JP2016146413A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上述の本発明の一態様によれば、ダイシングにより形成した複数の半導体チップをピックアップして、間隔を拡げて支持部材上に再配列する工程を経ることなく、複数の半導体チップ同士の間隔を安定して大きく拡げることができる。それゆえ、上述の本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、WLPの製造プロセスへの適合性に優れ、特にファンアウト型のウエハレベルパッケージの製造プロセスへの適合性に優れる。具体的には、本発明の一態様によれば、FO−WLPにおけるチップ間隔の均等性および正確性を向上させることができる。
この態様によれば、第一の粘着シートを引き延ばして、複数の半導体チップ間の間隔を拡げる。ダイシングにより生じた複数の半導体チップ間の間隔に比べて、複数の半導体チップ間の間隔が拡がるので、複数の半導体チップを第二の粘着シートへ転写した後に、未貼着領域にエネルギー線が確実に照射される。このため、エネルギー線の照射によって、硬化領域を形成しやすくなる。
この態様によれば、エネルギー線を、第二の粘着シートに貼着されている複数の半導体チップの上から照射する。複数の半導体チップがマスクとして機能するので、粘着剤層の複数の半導体チップが貼着されていない領域の硬化を簡便に行うことができる。また、エネルギー線を照射するときに別途マスクを設置する必要がないので、半導体装置の製造工程を簡略化できる。
この態様によれば、マスクの透過部は、複数の半導体チップが貼着されていない領域に対応する部位にエネルギー線を透過させる。また、マスクの遮断部は、半導体チップが貼着されている部位へのエネルギー線の照射を遮断させる。このマスクを、第二の粘着シートの複数の半導体チップが貼着されている面とは反対側の面に沿って配置し、エネルギー線を、マスクの上から照射する。半導体チップが貼着されている領域に対応する部位は、遮断部によってエネルギー線から遮断され、粘着剤層の複数の半導体チップが貼着されていない領域を硬化させることができる。
この態様では、例えば、マスクの遮断部の大きさが、半導体チップが貼着されている領域よりも大きければ、透過部の領域は、複数の半導体チップが貼着されていない領域よりも狭くなる。したがって、このマスクを使用することで、複数の半導体チップが貼着されていない領域よりもエネルギー線が照射される領域を狭めることができる。このように、マスクの透過部と遮断部の大きさや形状を変更することによって、エネルギー線の照射で硬化させる領域の大きさや形状を制御できる。
この態様によれば、第二の粘着シートを構成する基材フィルムのMD方向に沿って形成されたストリートにエネルギー線を照射した後、基材フィルムのCD方向に沿って引き延ばし、続いて、基材フィルムのCD方向に沿って形成されたストリートにエネルギー線を照射した後、基材フィルムのMD方向に沿って引き延ばす。このように、エキスパンド工程を基材フィルムのMD方向の延び特性、およびCD方向の延び特性に応じてそれぞれの方向における引張り力を調整しながらエキスパンド工程を実施できるため、複数の半導体チップ同士の間隔がより一層均一に拡張される。
本明細書において、「MD方向」とは、基材フィルムを与える原反の長手方向(原反の製造時の送り方向)に平行な方向を示す語として用いており、「CD方向」とは、MD方向と直交する方向を示す語として用いており、以下についても同様である。本明細書において、MDは、Machine Directionの略称であり、CDは、Cross Directionの略称である。
この態様によれば、半導体チップの取り扱い性を低下させることなく複数の半導体チップ間の間隔を大きく拡げたうえで、封止部材で複数の半導体チップを覆うことができる。しかも、この態様によれば、個片化された半導体チップを、1個ずつ第一の粘着シートから別の粘着シートや支持体にピック・アンド・プレイスによって再配列することなく、封止部材で覆うことができる。それゆえ、この態様によれば、WLPの製造プロセスの工程を簡略化することができる。
以下、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
