JP2016148729A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂及び顔料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、樹脂が、スチレンアクリル樹脂C、ポリエステル樹脂A及び顔料分散剤Bを含有し、スチレンアクリル樹脂Cの含有量が、樹脂に対して、50.00質量%以上99.40質量%以下であり、ポリエステル樹脂Aが、イソソルビドユニットを、ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットに対して、0.10mol%以上30.00mol%以下含有し、ポリエステル樹脂Aの含有量が、樹脂に対して、0.50質量%以上30.00質量%以下であり、顔料分散剤Bが、顔料吸着成分及びスチレンアクリル樹脂Dを含有し、顔料吸着成分とスチレンアクリル樹脂Dとが二価の連結基を介して結合している、トナー。
【選択図】なし
Description
例えば、トナーの高着色力化の為に、トナー用の顔料分散剤としてアセトアセトアニリド類の置換体を含む、アゾ又はビスアゾ発色団がポリマーに結合した顔料分散剤を用いた例が開示されている(特許文献1)。
最近では、トナーの結着樹脂と相溶性のあるベース骨格と、芳香族骨格とを有する顔料分散剤が提案されている(特許文献2)。
また、低温定着時のトナーの定着強度と保存性を同時に満足するトナー用結晶性ポリエステル樹脂、およびトナーを提供することを目的とし、ポリカルボン酸由来の構成単位100モル部に対して、炭素数3〜10のポリオール由来の構成単位を15〜38モル部含むトナーが提案されている(特許文献3)。
すなわち、本発明は、低温定着性を満足したトナーにおいて、着色力と耐熱保存性に優れたトナーを提供するものである。
前記ポリエステル樹脂Aの含有量が、前記樹脂に対して、0.5質量%以上30.0質量%以下であり、
前記顔料分散剤Bが、下記式(2)で示される顔料吸着成分及びスチレンアクリル樹脂Dを含有し、前記下記式(2)で示される顔料吸着成分と前記スチレンアクリル樹脂Dとが二価の連結基を介して結合している、トナーに関する。
[前記式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、−OR5基、又は−NR6R7基を表す。R5、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。Arは置換又は無置換のアリール基を表す。R1、R2、及びArの少なくとも一つは前記連結基を介して前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である。
R1、及びArが前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である場合、前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR8−で示される基、及び−NHCH(CH2OH)−で示される基からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R8は水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
R2が前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である場合、前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR9−で示される基、及び−NHCH(CH2OH)−で示される基からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R9は、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。]
本発明のトナーは、樹脂及び顔料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂が、スチレンアクリル樹脂C、ポリエステル樹脂A及び顔料分散剤Bを含有し、
前記スチレンアクリル樹脂Cの含有量が、前記樹脂に対して、50.0質量%以上99.40質量%以下であり、
前記ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを、前記ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットに対して、0.10mol%以上30.00mol%以下含有し、
前記ポリエステル樹脂Aの含有量が、前記樹脂に対して、0.5質量%以上30.0質量%以下であり、
前記顔料分散剤Bが、下記式(2)で示される顔料吸着成分及びスチレンアクリル樹脂Dを含有し、前記下記式(2)で示される顔料吸着成分と前記スチレンアクリル樹脂Dとが二価の連結基を介して結合している。
[前記式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、−OR5基、又は−NR6R7基を表す。R5、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。Arは置換又は無置換のアリール基を表す。R1、R2、及びArの少なくとも一つは前記連結基を介して前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である。
R1、及びArが前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である場合、前記連結基は、アミド基[−C(=O)−NH−]、エステル基[−C(=O)−O−]、ウレタン基[−NH−C(=O)−O−]、ウレア基[−NH−C(=O)−NH−]、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR8−で示される基、及び−NHCH(CH2OH)−で示される基からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R8は水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
R2が前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である場合、前記連結基は、アミド基[−C(=O)−NH−]、エステル基[−C(=O)−O−]、ウレタン基[−NH−C(=O)−O−]、ウレア基[−NH−C(=O)−NH−]、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR9−で示される基、及び−NHCH(CH2OH)−で示される基からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R9は、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。]
低温定着性を追求する場合は、一般的に耐熱保存性が低下する。本発明では、イソソルビドユニットを構成成分として含むポリエステル樹脂Aを添加することで耐熱保存性を向上させることができる。
