JP5703694B2 - 繊維強化樹脂製管状体、ゴルフクラブ用シャフト、およびそれらの製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製管状体、ゴルフクラブ用シャフト、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化樹脂製管状体、ゴルフクラブ用シャフト、およびそれらの製造方法に関する。
ゴルフクラブ用シャフトなどの管状体には、炭素繊維強化樹脂などの繊維強化樹脂によって形成された繊維強化樹脂製管状体が広く使用されている。該繊維強化樹脂製管状体としては、例えば、強化繊維の配向方向が管状体の軸方向に対して+α°と−α°(ただし、20°≦α°≦70°)である2つのアングル層を貼り合せたバイアス層と、強化繊維の配向方向が管状体の軸方向に対して略平行であるストレート層とを、管状に巻いて積層したものが知られている。
ゴルフクラブ用シャフトに使用される繊維強化樹脂製管状体においては、ボール打撃時のシャフトのねじれを抑制して打ち出し方向の正確性を向上させるために、ねじり剛性を高くすることがよく知られている。ねじり剛性を高めた繊維強化樹脂製管状体としては、例えば、内側から順に、第1のバイアス層、ストレート層、第2のバイアス層を設けたゴルフクラブ用シャフトが示されている(特許文献1〜4)。
特開平9−327536号公報 特開平11−197277号公報 特開平8−308969号公報 実開平4−92270号公報
しかし、特許文献1〜4に記載のゴルフクラブ用シャフトは、ねじり剛性は高いものの、シャフトの曲がりや反りを充分に抑えることが難しく、品質が低くなることがある。繊維強化樹脂製管状体の曲がりや反りは、製造の際に、バイアス層やストレート層を形成するプリプレグ内のマトリックス樹脂が硬化収縮することと、強化繊維とマトリックス樹脂の熱収縮率の差が大きいことが起因している。
つまり、マトリックス樹脂にはエポキシ樹脂が多く使用されるが、エポキシ樹脂は、加熱硬化の過程で体積が大きく収縮する。一方、マトリックス樹脂の熱収縮率に対し、強化繊維の熱収縮率は極めて小さい。これにより、バイアス層やストレート層を形成するプリプレグの加熱硬化の際には、強化繊維の配向方向の熱収縮に対し、該強化繊維に対して垂直な方向の熱収縮が大きく、熱収縮に異方性が生じる。バイアス層とストレート層では、強化繊維の配向方向が異なっているため、熱収縮方向も互いに異なり、それらの層間で熱残留ひずみエネルギーが高い状態となる。熱残留ひずみエネルギーが高いと、バイアス層やストレート層の構造が不安定となるため、曲がりや反り生じやすくなる。特許文献1〜4に記載のゴルフクラブ用シャフトは、バイアス層とストレート層が交互に配置されているため、単にバイアス層とストレート層を有するゴルフクラブ用シャフトに比べて熱残留ひずみエネルギーが大きく、曲がりや反りが生じやすい。
本発明は、ねじり剛性を高めつつ、曲がりや反りが抑制された高品質な繊維強化樹脂製管状体およびゴルフクラブ用シャフト、ならびにそれらの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、繊維強化樹脂製管状体のねじり剛性を高くしつつ、曲がりや反りを小さくする方法について検討した。その結果、第1のバイアス層、ストレート層、第2のバイアス層がこの順に内側から巻かれた構成の繊維強化樹脂製管状体において、それら各々の層の巻き始めの位置を制御することにより、繊維強化樹脂製管状体のねじり剛性を高くしつつ、曲がりや反りを抑制できることを見出した。そして、その知見に基づき、本発明の課題を解決するべく検討して、以下の繊維強化樹脂製管状体、ゴルフクラブ用シャフト、およびそれらの製造方法を発明した。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]繊維強化樹脂製の第1のバイアス層、ストレート層、および第2のバイアス層が、内側から順に、同じ巻き方向で管状に巻かれた繊維強化樹脂製管状体であって、
前記第1のバイアス層は、管状体の軸方向に対して−α°(ただし、30°≦α°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、+α°(ただし、30°≦α°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層とが貼り合わされた層であり、
前記ストレート層は、管状体の軸方向に対して強化繊維が略平行に配向した層であり、
前記第2のバイアス層は、管状体の軸方向に対して−β°(ただし、30°≦β°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、+β°(ただし、30°≦β°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層とが貼り合わされた層であり、
前記第1のバイアス層の巻き始めの位置と前記第2のバイアス層の巻き始めの位置が、3/16〜5/16周ずれており、
かつ、前記第2のバイアス層の巻き始めの位置が、前記ストレート層の巻き始めの位置に対して、巻き方向と逆方向に向かって、3/16〜5/16周ずれていることを特徴とする繊維強化樹脂製管状体。
[2]前記第1のバイアス層が最内層である、[1]に記載の繊維強化樹脂製管状体。
[3]前記第1のバイアス層の2つのアングル層が、管状体の周方向に7/16〜9/16周ずれるように貼り合わされており、
