JP2016141043A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Yuki Hirabayashi
祐樹 平林
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Abstract

【課題】液体を同時に吐出するノズルの数によらず各ノズルから吐出される液体の重量または液体の飛翔速度を一定に揃えることが可能な液体吐出装置を提供する。
【解決手段】第1の駆動波形P1は、圧力室内を減圧させるようにアクチュエーターを駆動する第1減圧要素p11と、この第1減圧要素の後に発生されて圧力室内を加圧するようにアクチュエーターを駆動する第1加圧要素p13と、を含み、第2の駆動波形P2は、圧力室内を加圧させるようにアクチュエーターを駆動する第2加圧要素p21からなる調整要素を含み、調整要素は、第1加圧要素の発生期間に重ねて発生される。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体吐出装置に関し、特に、ノズルに連通する圧力室内の液体にアクチュエーターの駆動により圧力変動を生じさせることでノズルから液体を吐出させる液体吐出装置に関するものである。
液体吐出装置は、液体を液滴としてノズルから吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として吐出させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、この他、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタに用いられる色材、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイに用いられる有機材料、電極形成に用いられる電極材等、様々な種類の液体の吐出に液体吐出装置が用いられている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを吐出し、ディスプレイ製造装置用の色材吐出ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極形成装置用の電極材吐出ヘッドでは液状の電極材料を吐出し、チップ製造装置用の生体有機物吐出ヘッドでは生体有機物の溶液を吐出する。
液体吐出ヘッドに搭載される液体吐出ヘッドは、インク等の液体を圧力室に導入し、アクチュエーターを駆動させて圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用して圧力室内の液体をノズルから液滴として吐出するように構成されたものがある。このような液体吐出ヘッドでは、複数のノズルが高密度に配設されている。これにより、各ノズルに連通している圧力室も高い密度で形成されており、隣り合う圧力室同士を区画する隔壁は非常に薄くなっている。このため、例えば、あるノズルから液体を吐出させる際に、アクチュエーターの駆動による圧力室内の液体の圧力の上昇に伴って、隔壁が隣の圧力室側に撓みやすくなっている。この点に関し、吐出ノズルの両隣に位置するノズル側でも吐出ノズルと同じタイミングで液体の吐出が行われれば両隣の圧力室の内圧も高まるので、隔壁の撓みは抑えることができる。しかし、両隣のノズルの何れか一方でも吐出が行われない場合では、この非吐出ノズルの圧力室側に隔壁が撓む虞がある。そして、液体の吐出時に隔壁が隣の圧力室側に撓んでしまうと、その分、吐出に使われる圧力が逃げてしまうため、ノズルから吐出される液体の飛翔速度の低下や液量の減少等、液体の吐出特性が変化する虞がある。
このように、吐出ノズルにおいて、この吐出ノズルの両隣のノズルが同時に駆動される場合と同時に駆動されない場合とで、圧力室内の圧力の状態が異なり、これにより吐出ノズルにおける吐出特性が変動する所謂クロストークが発生する問題があった。このような問題に対し、吐出駆動パルスよりも電圧が低く設定された非吐出駆動パルス(カウンターパルス)を、吐出ノズルの両隣の非吐出ノズルのアクチュエーターに印加させることで、当該非吐出ノズルの圧力室内に液体が吐出されない程度の圧力上昇を付与する構成も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、吐出ノズル側で液体の吐出動作を行っている間において非吐出ノズル側のアクチュエーターに非吐出駆動パルスを印加して圧力室を収縮させた状態を維持することでクロストークを抑制する構成のものも提案されている(例えば、特許文献2参照。)
特開2009−234109号公報 特開2012−143965号公報
ところが、上記特許文献1または特許文献2に開示されているような、ノズルから液滴が吐出されないように設定された駆動パルスでは、吐出ノズルの圧力室における圧力変動に対して非吐出ノズルの圧力室における圧力変動が小さいため、吐出ノズルの圧力室を区画している隔壁が撓むことを完全に抑制することはできず、クロストークの抑制効果が十分に期待できない問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体を同時に吐出するノズルの数によらず各ノズルから吐出される液体の重量または液体の飛翔速度を一定に揃えることが可能な液体吐出装置を提供することにある。
〔手段1〕
本発明の液体吐出装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、並設された複数のノズル、互いに隔壁を隔てて形成されて各ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室、および、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる複数のアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの駆動によって前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出ヘッドと、
液体を吐出させる吐出ノズルに対応するアクチュエーターに印加される第1の駆動波形および、前記吐出ノズルと隣り合うノズルであって液体を吐出させない非吐出ノズルに対応するアクチュエーターに印加される第2の駆動波形を、共通のタイミング信号に基づく周期で発生する駆動信号発生回路と、
を備え、
前記第1の駆動波形は、前記圧力室内を減圧させるように前記アクチュエーターを駆動する第1減圧要素と、この第1減圧要素の後に発生されて前記圧力室内を加圧するように前記アクチュエーターを駆動する第1加圧要素と、を含み、
前記第2の駆動波形は、前記圧力室内を減圧させるように前記アクチュエーターを駆動する第2減圧要素、又は、前記圧力室内を加圧させるように前記アクチュエーターを駆動する第2加圧要素のうちいずれか一方からなる調整要素を含み、
前記調整要素は、前記第1減圧要素の発生期間または前記第1加圧要素の発生期間のうちの少なくとも一方の発生期間に重ねて発生されることを特徴とする。
上記手段1の構成によれば、第2の駆動波形の調整要素が、第1の駆動波形の第1減圧要素の発生期間または第1加圧要素の発生期間のうちの少なくとも一方の発生期間に重ねて発生され、吐出ノズルと隣り合う非吐出ノズルに対応するアクチュエーターに第2の駆動波形を印加して駆動させることで、吐出ノズル側の圧力室を区画している隔壁が変位されることにより当該圧力室における圧力損失が制御される。この圧力損失の制御により、吐出ノズルから吐出される液体の重量または飛翔速度が調整されるので、液体が同時に吐出されるノズルの数によらず各ノズルから吐出される液体の重量または飛翔速度を揃えることができる。すなわち、効果的にクロストークを抑制することが可能となる。その結果、例えば、液体を記録用紙に着弾させて画像等を記録する構成においては、記録画像の画質の低下を抑制することができる。
