JP2016141911A - 湿式紡糸法における高性能な繊維とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボイドの少ない凝固繊維と、高い生産性で、かつ、環境負荷低減に配慮しながら前記凝固繊維を製造する製造方法の提供。
【解決手段】紡糸原液を紡糸ノズルの吐出孔から凝固液内に吐出し凝固液から引き上げられた凝固繊維であって、繊維軸方向に垂直な断面において、80μm2以上のボイドが、8000μm2内に2個以下である凝固繊維である。ビニル系重合体をイオン液体に溶解して紡糸原液とし、これを湿式紡糸法により繊維化する繊維の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】紡糸原液を紡糸ノズルの吐出孔から凝固液内に吐出し凝固液から引き上げられた凝固繊維であって、繊維軸方向に垂直な断面において、80μm2以上のボイドが、8000μm2内に2個以下である凝固繊維である。ビニル系重合体をイオン液体に溶解して紡糸原液とし、これを湿式紡糸法により繊維化する繊維の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、湿式紡糸法における高性能な繊維とその製造方法に関する。
繊維製品は衣類や医療や資材用途など、様々な分野で利用されている。特にアクリル繊維はウールに近い風合いや、優れた弾性回復力、耐収縮性、耐薬品性等の特長を有し、また、抗菌、防臭、静電、発熱等様々な機能を付与することが可能であることから、機能性繊維としても広く利用されている。さらに、近年では鉄に代わる工業材料として炭素繊維複合材料が注目を集めているが、アクリル繊維はその原糸となるため、アクリル繊維のさらなる力学性能の向上が求められている。
繊維の工業的な紡糸方法としては、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法、溶融紡糸法等が実用化されているが、特に生産性に優れている湿式紡糸法が最も一般的な紡糸方法である。この湿式紡糸法は、紡糸原液である高分子溶液を溶剤と水の混合液である凝固液中に吐出し、紡糸原液内のポリマーを凝固させて繊維を形成する方法であり、乾湿式紡糸法や乾式紡糸法や溶融紡糸法と比較して紡糸ノズルの吐出孔密度を高くすることが出来るため、生産性を向上する上で有利と考えられている。
アクリル繊維の紡糸においては、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法が用いられるのが一般的である。どちらの製法においても、ノズルから吐出された紡糸原液は紡浴内の凝固液を通過することで凝固やゲル化が進行し、繊維形成される。凝固液は一般的には紡糸原液に用いられる溶媒と水の混合液が用いられ、温度や濃度の調節によって、生産が安定で、かつ均一な繊維構造となるように製造する。
しかし、従来の溶媒を用いた方法では、ノズルから吐出された紡糸原液と凝固液との境界で、溶剤と凝固液の急速な相互拡散とそれによる繊維の凝固形成が急激に進行し、均一な形態の繊維を得ることは容易ではなかった。特に、資材用途や炭素繊維の原糸としてのアクリル繊維では基本的にはボイドレスで密な繊維構造が好ましいが、従来の溶媒を用いた方法では制御が困難であり、繊維内部にボイドが形成されやすいという欠点があった。
また、従来の方法ではノズルから吐出されたほぼ無配向のままの高分子が即座に急激に凝固されるため、破断しやすく、紡浴内での引き取り速度を向上させ生産性を上げることは困難であった。
また、従来の溶媒を用いた方法では、大量の溶媒を回収するために膨大なコストがかかることや、環境汚染等の問題もあった。
また、従来の方法ではノズルから吐出されたほぼ無配向のままの高分子が即座に急激に凝固されるため、破断しやすく、紡浴内での引き取り速度を向上させ生産性を上げることは困難であった。
また、従来の溶媒を用いた方法では、大量の溶媒を回収するために膨大なコストがかかることや、環境汚染等の問題もあった。
これらの問題はアクリル繊維の紡糸として一般的な湿式紡糸法および乾湿式紡糸法のどちらにも起こることであったが、特に湿式紡糸法ではそれが重大な問題となっていた。
この問題に対して、特許文献1では、ポリアクリロニトリル重合体とイオン液体とを混合し溶融紡糸をするという新しい製造方法を報告している。この方法は溶融紡糸法であるため多量の溶媒を使わない利点があり、環境負荷低減が考えられるが、PANの分解温度に近い高い温度をかける必要があるため熱安定性が悪いという問題が残っていた。また溶融紡糸であるために工業的には従来の湿式紡糸法と比較して生産性が低く、湿式紡糸法における本来の課題解決とは方向性が異なっていた。