前記第2のバイアス層の2つのアングル層が、管状体の周方向に7/16〜9/16周ずれるように貼り合わされている、[1]または[2]に記載の繊維強化樹脂製管状体。
[4]前記強化繊維が炭素繊維である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂製管状体。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂製管状体からなるゴルフクラブ用シャフト。
[6][1]〜[4]のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂製管状体の製造方法であって、
前記第1のバイアス層を形成するプリプレグ(A)と、前記ストレート層を形成するプリプレグ(B)と、前記第2のバイアス層を形成するプリプレグ(C)とを、順にマンドレルに巻き付ける工程を有し、
前記プリプレグ(A)と前記プリプレグ(C)の巻き始めの位置を3/16〜5/16周ずらし、かつ、前記プリプレグ(C)の巻き始めの位置を、前記プリプレグ(B)の巻き始めの位置に対して、巻き方向と逆方向に向かって3/16〜5/16周ずらす、繊維強化樹脂製管状体の製造方法。
[7][6]に記載の繊維強化樹脂製管状体の製造方法を用いたゴルフクラブ用シャフトの製造方法。
本発明の繊維強化樹脂製管状体およびゴルフクラブ用シャフトは、ねじり剛性を高めつつ、曲がりや反りが抑制されており、高品質である。
また、本発明の製造方法によれば、ねじり剛性を高めつつ、曲がりや反りが抑制された高品質な繊維強化樹脂製管状体およびゴルフクラブ用シャフトが得られる。
本発明の繊維強化樹脂製管状体の一例を示した側面図である。 図1の繊維強化樹脂製管状体を直線A−A’で切断したときの断面図である。 図1の繊維強化樹脂製管状体を直線B−B’で切断したときの断面図である。 図1の繊維強化樹脂製管状体を直線C−C’で切断したときの断面図である。 本発明の繊維強化樹脂製管状体の製造に使用するマンドレルとプリプレグを示した平面図である。 図5のマンドレルを直線D−D’で切断したときの断面図である。 本実施例で使用したマンドレルとプリプレグを示した図である。 本実施例における管状体の曲がり量の測定方法を示した図である。(A)側面図、(B)直線E−E’で切断した断面図、(C)直線F−F’で切断した断面図、(D)細径端から400mmの位置の断面図。
<繊維強化樹脂製管状体>
本発明の繊維強化樹脂製管状体(以下、単に「管状体」という。)は、後述する繊維強化樹脂製の第1のバイアス層、ストレート層、および第2のバイアス層が、内側から順に、同じ巻き方向で管状に巻かれた管状体である。
前記第1のバイアス層とは、条件を満たすバイアス層のうち、最も内側のバイアス層を意味する。また、前記第1のバイアス層、ストレート層、第2のバイアス層は、この順に連続して巻かれるものであり、それらの層の間には他の層を設けない。
以下、本発明の管状体の一実施形態例として、ゴルフクラブ用シャフトに使用する管状体について説明する。
本実施形態の管状体10は、図1〜4に示すように、細径端10aから太径端10bに向かって漸次拡径した管状体であり、第1のバイアス層11、第1のストレート層21、および第2のバイアス層12を有し、これらの層がこの順に内側から管状に巻かれて形成されている。第1のバイアス層11、第1のストレート層21、および第2のバイアス層12は、細径端10aから太径端10bまで、全体に亘って形成されている。
また、この例の管状体10は、図2〜4に示すように、第2のバイアス層12の外側に、細径端10aから太径端10bまで全体に亘って第2のストレート層22が設けられている。また、第2のストレート層22の外側に、細径端10a側の一部を覆う第3のバイアス層13が設けられ、さらにその外側に、細径端10aから太径端10bまで全体に亘って第3のストレート層23が設けられている。また、管状体10の細径端10a側には、図2に示すように、第3のストレート層23の外側に、さらに補強層24および外径調整層25がこの順に設けられている。
第1のバイアス層11、第1のストレート層21、第2のバイアス層12、第2のストレート層22、第3のバイアス層13、第3のストレート層23、補強層24および外径調整層25の巻き方向は、全て同じ方向である。
第1のバイアス層11は、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸したプリプレグを加熱硬化することで形成される繊維強化樹脂製の層であり、管状体10の軸方向に対して−α°(ただし、30°≦α°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、管状体10の軸方向に対して+α°(ただし、30°≦α°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層とが貼り合わされた層である。
前記配向角度α°、α°が30°より小さいと、管状体10の曲げ剛性が高くなるものの、ねじり剛性が小さくなりやすい。また、前記配向角度α°、α°が60°より大きいと、管状体10の潰し剛性が高くなるものの、ねじり剛性が小さくなりやすい。
