JP2016138313A - 金属ナノワイヤ成長制御剤、該金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて合成された金属ナノワイヤ及び金属ナノワイヤ分散液、並びに金属ナノワイヤ分散液の製造方法 - Google Patents

金属ナノワイヤ成長制御剤、該金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて合成された金属ナノワイヤ及び金属ナノワイヤ分散液、並びに金属ナノワイヤ分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属ナノワイヤを有機溶媒に分散した際に凝集し難く、保存安定性に優れ、再分散が容易な金属ナノワイヤ分散液を得ることのできる金属ナノワイヤ成長制御剤、金属ナノワイヤおよびその分散液、並びに金属ナノワイヤ分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】
置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤であって、
前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、−(AO)−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ナノワイヤ成長制御剤、金属ナノワイヤ及び金属ナノワイヤ分散液、並びに金属ナノワイヤ分散液の製造方法に関する。より詳しくは、特定の置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物を構成単位として含む金属ナノワイヤ成長制御剤、該金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて金属化合物とポリオール中で合成される、有機溶媒への分散性を向上した金属ナノワイヤ及びその分散液、並びに金属ナノワイヤ分散液の製造方法に関する。
近年、タッチパネルを搭載した情報端末機器の急速な普及に伴い、高光透過率や低ヘイズといった高品位の透明電極の要求が高まっている。従来、これらの透明電極に用いられる透明導電膜には酸化インジウムスズ(ITO)が用いられてきた。
しかしながらITOの成分であるインジウムは産出量が少ないレアメタルであり、産出地域の片寄も大きいため、供給の不安や価格の高騰といった問題を有している。また、現在ITOはスパッタ法を代表とするドライプロセスにより導電膜を形成していることから、大規模な高真空製造装置が必要となり、生産速度やコストの面が問題となる。
そこで、最近ではダイコート法やロールコート法等により導電膜を形成するウェットプロセスが適用可能なカーボンナノチューブ(CNT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の導電性高分子、金属ナノワイヤ等の金属ナノワイヤ、といった微細繊維状導電体を使用する方法が注目されている。ウェットプロセスによる加工は、大面積の導電膜を短時間で形成することが可能で製造コストを低減できる。
これらの中でも金属ナノワイヤを含有した導電膜は低抵抗で高光線透過率であることが注目され、タッチパネル等の透明電極材料としての実用化が始まっている。また、金属ナノワイヤの合成法に関しては、下記文献のごとく種々の処方が開発されている。
特表2013−531133号公報 特開2010−261102号公報 特開2014−137860号公報 特開2012−140701号公報
しかしながら、成長制御剤として極一般的に用いられるポリビニルピロリドンの場合、水に対する金属ナノワイヤの分散性は良好であるが、有機溶剤に対する分散性はいまだ満足いくものではない。
特許文献1では、ビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体やビニルピロリドン/スチレン共重合体等が明細書中で例示されているが、好ましい態様である実施例中ではビニルピロリドン単独重合体のみが用いられており、従来からの溶剤分散性は解決されていない。特許文献2では、ポリビニルピロリドンを用いて銀ナノワイヤを合成した後、共役化合物をさらに複合化させることで非極性溶媒への分散性を得ているものの、複合化を行うステップが加わることから合成手順が煩雑であり、また、成長制御剤が銀ナノワイヤ表面に残留しているところへさらに共役化合物を複合化させていることから、ナノワイヤ表面の電気抵抗率が増大して導電性を低下させる恐れがある。特許文献3では、N−ビニル2−ピロリドンにアクリル酸ブチル等のアクリルゴム原料モノマーを共重合した共重合体と金属ナノワイヤとの複合体が開示されているが、複合体の伸張性向上剤として用いられているに過ぎず、精製された金属ナノワイヤ単体での有機溶媒に対する分散性については検討されていない。
一方、本願発明者らは特許文献4において、銀ナノワイヤの長軸長を幅広く制御可能な銀ナノワイヤの製造方法として、N置換(メタ)アクリルアミドを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有する銀ナノワイヤ成長制御剤と、銀化合物とを、ポリオール中において25〜180℃で反応させることを特徴とする銀ナノワイヤの製造方法及びN置換(メタ)アクリルアミドを重合性モノマーとして有する重合体を含有することを特徴とする銀ナノワイヤ成長制御剤を提案している。
しかしながら、特許文献4に記載された発明を検討した本願発明者らも、その当時、精製された金属ナノワイヤ単体での有機溶媒に対する分散性についてまでは検討しておらず、特許文献4記載の方法において銀ナノワイヤを製造した場合、長軸長の長さは幅広く制御できる点で優れているものの、依然として有機溶媒に対する分散性の課題を解決するには至っていない。
本発明は、従来からの前記した諸問題を解決し得る金属ナノワイヤ成長制御剤、金属ナノワイヤおよびその分散液、並びに金属ナノワイヤ分散液の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく本願発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定の置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物を構成単位として有する共重合物を含む金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて合成された金属ナノワイヤが、有機溶媒に分散した際に凝集し難く、保存安定性に優れ、再分散が容易な金属ナノワイヤ分散液を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下の構成からなる金属ナノワイヤとその用途が提供される。
(1) 置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤であって、
前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、−(AO)−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤、
