JP2021182034A - トナー及びその製造方法、トナー収容ユニット、画像形成装置、並びに画像形成方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法、トナー収容ユニット、画像形成装置、並びに画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性と耐熱保存性を高レベルに両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、フィルミングによる異常画像の発生を抑制できるトナー等の提供。【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー母体粒子の表面に、樹脂微粒子が付着したトナーであって、前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が500nm未満であるトナーである。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー及びその製造方法、トナー収容ユニット、画像形成装置、並びに画像形成方法に関する。
近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化と耐高温オフセット性、省エネルギー化のための低温定着性、及び製造後の保管時や運搬時における高温高湿に耐えうる耐熱保存性が要求されている。特に、定着時における消費電力は画像形成工程における消費電力の多くを占めるため、低温定着性の向上は非常に重要である。
トナーの低温定着性を向上させるためには、前記トナーに低融点の材料を使用する必要があるが、低融点の材料を用いて製造したトナーは、耐熱保存性が悪くなり、低温定着性と耐熱保存性とはトレードオフの関係にある。
そこで、低温定着性と耐熱保存性とを両立させるため、2種の樹脂を同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子が樹脂粒子の表面に付着した複合樹脂粒子を形成した後、樹脂微粒子の樹脂の一部又は全部を除去する除去工程を含む複合樹脂粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
本発明は、低温定着性と耐熱保存性を高レベルに両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、フィルミングによる異常画像の発生を抑制できるトナーを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー母体粒子の表面に、樹脂微粒子が付着したトナーであって、前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が500nm未満である。
本発明によると、低温定着性と耐熱保存性を高レベルに両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、フィルミングによる異常画像の発生を抑制できるトナーを提供することができる。
図1は、トナー表面の状態の一例を示す概略図である。 図2は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー母体粒子の表面に、樹脂微粒子が付着したトナーであって、前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が500nm未満であり、更に必要に応じてその他の成分を有する。
従来技術では、一般的なトナーの表面には、流動性や帯電性を付与するため、シリカや酸化チタン等の無機微粒子からなる添加剤が添加されている。クリーニングブレードによって像担持体上で堰き止められたトナーから、遊離した添加剤がクリーニングブレードと像担持体の当接部に供給され、添加剤による溜まり層が形成されることが知られており、これがクリーニングブレードと像担持体の間の潤滑剤として作用し、これによりトナーの良好なクリーニング性が得られる。しかし、添加剤を遊離させすぎるとフィルミングによる異常画像が発生しやすくなるという問題がある。
本発明においては、トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が500nm未満であり、隣り合う前記樹脂微粒子間の距離がある程度等間隔に並んで(ほぼ均一に並んで)いるので、定着を阻害しない樹脂微粒子によりトナー表面を覆うことでトナーを硬くでき、信頼性(保存性、付着力)を担保できることによって、低温定着性と耐熱保存性を高レベルに両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、フィルミングによる異常画像の発生を抑制できる。
<樹脂微粒子>
前記樹脂微粒子は、トナー母体粒子の表面に付着している。
前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差は500nm未満であり、250nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。標準偏差の下限値は10nm以上が好ましい。
標準偏差が500nm未満であると、低温定着性と耐熱保存性を高レベルに両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、フィルミングによる異常画像の発生を抑制できる。
前記樹脂微粒子間の距離の平均値は10nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上250nm以下がより好ましい。
前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差は500nm未満とする方法としては、例えば、狙いのトナー粒径に対する樹脂微粒子の被覆率が90%以上になるように処方設計し、樹脂微粒子を乳化工程時に添加することで樹脂微粒子をトナー表面に密に付着させる方法や、トナーの平均円形度の調整により樹脂微粒子を効率的に付着させることで樹脂微粒子間の距離を抑える方法などが挙げられる。
本発明において、隣り合う樹脂微粒子間の距離は、樹脂微粒子の中心と樹脂微粒子の中心とを結んだ距離である。前記樹脂微粒子の中心とは、樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、画像にし、その画像の中心点を表す。
トナー母体表面は、平らではなく若干丸みをおびている(カーブしている)。このため、前記樹脂微粒子間の距離とは、トナー母体表面の樹脂微粒子間の距離を測定したものではなく、トナー母体表面上の樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像上における、樹脂微粒子間の最短距離である。
ここで、図1は、トナー表面の状態の一例を示す概略図である。トナー母体粒子4の表面に樹脂微粒子3が付着している。樹脂微粒子3は、後述するコア樹脂(b2)2とシェル樹脂(b1)1とからなる。C1とC2は樹脂微粒子3の中心を示す。Mは、樹脂微粒子3の体積平均一次粒径を示す。Lは、隣り合う樹脂微粒子3同士の距離を示す。
<樹脂微粒子間の距離の測定>
以下のようにして、超音波による外添剤の遊離処理で外添剤を極力除去し、トナー母体粒子に近い状態にし、樹脂微粒子間の距離の平均値、標準偏差を求める。
−外添剤の遊離方法−
[1]100mlのスクリュー管に、界面活性剤を含有した5質量%水溶液(商品名ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)を50ml添加し、その混合液にトナー3gを加えて静かに上下左右に動かす。その後、トナーが分散溶液になじむようにボールミルで30min撹拌する。
[2]その後、超音波ホモジナイザー(商品名homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS有限会社製)を用いて、出力40Wに設定し、60分間超音波エネルギーを付与する。
−超音波条件−
・振動時間:60分連続
・振幅:40W
・振動開始温度:23±1.5℃
・振動中温度:23±1.5℃
[3](1)分散液をろ紙(商品名定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、再度イオン交換水で2回洗浄しろ過し、遊離した添加剤を除去後、トナー粒子を乾燥させる。
(2)(1)で得られたトナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する。まず、反射電子像を観察することでSiを含有する外添剤やフィラーを検出する。
(3)(1)の画像を画像処理ソフト(ImageJ)で二値化し、前記外添剤とフィラーを排除する。
次に、(1)と同じ位置で二次電子画像を観察する。樹脂微粒子は反射電子画像では観察されず、二次電子画像でのみ観察されるため、(3)で得られた画像と照合し、残存外添剤とフィラー以外の部分((3)で排除した以外の部分)に存在する微粒子を樹脂微粒子とし前記画像処理ソフトを使用し、樹脂微粒子間の距離(粒子の中心と中心を結ぶ距離)を測定する
この測定を二値化画像100枚(画像1枚当たりトナー粒子1個)について行い、その平均値を樹脂微粒子間の距離の平均値とする。
樹脂微粒子間の距離の標準偏差は、粒子間距離をxとすると、下記数式により算出する。
Figure 2021182034
[撮影条件]
・走査型電子顕微鏡:SU−8230(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
・撮影倍率:35000倍
・撮影像:SE(L):二次電子、BSE(反射電子)
・加速電圧:2.0kV
・加速電流:1.0μA
・プローブ電流:Normal
・焦点モード:UHR
・WD:8.0mm
前記樹脂微粒子の体積平均一次粒子径は、5nm以上100nm以下が好ましく、 10nm以上50nm以下がより好ましい。前記体積平均一次粒子径が5nm以上100nm以下であると、低温定着性が良好となる。
体積平均一次粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)画像観察によって測定することができる。
前記樹脂微粒子(以下、「樹脂微粒子(B)」とも表記することがある)としては、コア樹脂(芯部)と前記コア樹脂の少なくとも一部の表面を被覆するシェル樹脂(外殻部)とを有することが好ましく、コア樹脂とシェル樹脂からなることがより好ましく、樹脂(b1)、樹脂(b2)からなるビニル系ユニットを含有することが更に好ましい。
前記シェル樹脂(以下「樹脂(b1)」とも表現する)、及び前記コア樹脂(以下、「樹脂(b2)」とも表現する)は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーが好ましい。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素
ビニル炭化水素としては、例えば、(1−1)脂肪族ビニル炭化水素、(1−2)脂環式ビニル炭化水素及び(1−3)芳香族ビニル炭化水素などが挙げられる。
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素
脂肪族ビニル炭化水素としては、例えば、アルケン、アルカジエンなどが挙げられる。
前記アルケンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、α−オレフィンなどが挙げられる。
前記アルカジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどが挙げられる。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素
脂環式ビニル炭化水素としては、モノ−もしくはジ−シクロアルケン及びアルカジエンが挙げられ、具体的な例としては(ジ)シクロペンタジエン、テルペン等が挙げられる。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素
芳香族ビニル炭化水素としては、スチレン又はそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体等が挙げられ、具体的にはα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン及びビニルナフタレンなどが挙げられる。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩
前記カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩としては、例えば、炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸(塩)、不飽和ジカルボン酸(塩)並びにその無水物(塩)及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル又はその塩などが挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー及びこれらの金属塩などが挙げられる。
本発明において「(塩)」とは、酸又はその塩を意味する。
例えば、炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸(塩)とは、不飽和モノカルボン酸あるいはその塩を意味する。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、メタクリル酸あるいはアクリル酸を意味する。
本発明において「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルあるいはアクリロイルを意味する。
本発明において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートあるいはアクリレートを意味する。
(3)スルホン酸基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩
前記スルホン酸基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩としては、例えば、炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(塩)、炭素数2〜24のアルキルスルホン酸(塩)、スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(塩)、又は(メタ)アクリルアミド(塩)、アルキルアリルスルホコハク酸(塩)などが挙げられる。
具体的には、炭素数2〜14のアルケンスルホン酸としては、ビニルスルホン酸(塩)などが挙げられ、炭素数2〜24のアルキルスルホン酸(塩)としては、α−メチルスチレンスルホン酸(塩)などが挙げられ、スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(塩)、又は(メタ)アクリルアミド(塩)としては、スルホプロピル(メタ)アクリレート(塩)、硫酸エステル(塩)、又はスルホン酸基含有ビニルモノマー(塩)などが挙げられる。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩
燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)燐酸モノエステル(塩)、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸(塩)などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)燐酸モノエステル(塩)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート(塩)、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート(塩)などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸(塩)の具体例としては、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸(塩)などが挙げられる。
上記(2)〜(4)の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー
前記ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、蔗糖アリルエーテルなどが挙げられる。
(6)含窒素ビニルモノマー
前記含窒素ビニルモノマーとしては、例えば、(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー、(6−2)アミド基含有ビニルモノマー、(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー、(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー、(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレートなどが挙げられる。
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)などが挙げられる。
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ニトロスチレンなどが挙げられる。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー
前記エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイドなどが挙げられる。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー
前記ハロゲン元素含有ビニルモノマーとしては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレンなどが挙げられる。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン
ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等)]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート[多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]などが挙げられる。
ビニル(チオ)エーテルとしては、例えば、ビニルメチルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトンとしては、例えば、ビニルメチルケトンなどが挙げられる。
(10)その他のビニルモノマー
その他のビニルモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、フルオロアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどが挙げられる。
樹脂(b1)の合成には、上記(1)〜(10)のビニルモノマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂(b1)としては、低温定着性の観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
樹脂(b1)がカルボン酸を有することで、樹脂に酸価を付与し、樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすくなる。
樹脂(b2)に用いられるビニルモノマーは、樹脂(b1)と同様のものが挙げられる。
樹脂(b2)の合成には、上記樹脂(b1)で挙げた(1)〜(10)のビニルモノマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂(b2)としては、低温定着性の観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
樹脂(b1)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G”としては、1.5MPa〜100MPaが好ましく、1.7MPa〜30MPaがより好ましく、2.0MPa〜10MPaが更に好ましい。
樹脂(b2)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G”としては、0.01MPa〜1.0MPaが好ましく、0.02MPa〜0.5MPaがより好ましく、0.05MPa〜0.3MPaが更に好ましい。
前記粘弾性特性の損失弾性率G”がこの範囲であれば、樹脂(b1)と樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすい。
樹脂(b1)及び(b2)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G”は、構成モノマーの種類及びその構成比を変えることや、重合条件(開始剤、連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度等)で調整することができる。
具体的には、例えば以下のような組成にすることで各々のG”を前述の範囲に調整することが可能となる。
(1)樹脂(b1)の構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg1)、及び樹脂(b2)の構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg2)について、Tg1を好ましくは0℃〜150℃、更に好ましくは50℃〜100℃とし、Tg2を好ましくは−30℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜80℃、最も好ましくは30℃〜60℃とする。
なお、構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg)とは、Fox法により計算することができる値である。
ここで、Fox法[T.G.Fox,Phys.Rev.,86,652(1952)]とは、下記式で示される個々の単独重合体のTgから共重合体のTgを推算する方法である。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
[式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)、Tg1、Tg2・・・Tgnは各単量体成分の単独重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)、W1、W2・・・Wnは各単量体成分の重量分率を示す。]
(2)樹脂(b1)の計算酸価(AV1)及び樹脂(b2)の計算酸価(AV2)について、(AV1)を、好ましくは75mgKOH/g〜400mgKOH/g、更に好ましくは150mgKOH/g〜300mgKOH/gとし、(AV2)を0mgKOH/g〜50mgKOH/g、更に好ましくは0mgKOH/g〜20mgKOH/g、最も好ましくは0mgKOH/gとする。
なお、計算酸価とは、構成単量体中に含有される酸性基のモル量と、構成モノマーの総重量から計算される理論酸価である。
(1)及び(2)の条件を満たす構成単量体として、樹脂(b1)については、例えば樹脂(b1)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを好ましくは10質量%〜80質量%、更に好ましくは30質量%〜60質量%含有し、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を好ましくは合計10質量%〜60質量%、更に好ましくは合計30質量%〜50質量%含有する樹脂が挙げられる。
また、樹脂(b2)については、例えば、樹脂(b2)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを好ましくは10質量%〜100質量%、更に好ましくは30質量%〜90質量%含有し、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(b2)の合計質量に基づいて、好ましくは合計0質量%〜7.5質量%、更に好ましくは合計0質量%〜2.5質量%含有する樹脂が挙げられる。
(3)重合条件(開始剤、連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度等)を調整する。具体的には、樹脂(b1)及び樹脂(b2)の数平均分子量(Mn1)及び(Mn2)について、(Mn1)は、2,000〜2,000,000が好ましく、20,000〜200,000がより好ましい。(Mn2)は、1,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。
本発明における粘弾性特性の損失弾性率G”は、例えば、下記の粘弾性測定装置を用いて測定される。
・装置:ARES−24A(レオメトリック社製)
・治具:25mmパラレルプレート
・周波数:1Hz
・歪み率:10%
・昇温速度:5℃/min
樹脂(b1)の酸価(AVb1)としては、75mgKOH/g〜400mgKOH/gが好ましく、150mgKOH/g〜300mgKOH/gがより好ましい。
酸価が上記範囲であれば、樹脂(b1)と樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含むビニル系ユニットを含有する樹脂微粒子(B)がトナーの表面に付着した粒子を形成しやすい。
酸価が上記範囲にある樹脂(b1)は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(b1)の合計質量に基づいて、好ましくは合計10質量%〜60質量%、更に好ましくは合計30質量%〜50質量%含有する樹脂である。
樹脂(b2)の酸価(AVb2)としては、低温定着性の観点から、0mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、0mgKOH/g〜20mgKOH/gがより好ましく、0mgKOH/gが更に好ましい。
酸価がこの範囲にある樹脂(b2)は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(b2)の合計質量に基づいて、好ましくは合計0質量%〜7.5質量%、更に好ましくは合計0質量%〜2.5質量%含有する樹脂である。
酸価は、例えば、JIS K0070:1992の方法で測定することができる。
前記樹脂(b1)のガラス転移温度としては、前記樹脂(b2)のガラス転移温度より高いことが好ましく、10℃以上高いことがより好ましく、20℃以上高いことが更に好ましい。
この範囲であれば樹脂微粒子(B)がトナーの表面に付着したトナー粒子の形成しやすさと、本発明のトナー粒子の低温定着性のバランスに優れる。
樹脂(b1)のガラス転移温度(以下、Tgと略記することもある)としては、0℃〜150℃が好ましく、50℃〜100℃がより好ましい。
ガラス転移温度が、0℃以上であれば、耐熱保存性を向上させることができ、150℃以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b2)のTgとしては、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、30℃〜60℃が更に好ましい。ガラス転移温度が、−30℃以上であれば、耐熱保存性を向上させることができ、100℃以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
本発明におけるTgは、「DSC20、SSC/580」[セイコー電子工業株式会社製]を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC)で測定する。
樹脂(b1)の溶解性パラメータ(以下、SP値と略記することもある)としては、トナー粒子の形成しやすさの観点から、9(cal/cm1/2〜13(cal/cm1/2が好ましく、9.5(cal/cm1/2〜12.5(cal/cm1/2がより好ましく、10.5(cal/cm1/2〜11.5(cal/cm)1/2が更に好ましい。
樹脂(b1)のSP値は、構成するモノマーの種類及びその構成比を変えることで調整することができる。
樹脂(b2)のSP値としては、トナー粒子の形成しやすさの観点から、8.5(cal/cm1/2〜12.5(cal/cm1/2が好ましく、9(cal/cm1/2〜12(cal/cm1/2がより好ましく、10(cal/cm1/2〜11(cal/cm)1/2が更に好ましい。
樹脂(b2)のSP値は、構成するモノマーの種類及びその構成比を変えることで調整することができる。
本発明におけるSP値は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算する。
樹脂(b1)中に、樹脂(b1)のTg及びその他モノマーとの共重合性の観点から、樹脂(b1)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを10質量%〜80質量%含有することが好ましく、30質量%〜60質量%含有することがより好ましい。
樹脂(b2)中に、樹脂(b2)のTg及びその他ビニルモノマーとの共重合性の観点から、樹脂(b2)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを10質量%〜100質量%含有することが好ましく、30質量%〜90質量%含有することがより好ましい。
樹脂(b1)の数平均分子量(Mn)としては、2,000〜2,000,000が好ましく、20,000〜200,000がより好ましい。数平均分子量が2,000以上であれば、耐熱保存性が向上し、2,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b1)の重量平均分子量(Mw)としては、前記樹脂(b2)の重量平均分子量より大きいことが好ましく、樹脂(b2)の重量平均分子量より1.5倍以上大きいことがより好ましく、樹脂(b2)の重量平均分子量より2.0倍以上大きいことが更に好ましい。この範囲であれば、トナー粒子の形成しやすさと、低温定着性のバランスに優れる。
樹脂(b1)の重量平均分子量(Mw)としては、20,000〜20,000,000が好ましく、200,000〜2,000,000がより好ましい。重量平均分子量が、20,000以上であれば、耐熱保存性が向上し、20,000,000以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b2)の数平均分子量(Mn)としては、1,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。Mnが、1,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、1,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b2)の重量平均分子量(Mw)としては、10,000〜10,000,000が好ましく、100,000〜1,000,000がより好ましい。Mwが、10,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、10,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
これらの中でも、樹脂(b1)のMwが200,000〜2,000,000で、樹脂(b2)のMwが100,000〜500,000で、かつ「(b1)のMw」>「(b2)のMw」であることが好ましい。
本発明におけるMn及びMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
・装置(一例):「HLC−8120」[東ソー株式会社製]
・カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー株式会社製]2本
・測定温度:40℃
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
・溶液注入量:100μl
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー株式会社製]
樹脂微粒子(B)中の樹脂(b1)と樹脂(b2)との質量比率は、5/95〜95/5が好ましく、25/75〜75/25がより好ましく、40/60〜60/40が更に好ましい。樹脂(b1)と樹脂(b2)との質量比率が5/95以上であれば、トナーの耐熱保存性に優れ、樹脂(b1)と樹脂(b2)との質量比率が95/5以下であれば、樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすい。
樹脂微粒子(B)を製造する方法としては公知の製造方法が挙げられるが、例えば、次のような製造方法(I)〜(V)などが挙げられる。
(I)水性分散液中の樹脂(b1)の微粒子をシードとして、樹脂(b2)の構成モノマーをシード重合する方法。
(II)水性分散液中の樹脂(b2)の微粒子をシードとして、樹脂(b1)の構成モノマーをシード重合する方法。
(III)樹脂(b1)及び樹脂(b2)の混合物を水性媒体に乳化して樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
(IV)樹脂(b1)と樹脂(b2)の構成モノマーの混合物とを水性媒体に乳化した後に、樹脂(b2)の構成モノマーを重合して樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
(V)樹脂(b2)と樹脂(b1)の構成モノマーの混合物とを水性媒体に乳化した後に、樹脂(b1)の構成モノマーを重合して樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
樹脂微粒子(B)が、シェル樹脂(b1)とコア樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含むことは、樹脂微粒子(B)の切断面を公知の表面元素分析装置(TOF−SIMSEDX−SEM等)を用いて元素マッピング画像の観察、及び樹脂(b1)と樹脂(b2)に含まれる官能基に応じた染色剤で染色した樹脂微粒子(B)の切断面の電子顕微鏡観察画像の観察を行うことにより確認することができる。
またこの方法で得られる樹脂微粒子は、樹脂(b1)と樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(B)の他に樹脂(b1)のみを構成樹脂成分とする樹脂微粒子及び樹脂(b2)のみを構成樹脂成分とする樹脂微粒子を含む混合物として得られる場合があるが、後述する複合化工程においては、混合物のまま用いてもよく、樹脂微粒子(B)だけを単離して用いてもよい。
(I)の具体例としては、(b1)の構成モノマーを滴下重合して(b1)を含む樹脂微粒子の水性分散液を製造した後、これをシードとして(b2)の構成モノマーをシード重合する方法及びあらかじめ溶液重合等で製造した(b1)を水に乳化分散した後、これをシードとして(b2)の構成モノマーをシード重合する方法などが挙げられる。
(II)の具体例としては、(b2)の構成モノマーを滴下重合して(b2)を含む樹脂微粒子の水性分散液を製造した後、これをシードとして(b1)の構成モノマーをシード重合する方法及びあらかじめ溶液重合等で製造した(b2)を水に乳化分散した後、これをシードとして(b1)の構成モノマーをシード重合する方法などが挙げられる。
(III)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(b1)及び(b2)の溶液又は溶融物を混合した後、これを水性媒体に乳化分散する方法などが挙げられる。
(IV)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(b1)を(b2)の構成モノマーと混合し、これを水性媒体に乳化分散した後、(b2)の構成モノマーを重合する方法及び(b2)の構成モノマー中で(b1)を製造した後、その混合物を水性媒体に乳化分散した後、(b2)の構成モノマーを重合する方法などが挙げられる。
(V)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(b2)を(b1)の構成モノマーと混合し、これを水性媒体に乳化分散した後、(b1)の構成モノマーを重合する方法、(b1)の構成モノマー中で(a2)を製造した後、その混合物を水性媒体に乳化分散した後、(b1)の構成モノマーを重合する方法などが挙げられる。