また、非特許文献1ではイオン液体を用いたアクリロニトリルの重合および乾湿式紡糸法を報告している。この報告は凝固液が完全な水であり、従来の乾湿式紡糸方法と比較して溶媒の使用が抑えられるため、環境負荷低減という面でのメリットは大きい。しかし、強度、伸度といった物性面では、従来の産業用アクリル繊維を上回る性能は得られていなかった。
また、非特許文献2では、分子量が230万である超高分子量のポリアクリロニトリル重合体をDMFに溶解し、マイナス40℃のメタノールの凝固液で乾湿紡糸することで繊維内部のボイドの形成を抑制し、さらに超延伸することで高物性なアクリル繊維を報告している。しかし、かかる方法はその分子量の高さから溶解が困難であり、紡糸原液中のポリマー濃度を下げなければならず、これより生産性に問題が残っていた。
また、特許文献1、非特許文献1および非特許文献2はいずれも溶融紡糸もしくは乾湿式紡糸法を採用しており、生産性の面で最も有利な湿式紡糸法では問題が残されていた。
「ポリマーズ・アドバンスド・テクノロジーズ」(Polym.Adv.Technol),2008年、第20巻,p.857〜862
「ポリマー」(Polymer),2006年、第47巻,p.4445〜4453.
前記のように、一般的に湿式紡糸法ではその凝固形成過程において、初期繊維と凝固液との境界で急速な相互拡散とそれによる急速な凝固形成が起こり、これより繊維内部にボイド等の欠陥が発生しやすい。また、生産性が下がりやすい。
ボイドの発生を抑制するために、凝固液に溶剤を大量に用いる方法や、凝固液を氷点下に下げる方法が知られているが、これらの方法では環境負荷問題や生産性が低いといった課題が残されている。
本発明の課題は、ボイドの少ない凝固繊維と、高い生産性で、かつ、環境負荷低減に配慮しながら前記凝固繊維を製造する製造方法と提供する。
ボイドの少ない凝固繊維を得ることで、欠点の少ない高強度の繊維を得ることが期待できる。
ボイドの発生を抑制するために、凝固液に溶剤を大量に用いる方法や、凝固液を氷点下に下げる方法が知られているが、これらの方法では環境負荷問題や生産性が低いといった課題が残されている。
本発明の課題は、ボイドの少ない凝固繊維と、高い生産性で、かつ、環境負荷低減に配慮しながら前記凝固繊維を製造する製造方法と提供する。
ボイドの少ない凝固繊維を得ることで、欠点の少ない高強度の繊維を得ることが期待できる。
本発明の繊維は、紡糸原液を紡糸ノズルの吐出孔から凝固液内に吐出し凝固液から引き上げられた凝固繊維であって、繊維軸方向に垂直な断面において、80μm2以上のボイドが、8000μm2内に2個以下である凝固繊維である。
本発明の繊維は、膨潤度が250〜800質量%であることが好ましい。
本発明の繊維は、膨潤度が250〜800質量%であることが好ましい。
また、本発明の繊維の製造方法は、ビニル系重合体をイオン液体に溶解して紡糸原液とし、これを湿式紡糸法により繊維化する繊維の製造方法である。
本発明の繊維の製造方法は、前記ビニル系重合体がポリアクリロニトリル系重合体であることが好ましい。
本発明の繊維の製造方法は、前記ポリアクリロニトリル系重合体の極限粘度が1.3〜2.0であり、アクリロニトリルの共重合率が90モル%以上であることが好ましい。
本発明の繊維の製造方法は、前記イオン液体のカチオン種がイミダゾリウム系であることが好ましい。
さらに、本発明の繊維の製造方法は、前記イオン液体のカチオン種が1, 3−ジアルキルイミダゾリウム系であることが好ましい。
また、本発明の繊維の製造方法は、前記イオン液体のカチオン種が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのいずれか1種以上であることが好ましい。
また、本発明の繊維の製造方法は、前記イオン液体のカチオン種が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのいずれか1種以上であることが好ましい。
本発明の繊維の製造方法は、前記イオン液体のアニオン種が塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンのいずれか1種以上であることが好ましい。
さらに、本発明の繊維の製造方法は、前記イオン液体が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドのいずれか1種以上であることが好ましい。
また、本発明の繊維の製造方法は、ポリアクリロニトリル系重合体の含有量が、紡糸原液の質量に対して5〜30質量%であることが好ましい。
