JP2016147056A - 管状体及びパター用ゴルフクラブシャフト、並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パター用ゴルフクラブシャフトとして好適に使用することができる、屈曲部を有する管状体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】長手方向に繊維が連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された、屈曲部を有する管状体。繊維方向が、管状体の長手方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とからなるプリプレグをマンドレル10に巻き付けた後に加熱硬化してバイアス層を得る工程と、繊維方向が管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける工程と、その上からテープをらせん状に巻き付けた後にマンドレルを取り外し、巻き付け物を得る工程と、この巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程と、局部的に屈曲した状態を保持させながら加熱硬化する工程とを有する、連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された管状体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車やオートバイのバックミラーのステー等の支持部材や、自転車のフレーム等の補強材に使用することができ、特に、パター用ゴルフクラブシャフトとして好適に使用することのできる管状体とその製造方法に関する。
繊維強化樹脂、特に炭素繊維強化樹脂は、軽量でありながら優れた強度特性を有するため、自動車、オートバイ、自転車、航空機等の種々の形状を有する構造部材への適用が広がっており、特に、炭素繊維強化樹脂からなる管状体は、ゴルフクラブシャフトや釣竿等のスポーツ・レジャー用途に広く利用されている。中でもウッドやアイアンといったゴルフクラブに関しては、使用されるゴルフクラブシャフトの軽量化が、スイングスピードの増大に大きく寄与し、これがボールの飛距離増大に貢献することから、ゴルフクラブシャフトとして、炭素繊維強化樹脂製のシャフトが使用されている割合が非常に高い。
一方、ゴルフクラブの中でも、パターにおいては、その使用される主目的がボールを遠くに飛ばすことではなく、カップにボールを入れることであるため、ターゲットに対するより正確なコントロールが必要とされる。そのため、それぞれのプレーヤーに適したゴルフクラブとして、例えば、大型のマレット型と呼ばれる形状のヘッドや、ベリーパターのようなゴルフクラブシャフトが長い長尺タイプ等の、様々な形状のヘッドとゴルフクラブシャフトから構成されるパターが開発されている。このようなパターには、ストレートタイプのものだけでなく、ベンドタイプやダブルベンドタイプといった一部が局部的に曲がったゴルフクラブシャフトも使用されるため、これらパター用のゴルフクラブシャフトには、加工性に優れたスチール製のゴルフクラブシャフトが一般的に用いられている。
しかしながら、パターの形状が多様化する中、従来のスチール製パター用ゴルフクラブシャフトでは、その材質上、重量を軽減することが難しく、パターの操作性をより向上させたり、パターの長さやバランスをよりフレキシブルに調整したりするために、炭素繊維強化樹脂製ゴルフクラブシャフトをパターに適用することが望まれている。しかし、従来の炭素繊維強化樹脂製のパター用ゴルフクラブシャフトは、成型上の制約から、ベンドタイプやダブルベンドタイプといった局部的に曲がった形状を得ることが難しいため、ストレートタイプのシャフトを持つパターへの適用が大半であった。
特許文献1や特許文献2では、多数の単繊維よりなる繊維束で形成される屈曲した筒状物を熱硬化性樹脂で結合してなることを特徴とするパター用屈曲ゴルフシャフトが開示されている。しかしながら、この製法はいわゆるフィラメントワインディングにて成型されたゴルフクラブシャフトであり、屈曲した形状を成型することは可能であるが、ゴルフクラブシャフトの長手方向に繊維束を充分に配列させることが出来ないため、パター用ゴルフクラブシャフトとして必要な剛性を十分に得ることが出来ず、また十分な軽量化を実現することが出来ないという問題を抱えていた。
一方、特許文献3では、炭素繊維を所定の方向に配向させた炭素繊維強化プラスチック層を内層と外層に設けることにより、スチールシャフトに近いスイングバランスの設定が可能な炭素繊維強化プラスチック製のゴルフクラブパター用シャフトが開示されている。しかしながら、このシャフトは従来のスチールシャフトと同等の炭素繊維強化プラスチック製のゴルフクラブパター用シャフトを得ることが出来るが、ストレートタイプのゴルフクラブシャフトに限定されてしまうため、ベンドタイプのゴルフクラブシャフトを装着するパターヘッドには適用できなかった。
特開昭52−132933号公報 特開昭54−16241号公報 特開平10−15130号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、自動車やオートバイのバックミラーのステー等の支持部材や、自転車のフレーム等の補強材に使用することができ、特に、パター用ゴルフクラブシャフトとして好適に使用することのできる管状体とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、以下の発明により上記課題が解決出来ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