また、第2の駆動波形の調整要素が、第2加圧要素または第2減圧要素のいずれか一方により構成され、第1の駆動波形の第1減圧要素の発生期間または第1加圧要素の発生期間のうちの少なくとも一方の発生期間に重ねて発生されるので、調整要素により生じた非吐出ノズル側の圧力室における振動が複雑化することが抑制され、当該振動が吐出ノズルにおける吐出に対して悪影響を及ぼすことを抑えることができる。これにより、吐出ノズルにおける吐出安定性を確保することができる。
さらに、第2の駆動波形の調整要素の電位差を変えることにより、吐出ノズルから吐出される液体の重量または飛翔速度を任意に調整することができるので、より効果的にクロストークを抑制することが可能となる。
〔手段2〕
上記手段1の構成において、前記調整要素は、前記第2加圧要素からなる構成を採用することができる。
上記手段2の構成によれば、吐出ノズルから液体を吐出させるべく、第1の駆動波形の第1加圧要素によって圧力室が収縮されるのに合わせて非吐出ノズル側では第2の駆動波形の第2加圧要素によって圧力室が収縮されて内部の液体が加圧されるので、非吐出ノズル側のアクチュエーターが駆動されることなく吐出ノズルで単独で液体が吐出される場合と比較して、吐出ノズル側の圧力室を区画している両側の隔壁が内側に撓んで吐出ノズル側の圧力室の容積が小さくなることで圧力損失が増加する。その結果、吐出ノズルから吐出される液体の重量が低下する。したがって、液体を同時に吐出するノズルの数が少ない場合に、液体を同時に吐出するノズルの数が多い場合と比較してノズルから吐出される液体の重量が増大することが抑制される。これにより、インクを同時に吐出するノズルの数によらず、各ノズルにおける液体の重量が一定に揃えられる。
〔手段3〕
上記手段2の構成において、前記第2加圧要素は、前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生される構成を採用することが望ましい。
上記手段3の構成によれば、第2の駆動波形の第2加圧要素が、第1の駆動波形の第1加圧要素の発生期間に重ねて発生されるので、すなわち、吐出ノズルから液体を吐出させる第1の駆動波形の第1加圧要素よりも前に第2加圧要素が発生されないので、第2加圧要素により非吐出ノズル側の圧力室内に生じた圧力変動が吐出ノズル側の液体の吐出に悪影響を及ぼす虞が少ない。これにより吐出安定性を確保することが可能となる。
〔手段4〕
上記手段2または手段3の何れかの構成において、前記調整要素は、複数の前記第2加圧要素からなり、
前記複数の第2加圧要素のうち少なくとも一つは前記第1減圧要素の発生期間に重ねて発生され、残りのうちの一つは前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生される構成を採用することが望ましい。
上記手段4の構成によれば、第1の駆動波形の第1減圧要素によって吐出ノズル側の圧力室が減圧されている期間および第1加圧要素によって吐出ノズル側の圧力室が加圧されている期間のそれぞれにおいて、非吐出ノズル側の圧力室の内圧が高められ、吐出ノズル側の圧力室を区画している両側の隔壁が内側に撓んだ状態となる。これにより、吐出ノズル側の圧力室内の圧力損失が大きくなり、その結果、吐出ノズルから吐出される液体の重量をより一層低下させることができる。これにより、吐出ノズルから吐出される液体の重量の調整範囲を広げることができる。
〔手段5〕
上記手段1の構成において、前記調整要素は、前記第2減圧要素からなる構成を採用することができる。
上記手段5の構成によれば、吐出ノズルから液体を吐出させるべく、第1の駆動波形の第1加圧要素によって圧力室が収縮されるのに合わせて非吐出ノズル側では第2の駆動波形の第2減圧要素によって圧力室が膨張されて内部の液体が減圧されるので、非吐出ノズル側のアクチュエーターが駆動されることなく吐出ノズルで単独で液体が吐出される場合と比較して、吐出ノズル側の圧力室を区画している両側の隔壁が外側に撓んで吐出ノズル側の圧力室の容積が増大することで圧力損失が減少する。その結果、吐出ノズルから吐出される液体の飛翔速度が増加する。したがって、液体を同時に吐出するノズルの数が少ない場合に、液体を同時に吐出するノズルの数が多い場合と比較してノズルから吐出される液体の飛翔速度が低下することが抑制される。これにより、インクを同時に吐出するノズルの数によらず、各ノズルにおける液体の飛翔速度が一定に揃えられる。
〔手段6〕
上記手段5の構成において、前記第2減圧要素は、前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生される構成を採用することが望ましい。
上記手段6の構成によれば、第2の駆動波形の第2減圧要素が、第1の駆動波形の第1加圧要素の発生期間に重ねて発生されるので、すなわち、吐出ノズルから液体を吐出させる第1の駆動波形の第1加圧要素よりも前に第2減圧要素が発生されないので、第2減圧要素により非吐出ノズル側の圧力室内に生じた圧力変動が吐出ノズル側の液体の吐出に悪影響を及ぼす虞が少ない。これにより吐出安定性を確保することが可能となる。
〔手段7〕
上記手段5または手段6の何れかの構成において、前記調整要素は、複数の前記第2減圧要素からなり、
前記複数の第2減圧要素のうち少なくとも一つは前記第1減圧要素の発生期間に重ねて発生され、残りのうちの一つは前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生される構成を採用することが望ましい。
上記手段7の構成によれば、第1の駆動波形の第1減圧要素によって吐出ノズル側の圧力室が減圧されている期間および第1加圧要素によって吐出ノズル側の圧力室が加圧されている期間のそれぞれにおいて、非吐出ノズル側の圧力室が減圧され、吐出ノズル側の圧力室を区画している両側の隔壁が外側に撓んだ状態となる。これにより、吐出ノズル側の圧力室内の圧力損失が減少し、その結果、吐出ノズルから吐出される液体の飛翔速度をより一層増加させることができる。これにより、吐出ノズルから吐出される液体の飛翔速度の調整範囲を広げることができる。
〔手段8〕
上記手段1から手段7の何れかの構成において、前記ノズルから吐出される液体の重量を調整する第1のモード、または、前記ノズルから吐出される液体の飛翔速度を調整する第2のモードを選択可能であり、
前記第1のモードにおける前記調整要素は、前記第2加圧要素から構成され、
前記第2のモードにおける前記調整要素は、前記第2減圧要素から構成されることが望ましい。
上記手段8の構成によれば、各モードのそれぞれにおいて、液体を吐出する吐出ノズルに対して隣り合う非吐出ノズルに対応するアクチュエーターを第2の駆動波形により駆動させて吐出ノズル側の圧力室を区画している隔壁を積極的に撓ませることで、吐出ノズルから吐出される液体の重量または飛翔速度が調整されるので、液体が同時に吐出されるノズルの数によらず、各ノズルから吐出される液体の重量または飛翔速度を揃えることができる。これにより、例えば、液体を記録用紙に着弾させて画像等を記録する構成においては、記録用紙に記録する画像等の内容や用途に応じて、より適切に画質の低下を抑制することが可能となる。
〔手段9〕
上記手段1から手段8の何れか一の構成において、前記第2の駆動波形の発生期間は、前記第1の駆動波形の発生期間以下である構成を採用することが望ましい。
上記手段9の構成によれば、第2の駆動波形の発生期間が、第1の駆動波形の発生期間以下であることから、第1の駆動波形および第2の駆動波形が発生される周期が、第2の駆動波形に起因して長くなることが防止される。その結果、液体吐出装置の液体吐出処理の高速化に寄与する。
