JP2016148468A - ボイラ給水システム及びそれを備えたボイラ、ボイラ給水方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記特許文献2では、ガスタービンコンバインドプラントの排熱回収ボイラにおいて、節炭器の水の上昇部伝熱管の途中から、排気ガスにより加熱されないように排熱回収ボイラの外部を経由してドラムに至る抜き出しラインを設置して、節炭器でのスチーミング発生時に伝熱管でのスチーミング発生による流量低下を防止するために、流路を排熱回収ボイラ外へ切り替える技術が記載されている。
本発明は、火炉からの排ガスと熱交換する温水加熱器に給水する第1経路と、前記温水加熱器の給水出口からボイラに給水する第2経路と、前記第1経路から分岐して前記温水加熱器をバイパスして前記ボイラに給水する第3経路と、前記第2経路に設けられ、流通する水の温度を検出する温度検出手段と、前記第1経路に流通する水量と、前記第3経路に流通する水量との割合を調整する流量調整手段と、前記温度検出手段で検出される温度が前記温水加熱器における水の蒸発温度を下回る第1所定温度より小さくなるように、前記流量調整手段を調整する制御手段と、を具備するボイラ給水システムを提供する。
なお、舶用補助ボイラとは、船舶に搭載し、船内の温熱需要に応えるボイラであり、例えば、船内の蒸気駆動機器の動力源や加熱媒体として、或いは、厨房用の温水暖房、タンカーの荷役ポンプに必要な蒸気とイナートガスの供給等に利用されるものであり、船舶の原動力に応えるための主ボイラとは区別される。
これにより、温度検出手段によって計測される水の温度の微調整ができる。
本実施形態においては、舶用の補助ボイラであることを例に挙げて説明するが、舶用主ボイラであってもよい。舶用補助ボイラは、船舶に搭載し、船内の温熱需要に応えるボイラである。例えば、船内の蒸気駆動機器の動力源や加熱媒体として、また厨房用の温水暖房、タンカーの荷役ポンプに必要な蒸気とイナートガスの供給に利用される。また、舶用補助ボイラは、加熱が必要な燃料(例えば、内燃機関の燃料等)を加熱し、燃料の粘度を下げることにも利用される。舶用主ボイラは、蒸気推進船の蒸気タービン等に蒸気を供給するものである。
本実施形態の舶用補助ボイラは、各種の洋上浮体式設備(例としては、洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO:Floating Production Storage and Offloading unit)、洋上浮体式貯蔵・積出設備(FSO:Floating Storage and Offloading unit)、洋上浮体式貯蔵・ガス化設備(FSRU:Floating Stprage and Re-gasification Unit)など)の補助ボイラに適用可能である。
ボイラ給水システム1は、舶用補助ボイラ(以下「補助ボイラ」という)2と、補助ボイラ2からの排ガスと熱交換する給水加熱用エコノマイザ(温水加熱器)4と、給水系統と、温度検出部(温度検出手段)11と、流量調整部(流量調整手段)12と、制御部(制御手段)13とを備えている。
給水加熱用エコノマイザ4内で給水が蒸気化すると、給水加熱用エコノマイザ4内の圧力が高まり機器が破損する恐れがある。また、水・蒸気の2層流となり給水が滞留する可能性がある。これらのことから、給水加熱用エコノマイザ4での給水の蒸気化を防ぐことが必要である。
補助ボイラ2は、排ガスライン5を介して給水加熱用エコノマイザ4に排ガスを供給する。
なお、第2経路10bと第3経路10cは、給水加熱用エコノマイザ4の出口と補助ボイラ2との間で合流させる。合流点の位置は特に限定されないが、図1に示されるように、合流点Xの位置が最適である。
例えば、流量調整部12は、三方弁(制御弁)である。本実施形態においては、流量調整部12を三方弁として説明するが、これに限定されず、第1経路10aと第3経路10cとのそれぞれに二方弁(制御弁)を設け、制御しても良い。
なお、流量調整部12の位置は、給水加熱用エコノマイザ4の給水入口よりも鉛直方向に高い位置に設けられることが好ましい。これにより、流量調整部12によって第1経路10aの弁を閉状態にした後に、第1経路10aの配管に給水を滞留させず、給水加熱用エコノマイザ4へ導入させ、配管に水が溜まることを防ぐ。
なお、温度検出部11で計測される水温の温度変化が生じる要因は、給水加熱用エコノマイザ4の入口における給水温度、給水加熱用エコノマイザ4に導入される排ガス温度の変化、給水入口からの給水量の変化、及びドラム蒸気圧力の変化が挙げられる。
ドラム蒸気圧力の変化が生じると、燃料の種類等に応じて必要な燃料量が変化し、補助ボイラ2の排ガス温度が変化するので、給水加熱用エコノマイザ4の出口の温度変化につながる。
