JP2016148061A - 溶融スラグのフォーミング鎮静方法及びスラグ製品の製造方法 - Google Patents

溶融スラグのフォーミング鎮静方法及びスラグ製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1つの転炉型精錬炉を用い、2つの送酸精錬工程を途中の中間排滓工程を挟んで連続して行う溶銑の精錬において、中間排滓工程を短時間で実施可能とするために、中間排滓工程で転炉型精錬炉から溶滓収容容器に排滓された溶融スラグのフォーミングを効果的に鎮静することができる方法を提供する。【解決手段】中間排滓工程における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器yに収容されたスラグに対して単位時間当たりの運動量が50kg・m/s2以上の水噴流8を噴射し、スラグに流動を与えて水滴がフォーミングしたスラグ中に巻き込まれるようにすることでスラグのフォーミングを鎮静する。スラグ中に巻き込まれて分散した水滴が蒸発・膨張することでフォーミング状態にあるスラグを破泡し、フォーミング状態のスラグ浴6の含有気体がフォーミング状態のスラグ浴6の外に放出されることにより、スラグのフォーミングが鎮静される。【選択図】図2

Description

本発明は、1つの転炉型精錬炉を用い、2つの送酸精錬工程を途中の中間排滓工程を挟んで連続して行う溶銑の精錬において、中間排滓工程で溶滓収容容器に排滓された溶融スラグのフォーミングを鎮静するための方法に関する。また、本発明は、このフォーミング鎮静方法を脱珪処理と脱燐処理との間の中間排滓工程で利用したスラグ製品の製造方法に関する。
近年、1つの転炉型精錬炉を用いて溶銑を脱燐或いは脱炭する送酸精錬を行う際に、転炉型精錬炉内に溶銑を保持したまま、途中の中間排滓工程を挟んで送酸精錬を2段階に連続して行う方法が実用化されている。例えば、特許文献1には、脱燐処理後に溶銑を転炉内に残したまま転炉を傾転させてスラグのみを排出し、その後に同一転炉で脱炭精錬を実施し、脱炭精錬後のスラグを次の溶銑の脱燐処理に再利用する方法が開示されている。また、特許文献2には、一つの転炉型精錬炉を用いて、溶銑の脱珪処理と脱燐処理を途中の排滓工程を挟んで連続して行う溶銑の予備処理(脱燐)方法が開示されている。
これらの方法では、途中の中間排滓を行わないで、送酸精錬を継続して行う精錬方法と比較して、途中でスラグを排出することにより、その後の処理でのCaO系媒溶剤の使用量を削減できる利点がある。
また、1段階目の送酸精錬を実施した後、スラグだけでなく溶銑も一旦炉から排出して、同一炉又は別の炉に移し替えてから2段階目の送酸精錬を実施する方法と比較すると、(i)溶銑の出湯や再装入に要する時間を短縮して炉の稼動率を高めることができる、(ii)溶銑の移し替えが少ないため放熱ロスを少なくできる、(iii)2段階目の送酸精錬のスラグを炉内に残して、次の溶銑の1段階目の送酸精錬に再利用することにより、CaO系媒溶剤の使用量を削減することができる、(iv)高塩基度である2段階目の送酸精錬のスラグの排出を低減させて、比較的低塩基度である1段階目の送酸精錬のスラグの排出を増加させることで、スラグの水和膨張特性を改善してスラグの利用促進を図ることができる、という利点がある。
これらの利点を享受するためには、中間排滓工程において、いかに速やかに目標量のスラグを炉内から排出するかが、操業上の重要なポイントとなる。中間排滓工程でのスラグの排出量が少ない場合には、上述したようなCaO系媒溶剤の使用量を削減できる効果は期待できず、CaO系媒溶剤に使用量は途中の排滓を行わない方法とあまり変わらない。
そこで、特許文献1及び特許文献2には、中間排滓工程において効率的に排滓を行うために、1段階目の送酸精錬において溶融スラグをフォーミングさせて、溶融スラグの体積を増大させることにより、炉口から中間排滓する際に炉口下端からのスラグ浴面の高さを高くし、溶融スラグの溢流による排出効率を高めることが記載されている。ここで、スラグのフォーミングとは、溶融状態のスラグが気泡を含み、見掛け上、体積膨脹する現象である。
しかし、溶融スラグのフォーミングは、必ずしも意図している程度に制御し易いものではなく、フォーミングが過剰になると、炉下の台車上に載置した溶滓収容容器(排滓鍋)からオーバーフローして操業を阻害する事態を招くこともあるので、溶滓収容容器のフリーボードを確認しながらスラグの排出速度を制限せざるを得ず、中間排滓の作業時間の延長を招いていた。また、溶滓収容容器の容量は、フォーミングしたスラグの体積に対して必ずしも十分なものではないことが一般的であり、溶滓収容容器内でのフォーミングの沈静化を待ってスラグの排出を行わざるを得ず、効率的な中間排滓を行う上で問題であった。
特許文献2に開示されている方法では、中間排滓前の精錬中にスラグレベルをモニタリングして適正なスラグレベルに制御することによって、中間排滓時の過剰なフォーミングを抑制することを試みているが、溶滓収容容器内でのフォーミングの抑制には必ずしも十分な効果は得られていなかった。また、特許文献2には、比較的高塩基度でエージング処理が必要な脱燐スラグの発生を抑制し、脱燐スラグを、エージング処理を省略しても良好な体積安定性が得られる脱珪スラグに転換することによりスラグの利用を図ることも記載されているが、フォーミングしたスラグから製造されるスラグ製品は単位体積質量が小さくなることから、単位体積質量が1.5kg/L以上であることを要する路盤材などの用途には適さず、用途が制限されていた。
これに対して特許文献1には、中間排滓中に、パルプ滓を乾重量で35質量%以上65質量%以下、製鋼スラグ20質量%以上50質量%以下、油分3質量%以上10質量%以下、水分15質量%以下を含み、かつ、比重が1.5g/cm以上2.5g/cm以下の塊状のフォーミング鎮静材を排滓鍋に投入して、排滓鍋内のスラグのフォーミングを鎮静しながらスラグを排滓鍋内に排出する方法が開示されている。しかし、この方法では、スラグ中にフォーミング鎮静材に由来する異物が混入する可能性があり、スラグ製品の品質管理上は必ずしも好ましい方法ではない。