半導体ウエハWは、回路面W1を有し、回路面W1には、回路W2が形成されている。第一の粘着シート10は、半導体ウエハWの回路面W1とは反対側の裏面W3に貼着されている。
半導体ウエハWは、例えば、シリコンウエハであってもよいし、ガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。半導体ウエハWの回路面W1に回路W2を形成する方法としては、汎用されている方法が挙げられ、例えば、エッチング法、およびリフトオフ法などが挙げられる。
半導体ウエハWは、予め所定の厚みに研削して、裏面W3を露出させて第一の粘着シート10に貼着されている。半導体ウエハWを研削する方法としては、特に限定されず、例えば、グラインダーなどを用いた公知の方法が挙げられる。半導体ウエハWを研削する際には、回路W2を保護するために、表面保護シートを回路面W1に貼着させる。ウエハの裏面研削は、半導体ウエハWの回路面W1側、すなわち表面保護シート側をチャックテーブル等により固定し、回路W2が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。研削後の半導体ウエハWの厚みは、特に限定はされず、通常は、20μm以上500μm以下である。
第一の粘着シート10は、半導体ウエハWおよび第一のリングフレームに貼着されていてもよい。この場合、第一の粘着シート10の第一の粘着剤層12の上に、第一のリングフレームおよび半導体ウエハWを載置し、これらを軽く押圧し、固定する。
図1(B)には、第一の粘着シート10に保持された複数の半導体チップCPが示されている。
第一の粘着シート10に保持された半導体ウエハWは、ダイシングにより個片化され、複数の半導体チップCPが形成される。ダイシングには、ダイシングソーなどの切断手段が用いられる。ダイシングの際の切断深さは、半導体ウエハWの厚さと、第一の粘着剤層12の厚さとの合計、並びにダイシングソーの磨耗分を加味した深さに設定する。
また、ダイシングによって個片化された複数の半導体チップCP間には、ダイシングソーなどの切断手段の厚みに応じた間隔が形成される。本実施形態では、ダイシングによって生じた半導体チップCP間の距離をDとする。
図2(A)には、ダイシングにより個片化した複数の半導体チップCPを第二の粘着シート20に転写する工程(転写工程と称する場合がある。)を説明する図が示されている。
ダイシングにより複数の半導体チップCPを形成した後、半導体チップCPの回路面W1に第二の粘着シート20を貼着する。
第二の基材フィルム21の材質は、特に限定されない。第二の基材フィルム21の材質としては、例えば、第一の基材フィルム11について例示した材質と同様の材質が挙げられる。
本実施形態に係るエネルギー線硬化型粘着剤は、特に限定されない。形成する粘着剤層の硬化領域に付与すべき性能に応じて、エネルギー線硬化型粘着剤を適宜選択すればよい。
本明細書において、エネルギー線は、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有する。エネルギー線としては、例えば、紫外線および電子線などが挙げられる。エネルギー線の中でも、取扱いが容易な紫外線がより好ましい。
第二の粘着シート20を貼着した後、第一の粘着シート10を剥離すると、複数の半導体チップCPの裏面W3が露出する。第一の粘着シート10を剥離した後も、ダイシングにより生じた、複数の半導体チップCP間の距離Dは維持されており、第二の粘着剤層22には、複数の半導体チップCPが貼着されていない領域221が形成されている。
図3(A)には、第二の粘着シート20にエネルギー線Eを照射する工程(エネルギー線照射工程と称する場合がある。)を説明する図が示されている。
エネルギー線照射工程では、第二の粘着シート20にエネルギー線Eを照射し、図2(B)に示す、第二の粘着剤層22の複数の半導体チップCPが貼着されていない領域221を硬化させる。本明細書において、この領域を未貼着領域と称する場合がある。
エネルギー線Eの照射は、第二の粘着シート20に貼着されている複数の半導体チップCPの上から照射することが好ましい。エネルギー線Eを照射したときに、複数の半導体チップCPがエネルギー線Eを遮るので、第二の粘着剤層22の半導体チップCPが貼着されている領域にはエネルギー線Eが到達しない。このため、第二の粘着剤層22の未貼着領域221がエネルギー線Eの照射によって選択的に硬化され、硬化領域222が形成される。
紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができ、紫外線の照射量は、照度50mW/cm2〜1000mW/cm2、光量50mJ/cm2〜1000mJ/cm2程度が好ましい。一方、電子線の照射は、電子線加速器等によって行うことができ、電子線の照射量は、10krad〜1000krad程度が好ましい。
図3(B)には、複数の半導体チップCPを保持する第二の粘着シート20を引き延ばす工程(エキスパンド工程と称する場合がある。)を説明する図が示されている。
エキスパンド工程では、第二の粘着シート20を引き延ばして、第二の粘着剤層22の硬化領域222を破断させる。さらに、引き延ばして、複数の半導体チップCP間の間隔を拡げる。硬化領域222を破断させた後は、破断により分離した破断領域223,223間の間隔224が拡がる。エキスパンド工程において第二の粘着シート20を引き延ばす方法は、特に限定されない。第二の粘着シート20を引き延ばす方法としては、例えば、環状または円状のエキスパンダを押し当てて第二の粘着シート20を引き延ばす方法や、把持部材などを用いて第二の粘着シート20の外周部を掴んで引き延ばす方法などが挙げられる。
図4には、封止部材30を用いて複数の半導体チップCPを封止する工程(封止工程と称する場合がある。)を説明する図が示されている。
封止工程は、エキスパンド工程の後に実施される。回路面W1を残して複数の半導体チップCPを封止部材30によって覆うことにより封止体3が形成される。複数の半導体チップCPの間にも封止部材30が充填されている。本実施形態では、第二の粘着シート20により回路面W1および回路W2が覆われているので、封止部材30で回路面W1が覆われることを防止できる。
封止部材30で複数の半導体チップCPを覆う方法は、特に限定されない。例えば、金型内に、第二の粘着シート20で回路面W1を覆ったまま複数の半導体チップCPを収容し、金型内に流動性の樹脂材料を注入し、樹脂材料を硬化させる方法を採用してもよい。
また、シート状の封止樹脂を複数の半導体チップCPの裏面W3を覆うように載置し、封止樹脂を加熱することで、複数の半導体チップCPを封止樹脂に埋め込ませる方法を採用してもよい。封止部材30の材質としては、例えば、エポキシ樹脂などが挙げられる。封止部材30として用いられるエポキシ樹脂には、例えば、フェノール樹脂、エラストマー、無機充填材、および硬化促進剤などが含まれていてもよい。
なお、破断領域223,223間の間隔224にも、封止部材30が充填されるが、間隔224に充填された封止部材は、第二の粘着シート20の剥離時には除去できない。間隔224に充填された封止部材は、例えば、次工程の半導体パッケージの製造工程において、封止体3を半導体チップCP単位で個片化する際のダイシングソーなどの切断手段を用いたダイシングによって除去される。
また、エキスパンド工程で第二の粘着シート20を引き延ばすと、破断した部位が最も拡張されやすいので、破断領域223,223も拡張されて薄くなる場合がある。この場合、間隔224における第二の基材フィルム21と破断領域223,223とによる段差もほぼ無くなると考えられる。そのため、封止工程で間隔224に充填された封止部材の厚さも薄くなる。間隔224に充填された封止部材の厚さが薄ければ、間隔224に充填された封止部材を除去する必要がない場合もある。
図5および図6には、複数の半導体チップCPを用いて半導体パッケージを製造する工程を説明する図が示されている。本実施形態は、このような半導体パッケージの製造工程を含んでいることが好ましい。
図5(A)には、第二の粘着シート20を剥離した後の封止体3の断面図が示されている。本実施形態では、第二の粘着シート20が剥離された後の封止体3に再配線層を形成する再配線層形成工程をさらに含むことが好ましい。再配線層形成工程においては、露出した複数の半導体チップCPの回路W2と接続する再配線を、回路面W1の上および封止体3の面3Aの上に形成する。再配線の形成に当たっては、まず、絶縁層を封止体3に形成する。
