JP2016146406A - 半導体発光素子および半導体発光素子アレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】素子の導電領域を流れる電流が基板やエピサブ界面への流出を抑制し、転位や欠陥の形成を抑制することで素子の寿命の低下を抑制すること。【解決手段】絶縁性を有する基板と、前記基板と実質的に格子整合した下側導電層と、前記基板と前記下側導電層との間に形成され、前記下側導電層の伝導帯端のエネルギーよりも高い伝導帯端のエネルギーを有するバッファ層と、前記下側導電層上に順次積層された活性層および上側導電層と、前記上側導電層および前記下側導電層のそれぞれに直接または間接的に接続された電極とを備える半導体発光素子である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子および半導体発光素子アレイに関する。
波長1000〜1700nmの長波長帯域で25Gbps以上の光信号を出力する半導体発光素子が、光通信等の分野において今後大量に必要とされると考えられている。このように動作速度が速い半導体発光素子では、素子の電気的分離性が非常に重要となる。例えば、同一基板上に複数の半導体光素子をアレイ状に配置する構成の場合、各半導体素子に流れる電流が基板を介して干渉してしまうからである。
そこで、上記用途の半導体発光素子では、基板に用いる材料の選択が問題となるが、選択できる基板の材料も限られてしまう。何故ならば、基板上に半導体材料をエピタキシャル成長させて半導体層を積層する場合、各半導体層間で格子整合性が必要となるからである。つまり、活性層等の材料から逆算して基板に用いる材料の選択肢に制限が加わることになる。
以上のような観点から、長波長帯域のレーザ光を出力する動作速度の速い半導体発光素子では、InP(インジウムリン)やこれに鉄をドープしたものを材料とした半絶縁性の基板が用いられることが多い(例えば特許文献1参照)。
特開2009−105458号公報
しかしながら、半絶縁性の基板は完全な絶縁性を有しているものではないことや、n型やp型にドーピングされた基板に比べて品質が悪いため、基板上に結晶成長した場合に、基板とその結晶の界面(エピサブ界面)で品質の悪い層が形成しやすい。結果、素子の導電領域から流れて来る電流が基板内部やエピサブ界面に流れ、転位や欠陥を生じさせ素子の寿命を低下させる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、素子の導電領域を流れる電流が基板やエピサブ界面への流出を抑制し、転位や欠陥の形成を抑制することで素子の寿命の低下を抑制することができる半導体発光素子および半導体発光素子アレイを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る半導体発光素子
は、絶縁性を有する基板と、前記基板と実質的に格子整合した下側導電層と、前記基板と前記下側導電層との間に形成され、前記下側導電層の伝導帯端のエネルギーよりも高い伝導帯端のエネルギーを有するバッファ層と、前記下側導電層上に順次積層された活性層および上側導電層と、前記上側導電層および前記下側導電層のそれぞれに直接または間接的に接続された電極と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体発光素子は、上記発明において、前記電極の間を流れる電流が前記下側導電層において前記基板と平行な方向に流れるよう構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体発光素子は、上記発明において、前記バッファ層は、少なくともAlを組成に含む、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体発光素子は、上記発明において、前記基板および前記下側導電層を構成する材料はInPであり、前記バッファ層を構成する材料はAlInAs,AlInAsP,AlGaInAs,AlGaInAsPのうちいずれか1つである、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体発光素子は、上記発明において、前記基板を構成するInPには、鉄がドープされている、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体発光素子は、上記発明において、前記活性層は、前記電極の間を流れる電流に重畳された変調信号に従って、25Gbps以上の光信号を発振する直接変調型半導体発光素子である、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体発光素子アレイは、半導体発光素子を前記基板を共有しながらアレイ状に並列配置したことを特徴とする。