一方、特許文献3には、溶銑の脱珪・脱燐処理後のスラグ或いは脱炭処理後のスラグを排滓鍋に排出した後、スラグ表面に粉霧状の水を散布することによってフォーミングを抑制する方法が開示されている。この方法では、スラグ表面付近からのガス抜きと表面固化の作用によってフォーミングを鎮静するとされているが、脱珪スラグなどの低塩基度の溶銑予備処理スラグでは、表面からの冷却による作用等で、排滓鍋内のスラグ全体のフォーミングを鎮静化するには長時間を要するとともに、排滓鍋内にスラグを排出しながら散水する場合には十分な鎮静効果が得られなかったことから、中間排滓の作業時間を短縮するためには効果的ではなかった。
また、特許文献4には、溶銑を鋳床脱珪剤とともに混銑車に受銑する際に、混銑車内でフォーミングしている脱珪スラグに対して、20m/s以上の高流速の水を吹き付けることによってフォーミングを抑制する方法が開示されている。鋳床脱珪剤とともに混銑車に受銑された溶銑中では、脱珪剤を構成する酸化鉄或いはこの酸化鉄を含有するスラグを溶銑の落下流によって溶銑中に巻き込むことによって、酸化鉄を溶銑中の珪素と反応させて脱珪反応を進行させている。しかし、この際の溶銑温度は1500℃程度と高く、熱力学的に酸化鉄と溶銑中の炭素との反応による脱炭反応も優勢に進行する条件であるため、溶銑中に巻き込まれた酸化鉄或いは酸化鉄含有スラグからCOガスが高い生成速度で発生する。この溶銑中から発生するCOガスは、界面張力の関係から溶銑とスラグとの界面に溜まり易く、溶銑とスラグとの界面において比較的粗大な気泡が形成される。そのCOガス気泡がスラグ層を通過する際に、気泡の生成速度が大きかったり、浮上速度が小さい条件となった場合にスラグをフォーミングさせることになる。特許文献4の方法では、高流速の水でスラグ層を切り裂いてCOガスを抜く(逃す)ための通路を作り、溶銑とスラグとの界面に溜まっているCOガスを抜くことで、スラグのフォーミングを抑制するとしている。またこの際、高流速の水は、溶銑表面に到達し、高温の溶銑と反応して小さな水蒸気爆発を起こし、爆発の力によってスラグ層を破るとしている。
しかし、転炉型精錬炉を用いた送酸精錬の中間排滓において、溶滓収容容器(排滓鍋)で問題となるスラグのフォーミングは、特許文献4が対象とする混銑車内でのスラグのフォーミングとは、COガスの生成形態を含めた発生機構が全く異なり、このため特許文献4の方法では、中間排滓の溶滓収容容器内でのスラグのフォーミングを抑制することはできない。すなわち、転炉型精錬炉を用いた送酸精錬の中間排滓では、転炉型精錬炉において既にフォーミングしているスラグが溶滓収容容器に排滓される。この際、スラグや溶銑の温度は1350℃程度と比較的低いため、スラグの粘度は相対的に高いものとなる。また、炉内フリーボードの大きい転炉型精錬炉では、混銑車での処理に比べて送酸速度や攪拌動力密度が桁違いに大きいため、スラグ中には大量の微小な気泡が分散し、高粘度のスラグ中に滞留することから、フォーミング状態が維持される。溶滓収容容器内の溶融スラグ中では、スラグ中に分散して存在する溶鉄中のCとスラグ中の酸化鉄成分とが反応してCOガスが発生するが、この反応は吸熱反応であり、反応の進行とともにさらに温度低下とスラグの粘度上昇を招くので、継続的に大量のCOガスが生成し続ける訳ではなく、特許文献4の方法において混銑車内に受銑された溶銑中で生成するCOガスに較べれば、生成速度は格段に低い。また、中間排滓の溶滓収容容器中には不可避的にスラグに混入する少量の溶銑が存在するだけであり、しかも、特許文献4の方法のように大量の溶銑の落下流によって酸化鉄或いは酸化鉄含有スラグが熱容量の大きい溶銑浴中に継続的に巻き込まれている状況ではないので、スラグ層の下の溶銑浴中でCOガスが大量に発生してこれが溶銑とスラグとの界面に溜まるということもない。このように中間排滓の溶滓収容容器内でのスラグフォーミングは、特許文献4の方法が前提とするようなスラグフォーミングの状況とは根本的に異なるため、特許文献4の方法は適用できない。すなわち、転炉型精錬炉を用いた送酸精錬の中間排滓における溶滓収容容器内のスラグのフォーミングのように、高粘性のスラグ中に大量の微小な気泡が分散して滞留している場合に、この気泡の破壊・離脱を促進するためには、特許文献4の方法のように高流速の水でスラグ層を切り裂いてガスの抜け道を部分的に作っても有効ではない。
特開2008−255446号公報 国際公開第2014/115526号 特開平8−325619号公報 特開平3−291321号公報
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、1つの転炉型精錬炉を用い、2つの送酸精錬工程を途中の中間排滓工程を挟んで連続して行う溶銑の精錬において、中間排滓を短時間で実施可能とするために、中間排滓工程で転炉型精錬炉から溶滓収容容器に排滓された溶融スラグのフォーミングを効果的に鎮静することができる溶融スラグのフォーミング鎮静方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのフォーミング鎮静方法を脱珪処理と脱燐処理との間の中間排滓工程で利用することで、中間排滓された脱珪スラグから高品質のスラグ製品を安定して製造することができるスラグ製品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、中間排滓において溶融スラグが排滓された溶滓収容容器内でのスラグフォーミングを鎮静する方法について実験と検討を重ねた結果、中間排滓中若しくは排滓後に、溶滓収容容器に収容された溶融スラグに対して所定の運動量の水噴流を噴射し、溶融スラグに流動を与えて水滴がフォーミングしたスラグ中に巻き込まれるようにすることにより、溶融スラグ中に巻き込まれて分散した水滴が蒸発・膨張することでフォーミング状態にあるスラグ中の気泡を破泡し、その結果、スラグフォーミングが効果的に鎮静されることを見出した。
また、脱珪処理と脱燐処理との間の中間排滓工程で排滓された脱珪スラグに対して、上記のような水噴流の噴射を行うことにより、スラグフォーミングが鎮静されるだけでなく、冷却・凝固後のスラグが緻密化して、単位容積質量が大きい高品質のスラグ製品が得られることが判った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]1つの転炉型精錬炉(x)を用い、高炉から出銑された溶銑を酸化精錬を行って予備処理する一次送酸精錬工程(A)と、該一次送酸精錬工程(A)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)内に残留させたまま一次送酸精錬工程(A)で生成した溶融スラグを転炉型精錬炉(x)から溶滓収容容器(y)に排滓する中間排滓工程(B)と、転炉型精錬炉(x)内に残留させた溶銑を脱燐処理及び/又は脱炭処理する二次送酸精錬工程(C)をこの順に行う溶銑の精錬において、
