JP2016140850A - 異物除去装置及び清掃システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、被対象物から異物を容易かつ確実に除去することができる異物除去装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る異物除去装置は、被対象物に接触することで異物を除去する粘着面を有する異物付着部、上記異物付着部の粘着面に接触することで異物付着部の粘着面の異物を除去可能な長尺状の粘着シート、及び異物付着部の粘着面に粘着シートの未使用部分を供給する供給部と粘着シートの使用済み部分を排出する排出部とを有する粘着シート供給排出機構を備える。粘着シート供給排出機構は、供給部から排出部に粘着シートを送るシート送り部を備えるとよい。粘着シート供給排出機構は、異物付着部に接近及び離反可能に設けられる移動部を有し、粘着シート供給排出機構が、移動部の異物付着部との接近時に粘着シートを異物付着部に接触させ、移動部の異物付着部との離反時に粘着シートを異物付着部と離間させるとよい。【選択図】図8
Description
本発明は、異物除去装置及び清掃システムに関する。
携帯電話やスマートフォン等には、ガラス基板が用いられている。ガラス基板は、ガラス基板の製造装置によって製造される。ガラス基板を製造する際には、ガラス基板の表面に切削により生ずるガラス粉等が付着する場合がある。また、ガラス基板の搬送中にも埃等が付着するおそれがある。これらのガラス粉や埃等を取り除くためにはガラス基板の表面を清掃する必要があり、このような清掃装置としては、アルコールを含んだ布で透明板の上面全体の汚れを払拭する清掃装置が提案されている(中国特許出願公開第102698988号)。
特許文献1に記載のように布を用いて透明板を清掃した場合、この布に起因する付着物がガラス基板の清掃面に付着する場合がある。また、布を用いて透明板を清掃するような構成でなくとも、装置内で各種部材がこすれ合うことにより、樹脂粉や金属粉が発生し透明板に付着する場合がある。このような付着物を除去する方法としては、表面が粘着力を有するローラを清掃面に接触させて、ローラに付着物を転移させることが考えられる。このローラに付着物が多く転移されると粘着力が低下するので、このローラの粘着力を回復することが望まれる。
なお、加工処理されたフィルム基板に付着している加工残渣を除去する洗浄する手法に関して、フィルム基板の巻出しロールから巻取ロールまでの間に配設される第1の洗浄部と第2の洗浄部とを有する洗浄装置において、この第2の洗浄部が異物付着部とこの異物付着部をクリーンニングするクリーニングローラとを備えるものが開示されている(特開2010−149039号公報)。このクリーニングローラは、積層構造体となっており、加工残渣が全面に付着した時点で1枚ずつクリーニングロールから剥ぎ取れられ用いられる。
また、写真フィルムを清掃する異物付着部を清掃する手法に関して、写真フィルムの表面に接する第1の循環接触体と、第1の循環接触体に接する第2の循環接触体とを備えた写真フィルム・クリーナーにおいて、第1の循環接触体を異物付着部から構成し、第2の循環接触体を粘着無端ベルトから構成することが開示されている(特開平8−137019号公報)。
特許文献2の手法では、クリーニングローラに加工残渣が付着した時点で1枚ずつクリーニングロールから剥ぎ取れる必要があり、剥ぎ取る手間がかかり、作業効率が悪い。
また、特許文献3の手法では、継続して使用する粘着無端ベルトの粘着力が低下してしまい、第1の循環体である異物付着部から異物を除去できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、被対象物から異物を容易かつ確実に除去することができる異物除去装置及び清掃システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
被対象物に接触することで異物を除去する粘着面を有する異物付着部、
上記異物付着部の粘着面に接触することで異物付着部の粘着面の異物を除去可能な長尺状の粘着シート、及び
上記異物付着部の粘着面に上記粘着シートの未使用部分を供給する供給部と上記粘着シートの使用済み部分を排出する排出部とを有する粘着シート供給排出機構を備える異物除去装置である。
被対象物に接触することで異物を除去する粘着面を有する異物付着部、
上記異物付着部の粘着面に接触することで異物付着部の粘着面の異物を除去可能な長尺状の粘着シート、及び
上記異物付着部の粘着面に上記粘着シートの未使用部分を供給する供給部と上記粘着シートの使用済み部分を排出する排出部とを有する粘着シート供給排出機構を備える異物除去装置である。
当該異物除去装置にあっては、被対象物に付着した異物は、異物付着部の粘着面が接触することで除去される。異物付着部の粘着面に付着した異物は、粘着シートが接触することで除去される。このため異物付着部の粘着面の粘着力を回復することができる。当該異物除去装置にあっては、上述のように異物付着部の粘着面の粘着力を回復するにあたって長尺状の粘着シートを用い、粘着シート供給排出機構が粘着シートの未使用部分を供給する供給部と粘着シートの使用済み部分を排出する排出部とを有している。供給部により供給される粘着シートの未使用部分と異物付着部の粘着面とを接触させることで、容易かつ確実に上記粘着面の粘着力の回復を行うことができる。
上記粘着シート供給排出機構は、上記供給部から上記排出部に粘着シートを送るシート送り部を備えることが好ましい。これにより、粘着シートの使用済部分を容易かつ確実に排出部に送ることができる。
上記粘着シート供給排出機構は、上記異物付着部に接近及び離反可能に設けられる移動部を有している。上記粘着シート供給排出機構が、上記移動部と上記異物付着部との接近時に上記粘着シートを上記異物付着部に接触させ、上記移動部と上記異物付着部との離反時に上記粘着シートを上記異物付着部と離間させる構成を採用することが好ましい。これにより、移動部の接近及び離反によって、粘着シートと異物付着部の粘着面との接触を間欠的に行うことができる。このように両者の接触を間欠的に行うことで、粘着シートと異物付着部との接触が過剰となり過ぎず、粘着シートの消費量を低減することができる。
上記粘着シート供給排出機構は、上記移動部との上記異物付着部との離反時に上記異物付着部と対面する上記粘着シートの部分を上記供給側に戻し、次の上記移動部の上記異物付着部との近接時に上記粘着シートの接触済部分と未使用部分とを上記異物付着部の表面に接触させる構成を採用することが好ましい。なお、供給側とは移動部と異物付着部が接触する点よりも供給部側にある部分とし、排出側とは移動部と異物付着部が接触する点よりも排出部側にある部分である。このように、粘着シートによる異物除去した後に異物付着部から離間した粘着シートを供給側に戻して、次の異物付着部との接触において粘着シートの接触済部分と未使用部分とを上記異物付着部の表面に接触することによって、粘着シートの既に一度接触した上記接触済部分の有効活用が図られると共に、粘着シートの未使用部分に接触する異物付着部から異物を確実に除去できる。このため、長尺状の粘着シートを有効利用しつつ異物の除去を確実に行うことができる。なお、粘着シートの未使用部分とは、異物付着部に未だ接触していない部分を意味し、接触済部分とは、異物付着部に一度でも接触した部分を意味し、また上記使用済部分とは、予め設定された回数分接触させた部分であり、使用が完了した部分を意味する。
上記粘着シート供給排出機構は、上記移動部と上記供給部との間に位置して上記粘着シートに接触する供給側ダンサローラと、上記移動部と上記排出部との間に位置して上記粘着シートに接触する排出側ダンサローラを有するとよい。
上記粘着シート供給排出機構が上記移動部と上記供給部との間に位置して上記粘着シートに接触する供給側ダンサローラを有することで、供給側ダンサローラによって移動部と異物付着部との離反時において異物付着部と対面する粘着シートの部分を供給側に戻すことができる。つまり、上記粘着シートの部分を戻すに際して、上記供給部を動作させることを必ずしも要しない。
また、粘着シート供給排出機構が上記移動部と上記排出部との間に位置して上記粘着シートに接触する排出側ダンサローラを有することで、上述のように移動部と異物付着部との離反時に異物付着部と対面する粘着シートの部分を供給側に戻す際に、この排出側ダンサローラによって戻し量を調整できる。つまり、排出側ダンサローラを動作させることで、粘着シートの一部を供給側に戻すことができるので、上記排出部を動作させることを必ずしも要しない。
上記排出部は、粘着シートの使用済部分を巻取る巻取部であるとよい。これにより粘着シートの使用済部分を巻取部によって巻き取って、廃棄等の後工程に送ることができる。
上記異物付着部が、外周面が上記粘着面である粘着ローラであるとよい。これにより、粘着ローラが被対象物に接触しつつ回転することで被対象物の異物を容易かつ確実に除去することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
ワークの清掃面を清掃する清掃システムであって、
上記ワークの清掃面を清掃する清掃装置、及び
上記構成からなる当該異物除去装置を有し、
上記異物付着部が、上記清掃装置によって清掃された上記ワークの上記清掃面に接触する清掃システムである。
ワークの清掃面を清掃する清掃システムであって、
上記ワークの清掃面を清掃する清掃装置、及び
上記構成からなる当該異物除去装置を有し、
上記異物付着部が、上記清掃装置によって清掃された上記ワークの上記清掃面に接触する清掃システムである。