各アングル層における強化繊維の配向角度α°とα°の絶対値は、同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第1のバイアス層11におけるアングル層の一層あたりの厚さは、0.10mm以下が好ましく、0.06mm以下がより好ましい。前記アングル層の一層あたりの厚さが0.10mm以下であれば、第1のバイアス層11の厚さが管状体10の周方向に沿って均質化されやすく、管状体10のねじり剛性が充分に得られやすい。また、前記アングル層の一層あたりの厚さが0.06mm以下であれば、第1のバイアス層11の厚さが管状体10の周方向に沿ってさらに均質化され、ねじり剛性がさらに向上するうえ、第1のバイアス層11をより少ない材料で作製できるため、管状体10の軽量化が容易になる。
第1のバイアス層11の厚さは、充分なねじり剛性が得られやすい点から、0.10mm以上が好ましい。
第1のバイアス層11における、強化繊維が配向角度−α°で配向したアングル層と、強化繊維が配向角度+α°で配向したアングル層との貼り合わせは、それぞれのアングル層が管状体10の周方向に7/16〜9/16周ずれるように貼り合わされていることが好ましく、1/2周ずれるように貼り合わされていることが特に好ましい。これにより、第1のバイアス層11の厚さの斑がより小さくなり、均質性に優れた管状体10が得られやすくなる。
第1のバイアス層11を構成するマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硬化後の強度がより高くなることから、エポキシ樹脂が好ましい。
第1のバイアス層11を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。これらの中でも、比強度および比弾性に優れることから、炭素繊維が好ましい。
第1のバイアス層11を構成する強化繊維として炭素繊維を用いる場合、炭素繊維の引張弾性率は、280〜500GPaが好ましい。ここで、引張弾性率はJIS R 7608に準拠して測定された値である。炭素繊維の引張弾性率が280GPa以上であれば、ねじり剛性が向上する。炭素繊維の引張弾性率が500GPa以下であれば、管状体10の衝撃強度を高く保ちやすい。
第1のバイアス層11における繊維体積含有率は、ねじり剛性をより高くできることから、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。また、第1のバイアス層11における繊維体積含有率は、マトリックス樹脂と強化繊維とを充分に密着させるためにはある程度の樹脂量が必要であることから、75%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。
第1のストレート層21は、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸したプリプレグを加熱硬化して形成される繊維強化樹脂製の層であり、管状体10の軸方向に対して、強化繊維が略平行に配向した層である。本発明において、強化繊維が略平行に配向するとは、管状体10の軸方向に対する強化繊維の配向角度γが、−5°≦γ≦+5°であることを意味する。強化繊維が管状体10の軸方向に略平行に配向した第1のストレート層21を備えることで、管状体10の曲げ剛性が高くなる。
第1のストレート層21を構成するマトリックス樹脂は、第1のバイアス層11で挙げたものと同じものが挙げられ、エポキシ樹脂が好ましい。
第1のストレート層21を構成する強化繊維は、第1のバイアス層11で挙げたものと同じものが挙げられ、炭素繊維が好ましい。
第1のストレート層21の厚さは、0.06〜0.25mmが好ましく、0.08〜0.15mmがより好ましい。第1のストレート層21の厚さが0.06mm以上であれば、曲げ剛性が向上する。第1のストレート層21の厚さが0.25mm以下であれば、管状体10の軽量化が容易になる。
第2のバイアス層12は、第1のバイアス層11と同じ繊維強化樹脂製の層であり、管状体10の軸方向に対して−β°(ただし、30°≦β°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、管状体10の軸方向に対して+β°(ただし、30°≦β°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層とが貼り合わされた層である。
前記配向角度β°、β°が30°より小さいと、管状体10の曲げ剛性が高くなるものの、ねじり剛性が小さくなりやすい。また、前記配向角度β°、β°が60°より大きいと、管状体10の潰し剛性が高くなるものの、ねじり剛性が小さくなりやすい。
各アングル層における強化繊維の配向角度β°とβ°の絶対値は、同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、第1のバイアス層11の各アングル層における強化繊維の配向角度α°、α°と、第2のバイアス層12の各アングル層における強化繊維の配向角度β°、β°の絶対値は、互いに同じであっても異なっていてもよいが、配向角度α°、α°、β°、β°の絶対値が互いに同じであることが好ましい。
第2のバイアス層12としては、第1のバイアス層11と同じ層が挙げられ、好ましい態様も同じである。
また、第2のバイアス層12の厚さは、充分なねじり剛性が得られやすい点から、0.10mm以上が好ましい。
管状体10は、内側から順に巻かれた第1のバイアス層11、第1のストレート層21、第2のバイアス層12における、それぞれの巻き始めの位置が制御されていることを特徴とする。具体的には、第1のバイアス層11の巻き始めの位置と第2のバイアス層12の巻き始めの位置が3/16〜5/16周ずれており、かつ、第2のバイアス層12の巻き始めの位置が、第1のストレート層21の巻き始めの位置に対して、巻き方向と逆方向に向かって、3/16〜5/16周ずれている。