しかしながら、優れた耐熱保存性を発揮させるためには、樹脂中のイソソルビドユニットを構成成分として含むポリエステル樹脂Aの含有量、又は、イソソルビドユニットの含有量を特定量にする必要がある。しかし、イソソルビドユニットと顔料との相互作用性が強いため、顔料分散性を向上させることが難しく、かつ、ポリエステル樹脂Aの顔料周辺への局在化が生じ、着色力及び耐熱保存性に優れたトナーを提供することが困難であった。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、スチレンアクリル樹脂Cとポリエステル樹脂Aとを併用し、さらに顔料分散剤Bを用いることで、低温定着性を満足したトナーにおいて、着色力と耐熱保存性に優れたトナーを提供できることを見出した。
まず、本発明者らが見いだした、イソソルビドユニットは種々の顔料との相互作用性が高く顔料表面に吸着しやすいとの新規知見から、トナーを構成する樹脂中においてポリエステル樹脂Aは、顔料に吸着しており顔料周辺に局在化する傾向がある。
一方、顔料分散剤Bは、顔料に吸着する顔料吸着成分及びスチレンアクリル樹脂Dを含有し、顔料吸着成分とスチレンアクリル樹脂Dとが二価の連結基を介して結合した構造を有している。
該構造により、顔料分散剤Bの顔料吸着成分は顔料に吸着し、かつ、スチレンアクリル樹脂Dはスチレンアクリル樹脂Cと相溶する。その結果、顔料分散剤Bが存在することで、樹脂中における顔料の分散性を大きく向上させている。
また、顔料は顔料分散剤Bで覆われているため、顔料に対するポリエステル樹脂Aの相互作用性が大きく低下する。その結果、イソソルビドユニットの含有量を特定量とした場合であっても、ポリエステル樹脂Aの顔料周辺への局在化が抑制され、かつ、顔料の分散性が大きく向上し、着色力と耐熱保存性との両立が可能となる。
スチレンアクリル樹脂Cの含有量が、50.00質量%未満の場合は、顔料分散性が向上せず、着色力を向上することができない。このことは、顔料分散剤B中のスチレンアクリル樹脂Dとスチレンアクリル樹脂Cとの相溶性が低下するためである。
該スチレンアクリル樹脂Cの含有量は、樹脂に対して、70.00質量%以上99.0
0質量%以下であることが好ましく、75.00質量%以上97.00質量%以下である
ことがより好ましい。
該イソソルビドユニットの含有量が、0.10mol%未満の場合、スチレンアクリル樹脂Cに相溶するため、耐熱保存性は向上しない。
一方、イソソルビドユニットの含有量が、30.00mol%より大きい場合、樹脂の剛直性が強くなるため、低温定着性が低下する。
低温定着性と耐熱保存性の観点から、イソソルビドユニットの含有量は、0.50mol%以上10.00mol%以下であることが好ましく、1.00mol%以上5.00
mol%以下であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂Aの含有量が、0.50質量%未満の場合、樹脂の耐熱保存性を向上させることが困難である。
一方、ポリエステル樹脂Aの含有量が、30.00質量%よりも大きい場合は、低温定着性が低下する。
低温定着性と耐熱保存性の観点から、ポリエステル樹脂Aの含有量は、1.00質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、2.00質量%以上10.00質量%以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂Aの酸価が、0.5mgKOH/g以上であれば、スチレンアクリル樹脂C及び顔料分散剤Bとの相溶性がより制限され、ポリエステル樹脂Aの相分離性がより効果的に発現し、耐熱保存性がより向上する。
一方、ポリエステル樹脂Aの酸価が、25.0mgKOH/g以下であれば、顔料との相互作用性がより抑えられ、着色力がより向上する。
ポリエステル樹脂Aの酸価は、1.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下であることがより好ましく、3.0mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
なお、ポリエステル樹脂Aの酸価は、ポリエステル樹脂Aを構成するモノマー組成比などによって制御可能である。
本発明において、顔料分散剤Bの顔料吸着成分は、式(2)は下記式のような互変異性体の共鳴構造を取る。これらの互変異性体についても本発明の権利範囲内である。
すなわち、式(2)が上記互変異性体の共鳴構造を取ることで、種々の顔料に対して親和性の強い最適な構造をとることができるため、顔料によらず高い親和性を得ることが可能となったと考えている。
顔料分散剤Bの顔料吸着成分が、上記式(2)の構造でない場合、顔料に対して顔料分散剤Bの吸着性が低く、顔料とポリエステル樹脂Aとの相互作用を抑制できない。そのため、顔料分散性は向上しないために高い着色力は得られず、耐熱保存性の大きな向上も見られない。
本発明において、式(2)中のR1及びR2におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びシクロヘキシル基などの直鎖状構造、分岐状構造又は環状構造のアルキル基が挙げられる。
本発明において、式(2)中のR1及びR2におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基及びフェネチル基などが挙げられる。
また、式(2)中のR1及びR2の置換基は、顔料への親和性を阻害しない限りは、さらに置換基により置換されていてもよい。この場合、置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基、ウレイド基、ヒドロキシル基、シアノ基及びトリフルオロメチル基などが挙げられる。
本発明において、Arは置換又は無置換のアリール基を表し、例えば、フェニル基、及びナフチル基などが挙げられる。該置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルバモイル基、ウレイド基、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基及びカルボン酸アミド基などが挙げられる。
顔料への親和性の観点から、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基、−OCH3基、又は−OCH2C6H5基であることが好ましい。
また、上記π‐π結合性、又は、水素結合性を向上させる観点から、R2は−NR6R7基であることが好ましく、R6は水素原子でありR7はフェニル基であることが好ましい。
違いによる顔料と顔料吸着成分の親和性は、o−位、m−位、p−位で同等である
しかし、顔料吸着成分とスチレンアクリル樹脂Dが連結された顔料分散剤Bを形成した場合、連結基Lの結合位置はアミド基に対して、m−位及びp−位である場合は、o−位である場合と比較して立体的な障害が少ないため顔料分散効果を得やすい。そのため、連結基Lの結合位置はアミド基に対してm−位及びp−位の方が好ましい。
