JP2016139489A - 電池用セパレータ、及び非水電解液電池 - Google Patents

電池用セパレータ、及び非水電解液電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、短絡時の安全性に優れる電池用セパレータを提供し、かつ前記電池用セパレータを用いて、良好なプロセス性、優れた充放電特性、及び高い安全性を備えた非水電解液電池を提供することである。【解決手段】電池用セパレータが、多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備え、電池用セパレータの150℃における熱収縮率が、5.0%未満であり、かつ電池用セパレータのヒューズ温度が、120℃以上143℃以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、電池用セパレータ、及び非水電解液電池に関する。
多孔膜、特にポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜は、優れた電気絶縁性又はイオン透過性を示すことから、電池、コンデンサー等におけるセパレータとして広く利用されている。また、近年、携帯機器の多機能化、軽量化に伴い、その電源として高出力密度又は高容量密度のリチウムイオン二次電池が使用されている。このようなリチウムイオン二次電池にも、セパレータとしてポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜が多く用いられている。
ここで、リチウムイオン二次電池には通常、電解液として有機溶媒が用いられている。従って、リチウムイオン二次電池に短絡、過充電等の異常事態が生じた場合には、電解液が分解して、最悪の場合には発火に至る可能性がある。このような事態を防ぐため、リチウムイオン二次電池にはいくつかの安全機能が組み込まれている。セパレータのシャットダウン機能もその一例である。
シャットダウン機能とは、電池が異常発熱を起こした際、セパレータの微多孔が熱溶融等により閉塞して電解液内のイオン伝導を抑制し、電気化学反応の進行をストップさせる機能を意味する。一般的にシャットダウン温度が低いほど、安全性が高いとされる。ポリエチレンは適度なシャットダウン温度を有するため、ポリエチレンはセパレータの成分として好ましく用いられている。
しかしながら、高いエネルギーを有する電池においては熱暴走時の発熱量が大きい場合がある。シャットダウン温度を超えても温度が上昇し続けた場合、セパレータの破膜(以下、「ショート」と記載することがある。)により両極が短絡し、さらなる発熱が引き起こされる危険性がある。このような事情のもと、セパレータと電極との間に、絶縁性無機フィラーを主成分とする層を形成する方法が提案されている。
また、特許文献1には、ポリオレフィン樹脂多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダと含む多孔層を備え、該多孔膜の熱収縮応力の最大値が10g以下であることにより、耐熱性と透過性とに優れた多層多孔膜が提供されるとの記載がある。
特許文献2には、第4級炭素を含むポリオレフィンを含むことを特徴とする、高引張強度の微多孔膜についての記載がある。
特開2009−26733号公報 特開2009−138159号公報
ここで、電池のさらなる性能向上の観点からは、短絡時の安全性、具体的には、電池の過充電に応じてシャットダウン機能を発揮する性能を向上させることが求められる。
しかしながら、特許文献1に記載の多層多孔膜又は特許文献2に記載の微多孔膜をセパレータとして備える電池の短絡時の安全性について未だに検討の余地がある。
従って、本発明は、短絡時の安全性に優れる電池用セパレータを提供することを目的とする。また、そのような電池用セパレータを用いることで、良好なプロセス性、優れた充放電特性、及び高い安全性を備えた非水電解液電池を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備える電池用セパレータであって、
前記電池用セパレータの150℃における熱収縮率が5.0%未満であり、かつ前記電池用セパレータのヒューズ温度が120℃以上143℃以下である、
前記電池用セパレータ。
[2]
前記ヒューズ温度が120℃以上138℃以下である、[1]に記載の電池用セパレータ。
[3]
水分気化装置の試料台に前記電池用セパレータをセットして、前記水分気化装置内に窒素ガスを5分間フローした後に測定された前記電池用セパレータの水分含有量が、50〜500ppmである、[1]又は[2]に記載の電池用セパレータ。
[4]
前記電池用セパレータの135℃での熱機械分析(TMA)測定において、前記電池用セパレータの幅方向(TD)の300秒間応力保持率が、1%以上65%以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[5]
前記電池用セパレータの機械方向(MD)引張伸び及び幅方向(TD)引張伸びが、それぞれ80〜160%であり、かつ前記機械方向(MD)引張伸びと前記幅方向(TD)引張伸びの合計が、180〜280%である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[6]
前記多孔膜が、ポリオレフィン樹脂を含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[7]
前記ポリオレフィン樹脂は、融点が120℃以上135℃以下のポリオレフィン樹脂を含む、[6]に記載の電池用セパレータ。
[8]
前記融点が120℃以上135℃以下のポリオレフィン樹脂の含有率が、全ポリオレフィン樹脂の合計質量に対して、8〜80質量%である、[7]に記載の電池用セパレータ。
[9]
前記多孔層の動摩擦係数が0.1〜0.6である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[10]
前記無機フィラーが、0.5〜2.5μmの平均粒径を有する、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[11]
前記無機フィラーが、0.5〜1.5μmの平均粒径を有する、[10]に記載の電池用セパレータ。
[12]
前記無機フィラーが、ベーマイト、焼成カオリン、アルミナ及び酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つである、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[13]
前記樹脂バインダが、アクリル系重合体、含フッ素樹脂及びポリアミドから選択される少なくとも1つである、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
[14]
[1]〜[13]のいずれか1項に記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、非水電解液とを有する、非水電解液電池。
[15]
多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備える電池用セパレータであって、
前記多孔層の動摩擦係数が0.1〜0.6であり、
前記電池用セパレータの150℃における熱収縮率が5.0%未満であり、
前記電池用セパレータのヒューズ温度が120℃以上143℃以下であり、かつ
水分気化装置の試料台に前記電池用セパレータをセットして、前記水分気化装置内に窒素ガスを5分間フローした後に測定された前記電池用セパレータの水分含有量が、50〜500ppmである、
前記電池用セパレータ。
本発明によれば、短絡時の安全性に優れる電池用セパレータを提供される。また、そのような電池用セパレータを用いることで、良好なプロセス性、優れた充放電特性、及び高い安全性を備えた非水電解液電池を提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<電池用セパレータ>
本実施形態では、電池用セパレータは、多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備え、電池用セパレータの120℃における熱収縮率が5.0%未満であり、かつ電池用セパレータのヒューズ温度が120℃以上143℃以下である。
[多孔膜]
上記多孔膜としては、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、孔径の微細なものが好ましい。
そのような多孔膜としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂を含む多孔膜、ポリオレフィン系の繊維を織ったもの(織布)、ポリオレフィン系の繊維の不織布、紙、並びに、絶縁性物質粒子の集合体が挙げられる。これらの中でも、塗工工程を経て多層多孔膜、すなわち電池用セパレータを得る場合に塗工液の塗工性に優れ、セパレータの膜厚をより薄くして、電池等の蓄電デバイス内の活物質比率を高めて体積当たりの容量を増大させる観点から、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜(以下、「ポリオレフィン樹脂多孔膜」ともいう。)が好ましい。
〔ポリオレフィン樹脂多孔膜〕
ポリオレフィン樹脂多孔膜は、電池用セパレータとした時のシャットダウン性能等を向上させる観点から、多孔膜を構成する樹脂成分の50質量%以上100質量%以下をポリオレフィン樹脂が占めるポリオレフィン樹脂組成物により形成される多孔膜であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物におけるポリオレフィン樹脂が占める割合は、60質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物に含有されるポリオレフィン樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等をモノマーとして用いて得られるホモ重合体、共重合体、又は多段重合体等が挙げられる。また、これらのポリオレフィン樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、電池用セパレータとした時のシャットダウン特性の観点から、ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体、並びにこれらの混合物が好ましい。
ポリエチレンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等、
ポリプロピレンの具体例としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン等、
共重合体の具体例としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンラバー等、が挙げられる。
中でも、電池用セパレータとした時に低融点かつ高強度の要求性能を満たす観点から、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン、特に高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。なお、本発明において、高密度ポリエチレンとは密度0.942〜0.970g/cmのポリエチレンをいう。なお、本発明においてポリエチレンの密度とは、JIS K7112(1999)に記載のD)密度勾配管法に従って測定した値をいう。