図6(B)には、封止体3の外部電極パッド5Aに外部端子電極6を接続させる工程を説明する断面図が示されている。第二の絶縁層42から露出する外部電極パッド5Aに、はんだボール等の外部端子電極6を載置し、はんだ接合などにより、外部端子電極6と外部電極パッド5Aとを電気的に接続させる。はんだボールの材質は、特に限定されず、例えば、含鉛はんだや無鉛はんだ等が挙げられる。
図6(C)には、外部端子電極6が接続された封止体3を個片化させる工程(第二のダイシング工程と称する場合がある。)を説明する断面図が示されている。この第二のダイシング工程では、封止体3を半導体チップCP単位で個片化する。封止体3を個片化させる方法は、特に限定されない。例えば、前述の半導体ウエハWをダイシングした方法と同様の方法を採用して、封止体3を個片化することができる。封止体3を個片化させる工程は、封止体3をダイシングシート等の粘着シートに貼着させて実施してもよい。
本実施形態では、個片化された半導体パッケージ1を、プリント配線基板等に実装する工程を含むことも好ましい。
第二実施形態は、第一実施形態におけるダイシング工程を実施後、転写工程を実施するまでの間にさらに別の工程を備える点で、第一実施形態と相違する。第二実施形態は、その他の点において第一実施形態と同様であるため、説明を省略または簡略化する。
図7には、複数の半導体チップCPを保持する第一の粘着シート10を引き延ばす工程を説明する図が示されている。
ダイシングにより複数の半導体チップCPに個片化した後、第一の粘着シート10を引き延ばして、複数の半導体チップCP間の間隔を拡げる。この工程において第一の粘着シート10を引き延ばす方法は、特に限定されない。第一の粘着シート10を引き延ばす方法としては、例えば、環状または円状のエキスパンダを押し当てて第一の粘着シート10を引き延ばす方法や、把持部材などを用いて第一の粘着シート10の外周部を掴んで引き延ばす方法などが挙げられる。
第三実施形態は、第一実施形態におけるダイシング工程を実施後、封止工程を実施するまでの間にさらに別の工程を備える点で、第一実施形態と相違する。第三実施形態は、その他の点において第一実施形態と同様であるため、説明を省略または簡略化する。
第1のストリートS1および第2のストリートS2は、ダイシングソーなどの切断手段の厚みに応じた幅に形成される。
本実施形態のダイシング工程の後、前述と同様に転写工程を実施して、複数の半導体チップCPを、第二の粘着シート20に転写する。
この工程では、第1のストリートS1にて露出する第二の粘着シート20の第二の粘着剤層22をエネルギー線Eの照射により硬化させる。
この工程では、第1のストリートS1にエネルギー線Eを選択的に照射し、第1のストリートS1にて露出する第二の粘着シート20の第二の粘着剤層22を硬化させる。本実施形態では、第1のストリートS1に対応する部位に開口部51Aと、それ以外の部位にエネルギー線Eを遮断する遮断部51Bとを有する第一のマスク51を用いることが好ましい。
第一のマスク51を複数の半導体チップCPの上に設置して第1のストリートS1へエネルギー線Eを照射することが好ましい。エネルギー線Eは、第一のマスク51の開口部51Aを通過して、第1のストリートS1にて露出する第二の粘着シート20の第二の粘着剤層22に照射される。エネルギー線Eの照射方法等は、特に限定されず、上記第一実施形態のエネルギー線照射工程で説明した方法と同様に実施される。
ここで、第二の粘着シート20は、前記第二の粘着剤層22が積層される第二の基材フィルム21を有し、第1の方向M1が第二の粘着シート20の第二の基材フィルム21のMD方向であり、第2の方向M2が第二の粘着シート20の第二の基材フィルム21のCD方向であることが好ましい。
この工程では、第二の粘着シート20を第2の方向M2に沿って引き延ばして、第1のストリートS1に沿って硬化させた第二の粘着剤層22を破断させる。さらに、引き延ばして、複数の半導体チップCP間の間隔を第2の方向M2に拡げる。第2の方向M2に沿って第二の粘着シート20を引き延ばす方法は、特に限定されない。第二の粘着シート20を引き延ばす方法としては、例えば、把持部材などを用いて第二の粘着シート20の外周部を掴んで第2の方向M2に沿って引き延ばす方法などが挙げられる。