また、π−π結合性をより向上させる観点から、顔料吸着成分として式(3)で表わされる、顔料吸着成分を含むことが好ましい。
[前記式(4)中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Lはスチレンアクリル樹脂Dと結合するための二価の連結基を表す。]
[前記式(6)中、Meはメチル基を表し、Lはスチレンアクリル樹脂Dと結合するための二価の連結基を表す。]
スチレンアクリル樹脂Dがスチレンアクリル樹脂C中により均一に分散できるようにするためには、スチレンアクリル樹脂Dのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された数平均分子量(Mn)が、3000以上30000以下であることが好ましい。数平均分子量(Mn)が3000以上であれば、顔料表面に吸着した顔料分散剤Bにおけるスチレンアクリル樹脂Dの部位が十分に大きい。そのため、顔料粒子間の接近を妨げるため、顔料の凝集をより抑制でき、着色力がより向上する。また、数平均分子量(Mn)が30000以下であれば、スチレンアクリル樹脂Dとスチレンアクリル樹脂Cとの相溶性が極めて高く、顔料分散剤Bの効果がより向上する。
該スチレンアクリル樹脂Dの数平均分子量(Mn)は、5000以上20000以下であることがより好ましい。
なお、該スチレンアクリル樹脂Dの数平均分子量(Mn)は、例えば、スチレンアクリル樹脂Dを重合する際の、重合開始剤の種類、重合開始剤の添加量および重合時の温度等を制御することにより、上記範囲に調整することができる。
該顔料吸着成分の個数が、1以上であれば、顔料吸着成分が導入できなかった顔料分散剤B分子の数が十分に少なくなるため、顔料分散剤Bの効果が効率的に発現する。
また、顔料吸着成分の個数が、6以下であれば、顔料吸着成分同士の相互作用が抑制され、顔料分散剤Bのスチレンアクリル樹脂Cへの相溶性が向上できるので、顔料分散剤Bの効果がより向上する。
該顔料吸着成分の個数は、1.5以上4.5以下であることがより好ましい。
なお、該顔料吸着成分の個数は、顔料吸着成分の組成、及びスチレンアクリル樹脂Dの数平均分子量によって影響を受けるが、スチレンアクリル樹脂Dを合成する際の顔料分散剤B中の連結基となりうる官能基の量や、顔料分散剤Bを合成する際のスチレンアクリル樹脂Dの連結基となりうる官能基に対する顔料吸着成分の量を調整することにより、上記範囲に調整することができる。
i)スチレンモノマー、アクリルモノマー、ポリエステル樹脂A、顔料及び顔料分散剤Bを含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれるスチレンモノマー及びアクリルモノマーを重合させて、トナー粒子を得る方法
。
ii)スチレンアクリル樹脂C、ポリエステル樹脂A、顔料及び顔料分散剤Bが有機溶媒中に溶解又は分散している樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成し、樹脂溶液の粒子に含まれる有機溶媒を除去して、トナー粒子を得る方法。
ポリエステル樹脂Aは水系媒体との相互作用性が高い。それ故、重合性単量体組成物の粒子、又は、樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成した場合、ポリエステル樹脂Aの層分離性がより効果的に発現する。そのため、ポリエステル樹脂Aの添加量が少量であっても、耐熱保存性を効率的に向上させることができる。
さらに、スチレンアクリル樹脂C中に相溶又は分散している、ポリエステル樹脂Aの量が非常に少なくなり、顔料分散剤Bの顔料分散効果をより向上させることができる。
上記方法のうち、より好ましくは、上記i)の方法である。
アクリルモノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなアクリル酸エステル系モノマー又はメタクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
また、スチレンモノマーとアクリルモノマーと共に、芳香族ビニルモノマーを併用してもよい。芳香族ビニルモノマーとしては、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン誘導体が挙げられる。
さらに、本発明において、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、スチレンアクリル樹脂の分子量を制御するために、架橋剤を用いてもよい。
架橋剤としては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び該アクリレートをメタクリレートに代えたもの、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートなどが挙げられる。
なお、スチレンアクリル樹脂Cのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された数平均分子量(Mn)は、5000以上100000以下であること
が好ましい。
該二価のアルコールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのような脂肪族系のジオール類;が挙げられる。
三価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
特に、低温定着性を良化する観点から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのような脂肪族ジオールを併用することが好ましい。ポリエステル樹脂Aは、イソソルビドユニットに起因した剛直性に加え、このような脂肪族ジオールを併用することにより直線性に起因した柔軟性を兼ね備えることができる。中でも、エチレングリコールの使用は、剛直性と柔軟性を両立する上で好ましい。
ポリエステル樹脂Aが、エチレングリコールユニットを含有し、該エチレングリコールユニットの含有量が、全アルコールモノマーユニットを基準として、5.00mol%以上43.00mol%以下であることが好ましく、15.00mol%以上43.00mol%以下であることがより好ましい。
一方、上記二塩基酸などの酸成分としては下記のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸のような芳香族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸のような炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸の脂肪族多価カルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル。
また、該二塩基酸としては、テレフタル酸を用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂Aが、テレフタル酸ユニットを含有し、該テレフタル酸ユニットの含有量が、全二塩基酸モノマーユニットを基準として、85.00mol%以上であることが好ましく、95.00mol%以上であることがより好ましく、100.00mol%であることがさらに好ましい。