中間排滓工程(B)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器(y)に収容された溶融スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射することによりスラグのフォーミングを鎮静することを特徴とする溶融スラグのフォーミング鎮静方法。
[2]1つの転炉型精錬炉(x)を用い、高炉から出銑された溶銑を脱珪処理する一次送酸精錬工程(a)と、該一次送酸精錬工程(a)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)内に残留させたまま一次送酸精錬工程(a)で生成した脱珪スラグを転炉型精錬炉(x)から溶滓収容容器(y)に排滓する中間排滓工程(b)と、転炉型精錬炉(x)内に残留させた溶銑を脱燐処理する二次送酸精錬工程(c)と、該二次送酸精錬工程(c)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)から出湯する出湯工程(d)をこの順に行い、中間排滓工程(b)で排滓した脱珪スラグを凝固させた後、スラグ製品に加工するスラグ製品の製造方法であって、
中間排滓工程(b)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器(y)に収容された脱珪スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射することによりスラグのフォーミングを鎮静した後、溶滓収容容器(y)から脱珪スラグを排出し、凝固させることを特徴とするスラグ製品の製造方法。
[3]上記[2]の製造方法において、出湯工程(d)後、転炉型精錬炉(x)内のスラグを排出することなく、次チャージの溶銑を装入して、一次送酸精錬工程(a)、中間排滓工程(b)、二次送酸精錬工程(c)及び出湯工程(d)をこの順に行うことを特徴とするスラグ製品の製造方法。
[4]上記[2]又は[3]の製造方法において、凝固させた脱珪スラグを粉砕、分級して、単位容積質量が1.5kg/L以上のスラグ製品とすることを特徴とするスラグ製品の製造方法。
本発明に係る溶融スラグのフォーミング鎮静方法によれば、1つの転炉型精錬炉を用い、2つの送酸精錬工程を途中の中間排滓工程を挟んで連続して行う溶銑の精錬において、中間排滓工程で転炉型精錬炉から溶滓収容容器に排滓された溶融スラグのフォーミングを効果的に鎮静することができ、このため目標量の溶融スラグを速やかに炉外に排出し、中間排滓を短時間で終了させることができる。これにより、転炉型精錬炉の稼働率を高め、生産性を向上させることができるので、溶銑予備処理の実施チャージの比率を高めることができ、精錬工程全体でのCaO系媒溶剤の使用量を削減することができる。或いは、中間排滓でのスラグ排出量を増大できるので、二次送酸精錬工程でのCaO系媒溶剤の使用量を削減することができる。したがって、CaO系媒溶剤の製造に要するエネルギー消費の削減にも寄与することができる。
また、本発明に係るスラグ製品の製造方法によれば、上記のスラグフォーミング鎮静方法を脱珪処理と脱燐処理との間の中間排滓工程で利用することにより、中間排滓された脱珪スラグから単位体積質量が大きい高品質のスラグ製品を安定して製造することができる。このため脱珪スラグによるスラグ製品の用途を拡大することができる。
本発明法における精錬形態の一例を工程順に示す説明図 本発明法の中間排滓工程において、溶滓収容容器yに収容されたスラグに水噴流を噴射する実施状況を模式的に示す説明図 本発明法の中間排滓工程において、溶滓収容容器yに収容されたスラグに水噴流を噴射している実施状況を斜め上方から撮影した写真 中間排滓工程において、単位時間当たりの運動量が異なる水噴流を溶滓収容容器y内のスラグに噴射した場合と、水噴流の噴射を行わなかった場合について、脱珪処理するに当たって転炉型精錬炉xに装入した溶銑のSi濃度と中間排滓時間との関係を示すグラフ 本発明法の中間排滓工程において、溶滓収容容器y内のスラグに水噴流を噴射するための設備の一実施形態とその使用状況を示すもので、排滓のために転炉型精錬炉xを傾動させた状態で示す正面図 図5の実施形態において、排滓のために転炉型精錬炉xを傾動させた状態で示す平面図 本発明法で使用する転炉型精錬炉xを示す説明図
以下、本発明に係る溶融スラグのフォーミング鎮静方法について説明する。
この溶融スラグのフォーミング鎮静方法は、1つの転炉型精錬炉xを用い、高炉から出銑された溶銑を酸化精錬を行って予備処理する一次送酸精錬工程(A)と、この一次送酸精錬工程(A)を経た溶銑を転炉型精錬炉x内に残留させたまま一次送酸精錬工程(A)で生成した溶融スラグを転炉型精錬炉xから溶滓収容容器yに排滓する中間排滓工程(B)と、転炉型精錬炉x内に残留させた溶銑を脱燐処理及び/又は脱炭処理する二次送酸精錬工程(C)をこの順に行う溶銑の精錬において、中間排滓工程(B)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器yに収容された溶融スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射することによりスラグのフォーミングを鎮静するものである。
本発明の前提となる溶銑の精錬処理は、種々の形態を採ることができ、例えば、(i)一次送酸精錬工程(A)が脱珪処理、二次送酸精錬工程(C)が脱燐処理である形態、(ii)一次送酸精錬工程(A)が脱珪処理、二次送酸精錬工程(C)が脱燐・脱炭処理である形態、(iii)一次送酸精錬工程(A)が脱珪・脱燐処理、二次送酸精錬工程(C)が脱炭処理である形態、(iv)一次送酸精錬工程(A)が脱燐処理、二次送酸精錬工程(C)が脱炭処理である形態、などを挙げることができるが、これらのうち、主に本発明の対象となるのは(i)及び(iii)の形態である。
図1は、上記(i)の精錬形態を工程順に示しており、脱珪処理(脱Si吹錬)が一次送酸精錬工程(A)に、脱燐処理(脱P吹錬)が二次送酸精錬工程(C)に、それぞれ相当する。