本発明においては、上記(I)〜(V)のいずれの製造方法も好適である。
樹脂微粒子(B)は水性分散液として用いることが好ましい。
前記水性分散液に用いられるもの(水性媒体)としては、水に溶解するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、界面活性剤(D)、緩衝剤、保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水性分散液に用いる、水性媒体としては、水を必須とする液体であれば。特に制限はなく用いることができ、例えば、水を含有させた水溶液などが挙げられる。
前記界面活性剤(D)としては、例えば、ノニオン性界面活性剤(D1)、アニオン性界面活性剤(D2)、カチオン性界面活性剤(D3)、両性界面活性剤(D4)、その他の乳化分散剤(D5)などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤(D1)としては、例えば、AO(アルキレンオキサイド)付加型ノニオン性界面活性剤、多価アルコール型ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記AO付加型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数10〜20の脂肪族アルコールのEO付加物、フェノールのEO付加物、ノニルフェノールのEO(エチレンオキサイド)付加物、炭素数8〜22のアルキルアミンのEO付加物、ポリ(オキシプロピレン)グリコールのEO付加物などが挙げられる。
前記多価アルコール型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、多価(3〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(例えばグリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート等)、アルキル(炭素数4〜24)ポリ(重合度1〜10)グリコシドなどが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤(D2)としては、例えば、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有する硫酸エステル又はエーテル硫酸エステル及びそれらの塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を1個又は2個有するスルホコハク酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル又はエーテルリン酸エステル及びそれらの塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩などが挙げられる。
炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩としては、例えば、ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
炭素数8〜24の炭化水素基を有する硫酸エステル又はエーテル硫酸エステル及びそれらの塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル又はエーテルリン酸エステル及びそれらの塩としては、例えば、ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸塩としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。
炭素数8〜24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩としては、例えば、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウムなどが挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤(D3)としては、例えば、第4級アンモニウム塩型、アミン塩型などが挙げられる。
前記第4級アンモニウム塩型としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記アミン塩型としては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩などが挙げられる。
両性界面活性剤(D4)としては、例えば、ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
前記ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどが挙げられる。
その他の乳化分散剤(D5)としては、例えば、反応性活性剤が挙げられる。
前記反応性活性剤としては、ラジカル反応性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、アデカリアソープ(登録商標)SE−10N、SR−10、SR−20、SR−30、ER−20、ER−30(以上、株式会社ADEKA製)、アクアロン(登録商標)、HS−10、KH−05、KH−10、KH−1025(以上、第一工業製薬株式会社製)、エレミノール(登録商標)JS−20(三洋化成工業株式会社製)、ラテムル(登録商標)D−104、PD−420、PD−430(以上、花王株式会社製)、イオネット(登録商標)MO−200(三洋化成工業株式会社製)、ポリビニルアルコール、デンプン又はその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリアクリル酸ソーダ等のカルボキシル基含有(共)重合体及び米国特許第5906704号明細書に記載のウレタン基又はエステル基を有する乳化分散剤(例えば、ポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたもの)などが挙げられる。
界面活性剤(D)としては、乳化及び分散させる際に、油滴を安定化させ、所望の形状を得ながら、粒度分布をシャープにする観点から、(D1)、(D2)、(D5)、及びこれらの併用好ましく、(D1)と(D5)との併用、及び(D2)と(D5)との併用がより好ましい。
前記緩衝剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウなど等が挙げられる。
前記保護コロイドとしては、例えば、水溶性セルロース化合物、ポリメタクリル酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
前記樹脂微粒子(B)は、シェル樹脂(b1)及びコア樹脂(b2)に加え、その他の樹脂成分、開始剤(及びその残渣)、連鎖移動剤、酸化防止剤、可塑剤、防腐剤、還元剤、有機溶剤などを含有していてもよい。
前記その他の樹脂成分としては、シェル樹脂(b1)及びコア樹脂(b2)に用いた樹脂以外のビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
前記開始剤(及びその残渣)としては、公知のラジカル重合開始剤等が挙げられ、具体的には、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩開始剤;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ開始剤;過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;過酸化水素などが挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール化合物、パラフェニレンジアミン、ハイドロキノン、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
フェノール化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロールなどが挙げられる。
パラフェニレンジアミンとしては、例えば、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
ハイドロキノンとしては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
有機硫黄化合物としては、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
有機燐化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、トリメリット酸エステル、燐酸エステル、脂肪酸エステルなどが挙げられる。
フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシルなどが挙げられる。
脂肪族2塩基酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
トリメリット酸エステルとしては、例えば、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチルなどが挙げられる。
燐酸エステルとしては、例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジールなどが挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチルなどが挙げられる。
前記防腐剤としては、例えば、有機窒素硫黄化合物防腐剤、有機硫黄ハロゲン化物防腐剤などが挙げられる。
還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物などが挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKと略記)等のケトン溶媒;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒;THF(テトラヒドロフラン)等のエーテル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等のアミド溶媒;イソプロピルアルコール等のアルコール溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。
樹脂微粒子の含有量としては、トナーに対して、0.2質量%〜5質量%が好ましい。樹脂(b1)と樹脂(b2)の和が、上記範囲にあることで、低温定着性と耐熱保存性とが向上する。トナーに対して、0.2質量%以上であると耐熱保存性が悪化するという不具合を防止でき、5質量%以下であると、低温定着性が低下するという不具合を防止できる。
<トナー母体粒子>
前記トナー母体粒子(以下、「トナー母体」、「母体粒子」とも称することがある)は、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有し、更に必要に応じてその他成分を含有する。
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリオール樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーに可撓性を与えることができる点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
<<<ポリエステル樹脂>>>
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−非晶性ポリエステル樹脂−
前記非晶性ポリエステル樹脂(以下、「非晶性ポリエステル」、「非晶質ポリエステル」、「非晶質ポリエステル樹脂」、「未変性ポリエステル樹脂」、「ポリエステル樹脂成分A」、とも称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールと、ポリカルボン酸とを反応させて得られる非晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
なお、本発明において非晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、ポリオールと、ポリカルボン酸とを反応させて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる変性ポリエステル樹脂は、本発明においては前記非晶性ポリエステル樹脂には含めず、変性ポリエステル樹脂として扱う。
前記非晶質ポリエステルは、テトラヒドロフラン(THF)に可溶なポリエステル樹脂成分である。
前記非晶質ポリエステル(ポリエステル樹脂成分A)としては、線状のポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、ジオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオールとしては、アルキレングリコールを40モル%以上含有することが好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基;炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリカルボン酸としては、テレフタル酸を50モル%以上含有することが好ましい。
前記ポリエステル樹脂成分Aは、酸価、水酸基価を調整するため、その樹脂鎖の末端に3価以上のカルボン酸及び/又は3価以上のアルコール、3価以上のエポキシ化合物等を含んでもよい。
これらの中でも、ムラが発生しにくく、十分な光沢や画像濃度が得られるという観点から、3価以上の脂肪族アルコールを含有することが好ましい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はそれらの酸無水物などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂成分Aの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
ポリエステル樹脂成分Aの重量平均分子量(Mw)としては、3,000〜10,000が好ましく、4,000〜7,000がより好ましい。
ポリエステル樹脂成分Aの数平均分子量(Mn)としては、1,000〜4,000が好ましく、1,500〜3,000がより好ましい。
ポリエステル樹脂成分Aの分子量の比(Mw/Mn)としては、1.0〜4.0が好ましく、1.0〜3.5がより好ましい。
前記重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定できる。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記の範囲が好ましい理由としては、重量平均分子量及び数平均分子量が低すぎると、トナーの耐熱保存性、現像機内での撹拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、重量平均分子量及び数平均分子量が高すぎると、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。また、分子量600以下の成分が多すぎると、トナーの耐熱保存性、現像機内での撹拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量600以下の成分が少なすぎると、低温定着性に劣る場合がある。
THF可溶分の分子量600以下の成分は2質量%〜10質量%が好ましい。
この成分の含有量を調節する方法としては、ポリエステル樹脂成分Aをメタノールにより抽出し、分子量600以下の成分を除去し、精製する方法が挙げられる。
ポリエステル樹脂成分Aの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が1mgKOH/g以上であると、トナーが負帯電性となりやすく、更には、紙への定着時に紙とトナーの親和性がよくなり、低温定着性を向上させることができる。一方、前記酸価が、50mgKOH/g以下であると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下するという不具合を防止できる。
ポリエステル樹脂成分Aの水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上が好ましい。
ポリエステル樹脂成分Aのガラス転移温度(Tg)としては、40℃〜65℃が好ましく、45℃〜65℃がより好ましく、50℃〜60℃が更に好ましい。前記Tgが40℃以上であると、トナーの耐熱保存性、及び現像機内での撹拌等のストレスに対する耐久性が向上し、また、耐フィルミング性が向上する。一方、前記Tgが65℃以下であると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が良好になり、低温定着性が向上する。
ポリエステル樹脂成分Aの含有量は、トナー100質量部に対して、80質量部〜90質量部が好ましい。
−変性ポリエステル樹脂−
前記変性ポリエステル樹脂(以下、「変性ポリエステル」、「ポリエステル樹脂成分C」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂(本明細書において、「プレポリマー」、「ポリエステルプレポリマー」と称することがある。)との反応生成物などが挙げられる。
前記変性ポリエステルは、テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂である。テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂成分は、Tgや溶融粘性を低下させ、低温定着性を担保しつつ、分子骨格中に分岐構造を有し、分子鎖が三次元的な網目構造となるため、低温で変形するが流動しないというゴム的な性質を有することになる。