プリンターの内部構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する図である。 プリンターの電気的構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 第1のモードにおける駆動パルスの構成を説明する波形図である。 第1のモードでインク重量を調整する場合における記録ヘッドのノズル列方向の要部断面図である。 第1のモードにおける振動駆動パルスの変形例について説明する波形図である。 第1の変形例を適用して第1のモードでインク飛翔速度を調整する場合における記録ヘッドのノズル列方向の要部断面図である。 第2のモードにおける駆動パルスの構成を説明する波形図である。 第2のモードでインク重量を調整する場合における記録ヘッドのノズル列方向の要部断面図である。 第2のモードにおける振動駆動パルスの変形例について説明する波形図である。 第3の変形例を適用して第2のモードでインク飛翔速度を調整する場合における記録ヘッドのノズル列方向の要部断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。このプリンター1は、液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、本発明における液体の一種であるインクを貯留したインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録動作時の記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4を記録用紙6(記録媒体あるいは液体の着弾対象とも言える)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7と、主走査方向に直交する副走査方向に記録用紙6を搬送する紙送り機構8と、を備えて概略構成されている。なお、インクカートリッジ3がプリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジ3からインク供給チューブを通じて記録ヘッド2に供給される構成を採用することもできる。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、その検出信号がプリンターコントローラー31のCPU35(図4参照)に送信される。リニアエンコーダー10は、記録ヘッド2の走査位置に応じたエンコーダーパルスを主走査方向における位置情報として出力する。このため、CPU35は、受信したエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4に搭載された記録ヘッド2の走査位置を認識できる。これにより、CPU35はこのリニアエンコーダー10からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作を制御することができる。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録用紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
図2は、本実施形態の記録ヘッド2の構成を示す図であり、(a)は記録ヘッド2の平面図、(b)は(a)におけるA−A′線断面図、(c)は(a)におけるB−B′線断面図である。なお、図2(c)では保護基板19の図示が省略されている。また、図2ではノズル3つ分の構成を例示しているが、残りの他のノズルに対応する構成も同様である。本実施形態における記録ヘッド2は、圧力室基板14、ノズルプレート15、弾性膜16、絶縁膜17、圧電素子18、及び、保護基板19等を積層して構成されている。
圧力室基板14は、例えば、シリコン単結晶基板から成る板材である。この圧力室基板14には、複数の圧力室20が、隔壁13を間に挟んでその幅方向(ノズル列方向)に並設されている。本実施形態においては、1インチあたり360個の圧力室20が形成されている。圧力室基板14の圧力室20の長手方向(ノズル列方向に直交する方向)におけるノズル23と連通する側とは反対側の外側に外れた領域には連通部21が形成され、連通部21と各圧力室20とが、圧力室20毎に設けられたインク供給路22を介して連通されている。なお、連通部21は、後述する保護基板19のリザーバー部29と連通して各圧力室20の共通のインク室となるリザーバー27の一部を構成する。インク供給路22は、圧力室20よりも狭い幅で形成されており、連通部21から圧力室20に流入するインクに対して流路抵抗を付与する。圧力室基板14におけるこれらの圧力室20やインク供給路22等の流路は、異方性エッチングにより形成されている。
圧力室基板14の下面には、各圧力室20に対応して複数のノズル23が列状に開設されたノズルプレート15が接着剤12により接合されている。これにより、圧力室20の下面側の開口がノズルプレート15により封止されて圧力室20の底部が画成される。圧力室基板14の上面には、例えば二酸化シリコン(SiO)からなる弾性膜16が形成されている。この弾性膜16における圧力室20の開口を封止する部分は、作動面として機能する。また、この弾性膜16上には酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁膜17が形成され、さらに、この絶縁膜17上には下電極24と、圧電体25と、上電極26とが形成され、これらが積層状態で圧電素子18(本発明におけるアクチュエーターの一種)が構成されている。
一般的には、圧電素子18の何れか一方の電極が複数の圧電素子18に共通の電極とされ、他方の電極(個別電極)及び圧電体25が圧力室20毎にパターニングされて構成される。そして、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分が圧電体能動部として機能する。なお、本実施形態では、下電極24が圧電素子18の共通電極とされ、上電極26が圧電素子18の個別電極とされているが、圧電体25の分極方向や駆動回路や配線の都合等によってこれらを全体的に逆にする構成とすることもできる。何れの場合においても、圧力室20毎に圧電体能動部が形成されていることになる。
圧力室基板14上の圧電素子18側の面には、圧電素子18に対向する領域にその変位を阻害しない程度の大きさの空間となる圧電素子保持部28を有する保護基板19が接合されている。さらに、保護基板19には、圧力室基板14の連通部21に対応する領域にリザーバー部29が設けられている。このリザーバー部29は、圧力室20の並設方向に沿って長尺な矩形の開口形状を有する貫通穴として保護基板19に形成されており、上述したように圧力室基板14の連通部21と連通されてリザーバー27を画成する。このリザーバー27は、インクの種類毎(色毎)に設けられ、複数の圧力室20に共通のインクが貯留される。
上記構成の記録ヘッド2では、インクカートリッジ3からインクを取り込み、リザーバー27から圧力室20を通ってノズル23に至るまでのインク流路がインクで満たされる。そして、プリンター本体側からの駆動信号の供給により、圧力室20に対応するそれぞれの下電極24と上電極26との間に両電極の電位差に応じた電界が付与され、圧電素子18および作動面(弾性膜16)が撓み変形することにより、圧力室20内に圧力変動が生じる。この圧力変動を制御することで、ノズル23からインクを吐出させたり、或いは、インクが吐出されない程度にノズル23におけるメニスカスを微振動させたりする。