本発明は、以下の構成を有する。
〔1〕 長手方向に繊維が連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された、屈曲部を有する管状体。
〔2〕 繊維強化樹脂硬化物層が炭素繊維強化樹脂層である、〔1〕記載の管状体。
〔3〕 円筒形状を有する、〔1〕又は〔2〕記載の管状体。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の管状体から構成される、パター用ゴルフクラブシャフト。
〔5〕 先端部Aと本体部Bとからなり、先端部Aは少なくとも1か所に前記屈曲部を有するテーパー状またはストレート状の形態であり、本体部Bはシャフト長手軸方向に対し実質的に曲りのないテーパー状またはストレート状の形態である、〔4〕記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
〔6〕 前記先端部Aがシャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmの領域であり、前記先端部Bがヘッド側端から200mm乃至グリップ側端の領域である、〔5〕記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
〔7〕 接合部を有さない前記先端部A及び前記本体部Bから構成される、〔5〕又は〔6〕記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
〔8〕 繊維強化樹脂硬化物層の繊維がシャフトの長手方向に対して80°〜100°に配向されたフープ層が、先端部Aの最外層に積層されている、〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
〔9〕 先端部Aの屈曲部の角度をそれぞれθn(nは整数)とした時、
135°≦ θn < 180°
の範囲からなる、〔5〕〜〔8〕のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
〔10〕 シャフトの重量(g)をGとし、シャフトの細径端から太径端までの距離(mm)をLとした時、
0.03 ≦ G/L ≦ 0.15
の範囲である、〔5〕〜〔9〕のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
〔11〕 繊維方向が、管状体の長手方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とからなるプリプレグをマンドレルに巻き付けた後に加熱硬化してバイアス層を得る工程と、繊維方向が管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける工程と、その上からテープをらせん状に巻き付けた後にマンドレルを取り外し、巻き付け物を得る工程と、この巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程と、局部的に屈曲した状態を保持させながら加熱硬化する工程とを有する、連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された管状体の製造方法。
〔12〕 繊維強化樹脂が炭素繊維強化樹脂である、〔11〕記載の管状体の製造方法。
〔13〕 得られる管状体が円筒形状を有する、〔11〕又は〔12〕記載の管状体の製造方法。
〔14〕 〔11〕記載の各工程を有する、パター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
〔15〕 前記のバイアス層を形成する工程において、該バイアス層を形成するプリプレグの巻き付け後、その上からテープをらせん状に巻き付けた後に加熱硬化させ、加熱硬化後にテープを除去する、〔14〕記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
〔16〕 前記の管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける工程において、補助層を形成するプリプレグも巻き付ける、〔14〕又は〔15〕記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
〔17〕 前記の補助層が、繊維強化樹脂の繊維がシャフトの長手方向に対して80°〜100°に配向されたフープ層であり、これを形成するプリプレグをシャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域に巻き付ける、〔16〕記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
〔18〕 前記巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程において、シャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域を屈曲させる、〔14〕〜〔17〕のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
〔19〕 前記巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程において、シャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域の1か所以上を屈曲させる際に、この屈曲させる角度をそれぞれθn(nは整数)とした時、
135°≦ θn < 180°
の範囲となるようにする、〔14〕〜〔18〕のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