これは、フタル酸やイソフタル酸、脂肪族系ジカルボン酸と比較して、分子構造として
、対称性及び直線性が高いテレフタル酸を高い比率で用いることで、得られるポリエステル樹脂の配向性が高まり、剛直な分子となるためである。
特に、テレフタル酸ユニットの含有量が、全二塩基酸モノマーユニットを基準として、100.00mol%である場合は、ポリエステル樹脂Aの組成ムラが小さくなるため強固なシェルを形成できるので好ましい。
また、テレフタル酸ユニットの含有量が、全二塩基酸モノマーユニットを基準として、100.00mol%である場合は、テレフタル酸の配向性の高さから、ベンゼン環由来のπ電子相互作用が強く発現し、より分子の配向性が高く耐久性が向上し、帯電性の観点からも優れる。
また、本発明において、樹脂として、スチレンアクリル樹脂C及びポリエステル樹脂Aと共に、従来公知のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂を併用してもよい。さらに、該ポリエステル樹脂は、従来公知の結晶性ポリエステル樹脂を用いることも可能である。
シアン系着色剤に用いられる顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4。
マゼンタ系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド269。
イエロー系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185。
黒色着色剤に用いられる顔料としては、カーボンブラック、及び上記イエロー系、マゼンタ系、及びシアン系着色剤に用いられる顔料を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これら顔料の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、本発明において、顔料分散剤Bの含有量は、樹脂に対して、0.05質量%以上1.50質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上1.00質量%以下であることがより好ましい。
<樹脂に対するスチレンアクリル樹脂C及びポリエステル樹脂Aの含有量の測定方法、及びポリエステル樹脂Aにおけるイソソルビドユニットの含有量の測定方法>
スチレンアクリル樹脂C及びポリエステル樹脂Aの含有量、及び、イソソルビドユニットの含有量の分析には、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析計(以下、熱分解GC/MS)およびNMRを用いる。
尚、本発明では、分子量1500以上の成分を測定の対象とする。分子量1500未満の領域は、ワックスの割合が高く、樹脂成分がほぼ含有されていない領域と思われるためである。
熱分解GC/MSでは、トナー中の樹脂全量の構成モノマーを決定し、各モノマーのピーク面積を求めることができるが、定量を行うには基準となる濃度既知のサンプルによるピーク強度の規格化が必要となる。一方、NMRでは構成モノマーの決定および定量を、濃度既知のサンプルを用いることなく求めることが可能である。そこで、状況に応じて、構成モノマーの決定には、NMRと熱分解GC/MSの両方のスペクトルを比較しながら行う。
具体的には、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%未満の場合、NMRの測定による定量を行う。
一方、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%以上存在した場合には、重水素化クロロホルム可溶分に対して、NMRおよび熱分解GC/MSの両方の測定を行い、重水素化クロロホルム不溶分に対して、熱分解GC/MSの測定を行う。この場合は、先ず重水素化クロロホルム可溶分のNMR測定を行い、構成モノマーの決定と定量を行う(定量結果1)。
次いで、重水素化クロロホルム可溶分に対して、熱分解GC/MS測定を行い、各構成モノマーに帰属されるピークのピーク面積を求める。NMR測定で得られた定量結果1を用いて、各構成モノマーの量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係を求める。
次いで、重水素化クロロホルム不溶分の熱分解GC/MS測定を行い、各構成モノマーに帰属されるピークのピーク面積を求める。重水素化クロロホルム可溶分の測定で得られた各構成モノマーの量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係から、重水素化クロロホルム不溶分における構成モノマーの定量を行う(定量結果2)。そして、定量結果1と定量結果2とを合わせて、最終的な各構成モノマーの定量結果となる。
具体的には、以下の操作を行う。
(1)トナー500mgを30mLのガラス製サンプル瓶に精秤し、重水素化クロロホルムを10mL加えた後、蓋をし、超音波分散機によって1時間分散し溶解させる。次いで、0.4μm径のメンブランフィルターによりろ過を行い、ろ液を回収する。この際、重水素化クロロホルム不溶分は、メンブランフィルター上に残存する。
(2)ろ液のうち3mLを分取高効率液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、フラクションコレクターにより分子量1500未満を除き、分子量1500未満の成分が除かれた樹脂溶液を回収する。ロータリーエバポレーターを用いて回収した溶液からクロロホルムを除去し、樹脂を得る。なお、分子量1500未満については、分子量が既知のポリスチレン樹脂の測定をあらかじめ行い、溶出時間を求めておくことで決定しておく。
(3)得られた樹脂20mgを、重水素化クロロホルム1mLに溶解させ、1H−NMR測定を行い、スチレンアクリル樹脂Cとポリエステル樹脂Aに使用される各構成モノマーについて、スペクトルを帰属し、定量値を求める。
(4)重水素クロロホルム不溶分の分析が必要であれば、熱分解GC/MSにて分析を行う。必要に応じて、メチル化などの誘導化処理を行う。
<NMRの測定条件>
ブルカー・バイオスピン(株)社製 Bruker AVANCE 500
測定核:1H
測定周波数:500.1MHz
積算回数:16回
測定温度:室温
<熱分解GC/MSの測定条件>
熱分解装置:日本分析工業(株)社製 TPS−700
熱分解温度:400℃〜600℃での適正値、本件では590℃
GC/MS装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)社製 ISQ
カラム:「HP5−MS」(アジレント/19091S−433)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
GC/MS条件
注入口条件:
InletTemp:250℃、
SplitFlow:50ml/min
GC昇温条件:40℃(5min)→10℃/min(300℃)→300℃(20min)
マスレンジ:m/z=10〜550
