JP2016144410A - 透明でミルク感を有する新規発酵アルコール飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ミネラル濃縮ホエイのようなホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することを特徴とする、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料を製造する。本発明の発酵アルコール飲料は、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた、新タイプの発酵アルコール飲料を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】ミネラル濃縮ホエイのようなホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することを特徴とする、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料を製造する。本発明の発酵アルコール飲料は、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた、新タイプの発酵アルコール飲料を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ミネラル濃縮ホエイのようなホエイ、糖類を発酵原料として製造された、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた新タイプの発酵アルコール飲料、及びその製造方法に関する。
古来より、世界各地で、種々の酒類(アルコール飲料)が製造され、それぞれの酒類文化が形成されてきた。それらの酒類の中に、乳を原料として発酵させた乳酒が知られている。乳酒は、動物の乳を原料として製造される酒類の一種であって、特に中央アジアの遊牧民の間で古くから飲用されてきた。この酒は、動物乳を、乳酸菌による乳酸発酵と酵母によるアルコール発酵により製造されるものであるが、アルコール発酵の原料となる発酵性の糖の含量が限られているため、そのアルコール度数は1〜1.5%程度であった。近年になって、動物乳を乳酸菌及び酵母によって発酵するこの乳酒を、栄養酒として、その香味を改善したり、アルコール度数の高めの酒類として、製造したりする方法も開示されている。
例えば、特開昭59−154979号公報には、牛乳等の乳成分と糖類の混合物を原料にして酵母又は酵母と乳酸菌を用いて発酵した、アルコール度数3〜12%の栄養酒の製造法が、特開昭63−7774号公報には、牛乳を主成分とする原料を乳酸発酵させたのち、引き続き乳酸菌発酵と並行して酵母によるアルコール発酵を行うことで品質の安定したアルコール飲料を製造する方法が開示されている。また、特開2014−140330号公報には、乳成分を含有する基質を乳酸菌と酵母で発酵する乳酒の製造方法において、使用する乳酸菌として、ラクトバチラス・デルブレッキ又はストレプトコッカス・サーモフィラスに属し、特定のラクトース分解率を有する乳酸菌を用いることにより、乳臭や、好ましくない酸味を低減した、乳酒の製造方法が開示されている。
これら特許文献に開示のものは、いずれも、乳酸菌と酵母による発酵を併用した、乳酒の製造方法に係るものであり、その香味、アルコールの度数等において、従来のものの改善がなされているが、例えば、特開昭59−154979号公報に記載のもののように、発酵後の酒の安定化を図るために、均質化処理等の処理を行うことが必要とされており、その性状において、従来の乳酒の範囲を超えるものではない。
また、乳酒様の発酵アルコール飲料の製造において、発酵原料としてホエイ(乳清)を用いた発酵アルコール飲料も開示されている。例えば、特開平7−303447号公報には、ホエイ(乳清)を、乳酸発酵或いは乳酸、コハク酸のような酸を添加し、糖類及びタンニンを添加した溶液を、酵母発酵することにより、酵母発酵によって生ずる不快臭の生成を抑制した酒類のような酸性乳清発酵製品の製造方法が、特開2004−236844号公報には、発酵乳からカードを除去して得られた発酵乳清を酵母により発酵させた、乳清発酵液を発酵風味付与剤として、アルコール飲料等に配合し、飲料に発酵風味を付与する方法が、開示されている。これらホエイ(ホエイパウダー)を使用したアルコール飲料は、濁りを有し、ミルク感が乏しく、雑味のある発酵酒となり、香味的にも評価の良いものとはなっていない。したがって、従来、好ましいミルク感が付与され、コクのある、しかも、濁りが少なく、透明で、スッキリ感があるような、ミルク風味の発酵アルコール飲料は提供されていなかった。
本発明の課題は、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、乳酒やホエイを用いたアルコール飲料の特徴であるミルク感を有しコクと香味を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた新タイプの発酵アルコール飲料の製造方法について鋭意検討する中で、原料として、ミネラル濃縮ホエイのようなホエイを用い、該原料に、糖類を添加し、醸造用酵母で発酵することにより、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた、新タイプの発酵アルコール飲料を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の発酵アルコール飲料は、アルコール度10%以上のミルク感を有する新タイプの発酵アルコール飲料を提供することができる。