また、多孔膜の耐熱性を向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン及びポリプロピレンの混合物を用いることが好ましい。この場合、ポリオレフィン樹脂組成物中の、総ポリオレフィン樹脂に対するポリプロピレンの割合は、耐熱性と良好なシャットダウン機能を両立させる観点から、1〜35質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは4〜10質量%である。
上記ポリオレフィン樹脂の中でも、融点が120℃以上135℃以下のポリオレフィン樹脂が、より短絡時の安全性に優れるという観点から好ましい。樹脂の融点は、後述する測定法で測定することができる。
ポリオレフィン樹脂の融点は、シャットダウン機能の観点から、125℃以上135℃以下であることが好ましく、125℃以上134℃以下であることがより好ましく、125℃以上133℃以下であることがさらに好ましい。
前記融点が120℃以上135℃以下のポリオレフィン樹脂の含有率は、当該セパレータを用いた電池の安全性の観点から、全ポリオレフィン樹脂の合計質量に対して、8〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物には、任意の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、ポリオレフィン樹脂以外の重合体;無機フィラー;フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤;光安定剤;帯電防止剤;防曇剤;着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の総添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、20質量部以下であることがシャットダウン性能等を向上させる観点から好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
〔多孔膜の詳細〕
多孔膜は、非常に小さな孔が多数集まって緻密な連通孔を形成した多孔構造を有しているため、イオン伝導性に非常に優れると同時に耐電圧特性も良好であり、しかも高強度であるという特徴を有する。
多孔膜は、上述した材料から成る単層膜であってもよく、積層膜であってもよい。
多孔膜の厚みは、0.1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上50μm以下、さらに好ましくは3μm以上25μm以下である。機械的強度の観点から0.1μm以上が好ましく、電池の高容量化の観点から100μm以下が好ましい。多孔膜の膜厚は、ダイリップ間隔、延伸工程における延伸倍率等を制御すること等によって調整することができる。
多孔膜の平均孔径は、0.03μm以上0.70μm以下が好ましく、より好ましくは0.04μm以上0.20μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上0.10μm以下、特に好ましくは0.06μm以上0.09μm以下である。高いイオン伝導性と耐電圧の観点から、0.03μm以上0.70μm以下が好ましい。多孔膜の平均孔径は、後述する測定法で測定することができる。
平均孔径は、組成比、押出シートの冷却速度、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御するか、又はこれらを組み合わせることにより調整することができる。
多孔膜の気孔率は、好ましくは25%以上95%以下、より好ましく30%以上65%以下、更に好ましくは35%以上55%以下である。イオン伝導性向上の観点から25%以上が好ましく、耐電圧特性の観点から95%以下が好ましい。多孔膜の気孔率は、後述する方法で測定することができる。
多孔膜の気孔率は、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合比率、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御するか、又はこれらを組み合わせることによって調整することができる。
多孔膜がポリオレフィン樹脂多孔膜である場合、ポリオレフィン樹脂多孔膜の粘度平均分子量は、30,000以上12,000,000以下であることが好ましく、より好ましくは50,000以上2,000,000未満、さらに好ましくは100,000以上1,000,000未満である。粘度平均分子量が30,000以上であると、溶融成形の際のメルトテンションが大きくなり成形性が良好になると共に、重合体同士の絡み合いにより高強度となる傾向にあるため好ましい。一方、粘度平均分子量が12,000,000以下であると、均一に溶融混練をすることが容易となり、シートの成形性、特に厚み安定性に優れる傾向にあるため好ましい。さらに、電池用セパレータとした時に、粘度平均分子量が1,000,000未満であると、温度上昇時に孔を閉塞し易く良好なシャットダウン機能が得られる傾向にあるため好ましい。ポリオレフィン樹脂多孔膜の粘度平均分子量は、後述する方法で測定することができる。
多孔膜を製造する方法としては特に制限はなく、公知の製造方法を採用することができる。例えば、
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法、
等が挙げられる。
以下、多孔膜を製造する方法の一例として、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、孔形成材を抽出する方法について説明する。
まず、ポリオレフィン樹脂組成物と上記の孔形成材を溶融混練する。溶融混練方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂及び必要によりその他の添加剤を押出機、ニーダー、ラボプラストミル、混練ロール、バンバリーミキサー等の樹脂混練装置に投入することで、樹脂成分を加熱溶融させながら任意の比率で孔形成材を導入して混練する方法が挙げられる。
上記孔形成材としては、可塑剤、無機材又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
次に、溶融混練物をシート状に成形する。シート状成形体を製造する方法としては、例えば、溶融混練物を、Tダイ等を介してシート状に押出し、熱伝導体に接触させて樹脂成分の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却して固化する方法が挙げられる。冷却固化に用いられる熱伝導体としては、金属、水、空気、或いは可塑剤等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導の効率が高いため、金属製のロールを用いることが好ましい。また、押出した混練物を金属製のロールに接触させる際に、ロール間で挟み込むことは、熱伝導の効率がさらに高まると共に、シートが配向して膜強度が増し、シートの表面平滑性も向上する傾向にあるためより好ましい。溶融混練物をTダイからシート状に押出す際のダイリップ間隔は200μm以上3,000μm以下であることが好ましく、500μm以上2,500μm以下であることがより好ましい。ダイリップ間隔が200μm以上であると、メヤニ等が低減され、スジ、欠点等の膜品位への影響が少なく、その後の延伸工程において膜破断等のリスクを低減することができる。一方、ダイリップ間隔が3,000μm以下であると、冷却速度が速く冷却ムラを防げると共に、シートの厚み安定性を維持できる。
また、シート状成形体を圧延してもよい。圧延は、例えば、ダブルベルトプレス機等を使用したプレス法にて実施することができる。圧延を施すことにより、特に表層部分の配向を増すことができる。圧延面倍率は1倍を超えて3倍以下であることが好ましく、1倍を超えて2倍以下であることがより好ましい。圧延倍率が1倍を超えると、面配向が増加し最終的に得られる多孔膜の膜強度が増加する傾向にある。一方、圧延倍率が3倍以下であると、表層部分と中心内部の配向差が小さく、膜の厚さ方向に均一な多孔構造を形成することができる傾向にある。
次いで、シート状成形体から孔形成材を除去して多孔膜とする。孔形成材を除去する方法としては、例えば、抽出溶剤にシート状成形体を浸漬して孔形成材を抽出し、充分に乾燥させる方法が挙げられる。孔形成材を抽出する方法はバッチ式、連続式のいずれであってもよい。多孔膜の収縮を抑えるために、浸漬、乾燥の一連の工程中にシート状成形体の端部を拘束することが好ましい。また、多孔膜中の孔形成材残存量は多孔膜全体の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
孔形成材を抽出する際に用いられる抽出溶剤としては、ポリオレフィン樹脂に対して貧溶媒で、かつ孔形成材に対して良溶媒であり、沸点がポリオレフィン樹脂の融点より低いものを用いることが好ましい。このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。なお、これらの抽出溶剤は、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。また、孔形成材として無機材を用いる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を抽出溶剤として用いることができる。
また、上記シート状成形体または多孔膜を延伸することが好ましい。延伸は前記シート状成形体から孔形成材を抽出する前に行ってもよい。また、前記シート状成形体から孔形成材を抽出した多孔膜に対して行ってもよい。さらに、前記シート状成形体から孔形成材を抽出する前と後に行ってもよい。
延伸処理としては、一軸延伸又は二軸延伸のいずれも好適に用いることができるが、得られる多孔膜の強度等を向上させる観点から二軸延伸が好ましい。シート状成形体を二軸方向に高倍率延伸すると、分子が面方向に配向し、最終的に得られる多孔膜が裂け難くなり、高い突刺強度を有するものとなる。
延伸方法としては、例えば、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、多段延伸、多数回延伸等の方法を挙げることができる。突刺強度の向上、延伸の均一性、シャットダウン性の観点からは同時二軸延伸が好ましい。また面配向の制御容易性の観点からは遂次二軸延伸が好ましい。
ここで、同時二軸延伸とは、MD(微多孔膜連続成形の機械方向)の延伸とTD(微多孔膜のMDを90°の角度で横切る方向)の延伸が同時に施される延伸方法をいい、各方向の延伸倍率は異なってもよい。逐次二軸延伸とは、MD及びTDの延伸が独立して施される延伸方法をいい、MD又はTDに延伸がなされているときは、他方向は非拘束状態又は定長に固定されている状態とする。
延伸倍率は、面倍率で20倍以上100倍以下の範囲であることが好ましく、25倍以上70倍以下の範囲であることがより好ましい。各軸方向の延伸倍率は、MDに4倍以上10倍以下、TDに4倍以上10倍以下の範囲であることが好ましく、MDに5倍以上8倍以下、TDに5倍以上8倍以下の範囲であることがより好ましい。総面積倍率が20倍以上であると、得られる多孔膜に十分な強度を付与できる傾向にあり、一方、総面積倍率が100倍以下であると、延伸工程における膜破断を防ぎ、高い生産性が得られる傾向にある。
