に対応し、前記演算式を切り替えるものである。
以下、実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は、実施の形態1に係る電力変換装置の一例を示すブロック図である。図1において、電力変換装置であるDC/DCコンバータ1は、直流電圧を生成する入力電源となる高圧バッテリ100から出力側の外部負荷500の間に、センサ回路300と、CT10と、電流電圧変換回路11と、制御回路200を有している。電流電圧変換回路11は、リセット抵抗12と、分圧抵抗13と、ダイオード14によって構成されており、CT10の2次巻線に流れる電流値を電圧値(AD値)に変換する。
更にDC/DCコンバータ1は、CT10の後段に接続されたスイッチング素子18a、18b、18c、18dと、トランス19と、整流用ダイオード20a、20bと、平滑リアクトル21と、平滑コンデンサ22と、センサ回路400を備えている。センサ回路300およびセンサ回路400はいずれも分圧回路であり、入力電圧および出力電圧を降圧させ、制御回路200へ電圧を印加している。又スイッチング素子18a、18b、18c、18d、トランス19等により電力変換回路を構成している。
また、制御回路200は、センサ回路300およびセンサ回路400により、入力電圧Vinおよび出力電圧Voutをモニタする。
図2に示すモード1においては、スイッチング素子18a、18dがオン、スイッチング素子18b、18cがオフの状態である。このとき、トランス19の1次巻線側に流れる電流は、高圧バッテリ100、スイッチング素子18a、トランス19(1次巻線側)及びスイッチング素子18dの経路で流れる。ここで、トランス19は1次側から2次側に電力を伝達し、トランス19の2次側巻線側に流れる電流は、トランス19(2次巻線側)、整流用ダイオード20a、平滑リアクトル21及び外部負荷500の経路で流れる。
以下、電流電圧変換回路11の動作について図8~図11に基づいて説明する。図8はオンDuty比が小さい場合のCT10の1次側電流と2次側電圧の波形図である。図9はオンDuty比が大きい場合のCT10の1次側電流と2次側電圧の波形図である。図8、図9において、ターンオン区間(図2のモード1、図4のモード3)をP、ターンオフ区間(図3のモード2、図5のモード4)をQと定義している。
ターンオン区間Pにおいて、図10の実線矢印で示すように、CT10の1次側の主回路に電流が流れると、CT10の2次側には巻数比に比例した電流が流れる。このときCTの2次巻線に流れる電流をCT2次側の電力伝送電流Ipowerと定義する。
電流電圧変換回路11では、リセット抵抗12と分圧抵抗13の関係が、リセット抵抗12>>分圧抵抗13とされており、電力伝送電流Ipowerの大半は、ダイオード14を介して分圧抵抗13に流れる。
ここで、DC/DCコンバータ1のスイッチング素子18a、18b、18c、18dの駆動周波数をfswと置くと、トランスの基本原理より下記の式(3)が求まる。
式(5)で表される電力伝送電流Ipowerに対するリセット電流Iresの割合を入力電流誤差率(%)とすると、例えば、リセット抵抗12と分圧抵抗13の割合を、R12:R13=100:1としたとき、入力電流誤差率とスイッチングのオンDuty比との関係は図12に示すようになる。
即ち、オンDuty比が増加するに伴い、リセット電流Iresの割合が増加する。
R領域において、オンDuty比が所定の範囲をもっているのは、主回路側の電流量が増加すると、スイッチング素子18a、18b、18c、18d又はトランス19等の主回路における電圧降下量も大きくなるため、スイッチング素子18a、18b、18c、18dのオンDuty比が増加するからである。即ち主回路における電流が増加することにより、主回路での電圧降下が大きくなり、Voutが低下する。低下した電圧を上げるためには、オンDuty比を増加させることになる。
本実施の形態のDC/DCコンバータ1においては、計算負荷の軽い1次関数の演算により入力電流Iinを演算する。演算式を下記の式(6)に示す。なお、α,βは係数としての演算パラメータである。
具体的には、例えばα=Vin×ゲイン+オフセット、β=Vin×ゲイン+オフセットというような式で表す。なお、α、βは、α=Vout×ゲイン+オフセット、β=Vout×ゲイン+オフセット、または、α=Vin×ゲイン+オフセット、β=Vout×ゲイン+オフセット、または、α=Vout×ゲイン+オフセット、β=Vin×ゲイン+オフセット等でも良い。
図17はDuty比閾値を1つ設け、その閾値で演算式(式(6))を切り替えた場合の概念図である。図17に示すように、Duty比閾値を設け、演算式(式(6))を切り替えることにより、Duty比と入力電流誤差率の関係を大幅に実際の関係に近づけることが出来る。
このように予め決定したDuty比閾値で入力電流を求める演算式(式(6))を切り替えることにより、入力電流の誤差を大幅に低減することが可能となる。即ち図16ではDuty比=0.9あたりで7%ほど乖離が生じているのに対して、図17においては、Iinを求める演算式をDuty比閾値に応じて切り替えることにより、Duty比=0~1の間で最も大きくても1%の乖離に収まっていることがわかる。
この際、予め使用電力の範囲内で、条件を多数設け、測定を行い、入力電流の検出誤差が大きくなるDuty比を閾値として設定する。
このように設定することで、図17、図18に示すように、入力電流の誤差を大幅に低減することができる。