前記ポリエステル樹脂成分Cは、活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するため、これらの部位が擬似架橋点のような挙動を示し、前記非晶質ポリエステル樹脂Aのゴム的性質が強くなり、耐熱保存性、耐高温オフセット性に優れたトナーを作製することができる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂と反応する化合物である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂がイソシアネート基を含有するポリエステル樹脂である場合には、該ポリエステル樹脂と伸長反応、架橋反応等により前記ポリエステル樹脂を高分子量化できる点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)などが挙げられる。前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコール、ジオールと3価以上のアルコールとの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の3価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鎖状アルキレングリコール、オキシアルキレン基を有するジオール、脂環式ジオール、ビスフェノール類、脂環式ジオールのアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記鎖状アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
前記オキシアルキレン基を有するジオールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが挙げられる。
なお、前記鎖状アルキレングリコールの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜12が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12である鎖状アルキレングリコール、及びビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物の少なくともいずれかが好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12の鎖状アルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記ジオールと前記3価以上のアルコールを混合して用いる場合、前記ジオールに対する前記3価以上のアルコールの質量比(3価以上のアルコール/ジオール)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、3価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と3価以上のカルボン酸との混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の3価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のアルカン酸、2価のアルケン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記2価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。
前記2価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数4〜20の2価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の2価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。
前記3価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の3価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の3価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸として、ジカルボン酸、3価以上のカルボン酸、及びジカルボン酸と3価以上のカルボン酸との混合物のいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステルを用いることもできる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記3価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、前記ジカルボン酸に対する前記3価以上のカルボン酸の質量比(3価以上のカルボン酸/ジカルボン酸)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを重縮合させる際の、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に対するポリオールの水酸基の当量比(ポリオールの水酸基/ポリカルボン酸のカルボキシル基)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましく、1.02〜1.3が特に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリオール由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリエステル樹脂を反応させる場合、前記ポリエステル樹脂の水酸基に対する前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜5が好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜2.5が特に好ましい。前記当量比が、1未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがあり、5を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが一分子当たりに有するイソシアネート基の平均数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、1.5〜3がより好ましく、1.8〜2.5が特に好ましい。前記平均数が、1未満であると、変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下することがある。
前記変性ポリエステル樹脂は、ワンショット法等により製造することができる。一例として、ウレア変性ポリエステル樹脂の製造方法について説明する。
まず、ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルスズオキサイド等の触媒の存在下で、150℃〜280℃に加熱し、必要に応じて、減圧しながら生成する水を除去して、水酸基を有するポリエステル樹脂を得る。次に、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを40℃〜140℃で反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得る。更に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を0℃〜140℃で反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。
前記変性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、1,000〜10,000が好ましく、1,500〜6,000がより好ましい。
前記変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、20,000以上1,000,000以下が好ましい。
前記重量平均分子量が、20,000以上であると、トナーが低温で流動しやすくなり、耐熱保存性に劣るという不具合、溶融時の粘性が低くなり、高温オフセット性が低下する不具合を防止できる。
なお、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを反応させる場合及びイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させる場合には、必要に応じて、溶媒を用いることもできる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族溶媒、ケトン類、エステル類、アミド類、エーテル類等のイソシアネート基に対して不活性なものが挙げられる。前記芳香族溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなどが挙げられる。前記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。前記エステル類としては、例えば、酢酸エチルなどが挙げられる。前記アミド類としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。前記エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、−60℃以上0℃以下であることが好ましく、−40℃以上−20℃以下がより好ましい。
前記ガラス転移温度が、−60℃以上であると、低温でのトナーの流動が抑制できずに、耐熱保存性が悪化し、また、耐フィルミング性が悪化するという不具合を防止できる。
前記ガラス転移温度が、0℃以下であると、定着時の加熱及び加圧によるトナーが十分に変形できず、低温定着性が不十分となる不具合を防止できる。
前記変性ポリエステルの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部中、1質量部〜15質量部が好ましく、5質量部〜10質量部がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂成分A、Cの分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
−結晶性ポリエステル−
前記結晶性ポリエステル樹脂(以下、「結晶性ポリエステル」、「ポリエステル樹脂成分D」とも称する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールと、ポリカルボン酸とを反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。
このような特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂を前記非晶質ポリエステル樹脂と共に用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では結晶性ポリエステル樹脂の融解による急激な粘度低下(シャープメルト)を起こし、それに伴い前記非晶質ポリエステル樹脂と相溶し、共に急激に粘度低下することで定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度と耐高温オフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
なお、本発明において結晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、ポリオールと、ポリカルボン酸とを反応させて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、前記プレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂には属さない。
−−ポリオール−−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、結晶性を向上させ、かつ融点の低下を防ぐことができる点から、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンジオールなどが挙げられる。
これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
−−ポリカルボン酸−−
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸などが挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルも挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルなどが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸が含まれていてもよい。更に、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を含有してもよい。 これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとから構成されることが好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上12以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2以上12以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。そうすることにより、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
本発明における結晶性ポリエステル樹脂の結晶性の有無は、結晶解析X線回折装置(例えばX’Pert Pro MRD、フィリップス社製)により確認することができる。以下に測定方法について説明する。
まず、対象試料を乳鉢によりすり潰し試料粉体を作成し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に試料ホルダーをセットし、測定を行い、回折スペクトルを得る。
得られた回折ピークに20°<2θ<25°の範囲に得られたピークのうち最もピーク強度が大きいピークのピーク半値幅が2.0以下である場合結晶性を有すると判断する
結晶性ポリエステル樹脂に対し、上記状態を示さないポリエステル樹脂を、本発明では、非晶質ポリエステル樹脂という。
以下にX線回折の測定条件を記載する。
〔測定条件〕
・Tension kV: 45kV
・Current: 40mA
・MPSS
・Upper
・Gonio
・Scanmode: continuos
・Start angle : 3°
・End angle : 35°
・Angle Step:0.02°
・Lucident beam optics
・Divergence slit : Div slit 1/2
・Difflection beam optics
・Anti scatter slit: As Fixed 1/2
・Receiving slit : Prog rec slit
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下であることが好ましい。
前記融点が、60℃以上であると、結晶性ポリエステル樹脂が低温で溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が低下する不具合を防止でき、80℃以下であると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂の溶融が不十分で、低温定着性が低下するという不具合を防止できる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分が、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)が3,000〜30,000が好ましく、5,000〜15,000がより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分が、GPC測定において、数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000が好ましく、2,000〜10,000がより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量の比Mw/Mnとしては、1.0〜10が好ましく、1.0〜5.0がより好ましい。
これは、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、かつ分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が低下するためである。
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、所望の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1又は990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、3質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜15質量部がより好ましい。前記含有量が、3質量部以上であると、結晶性ポリエステル樹脂によるシャープメルト化が不十分なため低温定着性に劣るという不具合を防止できる。また、20質量部以下であると、耐熱保存性が低下すること、画像のかぶりが生じやすくなるという不具合を防止できる。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記他のポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<<ワックス>>
前記ワックス(離型剤)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、天然ワックス、合成ワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記天然ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどが挙げられる。