多孔膜の収縮を抑制するために、延伸工程後、又は、多孔膜形成後に熱固定を目的として熱処理を行うこともできる。また、多孔膜に、界面活性剤等による親水化処理、電離性放射線等による架橋処理等の後処理を行ってもよい。
多孔膜には、収縮を抑制する観点から熱固定を目的として熱処理を施すことが好ましい。熱処理の方法としては、物性の調整を目的として、所定の温度雰囲気及び所定の延伸率で行う延伸操作、及び/又は、延伸応力低減を目的として、所定の温度雰囲気及び所定の緩和率で行う緩和操作が挙げられる。延伸操作を行った後に緩和操作を行っても構わない。これらの熱処理は、テンター又はロール延伸機を用いて行うことができる。
延伸操作は、膜のMD及び/又はTDに1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上の延伸を施すことが、さらなる高強度かつ高気孔率な多孔膜が得られる観点から好ましい。
緩和操作は、膜のMD及び/又はTDへの縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD、TD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、1.0以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましく、0.95以下であることがさらに好ましい。緩和率は膜品位の観点から0.5以上であることが好ましい。緩和操作は、MD、TD両方向で行ってもよいが、MD或いはTD片方だけ行ってもよい。
この可塑剤抽出後の延伸及び緩和操作は、プロセスコントロールの観点から、好ましくはTDに行う。延伸及び緩和操作における温度は、ポリオレフィン樹脂の融点(以下、「Tm」ともいう。)より低いことが好ましく、Tmより1℃から25℃低い範囲がより好ましい。延伸及び緩和操作における温度が上記範囲であると、熱収縮率低減と気孔率とのバランスの観点から好ましい。
[多孔層]
無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層について説明する。
〔無機フィラー〕
前記多孔層に使用する無機フィラーとしては、特に限定されないが、耐熱性及び電気絶縁性が高く、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定であるものが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、その他の化合物が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
マグネシウム化合物としては、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
その他の化合物としては、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、粘土鉱物、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂、ガラス繊維等が挙げられる。酸化物系セラミックスとしては、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等が挙げられる。窒化物系セラミックスとしては、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。粘土鉱物としては、タルク、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、複数を併用してもよい。
上記の中でも、電気化学的安定性及び耐熱特性の観点から、酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムが好ましい。酸化アルミニウムの具体例としては、アルミナが挙げられる。水酸化酸化アルミニウムの具体例としては、ベーマイトが挙げられる。ケイ酸アルミニウムの具体例としては、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライトが挙げられる。
前記酸化アルミニウムとしては、電気化学的安定性の観点から、アルミナがより好ましい。多孔層を構成する無機フィラーとして、アルミナを主成分とする粒子を採用することで、高い透過性を維持しながら、非常に軽量な多孔層を実現できる上に、より薄い多孔層厚でも多孔膜の高温での熱収縮が抑制され、優れた耐熱性を発現する傾向にある。アルミナには、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ等、多くの結晶形態が存在するが、いずれも好適に使用することができる。この中でα−アルミナが熱的・化学的にも安定なので最も好ましい。
前記水酸化酸化アルミニウムとしては、リチウムデンドライトの発生に起因する内部短絡を防止する観点から、ベーマイトがより好ましい。多孔層を構成する無機フィラーとして、ベーマイトを主成分とする粒子を採用することで、高い透過性を維持しながら、非常に軽量な多孔層を実現できる上に、より薄い多孔層厚でも多孔膜の高温での熱収縮が抑制され、優れた耐熱性を発現する傾向にある。電気化学素子の特性に悪影響を与えるイオン性の不純物を低減できる合成ベーマイトがさらに好ましい。
前記ケイ酸アルミニウムの中では、カオリン鉱物で主に構成されているカオリナイト(以下、カオリンともいう)が軽量性及び透気度の観点から好ましい。カオリンには湿式カオリン及びこれを焼成処理した焼成カオリンがあるが、焼成カオリンは焼成処理の際に結晶水が放出されるのに加え、不純物が除去されるので、電気化学的安定性の点で特に好ましい。多孔層を構成する無機フィラーとして、焼成カオリンを主成分とする粒子を採用することで、高い透過性を維持しながら、非常に軽量な多孔層を実現できる上に、より薄い多孔層厚でも多孔膜の高温での熱収縮が抑制され、優れた耐熱性を発現する傾向にある。
前記無機フィラーの平均粒径は、0.5μm以上2.5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上1.5μm以下であることが更に好ましい。無機フィラーの平均粒径を上記範囲に調整することは、短絡時の安全性をさらに向上させるという観点から好ましい。
無機フィラーの粒度分布としては、最小粒径は0.02μm以上であることが好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。最大粒径は20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、7μm以下が更に好ましい。また、最大粒径/平均粒径の比率は、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。無機フィラーの粒度分布を上記範囲に調整することは、高温での熱収縮を抑制する観点から好ましい。また、最大粒径と最小粒径の間に複数の粒径ピークを有してもよい。なお、無機フィラーの粒度分布を調整する方法としては、例えば、ボールミル・ビーズミル・ジェットミル等を用いて無機フィラーを粉砕し、所望の粒度分布に調整する方法、複数の粒径分布のフィラーを調整後ブレンドする方法等を挙げることができる。
無機フィラーの形状としては、板状、鱗片状、多面体、針状、柱状、球状、紡錘状、塊状等が挙げられ、上記形状を有する無機フィラーを複数種組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、透過性向上の観点からは、板状、鱗片状、多面体が好ましい。
前記無機フィラーが、前記多孔層中に占める割合としては、透過性、耐熱性、後述される多孔層の動摩擦係数等の観点から適宜決定することができる。上記割合は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは97質量%以上とすることができる。また、上記割合は100質量%未満であることが好ましく、より好ましくは99.99質量%以下、さらに好ましくは99.9質量%以下、特に好ましくは99質量%以下である。
〔樹脂バインダ〕
樹脂バインダは、前述した無機フィラーを相互に結着する役割を果たす樹脂である。また、無機フィラーと多孔膜とを相互に結着する役割を果たす樹脂であることが好ましい。樹脂バインダの種類としては、セパレータとしたときにリチウムイオン二次電池の電解液に対して不溶であり、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定なものを用いることが好ましい。
樹脂バインダの具体例としては、以下の1)〜7)が挙げられる。
1)ポリオレフィン:例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー、及びこれらの変性体;
2)共役ジエン系重合体:例えば、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物;
3)アクリル系重合体:例えば、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体;
4)ポリビニルアルコール系樹脂:例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル;
5)含フッ素樹脂:例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体;
6)セルロース誘導体:例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース;
7)融点及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂あるいは融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマー:例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル。
短絡時の安全性をさらに向上させるという観点からは、3)アクリル系重合体、5)含フッ素樹脂、及び7)ポリマーとしてのポリアミドが好ましい。ポリアミドとしては、耐久性の観点から全芳香族ポリアミド、中でもポリメタフェニレンイソフタルアミドが好適である。
樹脂バインダと電極との適合性の観点からは上記2)共役ジエン系重合体が好ましく、耐電圧性の観点からは上記3)アクリル系重合体及び5)含フッ素樹脂が好ましい。
上記2)共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物を単量体単位として含む重合体である。
上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
上記3)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系化合物を単量体単位として含む重合体である。上記(メタ)アクリル系化合物とは、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルから成る群から選ばれる少なくとも一つを示す。
上記3)アクリル系重合体に用いられる(メタ)アクリル酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸を挙げることができる。