本発明に係る半導体発光素子および半導体発光素子アレイは、素子の導電領域を流れる電流が基板やエピサブ界面への流出を抑制し、転位や欠陥の形成を抑制することで素子の寿命の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る半導体発光素子の断面模式図である。 図2は、第1実施形態に係る半導体発光素子の断面模式図である。 図3は、基板、バッファ層、および下側導電層のバンド構造を模式的に示したバンドダイヤグラムである。 図4は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの断面模式図である。 図5は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図6は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図7は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図8は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図9は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図10は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図11は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図12は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図13は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図14は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図15は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図16は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図17は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図18は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図19は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図20は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図21は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図22は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図23は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。 図24は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイの製造方法について説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る半導体発光素子および半導体発光素子アレイを説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各層の厚みと幅との関係、各層の比率などは、現実と異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
(第1実施形態)
図1および図2は、第1実施形態に係る半導体発光素子100の断面模式図である。図1の断面模式図は、図2におけるA−A断面線に対応し、図2の断面模式図は、図1におけるB−B断面線に対応している。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係る半導体発光素子100は、いわゆるSI−BH(Semi-Insulating Buried Heterostructure)型のDFB(Distributed Feedback)レーザ素子である。しかしながら、本発明の実施はSI−BH型のDFBレーザ素子に限定されるものではなく、以下で説明する半導体発光素子100は本発明の実施に適した半導体発光素子の一例に過ぎない。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係る半導体発光素子100は、基板110の上に、バッファ層120、下側導電層130、活性層140、上側導電層150、およびコンタクト層160が順次積層されている。また、下側導電層130の一部、活性層140、上側導電層150、およびコンタクト層160は、共振方向に長手方向を有するメサ構造を有し、当該メサ構造の両側には、高抵抗材料からなる埋め込み層170が形成されている。
また、本実施形態に係る半導体発光素子100は、すべての電極が素子の表側に取り付けられた構成である。すなわち、p側電極181は、メサ構造の最上層であるコンタクト層160に接続され、n側電極182は、メサ構造を形成したことによって露出した下側導電層130に接続されている。なお、下側導電層130は、n側電極182を適切に取り付けるために、活性層140が存在するメサ構造部分以外の箇所まで延伸した構成である。したがって、p側電極181から活性層に注入され、下側導電層130まで到達した電流は、下側導電層130を横方向(基板110と平行な方向)に流れることになる。