すなわち、本発明は、ミネラル濃縮ホエイのようなホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することを特徴とする、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供することからなる。
乳酒や、ホエイのような乳成分を原料とした発酵アルコール飲料は、乳やホエイの持つ、ミルク感により、独特のコクや、香味を有する一方、これらのアルコール飲料は、乳成分を原料としているため、通常混濁しており、味覚においても、スッキリ感に欠けるところがある。したがって、該アルコール飲料を、容器詰飲料として商業的に流通する上では、品質管理上混濁しているのは好ましくないということだけでなく、その味覚においても、キレ、スッキリした味覚に欠けていた。一方、この濁りを少なくし、透明性を上げようとすると、今度は乳酒や、ホエイのような乳成分を原料とした発酵アルコール飲料の特徴であるミルク感が損なわれることとなる。そこで、本発明においては、増強されたミルク感と、スッキリ感を併せ持つ、発酵アルコール飲料の製造について鋭意検討する中で、発酵原料として、ミネラル濃縮ホエイのようなホエイを用い、これに糖類を添加して、醸造用酵母をもちいて発酵することにより、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、新味覚、外観の発酵アルコール飲料を製造することができることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、発酵原料として用いられる「ミネラル濃縮ホエイ」は、ホエイのミネラルを強化して、ミネラル高含有のホエイとしたものであり、本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、該ミネラル高含有ホエイを、発酵終了液における、該ミネラル高含有ホエイ由来のミネラルが、カルシウム100〜2,000ppm、カリウム190〜3,860ppm、ナトリウム110〜2,260ppmとなるように、発酵原料に配合することができる。
また、本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、ミネラル濃縮ホエイの発酵原料への配合を、発酵原料液におけるミネラルの濃度で、カルシウム濃度が90〜2,200ppm、カリウム濃度が170〜4,200ppm、及びナトリウム濃度が100〜2,500ppmに調整された濃度で行うことができる。更に、本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、市販のミネラル濃縮ホエイパウダーを用い、該ミネラル濃縮ホエイパウダーの発酵前溶液への添加量を、0.67〜13.3w/v%の添加範囲で行うことができる。また、本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、発酵に用いる醸造用酵母としては、清酒酵母、ワイン酵母、焼酎酵母等の醸造用酵母を用いることができるが、特に好ましい酵母としては、ワイン酵母を挙げることができる。
本発明は、本発明の発酵アルコール飲料の製造方法によって製造された、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料自体の発明を包含する。
すなわち具体的には本発明は、[1]ホエイを発酵原料として製造され、カルシウム90〜2,200ppm、カリウム170〜4,200ppm、ナトリウム100〜2,500ppmを含み、かつ濁度が5EBC未満である、ミルク感を有するコクと、透明で、スッキリ感を具備した味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料や、[2]ホエイ発酵原料が、ミネラル濃縮ホエイであることを特徴とする上記[1]に記載の発酵アルコール飲料からなる。
また、本発明は、[3]ミネラル濃縮ホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の発酵アルコール飲料の製造方法や、[4]ミネラル濃縮ホエイを、発酵終了液における、該ミネラルホエイ由来のミネラルが、カルシウム100〜2,000ppm、カリウム190〜3,860ppm、ナトリウム110〜2,260ppmとなるように、発酵原料に配合することを特徴とする上記[3]に記載の味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料の製造方法や、[5]ミネラル濃縮ホエイの発酵原料への配合が、発酵原料液におけるミネラルの濃度で、カルシウム濃度が90〜2,200ppm、カリウム濃度が170〜4,200ppm、及びナトリウム濃度が100〜2,500ppmに調整された濃度であることを特徴とする上記[4]に記載の味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料の製造方法や、[6]発酵に用いる醸造用酵母が、ワイン酵母であることを特徴とする上記[3]〜[5]のいずれかに記載の味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料の製造方法や、[7]上記[3]〜[6]のいずれかに記載の製造方法によって製造された発酵アルコール飲料を用いて、炭酸ガスを含む希釈水及び糖類、果汁、香料、酸味料、甘味料等を混合したアルコール飲料からなる。