上記3)アクリル系重合体に用いられる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアメタクリレート;エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート;が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
上記2)共役ジエン系重合体および3)アクリル系重合体は、これらと共重合可能な他の単量体をも共重合させて得られるものであってもよい。用いられる共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマール酸、イタコン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特に不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、上記2)共役ジエン系重合体は、他の単量体として上記(メタ)アクリル系化合物を共重合させて得られるものであってもよい。
〔多孔層の詳細〕
多孔層の厚みは、耐熱性及び絶縁性を向上させる観点から1μm以上であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.2μm以上、よりさらに好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは1.8μm以上、最も好ましくは2.0μm以上である。また、電池の高容量化と透過性を向上させる観点から50μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは7μm以下である。
多孔層における無機フィラーの充填率としては、軽量性及び高透過性の観点から、95体積%以下が好ましく、80体積%以下がより好ましく、70体積%以下がさらに好ましく、60体積%以下が特に好ましい。熱収縮抑制及びデンドライト抑制の観点から、下限は20体積%以上が好ましく、30体積%以上がより好ましく、40体積%以上が更に好ましい。無機フィラーの充填率は、多孔層の層厚、並びに無機フィラーの重量及び比重から算出することができる。
多孔層は、多孔膜の片面にのみ形成しても、両面に形成してもよい。
多孔層の形成方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む塗布液を塗布して多孔層を形成する方法を挙げることができる。
塗布液中の樹脂バインダの形態としては、水に溶解または分散した水系溶液であっても、一般的な有機媒体に溶解または分散した有機媒体系溶液であってもよいが、樹脂製ラテックスが好ましい。「樹脂製ラテックス」とは樹脂が媒体に分散した状態のものを示す。樹脂製ラテックスをバインダとして用いた場合、無機フィラーとバインダとを含む多孔層をポリオレフィン多孔膜の少なくとも片面に積層した際、イオン透過性が低下し難く、高出力特性が得られ易い。加えて異常発熱時の温度上昇が速い場合においても、円滑なシャットダウン特性を示し、高い安全性が得られ易い。
塗布液を形成するときに、無機フィラーの使用量に対する樹脂バインダの使用量は、限定されるものではないが、後述される通り、セパレータ形成後の多孔層の動摩擦係数を0.1〜0.6の範囲内に調整することができる程度の量であることが好ましい。
樹脂製ラテックスバインダの平均粒径は、50〜1,000nmであることが好ましく、より好ましくは60〜500nm、更に好ましくは80〜250nmである。平均粒径が50nm以上である場合、無機フィラーとバインダとを含む多孔層をポリオレフィン多孔膜の少なくとも片面に積層した際、良好な結着性を発現し、セパレータとした場合に熱収縮が良好となり安全性に優れる傾向にある。平均粒径が1,000nm以下である場合、イオン透過性が低下し難く、高出力特性が得られ易い。加えて異常発熱時の温度上昇が速い場合においても、円滑なシャットダウン特性を示し、高い安全性が得られ易い。平均粒径は、樹脂バインダを製造する際の重合時間、重合温度、原料組成比、原料投入順序、pH、撹拌速度等を調整することで制御することが可能である。
塗布液の媒体としては、前記無機フィラー、及び前記樹脂バインダを均一かつ安定に分散または溶解できるものが好ましく、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、水、エタノール、トルエン、熱キシレン、塩化メチレン、ヘキサン等が挙げられる。
塗布液には、分散安定化又は塗工性の向上のために、界面活性剤等の分散剤;増粘剤;湿潤剤;消泡剤;酸、アルカリを含むPH調整剤等の各種添加剤を加えてもよい。これら添加剤の総添加量は、無機フィラー100重量部に対して、その有効成分(添加剤が溶媒に溶解している場合は溶解している添加剤成分の重量)が20重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。
無機フィラーと樹脂バインダとを、塗布液の媒体に分散または溶解させる方法については、塗布工程に必要な塗布液の分散特性を実現できる方法であれば特に限定はない。例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌等が挙げられる。
塗布液を多孔膜に塗布する方法については、必要とする層厚又は塗布面積を実現できる方法であれば特に限定はなく、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法等が挙げられる。
さらに、塗布液の塗布に先立ち、多孔膜表面に表面処理を施すと、塗布液を塗布し易くなると共に、塗布後の無機フィラー含有多孔層と多孔膜表面との接着性が向上するため好ましい。表面処理の方法は、多孔膜の多孔質構造を著しく損なわない方法であれば特に限定はなく、例えば、コロナ放電処理法、プラズマ放電処理法、機械的粗面化法、溶剤処理法、酸処理法、紫外線酸化法等が挙げられる。
塗布後に塗布膜から媒体を除去する方法については、多孔膜に悪影響を及ぼさない方法であれば特に限定はなく、例えば、多孔膜を固定しながらその融点以下の温度にて乾燥する方法、低温で減圧乾燥する方法、抽出乾燥等が挙げられる。また電池特性に著しく影響を及ぼさない範囲においては溶媒を一部残存させても構わない。多孔膜及び多孔層を積層した多孔膜のMD方向の収縮応力を制御する観点から、乾燥温度、巻取り張力等は適宜調整することが好ましい。
[電池用セパレータの詳細]
本発明の電池用セパレータについて説明する。上記セパレータは、多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備える電池用セパレータである。上記セパレータは、耐熱性に優れ、シャットダウン機能を有しているので電池の中で正極と負極を隔離する電池用セパレータに適している。特に、上記セパレータは高温においても短絡し難いため、高起電力電池用のセパレータとしても安全に使用できる。
本発明のセパレータの最終的な膜厚は、2μm以上200μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上100μm以下、さらに好ましくは7μm以上30μm以下である。膜厚が2μm以上であると機械強度が十分となる傾向にあり、また、200μm以下であるとセパレータの占有体積が減るため、電池の高容量化の点において有利となる傾向にある。
本発明のセパレータは、短絡時の安全性を向上させるという観点から、150℃における熱収縮率が、5.0%未満であることが好ましく、過充電時の電気的安定性にさらに優れるという観点から、より好ましくは0%以上4.5%以下、さらに好ましくは0%以上4.0%以下である。ここで、セパレータの熱収縮率としては、MD熱収縮率およびTD熱収縮率の両者のうち、大きい方の値を用いる。150℃における熱収縮率の測定方法は後述する。セパレータの熱収縮率の調整は、上述した多孔膜の延伸操作、熱処理を適宜組み合わせることにより行うことができる。
セパレータのヒューズ温度は、短絡時の安全性を向上させるという観点から、120℃以上143℃以下であることが好ましく、より好ましくは120℃以上138℃以下である。
セパレータのヒューズ温度は、後述する測定法で測定することができる。セパレータのヒューズ温度の調整は、用いる樹脂の種類を選定することにより行うことができる。
本発明のセパレータの熱機械分析(TMA)測定において、セパレータを135℃で保持した状態でのセパレータの幅方向(TD)の300秒間応力保持率は、1%以上65%以下であることが、過充電時の電気的安定性にさらに優れるという観点から好ましい。
300秒間応力保持率の下限値は、10%以上又は20%以上であることがより好ましく、300秒間応力保持率の上限値は、62%以下又は59%以下であることがより好ましい。
該300秒間応力保持率は、後述する測定法で測定することができる。該300秒間応力保持率は、用いる樹脂及び/又は延伸条件を選定することにより調整されることができる。
本発明のセパレータの引張伸びについては、短絡時の安全性をさらに向上させるという観点から、機械方向(MD)引張伸び及び幅方向(TD)引張伸びが、それぞれ80〜160%であり、かつMD引張伸びとTD引張伸びの合計が180〜280%であることが好ましい。
MD引張伸び及びTD引張伸びは、それぞれ90%以上150%以下であることがより好ましく、これらの合計は、200%以上260%以下であることがより好ましい。
セパレータのMD引張伸びとTD引張伸びは、後述する測定法で測定することができる。セパレータのMD引張伸び及びTD引張伸びは、多孔膜を形成するときの延伸条件及び/又は緩和条件に応じて調整されることができる。
本発明のセパレータの水分含有量は、本発明の効果を奏する観点から、50〜500ppmであることが好ましい。セパレータの水分含有量が50ppm以上であると、静電気の発生防止の効果を得るのに十分な水分量をセパレータ中で確保できるので好ましい。一方、セパレータの水分含有量が500ppm以下であると、セパレータ中の吸着水分を、電池特性の低下を抑制できる程度の量に制御できるので好ましい。
セパレータの水分含有量の測定は、カールフィシャー水分計を用いて、後述する測定法で測定することができる。セパレータの水分含有量は、多孔膜(ポリオレフィン)の材料、目付け、多孔層の樹脂バインダの種類、樹脂バインダと無機フィラーの割合、無機フィラーの粒径等の因子の影響を受けうる。また、セパレータ中の吸着水分量は、セパレータの乾燥時間、乾燥温度等によって調整可能である。
本実施形態のセパレータを長尺化した際に、衝撃による段ズレの発生を抑制する観点から、本発明のセパレータに形成された多孔層の動摩擦係数(以下、単に「摩擦係数」と略記することがある)は0.1以上であると好ましく、より好ましくは0.2以上である。加えて、当該セパレータ捲回体の繰り出し抵抗、当該セパレータを用いて製造される電池の初期不良率の観点から、その摩擦係数は0.6以下であると好ましく、より好ましくは0.5以下である。摩擦係数は、下記実施例に記載の方法に準じて測定される。なお、セパレータ多孔層の摩擦係数を上記範囲内に調整する方法としては、無機フィラー、樹脂バインダの種類、含有量等によって調整可能である。
また、前記繰り出し抵抗は、ポリオレフィン多孔膜側の摩擦係数に影響を受けうる。ポリオレフィン多孔膜側の摩擦係数は、ポリマー種類、ポリオレフィン多孔膜の目付等に依存する。