図1において、転炉型精錬炉x内には、まず鉄スクラップなどの冷鉄源3が装入され、次いで高炉溶銑を搬送してきた装入鍋4から溶銑1が装入された後、一次送酸精錬工程(A)として脱珪処理(脱Si吹錬)が行われる。この脱珪処理は、炉内に酸素源を供給し、さらに必要に応じてCaO系媒溶剤や、珪素源などの燃焼熱源を供給して行われる。この脱珪処理では、次工程の中間排滓においてスラグの排滓性を高めるため、スラグが適度にフォーミングするように実施条件が制御される。この脱珪処理の実施条件の詳細は後述する。脱珪処理が終了した後、中間排滓工程(B)として、脱珪処理で生成したスラグ2(脱珪スラグ)の少なくとも一部が溶滓収容容器y(排滓鍋)に排滓される。この中間排滓時のスラグ排出量は、次の送酸精錬工程(C)でのCaO系媒溶剤の使用量を効果的に削減するために、転炉型精錬炉x内のスラグ2の半量程度以上とすることが望ましい。そこで、炉口から溶銑を排出することなく、スラグを効率よく排出できるように、スラグをフォーミングさせてスラグ層の表面レベルを高くした状態で中間排滓が行われるが、その実施条件などの詳細は後述する。次いで、二次送酸精錬工程(C)として脱燐処理(脱P吹錬)が行われる。この脱燐処理は、CaO系媒溶剤と酸素源を供給して行われるが、実施条件などの詳細は後述する。この脱燐処理後、溶銑1が出湯され、次工程(脱炭処理)に送られる。この場合、脱燐処理で生成したスラグ9(脱燐スラグ)を排滓せず、そのまま残して次チャージの脱珪処理に利用してもよい。
本発明法では、以上のような1つの転炉型精錬炉xを用い、2つの送酸精錬工程(A),(C)を途中の中間排滓工程(B)を挟んで連続して行う溶銑の精錬において、中間排滓工程(B)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器yに収容された溶融スラグ(フォーミング状態のスラグ浴)に対して所定の運動量の水噴流を噴射し、溶融スラグに流動を与えて水滴がフォーミングしたスラグ中に巻き込まれるようにすることでスラグのフォーミングを鎮静する。
図2は、その実施状況を模式的に示したものであり、5は転炉型精錬炉xから溶滓収容容器yに排滓されるスラグ流、6は溶滓収容容器y内のフォーミング状態のスラグ浴、7は水噴射ノズル、8はこの水噴射ノズルから噴射される水噴流である。図2に示すように、溶滓収容容器yの上方位置に配置された水噴射ノズル7から溶滓収容容器y内のスラグ(フォーミング状態のスラグ浴6)に水噴流8が噴射される。この水噴流8は、複数の水噴射ノズル7から或いは単一の水噴射ノズル7の異なる噴射口から、それぞれ2つ(2本)以上噴射してもよい。
本発明法において、溶融スラグのフォーミングが鎮静されるメカニズムを説明すると、溶滓収容容器y内のフォーミングしたスラグ(フォーミング状態のスラグ浴6)に十分な運動量の水噴流8を噴射すると、スラグに流動が与えられて水噴流8の水滴がフォーミングしたスラグ中に巻き込まれ、微細な水滴がスラグ中に分散する。そして、このスラグ中に分散した水滴が蒸発・膨張することでフォーミング状態にあるスラグ中に大量に存在する微小な気泡を破泡し、フォーミング状態のスラグ浴6の含有気体(主にCOガス)をフォーミング状態のスラグ浴6の外に放出することにより、スラグのフォーミングが鎮静されるものと考えられる。
図3は、排滓後に溶滓収容容器(排滓鍋)内のスラグに噴射ノズルから水噴流を噴射している状況を斜め上方から撮影した写真であり、矢印に沿って水噴流が流れ、水がフォーミング状態のスラグ浴に巻き込まれている様子が判る。スラグ浴面の水噴流の衝突箇所では、スラグの流動が誘起されて表面が更新されることから高温のホットスポットが形成されており、周囲のスラグ浴表面が放射冷却によって表面温度が低下しているのとは著しく異なる様相を呈している。このスラグ浴表面の高温部(ホットスポット)では、水噴流の水がスラグ中に巻き込まれて微小な液滴として分散してから蒸発・膨張して、スラグ浴中で大量の水蒸気が発生するため、これにより生じる浮力でスラグ浴内の流動がいっそう加速されているものと考えられる。ここで、溶融スラグ中に巻き込まれた液体の水は、溶融スラグとの界面張力の方が気体との界面張力よりも小さいことから、溶融スラグ中の気泡間の液膜中に侵入し易いので、この気泡間の液膜中で蒸発・膨張することで効果的に破泡が進行すると考えられる。
本発明法では、溶滓収容容器y内の溶融スラグに対して噴射する水噴流8の単位時間当たりの運動量を50kg・m/s以上とする。ここで、水噴流8が複数の場合には、単位時間当たりの運動量はその合計量とするが、水噴流の衝突箇所のスラグ浴表面の高温部(ホットスポット)が複数箇所生じる場合は一箇所当たりの合計量とする。また、一般的には運動量はベクトル量であり、合計量とは、ベクトル的に加算した運動量の絶対値を意味するものとする。
本発明では十分な運動量の水噴流8をフォーミング状態の溶融スラグに噴射することにより、スラグに流動を与えて水滴がスラグ中に巻き込まれるようにし、フォーミング状態のスラグ中に分散した水滴が蒸発・膨張することでフォーミングしたスラグ中に存在する微小な気泡を破泡するものであるが、水噴流8の単位時間当たりの運動量が小さいと、溶融スラグが冷却される方が勝ってスラグに十分な流動を与えることができないため、水滴をスラグ中に適切に巻き込ませることが難しくなり、溶融スラグのフォーミング抑制効果が十分に得られない。また、水噴流8の噴射方向が水平方向に近付くにつれてスラグ浴に流動が伝わり難くなるため、水噴流8の単位時間当たりの運動量の鉛直方向成分を40kg・m/s以上とするように水噴流8を噴射することがより好ましい。
水噴流8の単位時間当たりの運動量の上限は特にないが、運動量が増大すると溶融スラグの飛散量が増大する傾向があるため、200kg・m/s程度を上限とするのが好ましい。
水噴流8を噴射するのは排滓中及び/又は排滓後であるが、溶滓収容容器yの容量に対して中間排滓で排出するフォーミング状態のスラグの容積が大きい場合には、排滓中に噴射してスラグのフォーミングを鎮静することにより中間排滓の作業時間の短縮が可能となるので好ましい。この際、水噴流8の噴射は、中間排滓中の溶滓収容容器y内のスラグ浴の表面レベルを参照しながら、スラグを溶滓収容容器yからオーバーフローさせないで転炉型精錬炉xから効率よく排滓できるように、適宜実施すればよい。溶滓収容容器yの容量が十分に大きい場合には、排滓後に水噴流8を噴射してスラグの緻密化を図るようにしてもよい。
水噴流8を噴射するスラグ面の位置(場所)に特別な制限はないが、図2のように排滓中の場合には、少なくとも1つの水噴流8がスラグ流5の落ち口(滝壺)に当たるように噴射することが好ましい。排滓後の場合には、排滓終了後に長時間経過するとスラグ浴の表面に凝固層が発達して水噴流8がスラグ浴内に巻き込まれ難くなるので、排滓終了後10分程度以内のできるだけ短時間の内に水噴流8の噴射を開始することが望ましい。