〔20〕 繊維方向が、シャフトの長手方向に対して+45°と−45°からなるバイアス層を形成するプリプレグをマンドレルに巻き付ける工程と、その上からポリプロピレン製のテープをらせん状に巻き付けた後加熱硬化する工程と、加熱硬化後にテープを剥ぎ取り、繊維方向が、シャフトの長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグ、および補助層を形成するプリプレグを巻き付ける工程と、その上からポリプロピレン製のテープをらせん状に巻き付けた後にマンドレルを取り外す工程と、シャフトの細径端部乃至細径端から200mmの領域のみを加熱し局部的に屈曲させる工程と、局部的に屈曲した状態を保持させながら加熱硬化する工程とを有する、炭素繊維強化樹脂硬化物が積層されたパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
本発明に係る管状体によれば、屈曲部を有するとともに、軽量でありながら剛性も高いため、自動車やオートバイのバックミラーのステー等の支持部材や、自転車のフレーム等の補強材に使用することができ、特に、パター用ゴルフクラブシャフトとして好適に使用することができるものである。
また、本発明に係る管状体の製造方法によれば、従来困難であった、長手方向に繊維が連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された管状体への屈曲部の付与を可能とするものであり、特に、パター用ゴルフクラブシャフトの製造方法として好適なものである。
実施例1〜2と比較例1で使用したマンドレルの概略説明図である。 実施例1〜2でパター用ゴルフクラブ用シャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、マンドレルへの巻き付け順序とを示す説明図である。 比較例1でパター用ゴルフクラブ用シャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、マンドレルへの巻き付け順序とを示す説明図である。 実施例3〜4と比較例2で使用したマンドレルの概略説明図である。 実施例3〜4でパター用ゴルフクラブ用シャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、マンドレルへの巻き付け順序とを示す説明図である。 比較例2でパター用ゴルフクラブ用シャフトの製作に用いたプリプレグの裁断形状と、マンドレルへの巻き付け順序とを示す説明図である。
本発明の管状体は、屈曲部を有する繊維強化樹脂硬化物層の積層構造が形成されており、この屈曲部を含む管状体の長手方向に連続した繊維が継ぎ目なく配置されていることによって、充分な強度と剛性を確保しながら軽量化を実現することが可能となる。
本発明の管状体に配置される上記の繊維としては特に限定されるものではなく、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、スチール繊維等を適宜選択して使用することができるが、強度と剛性の向上と軽量化の両立を図れることから、炭素繊維が特に好ましい。
また、本発明の管状体の形状は特に限定されるものではなく、断面が円形、楕円形、三角形、四角形等を適宜選択することができるが、円形(円筒形状)が強度の点から好ましく、特にパター用ゴルフシャフトとして好適に使用することができる。
以下、本発明の管状体について、パター用ゴルフクラブシャフトを例として説明する。
本発明の管状体の実施形態の一つであるパター用ゴルフクラブシャフトは、好ましくは炭素繊維強化樹脂製であり、円筒形状を有し、ストレート状、又は、軸方向に垂直な面の外径が長さ方向の一端から他端に向かって大きくなるテーパー形状であり、例えば、両端部から途中の径切換部まで外径が同一となるように形成されたものも含む。以下、テーパー形状の場合において、外径が小さい側の端部を細径端部といい、外径が大きい側の端部を太径端部という。また、細径端部乃至細径端から200mmの領域を先端部Aとし、細径端から200mm乃至太径端の領域を本体部Bとし、先端部Aは少なくとも1か所が局部的に屈曲している。
上述のパター用ゴルフクラブシャフトは、管状体長手方向に対する繊維の巻角度が30〜70°の範囲内で、正逆両方向であるバイアス層と、管状体長手方向に対する繊維の巻角度が−5°〜+5°の範囲内であるストレート層を有する繊維強化樹脂製パター用ゴルフクラブシャフトである。このパター用ゴルフクラブシャフトは、繊維を一方向に引き揃えてなるシート状の強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂層(以下、プリプレグということがある。)を、マンドレル(芯金)に複数回巻きつけて、これを加熱、硬化させ、成形するシートラッピング法により製造することができる。
このプリプレグとしては、炭素繊維強化樹脂層が好適に選択される。ここで使用される炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル繊維を原料とするPAN系炭素繊維、または石油または石炭ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維のいずれも使用することが可能であるが、屈曲させた部分の強度を十分に高める上で、強度の高いPAN系炭素繊維が好適に用いられる。また、炭素繊維とともに、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維又はスチール繊維などを併用して使用しても良い。