なお、半導体発光素子100の表面は、p側電極181およびn側電極182を取り付ける箇所以外、絶縁層190によって適切に保護されている。
図2に示されるように、半導体発光素子100の共振方向の断面は、活性層領域ACTの両端面には、反射防止膜101と反射防止膜102がそれぞれ設けられている。
半導体発光素子100を構成する各半導体層の材料としては、以下のものが考えられる。
基板110は、鉄をドープしたInP(インジウムリン)であることが好ましい。後に説明する活性層の材料との格子整合性を配慮すると、InPを用いることが好ましく、絶縁性を高めるために鉄をドープすることが好ましい。例えば、抵抗率は1×10Ω・cm以上とすることが好ましい。本稿で絶縁性を有するとは、抵抗率が1×10Ω・cm以上であることをいう。
バッファ層120は、基板110と格子整合し、かつ、下側導電層130とのバンドオフセットΔEcが0より大きい材料が用いられ、バンドオフセットΔEcが大きいほど好ましい。なお、バンドオフセットΔEcについては後に詳述する。
ここでは、基板110の材料としてInPを用いているので、例えば、バッファ層120の材料はAlInAs、AlInAsP、AlGaInAs、またはAlGaInAsPとすることができる。なお、これら選択肢のなかでは、AlInAsが最も好ましい。InPとのバンドオフセットΔEcの値が最も大きいからである。なお、導電型はi型またはp型とすることができるが、ここではi型としている。
バッファ層120の厚さは、電流がトンネルしない程度の厚さである5nm以上であり、ここでは100nmとしている。
下側導電層130は、基板110に対して実質的に格子整合する材料を選択することが好ましい。ここで実質的に格子整合するとは、臨界膜厚条件を満たしていれば十分であるが、転位の発生を可能な限り抑制する観点からは、基板110と下側導電層130との格子定数が近いほど好ましい。下側導電層130における転位の発生を抑えることができると、下側導電層130で発生した転位の影響を小さくすることができるので、半導体発光素子100全体の厚さを薄く抑えることができるという点で好ましい。
また、下側導電層130に用いる材料は、構成する元素の数が少ない方が好ましい。混晶であるほど、熱抵抗が高くなり、排熱効率という観点では構成する元素の数が少ない方が好ましい。
本実施形態では、基板110の材料としてInPを用いているので、下側導電層130でもInPを用いている。なお、導電型はn型であり、n型ドーパントの濃度は例えば1×1018cm−3である。
下側導電層130には、回折格子層131が埋め込まれている。回折格子層131は、n型InPとn型GaInAsPとが、格子状に交互に配置された層である。回折格子層131における格子の周期は、半導体発光素子100が発振するレーザ光がブラッグ反射する周期となっている。
活性層140は、いわゆるMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸構造)−SCH(Separate Confinement Heterostructure:分離閉じ込めヘテロ構造)構造を有する。すなわち、活性層140は、井戸層と障壁層とを備えるMQW構造を有し、このMQW構造がSCH層によって挟まれる構造である。ここでは、活性層140のMQW構造として、i型AlGaInAsを材料とし、井戸層と障壁層との膜厚をそれぞれ6nmと10nmとし、井戸層と障壁層との歪みをそれぞれ圧縮1.00%と引っ張り0.30%とし、この井戸層と障壁層とを10層繰り返して形成されている。また、活性層140のSCH構造として、i型AlGaInAsを材料とした膜厚80nmのSCH層が形成されている。
上側導電層150の材料は、導電型がp型のInPであり、p型ドーパントの濃度は、例えば1×1018cm−3である。また、上側導電層150の厚さは、例えば2000nm程度とすることが好ましい。
コンタクト層160の材料は、導電型がp型のInGaPであり、p型ドーパントの濃度は、例えば1×1018cm−3である。また、コンタクト層160の厚さは、例えば300nm程度とすることが好ましい。コンタクト層160は、p側電極181とオーミック接触させるための層である。
つまり、p側電極181は、コンタクト層160を介して、間接的に上側導電層150に接続されている。なお、p側電極181の材料構成は、例えばTi/Pt/Auである。一方、n側電極182は、直接的に下側導電層130に接続されている。なお、n側電極182の材料構成は、例えばAuGe/Ni/Auである。
メサ構造の両側に形成された埋め込み層170の材料は、例えば鉄をドープしたInPを用いることができる。埋め込み層170は、p側電極181からn側電極182へ流れる電流の広がりを抑え、かつ、活性層140から発生するレーザ光を閉じ込める機能を担う。
ここで、上記説明した半導体発光素子100における、基板110とバッファ層120と下側導電層130との間におけるバンドオフセットの関係を説明する。図3は、基板110、バッファ層120、および下側導電層130のバンド構造を模式的に示したバンドダイヤグラムである。図3に示されるバンドダイヤグラムには、基板110、バッファ層120、および下側導電層130の伝導帯端のエネルギーEcが示されている。なお、図3に示されるバンドダイヤグラムにおける横軸は半導体発光素子100における厚さ方向であり、縦軸はエネルギー(E)の大きさである。