水噴流8の噴射位置は、通常は溶滓収容容器y内のスラグ表面の中央部に1箇所あればフォーミングの鎮静に十分であるが、溶滓収容容器yが大きくてスラグ浴表面に占めるホットスポットの面積の割合が小さい場合には、ホットスポットを移動させるように噴射位置を移動させたり、ホットスポットを複数個所設けるように噴射位置を複数個所設けることにより、より短時間でフォーミングを鎮静できるので効果的である。
また、水噴流8の流量は大きい方が、より短時間でフォーミングを鎮静できるが、溶融スラグ滴の飛散量が増大する傾向がある。したがって、作業時間を許容できる範囲とするように水の流量を増大し、かつ、スラグ飛散を許容できる範囲とするように水の流量を減少するように調整すればよく、100〜300L/min程度の範囲で水の流量を調整することが望ましい。水噴流8の噴射時間は、噴射後のフォーミングの鎮静状況を目視で確認して、鎮静効果が十分得られる範囲で適宜短縮するように調整すればよい。しかし、短時間でフォーミングを鎮静しようとして水の流量を増大させるとスラグ飛散が増大する問題があるため、3〜15分程度の範囲で噴射時間を調整することが望ましい。
一般的に運動量は保存されるので、水噴流8の流速が水噴射ノズル7からスラグ表面に到達するまでの間に減衰することはあまり考慮する必要はなく、水噴流8の単位時間当たりの運動量(kg・m/s)を算出する場合には、水噴射ノズル出口での流速(m/s)と質量流量(kg/s)とを乗算して算出すればよい。ただし、ノズル内径が小さくなると空気の巻き込みによる減衰が無視できなくなってくるので、ノズルの内径(断面が円形でない場合は、断面積の4倍を周長で除して算出される等価直径)は5mm以上であることが望ましい。
図4は、後述する図5及び図6の設備において、単位時間当たりの運動量が異なる水噴流8を溶滓収容容器y内のスラグ2(溶融スラグ)に対して中間排滓中に噴射した場合と、水噴流の噴射を行わなかった場合について、脱珪処理するに当たって転炉型精錬炉xに装入した溶銑のSi濃度と中間排滓時に排滓開始から排滓終了までに要した時間(中間排滓時間)との関係を示すものである。水噴流8の噴射は、溶滓収容容器y内のスラグ浴の表面レベルが溶滓収容容器y内の高さの半分程度になった時点から開始し、排滓の中断中も含めて、スラグ浴の表面レベルを排出スラグを受け入れるのに適正なレベルとするように継続して実施した。水噴流の噴射の有無に関わらず、溶滓収容容器y内のスラグ浴の表面レベルが上昇してスラグのオーバーフローが懸念される場合は、転炉型精錬炉xの傾動角度を調節してスラグの排出速度を小さくしたり、排滓を中断する対応を行う。このため、水噴流を噴射しない従来の中間排滓では、目標とするスラグ質量を排出するのに長時間を要する頻度が高かった。
図4によれば、水噴流8を噴射することにより、中間排滓時間の特に長いチャージは大幅に減少しており、特に、水噴流8の単位時間当たりの運動量が78kg・m/sの場合には、26kg・m/sの場合よりもいっそう中間排滓時間が長いチャージが減少していることから、スラグフォーミングの抑制により効果的であることが判り、水噴流を噴射しない場合に比べて平均値では3分程度の中間排滓時間の短縮が可能となっている。
図5及び図6は、中間排滓において溶滓収容容器y(排滓鍋)内のスラグに水噴流を噴射するための設備の一実施形態とその使用状況を示すもので、図5は排滓のために転炉型精錬炉x(転炉)を傾動させた状態で示す正面図、図6は同じく平面図である。
転炉型精錬炉x(転炉)の側方であって且つ排滓位置に停止した溶滓収容容器y(排滓鍋)の上方位置には、水噴射ノズル7が設置され、中間排滓工程の排滓中及び/又は排滓後に、水噴射ノズル7から溶滓収容容器y内の溶融スラグに対して所定の運動量の水噴流8を噴射し、溶融スラグに流動を与えて水滴がフォーミングしたスラグ中に巻き込まれるようにする。
水噴射ノズル7には、水供給管11から水が供給され、この水供給管11を含む水供給機構は遮熱壁10で排滓時の熱から保護されている。また、水噴射ノズル7は、図5及び図6に破線で示したように、水噴流の到達位置を調節できるように、噴射方向を水平方向及び上下方向に調整可能な機構を設けることが望ましい。これにより、転炉型精錬炉xの傾動角度に合せて調節する溶滓収容容器yの位置に追随できるとともに、溶滓収容容器y内のスラグ表面での水噴流8の到達位置も調整できる。
本発明によれば、他の精錬形態においても、中間排滓時に溶滓収容容器yでのスラグのフォーミングを同様に鎮静することが可能であり、これにより中間排滓に要する時間を短縮して生産性を向上することができる。例えば、さきに挙げた(i)〜(iv)の精錬形態のなかで、一次送酸精錬工程(A)が脱珪処理、二次送酸精錬工程(C)が脱燐・脱炭処理である(ii)の精錬形態は、特に溶銑の珪素含有量が高い場合や、珪素を燃焼熱源として追加して大量のスクラップ溶解を行う場合、脱珪処理と同時に脱硫反応を進行させる場合などに実施されるが、脱燐・脱炭処理でのスラグ組成制御やスラグからの復硫防止の観点から、特に中間排滓後の残留スラグ量を減少させることが必要となる。このため、通常は溶銑を一旦出湯後、炉内スラグをほぼ全量排出する方法が用いられることが多い。
また、一次送酸精錬工程(A)が脱珪・脱燐処理、二次送酸精錬工程(C)が脱炭処理である(iii)の精錬形態は、(i)の精錬形態と並んでよく用いられるが、一次送酸精錬工程(A)では脱燐まで行うため、スラグの塩基度は(i)の精錬形態の場合よりも高く調整される。しかし、中間排滓で排滓し易くするようにスラグをフォーミングさせる点では(i)の精錬形態と共通しており、スラグの塩基度を溶銑の脱燐処理としては比較的低位な1.2〜1.8程度の範囲に調節するとともに、スラグ中の酸化鉄濃度を高めるようにしてスラグのフォーミングを促進する。したがって、中間排滓時には、(i)の精錬形態の場合と同様に中間排滓時間の延長を招き易いという課題があり、本発明に係る溶融スラグのフォーミング鎮静方法を適用することが効果的である。
また、一次送酸精錬工程(A)が脱燐処理、二次送酸精錬工程(C)が脱炭処理である(iv)の精錬形態は、事前に脱珪処理を行った溶銑を対象とするものであるが、中間排滓を効率良く行うためには脱燐処理において大量の酸化珪素源を追加する必要がある。このため、通常は溶銑を一旦出湯後、炉内スラグをほぼ全量排出する方法が用いられることが多い。
