JP2016144412A - 後残りしないキレのある酸味を有するビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲み応えがあると共に後残りしない酸味によりキレがある、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料とその製造方法の提供。【解決手段】アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmである飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料およびその製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりの中でアルコール摂取量を自己管理する消費者が増加している。また、飲酒運転に対する罰則の強化など道路交通法の改正により、自動車等の運転に従事する者のアルコール摂取に対する関心が高まっている。このような中でアルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料への需要が一段と高まっている。
ビールの香味の特徴の一つとして酸味があり、これはビールの飲み応えに寄与している。ビールには、原料である麦芽から持ち込まれるリン酸、発酵により生成される乳酸など、複数の酸が含まれており(非特許文献1)、これらがビール中に存在することによって酸味を呈している。
他方、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料の分野では、ビール様の飲み応えを再現するため、あるいは微生物増殖に対する耐性付与の目的で、酸味料を用いたpH調整が数多く検討されてきた。例えば、特開2013−188221号公報(特許文献1)には、低エキス分のノンアルコールビールテイスト飲料において、一定のpHに調整することにより、飲み応えを付与できることが記載されている。
特開2013−188221号公報
「醸造物の成分」(公益財団法人日本醸造協会:平成11年12月10日発行)第11頁
しかしながら、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料において、飲み応えを付与するために酸味料を用いると、後味に酸味が残りビールらしい後キレが感じられないという問題がある。従って、本発明は、飲み応えがあると共に後残りしない酸味によりキレがある、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来法による、後味に酸味が残りビールらしい後キレが感じられないという問題を解決するための新たな酸味料を鋭意探索したところ、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料に所定の濃度のピルビン酸が含有されることにより、飲み応えは維持しながらも、後残りしない酸味を実現できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmである、ビールテイスト飲料。
(2)乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、フィチン酸、およびそれらの塩からなる群から選択される一種またはそれ以上をさらに含んでなる、(1)に記載のビールテイスト飲料。
(3)前記飲料のpHが3.5を超えて4.5未満である、(1)に記載のビールテイスト飲料。
(4)アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料を製造する方法であって、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmとなるようにピルビン酸含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
(5)ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmとなるようにピルビン酸を添加する工程を含む、(4)に記載の方法。
(6)アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料に、20ppm〜200ppmとなるようにピルビン酸を含有させることによる、ビールテイスト飲料への飲み応えおよびビールらしい後キレ感の付与方法。
本発明によるピルビン酸を含有するビールテイスト飲料は、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料でありながら、飲み応えと共にビールらしい後キレ感が付与されている点で有利である。特に、本発明によれば、アルコールをほとんど含まない点と豊かなビール風味という需要者のニーズに同時に応えることができる点で有利であるといえる。
発明の具体的説明
定義
本発明において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ飲料をいう。「ビール様の風味」とは、通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを、その飲料が呈することを意味する。本発明のビールテイスト飲料は、特に断りがない場合、酵母による発酵工程の有無にかかわらず、いずれの飲料をも包含する。
本発明において「アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料」とは、酵母発酵に由来するアルコールの含量が極めて少ないビールテイスト飲料であり、具体的にはアルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料である。このことから、発酵工程を経ないで製造される飲料、すなわち、非発酵のビールテイスト飲料であってもよい。また、アルコール濃度0.00%(v/v)のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。ここで「発酵工程」とは、酵母等の微生物が有機物を分解することによってアルコール等の代謝産物を生成する工程をいう。