また、上述のプリプレグに使用されるマトリックス樹脂としては、特に限定されないが、通常エポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂などを使用し得る。これらのエポキシ樹脂は、液状のものから固体状のものまで使用できる。更に、単一種類のエポキシ樹脂又は2種類以上のエポキシ樹脂を混合して使用することもできる。
本実施形態のパター用ゴルフクラブシャフトは、例えば、シャフトの細径端部乃至細径端から200mmの領域を先端部Aとし、シャフトの細径端から200mm乃至太径端の領域を本体部Bとした時、本体部Bはシャフト長手軸方向に対し実質的に曲りのないテーパー状またはストレート状の円筒形状であり、先端部Aは少なくとも1か所が局部的に屈曲してなるテーパー状またはストレート状の円筒形状であり、かつこれら先端部Aと本体部Bは接合部を有することなく、プリプレグにて一体成型されている。
先端部Aは、フェイスプログレッションやライ角といったパターを調整する上で部分的に屈曲した形状を有している。先端部Aの形状をパター毎に最適な形状にすることで、操作性に優れたパターを作製することが可能となる。
上述の通り、本実施形態のパター用ゴルフクラブシャフトは、炭素繊維強化樹脂硬化物層から成ることが好適である。パター用ゴルフクラブシャフトの長手方向に対して強化繊維が30°〜70°で配向されたプリプレグと、−30°〜−70°で配向されたプリプレグを貼り合せて形成されるバイアス層と、長手方向に対して強化繊維が−5°〜+5°で配向されたプリプレグから形成されるストレート層を有することが好ましい。また、先端部Aと本体部Bが接合されることなく、一体成型されていることが重要である。先端部Aと本体部Bを別々に成型し接合すると、接合部に構造が複雑になり重量が重くなったり、接着剤などで接合した場合に十分な強度を得られなかったりするため好ましくない。本実施形態のパター用ゴルフクラブシャフトは、プリプレグで先端部Aと本体部Bが一体成型されている点が重要である。
本実施形態のパター用ゴルフクラブシャフトの先端部Aの積層構成は、最外層にパター用ゴルフクラブシャフトの長手方向に対して強化繊維が80°〜100°で配向されたプリプレグから形成されるフープ層を有することが、より好ましい形態である。先端部Aは、局部的に屈曲させる必要があるが、その時にストレート層やバイアス層が最外層に配置されていると、最外層の強化繊維が折れてしまったり、屈曲してしまったりする可能性が生じ、強度が十分に確保されにくいことがある。一方、最外層に強化繊維が80°〜100°で配向されたプリプレグから構成されるフープ層を配置することで、このような問題の発生を抑制することができ、より強度の高いパター用ゴルフクラブシャフトを得ることが可能となる。
また、本実施形態のパター用ゴルフクラブシャフトの先端部Aにおいて、屈曲部から太径端側のシャフトの軸線と、屈曲部から細径端側のシャフトの軸線との交点がおりなす角度をそれぞれθn(nは整数)とした時、
135°≦ θn < 180°
の範囲であることが好ましい。これは、この角度を135°以上とすることによって、シャフト製造時に、強化繊維が折れたり、シャフトが潰れたりしにくくなり、シャフトの生産性が向上する傾向にあるためである。さらに好ましくは、
145°≦ θn < 180°
の範囲であり、この範囲であれば、強化繊維の屈曲による強度低下を十分に抑制することが可能となる。
本実施形態のパター用ゴルフクラブシャフトの重量をG(g)とし、シャフトの細径端から太径端までの距離(mm)をLとした時、
0.03 ≦ G/L ≦ 0.15
の範囲であることが好ましい。G/Lが0.03より小さくなると、強化繊維樹脂硬化物層が少なくなり過ぎる傾向にあるので、剛性が十分でなかったり、強度が十分でなかったりすることがあり、G/Lが0.15より大きくなると、シャフトの剛性が高くなり過ぎるため、シャフト製造が困難であったり、パターの総重量が重くなり過ぎてしまうため、操作性が損なわれてしまったりすることがあるためである。さらに好ましくは、
0.04 ≦ G/L ≦ 0.13
の範囲であり、この範囲であれば、パター用ゴルフクラブシャフトとしての十分な剛性や強度と、高い操作性を両立することが可能となる。
本発明の連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された管状体は、繊維方向が、管状体の長手方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とからなるプリプレグをマンドレルに巻き付けた後に加熱硬化してバイアス層を得る工程と、繊維方向が管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける工程と、その上からテープをらせん状に巻き付けた後にマンドレルを取り外し、巻き付け物を得る工程と、この巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程と、局部的に屈曲した状態を保持させながら加熱硬化する工程を経ることによって、製造することができる。
この製造方法は、上述の炭素繊維強化樹脂硬化物層からなる管状体の製造に好適に採用できるものであり、上述の円筒形状を有する管状体の製造に好適な方法であり、上述の屈曲部を有するパター用ゴルフクラブの製造方法として、特に好適なものである。
上記の管状体の製造方法においては、まず、バイアス層を有する管状の繊維強化樹脂硬化物を管状体の内層として形成させる。これによって、後のマンドレル取り外し時における内層の破損や、管状体を加熱し局部的に屈曲させる際の管状体の変形や破損を抑制することができる。
この硬化物は、バイアス層のみからなるのが好ましく、最内層として形成させるのが好ましい。