また、本発明の繊維の製造方法は、ポリアクリロニトリル系重合体の含有量が、紡糸原液の質量に対して5〜30質量%であることが好ましい。
本発明の繊維の製造方法は、紡糸原液の温度が20〜120℃であり、かつ、凝固液は水の含有量が30〜100質量%であり、かつ凝固液の温度が0℃〜60℃であることが好ましい。
本発明によれば、室温に近い凝固液温度での湿式紡糸法にもかかわらず、凝固速度を緩やかな速度に抑えることができ、これより、繊維中のボイド等の欠陥の発生を抑制できる。また、本発明では、これらの効果を高い生産性で、かつ、環境負荷低減に配慮しながら達成することが可能となる。
[ビニル系重合体]
本発明においてビニル系重合体とは以下のモノマーを使用することができる。即ち、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ウラリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類;p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属塩などが例示できる。
なかでも、ビニル系重合体を形成するモノマーとしてアクリロニトリルを用いたポリアクリロニトリル系重合体(以下、「PAN系重合体」と略する場合がある)は、繊維にした時の耐光性に優れているので好ましい。
本発明においてビニル系重合体とは以下のモノマーを使用することができる。即ち、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ウラリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類;p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属塩などが例示できる。
なかでも、ビニル系重合体を形成するモノマーとしてアクリロニトリルを用いたポリアクリロニトリル系重合体(以下、「PAN系重合体」と略する場合がある)は、繊維にした時の耐光性に優れているので好ましい。
[PAN系重合体]
本発明において、好適に使用できるPAN系重合体について説明する。
PAN系重合体としては、アクリロニトリル(AN)の単独重合体(PAN単独重合体)、又はANと他のモノマーとの共重合体(PAN系共重合体)を用いることができる。(以下、PAN単独重合体とPAN系共重合体を合わせて、適宜「PAN系重合体」と略する)
本発明において、好適に使用できるPAN系重合体について説明する。
PAN系重合体としては、アクリロニトリル(AN)の単独重合体(PAN単独重合体)、又はANと他のモノマーとの共重合体(PAN系共重合体)を用いることができる。(以下、PAN単独重合体とPAN系共重合体を合わせて、適宜「PAN系重合体」と略する)
紡糸安定性を高め、アクリル繊維、およびそれからなる耐炎繊維、炭素繊維の品位並びに性能を向上させるために、PAN系重合体は、AN由来の構造単位を90.0モル%以上含むことが好ましい。AN由来の構造単位が90.0モル%以上であれば高い紡糸安定性と延伸性を確保しやすい。AN由来の構造単位は94.0モル%以上がより好ましい。
共重合するモノマーとしては、ANと共重合可能なモノマーであれば特に制限されず、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド等の不飽和モノマー類;メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属類などが挙げられる。これら他のモノマーは1種単独又は2種以上を併用して使用することができる。
[分子量(極限粘度)]
本発明の繊維に使用するPAN系重合体などのビニル系重合体の極限粘度は、1.3〜2.0である。1.3以上であれば、後述する延伸工程にて高い延伸を達成しやすく、2.0以下であれば安定的な高い生産性を達成しやすい。前記観点から、極限粘度は1.4〜1.8がより好ましく、1.5〜1.7がさらに好ましい。
本発明の繊維に使用するPAN系重合体などのビニル系重合体の極限粘度は、1.3〜2.0である。1.3以上であれば、後述する延伸工程にて高い延伸を達成しやすく、2.0以下であれば安定的な高い生産性を達成しやすい。前記観点から、極限粘度は1.4〜1.8がより好ましく、1.5〜1.7がさらに好ましい。
[重合方法]
PAN系重合体等のビニル系重合体を重合する方法は、特に限定されるものではなく、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。