ビールテイスト飲料
本発明によれば、ビールテイスト飲料の製造過程においてピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmとなるように調整することにより、後に残る酸味が低減され、良好な香味を得ることが可能となる。
本発明のビールテイスト飲料は、アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であり、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppm、好ましくは30ppm〜170ppm、より好ましくは30ppm〜130ppmの飲料である。ここで、ピルビン酸の量の特定に用いられる「ppm」なる単位は、「mg/L」と同義である。
ビールテイスト飲料中のピルビン酸濃度は、試料を分子量30、000の限外濾過フィルターで濾過を行った後、キャピラリー電気泳動システム Agilent 7100 CE(Agilent社製)で検出することにより測定できる。
本発明のビールテイスト飲料のpHは、好ましくは3.5を超えて4.5未満とされ、より好ましくはpH3.5を超えてpH4.2以下、より好ましくはpH3.7以上pH4.5未満、さらに好ましくはpH3.7以上pH4.2以下、最も好ましくはpH4.0以上pH4.2以下とされる。本発明のビールテイスト飲料のpH調整はpH調整剤を用いて行うことができ、よって、本発明のビールテイスト飲料はpH調整剤、例えば、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、フィチン酸、およびそれらの塩からなる群から選択される一種またはそれ以上を含んでいてもよい。
ビールテイスト飲料の製造方法
本発明のビールテイスト飲料は、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmとなるように調整することにより、製造することができる。
ピルビン酸含有量の調整にあたっては、ビールテイスト飲料の製造過程においてピルビン酸を外から添加してもよく、また、発酵工程を経て製造されたビールテイスト飲料中間製品中に生成されたピルビン酸を利用してもよい。後者の場合、ピルビン酸濃度を本発明の効果を発揮するための所定の範囲に調整するため、上述したようにピルビン酸を外から添加して補充したり、あるいは、公知の方法を用いて希釈したりすることができる。
本発明のビールテイスト飲料におけるピルビン酸の濃度は、20ppm〜200ppmであり、好ましくは30ppm〜170ppmであり、さらに好ましくは30ppm〜130ppmである。よって、ビールテイスト飲料の製造過程で添加されるピルビン酸の量および該製造過程で生成され使用されるピルビン酸の量は、完成したビールテイスト飲料がこのような濃度でピルビン酸を含有するように決定される。
本発明の好ましい実施態様では、ビールテイスト飲料のpHは一定の範囲に調整される。本発明のビールテイスト飲料のpHは、好ましくは3.5を超えて4.5未満とされ、より好ましくはpH3.5を超えてpH4.2以下、より好ましくはpH3.7以上pH4.5未満、さらに好ましくはpH3.7以上pH4.2以下、最も好ましくはpH4.0以上pH4.2以下とされる。
ビールテイスト飲料のpHは、pH調整剤を用いて調整することができる。pH調整剤としては公知のものを用いることができ、食品に添加することが認められているものを好適に用いることができる。pH調整剤としては、アルカリ化剤や酸味料を用いることができる。酸味料としては、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸、酒石酸、フィチン酸、グルコノデルタラクトンを含むグルコン酸、炭酸などがあげられる。これらの中で、リン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、フィチン酸が好ましい。これらの酸味料は、カリウム塩やナトリウム塩といった塩の形態で使用することも可能であるし、緩衝液の形で用いることも可能である。これらのpH調整剤は単独で用いてもよく、2またはそれ以上を組み合わせて用いてもよい。
発酵工程を経ないビールテイスト飲料の一般的な製造方法は、当技術分野においてよく知られており、特に制限されないが、典型的には麦汁の調製工程および麦芽飲料の濾過工程を含む。例えば、これらの工程は、以下のように実行することができる。
麦汁の調製工程は、常法に従って行うことができ、例えば、(a)麦芽粉砕物と水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得る工程、(b)得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸する工程、(c)煮沸した麦汁を冷却する工程を行うことにより得ることができる。
工程(a)において、麦芽粉砕物は、大麦、例えば二条大麦を、常法により発芽させ、これを乾燥後、所定の粒度に粉砕したものであれば良い。
麦芽粉砕物と水の混合物には副原料を添加してもよい。副原料としては、例えば、米、コーンスターチ、コーングリッツ、糖類(例えば、果糖ブドウ糖液糖などの液糖)、食物繊維などが挙げられる。副原料が糖類の場合には麦汁を糖化ないし濾過した後に添加してもよい。また、水はその全量を麦芽粉砕物と混合しても、あるいはその一部を麦芽粉砕物と混合し、残りを全部または分割して糖化後の麦汁に添加してもよい。