当該清掃システムは、清掃装置により清掃された清掃面に異物が付着していても、当該異物除去装置によって除去できるので、ワークの清掃面を容易かつ確実に清掃することができる。
また、当該清掃システムは、上記清掃装置による上記ワークの搬送速度と上記異物除去装置による上記ワークの搬送速度とが同期しており、上記粘着シートの上記供給部から上記排出部までの平均送給速度が、上記清掃装置による上記ワークの搬送速度より遅いとよい。これにより、ワークの処理速度を向上させつつ、粘着シートの消費量を低減させることができる。なお、清掃装置及び異物除去装置によるワークの搬送速度とは、清掃装置及び異物除去装置においてワークが搬入され搬出されるまでの搬送方向の距離を時間で割った値を意味する。また、粘着シートの上記供給部から上記排出部までの平均送給速度とは、粘着シートの所定長さ(例えば3m)を、その所定の長さの粘着シートが排出部に到達するまでの時間を意味する。
さらに、当該清掃システムは、上記異物除去装置から排出された上記ワークの清掃面を検査する検査装置をさらに備えるとよい。これにより、上述のように清掃された上記清掃面の検査を行うことができる。特に、清掃装置によって清掃された清掃面に清掃に起因する異物が付着していても、異物付着部が清掃面に接触して異物を除去できるので、清掃装置の清掃に起因する異物の付着がワークの良否判定に影響を与えることを抑制することができる。
本発明の異物除去装置及び清掃システムは、被対象物から異物を容易かつ確実に除去することができる異物除去装置及び清掃システムを提供することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。先ず、図1から図10を参照しながら、本発明の第1実施形態の異物除去装置を具備する透明板清掃検査システム1について説明する。
[第1実施形態]
図1の透明板清掃検査システム1は、例えばスマートフォンに用いられるカバーガラスやタッチパネル等の透明板Pを清掃し、検査するためのシステムである。より具体的には、本実施形態の透明板清掃検査システム1は、自動的に、透明板Pの両面(第1面p1及び第2面p2(清掃面))を清掃すると共に透明板Pに付着した異物を除去し、さらに傷や欠け等の透明板Pの欠陥を検査するシステムである。本実施形態においては、上記透明板のような薄板状物であり、清掃面はこの薄板状物の両面である。
図1の透明板清掃検査システム1は、例えばスマートフォンに用いられるカバーガラスやタッチパネル等の透明板Pを清掃し、検査するためのシステムである。より具体的には、本実施形態の透明板清掃検査システム1は、自動的に、透明板Pの両面(第1面p1及び第2面p2(清掃面))を清掃すると共に透明板Pに付着した異物を除去し、さらに傷や欠け等の透明板Pの欠陥を検査するシステムである。本実施形態においては、上記透明板のような薄板状物であり、清掃面はこの薄板状物の両面である。
当該透明板清掃検査システム1は、透明板Pを搬送しつつこの透明板Pの第1面p1を清掃する第1清掃装置10A、この第1清掃装置10Aから搬出された透明板Pを反転させる反転装置30、この反転装置30によって反転された透明板Pを搬送しつつこの透明板Pの第2面p2(第1面p1の反対面)を清掃する第2清掃装置10B、この第2清掃装置10Bから搬出された透明板Pの第1面p1及び第2面p2に付着する異物を除去可能な異物除去装置50、及び上記異物除去装置50から排出される透明板Pを検査する透明板検査装置70を備えている。なお、図1等に示すように、第1清掃装置10Aの透明板Pの搬送方向Xと、第2清掃装置10Bの透明板Pの搬送方向Xとは、同一方向である。ここで搬送方向Xは、10Aから10Bに向かう方向である。また、本実施形態の透明板清掃検査システムは、第1清掃装置10Aに透明板Pを供給するローダ装置90を有している。
本実施形態の透明板清掃検査システム1は、各種装置の動作を制御等する制御装置(図示省略)をさらに備えている。
<清掃装置>
上記第1清掃装置10A及び上記第2清掃装置10Bは、一方向(搬送方向X)に透明板Pを搬送する搬送機構11、及びこの搬送機構11によって搬送される透明板Pの清掃面に長尺状の清掃布Cの一部を接触させて清掃面を清掃すべく清掃布を送給する送給機構25を備えている。具体的には、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10B(図1参照)は、図2及び図3に示すように、透明板Pを搬送する搬送機構11、透明板Pに接する長尺状の清掃布C、清掃布Cを透明板Pに向けて押圧するための二つの押圧ヘッド13、清掃布Cを送る送給機構25(図1参照)、及び清掃布Cに洗浄液を供給する洗浄液供給機構28を有している。この搬送機構11、押圧ヘッド13、送給機構25及び洗浄液供給機構28は、上記制御装置によって動作が制御されている。なお、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bは、後述するように一部の構成(例えば載置用長尺シート)において相違し、他の部分は同一構成を有している。また、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bは、搬送機構11、清掃布C、押圧ヘッド13、送給機構25及び洗浄液供給機構28を内蔵する筐体10hを有している。この筐体10h(図1参照)は、透明板Pの搬入口及び搬出口(図示省略)を有し、この搬入口及び搬出口以外は密閉状態に設けられ、このため第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bにおける透明板Pの清掃が略密閉状態でなされ、外気に含まれる埃等が透明板Pに付着することが防止されている。なお、この筐体10hは、メンテナンス等のための開閉扉(図示省略)が設けられている。
上記第1清掃装置10A及び上記第2清掃装置10Bは、一方向(搬送方向X)に透明板Pを搬送する搬送機構11、及びこの搬送機構11によって搬送される透明板Pの清掃面に長尺状の清掃布Cの一部を接触させて清掃面を清掃すべく清掃布を送給する送給機構25を備えている。具体的には、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10B(図1参照)は、図2及び図3に示すように、透明板Pを搬送する搬送機構11、透明板Pに接する長尺状の清掃布C、清掃布Cを透明板Pに向けて押圧するための二つの押圧ヘッド13、清掃布Cを送る送給機構25(図1参照)、及び清掃布Cに洗浄液を供給する洗浄液供給機構28を有している。この搬送機構11、押圧ヘッド13、送給機構25及び洗浄液供給機構28は、上記制御装置によって動作が制御されている。なお、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bは、後述するように一部の構成(例えば載置用長尺シート)において相違し、他の部分は同一構成を有している。また、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bは、搬送機構11、清掃布C、押圧ヘッド13、送給機構25及び洗浄液供給機構28を内蔵する筐体10hを有している。この筐体10h(図1参照)は、透明板Pの搬入口及び搬出口(図示省略)を有し、この搬入口及び搬出口以外は密閉状態に設けられ、このため第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bにおける透明板Pの清掃が略密閉状態でなされ、外気に含まれる埃等が透明板Pに付着することが防止されている。なお、この筐体10hは、メンテナンス等のための開閉扉(図示省略)が設けられている。
(搬送機構)
搬送機構11は、清掃対象物である透明板Pを搬送方向Xに搬送する機構である。搬送機構11は薄板状物である透明板Pを透明板Pの平面方向に搬送し、具体的には、本実施形態においては、搬送機構11は、透明板Pを清掃面(第1面p1及び第2面p2のいずれか)が上方を向いた状態で載置され、水平面に沿った方向のうちの1つの方向に搬送する機構である。なお、「平面方向に搬送する」とは、透明板Pの清掃面(上記第1面p1及び第2面p2)に沿った方向のうちの1つの方向に搬送することを意味する。
搬送機構11は、清掃対象物である透明板Pを搬送方向Xに搬送する機構である。搬送機構11は薄板状物である透明板Pを透明板Pの平面方向に搬送し、具体的には、本実施形態においては、搬送機構11は、透明板Pを清掃面(第1面p1及び第2面p2のいずれか)が上方を向いた状態で載置され、水平面に沿った方向のうちの1つの方向に搬送する機構である。なお、「平面方向に搬送する」とは、透明板Pの清掃面(上記第1面p1及び第2面p2)に沿った方向のうちの1つの方向に搬送することを意味する。
第1清掃装置10Aの搬送機構11は、透明板Pを載置、つまりは透明板Pの下側に位置する面(第2面p2(清掃対象である第1面p1の反対側の面))の全面が接した状態で透明板Pを搬送する。このように透明板Pは第2面p2全面が接した状態で搬送されることで、搬送機構11と清掃布Cとの間で全面的に挟持され、上方に位置する面(第1面p1)が清掃される。この第1清掃装置10Aの搬送機構11としては、例えばベルトコンベアから構成できる。
第2清掃装置10Bの搬送機構11は、透明板Pを載置、つまりは透明板Pの下側に位置する面(第1面p1(清掃対象である第2面p2の反対側の面))の全面が接した状態で透明板Pを搬送する。このように透明板Pは第1面p1が接した状態で搬送されることで、搬送機構11と清掃布Cとの間で全面的に挟み込まれ、第2面p2が清掃される。この第2清掃装置10Bの搬送機構11としては、例えば図1に示すようにベルトコンベアと、このベルトコンベア上に供給され、ベルトコンベアと同じ速度で移動する清浄な載置用長尺シート12とを有するものが採用できる。このように第2清掃装置10Bの搬送機構11が、載置用長尺シート12を有することで、第1面p1が第2清掃装置10B内で汚れることを防止できる。