図3は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー31とプリントエンジン32とで概略構成されている。プリンターコントローラー31は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インタフェース(外部I/F)33と、各種制御のための制御プログラム等や各種データ等を記憶したメモリー34と、メモリー34に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行うCPU35と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路36と、を備えている。また、プリントエンジン32は、記録ヘッド2、キャリッジ移動機構7、紙送り機構8、およびリニアエンコーダー10等を有している。
CPU35は、リニアエンコーダー10から出力されるエンコーダーパルスからタイミングパルスPTS(図4参照)を生成する。このタイミングパルスPTSは、駆動信号発生回路36が発生する駆動信号の発生開始タイミングを定める信号であり、本発明におけるタイミング信号に相当する。つまり、駆動信号発生回路36は、このタイミングパルスPTSを受信する毎に駆動信号COM(図4参照)を出力する。また、CPU35は、印刷データのラッチタイミングを規定するラッチ信号LAT、および、駆動信号に含まれる各駆動パルスの選択タイミングを規定するチェンジ信号CHを出力する(いずれも図4参照)。これらのラッチ信号LATおよびチェンジ信号CHもタイミング信号の一種である。
上記の駆動信号発生回路36は、タイミングパルスPTSの受信毎に複数の吐出駆動パルスを含む駆動信号COMを発生する。換言すると、駆動信号発生回路36は、上記のタイミングパルスPTSに基づく周期(以下、単位周期Tという。)で複数、本実施形態においては合計2つの駆動信号COM1,COM2を繰り返し発生する。なお、本実施形態における駆動信号発生回路36は、記録用紙6に対して記録する内容(写真等の画像、文字、あるいは図形等)や用途等に応じて、ノズル23から吐出されるインクの重量を各ノズル23で揃えることを優先する第1のモードと、ノズル23から吐出されるインク滴の飛翔速度を各ノズル23で揃えることを優先する第2のモードを選択可能であり、駆動信号発生回路36はこれらのモード毎に異なる第2の駆動信号COM2を出力するように構成されている。この点の詳細については後述する。
ここで、記録ヘッド2の各ノズル23からインクを吐出させる際、インクを同時に吐出するノズル23の数が多いほど、各ノズル23から吐出されるインクの重量は減少し、インクを同時に吐出するノズル23の数が少ないほど、各ノズル23から吐出されるインクの重量は増加する傾向にある。その一因としては、記録ヘッド2内のインク流路における圧力損失がある。すなわち、同時にインクを吐出させるノズル23の数が多いほど、インク流路を流れるインク全体の流速が高まるため、その分、圧力損失が増大して、ノズル23からインクが吐出され難くなる。これに対し、インクを同時に吐出するノズル23の数が少ないほど、インク流路を流れるインク全体の流速が低下し、その分、圧力損失が減少してノズル23からインクが吐出されやすくなる。このように同時にインクを吐出するノズル23の数に応じて吐出されるインクの重量がばらついてしまうと、記録用紙6に記録された画像等の画質が低下する虞がある。例えば、文字や細線等を記録する場合、あるいは、写真や絵等における比較的濃度が薄い部分を記録する場合のように、同時に吐出が行われるノズル23の数が比較的少ない場合には、本来目標とする太さよりも線が太くなったり、視覚を通じて感じる粒状感(画像の粗さ)が増大したり、濃度ムラが生じたりする等の問題が生じる。
その一方で、同時にインクを吐出させるノズル23の数が多いほど、各ノズル23から吐出されるインクの飛翔速度は増加し、同時に吐出させるノズル23の数が少ないほど、各ノズル23から吐出されるインクの飛翔速度は低下する傾向にある。その要因としては、例えば、インクを吐出させるノズル23の両隣のノズル23でインクを吐出させない場合、インクを吐出させるべく圧電素子18が駆動して吐出ノズルに対応する圧力室20の内圧が変化した際に、この圧力室20を区画している両側の隔壁が隣の圧力室20側に撓むことで、インクを吐出させるための圧力が逃げてしまう。その結果、ノズル23から吐出されたインクの飛翔速度が低下する。飛翔速度が各ノズルでばらついてしまうと、記録用紙6に対するインクの着弾位置がばらついてしまうので、記録画像等の画質低下を招く問題がある。例えば、文書、表、図面等を記録する場合には、インクの着弾位置がばらつくと、文字や罫線の輪郭がぼやけたり、がたついたり、ズレが生じたりする問題がある。また、記録用紙6の両面に画像等を印刷する場合あるいは比較的厚手の記録用紙6に対して印刷を行う場合には、記録ヘッド2と記録用紙6との接触を防ぐためにノズル23から記録用紙6までの距離を広げるため、着弾位置ズレ量が一層大きくなるという問題がある。
このため、本発明に係るプリンター1では、インクを吐出するノズル23(以下、適宜、吐出ノズルと言う)に対して隣り合うノズル23(以下、非吐出ノズルと言う)に対応する圧電素子18をインクが吐出されない程度に駆動させることで、インクが同時に吐出されるノズル23の数によらずノズル23から吐出されるインク(インク滴)の重量Iwまたは飛翔速度Vmを揃えるように構成されている。
まず、インク重量Iwを各ノズル23で揃えることを優先する第1のモードの場合について説明する。第1のモードは、例えば、記録用紙6に記録する画像が写真や絵などであって、特にこれらの記録画像等の色合いを優先する場合に選択されるモードである。この第1のモードにおいては、所定の吐出周期で同時にインクを吐出するノズル23の数が比較的少ないときに吐出されたインクの重量を、同時にインクを吐出するノズル23の数が比較的多いときのインク重量に合わせるように調整する。
図4は、本実施形態における駆動信号発生回路36が発生する第1の駆動信号COM1および第2の駆動信号COM2の構成の一例を説明する図である。なお、同図において横軸は時間を、縦軸は電圧(電位)を、それぞれ示している。本実施形態における第1の駆動信号COM1は、合計3つの吐出駆動パルスP1(本発明における第1の駆動波形に相当)を単位周期T内に有する駆動信号である。なお、各駆動信号に含まれる駆動パルスの数や種類は図4に例示したものには限定されない。ただし、一方の駆動信号に含まれる吐出駆動パルスに対応して、他方の駆動信号には以下で説明するような振動駆動パルスが含まれる構成とされる。
本実施形態において、第1の駆動信号COM1の単位周期Tは、3つの期間(パルス発生期間)t1〜t3に区分されている。そして、期間t1で第1吐出駆動パルスP1aが発生し、期間t2で第2吐出駆動パルスP1bが発生し、期間t3で第3吐出駆動パルスP1cが発生する。これらの3つの吐出駆動パルスP1a〜P1cは、いずれも同一の波形を呈している。また、本実施形態における第2の駆動信号COM2は、合計3つの微振動駆動パルスP2(本発明における第2の駆動波形に相当)を単位周期T内に含む信号である。この第2の駆動信号COM2の単位周期Tも、第1の駆動信号COM1の場合と同様に3つの期間t1〜t3に区分されている。そして、期間t1で第1微振動駆動パルスP2aが発生し、期間t2で第2微振動駆動パルスP2bが発生し、期間t3で第3振動駆動パルスP2cが発生する。これらの3つの振動駆動パルスP2a〜P2cは、いずれも同一の波形を呈している。