図3に示されるように、下側導電層130とバッファ層120との界面には、バンドオフセット△Ecが存在している。すなわち、バッファ層120の伝導帯端のエネルギーは、下側導電層130の伝導帯端のエネルギーよりも高い。このバンドオフセット△Ecにより、活性層に注入され、下側導電層にまで流れて来た電流は、バッファ層120を通過して基板110まで流出することが阻止される。
結果、下側導電層130とバッファ層120との界面におけるバンドオフセット△Ecにより、下側導電層130において横方向への導電が効率よく行われる。
なお、バッファ層120の材料の一部を成すAlは、伝導帯端のエネルギーEcを大きくする働きをし、下側導電層130とバッファ層120との界面におけるバンドオフセット△Ecを大きくする点で好適である。
なお、上記説明した原理から解るように、バッファ層120の上記作用は、活性層140の構成やレーザ素子のタイプ等には依存しない。したがって、本発明は、上記説明した実施形態以外にも、例えば、埋め込みヘテロ構造、リッジ構造などの半導体発光素子に対しても適宜適用することが可能である。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイ200の断面模式図である。なお、共振方向における断面図は、実質的に図2と同様であるのでここでは省略している。また、以下の説明では、第1実施形態と共通する構成に関しては説明を省略している。したがって、以下において説明が省略された箇所の構成は、第1実施形態の説明を適宜参照して理解されるべきである。
図4に示されるように、半導体発光素子アレイ200は、同一の基板210上に4つの半導体発光素子200a,200b,200c,200dが配置された構成である。4つの半導体発光素子200a,200b,200c,200dの発振波長は、同一としてもよいが、異なる波長としてもよい。例えば、イーサネット(登録商標)における100Gbit通信規格で用いる場合、4つの半導体発光素子200a,200b,200c,200dの発振波長を、それぞれ1295nm、1300nm、1305nm、および1310nmとし、各半導体発光素子200a,200b,200c,200dを25Gbpsで駆動し、合計100Gbpsの情報通信用の直接変調型レーザ装置として用いることができる。つまり、半導体発光素子アレイ200は、別途の変調器を用いずに、活性層に注入される電流を変調することにより、発振レーザ光を直接変調する直接変調型の半導体素子である。
図4に示されるように、基板210上には、4つのバッファ層220a,220b,220c,220dが形成されている。すなわち、4つの半導体発光素子200a,200b,200c,200dは、それぞれ独立した4つのバッファ層220a,220b,220c,220dを備えている。
半導体発光素子200aのバッファ層220aの上には、下側導電層230a、活性層240a、上側導電層250a、およびコンタクト層260aが順次積層されている。同様に、半導体発光素子200bのバッファ層220bの上には、下側導電層230b、活性層240b、上側導電層250b、およびコンタクト層260bが順次積層され、半導体発光素子200cのバッファ層220cの上には、下側導電層230c、活性層240c、上側導電層250c、およびコンタクト層260cが順次積層され、半導体発光素子200dのバッファ層220dの上には、下側導電層230d、活性層240d、上側導電層250d、およびコンタクト層260dが順次積層されている。
また、各半導体発光素子200a,200b,200c,200dにおいて、下側導電層230a,230b,230c,230dの一部、活性層240a,240b,240c,240d、上側導電層250a,250b,250c,250d、およびコンタクト層260a,260b,260c,260dは、共振方向に長手方向を有するメサ構造を有し、当該メサ構造の両側には、高抵抗材料からなる埋め込み層270が形成されている。
また、本実施形態に係る半導体発光素子アレイ200は、すべての電極が素子の表側に取り付けられた構成である。すなわち、p側電極281a,281b,281c,281dは、それぞれメサ構造の最上層であるコンタクト層260a,260b,260c,260dに接続され、n側電極282a,282b,282c,282dは、メサ構造を形成したことによって露出した下側導電層230a,230b,230c,230dに接続されている。
なお、半導体発光素子アレイ200の表面は、p側電極281a,281b,281c,281dおよびn側電極282a,282b,282c,282dを取り付ける箇所以外、絶縁層290によって適切に保護されている。
半導体発光素子アレイ200を構成する各半導体層の材料は、第1実施形態と同様であるのでここでは説明を省略する。
上記説明した半導体発光素子アレイ200においても、第1実施形態と同様に、下側導電層230a,230b,230c,230dとバッファ層220a,220b,220c,220dとの界面には、バンドオフセット△Ecが存在している。このバンドオフセット△Ecにより、活性層に注入され、下側導電層にまで流れて来た電流は、バッファ層220a,220b,220c,220dを通過して基板210まで流出することが阻止される。