上記ベルトコンベアについてさらに詳述する。ベルトコンベアは、搬送ベルト11a、搬送従動ローラ11b及び搬送駆動ローラ11cを備えている。搬送ベルト11aは無端状のベルト部材からなり、この搬送ベルト11aが搬送従動ローラ11b及び搬送駆動ローラ11cに架け渡されており、搬送駆動ローラ11cの回転に伴って搬送ベルト11aが循環すると共に搬送従動ローラ11bも回転する。なお、搬送駆動ローラ11bと搬送従動ローラ11cとの配設箇所を逆とすることも可能である。
また、第1清掃装置10Aの搬送機構11は、上記ローダ装置90から透明板Pを受け取り、清掃後に反転装置30に受け渡す第1受渡領域A1(図6参照)まで透明板Pを搬送する。また、第2清掃装置10Bの搬送機構11は、反転装置30から第2受渡領域A2(図6参照)において透明板Pを受け取り、透明板Pの排出領域まで透明板Pを搬送して排出する。
また、第1清掃装置10Aの搬送機構11は、搬送ベルト11aの表面の異物を除去するための粘着ローラ11dを有している。この粘着ローラ11dは、搬送ベルト11aの下側に位置する面に接して回転する。また、第1清掃装置10Aは、この搬送ローラ11dの粘着力を回復するための粘着力回復機構52を有している。この粘着力回復機構52の具体的構成は、後述する異物除去装置50の粘着力回復機構52の構成と同一であるため、ここでの説明を省略する。
第1清掃装置10Aの搬送機構11による透明板Pの搬送速度及び第2清掃装置10Bの搬送機構11の搬送速度は、本実施形態においては同一に設定されている。なお、搬送速度とは、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bにおいて透明板Pが搬入され搬出されるまでの距離を時間で割った値を意味する。
(清掃布)
清掃布Cは、清掃箇所において透明板Pに接触されながら動かされることで透明板Pの清掃面(上側に位置する面)を清掃する。清掃布Cは、清掃箇所において一方の面が透明板Pの清掃面に対面するよう供給され、上記押圧ヘッド13によって透明板Pの清掃面に押し付けられながら清掃面を拭き取ることで清掃面を清掃する。
清掃布Cは、清掃箇所において透明板Pに接触されながら動かされることで透明板Pの清掃面(上側に位置する面)を清掃する。清掃布Cは、清掃箇所において一方の面が透明板Pの清掃面に対面するよう供給され、上記押圧ヘッド13によって透明板Pの清掃面に押し付けられながら清掃面を拭き取ることで清掃面を清掃する。
この清掃布Cとしては、繊維製のものが用いられ、例えば織物が用いられる。この繊維としては、天然繊維、合成繊維等、種々のものが採用可能である。ここで、清掃布Cとして不織布を用いることもできる。不織布を用いる場合、不織布としては、乾式法、湿式法、メルトブロー法によってフリースが形成されるものを用いることができる。
(押圧ヘッド)
二つの上記押圧ヘッド13は、搬送方向Xに並べて配置されている。各押圧ヘッド13は、図2に示すように清掃布Cの一部を透明板Pに向けて押圧する第1清掃部材14、及び清掃布Cの第1清掃部材14よりも搬送方向Xの下流側の部分を透明板Pに向けて押圧する第2清掃部材15をそれぞれ備えている。つまり、本実施形態においては、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bは、それぞれ清掃布Cと透明板Pとが接する清掃箇所を、透明板Pの搬送方向Xに並べて4箇所設けられている。なお、本実施形態においては、二つの押圧ヘッド13は同一構成を有している。この第1清掃部材14及び第2清掃部材15は、例えばシリコン等の弾性部材によって形成されたパッドから構成される。
二つの上記押圧ヘッド13は、搬送方向Xに並べて配置されている。各押圧ヘッド13は、図2に示すように清掃布Cの一部を透明板Pに向けて押圧する第1清掃部材14、及び清掃布Cの第1清掃部材14よりも搬送方向Xの下流側の部分を透明板Pに向けて押圧する第2清掃部材15をそれぞれ備えている。つまり、本実施形態においては、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bは、それぞれ清掃布Cと透明板Pとが接する清掃箇所を、透明板Pの搬送方向Xに並べて4箇所設けられている。なお、本実施形態においては、二つの押圧ヘッド13は同一構成を有している。この第1清掃部材14及び第2清掃部材15は、例えばシリコン等の弾性部材によって形成されたパッドから構成される。
各押圧ヘッド13は、第1清掃部材14及び第2清掃部材15それぞれを清掃面の平面上であって、且つ搬送方向Xの直交方向に往復動させる清掃部材駆動機構(図示省略)を有している。なお、「清掃面の平面上であって、且つ搬送方向Xの直交方向」とは、第1清掃部材14及び第2清掃部材15が清掃布Cを透明板Pの清掃面に接触させることのできる平面内における搬送方向Xの直交方向であることを意味し、具体的には清掃面と平行な面上であり且つ搬送方向Xの直交方向を意味する。
(送給機構)
図1を参照して清掃布Cの送給機構25について説明する。上記清掃布Cは、上述のように送給機構25によって送られる。ここで、送給機構25は、主動ローラ25a及び従動ローラ25bを有している。清掃布Cは、この主動ローラ25a及び従動ローラ25bに架け渡され、主動ローラ25aの回転によって透明板Pの清掃後の清掃布Cの部分は主動ローラ25aに巻き取られる。このとき、従動ローラ25bから未使用の清掃布Cが繰り出される。
図1を参照して清掃布Cの送給機構25について説明する。上記清掃布Cは、上述のように送給機構25によって送られる。ここで、送給機構25は、主動ローラ25a及び従動ローラ25bを有している。清掃布Cは、この主動ローラ25a及び従動ローラ25bに架け渡され、主動ローラ25aの回転によって透明板Pの清掃後の清掃布Cの部分は主動ローラ25aに巻き取られる。このとき、従動ローラ25bから未使用の清掃布Cが繰り出される。
送給機構25は、透明板Pの搬送方向Xと逆方向に清掃布Cを送るよう設けられている(図2参照)。つまり、清掃布Cは、送給機構25によって、清掃箇所(透明板Pと接する箇所)において清掃布Cが搬送方向Xの逆方向(図2のY方向)に送られる。
また、送給機構25は、二つの上記押圧ヘッド13の間に位置する清掃布Cの一部を、透明板Pから離間させるようにガイドしている。具体的には、送給機構25は、二つの押圧ヘッド13間においてベルトコンベアの上方に配されたローラ26を有している。この送給機構25では、このテンションローラ26に二つの押圧ヘッド13間の清掃布Cが架け渡されていることで二つの押圧ヘッド13間の清掃布Cが透明板Pから離間されている。
(洗浄液供給機構)
上記清掃布Cには、上述のように洗浄液供給機構28によって洗浄液が供給される。このため、洗浄液が含浸された清掃布Cによって透明板Pが清掃される。本実施形態において洗浄液供給機構28は、搬送方向Xにおいて第1清掃部材14及び第2清掃部材15間に位置する清掃布Cの一部にそれぞれ洗浄液を供給すると共に、後述するように押圧ヘッド13よりも搬送方向Xの下流側に位置する清掃布Cの一部にも洗浄液を供給している。
上記清掃布Cには、上述のように洗浄液供給機構28によって洗浄液が供給される。このため、洗浄液が含浸された清掃布Cによって透明板Pが清掃される。本実施形態において洗浄液供給機構28は、搬送方向Xにおいて第1清掃部材14及び第2清掃部材15間に位置する清掃布Cの一部にそれぞれ洗浄液を供給すると共に、後述するように押圧ヘッド13よりも搬送方向Xの下流側に位置する清掃布Cの一部にも洗浄液を供給している。
洗浄液供給機構28は、図3に示すように第1清掃部材14と第2清掃部材15との間に設けられた供給ノズル28bを有している。供給ノズル28bは図示しない洗浄液貯蔵タンクに接続されている。供給ノズル28bは、上方に向かって洗浄液を供給する。供給ノズル28bから供給された洗浄液は、清掃布Cに含浸して透明板Pの清掃面に到達する。供給ノズル28bから供給される洗浄液の量は、透明板Pに付着した汚れを分解可能であり、且つ押圧パッド15により清掃布Cの一部が押圧されて拭き取り動作が行われたとしても筋が残らないように調整されている。供給ノズル28bは、先細形状となっている。本実施形態では、上述のような構成となっているが、清掃布Cの上方から下方に向かって洗浄液を供給する構成を採用することもできる。
上記洗浄液としては、特に限定されるものではないが、アルコールが好適に用いられ、中でもエタノールが特に好適に用いられる。
また、当該透明板清掃検査システム1は、洗浄液供給機構28として、搬送方向Xの下流側の押圧ヘッド13の清掃布Cの供給方向の上流側の清掃布Cの一部に洗浄液を供給する洗浄液供給部28aをさらに有している(図1参照)。
<反転装置>
図1、図5及び図6を参照して反転装置30について説明する。反転装置30は、上述のように第1清掃装置10Aから搬出された透明板Pを反転させて、第2清掃装置10Bに供給する装置である。具体的には、第1清掃装置10A(図1参照)から順次第1受渡領域A1に供給される透明板Pを、第2受渡領域A2において第2清掃装置10B(図1参照)に受け渡している。
図1、図5及び図6を参照して反転装置30について説明する。反転装置30は、上述のように第1清掃装置10Aから搬出された透明板Pを反転させて、第2清掃装置10Bに供給する装置である。具体的には、第1清掃装置10A(図1参照)から順次第1受渡領域A1に供給される透明板Pを、第2受渡領域A2において第2清掃装置10B(図1参照)に受け渡している。