PAN系重合体等のビニル系重合体を重合する方法は、特に限定されるものではなく、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。
[イオン液体]
イオン液体は、100℃以下で液体状態となる、比較的分子サイズの大きな有機イオンなどからなる低温溶融塩の一種である。その特長として、例えば以下のようなことが挙げられる。
イオン液体は、100℃以下で液体状態となる、比較的分子サイズの大きな有機イオンなどからなる低温溶融塩の一種である。その特長として、例えば以下のようなことが挙げられる。
(1)不燃性で蒸気圧が極めて低いため、爆発や火災の危険性が低い(2)蒸気圧が極めて低いため、肺への吸引の確率が極めて低い(3)化学的・熱的に安定であるので、リサイクル性が良い(4)アニオン・カチオンの組合せパターンが豊富で、親水疎性や粘度、融点等の特性をチューニングできる(5)様々な物質を溶解することができる(5)イオン液体種により、水と任意に混合・分離させることができる(6)過冷却状態で比較的安定な液体として使用できる。
これらの性質はアクリル繊維開発においても、有用となる。本発明では凝固浴の凝固液として水を用いた場合も急な凝固が起こらず、比較的ゆっくりとした相互拡散と、それと競合しておこるゲル化によりボイド形成を伴う急な凝固が抑制され、均一な繊維を達成している。このことから、従来よりも溶剤使用量を削減でき、また、環境面でも従来の生産方法のように有害な揮発性有機溶剤を吸引・排気することなく製造できるため、排気設備等のコスト低減効果がある。
本発明におけるイオン液体は、カチオン種としてはアンモニウム系、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ピロリジニウム系等が使用でき、また、アニオン系としてはハロゲン系、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロリン酸、ジシアナミド、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド等を用いる事ができるが、これらに特に限定されることなく、これら以外のものであっても良い。その中でも、カチオン種ではイミダゾリウム系、特に1,3−ジアルキルイミダゾリウム系であることが熱安定性やコストの面から好ましい。
また、アニオン種はハロゲン系であることが親水性や融点の面から好ましく、さらには塩素イオンであることがコストの面からより好ましい。
また、アニオン種はハロゲン系であることが親水性や融点の面から好ましく、さらには塩素イオンであることがコストの面からより好ましい。
カチオン種がイミダゾリウム系、アニオン種がハロゲン系であるものとして、例えば、1,3−ジアルキルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムブロミド、1,3−ジアルキルイミダゾリウムヨージドなどが挙げられる。その中でも、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドやそれらの混合物は熱安定性、コスト面に加え、低い融点であること等から、最も好ましい。
[紡糸原液]
本発明において、紡糸原液は前記のPAN系重合体を、前記のイオン液体に溶解することにより得られる。溶解の方法は特に限定されないが、イオン液体の融点以上の溶融状態、もしくは過冷却液体状態においてPAN系重合体等のビニル系重合体を分散し、スラリーを作製し、その後、高温にすることで原液とすることが望ましい。
少量であれば自転・公転ミキサー等を用いて溶解することもできる。特に減圧状態でミキサーを利用すると樹脂粉末間の空気を除去することが出来、PAN系重合体の分散が極めて容易となり、高効率である。また、場合によっては溶解時に生じる発熱を利用して重合体を溶解することも可能である。
本発明において、紡糸原液は前記のPAN系重合体を、前記のイオン液体に溶解することにより得られる。溶解の方法は特に限定されないが、イオン液体の融点以上の溶融状態、もしくは過冷却液体状態においてPAN系重合体等のビニル系重合体を分散し、スラリーを作製し、その後、高温にすることで原液とすることが望ましい。
少量であれば自転・公転ミキサー等を用いて溶解することもできる。特に減圧状態でミキサーを利用すると樹脂粉末間の空気を除去することが出来、PAN系重合体の分散が極めて容易となり、高効率である。また、場合によっては溶解時に生じる発熱を利用して重合体を溶解することも可能である。
イオン液体を用いた紡糸原液の作製において、その撹拌方法などは特に限定されない。