また、このバイアス層を有する硬化物の形状を安定させ、硬化物全体の硬化を均一にするため、前記のプリプレグをマンドレルに巻き付けた後に加熱硬化する工程において、該プリプレグの巻き付け後、その上からテープをらせん状に巻き付けた後に加熱硬化させ、加熱硬化後にテープを除去するのが好ましい。
ここで使用するテープは、硬化樹脂の種類や硬化条件に応じて適宜選択することができるが、例えば、繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂として、硬化温度が130〜140℃であるエポキシ樹脂を用いる場合には、2〜3cm幅のポリプロピレン製収縮フィルムを使用することができる。
上記の管状体の製造方法においては、バイアス層を有する管状の繊維強化樹脂の硬化物の上に、繊維が管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける。
さらに、必要に応じて、補助層を形成するプリプレグも巻き付けることもできる。
この補助層としては、上述のストレート層やバイアス層を採用することもできるが、上述のフープ層を好適に採用することができ、これを管状体の屈曲部に設けることによって、この部分の強度を向上させることができる。特に、この管状体をパター用ゴルフシャフトとして用いる場合には、このフープ層をシャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域に形成させるのが好ましい。
上述のストレート層や補助層を形成するプリプレグを巻き付けた後は、バイアス層形成時と同様に、その上から上記と同様のテープをらせん状に巻き付け、その後マンドレルを取り外し、巻き付け物を得る。
この巻き付け物の屈曲させる部位を局部的に加熱しながら曲げることにより、所望の形状とする。この時の加熱温度は、巻き付けたプリプレグの未硬化樹脂が軟化する温度以上であり、かつこの樹脂の硬化が始まる温度未満の範囲とするのが好ましい。また、強化繊維へのダメージを極力避けるために、できるだけゆっくり曲げるのが好ましい。
なお、この曲げる工程で、既に硬化しているバイアス層の一部が損傷することもあり得るが、これが最終的に得られる管状体の屈曲部の物性に与える影響は、実質的に無視できる程度である。
上記の屈曲部の位置は、得られる管状体の用途に応じて適宜選択することができるが、この管状体をパター用ゴルフシャフトに用いる場合には、シャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域を屈曲させるのが好ましい。
また、上記の屈曲部の角度は、得られる管状体の用途に応じて適宜選択することができるが、この管状体をパター用ゴルフシャフトに用いる場合には、シャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域の1か所以上を屈曲させる際に、この屈曲させる角度をそれぞれθn(nは整数)とした時、
135°≦ θn < 180°
の範囲となるようにするのが好ましい。
これは、この角度を135°以上とすることによって、シャフト製造時に強化繊維が折れたり、シャフトが潰れたりしにくくなり、シャフトの生産性が向上する傾向にあるためである。
さらに好ましくは、
145°≦ θn < 180°
の範囲であり、この範囲であれば、強化繊維の屈曲による強度低下を十分に抑制することが可能となる。
上記のようにして特定の部位に屈曲部を形成した後は、屈曲した状態を保持させながら樹脂の硬化温度にて加熱することにより、本発明の管状体を得ることができる。なお、屈曲した状態を保持させるため、金型や固定冶具を使用することも好適である。金型や固定冶具を使用することにより、より精度の高い屈曲した管状体を得ることが出来る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す形状のマンドレル10(鉄製)を用意した。このマンドレル10は、全体の長さL13にあって、その細径端P11から長さL11の位置(切換点)P12まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P12から長さL12の大径端P13まで、その外径は一定である、鉄製の円筒体からなる。本実施例による前記マンドレル10の各部位における具体的な外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
細径端P11の外径は3.85mm、切換点P12の外径は13.75mm、この切換点P12から太径端P13までは同一外径であり、その外径は13.75mmである。細径端P11から切替点P12までの長さL11は900mm、切替点P12から太径端P13までの長さL12は600mmである。マンドレル10の全体長さL13は1500mmとなる。また、細径端P11から切替点P12までのテーパー度は11.00/1000である。
このマンドレル10に、図2に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜10)のうち、パターン1を巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けた後、加熱し硬化させた。なお、パターン1は、炭素繊維(CF)がマンドレルの軸方向に対して+45°に配向したプリプレグと、−45°に配向したプリプレグとを、マンドレル10に対して実質的に半周ずれるようにして2枚重ね合わせたものである。
なお、図2中のプリプレグ1〜6の材質は表1に、またパターン1〜10のプリプレグ各部のサイズを表2に示している。
