JP2016148801A - 静電画像加湿装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の静電画像加湿装置は、トナー粒子を含むトナーを熱定着させた画像を有する用紙を加湿する静電画像加湿装置であって、前記トナー粒子が、トナー母体粒子に少なくとも結晶性樹脂を含有し、
用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与する加湿手段を有し、当該加湿液が、少なくとも界面活性剤を含有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
しかしながら、このような低温定着性と耐熱保管性を両立させたトナーを使用した場合であっても、低温定着化を進めたプロセスにおいては、トナーに蓄えられた電荷の放出が充分に起こらず、結果として画像が帯電してしまい、画像同士が貼りついてしまうという現象が起こることがわかった。
そこで、低温定着化プロセスにおいても画像同士の貼り付きを起こさない技術が望まれていた。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記トナー粒子が、トナー母体粒子に少なくとも結晶性樹脂を含有し、
用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与する加湿手段を有し、
当該加湿液が、少なくとも界面活性剤を含有することを特徴とする静電画像加湿装置。
前記用紙に前記加湿液を付与する加湿ローラーと、
当該加湿ローラーに前記加湿液を供給する手段と、
を有することを特徴とする第1項に記載の静電画像加湿装置。
前記加湿ローラーが、前記給液ローラーから前記加湿液を受け取ることを特徴とする第2項から第8項までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置。
第1項から第9項までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
近年、省エネルギー化の観点から低温でトナーを溶融定着する試みがなされてきている。
一般的なトナー粒子が含有する樹脂は、高温になるほど電気抵抗が下がり、蓄えられた電荷を放出しやすくなるが、低温で定着された場合には電荷放出が充分に起こらず、結果として画像が帯電してしまい、画像同士が貼りついてしまうことがわかった。
これは、画像表面に塗布された界面活性剤の親水性基は空気中の水分を吸着し、画像表面を導電性にすることで画像中の電荷を放出するように作用するためと推察される。
また、界面活性剤を加湿液に加えることによって、加湿液の画像に対する濡れ性も向上するため、その点でも電荷放出に有利に働くと考えられる。
このように、画像表面に界面活性剤が塗布された場合には、画像表面の電気抵抗を下げることが可能であると推察される。
更に界面活性剤は画像表面の摩擦力を低減する効果もあることから排紙貼り付き低減に非常に有効である。
前記トナー粒子が、トナー母体粒子に少なくとも結晶性樹脂を含有し、
用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与する加湿手段を有し、
当該加湿液が、少なくとも界面活性剤を含有することを特徴とする。この特徴は請求項1から請求項10までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の静電画像加湿装置は、トナー粒子を含む静電荷像現像用トナーを熱定着させた画像を有する用紙を加湿する静電画像加湿装置であって、前記トナー粒子が、トナー母体粒子に少なくとも結晶性樹脂を含有し、用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与する加湿手段を有し、当該加湿液が、少なくとも界面活性剤を含有することを特徴とする。
本発明の静電画像加湿装置は、用紙に画像を形成する手段及び加熱により画像を定着する手段を有する画像形成装置に好適に採用できる。
なお、本発明において、「鉛直」とは水平面に対して90±5°の範囲以内であることをいう。
本発明に係る加湿手段は、用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与する。
なお、本発明に係る加湿手段は、用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与できる手段であれば、特に限定されないが、後述するような、用紙に加湿液を付与する加湿ローラーと当該加湿ローラーに加湿液を供給する手段と、を有することが、トナーを熱定着させた画像を有する用紙に対して、加湿液を均一に塗布でき、ひいては、貼り付きをより抑制できることから好ましい。
また、用紙に付与する加湿液の量は特に限定されないが、用紙に対し0.01g/m2〜0.50g/m2の範囲内、より好ましくは0.03g/m2〜0.10g/m2の範囲内であることがべたつき等の画像品質低下を起こすことなく、好適に効果を発現できるため好ましい。
本発明に係る加湿液は、少なくとも界面活性剤を含有する。
なお、加湿液中の界面活性剤の含有量は、加湿液全体に対し、0.1〜30質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、本発明の効果を適切に発現でき、さらに、画像表面がべたつくことがない。
加湿液は、上記界面活性剤のほか、溶媒を含有していることが好ましい。この溶媒は、特に限定されず、例えば、水並びにアルコール又はこれらの混合溶媒を使用できる。
なお、加湿液は、アルコールを含有することが、濡れ性をより向上でき、ひいては、トナーを熱定着させた画像を有する用紙の貼り付きをより抑制できるため好ましい。
アルコールは、公知のものを使用でき、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールを使用できる。
本発明に係る界面活性剤は、その種類については限定されず、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用できる。