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。
酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。
炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1M塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1M塩酸は、JIS K
8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)酸価の算出
AV=[(B−AB)×f×5.61]/S
ここで、AV:酸価(mgKOH/g)、A:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、B:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
本発明における顔料分散剤B中の顔料吸着成分の構造決定は以下の装置を用いて行った。
ブルカー社製FT−NMR AVANCE−600(使用溶剤:重クロロホルム)
尚、13C−NMRはクロム(III)アセチルアセトナートを緩和試薬として用いた逆ゲートデカップリング法により定量化し組成分析を行い、顔料吸着成分の構造決定及び顔料分散剤B中の顔料吸着成分の個数を算出した。
スチレンアクリル樹脂Dの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出される。GPCによる数平均分子量の測定は以下に示すように行う。また、他の樹脂の分子量測定も同様の方法で測定する。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルをテトラヒドロフラン(THF)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:THF
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用する。
また、顔料分散剤B中からスチレンアクリル樹脂Dの数平均分子量(Mnp)を求める場合は以下の手順により算出する。
まず、上記手法に基づき顔料分散剤Bの顔料吸着成分の組成式、顔料分散剤B中の顔料吸着成分の個数(N)、及び顔料分散剤Bの数平均分子量(Mn)を決定する。
次に、顔料分散剤Bの顔料吸着成分の組成式より顔料吸着成分の分子量(m)を決定する。そして、顔料分散剤Bの数平均分子量(Mn)から、顔料吸着成分の分子量(m)と顔料吸着成分の個数(N)を掛けたものの差を求めて算出する。
Mnp(スチレンアクリル樹脂Dの数平均分子量)=Mn(顔料分散剤Bの数平均分子量)−[m(顔料吸着成分の分子量)×N(顔料分散剤B中の顔料吸着成分の個数)]
<ポリエステル樹脂A−1の製造例>
テレフタル酸(TPA) 100.0質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 130.0質量部
[BPA(PO)]
エチレングリコール[EG] 10.0質量部
イソソルビド 8.0質量部
上記材料を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した6リットルの四つ口フラスコに仕込み、この反応容器を窒素雰囲気下、200℃で6時間かけて反応させた。更に210℃にて無水トリメリット酸(TMA)2.5質量部を添加して、5kPaに減圧し、反応を行い、重量平均分子量(Mw)が12000を越えるまで反応を続けた。得られた樹脂をポリエステル樹脂A−1とする。ポリエステル樹脂A−1の組成分析を行った結果を表1−1に示す。また、得られた樹脂の酸価は、表1−1のようになった。
酸成分とアルコール成分の仕込み量を表1−1及び表1−2のように変更することを除いて、ポリエステル樹脂A−1の製造例と同様にして製造した。得られたポリエステル樹脂A−2〜A−13、比較用ポリエステル樹脂a−1、a−2、c−1及びd−1の酸価を表1−1及び表1−2に示す。
キシレン100質量部、スチレン75.0質量部、メタクリル酸5.0質量部及びアクリル酸−n−ブチル20.0質量部を反応容器に仕込み、混合し、得られた混合液を75℃まで昇温した。窒素雰囲気下で、ラジカル重合開始剤であるtert−ブチルハイドロパーオキサイド3.0質量部をキシレン10.0質量部に溶解したものを該混合液に約30分かけて滴下した。さらにその温度で該混合液を7.5時間保温してラジカル重合反応を終了させた。さらに該混合液を加熱しながら減圧し、60.0質量部のキシレンを脱溶剤し、反応溶液を得た。
一方、撹拌羽根を取り付けた容器に500.0質量部のメタノールを仕込み、撹拌した。そこへ上記反応溶液を1時間かけて滴下し、得られた沈殿物を濾過及び洗浄した後に乾燥し、スチレンアクリル樹脂C−1を得た。得られたスチレンアクリル樹脂C−1の数平均分子量(Mn)は7800であった。得られたスチレンアクリル樹脂C−1のモノマー仕込み量(質量部)、反応条件及び数平均分子量を表2に示す。
スチレンアクリル樹脂C−1の製造例でモノマーの仕込み量及び反応条件を表2のように変更する以外は同様にして、スチレンアクリル樹脂C−2、並びに、スチレンアクリル樹脂D−1乃至D−5を得た。得られたスチレンアクリル樹脂C−2、並びに、スチレンアクリル樹脂D−1〜D−5のモノマー仕込み量(質量部)、反応条件及び数平均分子量を表2に示す。
次に、2−アミノテレフタル酸ジエチル(メルク株式会社製)4.25質量部に、メタノール40.0質量部、濃塩酸5.29質量部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム2.10質量部を水6.00質量部に溶解させたものを加えて同温度で1時間反応させた。
次いで、スルファミン酸0.990質量部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。メタノール70.0質量部に、式(8)の化合物を4.51質量部加えて、10℃以下に氷冷し、前記ジアゾニウム塩溶液を加えた。その後、酢酸ナトリウム5.83質量部を水7.00質量部に溶解させたものを加えて、10℃以下で2時間反応させた。
反応終了後、水300質量部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで式(9)の化合物を得た。
次に、N,N−ジメチルホルムアミド150質量部に式(9)の化合物8.58質量部及びパラジウム−活性炭素(パラジウム5%)0.4質量部を加えて、水素ガス雰囲気下(反応圧力0.1〜0.4MPa)、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を濾別し、濃縮して式(10)で表される顔料吸着成分(1)を得た。
顔料吸着成分(1)の製造例で、2−アミノテレフタル酸ジエチル(メルク株式会社製)4.25質量部であったところ、3−アミノベンズアミド(東京化成工業株式会社製)2.75質量部に変更した以外は顔料吸着成分(1)の製造例と同様にして、式(11)で表わされる顔料吸着成分(2)を得た。