また、マンドレル10におけるプリプレグを巻き付ける領域は、マンドレルの細径端から測って225mmから太径端に向けて985mmの位置までとした。プリプレグ1を使ったパターン1をマンドレル10に巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けてから、これを加熱炉に入れ加温し135℃で2時間保持した後、常温まで自然冷却させてマンドレル10から硬化したシャフトを外し、前記収縮テープを剥ぎ取った。
因みに、このパターン1においては、炭素繊維(CF)がマンドレルの軸方向に対して+45°に配向したバイアス層を構成するプリプレグと、−45°に配向したバイアス層を構成するプリプレグとを、太径側端部において22mm(y11)、細径側端部において10mm(x11)ずらせて、重ね合わせている。
加熱硬化後、マンドレル10を抜き取り、ポリプロピレン製収縮テープを剥ぎ取って予備成型シャフトを得た。そして、この予備成型シャフトを再びマンドレル10に挿入し、パターン2〜10を順にこの予備成型シャフト上に巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けた後、再びマンドレル10を抜き取った。パターン10はマンドレル10の主軸に対する強化繊維の巻角度は90°であるフープ層に相当し、パターン2〜9はマンドレル10の主軸に対して強化繊維の巻角度を0°であるストレート層に相当する。
マンドレル10を抜き取った未硬化シャフトの先端部Aの部分に、ドライヤーで温めながら所望の形状になるようシャフトを慎重に曲げ、そのシャフトを形状が変わらないように注意して加熱硬化させた。なお、シャフトを曲げる時に熱を掛け過ぎると、樹脂の流動性が高くなったり、硬化反応が始まったりしてしまうため、温め方には十分注意して作業を実施した。そして、加熱硬化後、ポリプロピレン製収縮テープを剥ぎ取った後、細径端部から10mmと太径端部から10mmを切断し、表面が平滑になるよう研磨を実施した。
本実施例におけるパターン1の2枚のプリプレグは、マンドレル10の主軸に対する強化繊維の巻角度は45°で、正逆両方向であるバイアス層を形成するものであり、パターン10はマンドレル10の主軸に対する強化繊維の巻角度は90°であるフープ層を形成するものであり、パターン2〜9はマンドレル10の主軸に対して強化繊維の巻角度が0°であるストレート層を形成するものである。
得られたシャフトの質量G、全長L、細径端部から10mmと太径端部から25mmの位置の外径を表4に示す。また、本実施例では、細径端部から60mmと125mmの2か所で屈曲させ、それぞれの角度をθ1とθ2とし、それぞれの値を表4に合わせて示す。
[ゴルフクラブヘッド、およびグリップの取り付け]
実施例のパター用ゴルフクラブシャフトに、市販のパターヘッド(質量374g)をアクリル樹脂接着剤で細径端に取り付けた。さらに、シャフト太径端を90mmカットし、市販のゴム製グリップを両面テープにて取り付け、実施例のゴルフクラブを作製した。本実施例のパター用ゴルフクラブの質量、クラブ長、バランスを測定した結果を表5に示す。
(実施例2)
マンドレル10を抜き取った未硬化シャフトの先端部Aの部分に、ドライヤーで温めながらθ1とθ2を130°になるようシャフトを曲げた以外は、全て実施例1と同じ要領でシャフトを作製した。曲げる工程でシャフトの潰れが生じたが、得られたシャフトの質量G、全長L、細径端部から10mmと太径端部から25mmの位置の外径を表4に示す。また、実施例1と同様にして、パター用ゴルフクラブを作製し、質量、クラブ長、バランスを測定した結果を表5に示す。
(比較例1)
このマンドレル10に、図3に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜2)のうち、パターン1を巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けて加熱し、硬化させて収縮テープを剥ぎ取った後、図3に示したパターン2を巻き付けた以外は、実施例1と同様にして評価を実施した。得られた管状体においては、求める形状は得られたものの、剛性が不充分であり、パター用ゴルフシャフトとして、充分な機能を有していなかった。
表5の結果から明らかなように、実施例1、2により得られた屈曲部を有する炭素繊維強化樹脂製パター用ゴルフクラブシャフトは、スチール製パター用ゴルフクラブと同様の形状を得ることが可能であり、かつ軽量化することが出来るため、用途に応じたパター用ゴルフクラブを得ることが可能となる。
(実施例3)
図4に示す形状のマンドレル11(鉄製)を用意した。このマンドレル11は、全体の長さL25にあって、その細径端P21から長さL21の位置(第1切換点)P22まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P22から長さL22の位置(第2切換点)P23まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P23から長さL23の位置(第3切換点)P24まで、その外径が直線的に漸増し、切換点P24から長さL24の太径端P25まで、その外径は一定である、鉄製の円筒体からなる。本実施例による前記マンドレル11の各部位における具体的な外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