一般的に、有機溶媒(例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)を用いてPAN系重合体を溶解した紡糸原液よりも、同じポリマー濃度、同じ温度である場合は、イオン液体を用いた場合の方が粘度は高くなる。それゆえ、トルクのあるニーダー等で混合撹拌することが好ましい。また、原液中に気泡が存在する場合は、減圧脱泡処理等を施すことが、後述する紡糸工程での糸切れ抑制の観点から好ましい。また、少量である場合は、市販されている自転・公転ミキサー等を用いる事も、簡便性の観点から好ましい。
一般的に、有機溶媒(例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)を用いてPAN系重合体を溶解した紡糸原液よりも、同じポリマー濃度、同じ温度である場合は、イオン液体を用いた場合の方が粘度は高くなる。それゆえ、トルクのあるニーダー等で混合撹拌することが好ましい。また、原液中に気泡が存在する場合は、減圧脱泡処理等を施すことが、後述する紡糸工程での糸切れ抑制の観点から好ましい。また、少量である場合は、市販されている自転・公転ミキサー等を用いる事も、簡便性の観点から好ましい。
原液におけるビニル系重合体の濃度は、5〜30質量%であることが好ましい。5%以上であると後述する延伸工程にて、高い延伸倍率を達成しやすく、また、30%を以下であれば原液タンク内でのゲル化が進行しにくい。
前記観点から、原液の前記濃度は10〜20質量%がより好ましい。
前記観点から、原液の前記濃度は10〜20質量%がより好ましい。
また、原液の温度は20℃〜120℃であることが好ましい。20℃以上であれば原液粘度の観点から扱いやすく、また、120℃以下であれば原液タンク内でのゲル化の進行を起こしにくい。
前記観点から、原液の温度は、60〜110℃がより好ましく、75〜100℃がさらに好ましい。
前記観点から、原液の温度は、60〜110℃がより好ましく、75〜100℃がさらに好ましい。
[紡糸手段]
本発明において、紡糸原液はノズルの吐出孔から押し出され、凝固液で凝固やゲル化形成が進行することで繊維形成される。紡糸方法は生産性の面で有利な湿式紡糸法を採用できる。
本発明において、紡糸原液はノズルの吐出孔から押し出され、凝固液で凝固やゲル化形成が進行することで繊維形成される。紡糸方法は生産性の面で有利な湿式紡糸法を採用できる。
[凝固浴]
凝固浴に満たされた凝固液の組成は水、もしくは水とイオン液体の混合液であると良く、凝固の観点から、凝固液の水の組成が30〜100質量%以上であることが好ましい。30質量%以上であれば適度な凝固速度のもとで安定的な紡糸が可能となる。
ビニル系重合体が凝固する際にイオン液体が凝固液に抽出し、凝固液のイオン液体の濃度が増加するので、水を供給することにより、凝固液の水の組成が30質量%以上に保つことが好ましい。
前記凝固液の水の含有率は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
凝固浴に満たされた凝固液の組成は水、もしくは水とイオン液体の混合液であると良く、凝固の観点から、凝固液の水の組成が30〜100質量%以上であることが好ましい。30質量%以上であれば適度な凝固速度のもとで安定的な紡糸が可能となる。
ビニル系重合体が凝固する際にイオン液体が凝固液に抽出し、凝固液のイオン液体の濃度が増加するので、水を供給することにより、凝固液の水の組成が30質量%以上に保つことが好ましい。
前記凝固液の水の含有率は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
凝固浴内の凝固液の温度は0℃以上40℃以下であることが、凝固の観点から好ましい。0℃以上であることで、適度な凝固速度のもとで安定的な紡糸が可能となる。また、40℃以下であることで繊維中のボイドの発生を抑制することができる。
凝固液の安定化の点で、前記温度は1℃以上が好ましく、5℃以上がさらに好ましい。また、繊維中のボイドの発生を抑制する観点から、前記温度は30℃以下がより好ましく、15℃以下がさらに好ましい。
凝固液の安定化の点で、前記温度は1℃以上が好ましく、5℃以上がさらに好ましい。また、繊維中のボイドの発生を抑制する観点から、前記温度は30℃以下がより好ましく、15℃以下がさらに好ましい。
なお、本発明において凝固液を通過した繊維は当然、一般的は湿式紡糸法と同様に、後に続く工程として洗浄工程や延伸工程、乾燥工程を経てより高品質な繊維としても良い。
[凝固繊維の形態]