なお、一般的に、画像を形成するトナー粒子に含有される樹脂は負極性に帯電しやすいため、加湿液は陽イオン性界面活性剤を含有することが、より高い貼り付き抑制効果が得られるため好ましい。
さらに、陽イオン性界面活性剤として、四級アンモニウム塩を含有すれば、加湿液のpH及び加湿液中の金属イオン量の影響を受けにくいため特に好ましい。
本発明に係る用紙は、トナーを熱定着させた画像を有することができるものであれば、特に限定されず、具体的には、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工処理がなされた印刷用紙等が挙げられる。
なお、トナーを熱定着させる方法は特に限定されないが、後述の定着手段8のような方法を好適に使用できる。
本発明に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、少なくともトナー粒子を含んで構成される。
なお、本発明において、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
本発明に係るトナー粒子は、トナー母体粒子に少なくとも結晶性樹脂を含有する。
本発明に係るトナー母体粒子には、結着樹脂及び着色剤が含有され、所望により離型剤が含有されてもよい。
ここで、本発明「トナー母体粒子」とは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有してなる粒子のことである。トナー母体粒子は、そのままでもトナー粒子として使用することができるが、通常、外添剤を添加したものをトナー粒子として使用することが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子を製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂である。明確な吸熱ピークとは、具体的には示差走査熱量測定(DSC)において、例えば昇温速度10℃/minで測定した際、吸熱ピークの半値幅が15℃以内となるピークを示すものを意味する。
なお、結晶性樹脂は、トナー母体粒子中に1〜30質量%の範囲内含有されることが好ましい。
結晶性樹脂のトナー母体粒子中における含有量が、1質量%以上であれば、好適に効果を発現することができる。また、結晶性樹脂のトナー母体粒子中における含有量が、30質量%以下であれば、トナーがブロッキングを起こすことを回避できる。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂とは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸化合物)と、2価以上のアルコール(多価アルコール化合物)との重縮合反応によって得られる結晶性樹脂である。
エステル化触媒としては、酸化ジブチルスズ、2−エチルヘキサン酸スズ(II)等のスズ化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物と両反応性単量体成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物と両反応性単量体成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、示差熱量分析装置(DSC)により測定することができる。
例えば、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。具体的には、試料4.50mgをアルミニウム製パン(KITNo.0219−0041)に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得する。融点は、吸熱ピークのピークトップの温度とする。
なお、当該結晶性ポリエステル樹脂の融点測定法は、結晶性ポリエステル樹脂以外の結晶性樹脂の融点測定法としても同様に適用できる。
なお、結晶性樹脂としては、上記結晶性ポリエステル樹脂以外にも、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂などが挙げられる。
結晶性ポリウレタン樹脂は、ジオール成分とジイソシアネート成分とから合成されるものであることが好ましい。
結晶性ポリウレタン樹脂を得るためのジイソシアネート成分としては、炭素数6〜20(ただしNCO基中の炭素は除く)の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、及びこれらのジイソシアネートの変性物などが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
結晶性ポリアミド樹脂は、ジアミン成分とジカルボン酸成分との反応から得られたものであることが好ましい。
結晶性ポリアミド樹脂を得るためのジアミン成分及びポリアミン成分としては、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミンを用いることが好ましく、芳香族ジアミンを用いることもできる。
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンシアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの炭素数2〜6のもの。
ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの炭素数2〜6のもの。
ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン。
1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4′−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メレンジアミン)などの炭素数4〜15のもの。
ピペラジン、4−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなどの炭素数4〜15のもの。
キシリレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミンなどの炭素数8〜15のもの。
1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4′−及び4,4′−ジフェニルメタンジアミン、ポリフェニルポリメチレンポリアミン、ジアミノジフェニルスルホン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリアミン、ナフチレンジアミンなど。
2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、エチルトリレンジアミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4,3,3′,5.5′−テトラメチルベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジメチルジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3′−メチル−2′,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエチル−2.2′−アミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの異性体の混合物など。
ダイマー酸などのジカルボン酸と過剰(ジカルボン酸酸1モルに対して2モル以上)の脂肪族ポリアミンとの縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン、ポリアルキレングリコールなどのポリオールのシアノエチル化物の水素化物などのポリエーテルポリアミンなど。
結晶性ポリウレア樹脂は、ジアミン成分とジイソシアネート成分との反応から得られたものであることが好ましい。
結晶性ポリエーテル樹脂としては、結晶性ポリオキシアルキレンポリオールなどを用いることができる。
本発明に係るトナー粒子が粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、トナー粒子を構成する結着樹脂として、例えば、スチレン系ポリマーやアクリル系ポリマー、スチレン−アクリル系コポリマー、ポリエステル、シリコーンポリマー、オレフィン系ポリマー、アミド系ポリマー及びエポキシポリマーなどが挙げられる。
本発明のトナー母体粒子が含有する着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。着色剤としてはカーボンブラック、磁性粉のほか、各種有機、無機の顔料、染料等が使用できる。着色剤の添加量はトナー粒子に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
本発明に係るトナー母体粒子には、離型剤を添加することができる。離型剤としては、ワックスが好ましく用いられる。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明に係るトナー母体粒子には、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、種々の公知のものを使用することができる。
トナーとしての帯電性能や流動性、又はクリーニング性を向上させる観点から、トナー粒子の表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、滑材を外添剤として添加することできる。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウムなどによる無機微粒子を好ましいものとして挙げられる。
必要に応じてこれらの無機微粒子は疎水化処理されていてもよい。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。
滑材は、クリーニング性や転写性を更に向上させる目的で使用されるものであって、滑材としては、例えば、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩などの高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これらの外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
外添剤の添加量は、トナー粒子100質量%に対して0.1〜10.0質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、公知の種々のキャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
以下、図1〜図5に示す実施の形態により、上述の構成を有する本発明の静電画像加湿装置について具体的な一例を説明するが、本発明は当該実施の形態に限られない。
なお、本発明に係る加湿手段は、後述のように用紙に加湿液を付与する加湿ローラーと、加湿ローラーに加湿液を供給する手段とを有することが好ましい。
加湿ローラー111Aと111Bとは互いに接触し、矢印のように回転して用紙Sを搬送する際に、用紙Sに加湿液を付与して加湿を行う。なお、給液ローラー112A、112Bと給液槽114A、114Bとの間に中継ローラー(図示せず。)を介在させ、給液ローラー112A、112Bに加湿液を供給する給液部を給液槽と中継ローラーとで構成することもできる。
加湿ローラー111Aには、給液ローラー112Aが、加湿ローラー111Bには給液ローラー112Bが、それぞれ接触し、給液ローラー112Aは給液槽114Aに収容されている加湿液Wに、給液ローラー112Bは給液槽114Bに収容されている加湿液Wにそれぞれ浸漬している。このようにして、給液ローラー112A及び112Bには、給液部である給液槽114A及びBから加湿液Wが供給される。
加湿ローラー111Aは、金属からなる軸芯111Aaと、その上に形成されたゴム層111Abとで構成されることが好ましい。