前記合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下が好ましい。前記融点が、60℃以上であると、低温で離型剤が溶融しやすくなり、耐熱保存性が劣るという不具合を防止できる。前記融点が、80℃以下であると、樹脂が溶融して定着温度領域にある場合でも、離型剤が充分溶融せずに定着オフセットを生じ、画像の欠損を生じるという不具合を防止できる。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部〜10質量部が好ましく、3質量部〜8質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部以上であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣るという不具合を防止でき、10質量部以下であると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなるという不具合を防止できる。
前記トナー母体粒子には、通常のトナー母体粒子に用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択したその他の成分を含有することができる。
前記その他の成分の含有量としては、トナーの性質を害することがない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、通常のトナーに用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
前記帯電制御剤の市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(以上、日本カーリット株式会社製)などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量は、前記結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん、有機溶媒に直接溶解乃至分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
−外添剤−
外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等)、金属酸化物(例えば、チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、疎水化処理無機微粒子が好ましい。
シリカ微粒子としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化物微粒子、疎水化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理されたチタニア微粒子、疎水化処理されたアルミナ微粒子は、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。また、シリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記外添剤の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、1nm〜100nmがより好ましく、3nm〜70nmが更に好ましく、5nm〜70nmが特に好ましい。一次粒子の平均粒径が、この範囲であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいという不具合、及び感光体表面を不均一に傷つけるという不具合を防止できる。
外添剤としては、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。
前記外添剤のBET法による比表面積としては、20m/g〜500m/gが好ましい。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤はとして、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理を行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。
前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)としては、40℃〜65℃が好ましい。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分のDSCの昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)としては、−45℃〜5℃が好ましい。
トナーのTHFに可溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd)としては、20℃〜65℃が好ましい。
トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)と2回目の昇温におけるガラス転移点(Tg2nd)が、Tg1st−Tg2nd≧10[℃]を満たすことで低温定着性と耐熱保存性が向上するため、好ましい。
ここで、前記トナーのガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(DSC−60、株式会社島津製作所製)などを用いて測定することができる。
例えば、上記示差走査熱量計を用いてDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の吸熱ショルダー温度を用いて、昇温1回目におけるガラス転移温度Tg1stを求めることができる。2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、吸熱ショルダー温度を用いて、昇温2回目におけるガラス転移温度Tg2ndを求めることができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、少なくとも本発明のトナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。なお、現像剤は、一成分現像剤であっても二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
<キャリア>
前記キャリアには特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50emu/g〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜150μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。体積平均粒子径が10μm未満では、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがある。一方、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
本発明のトナーは、前記キャリアと混合して二成分系現像剤に用いることができる。
前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤100質量部に対して、90質量部〜98質量部が好ましく、93質量部〜97質量部がより好ましい。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、前述のトナーを製造する方法である。
前記トナーの製造方法は、複合粒子形成工程と、除去工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<複合粒子形成工程>
前記複合粒子形成工程は、トナー母体粒子の表面に樹脂微粒子を付着させて、複合粒子を形成する工程である。
前記複合粒子の形成方法としては、例えば、前記結着樹脂、着色剤、ワックスなどのトナー母体粒子の成分を含む油相を、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させることにより造粒する公知の溶解懸濁法などが挙げられる。
溶解懸濁法の一例として、前記プレポリマーと前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応によりポリエステル樹脂を生成させながら、複合粒子を形成する方法を示す。
この方法では、水系媒体の調製、トナー母体粒子材料を含有する油相の調製、トナー母体粒子材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去を行う。
−水系媒体(水相)の調製−
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂微粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂微粒子の水系媒体中の添加量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水系媒体100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部が好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
−油相の調製−
油相の調製は、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有し、更に必要に応じて硬化剤などを含むトナー母体粒子材料を、有機溶媒中に溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記有機溶媒には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
−乳化乃至分散−
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、前記硬化剤と前記プレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることができる。
前記プレポリマーを生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)には特に制限はなく、前記硬化剤と前記プレポリマーとの組み合わせに応じて、適宜選択することができる。前記反応時間は10分間〜40時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。前記反応温度は、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、前記プレポリマーを含有する分散液を安定に形成する方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、水系媒体相中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
前記分散のための分散機には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。これらの中でも分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。前記回転数は、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。前記分散時間は、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。前記分散温度は、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の水系媒体の使用量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。水系媒体の使用量が50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母体粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にするとともに粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
−有機溶媒の除去−
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、反応系全体を徐々に昇温させて油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、複合粒子が形成される。
<除去工程>
前記除去工程は、前記複合粒子から、樹脂微粒子の少なくとも一部を除去する工程であり、樹脂微粒子におけるシェル樹脂(樹脂(b1))の一部又は全部を除去することが好ましい。
樹脂微粒子の少なくとも一部を除去する工程としては、例えば、複合粒子を洗浄する洗浄工程が挙げられる。このことから、除去工程は、洗浄工程とも言える。
前記洗浄工程において、樹脂(b1)の一部又は全部を除去する方法としては、化学的方法で(b1)の一部又は全部を除去する方法が挙げられる。
前記化学的方法としては、例えば、塩基性の水溶液を用いて、複合粒子を洗浄する工程が挙げられる。塩基性の水溶液を用いて、複合粒子を洗浄することで、シェル樹脂(b1)の一部又は全部を溶解することができる。
洗浄工程を行うことで、前述の(式3)を満たすトナーが得られる。
前記塩基性の水溶液としては、塩基性であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の水溶液、アンモニアなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、シェル樹脂(b1)を溶解させやすいという観点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
前記塩基性の水溶液のpHとしては、8〜14が好ましく、10〜12がより好ましい。
洗浄工程における複合粒子とアルカリ水溶液との混合は、撹拌下において複合スラリーに塩基性水溶液を滴下する方法等で行うことができる。
塩基性水溶液を滴下した後に、酸水溶液を滴下して中和してもよい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥工程、分級工程などが挙げられる。
前記乾燥工程としては、複合粒子から溶媒を除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
前記分級工程としては、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記得られた複合粒子は、前記外添剤、前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としてはオングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(株式会社奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えばトナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジなどが挙げられる。
前記トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
前記現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
前記プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
次に、前記プロセスカートリッジの一実施形態を図2に示す。本実施形態のプロセスカートリッジは、図2に示すように、潜像担持体101を内蔵し、帯電装置102、現像装置104、クリーニング部107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有する。図2中、符号103は露光装置からの露光、符号105は記録紙をそれぞれ示す。
潜像担持体101としては、後述する画像形成装置における静電潜像担持体と同様なものを用いることができる。また帯電装置102には、任意の帯電部材が用いられる。
図2に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについては、潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電装置102による帯電、露光手段(図示せず)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像装置104でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ108により、記録紙105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング部107によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、前述のトナー収容ユニットを有し、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有することが好ましい。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
静電潜像担持体の線速としては、300mm/s以上であることが好ましい。
<静電潜像形成手段及び静電潜像形成工程>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
−帯電部材及び帯電−
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、前記画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
<<露光部材及び露光>>
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像であるトナー像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像であるトナー像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
−転写手段及び転写工程−
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