本発明にかかるセパレータは粉落ちが発生しないことが好ましい。セパレータ作製時、電池作製時における汚染を避けるためである。また、そのような汚染は電池の充放電特性に影響を与える可能性があるからである。この粉落ちを低減させるメカニズムは詳細には不明であるが、多孔層の無機フィラーと樹脂バインダの割合が相関していると推定される。
本発明の電池用セパレータを製造する方法の一態様は、以下の工程を含んでよい:
(I)120〜135℃の融点を有するポリオレフィン樹脂を含む樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練して、溶融混練物を得る工程;
(II)前記溶融混練物をシート状に成形して、シート体を得る工程;
(III)前記シート体から前記孔形成材を抽出して、多孔膜を得る工程;
(IV)前記多孔膜を延伸操作及び/又は緩和操作に供して、延伸及び/又は緩和された多孔膜を得る工程;並びに
(V)約0.5〜2.5μmの平均粒径を有する無機フィラー及び樹脂バインダを含む塗工液を前記延伸及び/又は緩和された多孔膜に塗工して、前記延伸及び/又は緩和された多孔膜上に多孔層を形成する工程。
工程(IV)において、延伸及び/又は緩和操作の方向は、MD及びTDのいずれでもよいが、プロセスコントロールの観点から、少なくともTDであることが好ましい。その場合、TD方向の延伸倍率は、1.1倍以上、1.2倍以上、4倍以上又は5倍以上であり、またTD方向の延伸倍率は、10倍以下又は8倍以下であることが好ましい。
工程(IV)において、延伸及び緩和操作の温度は、ポリオレフィン樹脂のTmより低いことが好ましく、Tmより約1℃〜25℃低いことがより好ましい。
工程(V)において、形成される多孔層の露出部の動摩擦係数が0.1〜0.6の範囲内であるように、使用される無機フィラー又は樹脂バインダの種類又は量を調整することが好ましい。
<蓄電デバイス>
以下、蓄電デバイスについて説明する。蓄電デバイスは、本発明のセパレータを備えるものであり、それ以外の構成は、従来知られているものと同様であってもよい。蓄電デバイスは、特に限定されないが、例えば、非水電解液電池等の電池、コンデンサー及びキャパシタが挙げられる。それらの中でも、本発明による作用効果による利益がより有効に得られる観点から、非水電解液電池が好ましく、非水電解液二次電池がより好ましく、リチウムイオン二次電池が更に好ましい。
〔非水電解液電池〕
蓄電デバイスが非水電解液電池である場合についての好適な態様について以下に説明する。非水電解液電池は、本発明の電池用セパレータと、正極と、負極と、非水電解液とを含む。
本発明にかかるセパレータを用いた電池は電池初期不良率に優れる。ここで、電池初期不良率とは、当該セパレータを用いて作製した電池の初期充放電効率を評価し、その初期充放電効率が85%以下である場合を電池不良とし、作製した電池の総数の内、不良である電池の割合を指す。この電池不良率は、40%未満が好ましく、20%未満がさらに好ましい。
ここで、この電池初期不良率の評価が良/不良となるメカニズムは詳細には不明であるが、多孔層の無機フィラーと樹脂バインダの割合が相関していると推定される。樹脂バインダの割合が多いと、電池捲回時において、セパレータロールからの繰り出し抵抗が大きくなり、セパレータが引っ張られるため、セパレータが変形した状態で電池捲回される場合があると考えられる。
本発明にかかるセパレータを用いた電池は、高温保存時容量維持率に優れる。容量維持率とは、電池をある温度で保管し充放電を行った時、充放電後の放電容量を初期の放電容量で割った値である。
さらに、この電池初期不良率の評価が良/不良となるメカニズムは詳細には不明であるが、セパレータの吸水率も相関していると推定される。吸水率が高いと電池作製後も電池内に水分が残る恐れがあり、その水分が電解質の分解を引き起こし、放電容量の低下につながる可能性があると考えられる。
本発明にかかるセパレータを用いた電池は釘刺試験に優れる。釘刺試験は、電池の安全評価の一つである。
ここで、この釘刺試験の評価が良/不良となるメカニズムは詳細には不明であるが、多孔層の無機フィラー粒径、セパレータの150℃熱収縮率、ヒューズ温度、高温時の応力保持率、引張伸び、等と相関があり、多孔膜の耐熱性、機械強度(引張伸び)、多孔層の瓦礫(石垣状)構造等の因子に影響を受けると考えられる。
正極、負極、非水電解液に限定はなく、公知のものを用いることができる。
正極材料としては、例えば、LiCoO、LiNiO、スピネル型LiMnO、オリビン型LiFePO等のリチウム含有複合酸化物等が、負極材料としては、例えば、黒鉛質、難黒鉛化炭素質、易黒鉛化炭素質、複合炭素体等の炭素材料;シリコン、スズ、金属リチウム、各種合金材料等が挙げられる。
また、非水電解液としては、電解質を有機溶媒に溶解した電解液を用いることができ、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が、電解質としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩が挙げられる。
〔蓄電デバイスの製造方法〕
上記蓄電デバイスは、特に限定されないが、例えば、下記のようにして製造される。すなわち、上記セパレータを幅10〜500mm(好ましくは80〜500mm)、長さ200〜4000m(好ましくは1000〜4000m)の縦長形状のセパレータとして作製する。次に、当該セパレータを、正極及び負極と共に、正極−セパレータ−負極−セパレータ、又は負極−セパレータ−正極−セパレータの順で重ねて積層物を得る。必要に応じて、積層物を九十九折りしてもよい。次いで、その積層物を、円筒形の又は扁平な渦巻状に巻回して巻回体を得る。そして、当該巻回体を外装体内に収納し、更に電解液を注入する等の工程を経ることにより、蓄電デバイスが得られる。
また、上記蓄電デバイスは、セパレータ、正極、および負極を平板状に形成した後、正極−セパレータ−負極−セパレータ−正極、又は負極−セパレータ−正極−セパレータ−負極の順に積層して積層体を得た後、外装体内に収容し、そこに電解液を注入する等の工程を経て製造することもできる。
なお、上記外装体としては、電池缶又は袋状のフィルムを用いることができる。
実施例及び比較例を挙げて本発明の形態をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性等は以下の方法により測定した。
(1)膜厚測定
ダイヤルゲージPEACOCKNo.25(尾崎製作所製)にて測定した。MD:10mm×TD:10mmのサンプルを多孔膜から切り出し、格子状に9箇所(3点×3点)の膜厚を測定した。得られた平均値を膜厚(μm)とした。
(2)ポリオレフィン樹脂の融点測定
島津製作所社製DSC60を使用し測定した。樹脂を3mg測定サンプルとして用いた。これを直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き詰め、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで30℃から180℃までを測定し、融解吸熱曲線の極大となる温度を融点とした。
(3)セパレータ多孔層に含まれる無機フィラーの粒径測定
実施例及び比較例にかかるセパレータを電界放射走査電子顕微鏡観察用にサンプリングしたものを、日本電子(株)製JSM−6700Fの電界放射走査電子顕微鏡でセパレータの多孔層の表面観察を行い、JEOL PC−SEM 6700のソフト中にある「2点間測長」を用いて30個の粒子について粒径を測定し、その平均値をコート層に含まれる粒子の粒径とした。球形ではなく変形している場合等のように通常の球形粒子でない場合は、最長径と最短径を測定し、2点の平均を1個の粒径とする。なお、測定条件は下記に示す通りである。
加速電圧:1kV
対物絞り:4
二次電子検出キー:ON
モード:2
エミッション:10μm
オートリセット:OFF
観察モード:LEM
スキャンローテーション:0
ダイナミックフォーカス:0
(4)セパレータの熱収縮率測定
セパレータをMD方向に100mm、TD方向に100mmに切り取り、150℃のオーブン中に1時間静置した。このとき、温風が直接サンプルにあたらないよう、サンプルを2枚の紙に挟んだ。サンプルをオーブンから取り出し冷却した後、長さ(mm)を測定し、以下の式にて熱収縮率を算出した。測定はMD方向、TD方向で行い、数値の大きい方を熱収縮率とした。
熱収縮率(%)={(100―加熱後の長さ)/100}×100
(5)セパレータのヒューズ温度測定
a.正極の作製
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を92.2質量%、導電材としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3質量%、バインダとしてポリフッ化ピニリデン(PVDF)3.2質量%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製する。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で、圧縮成形する。この時、正極の活物質塗布量は250g/m、活物質かさ密度は3.00g/cmになるようにする。
b.負極の作製
負極活物質として人造グラファイト96.6質量%、バインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%とスチレンブタジエン共重合体ラテックス1.7質量%を精製水中に分散させてスラリーを調製する。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで、塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で、圧縮成形する。この時、負極の活物質塗布量は106g/m、活物質かさ密度は1.35g/cmになるようにする。
c.非水電解液
プロピレンカーボネート:エチレンカーボネート:γ−ブチルラクトン=1:1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiBFを濃度1.0mol/Lとなるように溶解させて調製する。
d.評価
熱電対を繋いだ、セラミックスプレート上に、65mm×20mmに切り出し且つ非水電解液に1分以上浸漬した負極を載せ、この上に、中央部に直径16mmの穴をあけた50mm×50mmに切り出した厚さ9μmのアラミドフィルムを載せ、この上に、40mm×40mmに切り出し且つ非水電解液に1時間以上浸漬した試料の多孔膜をアラミドフィルムの穴部を覆うように載せ、この上に、65mm×20mmに切り出し且つ非水電解液に1分以上浸漬した正極を負極に接触しないように載せ、その上に、カプトンフィルム、更には厚さ約4mmのシリコンゴムを載せる。これをホットプレート上にセットした後、油圧プレス機にて4.1MPaの圧力を掛けた状態で、15℃/minの速度で昇温し、この際の正負極聞のインピーダンス変化を交流1V、及び1kHzの条件下で、200℃まで測定した。この測定において、インピーダンスが1000Ωに達した時点の温度をシャットダウン温度とし、孔閉塞状態に達した後、再びインピーダンスが1000Ωを下回った時点の温度をヒューズ(fuse)温度とした。
(6)TMA測定において135℃保持されているセパレータのTD方向の300秒間応力保持率評価(TMA測定での応力保持率)