本発明は、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた新タイプの発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供する。本発明の発酵アルコール飲料は、ミネラルを豊富に含み、ミネラル供給飲料としての栄養酒の機能も有する。
本発明は、ミネラル濃縮ホエイのようなホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することを特徴とする、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供することからなる。
<ミネラル濃縮ホエイ原料>
本発明において、「ミネラルホエイ」の調製原料として用いられる「ホエイ」としては、各種乳類から調製することができるが、一般的には、牛乳から、乳タンパク質の主成分であるカゼインと乳脂肪分を取り除いたものを用いることができ、該「ホエイ」は、「乳清」とも呼ばれ、水溶性のタンパク質、乳糖、水溶性のビタミン類、ミネラルを含んでいる。該ホエイ原料としては、チーズやカゼインの製造工程で副生するホエイを乾燥して製造されるホエイパウダーを用いることができる。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、発酵原料に用いられる「ミネラル濃縮ホエイ」は、各種ホエイの中から、ミネラル含有量が多いものによりホエイのミネラルを強化してミネラル高含有としたホエイであり、該ミネラル高含有ホエイは、市販のミネラル高含有のものから入手することができる。また、通常のホエイに対して、食品添加物として認可されている各種カルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、或いはミネラル類を多く含む食品類を添加することで調製することもできる。
本発明において、「ミネラルホエイ」の調製原料として用いられる「ホエイ」としては、各種乳類から調製することができるが、一般的には、牛乳から、乳タンパク質の主成分であるカゼインと乳脂肪分を取り除いたものを用いることができ、該「ホエイ」は、「乳清」とも呼ばれ、水溶性のタンパク質、乳糖、水溶性のビタミン類、ミネラルを含んでいる。該ホエイ原料としては、チーズやカゼインの製造工程で副生するホエイを乾燥して製造されるホエイパウダーを用いることができる。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法において、発酵原料に用いられる「ミネラル濃縮ホエイ」は、各種ホエイの中から、ミネラル含有量が多いものによりホエイのミネラルを強化してミネラル高含有としたホエイであり、該ミネラル高含有ホエイは、市販のミネラル高含有のものから入手することができる。また、通常のホエイに対して、食品添加物として認可されている各種カルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、或いはミネラル類を多く含む食品類を添加することで調製することもできる。
<ミネラル>
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法に用いられる「ミネラル濃縮ホエイ」は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのようなミネラルを10重量%以上に含むことが好ましく、更には13〜15重量%含むことがより好ましい。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法においては、該ミネラルが発酵終了液に所定量含まれるように、発酵原料に配合することができる。すなわち、ミネラル濃縮ホエイを、発酵終了液における、該ミネラル濃縮ホエイ由来のミネラルが、カルシウム100〜2,000ppm、カリウム190〜3,860ppm、ナトリウム110〜2,260ppmとなるように、発酵原料に配合することができる。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法に用いられる「ミネラル濃縮ホエイ」は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのようなミネラルを10重量%以上に含むことが好ましく、更には13〜15重量%含むことがより好ましい。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法においては、該ミネラルが発酵終了液に所定量含まれるように、発酵原料に配合することができる。すなわち、ミネラル濃縮ホエイを、発酵終了液における、該ミネラル濃縮ホエイ由来のミネラルが、カルシウム100〜2,000ppm、カリウム190〜3,860ppm、ナトリウム110〜2,260ppmとなるように、発酵原料に配合することができる。