このように、第1のバイアス層11、第1のストレート層21、第2のバイアス層12のそれぞれの巻き始めの位置を制御することで、管状体10のねじり剛性を高くしつつ、曲がりや反りを抑制できる。
第2のバイアス層12の巻き始めの位置は、第1のバイアス層11の巻き始めの位置に対して、巻き方向に向かってずれていてもよく、巻き方向と逆方向に向かってずれていてもよい。
以下、図2に基づいて形態の一例を示して説明する。
(1)第1のバイアス層11が、管状体10の周方向における地点aを巻き始めの位置として地点c側に向かう方向に巻かれており、第1のストレート層21が、地点bを巻き始め位置として地点d側に向かう方向に巻かれており、第2のバイアス層12が、地点cを巻き始め位置として地点b側に向かう方向に巻かれている形態。この形態では、第2のバイアス層12の巻き始めの位置(地点c)は、第1のバイアス層11の巻き始めの位置(地点a)に対して、巻き方向に1/4周ずれている。また、第2のバイアス層12の巻き始めの位置(地点c)は、第1のストレート層21の巻き始めの位置(地点b)に対して、巻き方向と逆方向に1/4周ずれている。
(2)第1のバイアス層11が、管状体10の周方向における地点aを巻き始めの位置として地点c側に向かう方向に巻かれており、第1のストレート層21が、地点aを巻き始め位置として地点c側に向かう方向に巻かれており、第2のバイアス層12が、地点dを巻き始め位置として地点a側に向かう方向に巻かれている形態。この形態では、第2のバイアス層12の巻き始めの位置(地点d)は、第1のバイアス層11の巻き始めの位置(地点a)に対して、巻き方向と逆方向に1/4周ずれている。また、第2のバイアス層12の巻き始めの位置(地点d)は、第1のストレート層21の巻き始めの位置(地点a)に対して、巻き方向と逆方向に1/4周ずれている。
第1のバイアス層11の巻き始めの位置と第2のバイアス層12の巻き始めの位置とのずれは、3/16〜5/16周が好ましく、7/32〜9/32周がより好ましく、1/4周が特に好ましい。
第1のストレート層11の巻き始めの位置と第2のバイアス層12の巻き始めの位置とのずれは、3/16〜5/16周が好ましく、7/32〜9/32周がより好ましく、1/4周が特に好ましい。
管状体10は、第2のバイアス層12の外側に、第2のストレート層22が、管状体10の長手方向の全体に亘って設けられている。第2のストレート層22は、第1のストレート層21と同じ繊維強化樹脂製の層であり、管状体10の軸方向に対して、強化繊維が略平行に配向した層である
第2のストレート層22としては、第1のストレート層21と同じ層が挙げられ、好ましい態様も同じである。
第2のストレート層22の巻き始めの位置に特に制限は無いが、厚さの斑が小さく、均質性がより高い管状体10が得られる点から、第2のバイアス層12の巻き始めの位置に対して、巻き方向または巻き方向の逆方向に向かって、3/16〜5/16周ずれていることが好ましく、7/32〜9/32周ずれていることがより好ましく、1/4周ずれていることが特に好ましい。
この例の管状体10は、図2に示すように、細径端10a側の第2のストレート層22の外側に、第3のバイアス層13が設けられている。第3のバイアス層13を設ける領域としては、管状体10の細径端10aから、管状体10の全長の5〜50%の長さまでの領域が好ましい。以下、管状体10の細径端10aから、管状体10の全長の5〜50%の長さに亘って設けられたバイアス層を、短尺バイアス層という。
第3のバイアス層13が、管状体10の細径端10aから、管状体10の全長の5%以上の長さに亘って設けられることにより、管状体10の細径端10a側のねじり剛性が向上する。また、第3のバイアス層13が、管状体10の細径端10aから、管状体10の全長の50%以下の長さに亘って形成されていることにより、管状体10の重量増加を抑制しやすい。
第3のバイアス層13は、この例の管状体10のように、テーパー付き管状体における細径端部のねじり剛性を向上させるのに特に有効である。
短尺バイアス層である第3のバイアス層13は、ねじり剛性をより向上させることができる点から、管状体10の軸方向に対して−δ°(ただし、30°≦δ°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、管状体10の軸方向に対して+δ°(ただし、30°≦δ°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層が貼り合わされた層であることが好ましい。また、各アングル層における強化繊維の配向角度δ°とδ°の絶対値は、同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第3のバイアス層13としては、寸法以外は第1のバイアス層11と同じ層が挙げられ、好ましい態様も同じである。
第3のバイアス層13におけるアングル層の一層あたりの厚さは、第1のバイアス層11と同じ理由から、0.10mm以下が好ましく、0.06mm以下がより好ましい。
また、第3のバイアス層13の厚さは、充分なねじり剛性が得られやすい点から、0.10mm以上が好ましい。
第3のバイアス層13の巻き始めの位置に特に制限は無いが、厚さの斑が小さく、均質性がより高い管状体10が得られる点から、第2のストレート層23の巻き始めの位置に対して、巻き方向または巻き方向の逆方向に向かって、3/16〜5/16周ずれていることが好ましく、7/32〜9/32周ずれていることがより好ましく、1/4周ずれていることが特に好ましい。