この反転装置30は、第1受渡領域A1において透明板Pの第2面p2を吸着し、第2受渡領域A2において上記透明板Pを解放する保持部(吸着部32)と、この保持部(吸着部32)が一端側に付設されているアーム33と、このアーム33の他端側を支持する回転部35とを備えている。なお、反転装置30は、上記吸着部32、アーム33及び回転部35等を内蔵する筐体30h(図1参照)を有している。
さらに、反転装置30は、第1受渡領域A1に配設された仮受部材31と、回転部35に対して上記アーム33を上記吸着部32の吸引方向に突出又は後退する突出機構34とを備える。反転装置30は、第1受渡領域A1において一つの透明板Pを下側から支持する仮受部材31を備えている。具体的には、仮受部材31は、第1受渡領域A1において第1清掃装置10A(図1参照)から排出された透明板Pの第2面p2を一時的に支持する。吸着部32は、仮受部材31に支持されている透明板Pの第2面p2を吸着する。アーム33は伸縮可能である。具体的には、アーム33は、吸着部32が一端側に付設されており、回転部35に支持される上記他端から吸着部32が付設される上記一端に向かう方向に伸縮可能である。突出機構34は、回転部35とアーム33との間に設けられ、上述のように回転部35に対してアーム33を吸着部32の吸引方向に突出又は後退する機構である。具体的には、突出機構34は、アーム33の上記他端側を支持するエアシリンダからなる。回転部35は、突出機構34が固定され、これにより上述のようにアーム33を支持している。回転部35は、吸着部32に吸着される透明板Pと平行な平面上に位置する回転軸を中心に回転可能である。具体的には、この回転軸は、水平方向(透明板Pを搬送する方向に垂直な方向)であり、また吸着部32の吸引する方向に垂直な方向に設けられている。反転装置30は、複数の上記吸着部32、上記アーム33及び上記突出機構34を備えており、これら複数の上記吸着部32、上記アーム33及び上記突出機構34はそれぞれ対をなし、一対の上記吸着部32、上記アーム33及び上記突出機構34は、それぞれ回転部35の回転軸を中心に略回転対称に配設されている。なお、「略回転対称」とは、完全に回転対称である場合のみならず、第1受渡領域A1における一の透明板Pの吸着と第2受渡領域A2における他の透明板Pの解放とを同時に行うことができる程度に配置されている場合を含むものである。
<異物除去装置>
図1を参照して異物除去装置50を説明する。異物除去装置50は、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bによって清掃された透明板Pの第1面p1及び第2面p2に付着する異物を除去するための装置であり、当該透明板清掃検査システム1では、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bの繊維製の清掃布C等に起因する異物が透明板Pに付着していたとしても上記異物除去装置50によって除去することができる。なお、異物除去装置50の各種動作も上記制御装置によって制御されている。
図1を参照して異物除去装置50を説明する。異物除去装置50は、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bによって清掃された透明板Pの第1面p1及び第2面p2に付着する異物を除去するための装置であり、当該透明板清掃検査システム1では、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bの繊維製の清掃布C等に起因する異物が透明板Pに付着していたとしても上記異物除去装置50によって除去することができる。なお、異物除去装置50の各種動作も上記制御装置によって制御されている。
この異物除去装置50は、図6及び図7に示すように、透明板Pに接触することで異物を除去する粘着面を外周面に有する粘着ローラ51と、この粘着ローラ51の粘着面51sに付着する異物を除去可能な粘着力回復機構52を備えている。この粘着力回復機構52は、粘着ローラ51の粘着面51sに接触することで粘着ローラ51の粘着面51sの異物を除去可能な長尺状の粘着シート53、及びこの粘着シート53を供給及び排出するための粘着シート供給排出機構54を備えている。この粘着シート供給排出機構54は、上記粘着ローラ51に供給する粘着シート53の未使用部分を供給する供給部55と粘着シート53の使用済み部分を排出する排出部56とを有している。
この粘着ローラ51及び粘着力回復機構52は、透明板Pを挟んで上下に二組設けられている。つまり、当該異物除去装置50は、上下一対の粘着ローラ51及び上下一対の粘着力回復機構52を備えている。
上下一対の粘着ローラ51は、図6及び図7に示すように、搬送される透明板Pを挟み込み、搬送方向Xの透明板Pを搬送するよう互いに反対方向に回転している。なお、粘着ローラ51は、駆動モータ(図示省略)に接続され、駆動モータによって回転している。なお、当該異物除去装置50は、第2清掃装置10Bから排出される透明板Pを受け取る複数のフリーローラ50aを有し、フリーローラ50aに排出された透明板Pが上記上下一対の粘着ローラ51によって搬送方向Xに搬送される。なお、本実施形態においては、異物除去装置50における透明板Pの搬送方向が、第1清掃装置10A(図1参照)の搬送方向と同一方向とされているため、異物除去装置50における透明板Pの搬送方向として図6及び図7において第1清掃装置10Aの搬送方向と同一符号であるXを用いて図示しているが、異物除去装置50における透明板Pの搬送方向はこれに限定されない。
上記粘着ローラ51は、回転中心から略同距離の外周面を有し、この外周面が粘性を有する粘着面51sを構成するローラから構成されている。
この異物除去装置50による透明板Pの搬送速度は、上記第2清掃装置10Bによる透明板Pの搬送速度と同期している。具体的には、上記粘着ローラ51の周速度が、上記第2清掃装置10Bの搬送機構11による透明板Pの搬送速度と略同一に設定されている。このため、第2搬送装置10Bによって排出された透明板Pを同速度のまま粘着ローラ51によって挟み込んで搬送することができ、この受渡し時において透明板Pに負荷がかかりにくい。
上記粘着シート53は、一方の面が粘着面53sであり、他方の面が非粘着面である長尺状の可撓性帯状体から構成され、ロール状に巻回されるものである。この粘着シート53は、その粘着面53sが、少なくとも未使用状態において上記粘着ローラ51の粘着面51sよりも粘着力が大きく、このため粘着シート53の粘着面53sを粘着ローラ51の粘着面51sに接触させると、粘着ローラ51の粘着面51sに付着する異物が粘着シートの粘着面53sに転移しやすい。なお、粘着シート53は、特に限定されるものではないが、合成樹脂製の基材シートと、この基材シートの一方の面に積層される粘着層とを有するものが好適に用いられる。上記基材シートの他方の面に離型処理が施されていることが好ましく、これによって粘着シート53をロール状に巻回して保存しやすい。
上記粘着シート供給排出機構54の上記供給部55は、未使用且つロール状に巻回された粘着シート53を装着できる。この供給部55は、粘着シート53が繰出し方向に作用するテンションによって回転し、粘着シート53を繰出すよう設けられている。供給部55では、常時一定の速度で粘着シート53を繰り出している。
上記粘着シート供給排出機構54の上記排出部56は、粘着シート53の使用済部分を順次巻取可能な巻取部から構成されている。この巻取部は、回転することで上述のように粘着シート53の使用済部分を巻き取る。なお、この巻取部の回転については後に詳述する。
上記粘着シート供給排出機構54は、粘着ローラ51に接近及び離反可能に設けられる移動部57を有している。この移動部57は粘着シート53が粘着面53sを外向きとなるよう架け渡されるローラから構成されている。この移動部57に架け渡された粘着シート53は、その粘着面53sが粘着ローラ51の粘着面51sと対面する。このため、移動部57が粘着ローラ51に接近すると、粘着シート53が粘着ローラ51に接触し、移動部57が粘着ローラ51から離反すると粘着シート53が粘着ローラ51から離間する。この移動部57の粘着ローラ51への接近及び離反は間欠的に行われ、つまり粘着シート53と粘着ローラ51との接触は間欠的に行われる。なお、移動部57は、特に限定されるものではないが、例えばシリンダ等によって移動される。
上記粘着シート供給排出機構54は、移動部57の粘着ローラ51との離反時に粘着シート53の粘着ローラ51と対面する部分を供給部55側に戻し、次の移動部57の粘着ローラ51との近接時に粘着シート53の接触済部分と未使用部分とが粘着ローラ51に接触するよう制御されている。
上記粘着シート供給排出機構54は、上記移動部57より供給部55側の供給側ダンサローラ58及び排出部56側の排出側ダンサローラ59を備えている。供給側ダンサローラ58は、移動部57と供給部55との間で粘着シート53に接触している。供給側ダンサローラ58は、粘着シート53の非粘着面と接触している。排出側ダンサローラ59は、移動部57と排出部56との間で粘着シート53に接触している。排出側ダンサローラ59は、粘着シート53の非粘着面と接触している。供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59はそれぞれ個別に移動機構を備えている。このため、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59は、それぞれ単独で移動することができる。供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59の移動機構は、図示しないシリンダなどを有している。本実施形態では供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59の移動機構は、図示しないシリンダを有している構成を採用するが、モータやラック及びピニオンによって移動させる構成など別の構成であってもよい。