また、ミネラル濃縮ホエイの発酵原料への配合を、発酵原料液におけるミネラルの濃度として、カルシウム濃度が90〜2,200ppm、カリウム濃度が170〜4,200ppm、及びナトリウム濃度が100〜2,500ppmになるように配合することができる。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法においては、発酵原料として、市販のミネラル高含有ホエイパウダーを用い、該ミネラル高含有ホエイパウダーの発酵前溶液への添加量が、0.67〜13.3w/v%の添加範囲であるように、添加して行うことができる。
<糖類>
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法は、ミネラル濃縮ホエイに、糖類を添加して、
醸造用酵母により発酵することによって、行われる。該発酵アルコール飲料の製造に用いられる糖類としては、ぶどう糖、果糖、ショ糖、澱粉分解物等、各種の糖類を用いることができるが、特に好ましい糖類としては、ぶどう糖を挙げることができる。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法においては、糖類を添加して、酵母による発酵を行うことにより、アルコール度数10〜15%(v/v)程度の発酵アルコール飲料を製造することができる。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法は、ミネラル濃縮ホエイに、糖類を添加して、
醸造用酵母により発酵することによって、行われる。該発酵アルコール飲料の製造に用いられる糖類としては、ぶどう糖、果糖、ショ糖、澱粉分解物等、各種の糖類を用いることができるが、特に好ましい糖類としては、ぶどう糖を挙げることができる。本発明の発酵アルコール飲料の製造方法においては、糖類を添加して、酵母による発酵を行うことにより、アルコール度数10〜15%(v/v)程度の発酵アルコール飲料を製造することができる。
<醸造用酵母>
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法に使用する酵母は、清酒酵母、ワイン酵母、焼酎酵母等、アルコール発酵できる醸造用酵母であればいずれも使用可能であるが、サッカロマイセス(Saccharomyces)属の酵母が好ましく、その中でも特にワイン醸造に使用されてきた酵母、すなわちワイン酵母を使用することが好ましい。また、乳糖の資化性酵母である、クルイベロミセスフラギリス(Kluyveromyces fragilis)を用いることができる。該醸造用酵母を乾燥酵母として、0.5%(w/v)程度添加し、発酵を行うことができる。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法に使用する酵母は、清酒酵母、ワイン酵母、焼酎酵母等、アルコール発酵できる醸造用酵母であればいずれも使用可能であるが、サッカロマイセス(Saccharomyces)属の酵母が好ましく、その中でも特にワイン醸造に使用されてきた酵母、すなわちワイン酵母を使用することが好ましい。また、乳糖の資化性酵母である、クルイベロミセスフラギリス(Kluyveromyces fragilis)を用いることができる。該醸造用酵母を乾燥酵母として、0.5%(w/v)程度添加し、発酵を行うことができる。
<発酵助剤>
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法は、ミネラル濃縮ホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することにより行うことができる。該アルコール発酵の発酵補助剤としては、通常、酵母を用いた発酵において用いられる、発酵助剤を挙げることができ、例えば、酵母エキス、リン酸水素二アンモニウム、乳酸などを挙げることができる。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法は、ミネラル濃縮ホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することにより行うことができる。該アルコール発酵の発酵補助剤としては、通常、酵母を用いた発酵において用いられる、発酵助剤を挙げることができ、例えば、酵母エキス、リン酸水素二アンモニウム、乳酸などを挙げることができる。
<発酵>
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法における発酵方法としては、発酵原料として、ミネラル濃縮ホエイ及び糖類を用いる点を除いて、通常の醸造酵母を用いた、発酵アルコール飲料の製造方法と変わるところはない。本発明の方法を用いて20℃で10〜15日間程度発酵しても濁りは生じず、5EBC以下の濁度の発酵終了液が得られる。
本発明の発酵アルコール飲料の製造方法における発酵方法としては、発酵原料として、ミネラル濃縮ホエイ及び糖類を用いる点を除いて、通常の醸造酵母を用いた、発酵アルコール飲料の製造方法と変わるところはない。本発明の方法を用いて20℃で10〜15日間程度発酵しても濁りは生じず、5EBC以下の濁度の発酵終了液が得られる。
本発明の発酵アルコール飲料は、そのまま必要に応じて殺菌処理を行った後でビン、缶、PETなどの容器に充填して流通、販売することができる。更には、該発酵アルコール飲料を原料として、通常の方法に則り、炭酸ガスを含む希釈水及び糖類、果汁、香料、酸味料、甘味料等を混合して新たなアルコール飲料を調製することも可能である。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、該実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜10]