図5は、駆動信号COMに含まれる駆動パルスの構成を説明する波形図である。図5(a)は第1の駆動信号COM1に含まれる吐出駆動パルスP1の波形図である。本実施形態における吐出駆動パルスP1は、膨張要素p11(本発明における第1減圧要素に相当)と、膨張ホールド要素p12と、収縮要素p13(本発明における第1加圧要素に相当)と、収縮ホールド要素p14と、復帰要素p15とからなる。膨張要素p11は、インクを吐出させない程度の一定勾配で、圧力室20の基準容積(膨張又は収縮の基準となる容積)に対応する基準電位VBからこれよりも低い第1の膨張電位VL1まで一定勾配で電位を下降させる波形要素である。膨張ホールド要素p12は、膨張要素p11の終端電位である第1の膨張電位VL1を一定時間維持する波形要素である。収縮要素p13は、ノズル23からインクを吐出させるべく第1の膨張電位VL1から基準電位VBよりも高い第1の収縮電位VH1まで急勾配で電位を上昇させる波形要素である。収縮ホールド要素p14は、第1の収縮電位VH1を所定期間維持する波形要素である。また、復帰要素p15は第1の収縮電位VH1から基準電位VBまでインクを吐出させない程度の一定勾配で電位を復帰させる波形要素である。この吐出駆動パルスP1が圧電素子18に印加されて当該圧電素子18が駆動されると、ノズル23からは数〔ng〕〜十数〔ng〕程度のインク滴が吐出される。
図5(b)は、上記第1のモードにおける第2の駆動信号COM2に含まれる振動駆動パルスP2の波形図である。本実施形態の第1のモードにおける振動駆動パルスP2は、振動収縮要素p21(本発明における第2加圧要素および調整要素に相当)と、振動収縮ホールド要素p22と、振動復帰要素p23とからなる。振動収縮要素p21は、基準電位VBから第2の収縮電位VH2まで、ノズル23からインクを吐出させない程度の勾配で電位を上昇させる波形要素である。この第2の収縮電位VH2は、基準電位VBよりも高く、且つ第1の収縮電位VH1よりも低く設定されている。振動収縮ホールド要素p22は、第2の収縮電位VH2を所定期間維持する波形要素である。また、振動復帰要素p23は第2の収縮電位VH2から基準電位VBまでインクを吐出させない程度の一定勾配で電位を復帰させる波形要素である。この振動駆動パルスP2が圧電素子18に印加されて駆動されると、ノズル23からインク滴が吐出されない程度の圧力変動が圧力室20内に生じ、この圧力変動により圧力室20内およびノズル23内のインクが振動されて撹拌される。これによりインクの増粘の進行が抑制される。
この振動駆動パルスP2の振動収縮要素p21は、吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生される。本実施形態においては、図4に示すように、第1の駆動信号COM1における各吐出駆動パルスP1a〜P1cにそれぞれ対応するように第2の駆動信号COM2における振動駆動パルスP2a〜P2cが発生されるように構成されており、各振動駆動パルスP2a〜P2cの振動収縮要素p21の発生期間が、それぞれ対応する吐出駆動パルスP1a〜P1cの収縮要素p13の発生期間と重なっている。この発生期間に重ねて発生される状態とは、吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の始端から終端まで通じて振動収縮要素p21が継続して発生されている意味である(以下、他の波形要素についても同様)。したがって、収縮要素p13の始端と終端に振動収縮要p21の始端と終端とが時間軸上でそれぞれ揃っていてもよいし、振動収縮要p21の始端が収縮要素p13の始端よりも先に発生し、振動収縮要p21の後端が収縮要素p13の後端よりも後に発生してもよい。ただし、振動収縮要p21により非吐出ノズル23側の圧力室20に生じる圧力変動が、吐出ノズル23側におけるインクの吐出に悪影響を及ぼすことを抑制する上では、収縮要素p13の始端と振動収縮要p21の始端とが時間軸上で揃っていることが望ましい。なお、比較例の振動駆動パルスP2′は、その振動収縮要素p21′が第1吐出駆動パルスP1aの膨張要素p11の発生期間に重ねて発生されるように構成されたものである。つまり、振動収縮要素p21′の発生期間が、膨張要素p11の発生期間と重なっている。
図6は、第1のモードでインク重量Iwを調整する場合における記録ヘッド2のノズル列方向の要部断面図である。なお、同図における中央のノズル23は、ある単位周期でインクを吐出する吐出ノズル23aであり、当該吐出ノズルの両側に位置するノズル23は、当該単位周期でインクが吐出されない非吐出ノズル23bである。第1のモードにおいては、所定の単位周期で同時にインクを吐出するノズル23の数が比較的少ない場合において、吐出ノズル23aに対応する圧電素子18aに対しては吐出駆動パルスP1が印加される一方で、この吐出ノズル23aに隣り合う非吐出ノズル23bに対応する圧電素子18bには振動駆動パルスP2が印加される。
図6(a)は、上記の基準電位VBが圧電素子18(18a,18b)に継続的に印加されている状態、つまり初期状態を示している。この初期状態において圧電素子18は実際にはある程度撓んだ状態となるが、説明の便宜上、撓んでいないフラットな状態としている。この基準状態における圧力室20(20a,20b)の容積を基準容積と言う。上記の吐出駆動パルスP1が、吐出ノズル23aに対応する圧電素子18aに印加されると、図6(b)に示すように、膨張要素p11によって圧電素子18aおよび弾性膜16の作動面の幅方向中央部が圧力室20の外側(ノズルプレート15から離隔する側)に向けて撓む。これにより、吐出ノズル23a側の圧力室20aが基準電位VBに対応する基準容積から第1の膨張電位VL1に対応する第1の膨張容積まで膨張する。この膨張によりノズル23aにおけるメニスカスが圧力室20側に引き込まれると共に、圧力室20a内にはリザーバー27側からインク供給路22を通じてインクが供給される。そして、この圧力室20aの膨張状態は、膨張ホールド要素p12の発生期間中(印加期間中)に亘って維持される。
その後、図6(c)に示すように、収縮要素p13が印加されることで圧電素子18aの中央部が圧力室20aの内側に撓む。これにより、ノズル23aからインクを吐出させるべく、圧力室20aは第1の膨張容積から第1の収縮電位VH1に対応する収縮容積まで急激に収縮される。これに合わせて、吐出ノズル23aの両隣の非吐出ノズル23b(吐出ノズル23aがノズル列の端部に位置する場合には、一方に隣接する非吐出ノズル23b)に対応する圧電素子18bには、振動駆動パルスP2の振動収縮要素p21が印加される。これにより、圧電素子18bの中央部が圧力室20bの内側に撓み、この圧力室20bは基準容積から第2の収縮電位VH2に対応する収縮容積まで収縮されて内部のインクが加圧される。このように、吐出ノズル23a側でインクを吐出させるべく圧力室20a内のインクを加圧している期間に亘って、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧が高められることで、吐出ノズル23a側の圧力室20aを区画している両側の隔壁13が内側に撓む(図6(c)における黒矢印参照)。その結果、非吐出ノズル23b側の圧電素子18bを駆動することなく吐出ノズル23aから単独でインクを吐出させる場合と比較して、吐出ノズル23a側の圧力室20aの容積が小さくなるため、当該圧力室20aにおける圧力損失が増加し、その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量Iwが低下する。したがって、インクを同時に吐出するノズル23の数が少ない場合に、インクを同時に吐出するノズル23の数が多い場合と比較してノズル23から吐出されるインクの重量Iwが増加することが抑制される。これにより、インクを同時に吐出するノズル23の数によらず、各ノズル23のインク重量Iwが一定に揃えられ、その結果、記録用紙6に記録された画像等の画質の低下が抑制される。