また、管状体10は、第3のバイアス層13のさらに外側に、管状体10の細径端10aから太径端10bまで全体に亘って第3のストレート層23が設けられている。第3のストレート層23は、第1のストレート層21と同じ繊維強化樹脂製の層であり、管状体10の軸方向に対して、強化繊維が略平行に配向した層である
第3のストレート層23としては、第1のストレート層21と同じ層が挙げられ、好ましい態様も同じである。
第3のストレート層23の巻き始めの位置に特に制限は無いが、厚さの斑が小さく、均質性がより高い管状体10が得られる点から、第3のバイアス層13の巻き始めの位置に対して、巻き方向または巻き方向の逆方向に向かって、3/16〜5/16周ずれていることが好ましく、7/32〜9/32周ずれていることがより好ましく、1/4周ずれていることが特に好ましい。
また、管状体10は、細径端10a側の第3のストレート層23の外側に、補強層24と外径調整層25がこの順に設けられている。
補強層24は、管状体10の細径端10a側の特に補強したい部分に設けられる。補強層24は、目的の機能を果たすような寸法にされていること以外は第1のストレート層21と同じもので構成される。
外径調整層25は、仕上げ研磨後に所定の外径を確保できるようにするため層である。外径調整層25は、目的の機能を果たすような寸法にされていること以外は第1のストレート層21と同じもので構成される。
以上説明した管状体10は、第1のバイアス層11、第1のストレート層および第2のバイアス層12を有しているため、充分なねじり剛性が得られる。また、第1のバイアス層11、第1のストレート層21および第2のバイアス層12の巻き始めの位置が制御されていることで、ねじり剛性を高めつつ、管状体10に曲げや反りが生じることを抑制できる。
また、管状体10では、短尺バイアス層である第3のバイアス層13によって、細径端10a側のねじり剛性のさらなる向上と、管状体10の軽量化を両立できる。また、管状体10は、ストレート層を3層以上備えているため、ねじり剛性および曲げ剛性がさらに向上する。加えて、管状体10は、バイアス層とストレート層が交互に配置されているため、ねじり剛性と曲げ剛性のバランスが優れている。また、管状体10は、第1のバイアス層11を最内層とし、2層以上のバイアス層を備えていることで、曲げ剛性が特に高くなる。
なお、本発明の管状体は、第1のバイアス層、第1のストレート層、および第2のバイアス層が、内側から順に管状に巻かれたものであれば、前述した管状体10には限定されない。例えば、第2のストレート層22、第3のバイアス層13、第3のストレート層23、補強層24、外径調整層25のいずれか1つ以上が設けられていなくてもよい。また、ストレート層は4層以上であってもよい。また、第1のバイアス層の内側に、細径端部を補強する補強層などを設けてもよい。
また、管状体10は、細径端10aから太径端10bに向かって漸次拡径した管状体であったが、一方の端から他方の端まで外径が変化しない管状体であってもよい。
また、管状体10では、第1のバイアス層11、第1のストレート層21、第2のバイアス層12は、管状体10の軸方向の全体に亘って配置されているが、必ずしも全体に亘っていなくてもよい。ただし、管状体の全体に亘って、ねじり剛性を高めつつ、曲げおよび反りを抑制する効果が充分に得られやすい点から、第1のバイアス層11、第1のストレート層21、第2のバイアス層12は、管状体10の軸方向の全体に亘って配置されていることが好ましい。
本発明の管状体は、ゴルフクラブ用シャフトとして好適に使用できる。ただし、本発明の管状体の用途は、ゴルフクラブ用シャフトには限定されず、釣竿やバドミントンラケットのフレームなどとして使用してもよい。
<ゴルフクラブ用シャフト>
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、本発明の管状体からなるシャフトである。例えば、前述の管状体10は、細径端10a側にゴルフクラブヘッド、太径端10b側にグリップを設けて、ゴルフクラブ用シャフトとして使用できる。
<管状体およびゴルフクラブ用シャフトの製造方法>
以下、本発明の管状体およびゴルフクラブ用シャフトの製造方法の一例として、ゴルフクラブ用シャフトとして使用する前記管状体10の製造方法について説明する。
管状体10の製造方法としては、例えば、下記工程(i)および工程(ii)を有する方法が挙げられる。
(i)図5に例示したマンドレル30に、第1のバイアス層11を形成するプリプレグ(A)11a、第1のストレート層21を形成するプリプレグ(B)21a、第2のバイアス層12を形成するプリプレグ(C)12a、第2のストレート層22を形成するプリプレグ22a、第3のバイアス層13を形成するプリプレグ13a、第3のストレート層23を形成するプリプレグ23a、補強層24を形成するプリプレグ24a、および外径調整層25を形成するプリプレグ25aを、順に巻き付けて未硬化の成形品を得る工程。
(ii)前記未硬化の成形品を加熱し、樹脂成分を硬化させて管状体10を得る工程。
マンドレル30の形状は、細径端30aから太径端30bに向かって、直径が漸次拡径する部分31と、直径が一定の部分32を有する棒状である。マンドレルの形状は、製造する管状体の形状に合わせて適宜選択すればよい。