次に、本発明に係るスラグ製品の製造方法について説明する。
このスラグ製品の製造方法は、1つの転炉型精錬炉xを用い、高炉から出銑された溶銑を脱珪処理する一次送酸精錬工程(a)と、この一次送酸精錬工程(a)を経た溶銑を転炉型精錬炉x内に残留させたまま一次送酸精錬工程(a)で生成した脱珪スラグを転炉型精錬炉xから溶滓収容容器yに排滓する中間排滓工程(b)と、転炉型精錬炉x内に残留させた溶銑を脱燐処理する二次送酸精錬工程(c)と、該二次送酸精錬工程(c)を経た溶銑を転炉型精錬炉xから出湯する出湯工程(d)をこの順に行い、中間排滓工程(b)で排滓した脱珪スラグを凝固させた後、スラグ製品に加工するスラグ製品の製造方法であって、中間排滓工程(b)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器yに収容された脱珪スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射することによりスラグのフォーミングを鎮静した後、溶滓収容容器yから脱珪スラグを排出し、凝固させるものである。
図1は、本発明によるスラグ製品の製造方法における精錬形態(工程順)の一例も示しており、脱珪処理(脱Si吹錬)が一次送酸精錬工程(a)に、脱燐処理(脱P吹錬)が二次送酸精錬工程(c)に、それぞれ相当する。この図1に記載の各工程の内容は、さきに述べた通りである。また、各工程の実施条件の詳細は後述する。
本発明法では、以上のような1つの転炉型精錬炉xを用い、脱珪処理を行う送酸精錬工程(a)と脱燐処理を行う送酸精錬工程(c)を途中の中間排滓工程(b)を挟んで連続して行う溶銑の精錬において、中間排滓工程(b)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器yに収容された脱珪スラグ(フォーミング状態のスラグ浴)に対して所定の運動量の水噴流を噴射し、脱珪スラグに流動を与えて水滴がフォーミングしたスラグ中に巻き込まれるようにすることでスラグのフォーミングを鎮静した後、溶滓収容容器yから脱珪スラグを排出し、凝固させるものである。そして、この脱珪スラグを加工処理(通常、粉砕・分級する)ことによりスラグ製品を得る。
この脱珪スラグに対する水噴流の噴射に関して、その実施状況、水噴流の噴射による流滓時間の短縮化効果、水噴流の噴射に使用する設備などについては、さきに図2〜図6に基づいて説明したとおりである。
本発明法において、脱珪処理と脱燐処理との間の中間排滓工程で排滓された脱珪スラグに対して、上記のような水噴流の噴射を行うことにより、スラグフォーミングが鎮静されるだけでなく、冷却・凝固後のスラグが緻密化して、単位容積質量が大きい高品質のスラグ製品が得られる。
本発明法では、冷却・凝固後のスラグを緻密化させてスラグ製品の単位容積質量を大きくするために、中間排滓工程(b)において溶滓収容容器y内の脱珪スラグに水噴流を噴射するに当たり、脱珪スラグの嵩比重が0.7kg/L以上となるように水噴流を噴射してスラグのフォーミングを鎮静し、しかる後、溶滓収容容器y内の脱珪スラグをスラグヤードに排出して放冷し、凝固させることが好ましい。凝固の進行とともにさらに脱泡してスラグ中の気孔が減少するが、溶滓収容容器y内で嵩比重が0.7kg/L以上となるようにフォーミングを鎮静してからスラグヤードに排出することにより、スラグ製品の単位容積質量を安定して1.5kg/L以上とすることができる。
また、上記と同様の観点から、脱珪スラグに噴射される水噴流の合計噴射水量を30〜150L/脱珪スラグ-tとすることが好ましい。噴射水量が少ないと脱泡が不十分でスラグ製品の単位容積質量が小さくなる場合がある。また、噴射水量をこれより多くしても効果が飽和するとともに、さらに噴射水量を増大すると噴射中に部分的に凝固が進行して、逆に凝固スラグ中の気孔率が増大するおそれがある。
中間排滓工程(b)で排出された後、冷却・凝固した脱珪スラグは、通常、粉砕、分級してスラグ製品とするが、上述したように本発明法では冷却・凝固後の脱珪スラグが緻密化するので、上層路盤材用途で要求される単位容積質量1.5kg/L以上を満たすスラグ製品を容易に得ることができる。水噴流の噴射を行わないで得られたスラグ製品は、多孔質であり(したがって低強度である)、単位容積質量が小さいため日本工業規格 JIS A 5015:2013に規定される上層路盤材の製品規格を満たさない。また、スラグ粒子が多孔質で強度が低いことから、支持力など他の特性にも悪影響を及ぼすおそれがあり、このような脱珪スラグは路盤材用途には適さない。これに対して、本発明法により水噴流の噴射を行って得られたスラグ製品は、緻密化して単位容積質量が大きくなっており、上記の製品規格を満足する。
脱燐スラグは、一般に脱珪スラグと比較して高塩基度であるので、水和膨張性などの特性から、土木材料に用いる際に用途に制約を受ける場合が多い。したがって、脱燐スラグの発生量を極力低減し、脱燐スラグをこのような用途制約の少ない脱珪スラグに転換するためには、前チャージの脱燐処理を終え、炉内の溶銑を出湯した後、炉内の脱燐スラグを排出せず、炉内に前チャージの脱燐スラグを残留させたまま新たな溶銑を装入し、本発明の精錬工程を繰り返すことが好ましい。すなわち、溶銑を脱燐処理する二次送酸精錬工程(c)を経た溶銑を転炉型精錬炉xから出湯する出湯工程(d)後、転炉型精錬炉x内のスラグを排出することなく、次チャージの溶銑を装入して、一次送酸精錬工程(a)、中間排滓工程(b)、二次送酸精錬工程(c)及び出湯工程(d)をこの順に行うようにするものである。この方法では、脱珪処理時でのCaO系媒溶剤の使用量を削減することもできる。
また、本発明で得られるスラグ製品のなかで、特に、(質量%CaO)/(質量%SiO)を0.8〜1.5とし、且つ「出湯工程(d)後、転炉型精錬炉x内のスラグを排出することなく、次チャージの溶銑を装入して、本発明の精錬工程を繰り返す」方法で得られたスラグ製品は、緻密で単位容積質量が大きいだけでなく、低アルカリで膨張量が少ないという特性を有しており、路盤材用途に特に好適なものであるといえる。
次に、本発明で使用する転炉型精錬炉xの構成と、本発明で行う脱珪処理、中間排滓、脱燐処理の実施条件(すでに述べた以外の実施条件)の詳細を説明する。