細径端P21の外径は3.10mm、第1切換点P22の外径は3.30mm、第2切換点P23の外径は8.00mm、第3切換点P24の外径は10.50mm、この切換点P24から太径端P25までは同一外径であり、その外径は10.50mmである。細径端P21から第1切換点P22までの長さL21は300mm、第1切換点P22から第2切換点P23までの長さL22は450mm、第2切換点P23から第3切換点P24までの長さL23は100mm、切換点P24から太径端P25までの長さL24は550mmである。マンドレル11の全体長さL25は1400mmとなる。また、細径端P21から第1切換点P22までのテーパー度は0.67/1000、第1切換点P22から第2切換点P23までのテーパー度は10.44/1000、第2切換点P23から第3切換点P24までのテーパー度は25.00/1000である。
このマンドレル11に、図5に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜8)のうち、パターン1とパターン2を巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けた後、加熱し硬化させた。なお、パターン1とパターン2は、炭素繊維(CF)がマンドレルの軸方向に対して+45°に配向したプリプレグと、−45°に配向したプリプレグとを、マンドレル10に対して実質的に半周ずれるようにして2枚重ね合わせたものである。
なお、図5中のプリプレグ4,7,8の材質は表1に、またパターン1〜8のプリプレグ各部のサイズを表3に示している。
また、マンドレル11におけるプリプレグを巻き付ける領域は、マンドレルの細径端から測って150mmから太径端に向けて985mmの位置までとした。プリプレグ4を使ったパターン1をマンドレル11に巻き付け、その上にプリプレグ7を使ったパターン2を巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けてから、これを加熱炉に入れ加温し135℃で2時間保持した後、常温まで自然冷却させてマンドレル11から硬化したシャフトを外し、前記収縮テープを剥ぎ取った。
加熱硬化後、マンドレル11を抜き取り、ポリプロピレン製収縮テープを剥ぎ取って予備成型シャフトを得た。そして、この予備成型シャフトを再びマンドレル11に挿入し、パターン3〜8を順にこの予備成型シャフト上に巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けた後、再びマンドレル11を抜き取った。パターン8はマンドレル11の主軸に対する強化繊維の巻角度は90°であるフープ層に相当し、パターン3〜7はマンドレル11の主軸に対して強化繊維の巻角度を0°であるストレート層に相当する。
得られたシャフトの質量G、全長L、細径端部から10mmと太径端部から25mmの位置の外径を表4に示す。また、本実施例では、細径端部から60mmと125mmの2か所で屈曲させ、それぞれの角度をθ1とθ2とし、それぞれの値を表4に合わせて示す。
[ゴルフクラブヘッド、およびグリップの取り付け]
本実施例のパター用ゴルフクラブシャフトに、市販のパターヘッド(質量374g)をアクリル樹脂接着剤で細径端に取り付けた。さらに、シャフト太径端を90mmカットし、市販のゴム製グリップを両面テープにて取り付け、実施例のゴルフクラブを作製した。本実施例のパター用ゴルフクラブの質量、クラブ長、バランスを測定した結果を表5に示す。
(実施例4)
マンドレル11を抜き取った未硬化シャフトの先端部Aの部分に、ドライヤーで温めながらθ1を130°になるようシャフトを曲げた以外は、全て実施例3と同じ要領でシャフトを作製したが、得られたシャフトの剛性が非常に高いため、加熱硬化後に屈曲部が130°以上の角度に戻ってしまい、かつ屈曲部以外にも歪みが出てしまったものの、実施例3と同様にパター用ゴルフクラブを作製することが出来た。
(比較例2)
このマンドレル11に、図6に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜3)のうち、パターン1とパターン2を巻き付け、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻き付けて加熱し、硬化させて収縮テープを剥ぎ取った後、図6に示したパターン3を巻き付けた以外は、実施例3と同様にして評価を実施した。求める形状は得られたものの、剛性が不充分であり、パター用ゴルフシャフトとして、充分な機能を有していなかった。
本発明の管状体は、屈曲部を有するとともに、軽量でありながら剛性も高いため、自動車やオートバイのバックミラーのステー等の支持部材や、自転車のフレーム等の補強材に使用することができ、特に、パター用ゴルフクラブシャフトとして好適に使用することができる。
また、本発明の管状体の製造方法は、従来困難であった、長手方向に繊維が連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された管状体への屈曲部の付与を可能とするものであり、特に、パター用ゴルフクラブシャフトの製造方法として好適に使用できるものである。
10 マンドレル
11 マンドレル

Claims (20)

  1. 長手方向に繊維が連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された、屈曲部を有する管状体。
  2. 繊維強化樹脂硬化物層が炭素繊維強化樹脂層である、請求項1記載の管状体。
  3. 円筒形状を有する、請求項1又は2記載の管状体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の管状体から構成される、パター用ゴルフクラブシャフト。
  5. 先端部Aと本体部Bとからなり、先端部Aは少なくとも1か所に前記屈曲部を有するテーパー状またはストレート状の形態であり、本体部Bはシャフト長手軸方向に対し実質的に曲りのないテーパー状またはストレート状の形態である、請求項4記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