本発明の繊維は、紡糸原液を紡糸ノズルの吐出孔から凝固液内に吐出し凝固液から引き上げられた凝固繊維であって、凝固繊維内部に大きなボイド(マクロボイド)が少なく、密な繊維構造を形成しているという特長がある。具体的には繊維軸方向に垂直な断面において、80μm2以上のボイドが、8000μm2内に2個以下であるという特長がある。繊維軸方向に垂直な断面において80μm2以上のボイドが8000μm2内に2個以下であることで、凝固繊維を延伸して成るアクリル繊維やそれを焼成して成る耐炎繊維、炭素繊維等の力学物性発現に有利となる。
ボイドの評価方法は実施例の項に記載の通りである。
本発明の繊維は、紡糸原液を紡糸ノズルの吐出孔から凝固液内に吐出し凝固液から引き上げられた凝固繊維であって、凝固繊維内部に大きなボイド(マクロボイド)が少なく、密な繊維構造を形成しているという特長がある。具体的には繊維軸方向に垂直な断面において、80μm2以上のボイドが、8000μm2内に2個以下であるという特長がある。繊維軸方向に垂直な断面において80μm2以上のボイドが8000μm2内に2個以下であることで、凝固繊維を延伸して成るアクリル繊維やそれを焼成して成る耐炎繊維、炭素繊維等の力学物性発現に有利となる。
ボイドの評価方法は実施例の項に記載の通りである。
[膨潤度]
本発明の繊維は膨潤度が250〜800質量%と、一般的な溶剤を用いて作製された凝固繊維よりも比較的高いという特長がある。250質量%以上であることは繊維内部のマクロボイド等の欠陥が少ないということと関係しており、繊維の力学物性発現の面で好ましい。また、800質量%以下であれば連続生産において凝固液のロスを低減でき、コストの面で好ましい。
本発明の凝固繊維の膨潤度が比較的高いことは、前途のようにマクロボイドが少ないということに起因している。本発明の凝固繊維はボイドの全体数が少なく、ボイドが形成したとしても80μm2以下の小さなボイド(ミクロボイド)がその多くを占める。ミクロボイドは水を内包しやすいため、本発明の凝固繊維は一般的な溶剤を用いて作製された凝固繊維よりも膨潤度が高くなりやすいのである。
膨潤度の評価方法は実施例の項に記載の通りである。
本発明の繊維は膨潤度が250〜800質量%と、一般的な溶剤を用いて作製された凝固繊維よりも比較的高いという特長がある。250質量%以上であることは繊維内部のマクロボイド等の欠陥が少ないということと関係しており、繊維の力学物性発現の面で好ましい。また、800質量%以下であれば連続生産において凝固液のロスを低減でき、コストの面で好ましい。
本発明の凝固繊維の膨潤度が比較的高いことは、前途のようにマクロボイドが少ないということに起因している。本発明の凝固繊維はボイドの全体数が少なく、ボイドが形成したとしても80μm2以下の小さなボイド(ミクロボイド)がその多くを占める。ミクロボイドは水を内包しやすいため、本発明の凝固繊維は一般的な溶剤を用いて作製された凝固繊維よりも膨潤度が高くなりやすいのである。
膨潤度の評価方法は実施例の項に記載の通りである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例において、各物性値及び特性は以下の方法により測定した。
実施例において、各物性値及び特性は以下の方法により測定した。
<共重合体組成>
1H−NMR法(日本電子GSX−400型超伝導FT−NMR)により測定した。
1H−NMR法(日本電子GSX−400型超伝導FT−NMR)により測定した。
<極限粘度測定>
試料を絶乾後、150mg精秤し、DMFを加え25℃で50mlとし完全に溶解する。25℃にコントロールされた恒温槽中でオストワルド粘度計を使用して、ブランクDMF液と試料を溶解したサンプルDMF液の落下時間を測定する。それぞれ5回の平均値を求め、ブランクDMF液の落下時間をt0、サンプルDMF液の落下時間をtとして比粘度ηspを次式1で求め、次式2によって極限粘度[η]を求めた。
ηsp=(t/t0)−1 ・・・(1)
[η]={(1+1.32×ηsp)1/2−1}/0.198 ・・・(2)
試料を絶乾後、150mg精秤し、DMFを加え25℃で50mlとし完全に溶解する。25℃にコントロールされた恒温槽中でオストワルド粘度計を使用して、ブランクDMF液と試料を溶解したサンプルDMF液の落下時間を測定する。それぞれ5回の平均値を求め、ブランクDMF液の落下時間をt0、サンプルDMF液の落下時間をtとして比粘度ηspを次式1で求め、次式2によって極限粘度[η]を求めた。
ηsp=(t/t0)−1 ・・・(1)
[η]={(1+1.32×ηsp)1/2−1}/0.198 ・・・(2)
<ボイドの確認>