表1に示す配合を混合して発酵原料液を調製した。ミネラル濃縮ホエイパウダーとしては市販のオーストラリアMurray Goulburn社製Rochester Whey Powderを使用した。なお、本ホエイパウダー中のミネラル分は13重量%以上15重量%以下に規格化されている。調整した発酵原料液を70℃で殺菌した後、それぞれに乾燥ワイン酵母(Anchor社製)を0.5gずつ加え、20℃で発酵した後、遠心分離で酵母を除去し、実施例1から10の乳酒を製造した。
表1に示す配合を混合して発酵原料液を調製した。ミネラル濃縮ホエイパウダーとしては市販のオーストラリアMurray Goulburn社製Rochester Whey Powderを使用した。なお、本ホエイパウダー中のミネラル分は13重量%以上15重量%以下に規格化されている。調整した発酵原料液を70℃で殺菌した後、それぞれに乾燥ワイン酵母(Anchor社製)を0.5gずつ加え、20℃で発酵した後、遠心分離で酵母を除去し、実施例1から10の乳酒を製造した。
発酵終了までの日数ならびに得られた発酵終了液の香味、外観を表2に示す。香味は官能評価能力に優れた専門パネラー4名によっておこなった。また、EBC濁度は、シグリスト社製濁度計を使用して試料を予め20℃に調温した後、測定波長650nmで測定した。結果、いずれもミルク感に優れた、透明で濁りの少ない乳酒が製造できた。
[比較例1及び2]
実施例3の配合においてミネラル濃縮ホエイパウダーに代えて、ホエイパウダー(国産汎用品)と脱塩ホエイパウダー(アイルランドKerry社製Li−W745)を使用し、実施例と同様に発酵をおこない比較例1及び2の乳酒を製造した。これらのホエイパウダー中のミネラル含用はそれぞれ5.5重量%、5.2重量%である。
実施例3の配合においてミネラル濃縮ホエイパウダーに代えて、ホエイパウダー(国産汎用品)と脱塩ホエイパウダー(アイルランドKerry社製Li−W745)を使用し、実施例と同様に発酵をおこない比較例1及び2の乳酒を製造した。これらのホエイパウダー中のミネラル含用はそれぞれ5.5重量%、5.2重量%である。
原料に(脱塩処理したものを含む)ホエイを使用しても、ミネラル濃度が本発明の範囲にない比較例はミルク感が弱く、すっきりさに欠けた香味であった。また外観も白濁していた。
本発明は、増強されたミルク感を有するにもかかわらず、濁りがなく透明で、スッキリした味を具備した、味覚・透明感に優れた新タイプの発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供する。本発明の発酵アルコール飲料は、ミネラルを豊富に含み、ミネラル供給飲料としての栄養酒の機能も有する。
Claims (7)
- ホエイを発酵原料として製造され、カルシウム90〜2,200ppm、カリウム170〜4,200ppm、ナトリウム100〜2,500ppmを含み、かつ濁度が5EBC未満である、ミルク感を有するコクと、透明で、スッキリ感を具備した味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料。
- ホエイ発酵原料が、ミネラル濃縮ホエイであることを特徴とする請求項1に記載の発酵アルコール飲料。
- ミネラル濃縮ホエイ、糖類、及び発酵助剤を発酵原料とし、該発酵原料を醸造用酵母により発酵することを特徴とする請求項1又は2に記載の発酵アルコール飲料の製造方法。
- ミネラル濃縮ホエイを、発酵終了液における、該ミネラルホエイ由来のミネラルが、カルシウム100〜2,000ppm、カリウム190〜3,860ppm、ナトリウム110〜2,260ppmとなるように、発酵原料に配合することを特徴とする請求項3に記載の味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料の製造方法。
- ミネラル濃縮ホエイの発酵原料への配合が、発酵原料液におけるミネラルの濃度で、カルシウム濃度が90〜2,200ppm、カリウム濃度が170〜4,200ppm、及びナトリウム濃度が100〜2,500ppmに調整された濃度であることを特徴とする請求項4に記載の味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料の製造方法。
- 発酵に用いる醸造用酵母が、ワイン酵母であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の味覚・透明感に優れた発酵アルコール飲料の製造方法。
- 請求項3〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された発酵アルコール飲料を用いて、炭酸ガスを含む希釈水及び糖類、果汁、香料、酸味料、甘味料等を混合したアルコール飲料。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018180463A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2018-10-04 | アサヒ飲料株式会社 | ヨーグルト様飲料、容器詰め飲料およびヨーグルト様飲料の後味改善方法 |
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