供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59は、粘着シート53に張力を付与する。供給側段差ローラ58及び排出側ダンサローラ59は、図6に示すスタートポジションと図7に記載のエンドポジションとの間を移動可能である。供給側ダンサローラ58又は排出側ダンサローラ59のスタートポジションとは、供給側ダンサローラ58又は排出側ダンサローラ59が移動可能な範囲のうち搬送方向Xの下流側の位置であって、粘着シート53によって粘着ローラ51の粘着力回復動作が行われる前の位置である。供給側ダンサローラ58又は排出側ダンサローラ59のエンドポジションとは、排出側ダンサローラ59又は供給側ダンサローラ58が粘着シート53によって粘着ローラ51に付着した異物を除去する動作が完了した時点での位置を意味している。スタートポジション及びエンドポジションの両方のいずれの位置においても、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59は粘着シート53に張力を付与している。すなわち、供給側ダンサローラ58が搬送方向下流側に粘着シート53を引っ張るとともに、排出側ダンサローラ59が粘着シート53を搬送方向Xの上流側に引っ張っている。この供給側ダンサローラ58は、移動することで、搬送方向Xにおける供給側ダンサローラ58から移動部57までの距離の長さを変更でき、排出側ダンサローラ59は、移動することで、搬送方向Xにおける排出側ダンサローラ59から移動部57までの距離の長さを変更できる(図6及び図7参照)。
図8(A)〜(F)を参照して、異物を除去して粘着ローラ51の粘着力を回復する動作(粘着力回復動作)について説明する。ここでは、粘着ローラ51によって3枚の透明板Pを清掃する毎に、粘着ローラ51に付着した異物を粘着シート53で除去する場合を例として説明する。なお、図8(A)〜(F)では、異物除去機構50の上側のみを示しているが、上述のように下側にも同様の構成が透明板Pの搬送経路に対して対照となるように設けられている。
図8(A)は、3枚の透明板Pの異物が除去された後、4枚目の透明板P4の表面に付着した異物が粘着ローラ51によって除去されるまでの状態を示している。図8(A)に示すように、この状態では、粘着ローラ51が粘着シート53に接触しておらず、移動部57が粘着ローラ51から離間している。粘着ローラ51は、透明板P3を搬送方向Xに搬送するよう矢印Rの方向に回転しており、透明板P3と接触した状態では、透明板Pの表面に接触して異物を除去するとともに透明板P3を搬送する。
図8(B)は、3枚の透明板Pの清掃が終了した後、4枚目の透明板P4を清掃するタイミングにおける異物除去機構50を示している。3枚目の透明板P3の異物除去が終了すると、移動部57が粘着ローラ51に近接する。具体的には、移動部57が下方に移動する。このとき、粘着ローラ51と粘着シート53とが第1清掃始点S1において接触する。ここで、第1清掃始点S1とは、1度目の粘着ローラ51の粘着力回復動作において粘着ローラ51が粘着シート53と接触する粘着シート53上での位置を示している。
図8(C)は、4枚目の透明板P4を清掃している状態の異物除去機構50を示している。この例では、3枚の透明板Pの異物除去動作が終了する毎に粘着ローラ51の粘着力回復動作が行われる。4枚目の透明板P4の異物を除去する際には、上述のように粘着ローラ51に粘着シート53が接触する。この状態で透明板P4の異物除去及び搬送を行うため、粘着ローラ51が回転する。粘着ローラ51が回転すると、粘着ローラ51の回転によって粘着シート53が矢印H方向に送り出される。このとき、粘着シート53の粘着力の方が粘着ローラ51の粘着力よりも強いため、粘着ローラ51に付着している異物が粘着シート53に付着する。このため、粘着ローラ51の表面から異物が除去され、粘着ローラ51の粘着力が回復する。そして、粘着力回復動作において粘着シート53が排出側に送られるが、粘着ローラ51による粘着シート53の送り量よりも供給部55の供給量の方が少ないため、供給側ダンサローラ58は粘着シート53によって搬送方向Xの下流側に押し付けられる。このため、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59がスタートポジションからエンドポジション側に移動する。すなわち、粘着ローラ51が4枚目の透明板P4の搬送に伴って1回転する間に、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59が、スタートポジションからエンドポジションまで移動する。
図8(D)は、4枚目の透明板P4の異物除去動作が終了した後のタイミングにおける異物除去機構50が示されている。4枚目の透明板P4の異物除去動作終了時点では、粘着ローラ51は4枚目の透明板P4の搬送方向X後方端に接触している。このとき粘着ローラ51が接触する粘着シート53上の位置を第1清掃終点F1とする。この状態では、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59はエンドポジションまで移動している。
図8(E)は、4枚目の透明板P4の異物除去動作後、5枚目の透明板P5の異物除去動作前の異物除去機構50を示す。4枚目の透明板P4の異物除去動作が終了すると、移動部57が粘着ローラ51から離間する。すなわち、移動部57が上方に移動する。移動部57が上方に移動すると、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59がエンドポジションからスタートポジション側に移動する。これと同時に粘着シート53が供給側(矢印K側)に送られる。
図8(F)は、図8(E)の状態の後、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59がスタートポジションまで戻った状態を示している。移動部57が粘着ローラ51から離間し粘着シート53が供給側に戻される際に、供給部55及び排出部56により粘着シート53は排出側に送られる。このため、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59がスタートポジションまで戻ったとしても、粘着力回復動作が行われる前よりも粘着シート53は排出側に送られている。したがって、次の粘着ローラ51の粘着力回復動作においては、粘着ローラ51と粘着シート53は第1清掃始点S1で接触するのではなく、最初の粘着力回復動作時点においては粘着シート53における第1清掃始点S1よりも供給側に位置していた第2清掃始点S2で粘着シート53が粘着ローラ51と接触する。
図9は、粘着ローラ51の粘着力回復動作における粘着シート53の状況を示している。異物除去機構50では、1度の粘着力回復動作で粘着シート53を廃棄するのではなく、粘着ローラ51の粘着力が一定以上に保たれる程度に複数回使用する。この例では、粘着シート53のうち3回の粘着力回復動作を行った部分を排出するケースを示している。この図において「粘着ローラとの接触点又は対向点」は、粘着力回復動作において粘着ローラ51が粘着シート53に接触している状態では粘着シート53上の位置を示しており、粘着ローラ51が粘着シート53に接触していない状態では、粘着ローラ51が粘着シート53に対向する粘着シート53上の位置を示す。図9においては、右側が排出側を意味しており、左側が供給側を意味している。図9では、未使用部分53a、1回の使用後部分53b、2回の使用後部分53c、使用済み部分53dに分けて粘着シート53のステータスを示している。図9におけるS1は、1回目の粘着力回復動作の際に粘着ローラ51が粘着シート53に接触する粘着シート53上での位置を示し、S2、S3、S4は、それぞれ2回目の粘着力回復動作、3回目の粘着力回復動作、4回目の粘着力回復動作の際に粘着ローラ51が粘着シート53に接触する粘着シート53上での位置を示している。図9におけるF1は、1回目の粘着力回復動作の際に粘着ローラ51が粘着シート53と接触し終える粘着シート53上での位置を示し、F2、F3、F4は、それぞれ2回目の粘着力回復動作、3回目の粘着力回復動作、4回目の粘着力回復動作の際に粘着ローラ51が粘着シート53と接触し終える粘着シート53上での位置を示している。
図9(A)は、最初に粘着ローラ51から異物を除去し、粘着力回復動作を行った後の粘着シート53の状況を示している。すなわち、図8(D)に示す異物除去機構50の状態における粘着シート53のステータスを示している。この状態では、粘着ローラ51が粘着シート53の第1清掃終点F1で接触している。第1清掃始点S1は、粘着ローラ51の1周分だけ排出側に移動している。この状態から、粘着ローラ51と粘着シート53が離間するとともに、粘着シート53が供給側に戻される。