この工程では、第2のストリートS2にて露出する第二の粘着シートの粘着剤層をエネルギー線Eの照射により硬化させる。
この工程では、第2のストリートS2にエネルギー線Eを選択的に照射し、第2のストリートS2にて露出する第二の粘着シートの粘着剤層を硬化させる。本実施形態では、第2のストリートS2に対応する部位に開口部と、それ以外の部位にエネルギー線Eを遮断する遮断部とを有する第二のマスク(図示略)を用いることが好ましい。
第二のマスク(図示略)を複数の半導体チップCPの上に設置して第2のストリートS2へエネルギー線Eを照射することが好ましい。エネルギー線Eの照射方法等は、特に限定されず、上記第一実施形態のエネルギー線照射工程で説明した方法と同様に実施される。
この工程では、第二の粘着シート20を第1の方向M1に沿って引き延ばして、第2のストリートS2に沿って硬化させた第二の粘着剤層22を破断させる。さらに、引き延ばして、複数の半導体チップCP間の間隔を第1の方向M1に拡げる。第1の方向M1に沿って第二の粘着シート20を引き延ばす方法は、特に限定されない。第二の粘着シート20を引き延ばす方法としては、例えば、把持部材などを用いて第二の粘着シート20の外周部を掴んで第1の方向M1に沿って引き延ばす方法などが挙げられる。
また、本実施形態によれば、第二の粘着シート20を構成する第二の基材フィルム21のMD方向に沿って形成された第1のストリートS1にエネルギー線Eを照射した後、基材フィルムのCD方向に沿って引き延ばし、続いて、基材フィルムのCD方向に沿って形成された第2のストリートS2にエネルギー線Eを照射した後、基材フィルムのMD方向に沿って引き延ばす。このように、エキスパンド工程を第二の基材フィルム21のMD方向の延び特性、およびCD方向の延び特性に応じてそれぞれの方向における引張り力を調整しながらエキスパンド工程を実施できるため、複数の半導体チップ同士の間隔がより一層均一に拡張される。
本発明は、上述の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的を達成できる範囲で、上述の実施形態を変形した態様などを含む。
例えば、未貼着領域に対応する部位にエネルギー線を透過させる透過部と、半導体チップが貼着されている部位へのエネルギー線の照射を遮断させる遮断部とを有するマスクを、第二の粘着シート20の複数の半導体チップCPが貼着されている面とは反対側の面に沿って配置し、エネルギー線Eを、このマスクの上から照射してもよい。
具体的には、図11(A)に示すように、第三のマスク52を、第二の粘着シート20の半導体チップCPが貼着されている面とは反対の面側に配置する。すなわち、図11(A)では、第二の基材フィルム21に対向させて配置する。第三のマスク52としては、例えば、図11(B)に示すような、エネルギー線Eを透過させる平板などの基材52Aの上に、複数の半導体チップCPが貼着されている領域に対応する部位に、エネルギー線Eを遮蔽する遮蔽層52Bを形成したものが挙げられる。第三のマスク52では、遮蔽層52Bが形成されていない領域が透過部52Cとなる。そして、エネルギー線Eを第三のマスク52の上から照射することで、透過部52Cを通過したエネルギー線Eが、第二の粘着剤層22の未貼着領域221に到達し、未貼着領域221が選択的に硬化される。
また、第三のマスク52に代えて、第一の方向のみに開口を有する第四のマスクと、第一の方向と直交する第二の方向のみに開口を有する第五のマスクを使用して、エネルギー線を照射してもよい。第四のマスクおよび第五のマスクを用いる場合には、まず、第一の方向に開口が配置されるように第四のマスクを設置し、第四のマスクの上からエネルギー線Eを照射する。その後、第四のマスクを取り外し、引き続いて、第二の方向に開口が配置されるように第五のマスクを設置し、第五のマスクの上からエネルギー線Eを照射する。このように、第二の粘着剤層22の未貼着領域221を第一の方向と第二の方向とに分けて、2段階で硬化させてもよい。
また、エネルギー線をスポット照射可能なエネルギー線照射装置を用いてもよい。例えば、プローブの先端からエネルギー線を照射可能な装置を用いる場合、当該プローブを硬化させたい領域に沿って走査させながらエネルギー線を照射させることができる。この場合、第1のストリートおよび第2のストリートに対して選択的にエネルギー線を照射させることができるので、マスクを設置する必要がない。