したがって、4つの半導体発光素子200a,200b,200c,200dは、同一の基板210を共有しているが、電気的に確実に分離ができるので、互いに干渉することを防ぐことができる。
(製造方法)
以下、図5〜図24を参照しながら、第2実施形態に係る半導体発光素子アレイ200の製造方法について説明する。なお、第1実施形態に係る半導体発光素子100の製造方法は、半導体発光素子アレイ200の製造方法の一部とみなし得るので、ここでは説明を省略する。また、以下で参照する図面は、紙面の都合上、適宜構成を省略した記載となっている。
図5に示されるように、半導体発光素子アレイ200の製造方法では、最初に絶縁性の基板210を用意する。この基板210の材料にも選択の余地があるが、先述の構成の説明で述べたように、基板210の材料は、鉄をドープしたInPとすることが好ましい。なお、以下の説明で登場する材料および数値は、先述の構成の説明で用いた代表例を用いる。
次に、図6に示されるように、基板210の上にバッファ層220を積層する。バッファ層220の材料は、i型のAlInAsであり、層厚は100nmである。基板210の上にバッファ層220を積層する方法は、分子線気相成長法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)または有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いることができる。
次に、図7に示されるように、バッファ層220の上に導電層232および回折格子層231を順次積層する。導電層232の材料は、n型のInPであり、層厚は1000nmである。回折格子層231の材料は、n型のGaInAsPであり、層厚は100nmである。導電層232は、後に下側導電層230の一部を成す層であり、回折格子層231は、回折格子パターンが形成され、下側導電層230の内部に埋め込まれる。
次に、図8に示されるように、回折格子層231の上にフォトレジストR1を塗布する。このフォトレジストR1は、回折格子層231に回折格子パターンを形成するためのマスクとなる。
次に、図9に示されるように、フォトレジストR1に回折格子パターンを転写し、回折格子層231のマスクを作製する。マスクの作成方法としては、例えば、EB露光法によってフォトレジストR1上に回折格子パターンの金属を形成した後に、反応性イオンエッチング(RIE)法によってフォトレジストR1を除去する方法を採用すればよい。
次に、図10に示されるように、フォトレジストR1のマスクに覆われた回折格子層231を、ドライエッチングによってエッチングする。すると、フォトレジストR1のマスクの形状と同じ形状の回折格子層231が形成される。
次に、図11に示されるように、不要になったフォトレジストR1をウェットエッチングで除去する。
次に、図12に示されるように、格子パターンの形状に除去された回折格子層231の空隙にn型のInPを埋め込んで表面を平坦化し、そのまま、n型のInPを200nmの厚さまで積層する。これにより、下側導電層230と下側導電層230内に埋め込まれた回折格子層231が形成される。
次に、図13に示されるように、下側導電層230の上に活性層240を積層する。活性層240は、SCH層と井戸層および障壁層を交互に繰り返したMQW構造とSCH層とを積層することによって形成される。
次に、図14に示されるように、活性層240の上に上側導電層250を積層する。上側導電層250の材料は、p型のInPであり、層厚は2000nmである。
次に、図15に示されるように、上側導電層250の上にコンタクト層260を積層する。コンタクト層260の材料は、p型のInGaAsであり、層厚は300nmである。
次に、図16に示されるように、コンタクト層260の上にマスク層R2を形成する。マスク層R2の材料は、SiNxであり、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。このマスク層R2は、半導体発光素子アレイ200の各半導体発光素子200a,200b,200c,200dにおけるメサ構造を形成するためのものである。
次に、図17に示されるように、マスク層R2から、半導体発光素子アレイ200の各半導体発光素子200a,200b,200c,200dにおけるメサ構造に対応する形状のマスクを作製する。このマスクの作製方法としては、通常のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることができる。
次に、図18に示されるように、メサ構造に対応する形状に加工されたマスク層R2をマスクとして、ドライエッチング法によりエッチングを行う。エッチングの深さは、下側導電層230中に埋め込まれた回折格子層231の下端よりも0.1μm程度掘り込まれる深さとする。このエッチングにより、各半導体発光素子200a,200b,200c,200dにおける活性層240a,240b,240c,240d、上側導電層250a,250b,250c,250d、およびコンタクト層260a,260b,260c,260dが分離される。