図9(B)は、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59がエンドポジションからスタートポジションまで戻った状態における、粘着シート53のステータスを示す。すなわち、図8(F)に示す異物除去機構50の状態における粘着シート53のステータスを示している。粘着シート53が供給側に戻されたとしても、供給部55及び排出部56によって粘着シート53が排出側に送られているため、粘着力回復動作が行われる前よりも第1清掃始点S1が排出側に移動している。異物除去機構50では、このようにして、1回の粘着力回復動作が終了する。2回目以降も同様の動作が繰り返されるが、1回目の粘着力回復動作により使用された粘着シート53の部分のうちの一部を再度粘着力回復動作に使用する。これは、粘着ローラ51が、透明板Pが清掃された後に透明板Pに付着した異物を除去する構成であるため、付着している異物の量が少なく、粘着ローラ51の粘着力を一定以上に保つという観点で考えると、1度の粘着力回復動作のみで廃棄する必要がないためである。
図9(C)は、2回目の粘着力回復動作が行われる直前の粘着シート53のステータスを示している。すなわち、図9(C)は、8枚目の透明板Pを清掃するタイミングにおける粘着シート53のステータスを示している。2回目の粘着力回復動作を開始するタイミングでは、粘着シート53は、最初の粘着力回復動作の状況よりも、粘着ローラ51の1周の3分の1の距離だけ排出側に移動している。2回目の粘着力回復動作では、粘着ローラ51は、粘着シート53と第2清掃始点S2で接触し始める。このため、第1清掃始点S1と第2清掃始点S2の間の距離は粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離となっている。
図9(D)は、2回目の粘着力回復動作が終了した時点における粘着シート53のステータスを示している。第1清掃始点S1と第2清掃始点S2との間の部分は、2回目の粘着力回復動作においては粘着ローラ51と接触しない。第2清掃始点S2から粘着ローラ51の周方向における3分の2の距離は既に1度粘着力回復動作に用いられた部分53bで異物を除去し、残りの粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離だけ未使用の部分53aで粘着ローラ51の異物が除去される。このため、2回目の粘着力回復動作が終了した時点においては、第2清掃始点S2から粘着ローラ51の周方向における3分の2の距離は2回使用された後の部分53cとなっており、粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は1回使用された後の部分53bとなっている。
図9(E)は、3回目の粘着力回復動作が行われる直前の粘着シート53のステータスを示している。すなわち、図9(E)は、12枚目の透明板Pを清掃するタイミングにおける粘着シート53のステータスを示している。3回目の粘着力回復動作を開始するタイミングでは、粘着シート53は、2回目の粘着力回復動作の状況よりも、粘着ローラ51の1周のさらに3分の1の距離だけ排出側に移動している。3回目の粘着力回復動作では、粘着ローラ51は、粘着シート53と第3清掃始点S3で接触し始める。このため、第1清掃始点S1と第3清掃始点S3の間の距離は粘着ローラ51の周方向における3分の2の距離となっている。
図9(F)は、3回目の粘着力回復動作が終了した時点における粘着シート53のステータスを示している。第1清掃始点S1と第3清掃始点S3との間の部分は、3回目の粘着力回復動作においては粘着ローラ51と接触しない。第3清掃始点S3から粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は既に2度粘着力回復動作に用いられた部分53cで異物を除去し、その位置から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は1度使用された部分53bで異物が除去され、残りの粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は未使用の部分53aで粘着ローラ51の異物が除去される。このため、3回目の粘着力回復動作が終了した時点においては、第3清掃始点S3から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は3回使用された後の部分、すなわち使用済の部分53dとなっており、その位置から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は2回使用された後の部分53cとなっており、残りの粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は1回使用された部分53bとなっている。
図9(G)は、4回目の粘着力回復動作が行われる直前の粘着シート53のステータスを示している。すなわち、図9(G)は、16枚目の透明板Pを清掃するタイミングにおける粘着シート53のステータスを示している。4回目の粘着力回復動作を開始するタイミングでは、粘着シート53は、3回目の粘着力回復動作の状況よりも、粘着ローラ51の1周のさらに3分の1の距離だけ排出側に移動している。4回目の粘着力回復動作では、粘着ローラ51は、粘着シート53と第4清掃始点S4で接触し始める。このため、第1清掃始点S1と第4清掃始点S4の間の距離は粘着ローラ51の1周分の距離となっている。
図9(H)は、4回目の粘着力回復動作が終了した時点における粘着シート53のステータスを示している。第1清掃始点S1と第4清掃始点S4との間の部分は、4回目の粘着力回復動作においては粘着ローラ51と接触しない。すなわち、1回目の粘着力回復動作に用いられた部分は4回目の粘着力回復動作では使用されない。第4清掃始点S4から粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は既に2度粘着力回復動作に用いられた部分53cで異物を除去し、その位置から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は1度使用された部分53bで異物が除去され、残りの粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は未使用の部分53aで粘着ローラ51の異物が除去される。このため、4回目の粘着力回復動作が終了した時点においては、第4清掃始点S4から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は使用済の部分53dとなっており、その位置から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は2回使用された後の部分53cとなっており、残りの粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は1回使用された部分53bとなっている。
図10は、粘着ローラ51のn回目の粘着力回復動作における粘着シート53の状況を示している。
図10(A)は、n回目の粘着力回復動作が行われる直前の粘着シート53のステータスを示している。ここでnは4よりも大きな数字である。n回目の粘着力回復動作では、粘着ローラ51は、粘着シート53と第n清掃始点Snで接触し始める。
図10(B)は、n回目の粘着力回復動作が行われた後の粘着シート53のステータスを示している。n回目の粘着力回復動作は、4回目の粘着力回復動作と同様に、第4清掃始点S4から粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は既に2度粘着力回復動作に用いられた部分53cで異物を除去し、その位置から供給側に粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は1度使用された部分53bで異物が除去され、残りの粘着ローラ51の周方向における3分の1の距離は未使用の部分53aで粘着ローラ51の異物が除去される。4回以上の粘着力回復動作では、4回目の粘着力回復動作と同様の状態で粘着ローラ51の異物除去が行われる。このため、粘着力回復動作による粘着シート53の粘着ローラ51の異物除去性能は安定して発揮される。なお、上記の例では、3回使用し終えると廃棄するようにしたが、粘着ローラ51の粘着力が一定以上に保たれるなら4回以上であってもよい。
図10(C)は、n+1回目の粘着力回復動作が行われる直前の粘着シート53のステータスを示している。図10(C)に示すように、図10(A)に示すn回目の粘着力回復動作と同様の状態となっている。すなわち、n回目以降は、図10(A)及び(C)の状況で粘着力回復動作が行われ、粘着力回復動作が終了した時点では、図10(B)の状態となっている。
上記粘着シート供給排出機構54は、図6及び図7に示すように、上記供給部55から上記排出部56に粘着シート53を送るシート送り部60を備えており、このシート送り部60は、排出側ダンサローラ59より排出部56側に配設される排出ローラ60a、排出部56、ニップローラ60bとベルト60cを有する。この排出ローラ60aは、排出部56に粘着シート53の使用済部分を連続的に送っている。この排出ローラ60aは、駆動モータ(図示省略)に接続され、駆動モータによって回転している。なお、この排出ローラ60aの軸は、ベルト60cで連結されている。このため排出ローラ60aの回転力はベルト60cを介して伝達されるので、排出ローラ60aの回転に伴って排出部56の巻取部が回転する。ただし、排出部56の巻取部のテンションが所定以上に高くなると空回りするよう設けられている。このため、粘着シート53の使用済部分を一定速度で排出するために、駆動モータの回転数を変更する必要がなく、駆動モータのコスト減に寄与できる。
なお、上記排出ローラ60aの粘着シート53の送給速度は、上記粘着ローラ51の周速度よりも遅く設けられている。換言すると、当該異物除去装置50は、粘着シート53の上記供給部55から上記排出部56までの平均送給速度(上記排出ローラ60aの粘着シート53の送給速度)が、上記第2清掃装置10Bによる透明板Pの搬送速度より遅く設けられている。