このように、バイパスラインである第3経路10cから通常ラインである第1経路10aに給水経路を戻した場合に、給水が蒸気化することがないように上述のような演算、推定を行う。
また、船舶の乗組員の作業負担低減のためには、ドレンライン7をピストン弁として自動化してもよい。このとき、流量調整部12(三方弁)の開閉と共に、ドレン弁8も開閉させる制御をする。
このように、温度検出部11の温度が上昇する前兆をとらえ、ボイラ給水の制御に役立てることとしてもよい。
硫酸腐食を防止するために酸露点が考慮され、何らかの処理によって昇温された水温(例えば、135℃)の水(湯)が給水入口から供給されている。
給水入口から供給された水は、全量第1経路10aを介して給水加熱用エコノマイザ4に給水されている(図2のステップSA1)。給水加熱用エコノマイザ4に供給された水は火炉からの排ガスと熱交換され、熱交換後の水が給水加熱用エコノマイザ4の給水出口から第2経路を介してボイラに供給される。
給水加熱用エコノマイザ4の出口温度が210℃より低い(図2のステップSA2のYES)と判定された場合には、流量調整部12を制御し、三方弁の第1経路10a側を全開状態にして第3経路10cを流通する水量をゼロにし、給水の全量を第1経路10aに流通させ、給水加熱用エコノマイザ4に流通させ(図2のステップSA3)、本処理を終了する。
一方、給水加熱用エコノマイザ4の出口温度が210℃以上と判定された場合には(図2のステップSA2のNO)、流量調整部12を調整し、三方弁の第1経路10a側を全閉状態にして第1経路10aに流通する水量をゼロにし、三方弁の第3経路10c側を全開状態にして、給水の全量を第3経路10cに流通させる(図2のステップSA4)。
このように、給水加熱用エコノマイザ4の給水出口側である第2経路10bで計測される水の温度が、第1所定温度より小さくなるように第1経路10aに水を流通させるか、第3経路10cに水を流通させるかが調整される。
給水加熱用エコノマイザ4で水が蒸気化されるのに必要な熱量が、給水加熱用エコノマイザ4に与えうる熱量より大きいと判定された場合には(図2のステップSA6のYES)、流量調整部12が制御され、三方弁の第1経路10a側を全開状態にして第3経路10cを流通する水量をゼロにし、給水の全量を第1経路10aに流通させ(図2のステップSA7)、本処理を終了する。
これにより、給水加熱用エコノマイザ4での給水の蒸気化を確実に防止する。
以下、本発明の第2の実施形態について図1及び図3用いて説明する。本第2の実施形態に係るボイラ給水システムは、第1経路と第3経路との流量を調整する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
制御部13は、温度検出部11によって計測される水の温度と、第1所定温度との温度差に応じて、第1経路10aに流通させる水量と第3経路10cに流通させる水量との分配を調整する。
このように第1経路10aに流通する水量と第3経路10cに流通する水量との分配量を変更することによって、給水加熱用エコノマイザ4の出口温度の微調整ができ、給水加熱用エコノマイザ4の熱回収を少しでも増加させることができる。
以下、本発明の第3の実施形態について図4を用いて説明する。本第3の実施形態に係るボイラ給水システムは、給水の温度を制御する点で第1の実施形態、第2の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態、第2の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
本実施形態においては、流量調整部12よりも上流側の給水入口に給水加熱器(例えば、脱気器等。図示略)を設け、給水加熱用エコノマイザ4の入口における給水温度が、第2所定温度となるように給水温度制御する。
例えば、給水加熱器として脱気器を用いて給水温度を下げる場合には、制御弁を絞り、投入する飽和蒸気の圧力を下げる。これにより、給水加熱用エコノマイザ4における給水の蒸気化を防止することができる。
給水の温度制御はせずに給水入口から給水させ、第1経路10aに給水全量を給水させている。給水加熱用エコノマイザ4の出口の水温が第1所定温度以上と検出された場合には、給水入口において給水加熱器を用い、給水加熱用エコノマイザ4の入口の給水温度が第2所定温度となるように温度制御する。温度制御をしても、給水加熱用エコノマイザ4の出口の水温が第1所定温度以下にならない場合には、第1経路10aに流通させる水量をゼロにし、第3経路10cに流通させる水量を給水量の全量とする。