以上より、予め定めた1個以上のDuty比閾値により、AD値から入力電流Iinを求める演算式(式(6))の係数である演算パラメータα、βを切り替えることにより、部品を追加すること無く、センサ精度を大幅に向上させた電力変換装置を提供することができる。
以下、実施の形態2を図に基づいて説明する。図19は、実施の形態2に係る電力変換装置の一例を示すブロック図である。図19において、DC/DCコンバータ1は、実施の形態1と同様に、直流電圧を生成する入力電源となる高圧バッテリ100から出力側の外部負荷500の間に、センサ回路300、CT10、電流電圧変換回路11、制御回路200を有する。電流電圧変換回路11は、リセット抵抗12、分圧抵抗13、ダイオード14によって構成されている。更にDC/DCコンバータ1は、CT10の後段に接続されたスイッチング素子18a、18b、18c、18dと、トランス19と、整流用ダイオード20a、20bと、平滑リアクトル21と、平滑コンデンサ22と、センサ回路400を備えている。
第1の制御回路200aでは、例えば出力側のセンサ回路400により得た出力電圧Voutを、第2の制御回路200bからの出力電圧指令値V*に近づけるように、スイッチング素子18a、18b、18c、18dの駆動信号のDuty比を演算し、制御する。
CT10の1次巻線に電流が流れ、巻数比に基づき2次巻線に電流が流れ、その2次巻線に流れる電流は、分圧抵抗13を介して電圧に変換され、フィルタ抵抗16及びフィルタコンデンサ17のフィルタ素子で構成されたフィルタ回路15を介して、第2の制御回路200bに入力される。第2の制御回路200bは、その電圧を電流値に変換し、電力変換装置1の外部へ出力する。
演算式の切り替え方法、効果に関しては実施の形態1と同様である。更に実施の形態1と同様、予め定めた1個以上のDuty比閾値でAD値から入力電流Iinを求める演算式(式(6))の係数である演算パラメータα、βを切り替えることにより、部品を追加すること無く、センサ精度を大幅に向上させることができる。
第2の制御回路200bにおいて、上記のようにDuty比を算出することにより、既存の検出用の回路を用いることが出来る。従ってDuty比を算出するための部品を追加する必要が無く、Duty比を算出できる。
なお、実施の形態1、2では、DC/DCコンバータ1として、フルブリッジDC/DCコンバータの例を示したが、この回路構成に限定するものではなく、AD変換に平滑回路(ローパスフィルタ)を用いている構成であれば、LLC方式又はハーフブリッジ型のDC/DCコンバータ等でもよい。
例えば高次の関数として、3次の関数を用いると、以下の式(9)となる。
Iin=α×AD値3+β×AD値2+γ×AD値+δ・・・・・・・(9)
更に演算式の次数の増加およびDuty比閾値の個数の増加に伴い、演算パラメータの個数も増加する。即ち演算式は、1以上の整数であるM個の演算パラメータを備え、制御回路200は、Duty比に応じて演算パラメータを切り替えることになる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
12 リセット抵抗、13 分圧抵抗、18a~18d スイッチング素子、
100 入力電源、200 制御回路、200a 第1の制御回路、
200b 第2の制御回路、300,400 センサ回路、500 外部負荷。
Claims (7)
- 入力電源と外部負荷との間に配置される複数のスイッチング素子を有する電力変換回路と、
前記電力変換回路の入力電流を検出するために前記入力電源と前記スイッチング素子との間に1次巻線が直列に接続されるカレントトランスと、
前記カレントトランスの2次巻線に流れる電流値を出力電圧値に変換する電流電圧変換回路と、
前記スイッチング素子をオン又はオフ駆動するための駆動信号を出力する制御回路を備えた電力変換装置において、
前記制御回路は、前記出力電圧値に基づいて演算式により前記入力電流を算出するとともに、前記制御回路は予め定められた1以上の整数であるN個の前記スイッチング素子を駆動するための前記駆動信号のDuty比閾値に対応し、前記演算式を切り替える電力変換装置。 - Duty比が増加して前記Duty比閾値に到達し、前記制御回路が前記演算式を切り替える際に、前記演算式は切り替え前後で前記入力電流の値が増加するように設定されている請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記演算式は、1以上の整数であるM個の演算パラメータを備え、前記制御回路は、Duty比に応じて前記演算パラメータを切り替える請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記演算式は、前記演算パラメータを係数とした一次関数である請求項3に記載の電力変換装置。
- 前記電力変換回路の入力電圧及び出力電圧を検出するセンサ回路を設け、前記演算パラメータは前記センサ回路により検出した前記入力電圧又は前記出力電圧のうちの少なくともいずれか一方の関数である請求項3又は請求項4に記載の電力変換装置。
- 前記制御回路は、前記センサ回路により検出した前記入力電圧及び前記出力電圧を用いてDuty比を算出する請求項5に記載の電力変換装置。
- 前記制御回路は、前記スイッチング素子の前記駆動信号のDuty比を演算して前記駆動信号を生成する第1の制御回路と、前記入力電流を算出する第2の制御回路を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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