厚さ0.5mmのステンレス板に直径2.0mmの穴を施したプレートを用意し、このプレートの穴に凝固繊維束をはめ込み、カッターで該繊維束の断面を繊維内部に凝固液を含んだ状態のまま切り出し、オリンパス社製のデジタルマイクロスコープ「DSX500」にて観察した。ボイドの面積は前記デジタルマイクロスコープで撮影した画像を、同じくオリンパス社製の画像解析ソフト「ストリームエッセンシャルズバージョン1.8」に移動して解析した。
評価対象数を30フィラメントとし、各々のフィラメントにおいて80μm2以上のボイドが8000μm2内に何個存在するかを評価し、その平均から個数を算出した。なお、この個数の算出においては小数点第一位を四捨五入することで整数とした。
厚さ0.5mmのステンレス板に直径2.0mmの穴を施したプレートを用意し、このプレートの穴に凝固繊維束をはめ込み、カッターで該繊維束の断面を繊維内部に凝固液を含んだ状態のまま切り出し、オリンパス社製のデジタルマイクロスコープ「DSX500」にて観察した。ボイドの面積は前記デジタルマイクロスコープで撮影した画像を、同じくオリンパス社製の画像解析ソフト「ストリームエッセンシャルズバージョン1.8」に移動して解析した。
評価対象数を30フィラメントとし、各々のフィラメントにおいて80μm2以上のボイドが8000μm2内に何個存在するかを評価し、その平均から個数を算出した。なお、この個数の算出においては小数点第一位を四捨五入することで整数とした。
<膨潤度測定>
凝固繊維の表面の付着水を吸水紙で十分除去した後の質量(W)と、これを150℃で1時間、熱風乾燥機を用いて乾燥した後の質量(W0)とから、以下の計算式を用いて凝固繊維の膨潤度(B)(%)を求めた。
B(%)={(W−W0)/W0}×100
凝固繊維の表面の付着水を吸水紙で十分除去した後の質量(W)と、これを150℃で1時間、熱風乾燥機を用いて乾燥した後の質量(W0)とから、以下の計算式を用いて凝固繊維の膨潤度(B)(%)を求めた。
B(%)={(W−W0)/W0}×100
[実施例1]
ポリアクリロニトリル(極限粘度=1.56、数平均分子量=190,000、AN組成≧99%)をBmimCLに溶解し、15質量%のPAN系重合体含有溶液を調製した。該PAN系重合体含有溶液を90℃まで加温し、同じく90℃に加温した原液タンクに詰め、紡糸原液とした。紡糸原液は直径0.34mmの1ホールのノズルから0.14g/minで定量吐出した。凝固液は10℃の水として凝固繊維を得た。
凝固液内での繊維内外のBmimCLと水の相互拡散は遅く、凝固液内では繊維は透明であり、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は1個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は651%であった。
ポリアクリロニトリル(極限粘度=1.56、数平均分子量=190,000、AN組成≧99%)をBmimCLに溶解し、15質量%のPAN系重合体含有溶液を調製した。該PAN系重合体含有溶液を90℃まで加温し、同じく90℃に加温した原液タンクに詰め、紡糸原液とした。紡糸原液は直径0.34mmの1ホールのノズルから0.14g/minで定量吐出した。凝固液は10℃の水として凝固繊維を得た。
凝固液内での繊維内外のBmimCLと水の相互拡散は遅く、凝固液内では繊維は透明であり、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は1個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は651%であった。
[実施例2]
イオン液体としてEmimCLを使用した点以外は実施例1と同様の方法で凝固繊維を得た。凝固液内での繊維内外のEmimCLと水の相互拡散は遅く、凝固液内では繊維は透明であり、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は1個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は468%であった。
イオン液体としてEmimCLを使用した点以外は実施例1と同様の方法で凝固繊維を得た。凝固液内での繊維内外のEmimCLと水の相互拡散は遅く、凝固液内では繊維は透明であり、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は1個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は468%であった。