ここで、前記記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合に、前記転写手段により、前記中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて当該中間転写体上に画像を形成し、前記中間転写手段により、当該中間転写体上の画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する構成とすることができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着手段及び定着工程−
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写するごとに行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により行うことができる。
前記加熱加圧部材における加熱は、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段とともにあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm〜80N/cmであることが好ましい。
<<クリーニング手段及びクリーニング工程>>
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
−除電手段及び除電工程−
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
−リサイクル手段及びリサイクル工程−
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
次に、本発明の画像形成装置により画像を形成する方法を実施する一の態様について、図3を参照しながら説明する。本実施形態の画像形成装置としては、プリンタが例として示されているが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、複合機等のトナーを用いて画像を形成することが可能であれば、特に限定されない。
画像形成装置は、給紙部210と、搬送部220と、作像部230と、転写部240と、定着器250とを備えている。
給紙部210は、給紙される紙Pが積載された給紙カセット211と、給紙カセット211に積載された紙Pを一枚ずつ給紙する給紙ローラ212を備えている。
搬送部220は、給紙ローラ212により給紙された紙Pを転写部240の方向へ搬送するローラ221と、ローラ221により搬送された紙Pの先端部を挟み込んで待機し、紙を所定のタイミングで転写部240に送り出す一対のタイミングローラ222と、カラートナー像が定着した紙Pを排紙トレイ224に排出する排紙ローラ223を備えている。
作像部230は、所定の間隔をおいて、図中、左方から右方に向かって順に、イエロートナーを有した現像剤を用いて画像を形成する画像形成ユニットYと、シアントナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットCと、マゼンタトナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットMと、ブラックトナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットKと、露光器233を備えている。
なお、画像形成ユニット(Y,C,M,K)のうち、任意の画像形成ユニットを示す場合には、画像形成ユニットという。
また、現像剤は、トナーとキャリアを有する。4つの画像形成ユニット(Y,C,M,K)は、それぞれに用いられる現像剤が異なるのみで、機械的な構成は実質的に同一である。
転写部240は、駆動ローラ241及び従動ローラ242と、駆動ローラ241の駆動に伴い、図3中、反時計回りに回転することが可能な中間転写ベルト243と、中間転写ベルト243を挟んで、感光体ドラム231に対向して設けられた一次転写ローラ(244Y,244C,244M,244K)と、トナー像の紙への転写位置において中間転写ベルト243を挟んで対向して設けられた二次対向ローラ245及び二次転写ローラ246を備えている。
定着器250は、ヒータが内部に設けられており、紙Pを加熱する定着ベルト251を、定着ベルト251に対して、回転可能に加圧することによりニップを形成する加圧ローラ252を備えている。これにより、紙P上のカラートナー像に熱と圧力が印加されて、カラートナー像が定着する。カラートナー像が定着した紙Pは、排紙ローラ223により排紙トレイ224に排紙され、一連の画像形成プロセスが完了する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
[樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−1)の製造]
撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、水3710質量部、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム(第一工業製薬株式会社製、アクアロンKH−1025)200質量部を仕込み、200回転/分で撹拌して均一化した。均一化したものを加熱して系内温度75℃まで昇温させた後、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液90質量部を加えてから、スチレン450質量部、ブチルアクリレート250質量部、及びメタクリル酸300質量部からなる混合液を4時間かけて滴下した。
滴下後、75℃で4時間熟成させることで前記モノマー及びポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウムが共重合したポリマーである樹脂(a1−1)を含む微粒子分散液(W0−1)を得た。
微粒子分散液(W0−1)中の微粒子の体積平均粒径は、動的光散乱法(光散乱電気泳動装置:大塚電子株式会社製、ELS−8000)で測定したところ、15nmであった。
微粒子分散液(W0−1)の一部を乾燥して樹脂(a1−1)を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は53℃、酸価は195mgKOH/gであった。
なお、本発明は樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bを併用することで達成することができるが、樹脂微粒子Bは前記a1−1と同様の作製方法であるため、a1−1を樹脂微粒子B−1としても使用した。
(製造例2)
[樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−2)の製造]
撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、水3760質量部、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム(第一工業製薬株式会社製、アクアロンKH−1025)150質量部を仕込み、200回転/分で撹拌して均一化した。均一化したものを加熱して系内温度75℃まで昇温させた後、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液90質量部を加えてから、スチレン430質量部、ブチルアクリレート270質量部、及びメタクリル酸300質量部からなる混合液を4時間かけて滴下した。
滴下後、75℃で4時間熟成させることで前記モノマー及びポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウムが共重合したポリマーである樹脂(a2−1)を含む微粒子分散液(W0−2)を得た。
微粒子分散液(W0−2)中の微粒子の体積平均粒径は、製造例1と同様にして測定したところ、30nmであった。
微粒子分散液(W0−2)の一部を乾燥して樹脂(a2−1)を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は53℃、酸価は195mgKOH/gであった。
なお、製造例1と同様、本発明は前記樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bを併用することで達成するが、樹脂微粒子Bは前記a2−1と同様の作製方法であるため、a2−1を樹脂微粒子B−2として使用した。
(製造例3)
[樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−3)の製造]
撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、水3810質量部、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム(第一工業製薬株式会社製、アクアロンKH−1025)100質量部を仕込み、200回転/分で撹拌して均一化した。均一化したものを加熱して系内温度75℃まで昇温させた後、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液90質量部を加えてから、スチレン400質量部、ブチルアクリレート300質量部、及びメタクリル酸300質量部からなる混合液を4時間かけて滴下した。
滴下後、75℃で4時間熟成させることで前記モノマー及びポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウムが共重合したポリマーである樹脂(a3−1)を含む微粒子分散液(W0−3)を得た。
微粒子分散液(W0−3)中の微粒子の体積平均粒径は、製造例1と同様にして測定したところ、45nmであった。
微粒子分散液(W0−3)の一部を乾燥して樹脂(a3−1)を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は53℃、酸価は195mgKOH/gであった。
なお、製造例1と同様、本発明は前記樹脂微粒子Aと樹脂微粒子Bを併用することで達成するが、樹脂微粒子Bは前記a3−1と同様の作製方法であるため、a3−1を樹脂微粒子B−3として使用した。
次に、樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−1)〜(W0−3)の内容について、表1にまとめて示した。
Figure 2021182034
(製造例4)
<樹脂微粒子(A−1)の水性分散液(W−1)の製造>
次に、撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−1)667質量部、及び水248質量部を仕込み、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド(日油株式会社製、パーブチルH)0.267質量部を加えてから加熱して系内温度を70℃まで昇温させた後、スチレン43.3質量部、ブチルアクリレート23.3質量部、及び1質量%アスコルビン酸水溶液18.0質量部を2時間かけて滴下した。
滴下後、70℃で4時間熟成させることで(W0−1)中の樹脂微粒子をシードとして前記モノマーが共重合したポリマーである樹脂(a2−1)と樹脂(a1−1)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(A−1)の水性分散液(W−1)を得た。
樹脂微粒子(A−1)の体積平均粒径は、製造例1と同様にして測定したところ、17.3nmであった。
樹脂微粒子(A−1)の水性分散液(W−1)を10質量%アンモニア水溶液で中和してpH9.0にした後、遠心分離した沈殿物を乾固することで樹脂(a2−1)を単離した。該樹脂のガラス転移温度(Tg)は53℃であった。
樹脂微粒子(A−1)の水性分散液(W−1)が樹脂(a1−1)と樹脂(a2−1)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(A−1)を含むことは以下のようにして確認した。
具体的には、ゼラチン(クックゼラチン、森永乳業株式会社製)2質量部を95℃〜100℃に温めた水15質量部に加えて溶解させ、空冷して40℃となったゼラチン水溶液に樹脂微粒子(A−1)の水性分散液(W−1)を1:1の質量比率で混合し、よく撹拌した後、10℃で1時間冷やすことで硬化させたゲルを作製した。
このゲルをウルトラミクロトーム(ウルトラミクロトームUC7、FC7、ライカマイクロシステムス社製)において、−80℃に温調しながら厚さ80nmの切片を作製した後、2質量%四酸化ルテニウム水溶液で5分間気相染色を行ってから透過型電子顕微鏡(日立テクノロジーズ株式会社製、H−7100)で観察を行うことにより確認した。
(製造例5)
<樹脂微粒子(A−2)の水性分散液(W−2)の製造>
次に、撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−2)を667質量部、水248質量部を仕込み、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド(日油製、パーブチルH)0.267質量部を加えてから加熱して系内温度を70℃まで昇温させた後、スチレン43.3質量部、ブチルアクリレート23.3質量部、及び1質量%アスコルビン酸水溶液18.0質量部を2時間かけて滴下した。
滴下後、70℃で4時間熟成させることで(W0−2)中の樹脂微粒子をシードとして前記モノマーが共重合したポリマーである樹脂(a2−2)と樹脂(a1−2)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(A−2)の微粒子分散液(W−2)を得た。
樹脂微粒子(A−2)の体積平均粒径は、製造例1と同様にして測定したところ、34.3nmであった。
樹脂微粒子(A−2)の水性分散液(W−2)を10質量%アンモニア水溶液で中和してpH9.0にした後、遠心分離した沈殿物を乾固することで樹脂(a2−2)を単離した。該樹脂のガラス転移温度(Tg)は53℃であった。
樹脂微粒子(A−2)の水性分散液(W−2)が樹脂(a1−2)と樹脂(a2−2)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(A−2)を含むことを製造例4と同様の方法により確認した。
(製造例6)
<樹脂微粒子(A−3)の水性分散液(W−3)の製造>
次に、撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0−3)を667質量部、水248質量部を仕込み、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド(日油株式会社製、パーブチルH)0.267質量部を加えてから加熱して系内温度を70℃まで昇温させた後、スチレン43.3質量部、ブチルアクリレート23.3質量部、及び1質量%アスコルビン酸水溶液18.0質量部を2時間かけて滴下した。
滴下後、70℃で4時間熟成させることで(W0−3)中の樹脂微粒子をシードとして前記モノマーが共重合したポリマーである樹脂(a2−3)と樹脂(a1−3)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(A−3)の微粒子分散液(W−3)を得た。
樹脂微粒子(A−3)の体積平均粒径は、製造例1と同様にして測定したところ、51.5nmであった。
樹脂微粒子(A−3)の水性分散液(W−3)を10質量%アンモニア水溶液で中和してpH9.0にした後、遠心分離した沈殿物を乾固することで樹脂(a2−3)を単離した。該樹脂のガラス転移温度(Tg)は53℃であった。
樹脂微粒子(A−3)の水性分散液(W−3)が樹脂(a1−3)と樹脂(a2−3)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(A−3)を含むことを製造例4と同様の方法により確認した。
次に、樹脂微粒子(A−1)〜(A−3)の内容について、表2にまとめて示した。
Figure 2021182034
(製造例7)
<非結晶性ポリエステル樹脂(b−1)の合成>
冷却管、撹拌機、加熱冷却装置、温度計、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物425質量部、プロピレングリコール100質量部、テレフタル酸・プロピレングリコール2モル付加物634質量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5質量部を入れて230℃で12時間反応させた。
次いで、10〜15mmHgの減圧下で反応させた。
回収されたプロピレングリコールは195質量部であった。
次いで、180℃に冷却した後、無水トリメリット酸30質量部を入れて180℃で1時間反応させた後に取り出した。
取り出した樹脂を室温まで冷却後、非結晶性ポリエステル(b−1)を得た。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃、数平均分子量(Mn)は2400、重量平均分子量(Mw)は5400、水酸基価は32mgKOH/g、酸価は18mgKOH/gであった。
(製造例8)
<着色剤分散液の製造>
冷却管、撹拌機、加熱冷却装置、温度計、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プロピレングリコール557質量部、テレフタル酸ジメチルエステル569質量部、アジピン酸184質量部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチナネート3質量部を投入し、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。
次いで、230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成するプロピレングリコール及び水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007MPa〜0.026MPaの減圧下にて1時間反応させた。
回収されたプロピレングリコールは175質量部であった。
次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121質量部を加え、常圧密閉下で2時間反応後、常圧下で220℃まで加熱し、軟化点が180℃になるまで反応させ、ポリエステル樹脂(数平均分子量(Mn)=8500)を得た。
ビーカーに銅フタロシアニン20質量部と着色剤分散剤(アビシア社製、ソルスパーズ28000)4質量部、得られたポリエステル樹脂20質量部、及び酢酸エチル56質量部を投入して、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して[着色剤分散液]を得た。