麦汁を構成する麦芽粉砕物、副原料および水の割合は適宜決定することができるが、工程(c)の後に得られる麦汁の糖度が3〜20%、好ましくは7〜14%となるように麦芽粉砕物、副原料および水の割合を決定してもよい。麦芽粉砕物、副原料および水の割合は、例えば、麦芽粉砕物100重量部に対して、副原料0〜100重量部、水400〜2000重量部、好ましくは、副原料0〜30重量部、水600〜1300重量部とすることができる。副原料が果糖ブドウ糖液糖および食物繊維の場合には、麦芽粉砕物、副原料および水の割合は、例えば、麦芽粉砕物100重量部に対して、副原料10〜40重量部、水800〜1500重量部、好ましくは、副原料20〜30重量部、水1000〜1200重量部とすることができる。この場合、果糖ブドウ糖液糖と食物繊維の重量比(固形分)は1:0.1〜10とすることができる。
上記混合物の糖化および濾過は常法に従って実施することができる。
工程(b)では、(a)で得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸することによりホップの風味・香気を煮出することができる。煮沸後、沈殿により生じたタンパク質などの粕を除去してもよい。
工程(c)では、煮沸した麦汁を冷却する。この冷却は、麦汁が凍らない程度の極力低い温度、通常、1〜5℃まで冷却するのが望ましい。
麦汁には、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤などの添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、麦汁の糖化前に添加しても、麦汁を糖化ないし濾過した後に添加してもよい。
上記のようにして得られた麦汁を濾過して不要なタンパク質や吸着剤を除去することができる。濾過は常法に従って行うことができるが、好ましくは、珪藻土濾過機を用いて行うことができる。濾過に当たっては、麦汁飲料に脱気水を加えて希釈後に濾過し、最終製品の糖度を3〜8%に調整してもよい。
濾過の後、通常のビールまたは発泡酒の製造において行われる工程、例えば、脱気水などによる最終濃度の調節、炭酸ガスの封入、容器(例えば樽、壜、缶)への充填(パッケージング)、容器のラベリングなど、を適宜行うことができる。
発酵工程を経るビールテイスト飲料の一般的な製造方法も、当技術分野においてよく知られており、特に制限されないが、典型的には麦汁の調製工程、酵母添加による発酵工程および麦芽飲料の濾過工程を含む。特に、アルコールをほとんど含まないビールテイスト飲料の製造においては、上述の発酵工程において公知の方法でアルコールの生成を抑制する手段、あるいは、上述の濾過工程の前後の段階で公知の方法でアルコールを希釈もしくは除去する手段をさらに追加する。
本発明の他の態様によれば、ピルビン酸を含んでなる、ビールテイスト飲料における飲み応えおよびビールらしい後キレ感を付与するための添加剤が提供される。この添加剤は、水に溶解しやすい形態で提供されてもよい。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:ビールテイスト飲料のピルビン酸の添加濃度による風味への影響
(1)サンプルの調製
麦芽1kgを適当な粒度に粉砕して仕込槽に入れ、これに3Lの温水を加え、65℃で30分保持後、徐々に昇温して75℃で30分間、糖化を行った。糖化終了後、78℃まで昇温後、濾紙を用いて濾過を行い、濾液を得た。この濾液に温水を加え、エキス分が4.0重量%になるよう調整した。製造スケールを1Lとし、ホップを約1g添加し、100℃で60分間煮沸した。煮沸後の液を濾紙を用いて濾過を行い、約2℃に冷却した。適宜、エキス分が4.0重量%になるよう、水を加えて麦汁を調整した。この麦汁にビール風味香料、カラメル色素を加え、24時間貯蔵した。その後、炭酸水(0.5Mpa)を用いてエキス分が2.0%になるよう希釈した。この希釈後の液に、各種の濃度でピルビン酸(武蔵野化学研究所製)を添加した。その後pH4.0になるよう、リン酸でpHを調整した。こうして、試験区1〜11までの各サンプルを得た。
(2)官能評価
官能評価の評価項目として、飲み応え、後キレの2つの項目を設定した。以下に、それぞれの評価項目の具体的な評価基準を示す。
a.飲み応え:ボディ感および口当たりが適度に強くコクがある風味。1:ビールらしいボディ感が全く感じられない、2:ビールらしいボディ感があまり感じられない、3:ビールらしいボディ感が感じられる、4:ビールらしいボディ感がやや強く感じられる、5:ビールらしいボディ感が十分強く感じられる、の5段階で評価。
b.後キレ:後に残る酸味が弱く、嫌な渋味、雑味が少ないためビールらしい後キレが感じられる風味。
1:後に残る酸味や嫌な渋味、雑味が十分強く感じられ、ビールらしい後キレが全く感じられない、2:後に残る酸味や嫌な渋味、雑味がやや強く感じられ、ビールらしい後キレがあまり感じらない、3:後に残る酸味や嫌な渋味、雑味が感じられるものの、ビールらしい後キレも感じられる、4:後に残る酸味や嫌な渋味、雑味があまり感じられず、ビールらしい後キレがやや強く感じられる、5:後に残る酸味や嫌な渋味、雑味が全く感じられず、ビールらしい後キレが十分強く感じられる、の5段階で評価。
官能評価は、訓練された4名のパネルによって実施した。
また、これら2項目の結果を基に、飲み応えと共にビールらしい後キレ感があるといった総合評価を、A:ビールらしい飲み応え、後キレが十分強く感じられる、B:ビールらしい飲み応え、後キレがやや強く感じられる、C:ビールらしい飲み応え、後キレが感じられる、D:ビールらしい飲み応え、後キレが感じられない、の4段階で導き出した。
(3)結果
上記の官能評価の結果を、各試験区におけるピルビン酸添加濃度とともに表1に示す。
Figure 2016144412
官能評価の結果、全ての試験区において飲み応えは「4」の評価であった。一方で、ピルビン酸添加量が0か非常に少ない試験区1、試験区2では酸味の残り具合が大きく後キレがあまり感じられず、総合評価として「D」となった。次に試験区3〜10でピルビン酸の添加濃度を上げていくと共に後に残る酸味が一旦低下し後キレが強く感じられたが、その後弱くなるといった傾向がみられた。本試験における最大添加濃度である試験区11では、渋味を伴う酸味の後残りが見られ、総合評価として「D」となった。