これらの態様では、複数の半導体チップCPにエネルギー線Eが照射されないため、エネルギー線Eの照射によって半導体チップCPが受ける影響を抑えることができる。
Claims (7)
- 第一の粘着シートにウエハを貼着させる工程と、
前記第一の粘着シートに貼着された前記ウエハをダイシングにより個片化し、複数の半導体チップを形成する工程と、
前記複数の半導体チップを、エネルギー線硬化型粘着剤が含まれる粘着剤層を備えた第二の粘着シートに転写する工程と、
前記第一の粘着シートを剥離する工程と、
前記第二の粘着シートにエネルギー線を照射し、前記粘着剤層の前記複数の半導体チップが貼着されていない領域を硬化させる工程と、
前記第二の粘着シートを引き延ばして、前記粘着剤層の前記硬化させた領域を破断させるとともに、前記複数の半導体チップ同士の間隔を拡げる工程と、を備える、
半導体装置の製造方法。 - 前記ウエハをダイシングにより個片化し、前記複数の半導体チップを形成した後に、前記第一の粘着シートを引き延ばして、前記複数の半導体チップ同士の間隔を拡げる工程をさらに備える、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記粘着剤層の前記複数の半導体チップが貼着されていない領域を硬化させる工程において、前記エネルギー線を、前記第二の粘着シートに貼着されている前記複数の半導体チップの上から照射する、
請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記粘着剤層の前記複数の半導体チップが貼着されていない領域を硬化させる工程において、前記複数の半導体チップが貼着されていない領域に対応する部位にエネルギー線を透過させる透過部と、半導体チップが貼着されている部位へのエネルギー線の照射を遮断させる遮断部とを有するマスクを、前記第二の粘着シートの前記複数の半導体チップが貼着されている面とは反対側の面に沿って配置し、前記エネルギー線を、前記マスクの上から照射する、
請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記ウエハのダイシングは、
第1の方向に沿って前記ウエハを切断して第1のストリートを形成する工程と、
前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って前記ウエハを切断して第2のストリートを形成する工程と、を含み、
前記粘着剤層の前記複数の半導体チップが貼着されていない領域を硬化させる工程は、
前記第1のストリートに前記エネルギー線を照射する工程と、
前記第2のストリートに前記エネルギー線を照射する工程と、を含み、
前記第二の粘着シートを引き延ばして前記複数の半導体チップ同士の間隔を拡げる工程は、
前記第二の粘着シートを前記第2の方向に沿って引き延ばす工程と、
前記第二の粘着シートを前記第1の方向に沿って引き延ばす工程と、を含み、
前記第1のストリートに前記エネルギー線を照射した後、前記第二の粘着シートを前記第2の方向に沿って引き延ばし、続いて、前記第2のストリートに前記エネルギー線を照射した後、前記第二の粘着シートを前記第1の方向に沿って引き延ばす、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 第二の粘着シートは、前記粘着剤層が積層される基材フィルムを有し、
前記第1の方向が前記第二の粘着シートの基材フィルムのMD方向であり、
前記第2の方向が前記第二の粘着シートの基材フィルムのCD方向である、
請求項5に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第二の粘着シートを引き延ばして、前記複数の半導体チップ同士の間隔を拡げた後、前記複数の半導体チップの回路面を残して封止部材で覆う工程をさらに備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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