加湿ローラー111Bは、金属からなる軸芯111Baとその上に形成されたゴム層111Bbとで構成されることが好ましい。
給液ローラー112Aは、金属からなる軸芯112Aaとその上に形成されたゴム層112Abとで構成されることが好ましい。
給液ローラー112Bは、金属からなる軸芯112Baとその上に形成されたゴム層112Bbとで構成されることが好ましい。
加湿手段110Bにおいて、給液経路WH2は、給液ローラー112Bが加湿液Wの液面と接する位置p3から、給液ローラー112Bの表面及び加湿ローラー111Bの表面を経て、加湿ローラー111Bが用紙Sに接触する加湿位置p2までに至る、加湿液Wの給液経路である。
このような給液経路WH1及びWH2を経て、加湿ローラー111A及び111Bは、給液ローラー112A及び112Bから加湿液を受け取ることができる。
切替ゲート167が点線の位置にあるときは、カール矯正手段160を通らない用紙搬送路HR23が選択される。
一方、切替ゲート167が実線の位置にあるときは、カール矯正手段160を通る用紙搬送路HR24が選択される。
図示例において、加熱ローラー8A、加熱ローラー8Aに圧接する加圧ローラー8B及びヒーター8Cを有し、ヒーター8Cにより加熱された加熱ローラー8Aにより未定着トナー像を加熱し、トナーを溶融させてトナー像を用紙Sに定着する。
このようにして、トナーを熱定着させた画像を有する用紙Sが得られる。
<結着樹脂粒子分散液1の調製>
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温75℃とし、
・スチレン 584質量部
・アクリル酸n−ブチル 160質量部
・メタクリル酸 56質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌しながら重合を行うことにより、樹脂微粒子〔b1〕の分散液を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記の樹脂微粒子〔b1〕42質量部(固形分換算)、マイクロクリスタリンワックス「HNP−0190」(日本精蝋社製)70質量部を、
・スチレン 239質量部
・アクリル酸n−ブチル 111質量部
・メタクリル酸 26質量部
・n−オクチルメルカプタン 3質量部
からなる単量体溶液に80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
上記の樹脂微粒子〔b2〕の分散液に、さらに、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
・スチレン 380質量部
・アクリル酸n−ブチル 132質量部
・メタクリル酸 39質量部
・n−オクチルメルカプタン 6質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、結着樹脂粒子分散液1を得た。
ポリエステル重合セグメントの材料の多価カルボン酸化合物としてのセバシン酸(分子量202.25)220質量部と、多価アルコール化合物としての1,12−ドデカンジオール(分子量202.33)298質量部を窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に入れ160℃に加熱し、溶解させた。2−エチルヘキサン酸スズ(II)2.5質量部、没食子酸0.2質量部を加えて210℃に昇温し8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性樹脂1を得た。
結晶性樹脂1の合成において、多価カルボン酸化合物としてのセバシン酸(分子量202.25)327質量部、多価アルコール化合物としての1,6−ヘキサンジオール(分子量118.17)191質量部を用いた以外は結晶性樹脂1の合成と同様にして、結晶性樹脂2を得た。融点は66.8℃、標準スチレン換算のMwは29000であった。
結晶性樹脂1の合成において、多価カルボン酸化合物としての1,18−オクタデカンジカルボン酸(分子量314.46)295質量部、多価アルコール化合物としての1,16−ヘキサデカンジオール(分子量258.44)223質量部を用いた以外は結晶性樹脂1の合成と同様にして、結晶性樹脂2を得た。融点は78.0℃、標準スチレン換算のMwは23000であった。
結晶性樹脂1を100質量部、酢酸エチル400質量部に溶解させた。次いで、5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液25質量部を添加して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を、撹拌装置を有する容器へ投入し、樹脂溶液を撹拌しながら、0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部を30分間かけて滴下混合した。ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の滴下途中、反応容器内の液が白濁し、さらに、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を全量滴下後、樹脂溶液粒子を均一に分散させた乳化液が調製された。次いで、上記乳化液を40℃に加熱し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用して、150hPaの減圧下で酢酸エチルを蒸留除去することにより、結晶性ポリエステル樹脂よりなる結晶性樹脂粒子分散液1を得た。
結晶性樹脂1を結晶性樹脂2又は結晶性樹脂3にそれぞれ変更した以外は結晶性樹脂微粒子分散液1の調製と同様にして結晶性樹脂粒子分散液2及び結晶性樹脂粒子分散液3を得た。
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、結着樹脂粒子分散液1の分散液300質量部(固形分換算)と、結晶性樹脂微粒子分散液1の分散液60質量部(固形分換算)と、イオン交換水1100質量部と、着色剤微粒子分散液〔Cy〕40質量部(固形分換算)とを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま凝集し粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、これにより、トナー母体粒子1の分散液を調整した。