従って、飲み応えと共にビールらしい後キレ感があると総合評価された試験区は、試験区3、試験区4、試験区5、試験区6、試験区7、試験区8、試験区9および試験区10であり、好ましくは試験区4、試験区5、試験区6、試験区7、試験区8および試験区9であり、さらに好ましくは試験区4、試験区5、試験区6および試験区7であった。
(4)市販品の分析結果
表2に、国内で販売されている各社ノンアルコールビールテイスト飲料の、製品中のピルビン酸濃度を示した。その濃度は、本発明の好ましい濃度範囲と比較して顕著に低いことがわかった。
Figure 2016144412
実施例2:ピルビン酸添加ビールテイスト飲料の各種酸味料による風味への影響(その1)
(1)サンプルの調製
pH調整の段階で、実施例1で使用したリン酸の代わりに乳酸を使用した以外は、全て実施例1の方法に従ってサンプルを調製した。こうして、試験区12〜22までの各サンプルを得た。
(2)官能評価
実施例1と同じ手法を用いて、訓練された4名のパネルによって実施した。
(3)結果
上記の官能評価の結果を、各試験区におけるピルビン酸添加濃度とともに表3に示す。
Figure 2016144412
pH調整の段階で実施例1で使用したリン酸の代わりに乳酸を使用しても、実施例1と同じ傾向の官能評価の結果が得られた。従って、飲み応えと共にビールらしい後キレ感があると総合評価された試験区は、試験区14、試験区15、試験区16、試験区17、試験区18、試験区19、試験区20および試験区21であり、好ましくは試験区14、試験区15、試験区16、試験区17、試験区18、試験区19および試験区20であり、さらに好ましくは試験区15、試験区16、試験区17、試験区18および試験区19であった。
実施例3:ピルビン酸添加ビールテイスト飲料の各種酸味料による風味への影響(その2)
(1)サンプルの調製
ピルビン酸添加の段階で、実施例1において各種の濃度でピルビン酸を添加した代わりに全てのサンプルにおいてピルビン酸が最終的に100ppmとなるように添加した以外は、全て実施例1の方法に従ってサンプルを調製した。こうして、試験区23〜30までの各サンプルを得た。
(2)官能評価
実施例1と同じ手法を用いて、訓練された4名のパネルによって実施した。
(3)結果
上記の官能評価の結果を、各試験区における各種酸味料の名称とともに表4に示す。
Figure 2016144412
ピルビン酸の添加量を固定した上でpH調整の段階で実施例1で使用したリン酸の代わりに各種酸を単独あるいはその組合せで使用しても、リン酸と同じ官能評価の結果が得られた。
実施例2および3の結果を考察すると、ピルビン酸以外に使用する酸味料は食品添加に適合している限り、どのような種類の酸味料であってもよく、好ましくはリン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、フィチン酸を単独で、もしくはこれらを組み合わせて使用するとよいことがわかった。
実施例4:ピルビン酸添加ビールテイスト飲料のpHによる風味への影響
(1)サンプルの調製
pH調整の段階で、実施例1においてpH4.0になるようリン酸でpHを調整した代わりに、pHが3.0〜5.0の間の4.0を含む複数のpHになるように調整した以外は、全て実施例1の方法に従ってサンプルを調製した。こうして、試験区31〜37までの各サンプルを得た。
(2)官能評価
実施例1と同じ手法を用いて、訓練された4名のパネルによって実施した。
(3)結果
上記の官能評価の結果を、各試験区におけるpHとともに表5に示す。
Figure 2016144412
官能評価の結果、飲み応えについてはpH3.0からpH4.2にかけては「4」であったが、pH4.5以上で顕著な減少傾向を示した。一方、後キレはpH5.0からpH3.7にかけては強く感じられたが、pH3.5以下で顕著に弱くなる傾向を示した。このことより、pHが3.5を超えて4.5未満の間では飲み応えと共にビールらしい後キレ感があると考えられる。また、試験区33、試験区34および試験区35が好ましく、試験区34および試験区35がさらに好ましいことがわかった。

Claims (6)

  1. アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料であって、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmである、ビールテイスト飲料。
  2. 乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、フィチン酸、およびそれらの塩からなる群から選択される一種またはそれ以上をさらに含んでなる、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 前記飲料のpHが3.5を超えて4.5未満である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  4. アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料を製造する方法であって、ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmとなるようにピルビン酸含有量を調整する工程を含んでなる、方法。
  5. ピルビン酸含有量が20ppm〜200ppmとなるようにピルビン酸を添加する工程を含む、請求項4に記載の方法。
  6. アルコール濃度が0.005%(v/v)未満であるビールテイスト飲料に、20ppm〜200ppmとなるようにピルビン酸を含有させることによる、ビールテイスト飲料への飲み応えおよびビールらしい後キレ感の付与方法。
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