[上記式中のMeは、メチル基を表す。]
顔料吸着成分(1)の製造例で、2−アミノテレフタル酸ジエチル(メルク株式会社製)4.25質量部であったところ、5−アミノ−2−ベンゾイミダゾリノン(東京化成工業株式会社製)3.05質量部に変更した以外は、顔料吸着成分(1)の製造例と同様にして、式(12)で表わされる顔料吸着成分(3)を得た。
[上記式中のMeは、メチル基を表す。]
顔料吸着成分(1)の製造例で、2−アミノテレフタル酸ジエチル(メルク株式会社製)4.25質量部であったところ、(3−アミノフェニル)尿素(Waterstone
Technology,LLC製)3.10質量部に変更した以外は顔料吸着成分(1)の製造例と同様にして、式(13)で表わされる顔料吸着成分(4)を得た。
[上記式中のMeは、メチル基を表す。]
顔料吸着成分(1)の製造例で、4−ニトロアニリン(東京化成工業株式会社製)3.11質量部であったところ、5−アミノ−2−ベンゾイミダゾリノン(東京化成工業株式会社製)3.35質量部にした。また、2−アミノテレフタル酸ジエチル(メルク株式会社製)4.25質量部であったところ、4−ニトロアニリン(東京化成工業株式会社製)3.11質量部にした。それ以外は顔料吸着成分(1)の製造例と同様にして、式(14)で表わされる顔料吸着成分(5)を得た。
[上記式中のMeは、メチル基を表す。]
次に、2−アミノテレフタル酸ジエチル(メルク株式会社製)4.25質量部に、メタノール40.0質量部、濃塩酸5.29質量部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム2.10質量部を水6.00質量部に溶解させたもの加えて同温度で1時間反応させた。
次いで、スルファミン酸0.990質量部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。メタノール70.0質量部に、式(15)の化合物を4.51質量部加えて、10℃以下に氷冷し、前記ジアゾニウム塩溶液を加えた。その後、酢酸ナトリウム5.83質量部を水7.00質量部に溶解させたものを加えて、10℃以下で2時間反応させた。
反応終了後、水300質量部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで、式(16)で表される顔料吸着成分(6)を得た。
テトラヒドロフラン500質量部に、顔料吸着成分(1)1.50質量部を加えて、65℃まで加熱し溶解した。溶解後50℃に温度を下げ、スチレンアクリル樹脂D−1を15.00質量部加えて溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC・HCl)2.0質量部を加えて50℃で5時間撹拌した後、メタノール20質量部を加えて、65℃で1時間反応させた。液温を徐々に室温に戻し、一晩撹拌することにより反応を完結させた。反応終了後、溶液を濾過して濃縮しメタノールで再沈殿させることにより精製し、顔料分散剤B−1を得た。
また、組成分析の結果、得られた顔料分散剤B−1の1分子当りの顔料吸着成分の個数は2.4であった。得られた顔料分散剤B−1の組成と組成分析の結果を表3−1に示す。
顔料分散剤B−1の製造例で組成が表3−1及び表3−2なるように変更した以外は顔料分散剤B−1の製造例と同様にして、顔料分散剤B−2〜B−14、並びに、比較用分散剤b−1を得た。得られた顔料分散剤B−2〜B−14、並びに、比較用分散剤b−1の組成と組成分析の結果を表3−1及び表3−2に示す。
[マスターバッチ1の調製工程]
・トルエン 280.0質量部
・カーボンブラック(CB) 40.0質量部
(Nipex35[Orion Engineered Carbon社製])
・3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 5.0質量部
〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕
・顔料分散剤B−1 2.0質量部
上記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200質量部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行った後に該ジルコニアビーズを取り除き、マスターバッチ分散液1を調製した。
[トナー組成物溶解液1の調製工程]
・マスターバッチ分散液1 65.4質量部
・スチレン(St)モノマー 70.0質量部
・アクリル酸n−ブチル(BA)モノマー 29.7質量部
・1,6−ヘキサジオールジアクリレートモノマー(HDDA) 0.3質量部
・ポリエステル樹脂A−1 3.0質量部
・炭化水素系ワックス 10.0質量部
(フィッシャートロプシュワックス;HNP−51、最大吸熱ピーク温度=78℃)
上記材料を混合して65℃に加温し、高速撹拌装置TK−ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液1を得た。
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水120質量部に0.1M−Na3PO4水溶液100質量部を投入後、高速撹拌装置TK−ホモミキサーの回転数を12,000rpmに調整して60℃に加温した。
その後、1.0M−CaCl2水溶液5.8質量部を徐々に添加してリン酸カルシウム
化合物を含む水系媒体を得た。
次に、トナー組成物溶解液へ重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液5.8質量部を溶解し、十分に混合したのち上記水系媒体へ投入した。これを、温度65℃、N2雰囲気下において、高速撹拌装置TK−ホモミキサーにて回転数12,000rpmで10分間撹拌して重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度75℃に昇温し、5時間重合を行った。その後、昇温速度1℃/min.で85℃に昇温し1時間反応させ重合反応を終了した。次いで、減圧下で残存溶媒を留去し、水系媒体を冷却しBkトナー粒子分散液1を得た。
得られたBkトナー粒子分散液1に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、Bkトナー粒子1を得た。Bkトナー粒子1について表4−1に示す。
Bkトナー粒子1の製造例で、Bkトナー粒子2〜22、及び30〜32、並びに、比較Bkトナー粒子1〜4が表4−1及び表4−2の組成となるようにBkトナー粒子1と同様にして、Bkトナー粒子2〜22、及び30〜32、並びに、比較Bkトナー粒子1〜4を得た。
[マスターバッチ分散液2の調製工程]
・トルエン 280.0質量部
・カーボンブラック(CB1) 40.0質量部
(Nipex35[Orion Engineered Carbon社製])
・3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 5.0質量部
〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕
・顔料分散剤B−3 2.0質量部