以下、本発明の第4の実施形態について図5を用いて説明する。本第4の実施形態に係るボイラ給水システム1´´は、排ガスバイパスライン30及びバイパス弁31を設ける点で第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
例えば、給水加熱用エコノマイザ4の出口の温度が第1所定温度以上となった場合に、バイパス弁31の開度を調整し、補助ボイラ2からの排ガスの一部、或いは全量を排バスパイパスライン30に流通させ、給水加熱用エコノマイザ4に供給する排ガスを減らす、或いは、排ガスを供給させない。
また、例えば、第2の実施形態と組み合わせ、第1経路10a及び第3経路10cの流量を調整しても給水加熱用エコノマイザ4出口の温度が第1所定温度より小さく制御できないとなった場合に、排ガスをバイパスさせてもよい。
排ガスのバイパスに代えて、温度検出部11における温度が第1所定温度以上となった場合には、補助ボイラ2の負荷を下げ、補助ボイラ2からの排ガス量を低減させ、給水加熱用エコノマイザ4での蒸気化を防止することとしてもよい。
なお、第1の実施形態から第4の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。
2 補助ボイラ(ボイラ)
3 蒸気ドラム
4 給水加熱用エコノマイザ(温水加熱器)
5 排ガスライン
7 ドレンライン
8 ドレン弁
11 温度検出部(温度検出手段)
12 流量調整部(流量調整手段)
13 制御部(制御手段)
30 排ガスバイパスライン
31 バイパス弁
Claims (10)
- 火炉からの排ガスと熱交換する温水加熱器に給水する第1経路と、
前記温水加熱器の給水出口からボイラに給水する第2経路と、
前記第1経路から分岐して前記温水加熱器をバイパスして前記ボイラに給水する第3経路と、
前記第2経路に設けられ、流通する水の温度を検出する温度検出手段と、
前記第1経路に流通する水量と、前記第3経路に流通する水量との割合を調整する流量調整手段と、
前記温度検出手段で検出される温度が、前記温水加熱器における水の蒸発温度を下回る第1所定温度より小さくなるように、前記流量調整手段を調整する制御手段と、
を具備するボイラ給水システム。 - 前記ボイラは、舶用補助ボイラである請求項1に記載のボイラ給水システム。
- 前記第3経路は、前記第1経路から分岐して前記第2経路と合流させる請求項1または請求項2に記載のボイラ給水システム。
- 前記流量調整手段の位置は、前記温水加熱器の給水入口よりも鉛直方向に高い位置とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のボイラ給水システム。
- 前記制御手段は、
前記温度検出手段で計測される温度が前記第1所定温度より小さい場合に、前記第1経路に給水の全量を流通させ、かつ、前記第3経路の水量をゼロにし、
前記温度検出手段で計測される温度が前記第1所定温度以上となった場合に、前記第1経路の水量をゼロにし、かつ、前記第3経路に給水の全量を流通させる請求項1から請求項4のいずれかに記載のボイラ給水システム。 - 前記火炉は、硫黄化物等の腐食成分を含まない燃料を用いる場合に給水の温度を制御して、前記腐食成分を含む燃料を用い給水の温度を制御しない場合の前記第1経路の給水温度より低温の水を第1経路に給水する請求項5に記載のボイラ給水システム。
- 前記制御手段は、前記温度検出手段によって計測される水の温度と、前記第1所定温度との温度差に応じて、前記第1経路に流通させる水量と前記第3経路に流通させる水量との分配を調整する請求項1から請求項4のいずれかに記載のボイラ給水システム。
- 前記制御手段は、
前記第1所定温度以上となり、前記第1経路の水量をゼロにし、前記第3経路に給水の全量を流通させる制御をした後、
前記第1経路で水が蒸気化されるのに必要な熱量の演算結果と、前記温水加熱器に与えうる熱量の推定結果とに基づいて、前記第1経路の水量と前記第3経路の水量を制御前の状態に戻す請求項1から請求項7のいずれかに記載のボイラ給水システム。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載のボイラ給水システムを具備する舶用補助ボイラ。
- 温水加熱器の給水出口からボイラに給水する第2経路において、流通する水の温度を検出する第1過程と、
前記温水加熱器に給水する第1経路と、前記第1経路から分岐して前記温水加熱器をバイパスして前記ボイラに給水する第3経路とに流通する水量を調整する第2過程と、
前記第1過程で検出される温度が、前記温水加熱器における水の蒸発温度を下回る第1所定温度より小さくなるように、前記第1経路に流通する水量と、前記第3経路に流通する水量との割合を調整する第3過程とを有するボイラ給水方法。
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