図7は、本発明で使用する転炉型精錬炉xの一例(概略断面)を示すものである。この転炉型精錬炉xは上底吹き可能な転炉であり、上吹き用の昇降可能な送酸ランス12(上吹きランス)を備えとともに、炉体底部にはガス底吹き用の底吹きノズル13(底吹き羽口)が、炉体上部側の側部には出湯口14が、それぞれ設けられている。
送酸ランス12からは、気体酸素源として酸素ガス(工業用純酸素ガス)または酸素含有ガス(酸素富化空気、空気、酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスなど)が溶銑に供給される。また、底吹きノズル13からは、撹拌用の底吹きガス(アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガス、酸素を含有するガスなど)が炉内の溶銑に吹き込まれる。また、底吹きガスを搬送ガスとして媒溶剤などを吹き込んでもよい。
本発明において、一次送酸精錬工程(A)として或いは一次送酸精錬工程(a)として行われる脱珪処理は、転炉型精錬炉x内の溶銑に酸素源として気体酸素源を供給し、さらに必要に応じて酸化鉄などの固体酸素源を供給して行われる。溶銑に含有される珪素と酸素源中の酸素とが反応(Si+2O→SiO)して脱珪処理が進行する。この脱珪反応による珪素の酸化熱で溶銑温度が上昇し、溶銑中の冷鉄源の溶解が促進される。
気体酸素源の供給は送酸ランス12を通じて行われ、必要に応じて、酸化鉄などの固体酸素源、生成するスラグの塩基度を調整するための媒溶剤(CaO系媒溶剤、MgO系媒溶剤など)や珪素源などの燃焼熱源が装入される。また、底吹きノズル13から撹拌ガスを溶銑中に吹き込むことにより、溶銑の撹拌を強化して冷鉄源の溶解を促進する。
固体酸素源や媒溶剤などの固体の供給方法としては、通常、粒状及び塊状のものは炉上のホッパーから装入し、粉状のものは送酸ランス12や底吹きノズル13を通じて供給する。
また、中間排滓工程でのスラグの排滓性を高めるために、スラグを転炉型精錬炉x内でフォーミングさせるが、そのためには、スラグ中の酸化鉄とスラグ中に液滴として巻き込まれた溶銑に含まれる炭素との反応により発生するCOガスの発生速度を高める必要がある。このために、スラグ中の酸化鉄濃度を高めることが有効であり、送酸速度の増大、固体酸素源の添加、ランス高さの増大、底吹きガス流量の低減といった方法でフォーミングの促進が可能である。一方、精錬中にスラグのフォーミングが過剰になると、炉口からスラグが溢れ出して精錬の中断により処理時間の延長を招くなどの問題が生じる場合がある。したがって、フォーミング状態のスラグ層の表面レベルの実績を参照して、上記の操業因子を適正な範囲に制御することが望ましい。
中間排滓工程(B)又は中間排滓工程(b)では、転炉型精錬炉xを出湯口14が設けられた側とは反対側に傾動させ、炉内のスラグを炉口から流出させ、下方に待機した溶滓収容容器y(排滓鍋)に排出する。この中間排滓は、スラグをフォーミングさせた状態で行われるが、通常、スラグの一部は炉内に残留する。
本発明では、この中間排滓工程において、さきに述べたような溶滓収容容器y内のスラグに対する水噴流の噴射が行われる。
本発明において、二次送酸精錬工程(C)として或いは二次送酸精錬工程(c)として行われる脱燐処理は、中間排滓工程後に転炉型精錬炉x内に残留させた溶銑にCaO系媒溶剤及び酸素源を供給して行われる。この脱燐処理で供給される酸素源は、脱珪処理と同様に、送酸ランス12からの気体酸素源を主体とするものであるが、酸化鉄などの固体酸素源を併用してもよい。
固体酸素源や媒溶剤などの固体の供給方法としては、通常、粒状及び塊状のものは炉上のホッパーから装入し、粉状のものは送酸ランス12や底吹きノズル13を通じて供給する。
溶銑中の燐は供給される酸素源中の酸素に酸化されて燐酸化物(P)となり、この燐酸化物が、CaO系媒溶剤の滓化によって生成され脱燐精錬剤として機能するスラグ中に、3CaO・Pなる安定形態の化合物として取り込まれ、溶銑の脱燐反応が進行する。脱燐処理後には、燐酸化物を含有する脱燐スラグが生成される。
脱燐処理の完了後、転炉型精錬炉xを出湯口14が設置された側に傾転させ、転炉型精錬炉x内の溶銑を、出湯口14から出湯する(出湯工程)。この出湯工程後、炉内の脱燐スラグを排出せずに、転炉型精錬炉xに溶銑を装入し、次チャージの脱珪処理を開始してもよい。
図7に示すような溶銑容量330tの転炉型精錬炉において、高炉溶銑の脱珪処理(脱Si吹錬)と脱燐処理(脱P吹錬)を中間排滓工程を挟んで連続して実施した。中間排滓工程では、図5及び図6に示すような設備を用いて、排滓中に溶滓収容容器内のスラグ浴の表面が所定のレベルに達してから、溶滓収容容器に収容された脱珪スラグ(フォーミング状態のスラグ浴)に対して、水噴流の噴射を開始した。中間排滓中は水噴流の噴射を継続し、溶滓収容容器内のスラグ浴の表面レベルが上昇してスラグのオーバーフローが懸念される場合は、転炉型精錬炉の傾動角度を調節してスラグの排出速度を小さくするか、排滓を中断するかして、水噴流の噴射を継続した。排滓終了後に溶滓収容容器内のスラグ浴の表面が嵩比重0.7kg/Lに対応した所定のレベルよりも高い場合には、スラグ浴の表面が所定のレベル以下となるように、水噴流の噴射時間が10分程度以内の範囲で、水噴流の噴射を継続した。
転炉型精錬炉内には事前に冷鉄源(鉄スクラップ)を装入し、そこに装入鍋から高炉溶銑を装入した後、脱珪処理を行った。この脱珪処理では、送酸ランスから酸素ガスを供給するとともに、底吹きノズルから撹拌ガスを溶銑中に吹き込んだ。また、必要に応じて、固体酸素源(酸化鉄)、媒溶剤(CaO系媒溶剤など)、珪素源(フェロシリコン)を装入した。この脱珪処理では、中間排滓工程でのスラグの排滓性を高めるために、スラグの塩基度を0.8〜1.3の範囲に調整するとともに、送酸速度とランス高さを調整することで脱珪処理後のスラグ中の酸化鉄含有量が10〜30質量%となるような操業条件として、スラグをフォーミングさせた。
中間排滓工程では、転炉型精錬炉を出湯口が設けられた側とは反対側に傾動させ、炉内のスラグを炉口から流出させ、下方に待機した溶滓収容容器に排出した。この際、表1に示す条件で、溶滓収容容器内のスラグ(フォーミング状態のスラグ浴)に対して水噴流を噴射した。この水噴流の噴射は、1本の水供給管の先端部に設けた1つまたは2つの噴射ノズルを用いて、溶滓収容容器内のスラグ浴面の中央部に向けて噴射するように噴射方向を調節して行った。2つの噴射ノズルを用いた場合には、水噴流の中心位置はスラグ浴の表面レベルでは0.7m程度離れていたが、スラグ浴表面のホットスポットは合体するようにして一箇所となっていた。溶滓収容容器内のスラグのフォーミングが鎮静した後、溶滓収容容器をスラグヤードに搬送し、脱珪スラグを溶滓収容容器からスラグヤードに排出して放冷し、凝固させた。この凝固した脱珪スラグを重機で粗破砕してさらに冷却した後、粉砕・分級して、目開き26.5mmの篩を全て通過する上層路盤材用のスラグ製品とした。