このときの吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量Iwに関しては、非吐出ノズル23bからインクが吐出されない範囲内で振動駆動パルスP2の振動収縮要素p21の電位差Pd(図5参照)を変更することによって任意に調整することができる。すなわち、電位差Pdをより高く設定することで、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧がより大きくなって隔壁13の撓み量がより大きくなり、圧力室20aにおける圧力損失がより増加する。その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量Iwがより減少する。逆に電位差Pdをより低く設定することで、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧が相対的に小さくなって隔壁13の撓み量が小さくなり、圧力室20aにおける圧力損失の増加が抑えられる。その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量が減少する度合がより小さくなる。つまり、インク重量Iwが増加する。これにより、より効果的にクロストークを抑制することが可能となる。また、例えば、環境温度が変化したときのインクの粘度変化にも対応することができる。すなわち、温度が高温になるほど、インクの粘度が低下し、吐出されるインクの重量が増加する傾向にあるため、電位差Pdをより高く設定することで、温度変化によるインク重量の増加を抑えることが可能となる。同様に、温度が低温になるほど、インクの粘度が増加し、吐出されるインクの重量が低下する傾向にあるため、電位差Pdをより低く設定することで、温度変化によるインク重量の低下を抑えることが可能となる。
上記吐出ノズル23a側の圧力室20aの収縮状態は、収縮ホールド要素p14の発生期間に亘って維持され、この間にインクの吐出によって生じた圧力室20a内のインクの圧力変動は周期的に振動する。そして、圧力室20a内のインク圧力が上昇するタイミングにあわせて復帰要素p15が圧電素子18aに印加され、これに伴って圧電素子18aの中央部が圧力室20aの外側に向けて撓んで基準状態に復帰する。これにより、圧力室20aが基準容積まで戻ると共に、圧力室20a内のインクの圧力変動(残留振動)が低減される。同様に、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの収縮状態は、振動収縮ホールド要素p22の発生期間に亘って維持され、その後、振動復帰要素p23が圧電素子18bに印加されることで、圧力室20bが基準容積まで戻る。
ここで、同様にして、非吐出ノズル23b側の圧電素子18bに比較例の振動駆動パルスP2a′を印加する場合、吐出駆動パルスの膨張要素p11によって吐出ノズル23a側の圧力室20aが減圧されている期間に亘って、非吐出ノズル23bに対応する圧電素子18bには、振動収縮要素p21′が印加される。これにより、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧が高められて、圧力室20aを区画している両側の隔壁13が内側に撓む。これにより、吐出ノズル23a側の圧力室20a内の圧力損失が大きくなり、吐出ノズル23aにおけるメニスカスの引き込み量が小さくなる。その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量Iwが低下する。しかしながら、この比較例の場合、振動収縮要素p21′によって圧力室20b内に生じた圧力変動が、隣の圧力室20a内のインクにも伝わって、吐出ノズル23a側のインクの吐出に悪影響を及ぼす可能性がある。これに対し、本実施形態における振動駆動パルスP2に関し、その調整要素として機能する振動収縮要素p21が吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生されるので、振動収縮要素p21により圧力室20b内に生じた圧力変動が吐出ノズル23a側のインクの吐出に悪影響を及ぼす虞が少ない。また、振動駆動パルスP2の長さ(振動収縮要素p21の始端から振動復帰要素p23の終端までの時間)は、吐出駆動パルスP1の長さよりも短く設定されており、第2の駆動波形の発生期間は、第1の駆動波形の発生期間以下であるから、振動駆動パルスP2により単位周期Tが長くなることが防止される。その結果、プリンター1の記録処理の高速化に寄与する。
図7は、第1のモードにおける振動駆動パルスの変形例について説明する波形図である。図7(a)は、変形例の振動駆動パルスと対比させるための吐出駆動パルスP1であり、図5(a)のものと同一の構成である。また、図8は、第1の変形例を適用して第1のモードでインク重量Iwを調整する場合における記録ヘッド2のノズル列方向の要部断面図である。上記の振動駆動パルスP2は、振動収縮要素p21が吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生される構成であったのに対し、図7(b)に示す第1の変形例の振動駆動パルスP3は、吐出駆動パルスP1の膨張要素p11の発生期間と収縮要素p13の発生期間のそれぞれに重ねて振動収縮要素が発生される点で異なっている。具体的には、振動駆動パルスP3は、第1の振動収縮要素p31(本発明における第2加圧要素および調整要素に相当)と、中間ホールド要素p32と、第2の振動収縮要素p33(本発明における第2加圧要素および調整要素に相当)と、振動収縮ホールド要素p34と、振動復帰要素p35とからなる。第1の振動収縮要素p31は、基準電位VBから第1中間電位VM1まで、ノズル23からインクを吐出させない程度の勾配で電位を上昇させる波形要素である。この第1中間電位VM1は、基準電位VBよりも高く、第2の収縮電位VH2よりも低く設定されている。また、中間ホールド要素p32は、第1中間電位VM1を一定時間維持する波形要素である。そして、第2の振動収縮要素p33は、第1中間電位VM1から第2の収縮電位VH2まで、ノズル23からインクを吐出させない程度の勾配で電位を上昇させる波形要素である。なお、振動収縮ホールド要素p34および振動復帰要素p35は、それぞれ上記の振動収縮ホールド要素p22および振動復帰要素p23に対応している。
この第1の変形例の振動駆動パルスP3の調整要素は、第2加圧要素として機能する複数の振動収縮要素からなり、そのうちの一つである第1の振動収縮要素p31は吐出駆動パルスP1の膨張要素p11の発生期間に重ねて発生され、残りの一つである第2の振動収縮要素p33は吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生される。そして、吐出駆動パルスの膨張要素p11によって吐出ノズル23a側の圧力室20aが減圧されている期間(図8(b))および収縮要素p13によって吐出ノズル23a側の圧力室20aが加圧されている期間(図8(c))のそれぞれにおいて、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧が高められ、圧力室20aを区画している両側の隔壁13が内側に撓んだ状態となる。これにより、吐出ノズル23a側の圧力室20a内の圧力損失が大きくなり、その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量Iwをより一層低下させることができる。これにより、吐出ノズル23aから吐出されるインクの重量Iwの調整範囲を広げることができる。