なお、異物除去装置50は、上記粘着ローラ51及び粘着力回復機構53等を内蔵する筐体50hを有し、この筐体50hは、透明板Pの搬入口及び搬出口を有し、この搬入口及び搬出口以外は密閉状態に設けられ、このため上述のような異物除去が略密閉状態でなされ、外気に含まれる埃等が透明板Pに付着することが防止されている。また、異物除去装置50の筐体50hの搬入口は第2清掃装置10Bの筐体10hの搬出口と気密に連結されている。なお、この異物除去装置50の筐体50hは、メンテナンス等のための開閉扉(図示省略)が設けられている。
<検査装置>
図1を参照して検査装置70に関して説明する。上記検査装置70は、上述のように異物除去装置50から排出される透明板Pを検査する装置である。
図1を参照して検査装置70に関して説明する。上記検査装置70は、上述のように異物除去装置50から排出される透明板Pを検査する装置である。
この検査装置70は、透明板Pを搬送する機構(図示省略)、搬送される透明板Pに光線を照射する照明部71、及び光線を照射された透明板Pを撮像するカメラ72を有している。なお、検査装置70は、上記照明部71及びカメラ72等を内蔵する筐体70hを有し、この筐体70hは、透明板Pの搬入口及び搬出口(図示省略)を有し、この搬入口及び搬出口以外は密閉状態に設けられ、このため透明板Pの検査は気密状態で行われる。この検査装置70の筐体70hの搬入口は異物除去装置50の筐体50hの搬出口と気密に連結されている。なお、この検査装置70の筐体70hは、メンテナンス等のための開閉扉(図示省略)が設けられている。
本実施形態においては、検査装置70は、複数対の上記照明部71及びカメラ72を有しており、複数対の照明部71及びカメラ72によって、反射光や透過光等による種々の画像が撮像される。当該透明板清掃検査システム1にあっては、上記画像が上記制御装置に送信され、制御装置によって透明板Pの良否判定を行い得る。
検査装置70は、異物付着阻止機構75をさらに備えている。異物付着阻止機構75は、送風装置と、フィルタとを備えている。送風装置は、筐体70hの上面、言い換えると天井に設けられている。送風装置は、筐体70hの外部の空気を内部に送り込む。送風装置は、図示しないフィンなどを有しており、回転することで筐体70hの外部の空気を内部に送り込む。送風装置は、検査のために搬送される透明板Pの表面に付着した異物を流すように、空気を透明板Pに向けて送る。フィルタは、送風装置で筐体70hの内部に空気が送り込まれる際に、埃等の異物が筐体70hの内部に入りこまないようにする。フィルタは送風装置よりも筐体70hの内側に配置されている。
異物侵入阻止機構75により筐体70hに空気が送り込まれるため、筐体70h内の内圧が外部の気圧より高くなる。したがって異物が筐体70hの内部に入り込みにくくなる。また、異物付着阻止機構75によって透明板Pの表面に付着した異物を流すように空気が送られるため、例え、筐体70h内で生じた異物が透明板Pに付着したとしても検査に影響を与えにくくすることができる。
<利点>
当該透明板清掃検査システム1によれば、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bによって清掃された清掃面に異物が付着していたとしても、異物除去装置50の粘着ローラ51によって異物を的確に除去することかできる。特に、当該透明板清掃検査システム1は、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bの繊維製の清掃布Cに基づいて透明板Pに繊維等の異物が付着しても上記粘着ローラ51によって上記異物を的確に除去することかできる。
当該透明板清掃検査システム1によれば、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bによって清掃された清掃面に異物が付着していたとしても、異物除去装置50の粘着ローラ51によって異物を的確に除去することかできる。特に、当該透明板清掃検査システム1は、第1清掃装置10A及び第2清掃装置10Bの繊維製の清掃布Cに基づいて透明板Pに繊維等の異物が付着しても上記粘着ローラ51によって上記異物を的確に除去することかできる。
また、粘着ローラ51の粘着面51sに付着した異物は、粘着シート53が接触することで除去されるので、粘着ローラ51の粘着面51sの粘着力を回復することができる。当該異物除去装置50は、粘着ローラ51の粘着面51sの粘着力を回復するにあたって長尺状の粘着シート53を用い、この粘着シート53の未使用部分が粘着力の回復に用いられるので、(1)容易かつ確実に粘着ローラ51の粘着面51sの粘着力の回復を行うことができ、(2)粘着シート53の使用開始から終了時までの長時間にわたって、粘着力を一定以上に維持することができる。
上記粘着シート供給排出機構54は、粘着シート53と粘着ローラ51との接触を間欠的に行うため、粘着シート53と粘着ローラ51との接触が過剰となり過ぎず、粘着シート53を有効利用することができ、粘着シート53の消費量を低減することができる。また、粘着シート53と粘着ローラ51との接触に際して、上述のように粘着シート53の接触済部分53b,53cと未使用部分53aとを粘着ローラ51に接触させるので、粘着シート53の既に接触した部分の有効活用が図られると共に、粘着シート53の未使用部分53aによって粘着ローラ51から異物を確実に除去できる。
また、粘着シート供給排出機構54は、上述のように排出側ダンサローラ59を有し、この排出側ダンサローラ59より上記排出部56側に配設される排出ローラ60aが、上記排出部56に粘着シート53の使用済部分を連続的に送ることができ、上記排出側ダンサローラ59によって粘着シート53の粘着ローラ51との接触による繰出量をバランスしつつ、排出ローラ60aによって連続的に粘着シート53の使用済部分を排出部56に送ることができ、これにより排出部56の構造の簡素化等を図ることができる。
粘着シート53の使用済み部分は排出部56へ送られ一か所に集積されるため、粘着シート53の交換がしやすい。また、粘着力回復機構52の洗浄なども必要無いので装置のメンテナンスも容易になる。
また、当該透明板清掃検査システム1は、第1清掃装置10Aによって透明板Pの第1面p1が清掃され、第1面p1清掃後の透明板Pが反転装置30によって反転され、この反転された透明板Pの第2面p2が第2清掃装置10Bによって清掃されるため、人が介在することなく透明板Pの両面を清掃できる。そして、上記第2清掃装置10Bによる透明板Pの搬送速度と異物除去装置50による透明板Pの搬送速度とが同期し、粘着シート53の供給部55から排出部56までの平均送給速度が、第2清掃装置10Bによる透明板Pの搬送速度より遅いので、透明板Pの清掃等に要する処理時間を短縮させつつ、粘着シート53の消費量を低減させることができる。
さらに、当該透明板清掃検査システム1は、上述のように第2清掃装置10Bから搬出された透明板Pの異物を異物除去装置50に除去した後に、検査装置70によって透明板Pの検査を行うため、仮に上記清掃段階で透明板Pに繊維製の清掃布C等が起因する異物が付着したとしても、異物除去装置50によって異物を的確に除去することかでき、検査精度を向上させることができる。
また、当該透明板清掃検査システム1は、第1清掃装置10Aの搬送機構11の搬送ベルト11aの表面に異物が付着したとしても、粘着ローラ11dによって異物を的確に除去することかできる。また、第1清掃装置10Aは粘着力回復機構52を有しているので、搬送機構11の粘着ローラ11dの粘着面に付着した異物が、粘着シート53が接触することで除去され、このため粘着ローラ51の粘着面の粘着力を回復することができる。
さらに、供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59によって粘着シート53を巻き戻すことができるので、供給部55及び排出部56を動作させることを必ずしも要せず、巻き戻しをしても粘着シート53が皺になりにくい。また粘着ローラ51との接触によって粘着シート53が繰出される際に供給側ダンサローラ58及び排出側ダンサローラ59によって粘着シート53のテンションを調整可能である。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更(構成の置換、付加及び削除)が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更(構成の置換、付加及び削除)が含まれることが意図される。
つまり、上記実施形態においては、当該透明板清掃検査システムが、第1清掃装置、反転装置、第2清掃装置及び検査装置を具備する透明板清掃検査システムに用いられるものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該異物除去装置が単独で用いられるものや、当該異物除去装置と清掃装置とがセットになったものや、当該異物除去装置と検査装置がセットになったものも本発明の意図する範囲内である。
また、上記実施形態においては、第2清掃装置の筐体の搬出口と異物除去装置の筐体の搬入口とを気密に接続しているものについて説明したが、第2清掃装置と異物除去装置との間に別途ローダを配置することも可能である。さらに、検査装置の下流側にラミネート装置を配置し、検査終了後の透明板の両面に保護フィルムを貼着することも可能である。
さらに、当該透明板清掃検査システムが清掃装置を有する場合であっても、上記実施形態のように二つの清掃装置を有するものに限定されるものではなく、一つの清掃装置のみを有するものであってもよい。