各バイアス層を形成するプリプレグと、各ストレート層を形成するプリプレグは、強化繊維を一方向に引き揃えた一方向プリプレグを、所定の方向に強化繊維が配向するように、所定の形状に裁断し、必要に応じて貼り合わせることにより得られる。管状体10のようなテーパー付き管状体を製造する場合、各バイアス層を形成するプリプレグと、各ストレート層を形成するプリプレグは、拡径する部分があっても管状体10の断面が円形になるように、細径端10a側の幅が狭くなっている。
第1のバイアス層11を形成するプリプレグ(A)11aは、強化繊維が配向角度−α°で配向したプリプレグと、強化繊維が配向角度+α°で配向したプリプレグが貼り合わされている。これら2つのプリプレグは、マンドレル30に巻き付ける際に、7/16〜9/16周ずれるように貼り合わすことが好ましく、1/2周ずれるように貼り合わすことが特に好ましい。これにより、形成される第1のバイアス層11の厚さの斑が小さくなり、管状体10の均質性が向上する。
第2のバイアス層12を形成するプリプレグ(C)12aも同様に、−β°と+β°の配向角度で強化繊維がそれぞれ配向した2つのプリプレグを、マンドレル30に巻き付ける際に、7/16〜9/16周ずれるように貼り合わすことが好ましく、1/2周ずれるように貼り合わすことが特に好ましい。
また、プリプレグ(A)11a、プリプレグ(C)12aを構成するアングル層の一層あたりの厚さは、0.10mm以下が好ましく、0.06mm以下がより好ましい。
第3のバイアス層13を形成するプリプレグ13aは、短尺バイアス層を形成するためのプリプレグ、すなわち、管状体10の細径端10aから管状体全長の5〜50%の長さに亘ってバイアス層を形成するプリプレグである。プリプレグ13aもプリプレグ(A)11aと同様に、−δ°と+δ°の配向角度で強化繊維がそれぞれ配向した2つのプリプレグを、マンドレル30に巻き付ける際に、7/16〜9/16周ずれるように貼り合わすことが好ましく、1/2周ずれるように貼り合わすことが特に好ましい。
工程(i):
まず、マンドレル30に、図5に例示した第1のバイアス層11を形成するプリプレグ(A)11aと、第1のストレート層21を形成するプリプレグ(B)21aと、第2のバイアス層12を形成するプリプレグ(C)12aを順に巻き付ける。このとき、プリプレグ(A)11aとプリプレグ(C)12aの巻き始めの位置を3/16〜5/16周ずらし、かつ、プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置を、プリプレグ(B)21aの巻き始めの位置に対して、巻き方向と逆方向に向かって3/16〜5/16周ずらすようにする。
プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置は、プリプレグ(A)11aの巻き始めの位置に対して、巻き方向に向かってずらしてもよく、巻き方向と逆方向に向かってずらしてもよい。
一例を、図6に基づいて説明する。
第1のバイアス層11を形成するプリプレグ(A)11aを、地点aを巻き始めの位置として、地点cに向かう方向に巻き付ける。次に、第1のストレート層21を形成するプリプレグ(B)21aを、地点bを巻き始め位置として、地点dに向かう方向に巻き付ける。そして、第2のバイアス層12を形成するプリプレグ(C)12aを、地点cを巻き始め位置として、地点bに向かう方向に巻き付ける。これにより、プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置(地点c)は、プリプレグ(A)11aの巻き始めの位置(地点a)に対して、巻き方向に向かって1/4周ずれる。また、プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置(地点c)は、プリプレグ(B)21aの巻き始めの位置(地点b)に対して、巻き方向と逆方向に向かって1/4周ずれる。
また、プリプレグ(A)11aを、地点aを巻き始めの位置として地点cに向かう方向に巻き付け、プリプレグ(B)21aを、地点aを巻き始め位置として地点cに向かう方向に巻き付け、プリプレグ(C)12aを、地点dを巻き始め位置として地点aに向かう方向に巻き付けてもよい。これにより、プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置(地点d)は、プリプレグ(A)11aの巻き始めの位置(地点a)に対して、巻き方向と逆方向に向かって1/4周ずれる。また、プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置(地点d)は、プリプレグ(B)21aの巻き始めの位置(地点a)に対して、巻き方向と逆方向に向かって1/4周ずれる。
プリプレグ(A)11aの巻き始めの位置とプリプレグ(C)12aの巻き始めの位置とのずれは、3/16〜5/16周が好ましく、7/32〜9/32周がより好ましく、1/4周が特に好ましい。
プリプレグ(B)21aの巻き始めの位置とプリプレグ(C)12aの巻き始めの位置とのずれは、3/16〜5/16周が好ましく、7/32〜9/32周がより好ましく、1/4周が特に好ましい。
マンドレル30の軸方向に対して、プリプレグ(A)11aの各アングル層の強化繊維の配向角度を−α°と+α°とすることで、管状体10の軸方向に対する第1のバイアス層11の各アングル層の強化繊維の配向角度がそれぞれ−α°と+α°となる。
また、マンドレル30の軸方向に対してプリプレグ(B)21aの強化繊維を略平行とすることで、第1のストレート層21の強化繊維が管状体10の軸方向に対して略平行に配向する。