なお、第1中間電位VM1を所定時間維持する中間ホールド要素p32を必ずしも有していなくてもよく、図7(c)に示す第2の変形例の振動駆動パルスP4のように、振動収縮要素p41が、吐出駆動パルスP1の膨張要素p11の発生期間と収縮要素p13の発生期間とに亘って継続して発生される構成とすることもできる。この構成よれば、第1の変形例の構成と比較して非吐出ノズル23b側の圧力室20b内に生じる圧力変動が複雑化することが抑制されるので、吐出ノズル23aにおけるインクの吐出に対して悪影響を及ぼすことが抑制される。
次に、インクの飛翔速度Vmを各ノズル23で揃えることを優先する第2のモードの場合について説明する。この第2のモードは、例えば、記録用紙6に記録する文字や罫線などを記録する場合であって、特にインクの着弾位置の精度を優先する場合に選択されるモードである。この第2のモードにおいては所定の吐出周期で同時にインクを吐出するノズル23の数が比較的少ないときに吐出されたインクの飛翔速度Vmを、同時にインクを吐出するノズル23の数が比較的多いときのインク飛翔速度Vmに合わせるように調整する。
図9は、インクの飛翔速度Vmを調整する場合における波形図である。図9(a)は、第2のモードにおける振動駆動パルスP5と対比させるための吐出駆動パルスP1であり、図5(a)のものと同一の構成である。また、図9(b)は、第2のモードにおける振動駆動パルスP5の波形図である。第2のモードにおける振動駆動パルスP5は、振動膨張要素p51(本発明における第2減圧要素および調整要素に相当)と、振動膨張ホールド要素p52と、振動復帰要素p53とからなる。振動膨張要素p51は、基準電位VBから第2の膨張電位VL2まで、ノズル23からインクを吐出させない程度の勾配で電位を下降させる波形要素である。この第2の膨張電位VL2は、基準電位VBよりも低く設定されている。振動膨張ホールド要素p52は、第2の膨張電位VL2を所定期間維持する波形要素である。また、振動復帰要素p53は第2の膨張電位VL2から基準電位VBまでインクを吐出させない程度の一定勾配で電位を復帰させる波形要素である。この振動駆動パルスP2の振動膨張要素p51は、吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生される。
図10は、第2のモードでインク飛翔速度Vmを調整する場合における記録ヘッド2のノズル列方向の要部断面図である。第2のモードにおいても、上記第1のモードの場合と同様に、所定の単位周期で同時にインクを吐出するノズル23の数が比較的少ない場合において、吐出ノズル23aに対応する圧電素子18aに対しては吐出駆動パルスP1が印加される一方で、この吐出ノズル23aに隣り合う非吐出ノズル23bに対応する圧電素子18bに振動駆動パルスP5が印加される。
図10(a)の初期状態において上記の吐出駆動パルスP1が吐出ノズル23aに対応する圧電素子18aに印加されると、図10(b)に示すように、膨張要素p11によって圧電素子18aおよび弾性膜16の作動面の幅方向中央部が圧力室20の外側に向けて撓む。これにより、吐出ノズル23a側の圧力室20aが基準電位VBに対応する基準容積から第1の膨張電位VL1に対応する第1の膨張容積まで膨張する。この圧力室20aの膨張状態は、膨張ホールド要素p12の発生期間中(印加期間中)に亘って維持される。次に、図10(c)に示すように、収縮要素p13が印加されることで圧電素子18aの中央部が圧力室20aの内側に撓む。これにより、吐出ノズル23aからインクを吐出させるべく、圧力室20aは第1の膨張容積から第1の収縮電位VH1に対応する収縮容積まで急激に収縮される。これに合わせて、吐出ノズル23aの両隣の非吐出ノズル23bに対応する圧電素子18bには、振動駆動パルスP5の振動膨張要素p51が印加される。これにより、圧電素子18bの中央部が圧力室20bの外側に撓み、この圧力室20bは基準容積から第2の膨張電位VL2に対応する膨張容積まで膨張されて内部のインクが減圧される。このように、吐出ノズル23a側でインクを吐出させるべく圧力室20a内のインクを加圧している期間に亘って、非吐出ノズル23b側の圧力室20bが減圧されることで、吐出ノズル23a側の圧力室20aを区画している両側の隔壁13が外側に撓む(図10(c)における黒矢印参照)。その結果、非吐出ノズル23b側の圧電素子18bを駆動することなく吐出ノズル23aから単独でインクを吐出させる場合と比較して、吐出ノズル23a側の圧力室20aの容積が大きくなるため、当該圧力室20aにおける圧力損失が減少し、インクが動きやすくなる。その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの飛翔速度Vmが上昇する。したがって、インクを同時に吐出するノズル23の数が少ない場合に、インクを同時に吐出するノズル23の数が多い場合と比較してノズル23から吐出されるインクの飛翔速度Vmが低下することが抑制される。これにより、インクを同時に吐出するノズル23の数によらず、各ノズル23のインク飛翔速度Vmが一定に揃えられ、その結果、記録用紙6に記録された画像等の画質の低下が抑制される。
インク重量Iwの調整の場合と同様に、インク飛翔速度Vmに関しても非吐出ノズル23bからインクが吐出されない範囲内で振動駆動パルスP5の振動膨張要素p51の電位差を変更することによって任意に調整することができる。すなわち、電位差Pdをより高く設定することで、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧がより低下するので隔壁13の撓み量がより大きくなり、圧力室20aにおける圧力損失がより減少する。その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの飛翔速度Vmがより増加する。逆に電位差Pdをより低く設定することで、非吐出ノズル23b側の圧力室20bの内圧が相対的に大きくなって隔壁13の撓み量が小さくなり、圧力室20aにおける圧力損失の減少の度合が小さくなる。その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの飛翔速度Vmの増加の度合が小さくなる。
図11は、第2のモードにおける振動駆動パルスの変形例について説明する波形図である。図11(a)は、変形例の振動駆動パルスと対比させるための吐出駆動パルスP1であり、図5(a)のものと同一の構成である。また、図12は、第3の変形例を適用して第2のモードでインク飛翔速度Vmを調整する場合における記録ヘッド2のノズル列方向の要部断面図である。上記の振動駆動パルスP5は、振動膨張要素p51が吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生される構成であったのに対し、図11(b)に示す第3の変形例の振動駆動パルスP6は、吐出駆動パルスP1の膨張要素p11の発生期間と収縮要素p13の発生期間のそれぞれに重ねて振動膨張要素が発生される点で異なっている。具体的には、振動駆動パルスP6は、第1の振動膨張要素p61(本発明における第2減圧要素および調整要素に相当)と、中間ホールド要素p62と、第2の振動膨張要素p63(本発明における第2減圧要素および調整要素に相当)と、振動膨張ホールド要素p64と、振動復帰要素p65とからなる。第1の振動膨張要素p61は、基準電位VBから第2中間電位VM2まで、ノズル23からインクを吐出させない程度の勾配で電位を上昇させる波形要素である。この第2中間電位VM2は、基準電位VBよりも低く、第2の膨張電位VL2よりも高く設定されている。また、中間ホールド要素p62は、第2中間電位VM2を一定時間維持する波形要素である。そして、第2の振動膨張要素p63は、第2中間電位VM2から第2の膨張電位VL2まで、ノズル23からインクを吐出させない程度の勾配で電位を下降させる波形要素である。なお、振動膨張ホールド要素p64および振動復帰要素p65は、それぞれ上記の振動膨張ホールド要素p52および振動復帰要素p53に対応している。