[実施例3]
凝固液の水の温度を60℃にした点以外は実施例1と同様の方法で凝固繊維を得た。凝固液内での繊維内外のEmimCLと水の相互拡散は遅く、凝固液内では繊維は半透明であり、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は2個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は530%であった。
凝固液の水の温度を60℃にした点以外は実施例1と同様の方法で凝固繊維を得た。凝固液内での繊維内外のEmimCLと水の相互拡散は遅く、凝固液内では繊維は半透明であり、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は2個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は530%であった。
[比較例1]
溶媒をDMAcとした点以外は実施例1と同様の方法でアクリル繊維を得た。紡糸原液がノズルから凝固液に吐出された瞬間に繊維は白化しており、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は6個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は210%であった。
溶媒をDMAcとした点以外は実施例1と同様の方法でアクリル繊維を得た。紡糸原液がノズルから凝固液に吐出された瞬間に繊維は白化しており、凝固繊維断面中の8000μm2内に存在する80μm2以上のボイドの個数は6個であった。また、この凝固繊維の膨潤度は210%であった。
1 ヒーター
2 原液タンク
3 ノズル
4 ロール
5 凝固浴
6 凝固液
7 液面
8 凝固繊維
9 ワインダー
2 原液タンク
3 ノズル
4 ロール
5 凝固浴
6 凝固液
7 液面
8 凝固繊維
9 ワインダー
Claims (12)
- 紡糸原液を紡糸ノズルの吐出孔から凝固液内に吐出し凝固液から引き上げられた凝固繊維であって、繊維軸方向に垂直な断面において、80μm2以上のボイドが、8000μm2内に2個以下である凝固繊維。
- 膨潤度が250〜800質量%である請求項1に記載の凝固繊維。
- ビニル系重合体をイオン液体に溶解して紡糸原液とし、これを湿式紡糸法により繊維化する繊維の製造方法。
- 前記ビニル系重合体がポリアクリロニトリル系重合体である請求項3に記載の繊維の製造方法。
- 前記ポリアクリロニトリル系重合体の極限粘度が1.3〜2.0であり、アクリロニトリルの共重合率が90モル%以上である請求項4に記載の繊維の製造方法。
- 前記イオン液体のカチオン種がイミダゾリウム系である請求項3〜5に記載の繊維の製造方法。
- 前記イオン液体のカチオン種が1, 3−ジアルキルイミダゾリウム系である請求項6に記載の繊維の製造方法。
- 前記イオン液体のカチオン種が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのいずれか1種以上である請求項7に記載の繊維の製造方法。
- 前記イオン液体のアニオン種が塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンのいずれか1種以上である請求項3〜8に記載の繊維の製造方法。
- 前記イオン液体が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドのいずれか1種以上である請求項3〜9に記載の繊維の製造方法。
- ポリアクリロニトリル系重合体の含有量が、紡糸原液の質量に対して5〜30質量%である請求項3〜10に記載の繊維の製造方法。
- 紡糸原液の温度が20〜120℃であり、かつ、凝固液は水の含有量が30〜100質量%であり、かつ凝固液の温度が0℃〜60℃である請求項3〜11に記載の繊維の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2015019835A JP2016141911A (ja) | 2015-02-04 | 2015-02-04 | 湿式紡糸法における高性能な繊維とその製造方法 |
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2015
- 2015-02-04 JP JP2015019835A patent/JP2016141911A/ja active Pending
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