得られた[着色剤分散液]の体積平均粒径は0.2μmであった。
(製造例9)
<変性ワックス(d)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置、温度計、及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、キシレン454質量部、及び低分子量ポリエチレン(三洋化成工業株式会社製、サンワックスLEL−400)150質量部を投入し、窒素置換後、撹拌下170℃に昇温し、同温度でスチレン595質量部、メタクリル酸メチル255質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34質量部、及びキシレン119質量部の混合溶液を3時間かけて滴下し、更に同温度で30分間保持した。
次いで、0.039MPaの減圧下でキシレンを留去し、変性ワックス(d)を得た。 変性ワックス(d)のグラフト鎖のsp値は10.35(cal/cm1/2、数平均分子量(Mn)は1900、重量平均分子量(Mw)は5200、ガラス転移温度(Tg)は57℃であった。
(製造例10)
<離型剤分散液の製造>
冷却管、撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計の付いた反応容器中に、パラフィンワックス(日本精蝋株式会社製、HNP−9)10質量部、変性ワックス(d)1質量部及び酢酸エチル33質量部を投入し、78℃に昇温して同温度で30分間撹拌した後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[離型剤分散液]を得た。
[離型剤分散液]の体積平均粒径は0.25μmであった。
(製造例11)
<反応性プレポリマー(α2b−1)の製造>
冷却管、撹拌機、加熱冷却装置、温度計、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物439質量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物329質量部、テレフタル酸206質量部、アジピン酸90質量部及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5質量部を投入し、230℃まで徐々に昇温しながら、0.5〜2.5kPaの減圧下で10時間反応させた。
酸価が1mgKOH/g未満となった時点で取り出し、ポリエステル(α2b0−1)を得た。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は45℃、数平均分子量(Mn)は3900、重量平均分子量(Mw)は11000、水酸基価は25mgKOH/gであった。
次に、撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた耐圧反応容器にポリエステル(α2b0−1)448質量部、イソホロンジイソシアネート52質量部及び酢酸エチル500質量部を投入し、密閉状態で80℃、10時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を含有する反応性プレポリマー(α2b−1)溶液を得た。
反応性プレポリマー(α2b−1)のウレタン基濃度は2.0、数平均分子量(Mn)は6900、重量平均分子量(Mw)は25000であった。
(実施例1)
<複合樹脂粒子(C−1)の製造>
ビーカーにイオン交換水165質量部、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液、カルボキシメチルセルロースナトリウム1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(三洋化成工業株式会社製、エレミノールMON−7)26質量部、及び酢酸エチル15質量部を投入し、混合させた分散液を得た。
次いで、別のビーカーに非結晶性ポリエステル樹脂(b−1)71質量部、[着色分散液]40質量部、[離型剤分散液]39質量部、及び酢酸エチル54質量部を投入し、混合した後、更に反応性プレポリマー(α2b−1)溶液18質量部、及び硬化剤(β)としてイソホロンジアミン0.3質量部を投入して混合し、混合液を得た。
この混合液を先ほど作製した分散液に全量加えて、TKオートホモミキサーで2分間撹拌して混合液を得た。
次いで、この混合液を撹拌機、及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5質量%以下となるまで酢酸エチルを留去して複合化工程を行い、複合樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記複合樹脂粒子の水性分散体は、樹脂微粒子(A−1)を含む微粒子が、非結晶性ポリエステル樹脂(b−1)と、反応性プレポリマー(α2b−1)及びイソホロンジアミンの反応物からなる非結晶性ポリウレタン樹脂(b−2)とを含む樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子である。
前記複合樹脂粒子の水性分散体に含まれる樹脂粒子が、樹脂微粒子(A−1)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−1)であることは、複合樹脂粒子の水性分散体に含まれる粒子の形状を電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡:SU−8230(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)で拡大観察することにより確認した。
次に、複合樹脂粒子の水性分散体のpHが12になるように水酸化ナトリウムを添加しスリーワンモーターで1時間撹拌した。その後、遠心濾過し、再びイオン交換水を添加しリスラリーした。再度、遠心濾過し、リスラリーするという工程を複数回繰り返した後、メンブランフィルターを用いて吸引濾過(以下、「洗浄・濾別工程」という)し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−1)が得られた。
次いで、複合樹脂粒子(C−1)100質量部に外添剤としてコロイダルシリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジルR972)1.0質量部をサンプルミルにて混合して、外添処理後のトナー(T−1)を得た。
(実施例2)
<トナー(T−2)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−1)7.5質量部と微粒子分散液(W0−1)7.5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−2)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−2)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−2)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−2)を得た。
(実施例3)
<トナー(T−3)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−1)10質量部と微粒子分散液(W0−1)5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−3)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−3)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−3)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−3)を得た。
(実施例4)
<トナー(T−4)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−2)5質量部と微粒子分散液(W0−2)10質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−4)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−4)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−4)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−4)を得た。
(実施例5)
<トナー(T−5)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を微粒子分散液(W−2)7.5質量部と微粒子分散液(W0−2)7.5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−5)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−5)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−5)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−5)を得た。
(実施例6)
<トナー(T−6)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−2)10質量部と微粒子分散液(W0−2)5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−6)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−6)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−6)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−6)を得た。
(実施例7)
<トナー(T−7)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−3)5質量部と微粒子分散液(W0−3)10質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−7)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−7)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−7)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−7)を得た。
(実施例8)
<トナー(T−8)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−3)7.5質量部と微粒子分散液(W0−3)7.5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−8)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−8)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−8)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−8)を得た。
(実施例9)
<トナー(T−9)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−3)10質量部と微粒子分散液(W0−3)5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−9)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−9)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−9)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−9)を得た。
(実施例10)
<トナー(T−10)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−1)15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−10)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−10)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−10)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−10)を得た。
(実施例11)
<トナー(T−11)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−3)3.75質量部と微粒子分散液(W0−3)11.25質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A−11)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C−11)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C−11)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T−11)を得た。
(比較例1)
<トナー(T’−1)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W0−2)15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A’−1)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C’−1)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C’−1)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T’−1)を得た。
(比較例2)
<トナー(T’−2)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W0−2)15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A’−2)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C’−2)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C’−2)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T’−2)を得た。
(比較例3)
<トナー(T’−3)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−1)3質量部と微粒子分散液(W0−1)12質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A’−3)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C’−3)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C’−3)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T’−3)を得た。
(比較例4)
<トナー(T’−4)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−3)2.5質量部と微粒子分散液(W0−3)12.5質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A’−4)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C’−4)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C’−4)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T’−4)を得た。
(比較例5)
<トナー(T’−5)の作製>
実施例1において、微粒子分散液(W−1)5質量部と微粒子分散液(W0−1)10質量部の混合液15質量部を、微粒子分散液(W−1)3.75質量部と微粒子分散液(W0−1)11.25質量部の混合液15質量部へ変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂微粒子(A’−5)を含む微粒子が樹脂粒子(B’−1)に付着した複合樹脂粒子(C’−5)の水性分散液を得た。
次に、得られた水性分散体を実施例1と同様にして洗浄・濾別工程を行い、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5質量%以下とすることで複合樹脂粒子(C’−5)を得た。
次いで、実施例1と同様にして、外添処理を行い、トナー(T’−5)を得た。
<キャリアの作製>
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面に前記樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア]を作製した。
<現像剤の作製>
ボールミルを用いて、各[トナー]5質量部と[キャリア]95質量部とを混合し、各[現像剤]を作製した。
次に、各トナーのTg1st、THF不溶分のTga1st、THF可溶分のTg2ndを以下のようにして測定した。結果を表3から表6に示した。
<トナーTg1st、THF不溶分のTga1st、THF可溶分のTg2ndの測定>