  6. 前記先端部Aがシャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmの領域であり、前記先端部Bがヘッド側端から200mm乃至グリップ側端の領域である、請求項5記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
  7. 接合部を有さない前記先端部A及び前記本体部Bから構成される、請求項5又は6記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
  8. 繊維強化樹脂硬化物層の繊維がシャフトの長手方向に対して80°〜100°に配向されたフープ層が、先端部Aの最外層に積層されている、請求項5〜7のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
  9. 先端部Aの屈曲部の角度をそれぞれθn(nは整数)とした時、
    135°≦ θn < 180°
    の範囲からなる、請求項5〜8のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
  10. シャフトの重量(g)をGとし、シャフトの細径端から太径端までの距離(mm)をLとした時、
    0.03 ≦ G/L ≦ 0.15
    の範囲である、請求項5〜9のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフト。
  11. 繊維方向が、管状体の長手方向に対して+30〜+70°に配向された層と、−30〜−70°に配向された層とからなるプリプレグをマンドレルに巻き付けた後に加熱硬化してバイアス層を得る工程と、繊維方向が管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける工程と、その上からテープをらせん状に巻き付けた後にマンドレルを取り外し、巻き付け物を得る工程と、この巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程と、局部的に屈曲した状態を保持させながら加熱硬化する工程とを有する、連続した繊維強化樹脂硬化物層が積層された管状体の製造方法。
  12. 繊維強化樹脂が炭素繊維強化樹脂である、請求項11記載の管状体の製造方法。
  13. 得られる管状体が円筒形状を有する、請求項11又は12記載の管状体の製造方法。
  14. 請求項11記載の各工程を有する、パター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
  15. 前記のバイアス層を形成する工程において、該バイアス層を形成するプリプレグの巻き付け後、その上からテープをらせん状に巻き付けた後に加熱硬化させ、加熱硬化後にテープを除去する、請求項14記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
  16. 前記の管状体の長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグを巻き付ける工程において、補助層を形成するプリプレグも巻き付ける、請求項14又は15記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
  17. 前記の補助層が、繊維強化樹脂の繊維がシャフトの長手方向に対して80°〜100°に配向されたフープ層であり、これを形成するプリプレグをシャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域に巻き付ける、請求項16記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
  18. 前記巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程において、シャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域を屈曲させる、請求項14〜17のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
  19. 前記巻き付け物を加熱し局部的に屈曲させる工程において、シャフトのヘッド側端乃至ヘッド側端から200mmに相当する領域の1か所以上を屈曲させる際に、この屈曲させる角度をそれぞれθn(nは整数)とした時、
    135°≦ θn < 180°
    の範囲となるようにする、請求項14〜18のいずれかに記載のパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
  20. 繊維方向が、シャフトの長手方向に対して+45°と−45°からなるバイアス層を形成するプリプレグをマンドレルに巻き付ける工程と、その上からポリプロピレン製のテープをらせん状に巻き付けた後加熱硬化する工程と、加熱硬化後にテープを剥ぎ取り、繊維方向がシャフトの長手方向に引き揃えられたストレート層を形成するプリプレグ、および補助層を形成するプリプレグを巻き付ける工程と、その上からポリプロピレン製のテープをらせん状に巻き付けた後にマンドレルを取り外す工程と、シャフトの細径端部乃至細径端から200mmの領域のみを加熱し局部的に屈曲させる工程と、局部的に屈曲した状態を保持させながら加熱硬化する工程とを有する、炭素繊維強化樹脂硬化物が積層されたパター用ゴルフクラブシャフトの製造方法。
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