また、プリプレグ(A)11aの巻き付けと同様に、マンドレル30の軸方向に対するプリプレグ(C)12aの強化繊維の配向角度を調整することで、第2のバイアス層12の各アングル層の強化繊維の配向角度をそれぞれ−β°と+β°とすることができる。
さらに、プリプレグ(C)12aの上に、第2のストレート層22を形成するプリプレグ22aと、第3のバイアス層13を形成するプリプレグ13aと、第3のストレート層23を形成するプリプレグ23aを、プリプレグ(A)11a、プリプレグ(B)21a、プリプレグ(C)12aと同じ巻き方向で巻き付ける。
プリプレグ22aの巻き始めの位置は、特に限定されず、得られる管状体10の厚さの斑が小さくなり、より均質性の高い管状体10を得やすい点から、プリプレグ(C)12aの巻き始めの位置に対して、3/16〜5/16周ずらすことが好ましく、7/32〜9/32周ずらすことがより好ましく、1/4周ずらすことが特に好ましい。
プリプレグ13aおよびプリプレグ23aの巻き始めの位置も、プリプレグ22aと同様に、均質性の高い管状体10を得やすい点から、それぞれ3/16〜5/16周ずらすことが好ましく、7/32〜9/32周ずらすことがより好ましく、1/4周ずらすことが特に好ましい。
第2のストレート層22、第3のバイアス層13、第3のストレート層における強化繊維の配向角度については、第1のバイアス層11、第1のストレート層21の場合と同様に調整できる。
工程(i)では、前述したようにバイアス層を形成するプリプレグ(A)11a、プリプレグ(C)12aおよびプリプレグ13aと、ストレート層を形成するプリプレグ(C)21a、プリプレグ22a、プリプレグ23aを、それぞれ交互に配置する。これにより、得られる管状体10のねじり剛性と曲げ剛性のバランスが良好になる。
次いで、細径端10a側のプリプレグ23aの外側に、補強層24を形成するプリプレグ24aを巻き付け、さらに外径調整層25を形成するプリプレグ25aを巻き付けて、未硬化の成形品を得る。
プリプレグ24aおよびプリプレグ25aの巻き始めの位置は特に限定されない。補強層24、外径調整層25における強化繊維の配向角度については、第1のストレート層21の場合と同様に調整できる。
工程(ii):
未硬化の成形品を、加熱炉などを用いて加熱し、樹脂成分を硬化させて、管状体10を得る。
以上説明した製造方法にあっては、プリプレグ(A)11a、プリプレグ(B)21aおよびプリプレグ(C)12aをマンドレル30に巻き付ける際、適正な位置から巻き付けることにより、マトリックス樹脂の硬化収縮による反りや曲がりへの影響を小さくでき、反りや曲がりが抑制された、ねじり剛性の高い管状体10が得られる。さらに、バイアス層を形成するプリプレグとストレート層を形成するプリプレグを交互に配置するため、ねじり剛性と曲げ剛性のバランスが向上する。
なお、本発明の管状体およびゴルフクラブ用シャフトの製造方法は、前述した方法には限定されない。例えば、必要に応じて、樹脂成分の硬化後に仕上げ研磨加工を施してもよい。前記方法では、第3のバイアス層13の外側に第3のストレート層23が形成されるから、研磨加工を施しても、第3のバイアス層13が除去されない。
また、第2のストレート層22、第3のバイアス層13、第3のストレート層23、補強層24および外径調整層25をそれぞれ形成するプリプレグのうち、1つ以上を巻き付けない方法であってもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
本実施例では、より本発明の効果を分かり易くするため、反りや曲がりへの影響が小さい第2のストレート層以降の層を有さない管状体10Aについて、曲がり量を評価した。
使用したプリプレグを表1に示す。
Figure 0005703694
[実施例1]
細径端部の外径が4.60mmであり、細径端部から800mmの位置までの外径がテーパー度9.00/1000で漸増して、細径端部から800mmの位置の外径が11.80mmとなり、さらに細径端部から800mmの位置〜細径端部から1250mmの位置までの外径がテーパー度4.67/1000で漸増して、細径端部から1250mmの位置の外径が13.90mmとなり、細径端部から1250mmの位置〜細径端端部から1500mmの位置は13.90mmの一定の外径を有するマンドレル30を用いた。
工程(i):
第1のバイアス層11を形成する、2枚のプリプレグIを貼り合せて形成した台形状のプリプレグ(A)11a(配向角度+45°の強化繊維を有するプリプレグと、配向角度−45°の強化繊維を有するプリプレグとを貼り合わせて得た1枚のプリプレグ、図7)を、マンドレル30の細径端部から100mmの位置〜細径端部から1290mmの位置の範囲に、図6の地点aを巻き始めの位置として地点cに向かう方向に巻き付けた。
次いで、第1のストレート層21を形成する、プリプレグIIからなる台形状のプリプレグ(B)21a(配向角度0°の強化繊維を有するプリプレグ、図7)を、図6の地点bを巻き始めの位置として地点dに向かう方向に巻き付けた。
次いで、第2のバイアス層12を形成する、2枚のプリプレグIからなる台形状のプリプレグ(C)12a(配向角度+45°の強化繊維を有するプリプレグと、配向角度−45°の強化繊維を有するプリプレグとを貼り合わせて得た1枚のプリプレグ、図7)を、図6の地点cを巻き始めの位置として地点bに向かう方向に巻き付けて未硬化の成形品を得た。
なお、図7における寸法の単位はmmである。
工程(ii):