島津製作所TMA50(商標)を用いて測定した。TD(MD)方向に幅3mmに切り出したサンプルを、チャック間距離が10mmとなるようにチャックに固定し、専用プロープにセットした。初期荷重を1.0gfとし、30℃より10℃/minの速度にてプロープを135℃まで昇温させ、135℃到達後、300秒間保持した。135℃到達時点、及び300秒保持後の収縮力(gf)から、下記式を用いて応力保持率を算出した。
応力保持率(%)=[収縮力(300秒保持後)/収縮力(135℃到達時)]×100
応力保持率測定はMD及びTD方向で行い、計算値の大きい方を応力保持率として採用した。300秒間保持の間に収縮力がなくなった場合は、応力保持率の測定は不可とした。
(7)セパレータのMD引張伸び、TD引張伸び測定
JIS K7127に準拠し、島津製作所製の引張試験機、オートグラフAG−A型(商標)を用いて、MD及びTDサンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について測定した。また、サンプルはチャック間を50mmとした。引張破断伸度(%)は、破断に至るまでの伸び量(mm)をチャック間距離(50mm)で除して、100を乗じることにより求めた。
(8)セパレータの水分量測定
実施例及び比較例にかかるセパレータについて、カールフィッシャー水分計MKC−160(京都電子工業製)を用いて、電量滴定法による水分量を測定した。具体的には、各セパレータの約150mgを測定試料重量とし、水分気化装置ADP−611(京都電子工業製)の試料台へ前記セパレータをセットした後、150℃にて窒素ガスを5分間フローして乾燥した後、測定を行い、下記式から水分量を計算した。カールフィシャー試薬は、ハイドラナール・クーロマットAK(シグマアルドリッチ製)及びハイドラナール・クーロマットCGK(シグマアルドリッチ製)を用いた。
水分量(ppm)=測定値(μm)/試料重量(mg)*10−3
(9)セパレータの多孔層の動摩擦係数測定
実施例及び比較例にかかるセパレータの多孔層について、カトーテック株式会社製、KES−SE摩擦試験機を用い、荷重50g、接触子面積10×10=100mm(0.5mmφの硬質ステンレス線SUS304製ピアノ線を互いに隙間なく、かつ、重ならないように20本巻きつけたもの)、接触子送りスピード1mm/sec、張力6kPa、温度25℃、及び湿度50%の条件下、動摩擦係数を測定した。サンプルサイズは幅50mm×測定方向200mmであり、MD、TD方向に各3回ずつ測定し、その平均を求めた。
(10)セパレータの粉落ち評価
実施例及び比較例にかかるセパレータについて、TD50mm幅×MD200mmの短冊状に切り、上端をテープにて固定し、その上を50gの重りを載せた黒色の布を滑らせて、その時の黒色の布及びセパレータについて目視にて確認し、下記の通り評価した。
○:黒色の布への多孔質体の付着及び多孔質体に剥がれも見られない
×:黒色の布の表面に多孔質体がついており、多孔質体に剥がれが見られる
(11)電池初期不良率の評価
a. 電池の作製
本評価では、下記の通り、円筒型リチウムイオン電池を作製し、それを用いて評価を行った。
正極には、厚み15μmのアルミニウム箔集電体に、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合剤をほぼ均等に塗工し、これを幅51mm、長さ約750mmの帯状に切断した。一方、負極には、厚み10μmの銅箔集電体に、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能な黒鉛等から成る炭素粉末材料を含む負極合剤をほぼ均等に塗工し、これを幅54mm、長さ約800mmの帯状に切断した。これら帯状にした正極および負極には、捲回後に所定の位置に導電リードが来るよう、電極端部の電極合剤を塗っていない集電体に電流を流すための導電リードを超音波溶接機で取り付けた。そして、セパレータとして、実施例及び比較例にかかる微多孔膜を、幅57mm、長さ約900mmの帯状に切断して用いた。
これら部材の捲回操作には、直径約4mmで半割れ構造の捲回軸が備えられている捲回装置を使用した。そして、ロール状に巻かれた2本のセパレータを引きだし捲回軸の半割れ部分に挟み込んで捲回軸を数回回転させて巻取り、セパレータとセパレータの間に正極および負極を挿入して捲回した。正極、負極およびセパレータには、捲回軸の回転方向と反対方向に0.5〜1.5kgf/cm2(0.05〜0.15MPa)の張力が加えられ、捲回中の巻きずれ又は緩み発生を防止した。正極および負極を巻き終えた後、さらにセパレータを数回巻いて切断した。
以上の様に作製した電極は、負極側を下に、正極側を上にして上下に絶縁板を取り付け、表面がニッケルメッキされた電池缶内に収納した。そして、電極の中央の穴に溶接抵抗機の電極棒を挿入し、電池缶の缶底に負極リードを溶接した。次に、電池缶の上部に電池蓋を取り付けるための溝を付け、その溝の上側にガスケットを入れた後、正極リードと電池蓋を溶接した。ここまで組立てたものを真空乾燥機に入れ、60℃の真空雰囲気で約16時間保持し、付着している水分を除去した。
次に、アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内に移し、所定量の電解液を注入した。電解液には、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の混合溶媒中に六フッ化燐酸リチウムを1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。電解液を注入後、電池缶上部のガスケットに電池蓋を軽く入れ、かしめ機に装着して電池缶をかしめて密封した。
b. 電池初期不良率の評価
上記各電池を5個作製し、初期充放電効率から下記の基準で不良率を評価した。
電池の不良率(%)=
[初期充放電効率が85%以下の電池の個数]/評価電池(5個)×100
電池の不良率は下記基準で評価した。
○:電池の不良率が0%以上20%未満
△:電池の不良率が20%以上40%未満
×:電池の不良率が40%以上
(12)電池の高温保存時、容量維持評価
実施例及び比較例にかかるセパレータを用いて、下記手順で、非水系二次電池の製造し、それを用いて、容量維持率の評価を行った。
a. 正極の製造
コバルト酸リチウム(LiCoO、日本化学工業社製)粉末89.5重量部と、アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業社製)4.5重量部及びポリフッ化ビニリデン(クレア化学工業株式会社製)の乾燥重量が6重量部となるように、6重量%のポリフッ化ビニリデンのNMP溶液を用い、正極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極を得た。
b. 負極の製造
負極活物質としてメソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪瓦斯化学社製)粉末87重量部と、アセチレンブラック3重量部及びポリフッ化ビニリデンの乾燥重量が10重量部となるように、6重量%のポリフッ化ビニリデンのNMP溶液を用い、負極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極を作製した。
c. 非水電解質の調製
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを3:7の重量比で混合した溶液に、LiPFが1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
d. 非水系二次電池の製造
上記のようにして得られた正極及び負極を積層セパレータを介して対向させた。これに非水電解質を含浸させ、アルミラミネートフィルムから成る外装に封入して、非水系二次電池を作製した。
e. 容量維持率の評価
以上のようにして作製した非水系二次電池について、60℃の恒温槽中において、充放電測定装置(北斗電工社製 HJ−101SM6)を使用し、充放電特性を測定した。充放電条件について、充電は0.2Cで4.2Vまで8時間充電を行い、放電については0.2Cで2.75Vまで放電を行い、容量維持率は初期放電容量に対する500サイクル時点での放電容量の割合とし、下記基準で評価した。
○:容量維持率が70%以上
△:容量維持率が60%以上70%未満
×:容量維持率が60%未満
(13)電池の釘刺試験
a. 正極の作製
正極活物質であるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粉末(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)とリチウムマンガン複合酸化物粉末(LiMn)を質量比率70:30で機械混合した混合正極活物質:85質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:6質量部、およびバインダであるPVdF:9質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。この正極合剤含有ペーストを、アルミニウム箔から成る厚さ20μmの集電体の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形を行って、全厚が130μmになるように正極合剤層の厚みを調整した。短辺95mm、長辺120mmの長方形状シートに、短辺上部に長さ20mmの活物質未塗工のアルミニウム箔をリードタブとした正極を作製した。
b. 負極の作製
負極活物質である黒鉛:91質量部と、バインダであるPVdF:9質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して、負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔から成る厚さ15μmの集電体の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形を行って、全厚が130μmになるように負極合剤層の厚みを調整した。短辺95mm、長辺120mmの長方形状シートに、短辺上部に長さ20mmの活物質未塗工の銅箔をリードタブとした負極を作製した。
c. 非水電解液の調製
非水電解液としてエチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPFを濃度1.0mol/リットルとなるように溶解させて調製した。
d. セル作製
上記の正極シート27枚、負極シート28枚を交互に重ね、それぞれを実施例及び比較例にかかるセパレータにて隔離することで電極板積層体を作製した。セパレータは125mm幅の帯状のセパレータで、これを交互に九十九折に折りたたむことで電極板積層体を作製した。この電極板積層体を平板状にプレス後、アルミニウム製ラミネートフィルムに収納し、3辺をヒートシールした。なお正極リードタブ、負極リードタブをラミネートフィルム1辺から導出させた。さらに、乾燥後、この容器内に上記の非水電解液を注入し、残りの1辺を封口した。こうして作製されるリチウムイオン電池は、容量が10Ahとなるように設計した。実施例及び比較例の各サンプルについて、6個以上の電池を作成した。
e. 釘刺し評価
電流値3A(0.3C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電したラミネートセルを防爆ブース内の鉄板上に静置し、セル中央部に、直径2.5mmの鉄製釘を、25℃前後の環境下で、10mm/秒と20mm/秒の速度において、n=3で貫通試験を行った。釘は貫通した状態で維持させ、15分以内に発火、爆発したものを不合格とし、発火、爆発しないものを合格とし、下記基準で評価した。