各実施例(発明例、比較例)について、50チャージ程度の溶銑の予備処理を実施した。中間排滓工程での中間排滓時間と、得られたスラグ製品の単位容積質量の平均値を、中間排滓工程での水噴流の噴射条件とともに表1に示す。何れの試験条件においても、脱珪処理前の溶銑のSi濃度は0.25〜0.45質量%の範囲で安定しており、中間排滓でのスラグの平均排出量は10t/チャージ程度であった。
表1によれば、本発明例では、中間排滓が短時間で終了し、しかも、中間排滓された脱珪スラグから単位体積質量が大きい高品質のスラグ製品が得られている。
x 転炉型精錬炉
y 溶滓収容容器
1 溶銑
2 スラグ(脱珪スラグ)
3 冷鉄源
4 装入鍋
5 スラグ流
6 フォーミング状態のスラグ浴
7 水噴射ノズル
8 水噴流
9 スラグ(脱燐スラグ)
10 遮熱壁
11 水供給管
12 送酸ランス
13 底吹きノズル
14 出湯口
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]1つの転炉型精錬炉(x)を用い、高炉から出銑された溶銑を酸化精錬を行って予備処理する一次送酸精錬工程(A)と、該一次送酸精錬工程(A)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)内に残留させたまま一次送酸精錬工程(A)で生成した溶融スラグを転炉型精錬炉(x)から溶滓収容容器(y)に排滓する中間排滓工程(B)と、転炉型精錬炉(x)内に残留させた溶銑を脱燐処理及び/又は脱炭処理する二次送酸精錬工程(C)をこの順に行う溶銑の精錬において、
中間排滓工程(B)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器(y)に収容された溶融スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射し、スラグに流動を与えることによりスラグのフォーミングを鎮静することを特徴とする溶融スラグのフォーミング鎮静方法。
[2]1つの転炉型精錬炉(x)を用い、高炉から出銑された溶銑を脱珪処理する一次送酸精錬工程(a)と、該一次送酸精錬工程(a)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)内に残留させたまま一次送酸精錬工程(a)で生成した脱珪スラグを転炉型精錬炉(x)から溶滓収容容器(y)に排滓する中間排滓工程(b)と、転炉型精錬炉(x)内に残留させた溶銑を脱燐処理する二次送酸精錬工程(c)と、該二次送酸精錬工程(c)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)から出湯する出湯工程(d)をこの順に行い、中間排滓工程(b)で排滓した脱珪スラグを凝固させた後、スラグ製品に加工するスラグ製品の製造方法であって、
中間排滓工程(b)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器(y)に収容された脱珪スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射し、スラグに流動を与えることによりスラグのフォーミングを鎮静した後、溶滓収容容器(y)から脱珪スラグを排出し、凝固させることを特徴とするスラグ製品の製造方法。

Claims (4)

  1. 1つの転炉型精錬炉(x)を用い、高炉から出銑された溶銑を酸化精錬を行って予備処理する一次送酸精錬工程(A)と、該一次送酸精錬工程(A)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)内に残留させたまま一次送酸精錬工程(A)で生成した溶融スラグを転炉型精錬炉(x)から溶滓収容容器(y)に排滓する中間排滓工程(B)と、転炉型精錬炉(x)内に残留させた溶銑を脱燐処理及び/又は脱炭処理する二次送酸精錬工程(C)をこの順に行う溶銑の精錬において、
    中間排滓工程(B)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器(y)に収容された溶融スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射することによりスラグのフォーミングを鎮静することを特徴とする溶融スラグのフォーミング鎮静方法。
  2. 1つの転炉型精錬炉(x)を用い、高炉から出銑された溶銑を脱珪処理する一次送酸精錬工程(a)と、該一次送酸精錬工程(a)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)内に残留させたまま一次送酸精錬工程(a)で生成した脱珪スラグを転炉型精錬炉(x)から溶滓収容容器(y)に排滓する中間排滓工程(b)と、転炉型精錬炉(x)内に残留させた溶銑を脱燐処理する二次送酸精錬工程(c)と、該二次送酸精錬工程(c)を経た溶銑を転炉型精錬炉(x)から出湯する出湯工程(d)をこの順に行い、中間排滓工程(b)で排滓した脱珪スラグを凝固させた後、スラグ製品に加工するスラグ製品の製造方法であって、
    中間排滓工程(b)における排滓中及び/又は排滓後に、溶滓収容容器(y)に収容された脱珪スラグに対して、水噴流を、単位時間当たりの水噴流の運動量が50kg・m/s以上となるように噴射することによりスラグのフォーミングを鎮静した後、溶滓収容容器(y)から脱珪スラグを排出し、凝固させることを特徴とするスラグ製品の製造方法。
  3. 出湯工程(d)後、転炉型精錬炉(x)内のスラグを排出することなく、次チャージの溶銑を装入して、一次送酸精錬工程(a)、中間排滓工程(b)、二次送酸精錬工程(c)及び出湯工程(d)をこの順に行うことを特徴とする請求項2に記載のスラグ製品の製造方法。
  4. 凝固させた脱珪スラグを粉砕、分級して、単位容積質量が1.5kg/L以上のスラグ製品とすることを特徴とする請求項2又は3に記載のスラグ製品の製造方法。
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