次いで、幅20mm、厚さ0.03mmのポリプロピレン製のテープを1.5mm間隔で巻き付けて未硬化の成形品を固定した後、加熱炉を用い、145℃で2時間加熱し、樹脂成分を硬化させた。その後、ポリプロピレン製のテープを外し、両端を11mmずつカットし、全長1168mmの管状体10Aを得た。
[実施例2]
プリプレグ(B)21aとプリプレグ(C)12aの巻き始めの位置を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして管状体10Aを得た。
[比較例1〜6]
プリプレグ(B)21aとプリプレグ(C)12aの巻き始めの位置を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして管状体10Aを得た。
各例で得られた管状体10Aについて、曲がり量を以下のように評価した。なお、曲がり量は、各例とも4本の管状体10Aについて測定し、その曲がり量の平均値で評価した。
[曲がり量の測定]
図8(A)〜(C)に示すように、2組のカムフォロワー40、40(樹脂モールドベアリング)により、管状体10Aの細径端10aから20mmの位置と、太径端10bから20mmの位置を支持するように、管状体10Aを載せた。また、管状体10Aの細径端10aから400mmの位置にレーザー変位計を設置した。そして、カムフォロワー40、40によって、管状体10Aをゆっくりと回転させ、図8(D)に示すように、レーザー変位計の数値の最大値(dmax)からレーザー変位計の数値の最小値(dmin)を差し引いた値(D)を管状体10Aの曲がり量(単位:mm)として測定した。
なお、本実施例の管状体10Aはテーパー付き管状体であり、細径端10aから400mmの位置で曲がり量が最も大きかった。また、図8における寸法の単位はmmである。
曲がり量の測定結果を表2に示す。
Figure 0005703694
各プリプレグを適切な巻き始め位置で巻き付けた実施例1、2では、第1のバイアス層、ストレート層、第2のバイアス層を形成して、ねじり剛性の高い管状体を得る際、管状体の曲がり量が小さく、高品質な管状体が得られた。
一方、プリプレグの巻き始めの位置が不適切な比較例1〜6では、管状体の曲がり量が大きく、実施例に比べて品質が劣っていた。
10、10A 繊維強化樹脂製管状体
11 第1のバイアス層
12 第2のバイアス層
21 第1のストレート層
11a プリプレグ(A)
12a プリプレグ(C)
21a プリプレグ(B)
30 マンドレル

Claims (7)

  1. 繊維強化樹脂製の第1のバイアス層、ストレート層、および第2のバイアス層が、内側から順に、同じ巻き方向で管状に巻かれた繊維強化樹脂製管状体であって、
    前記第1のバイアス層は、管状体の軸方向に対して−α°(ただし、30°≦α°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、+α°(ただし、30°≦α°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層とが貼り合わされた層であり、
    前記ストレート層は、管状体の軸方向に対して強化繊維が略平行に配向した層であり、
    前記第2のバイアス層は、管状体の軸方向に対して−β°(ただし、30°≦β°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層と、+β°(ただし、30°≦β°≦60°)の配向角度で強化繊維が配向したアングル層とが貼り合わされた層であり、
    前記第1のバイアス層の巻き始めの位置と前記第2のバイアス層の巻き始めの位置が、3/16〜5/16周ずれており、
    かつ、前記第2のバイアス層の巻き始めの位置が、前記ストレート層の巻き始めの位置に対して、巻き方向と逆方向に向かって、3/16〜5/16周ずれていることを特徴とする繊維強化樹脂製管状体。
  2. 前記第1のバイアス層が最内層である、請求項1に記載の繊維強化樹脂製管状体。
  3. 前記第1のバイアス層の2つのアングル層が、管状体の周方向に7/16〜9/16周ずれるように貼り合わされており、
    前記第2のバイアス層の2つのアングル層が、管状体の周方向に7/16〜9/16周ずれるように貼り合わされている、請求項1または2に記載の繊維強化樹脂製管状体。
  4. 前記強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂製管状体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂製管状体からなるゴルフクラブ用シャフト。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂製管状体の製造方法であって、
    前記第1のバイアス層を形成するプリプレグ(A)と、前記ストレート層を形成するプリプレグ(B)と、前記第2のバイアス層を形成するプリプレグ(C)とを、順にマンドレルに巻き付ける工程を有し、
    前記プリプレグ(A)と前記プリプレグ(C)の巻き始めの位置を3/16〜5/16周ずらし、かつ、前記プリプレグ(C)の巻き始めの位置を、前記プリプレグ(B)の巻き始めの位置に対して、巻き方向と逆方向に向かって3/16〜5/16周ずらす、繊維強化樹脂製管状体の製造方法。
  7. 請求項6に記載の繊維強化樹脂製管状体の製造方法を用いたゴルフクラブ用シャフトの製造方法。
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