上記材料をアトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(200質量部)を用いて200rpm、25℃で180分間撹拌を行った後に該ジルコニアビーズを取り除き、マスターバッチ分散液2を調製した。
[トナー組成物溶解液2の調製工程]
・マスターバッチ分散液2 65.4質量部
・スチレンアクリル樹脂C−1 80.0質量部
・ポリエステル樹脂A−6 10.0質量部
・結晶性ポリエステル 20.0質量部
(1.9−ノナンジオール:セバシン酸=48モル:52モル、重量平均分子量Mw:18700、Tm=63.4℃)
・炭化水素系ワックス 10.0質量部
(フィッシャートロプシュワックス;HNP−51、最大吸熱ピーク温度=78℃)
上記材料を混合して65℃に加温し、高速撹拌装置TK−ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液2を得た。
[トナー粒子分散液2の調製工程]
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水120質量部に0.1M−Na3PO4水溶液100質量部を投入後、高速撹拌装置TK−ホモミキサーの回転数12,000rpmに調整して60℃に加温した。
その後、1.0M−CaCl2水溶液5.8質量部を徐々に添加してリン酸カルシウム
化合物を含む水系媒体を得た。
次に、トナー組成物溶解液2を上記水系媒体へ投入した。これを、温度65℃、N2雰囲気下において、高速撹拌装置TK−ホモミキサーにて回転数12,000rpmで30分間撹拌してトナー組成物溶解液2の粒子を造粒した。次いで、減圧下で残存溶媒を留去し、水系媒体を冷却しBkトナー粒子分散液2を得た。
得られたBkトナー粒子分散液2に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、Bkトナー粒子23を得た。Bkトナー粒子23について表4−1に示す。
Bkトナー粒子23の製造例で、Bkトナー粒子24及び25、並びに、比較Bkトナー粒子5〜7が表4−1及び表4−2の組成となるようにBkトナー粒子23と同様にして、Bkトナー粒子24及び25、並びに、比較Bkトナー粒子5〜7を得た。
・スチレンアクリル樹脂C−1 50.0質量部
・スチレンアクリル樹脂C−2 20.0質量部
・ポリエステル樹脂A−8 20.0質量部
・結晶性ポリエステル樹脂 30.0質量部
(1.9−ノナンジオール:セバシン酸=48モル:52モル、重量平均分子量Mw:18700、Tm=63.4℃)
・カーボンブラック(CB1) 8.0質量部
(Nipex35[Orion Engineered Carbon社製])
・顔料分散剤B−3 1.6質量部
・3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 1.0質量部
〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕
・炭化水素系ワックス 24.7質量部
(フィッシャートロプシュワックス;HNP−51、最大吸熱ピーク温度=78℃)
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサーでよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて2mm以下に粗粉砕し、粗粉砕物を得た。
得られた粗粉砕物を、ホソカワミクロン社製ACM10を用いて、重量平均粒径100μmに中粉砕し、得られた中粉砕物を機械式粉砕機(ターボ工業社製;ターボミルT250−RS型)を用いて微粉砕した。その後、得られた微粉砕物を、ホソカワミクロン社製ターボプレックス100ATPを用いて粗粒分級を行い、Bkトナー粒子26を得た。Bkトナー粒子26について表4−1に示す。
Bkトナー粒子26の製造例で、Bkトナー粒子27〜29、並びに、比較Bkトナー粒子8〜10が表4−1及び表4−2の組成となるようにBkトナー粒子26と同様にして、Bkトナー粒子27〜29、並びに、比較Bkトナー粒子8〜10を得た。
Bkトナー粒子1の製造例で、Cyトナー粒子1〜4、並びに、比較Cyトナー粒子1〜3が表4−3の組成となるようにBkトナー粒子1と同様にして、Cyトナー粒子1〜4、並びに、比較Cyトナー粒子1〜3を得た。
Bkトナー粒子1の製造例で、Mgトナー粒子1〜5、並びに、比較Mgトナー粒子1〜4が表4−4の組成となるようにBkトナー粒子1と同様にして、Mgトナー粒子1〜5、並びに、比較Mgトナー粒子1〜4を得た。
Bkトナー粒子1の製造例で、Yeトナー粒子1〜5、並びに、比較Yeトナー粒子1〜6が表4−5の組成となるようにBkトナー粒子1と同様にして、Yeトナー粒子1〜5、並びに、比較Yeトナー粒子1〜6を得た。
そして、以下の評価手順に従い、該トナーの低温定着性、着色力、及び耐熱保存性の評価を行った。
市販のカラーレーザープリンタSatera LBP7700C(キヤノン(株)社製)用のカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、試験トナー(150g)を充填した。
また、カラーレーザープリンタSatera LBP7700C(キヤノン(株)社製)を一部改造した。すなわち、定着機を外して未定着画像を出力できるように変更し、コントローラーにより画像濃度を調節可能にした。さらに、一色のカートリッジだけの装着でも作動するよう改造した。外した定着機は、定着機単体でも動作できるように改良し、さらにプロセススピードと温度を制御できるように外部定着機として改造した。
上記カートリッジをプリンターに装着し、図1に示すような転写材の上部に30mmの空白の後、横150mm×縦30mmの帯画像を作成した。さらに帯画像のトナー載り量が0.90mg/cm2となるようにコントローラーを設定した。転写材は、A4サイズのGF−C081(キヤノン社製、81.4g/m2)を用いた。
上記帯画像を10枚出力し、カラーレーザープリンタSatera LBP7700Cの外部定着機を用いて、プロセススピード300mm/sec、160℃で定着した。
得られた定着画像をシルボン紙に包んだ30mm×30mmの底面積を持つ500g角柱で、10回ずつこすり、定着画像からトナーが剥がれてできる、白抜け数を測定した。出力画像10枚について得られた白抜け数の算術平均値により低温定着性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:白抜け数の平均値が0.5個未満であり、低温定着性が非常に良好である。
B:白抜け数の平均値が0.5個以上1.5個未満であり、低温定着性が良好である。
C:白抜け数の平均値が1.5個以上3.0個未満であり、低温定着性に問題が無い。
D:白抜け数の平均値が3.0個以上5.0個未満であり、低温定着性に問題がある。
E:白抜け数の平均値が5.0個以上であり、低温定着性に大きな問題がある。
低温定着性の評価で使用した帯画像のトナー載り量が0.35mg/cm2となるようにコントローラーを設定した。