次に、図19に示されるように、エッチングによって形成された空隙に埋め込み層270を成長させ、不要になったマスク層R2をウェットエッチングで除去する。なお、埋め込み層270の材料は、鉄をドープしたInPである。
次に、図20に示されるように、コンタクト層260a,260b,260c,260dおよび埋め込み層270の上にマスク層R3を形成し、各半導体発光素子200a,200b,200c,200dにおけるコンタクト層260a,260b,260c,260dおよび埋め込み層270の幅に対応するマスクを作製する。マスク層R3の材料は、例えばCVD法により形成されるSiNxであり、このマスク層R3から通常のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてマスクを作成する。
次に、図21に示されるように、マスク形状に加工されたマスク層R3をマスクとして、ドライエッチング法によりエッチングを行う。エッチングの深さは下側導電層230に到達する深さとする。
次に、図22に示されるように、各半導体発光素子200a,200b,200c,200dの形状に対応させたマスク層R4を新たに作製する。このマスク層R4の作製方法は、既述の作製方法と同様とすることができる。
次に、図23に示されるように、マスク形状に加工されたマスク層R4をマスクとして、ドライエッチング法によりエッチングを行う。エッチングの深さは基板210に到達する深さとする。このエッチングにより、各半導体発光素子200a,200b,200c,200dにおける下側導電層230a,230b,230c,230d、およびバッファ層220a,220b,220c,220dが分離される。
次に、図24に示されるように、素子の表面全体に絶縁層290を積層し、通常のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて電極の取付位置を開口させる。
その後、p側電極281a,281b,281c,281dおよびn側電極282a,282b,282c,282dを取り付けることによって、図4に示されるような半導体発光素子アレイ200の製造方法が完了する。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。また、上述の実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。
100,200a,200b,200c,200d 半導体発光素子
101,102 反射防止膜
103 反射膜
110,210 基板
120,220,220a,220b,220c,220d バッファ層
130,230,230a,230b,230c,230d 下側導電層
131,231 回折格子層
140,240,240a,240b,240c,240d 活性層
150,250,250a,250b,250c,250d 上側導電層
160,260,260a,260b,260c,260d コンタクト層
170,270 埋め込み層
181,281a,281b,281c,281d p側電極
182,282a,282b,282c,282d n側電極
190,290 絶縁層
200 半導体発光素子アレイ
232 導電層

Claims (7)

  1. 絶縁性を有する基板と、
    前記基板と実質的に格子整合した下側導電層と、
    前記基板と前記下側導電層との間に形成され、前記下側導電層の伝導帯端のエネルギーよりも高い伝導帯端のエネルギーを有するバッファ層と、
    前記下側導電層上に順次積層された活性層および上側導電層と、
    前記上側導電層および前記下側導電層のそれぞれに直接または間接的に接続された電極と、
    を備えることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記電極の間を流れる電流が前記下側導電層において前記基板と平行な方向に流れるよう構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記バッファ層は、少なくともAlを組成に含む、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記基板および前記下側導電層を構成する材料はInPであり、前記バッファ層を構成する材料はAlInAs,AlInAsP,AlGaInAs,AlGaInAsPのうちいずれか1つである、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  5. 前記基板を構成するInPには、鉄がドープされている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光素子は、前記活性層が、前記電極の間を流れる電流に重畳された変調信号に従って、25Gbps以上の光信号を発振する直接変調型半導体発光素子であることを特徴とする。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光素子を前記基板を共有しながらアレイ状に並列配置したことを特徴とする半導体発光素子アレイ。
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