◎:20mm/秒評価;3個全てが合格、10mm/秒評価;3個全てが合格
○:20mm/秒評価;3個全てが合格、10mm/秒評価;1個又は2個が合格
△:20mm/秒評価;3個全てが合格、10mm/秒評価;3個全てが不合格
×:20mm/秒評価;1個以上が不合格、10mm/秒評価;3個全てが不合格
(14)粘度平均分子量(以下、「Mv」ともいう。)
ASRM−D4020に基づき、デカリン溶剤における135℃での極限粘度[η]を求め、ポリエチレンのMvは次式により算出した。
[η]=0.00068×Mv0.67
また、ポリプロピレンのMvは次式より算出した。
[η]=1.10×Mv0.80
[実施例1]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)28.5質量部、Mv30万のホモ高密度ポリエチレン28.5質量部、Mv70万のホモ高密度ポリエチレン14.2量部とMv200万のホモ超高分子量ポリエチレン23.8質量部、ホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。
得られたポリマー混合物99質量部に対して酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が62質量%(樹脂組成物濃度が38質量%)となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度200℃であり、スクリュー回転数100rpm、吐出量12kg/hで行った。
続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1700μmのゲルシートを得た。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.1倍、設定温度123℃とした。次に、塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去した。
次に、TDテンターに導き、熱固定を行った。熱固定温度は117℃で、TD最大倍率を2.0倍、緩和率は0.90とし、ポリオレフィン樹脂多孔膜を得た。
ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面に、コロナ放電処理(放電量50W)を実施した後、当該処理面側に、水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト、平均粒径1.0μm)を96.0質量部とアクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、ポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させて塗布液を得て、上記ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面にグラビアコーターを用いて塗布液を塗布した後、60℃にて乾燥して水を除去し、多孔膜上に厚さ5μmの多孔層が形成した、総膜厚20μmのセパレータ得た。結果を表1に併記する。
[実施例2]
溶融混練物の厚みを1800μm、多孔層の厚みを4μmとした以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例3]
同時二軸テンター延伸機の設定延伸条件を、MD倍率6.1倍、TD倍率7.0倍とした以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例4]
同時二軸テンター延伸機の設定温度を120℃とした以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例5]
同時二軸テンター延伸機の設定温度を120℃とした以外は、実施例3の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例6]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)10.0質量部、Mv30万のホモ高密度ポリエチレン40.8質量部、Mv70万のホモ高密度ポリエチレン20.4量部とMv200万のホモ超高分子量ポリエチレン23.8質量部、ホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例7]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)15質量部、Mv30万のホモ高密度ポリエチレン37.5質量部、Mv70万のホモ高密度ポリエチレン18.7量部とMv200万のホモ超高分子量ポリエチレン23.8質量部、ホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例8]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)60.0質量部、Mv30万のホモ高密度ポリエチレン7.5質量部、Mv70万のホモ高密度ポリエチレン3.7量部とMv200万のホモ超高分子量ポリエチレン23.8質量部、ホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例9]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)70.0質量部、Mv30万のホモ高密度ポリエチレン0.8質量部、Mv70万のホモ高密度ポリエチレン0.4量部とMv200万のホモ超高分子量ポリエチレン23.8質量部、ホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例10]
多孔層の厚みを2μmとした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例11]
溶融混練物の厚みを2000μmとした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例12]
溶融混練物の厚みを1300μmとした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例13]
溶融混練物の厚みを1000μmとした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例14]
無機フィラーとして、水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト、平均粒径0.3μm)を用いる以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例15]
無機フィラーとして、水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト、平均粒径0.6μm)を用いる以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例16]
無機フィラーとして、水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト、平均粒径1.4μm)を用いる以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例17]
無機フィラーとして、水酸化酸化アルミニウム(ベーマイト、平均粒径1.7μm)を用いる以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例18]
無機フィラーとして、焼成カオリン(平均粒径2.0μm)を用いる以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例19]
樹脂バインダとして、ポリビニルアルコール(平均重合度1700、ケン化度99%以上)を用いる以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例20]
同時二軸テンター延伸機の設定温度を120℃、設定延伸条件を、MD倍率7.0倍、TD倍率7.0倍とした以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例21]
同時二軸テンター延伸機の設定延伸条件を、MD倍率7.0倍、TD倍率8.0倍とした以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[実施例22]
PVdF−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体5重量部とシアノエチルポリビニルアルコール(製品名:シアノレジンCR−V、信越化学製)5重量部とをアセトンに溶解させたバインダ溶液に、無機フィラーとしてアルミナ(密度:4.0g/cm)90重量部を添加した後、ボールミル(ball mill)法で分散させてスラリーを用意した。
そして、実施例6で製造されたポリオレフィン樹脂多孔膜上に当該スラリーをコートして、乾燥しセパレータを得た。形成されたコーティング層の厚さは平均3μmであった。結果を表1に併記する。
[実施例23]
メタ型全芳香族ポリアミド(以降、m−アラミドとも言う)(製品名:コーネックス、帝人テクノプロダクツ社製)と、無機フィラーとして平均粒子径0.8μmの水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、キスマ5P)とを質量比で25:75となるように混合し、この混合物を、メタ型全芳香族ポリアミド濃度が5.5質量%となるように、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びトリプロピレングリコール(TPG)の質量比が50:50である混合溶媒に混合した。混合後、得られた混合液を大気圧下、室温で5時間静置することにより、塗工用スラリーを得た。
そして、実施例6で製造されたポリオレフィン樹脂多孔膜上に当該スラリーをコートして乾燥し、セパレータを得た。形成されたコーティング層の厚さは平均3μmであった。結果を表1に併記する。
[実施例24]
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王ケミカル社製、製品名「エマール2F」)0.15部、並びに過流酸アンモニウム0.5部を、それぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。
一方、別の容器でイオン交換水50部、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、並びに、重合性単量体として、ブチルアクリレート94.8部、アクリロニトリル2部、メタクリル酸1部、N−メチロールアクリルアミド1.2部及びアリルグリシジルエーテル(AGE)1部を混合して単量体混合物を得た。この単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。添加中は、60℃で反応を行った。添加終了後、さらに70℃で3時間撹拌して反応を終了し、バインダとして(メタ)アクリル重合体を含む水分散液を製造した。得られた(メタ)アクリル重合体の体積平均粒子径D50は0.36μm、ガラス転移温度は−45℃であった。