また、上記実施形態においては、当該異物除去装置が、透明板の表面の異物を除去するもの、及び搬送ベルトの表面の異物を除去するものについて説明したが、本発明にあっては当該異物除去装置の異物付着部の粘着面によって異物を除去する被対象物は上記実施形態のものに限定されるものではない。ただし、異物除去の対象部位が平滑面であることが好ましく、これにより異物付着部の粘着面を平滑にすることで、容易かつ確実に異物を除去できる。
さらに、上記実施形態のように異物除去装置が透明板の異物を除去する場合にあっても、透明板の両面の異物を除去するものに限定されるわけではなく、透明板の一つの清掃面(例えば透明板の一方の面のみ)の異物を除去可能に設けることも可能である。なお、上述のように清掃装置が繊維製の清掃布を用いて清掃を行うものである場合、その清掃布で清掃された清掃面の異物を異物除去装置が除去可能に設けられていることが好ましく、これにより繊維製の清掃布に起因して付着する異物を異物除去装置によって好適に除去することができる。
さらに、上記実施形態では異物付着部として粘着ローラを用いたものについて説明したが、異物付着部としては、粘着面を繰り返し使用することができるものであれば種々のものを採用可能であり、粘着性フィルム、粘着性ゴム部材、粘着性ウレタン等を採用することもでき、また粘着方法としては粘性を用いるほか静電気を用いることもでき、例えば導電性ローラを採用することも可能である。さらに、ローラを用いずにベルトコンベアのような構成を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、粘着シート供給排出機構が、供給部から排出部に粘着シートを送るための排出ローラを備えるものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、粘着シートが接触する異物付着部の動作によって排出部に粘着シートが排出されるよう設けることも可能である。例えば、異物付着部として上記実施形態のような粘着ローラを設けた場合、この粘着ローラとの接触によって排出部に粘着シートが排出されるものも採用可能である。なお、この場合に、粘着ローラの排出部側に粘着シートの撓みを防止するローラを配設することも可能である。
さらに、上記実施形態では、排出部として粘着シートの使用済部分を順次巻取可能な巻取部から構成するものについて説明したが、例えば使用済部分を順次廃棄するものであっても良い。ただし、粘着シートの使用済部分を巻取る巻取部を排出部として設けることで、巻き取った粘着シートを次工程に容易に搬送できる。なお、この次工程としては、廃棄のほか、他の異物粘着装置で用いることも可能であり、具体的には、例えば上記実施形態の異物除去装置で使用した使用済の粘着シートを、第1清掃装置10Aの搬送機構の粘着力回復機構で用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、粘着シートが粘着ローラと間欠的に接触するものについて説明したが、例えば図11に示すように粘着シート53が粘着ローラ51と連続的に接触するものであっても本発明の意図する範囲内である。図11の示す実施形態においても粘着シートが異物付着部と間欠的に接触する構成を用いてもよく、粘着シートの使用量を低減することができる。なお、図11において第1実施形態と同様の構成又は機能を有する部材については同一符号を用いている。
上記実施形態においては、粘着シート供給排出機構が、粘着ローラに接近及び離反可能に設けられる移動部を有するものについて説明したが、移動部の移動方向については、図6、図7、図8に示すような位置に限られない。例えば、図6などに示される位置よりも搬送方向下流側に粘着ローラが設けられ、この粘着ローラの上方に移動部を配置するとともに、上下動するなど適宜設計変更で対応可能である。
さらに、上記実施形態においては、粘着シート供給排出機構が、粘着ローラに接近及び離反可能に設けられる移動部を有するものについて説明したが、例えば図11に示すように粘着シートと粘着ローラとが連続的に接触するもの等の場合、移動部は不要である。
また、粘着シート供給排出機構が移動部を有する場合にあっても、上記ダンサローラは必須の構成ではなく、例えば供給部によって粘着シートの巻き戻しを行うよう設けることも可能である。
さらに、上記実施形態では粘着シート供給排出機構の供給部において粘着シートがロール状に巻回されて保持されているものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく他の構成であってもよい。例えば、粘着シートが折り畳まれて積層するような構成であってもよい。また、排出部についても同様に巻き取られる構成である必要は必ずしもなく、使用済みの粘着シートを折り畳んで積層していく構成であってもよい。
上記実施形態では、供給側ダンサローラ及び排出側ダンサローラは、搬送方向Xの上流側から下流側及び下流側から上流側に向かって移動する構成を採用したが、これに限らない。供給側ダンサローラは、粘着シートの非粘着面に接触して粘着シートにテンションを与える方向であれば、どの方向に移動するようにしてもよい。排出側ダンサローラは、粘着シートの非粘着面に接触して粘着シートにテンションを与える方向であれば、どの方向に移動するようにしてもよい。供給側ダンサローラと排出側ダンサローラとは、略逆方向に粘着シートを引っ張る構成であればよい。例えば、供給側ダンサローラは、上記実施形態のスタートポジションよりもスタートポジション又は/及びエンドポジションが上方又は下方に位置しており、排出側ダンサローラは、上記実施形態のスタートポジション又は/及びエンドポジションが下方又は上方に位置していてもよい。
さらに、上記粘着シートと粘着ローラとを間欠的に接触するための移動部として、上記実施形態はローラを用いたが、異物付着部と接近及び離間でき、粘着シートをガイド可能なガイド部材等を採用することも可能である。
また、上記実施形態では、異物除去装置が粘着ローラ51の回転によって透明板Pを搬送するものについて説明したが、本発明はこれに限らず、フリーローラの一部にモータを設けて透明板Pを搬送するようにしてもよい。
本発明の異物除去装置及び清掃システムは、携帯機器の表示装置に用いられるガラス基板等の透明板の清掃に好適に利用できる。
10A 第1清掃装置
10B 第2清掃装置
50 異物除去装置
51 粘着ローラ(異物付着部)
53 粘着シート
54 粘着シート供給排出機構
55 供給部
56 排出部
57 移動部
58 供給側ダンサローラ
59 排出側ダンサローラ
60a 排出ローラ
70 検査装置
P 透明板(被対象物)
10B 第2清掃装置
50 異物除去装置
51 粘着ローラ(異物付着部)
53 粘着シート
54 粘着シート供給排出機構
55 供給部
56 排出部
57 移動部
58 供給側ダンサローラ
59 排出側ダンサローラ
60a 排出ローラ
70 検査装置
P 透明板(被対象物)
Claims (10)
- 被対象物に接触することで異物を除去する粘着面を有する異物付着部、
上記異物付着部の粘着面に接触することで上記異物付着部の粘着面の異物を除去可能な長尺状の粘着シート、及び
上記異物付着部の粘着面に上記粘着シートの未使用部分を供給する供給部と上記粘着シートの使用済み部分を排出する排出部とを有する粘着シート供給排出機構を備える異物除去装置。 - 上記粘着シート供給排出機構が、上記供給部から上記排出部に上記粘着シートを送るシート送り部を備える請求項1に記載の異物除去装置。
- 上記粘着シート供給排出機構が、上記異物付着部に接近及び離反可能に設けられる移動部を有し、
上記粘着シート供給排出機構が、上記移動部の上記異物付着部との接近時に上記粘着シートを上記異物付着部に接触させ、上記移動部の上記異物付着部との離反時に上記粘着シートを上記異物付着部と離間させる請求項1又は請求項2に記載の異物除去装置。 - 上記粘着シート供給排出機構が、上記移動部の上記異物付着部との離反時に上記異物付着部と対面する上記粘着シートの部分を供給側に戻し、次の上記移動部の上記異物付着部との近接時に上記粘着シートの接触済部分と未使用部分とを上記異物付着部の表面に接触させる請求項3に記載の異物除去装置。
- 上記粘着シート供給排出機構が、上記移動部と上記供給部との間に位置して上記粘着シートに接触する供給側ダンサローラと、上記移動部と上記排出部との間に位置して上記粘着シートに接触する排出側ダンサローラを有する請求項4に記載の異物除去装置。
- 上記排出部が、粘着シートの使用済部分を巻取る巻取部である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の異物除去装置。
- 上記異物付着部が、外周面が上記粘着面である粘着ローラである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の清掃システム。
- ワークの清掃面を清掃する清掃システムであって、
上記ワークの清掃面を清掃する清掃装置、及び
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の異物除去装置を有し、
上記異物付着部が、上記清掃装置によって清掃された上記ワークの上記清掃面に接触する清掃システム。 - 上記清掃装置による上記ワークの搬送速度と上記異物除去装置による上記ワークの搬送速度とが同期しており、
上記粘着シートの上記供給部から上記排出部までの平均送給速度が、上記清掃装置による上記ワークの搬送速度より遅い請求項8に記載の清掃システム。 - 上記異物除去装置から排出された上記ワークの清掃面を検査する検査装置をさらに備える請求項8又は請求項9に記載の清掃システム。
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