生成したトナー母体粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」((株)セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子1を作製した。
(外添剤添加工程)
トナー母体粒子1に、疎水性シリカ(体積平均粒径=12nm)1質量%及び疎水性チタニア(体積平均粒径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、トナー1を作製した。
トナー1の製造において、トナー母体粒子中における結晶性樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)量[%]を表1のようにしたほかは、同様にしてトナー2〜7を作製した。なお、トナー7には、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)は含有されていない。
トナー母体粒子中における結晶性樹脂量[%]=結晶性樹脂量[質量部]/(結着樹脂量[質量部]+結晶性樹脂量[質量部]+着色剤量[質量部])×100 [%]
トナー1の製造において、結晶性樹脂微粒子分散液1を結晶性樹脂微粒子分散液2に変更した以外は同様にしてトナー8を製造した。
トナー1の製造において、結晶性樹脂微粒子分散液1を結晶性樹脂微粒子分散液3に変更した以外は同様にしてトナー9を製造した。
上記トナー1〜9を用い、次のようにして、本発明の静電画像加湿装置について評価した。
なお、静電画像加湿装置としては、図1に示す静電画像加湿装置Bを使用した。
上記トナー1〜9について、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度が6質量%となるようにして混合し現像剤を作製し以下の評価に用いた。混合機は、V型混合機を用いて、30分間混合した。
「bizhub PRO C7000(コニカミノルタ社製)」を用いて、定着温度設定を15℃下げた状態でベタ画像(トナー付着量:10.5g/m2)を両面100枚出力した(紙種:OKトップコート紙(王子製紙社製) A3 157g/m2)。画像を有する積載された用紙Sのうち、上から70〜80枚目の11枚を抽出し平坦なテーブルの上に置き、一番上の用紙短辺先端にテープTを貼り付け水平方向Xにゆっくり滑らせた。この際、上から2枚目以降の画像については動かないようにテーブルに固定しておく(図6)。用紙を滑らせるのに要する力をばねばかりで測定した。この測定を上から順に10枚繰り返し、ばねばかりの示した力の平均値を貼り付き力とした。貼り付き力が1.5N以下となる場合に実用可能レベルとした。
なお、表2における混合溶媒1とは水とエタノールとを等量で混合させたものであり、混合溶媒2とは水90質量部に対しエタノール10質量部を混合させたものであり、混合溶媒3とは水10質量部に対しエタノール90質量部を混合させたものである。
150、160、カール矯正手段
111A、111B 加湿ローラー
112A、112B 給液ローラー
113A、113B 制御部材
114A、114B 給液槽
118 加湿液を供給する手段
A 画像形成装置
B 用紙加湿装置
C 製本装置
HR1〜HR3、HR21〜HR24 用紙搬送路
Claims (10)
- トナー粒子を含む静電荷像現像用トナーを熱定着させた画像を有する用紙を加湿する静電画像加湿装置であって、
前記トナー粒子が、トナー母体粒子に少なくとも結晶性樹脂を含有し、
用紙を搬送する際に、当該用紙に加湿液を付与する加湿手段を有し、
当該加湿液が、少なくとも界面活性剤を含有することを特徴とする静電画像加湿装置。 - 前記加湿手段が、
前記用紙に前記加湿液を付与する加湿ローラーと、
当該加湿ローラーに前記加湿液を供給する手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の静電画像加湿装置。 - 前記加湿液が、前記界面活性剤として、陽イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電画像加湿装置。
- 前記加湿液が、前記陽イオン性界面活性剤として、四級アンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項3に記載の静電画像加湿装置。
- 前記加湿液が、少なくともアルコールを含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置。
- 前記加湿液中の前記界面活性剤の含有量が、0.1〜30質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置。
- 前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置。
- 前記結晶性樹脂が、前記トナー母体粒子中に1〜30質量%の範囲内含有されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置。
- 前記用紙を下方又は上方に案内する鉛直な用紙搬送路と、給液部と、前記給液部から前記加湿液が供給される給液ローラーとを有し、
前記加湿ローラーが、前記給液ローラーから前記加湿液を受け取ることを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置。 - 前記用紙に画像を形成する手段及び加熱により画像を定着する手段と、
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の静電画像加湿装置と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
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