トナー1gを100mLのTHF中に投入し、ソックスレー抽出を行い、THF可溶分と不溶分を得た。これを真空乾燥機にて24時間乾燥させ、THF可溶分からポリエステル樹脂成分Cが得られ、THF不溶分からポリエステル樹脂成分Aとポリエステル樹脂成分Bの混合物が得られた。これらを対象試料とした。また、トナーTg1st、トナーTg2ndを測定するにあたってはトナーを対象試料とした。
次に、対象試料5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度1.0℃/minで150℃まで加熱した(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度1.0℃/minで−80℃まで冷却させ、更に昇温速度1.0℃/minで150℃まで加熱(昇温2回目)した。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測した。
得られたDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度Tg1stを求めた。同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度Tg2ndを求めた。
得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度Tg1stを求めた。同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度Tg2ndを求めた。
また、得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めた。同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めた。
なお、前記ポリエステル樹脂成分A、B、及びC、前記離型剤等のその他の構成成分の融点、ガラス転移温度Tgは特に断りがない場合、2回目昇温時における吸熱ピークトップ温度、ガラス転移温度Tg2ndを各対象試料の融点及びガラス転移温度Tgとする。
また、トナーのTHFに不溶な成分においては、モジュレーションモードを用いて、モジュレーション温度振幅:±1.0℃/分を与えながら、−80℃から昇温速度1.0℃/minで150℃まで加熱した(昇温1回目)。そして、得られたDSC曲線を前記と同様にQ−200システム中の解析プログラムを用いて、「Reversing Heat Frow」を縦軸にとることでDSCカーブを得、オンセット値をTgとした。これにより、Tga1st、Tgb1st及びTg2nd’を求めた。
次に、得られた各トナーについて、以下のようにして、超音波による外添剤の遊離処理で外添剤を極力除去し、トナー母体粒子に近い状態にし、樹脂微粒子間の距離の平均値、及び標準偏差を求めた。結果を表3から表6に示した。
<樹脂微粒子間の距離の測定>
−外添剤の遊離方法−
[1]100mlのスクリュー管に、界面活性剤を含有した5質量%水溶液(商品名ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)を50ml添加し、その混合液にトナー3gを加えて静かに上下左右に動かした。その後、トナーが分散溶液になじむようにボールミルで30min撹拌した。
[2]その後、超音波ホモジナイザー(商品名homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS有限会社製)を用いて、出力40Wに設定し、60分間超音波エネルギーを付与した。
−超音波条件−
・振動時間:60分連続
・振幅:40W
・振動開始温度:23±1.5℃
・振動中温度:23±1.5℃
[3](1)分散液をろ紙(商品名定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、再度イオン交換水で2回洗浄しろ過し、遊離した添加剤を除去後、トナー粒子を乾燥させた。
(2)(1)で得られたトナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。まず、反射電子像を観察することでSiを含有する外添剤やフィラーを検出した。
(3)(1)の画像を画像処理ソフト(ImageJ)で二値化し、前記外添剤とフィラーを排除した。
次に、(1)と同じ位置で二次電子画像を観察した。樹脂微粒子は反射電子画像では観察されず、二次電子画像でのみ観察されるため、(3)で得られた画像と照合し、残存外添剤とフィラー以外の部分((3)で排除した以外の部分)に存在する微粒子を樹脂微粒子とし前記画像処理ソフトを使用し、樹脂微粒子間の距離(粒子の中心と中心を結ぶ距離)を測定した
この測定を二値化画像100枚(画像1枚当たりトナー粒子1個)について行い、その平均値を樹脂微粒子間の距離の平均値とした。
樹脂微粒子間の距離の標準偏差は、粒子間距離をxとすると、下記数式により算出した。
Figure 2021182034
[撮影条件]
・走査型電子顕微鏡:SU−8230(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
・撮影倍率:35000倍
・撮影像:SE(L):二次電子、BSE(反射電子)
・加速電圧:2.0kV
・加速電流:1.0μA
・プローブ電流:Normal
・焦点モード:UHR
・WD:8.0mm
次に、トナー(T−1)〜(T−11)、及び(T’−1)〜(T’−4)及び現像剤を用いて、以下のようにして、「低温定着性」、「耐熱保存性」、「クリーニング性」、及び「添加剤の耐フィルミング性」を評価した。結果を表3から表6に示した。
<低温定着性>
各トナーを紙面上に0.8mg/cmとなるように均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンタを用いた。
上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。 この紙を加圧ローラに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cmの条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
[コールドオフセット評価基準]
◎:定着下限温度が130℃以下
○:定着下限温度が130℃より大きく135℃以下
△:定着下限温度が135℃より大きく140℃以下
×:定着下限温度が140℃より大きい
<耐熱保存性>
各トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定し、下記の基準で耐熱保存性を評価した。なお、耐熱保存性が良好なトナーほど、残存率は小さい。
[評価基準]
◎:残存率が5%未満
○:残存率が5%以上15%未満
△:残存率が15%以上30%未満
×:残存率が30%以上
<クリーニング性(感光体汚染)>
画像形成装置(imageo MP C5002、株式会社リコー製)を用い、実験室環境21℃、65%RHで、画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4サイズ横)を出力し、以下のようにして、5万枚通紙した。
その後、実験室環境:32℃で54%RH環境にて、評価画像として、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートをA4サイズ横で、100枚出力し、得られた画像を目視観察し、クリーニング不良による画像異常の有無により、下記基準に基づき、クリーニング性を評価した。
[評価基準]
◎:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上に目視で確認できず、感光体上を長手方向に顕微鏡で観察してもトナーのスジ状のすり抜けが確認できない。
○:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できない。
×:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できる。
<添加剤(無機微粒子)の耐フィルミング性>
画像形成装置(imageo MP C5002、株式会社リコー製)を用い、実験室環境27℃、90%RHで、画像面積率30%の縦帯チャートを3プリント/ジョブで、5,000枚(A4サイズ横)を出力し、次いで、白紙を3プリント/ジョブで、5,000枚(A4サイズ横)を出力した後、ハーフトーン画像を1枚印刷した後の感光体を目視で観察し、下記の基準で添加剤の耐フィルミング性を評価した。
[評価基準]
◎:感光体に不具合なし。品質に何ら問題なし
○:うっすら印字方向にフィルミングがあるが、画像では品質上問題ないレベルであるため問題なし
×:感光体にフィルミングがはっきりと発生し、画像品質にも問題があるレベル
<総合判定>
上記「低温定着性」、「耐熱保存性」、「クリーニング性」、及び「添加剤の耐フィルミング性」の4つの評価結果において、以下の基準に基づき総合判定を行った。
[評価基準]
〇:◎が1つ以上あり、かつ△、×がない
△:△、×がない
×:△、×がある
Figure 2021182034
Figure 2021182034
Figure 2021182034
Figure 2021182034
表3〜表6の結果から、実施例1〜11は、比較例1〜5に比べて、「低温定着性」、「耐熱保存性」、「クリーニング性」、「添加剤の耐フィルミング性」及び「総合評価」の少なくともいずれかが優れた性能を示した。
これに対して、樹脂微粒子(B−2)のみからなる複合樹脂粒子(A’−1)を用いた比較例1のトナー(T’−1)は低温定着性と外添剤による耐フィルミング性が良好であるがクリーニング性と耐熱保存性が悪化していた。
また、樹脂微粒子(B−2)のみからなる複合樹脂粒子(A’−1)に洗浄工程を行わない(A’−2)からなる複合樹脂粒子を用いた比較例2のトナー(T’−2)は、耐熱保存性とクリーニング性は良好であるが低温定着性と外添剤による耐フィルミング性が不良となった。
また、樹脂微粒子(A−1)の比率を下げた複合樹脂粒子(A’−3)を用いた比較例3のトナー(T’−3)、樹脂微粒子(A−3)の比率を下げた複合樹脂粒子(A’−4)を用いた比較例4のトナー(T’−4)は、低温定着性は良好であるが、耐熱保存性、クリーニング性、及び添加剤による耐フィルミング性が不良となった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー母体粒子の表面に、樹脂微粒子が付着したトナーであって、
前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が500nm未満であることを特徴とするトナーである。
<2> 前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が250nm以下である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 前記樹脂微粒子間の距離の平均値が10nm以上500nm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 前記樹脂微粒子が、コア樹脂と前記コア樹脂の少なくとも一部の表面を被覆するシェル樹脂とを有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 前記シェル樹脂が、スチレン−アクリル樹脂を含有する前記<4>に記載のトナーである。
<6> 樹脂微粒子の含有量が、トナーに対して、0.2質量%〜5質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が40℃〜65℃であり、
前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分として、DSCの昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が−45℃〜5℃であり、
前記トナーのTHFに可溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd)が20℃〜65℃である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)と2回目の昇温におけるガラス転移点(Tg2nd)が、
Tg1st−Tg2nd≧10[℃]である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 前記結着樹脂が、非晶質ポリエステルを含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 前記結着樹脂が、変性ポリエステルを含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 前記変性ポリエステルが、3価又は4価の炭素数3〜10の脂肪族多価アルコールを構成成分とする前記<10>に記載のトナーである。
<12> 前記変性ポリエステルが、ジオールを構成成分として有し、
前記ジオールが、主鎖となる部分の炭素数が3〜9の奇数であり、アルキル基を側鎖に有する前記<10>から<11>のいずれかに記載のトナーである。
<13> 前記変性ポリエステルが、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する前記<10>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<14> 前記結着樹脂が、結晶性ポリエステルを含有する前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーである。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤である。
<16> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーを収容することを特徴とするトナー収容ユニットである。
<17> 前記<16>のトナー収容ユニットを有することを特徴とする画像形成装置である。
<18> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーを用いた画像形成方法であって
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を媒体に転写する転写工程と、
前記媒体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<19> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
トナー母体粒子の表面に樹脂微粒子を付着させて複合粒子を形成する複合粒子形成工程と、
前記複合粒子から、前記樹脂微粒子の少なくとも一部を除去する除去工程と、を含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<20> 前記除去工程が、塩基性の水溶液を用いて洗浄する工程である前記<19>に記載のトナーの製造方法である。
前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナー、前記<15>に記載の現像剤、前記<16>に記載のトナー収容ユニット、前記<17>に記載の画像形成装置、前記<18>に記載の画像形成方法、及び前記<19>から<20>のいずれかに記載のトナーの製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 感光体ドラム
40 現像器
58 コロナ帯電器
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
110 プロセスカートリッジ
210 給紙部
211 給紙カセット
212 給紙ローラ
220 搬送部
221 ローラ
222 タイミングローラ
223 排紙ローラ
224 排紙トレイ
230 作像部
233 露光器
240 転写部
241 駆動ローラ
242 従動ローラ
243 中間転写ベルト
244 一次転写ローラ
245 二次対向ローラ
246 二次転写ローラ
250 定着器
251 定着ベルト
252 加圧ローラ
特開2002−284881号公報 特開2019−099809号公報 特開2019−143128号公報

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー母体粒子の表面に、樹脂微粒子が付着したトナーであって、
    前記トナー母体粒子の表面に存在する隣り合う前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が500nm未満であることを特徴とするトナー。
  2. 前記樹脂微粒子間の距離の標準偏差が250nm以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記樹脂微粒子間の距離の平均値が10nm以上500nm以下である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 前記樹脂微粒子が、コア樹脂と前記コア樹脂の少なくとも一部の表面を被覆するシェル樹脂とを有する請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記シェル樹脂が、スチレン−アクリル樹脂を含有する請求項4に記載のトナー。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを収容することを特徴とするトナー収容ユニット。
  7. 請求項6のトナー収容ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを用いた画像形成方法であって、
    静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を媒体に転写する転写工程と、
    前記媒体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    トナー母体粒子の表面に樹脂微粒子を付着させて複合粒子を形成する複合粒子形成工程と、
    前記複合粒子から、前記樹脂微粒子の少なくとも一部を除去する除去工程と、を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  10. 前記除去工程が、塩基性の水溶液を用いて洗浄する工程である請求項9に記載のトナーの製造方法。

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