無機フィラーとしてアルミナ粒子(住友化学社製AKP−3000、体積平均粒子径D50=0.45μm、テトラポッド状粒子)を用意した。粘度調整剤として、エーテル化度0.8〜1.0カルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム社製、製品名D1200)を用いた。なお、粘度調整剤の1%水溶液の粘度は、10〜20mPa・sであった。
無機フィラーを100部、粘度調整剤を1.5部、及びイオン交換水を固形分濃度が40重量%になるように混合して分散させた。さらに、バインダとして上記(メタ)アクリル重合体を含む水分散液を固形分で4部となる量、ポリエチレングリコール型界面活性剤(サンノプコSNウェット366)0.2部を混合し、塗工用スラリーを製造した。
そして、実施例6で製造されたポリオレフィン樹脂多孔膜上に当該スラリーをコートして乾燥し、セパレータを得た。形成されたコーティング層の厚さは平均3μmであった。結果を表1に併記する。
[実施例25]
実施例1の塗布液を、アルミナ粒子(住友化学社製AA−1.5、体積平均粒子径D50=1.6μm)99.0質量部、アクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)1.0質量部に変更し、実施例1と同様に塗布液を製造した。
そして、実施例5で製造されたポリオレフィン樹脂多孔膜上に当該スラリーをコートして乾燥し、セパレータを得た。形成されたコーティング層の厚さは平均4μmであった。結果を表1に併記する。
[実施例26]
実施例1の塗布液を、水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)60.0質量部、アクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)40.0質量部に変更し、実施例1と同様に塗布液を製造した。
そして、実施例5で製造されたポリオレフィン樹脂多孔膜上に当該スラリーをコートして乾燥し、セパレータを得た。形成されたコーティング層の厚さは平均4μmであった。結果を表1に併記する。
[比較例1]
粘度平均分子量(Mv)20万のホモポリマーのポリエチレン95質量部、Mv40万のホモポリマーのポリプロピレン5質量部、可塑剤として流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)60質量部、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1質量部を用意し、これらをヘンシェルミキサーにて予備混合した。
得られたポリマー等混合物を溶融混錬するために二軸同方向スクリュー式押出機のフィード口へ供給した。また、溶融混練し押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が50質量%となるように、流動パラフィンを二軸同方向スクリュー式押出機のシリンダーにサイドフィードした。溶融混練条件は、設定温度200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/hとした。
次に、溶融混練物をTダイを用いて表面温度25℃に制御された冷却ロール間に押出し、厚さ1050μmのシート状成形体を得た。
次に、シート状成形体を連続して同時二軸テンター延伸機へ導き、MD方向に7倍、TD方向に6.4倍に同時二軸延伸を行い延伸フィルムを得た。この時、同時二軸テンターの設定温度は118℃であった。次に、得られた延伸フィルムを塩化メチレン槽に導き、流動パラフィンを除去した後、塩化メチレンを乾燥除去した。
さらに、延伸フィルムをTDテンター熱固定機に導き、熱固定を行った。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、最終延伸倍率1.3倍、最大延伸時設定温度123℃、最終延伸時設定温度128℃とし、ポリオレフィン樹脂多孔膜を得た。
上記ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面に、厚さ2μmの多孔層を形成した以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[比較例2]
多孔層の厚みを7μmとした以外は、比較例1の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[比較例3]
Mv70万のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部とMv25万のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部とMv40万のホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物99質量部に、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。
得られたポリマー等混合物を、窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また、可塑剤として流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が65質量%となるように、フィーダーおよびポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度200℃、スクリュー回転数240rpm、吐出量12kg/hとした。
続いて、溶融混練物を、Tダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚さ1300μmのシート状成形体を得た。
次に、シート状成形体を同時二軸テンター延伸機へ導き、MD方向に7倍、TD方向に6.4倍に同時二軸延伸を行い延伸フィルムを得た。この時、同時二軸テンターの設定温度は118℃であった。次に、得られた延伸フィルムを塩化メチレン槽に導き、流動パラフィンを抽出除去した後、塩化メチレンを乾燥除去した。
さらに、延伸フィルムをTDテンター熱固定機に導き、熱固定を行った。熱固定温度は122℃、TD緩和率0.80とし、ポリオレフィン樹脂多孔膜を得た。
上記ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面に、厚さ3μmの多孔層を形成した以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[比較例4]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)5.0質量部、Mv30万のホモ高密度ポリエチレン44.2質量部、Mv70万のホモ高密度ポリエチレン22.0量部とMv200万のホモ超高分子量ポリエチレン23.8質量部、ホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[比較例5]
Mv15万の共重合ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単量体単位含量0.6モル%、密度0.95、融点133℃)85.0質量部、Mv200万のホモ超高分子量ポリエチレン10質量部、及びホモポリマーのポリプロピレン5質量部を、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。結果を表1に併記する。
[比較例6]
実施例2で基材に用いたポリオレフィン樹脂多孔膜について評価した。結果を表1に併記する。
[比較例7]
実施例6で基材に用いたポリオレフィン樹脂多孔膜について評価した。結果を表1に併記する。
Figure 2016139489

Claims (15)

  1. 多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備える電池用セパレータであって、
    前記電池用セパレータの150℃における熱収縮率が5.0%未満であり、かつ前記電池用セパレータのヒューズ温度が120℃以上143℃以下である、
    前記電池用セパレータ。
  2. 前記ヒューズ温度が120℃以上138℃以下である、請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. 水分気化装置の試料台に前記電池用セパレータをセットして、前記水分気化装置内に窒素ガスを5分間フローした後に測定された前記電池用セパレータの水分含有量が、50〜500ppmである、請求項1又は2に記載の電池用セパレータ。
  4. 前記電池用セパレータの135℃での熱機械分析(TMA)測定において、前記電池用セパレータの幅方向(TD)の300秒間応力保持率が、1%以上65%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  5. 前記電池用セパレータの機械方向(MD)引張伸び及び幅方向(TD)引張伸びが、それぞれ80〜160%であり、かつ前記機械方向(MD)引張伸びと前記幅方向(TD)引張伸びの合計が、180〜280%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  6. 前記多孔膜が、ポリオレフィン樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  7. 前記ポリオレフィン樹脂は、融点が120℃以上135℃以下のポリオレフィン樹脂を含む、請求項6に記載の電池用セパレータ。
  8. 前記融点が120℃以上135℃以下のポリオレフィン樹脂の含有率が、全ポリオレフィン樹脂の合計質量に対して、8〜80質量%である、請求項7に記載の電池用セパレータ。
  9. 前記多孔層の動摩擦係数が0.1〜0.6である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  10. 前記無機フィラーが、0.5〜2.5μmの平均粒径を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  11. 前記無機フィラーが、0.5〜1.5μmの平均粒径を有する、請求項10に記載の電池用セパレータ。
  12. 前記無機フィラーが、ベーマイト、焼成カオリン、アルミナ及び酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  13. 前記樹脂バインダが、アクリル系重合体、含フッ素樹脂及びポリアミドから選択される少なくとも1つである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、非水電解液とを有する、非水電解液電池。
  15. 多孔膜の少なくとも片面に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔層を備える電池用セパレータであって、
    前記多孔層の動摩擦係数が0.1〜0.6であり、
    前記電池用セパレータの150℃における熱収縮率が5.0%未満であり、
    前記電池用セパレータのヒューズ温度が120℃以上143℃以下であり、かつ
    水分気化装置の試料台に前記電池用セパレータをセットして、前記水分気化装置内に窒素ガスを5分間フローした後に測定された前記電池用セパレータの水分含有量が、50〜500ppmである、
    前記電池用セパレータ。
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