この第3の変形例の振動駆動パルスP6の調整要素は第2減圧要素としての複数の振動膨張要素からなり、そのうちの一つである第1の振動膨張要素p61は吐出駆動パルスP1の膨張要素p11の発生期間に重ねて発生され、残りの一つである第2の振動膨張要素p63は吐出駆動パルスP1の収縮要素p13の発生期間に重ねて発生される。そして、吐出駆動パルスの膨張要素p11によって吐出ノズル23a側の圧力室20aが減圧されている期間(図12(b))および収縮要素p13によって吐出ノズル23a側の圧力室20aが加圧されている期間(図12(c))のそれぞれにおいて、非吐出ノズル23b側の圧力室20bが減圧され、圧力室20aを区画している両側の隔壁13が外側に撓んだ状態となる。これにより、吐出ノズル23a側の圧力室20aが拡げられて圧力損失がより抑えられ、その結果、吐出ノズル23aから吐出されるインクの飛翔速度をより一層増加させることができる。これにより、吐出ノズルから吐出される液体の飛翔速度の調整範囲を広げることができる。
なお、第2中間電位VM2を所定時間維持する中間ホールド要素p62を必ずしも有していなくてもよく、図11(c)に示す第4の変形例の振動駆動パルスP7のように、振動膨張要素p71が、吐出駆動パルスP1の膨張要素p11の発生期間と収縮要素p13の発生期間とに亘って継続して発生される構成とすることもできる。この構成よれば、第3の変形例の構成と比較して非吐出ノズル23b側の圧力室20b内に生じる圧力変動が複雑化することが抑制されるので、吐出ノズル23aにおけるインクの吐出に対して悪影響を及ぼすことが抑制される。
以上のように、本発明に係るプリンター1では、ノズル23から吐出されるインクの重量Iwを調整する第1のモード、または、ノズル23から吐出されるインクの飛翔速度を調整する第2のモードを選択可能であり、各モードのそれぞれにおいて、インクを吐出する吐出ノズル23aに対して隣り合う非吐出ノズル23bに対応する圧電素子18bを振動駆動パルスにより駆動させて吐出ノズル23a側の圧力室20aを区画している隔壁13を積極的に撓ませることで、インク重量Iwまたはインク飛翔速度Vmが調整されるので、インクが同時に吐出されるノズル23の数によらずノズル23から吐出されるインク重量Iwまたは飛翔速度Vmを揃えることができる。これにより、記録用紙6に記録する画像等の内容や用途に応じて、より適切に画質の低下を抑制することが可能となる。
なお、本発明における第2の駆動波形としては、上記で例示した振動駆動パルスには限られず、種々の構成のものを採用することが可能である。要は、第2の駆動波形は、圧力室内を減圧させるように圧電素子を駆動する第2減圧要素、又は、圧力室内を加圧させるようにアクチュエーターを駆動する第2加圧要素のうちいずれか一方からなる調整要素を含み、調整要素は、吐出駆動パルスの第1減圧要素の発生期間または第1加圧要素の発生期間のうちの少なくとも一方の発生期間に重ねて発生されるものであればよい。
さらに、上記実施形態では、アクチュエーターとして圧電素子18を例示したがこれには限られず、例えば、発熱素子や静電アクチュエーター等の種々のアクチュエーターを採用することができる。
そして、本発明は、アクチュエーターを駆動させることで圧力室内の液体に生じる圧力変動によりノズルから液体を吐出させる構成を有する液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,6…記録用紙6,13…隔壁,14…圧力室基板,15…ノズルプレート,16…弾性膜,18…圧電素子,20…圧力室,23…ノズル,31…プリンターコントローラー,35…CPU,36…駆動信号発生回路

Claims (9)

  1. 並設された複数のノズル、互いに隔壁を隔てて形成されて各ノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室、および、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる複数のアクチュエーターを有し、当該アクチュエーターの駆動によって前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出ヘッドと、
    液体を吐出させる吐出ノズルに対応するアクチュエーターに印加される第1の駆動波形および、前記吐出ノズルと隣り合うノズルであって液体を吐出させない非吐出ノズルに対応するアクチュエーターに印加される第2の駆動波形を、共通のタイミング信号に基づく周期で発生する駆動信号発生回路と、
    を備え、
    前記第1の駆動波形は、前記圧力室内を減圧させるように前記アクチュエーターを駆動する第1減圧要素と、この第1減圧要素の後に発生されて前記圧力室内を加圧するように前記アクチュエーターを駆動する第1加圧要素と、を含み、
    前記第2の駆動波形は、前記圧力室内を減圧させるように前記アクチュエーターを駆動する第2減圧要素、又は、前記圧力室内を加圧させるように前記アクチュエーターを駆動する第2加圧要素のうちいずれか一方からなる調整要素を含み、
    前記調整要素は、前記第1減圧要素の発生期間または前記第1加圧要素の発生期間のうちの少なくとも一方の発生期間に重ねて発生されることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記調整要素は、前記第2加圧要素からなることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第2加圧要素は、前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生されることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記調整要素は、複数の前記第2加圧要素からなり、
    前記複数の第2加圧要素のうち少なくとも一つは前記第1減圧要素の発生期間に重ねて発生され、残りのうちの一つは前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記調整要素は、前記第2減圧要素からなることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 前記第2減圧要素は、前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生されることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記調整要素は、複数の前記第2減圧要素からなり、
    前記複数の第2減圧要素のうち少なくとも一つは前記第1減圧要素の発生期間に重ねて発生され、残りのうちの一つは前記第1加圧要素の発生期間に重ねて発生されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記ノズルから吐出される液体の重量を調整する第1のモード、または、前記ノズルから吐出される液体の飛翔速度を調整する第2のモードを選択可能であり、
    前記第1のモードにおける前記調整要素は、前記第2加圧要素から構成され、
    前記第2のモードにおける前記調整要素は、前記第2減圧要素から構成されることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記第2の駆動波形の発生期間は、前記第1の駆動波形の発生期間以下であることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の液体吐出装置。
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