この帯画像を10枚出力し、カラーレーザープリンタLBP7700Cの外部定着機を用いて、プロセススピード300mm/sec、160℃で定着した。
得られた定着画像の画像濃度を測定して着色力を評価した。
尚、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定した。原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、定着画像1枚に付き左部、中央部及び右部の3点ずつ測定し、定着画像10枚の算術平均値で評価した。評価基準は以下の通りである。
A:画像濃度が1.40以上で着色力が非常に良好である。
B:画像濃度が1.20以上1.40未満で着色力が良好である。
C:画像濃度が1.00以上1.20未満で着色力に問題が無い。
D:画像濃度が0.80以上1.00未満で着色力に問題がある。
E:画像濃度が0.80未満で着色力に大きな問題がある。
耐熱保存性の評価は「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製
)を接続したものを用いて行った。目開き75μm(200メッシュ)の篩をセットし、23℃、60%RH環境下で、以下の様にして行い、篩に残ったトナー量の割合をトナー篩残率として耐熱保存性を評価した。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)予め45℃、80%RH環境下において180時間放置したトナー10gを精秤し、目開き75μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を60秒間振動させた後、篩上に残ったトナーの質量を測定し、トナー篩残率を下記式より求めた。評価基準は以下の通りである。
式:トナー篩残率(質量基準:%)
={[篩上に残ったトナーの質量(g)]/10(g)}×100
A:トナー篩残率が0.50%未満で、耐熱保存性が非常に良好である。
B:トナー篩残率が0.50%以上1.00%未満で、耐熱保存性が良好である。
C:トナー篩残率が1.00%以上3.00%未満で耐熱保存性に問題が無い。
D:トナー篩残率が3.00%以上5.00%未満で耐熱保存性に問題がある。
E:トナー篩残率が5.00%以上で耐熱保存性に大きな問題がある。
Bkトナー粒子1について低温定着性、着色力、及び耐熱保存性の評価を行った。
評価結果を表5−1に示す。いずれの項目も良好な結果が得られた。
Bkトナー粒子2〜32、比較Bkトナー粒子1〜10、Cyトナー粒子1〜4、比較Cyトナー粒子1〜3、Mgトナー粒子1〜5、比較Mgトナー粒子1〜4、Yeトナー粒子1〜5、並びに、比較Yeトナー粒子1〜6について低温定着性、着色力、及び耐熱保存性の評価を行った。評価結果を表5−1〜表5−4に示す。
Claims (5)
- 樹脂及び顔料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂が、スチレンアクリル樹脂C、ポリエステル樹脂A及び顔料分散剤Bを含有し、
前記スチレンアクリル樹脂Cの含有量が、前記樹脂に対して、50.00質量%以上99.40質量%以下であり、
前記ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを、前記ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットに対して、0.10mol%以上30.00mol%以下含有し、
前記ポリエステル樹脂Aの含有量が、前記樹脂に対して、0.50質量%以上30.00質量%以下であり、
前記顔料分散剤Bが、下記式(2)で示される顔料吸着成分及びスチレンアクリル樹脂Dを含有し、前記下記式(2)で示される顔料吸着成分と前記スチレンアクリル樹脂Dとが二価の連結基を介して結合している、トナー。
[前記式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、−OR5基、又は−NR6R7基を表す。R5、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。Arは置換又は無置換のアリール基を表す。R1、R2、及びArの少なくとも一つは前記連結基を介して前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である。
R1、及びArが前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である場合、前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR8−で示される基、及び−NHCH(CH2OH)−で示される基からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R8は水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラルキル基を表す。
R2が前記スチレンアクリル樹脂Dとの結合部位を有する置換基である場合、前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−で示される基、−NR9−で示される基、及び−NHCH(CH2OH)−で示される基からなる群より選ばれる二価の連結基であり、R9は、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。] - 前記ポリエステル樹脂Aの酸価が、0.5mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記スチレンアクリル樹脂Dのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された数平均分子量(Mn)が、3000以上30000以下である請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記顔料分散剤Bの1分子当りの前記顔料吸着成分の個数が、1以上6以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子が、下記i)又はii)の方法により得られたトナー粒子である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
i)スチレンモノマー、アクリルモノマー、前記ポリエステル樹脂A、顔料及び前記顔料分散剤Bを含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、前記重合性単量体組成物の前記粒子に含まれる前記スチレンモノマー及びアクリルモノマーを重合させて、トナー粒子を得る方法。
ii)前記スチレンアクリル樹脂C、前記ポリエステル樹脂A、前記顔料及び前記顔料分散剤Bが有機溶媒中に溶解又は分散している樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成し、前記樹脂溶液の前記粒子に含まれる有機溶媒を除去して、トナー粒子を得る方法。
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