(2) N置換(メタ)アクリルアミド(a)、及び、
前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)とは異なり、かつ、置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)
を構成単位として有し、N置換(メタ)アクリルアミド(a):不飽和カルボニル化合物(b)=30:70〜99.9:0.1の質量比の範囲である共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤であって、
前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、−(AO)−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤、
(3) 前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)が、一つ又は二つのN置換アルキル基を有することを特徴とする、前記(2)に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(4) 前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)が、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする、前記(2)に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(5) 前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、アルキレンオキシアルキルエーテル基及び/又はアルキレンオキシアリールエーテル基であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(6) 前記不飽和カルボニル化合物(b)が、アルキルエステル変性物及び/又はε−カプロラクトン変性物であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(7) 前記アルキルエステル変性物が、(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする、前記(6)に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤、
(8) 前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて合成された金属ナノワイヤ、
(9) 前記(8)に記載の金属ナノワイヤが、水及び有機溶媒から選ばれる2種類以上の溶媒に分散されたものであることを特徴とする、金属ナノワイヤ分散液、
(10) 前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いた金属ナノワイヤ分散液の製造方法であって、該製造方法が、下記i)〜iii)の工程を有する事を特徴とする、金属ナノワイヤ分散液の製造方法、
i)金属ナノワイヤ成長制御剤を含むポリオール中で、金属化合物を25〜180℃で反応させて金属ナノワイヤを合成する工程。
ii)金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す工程。
iii)取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する工程。
(11) 前記工程iii)で用いる溶媒が、水及び有機溶媒媒から選ばれる2種類以上の溶媒であることを特徴とする、前記(10)に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法
である。
本発明の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて合成された金属ナノワイヤは、有機溶媒を分散媒とする系においても凝集物を生じ難く、長時間安定的に保存が可能な金属ナノワイヤ分散液をより少ない工程数で提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<金属ナノワイヤ成長制御剤>
本発明の金属ナノワイヤ成長制御剤は、
置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤であって、
前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、−(AO)−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤、
であればよく、
N置換(メタ)アクリルアミド(a)、及び、
前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)とは異なり、かつ、特定の置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有することが好ましく、N置換(メタ)アクリルアミド(a):不飽和カルボニル化合物(b)=30:70〜99.9:0.1の質量比であることがより好ましい。共重合物(c)は、分散溶媒への溶解性を阻害しない程度にポリマー骨格中に架橋構造を有していてもよい。また、金属ナノワイヤ成長制御剤は、ポリオールへの溶解性や、金属ナノワイヤの形成を阻害しない程度に、前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)、前記不飽和カルボニル化合物(b)以外のモノマーを共重合物(c)の構成単位として有してもよく、他の重合体等を含有していてもよい。
前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)とは異なり、かつ、特定の置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)をN置換(メタ)アクリルアミド(a)と共重合することによる金属ナノワイヤの有機溶媒分散性向上の機構は定かではないが、金属ナノワイヤ上に微量残留する金属ナノワイヤ成長制御剤の主鎖から、有機溶媒親和性の高い置換基が分散溶媒側へ伸張することで、強く溶媒和した置換基が分散溶媒中へのアンカー効果の様な働きをするからではないかと考えられる。
<N置換(メタ)アクリルアミド(a)>
N置換(メタ)アクリルアミドは、(メタ)アクリルアミドの窒素原子と結合している水素原子が1個以上アルキル基、アリール基、等の官能基で置換されたものであり、不飽和カルボニル化合物(b)と異なるものであれば特に限定されず、これらの中から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。N置換(メタ)アクリルアミドは、(メタ)アクリルアミドの窒素原子と結合している水素原子が1個だけ置換されたN−モノ置換体、窒素原子と結合している2個の水素原子が同じ基で置換されたN,N−対称ジ置換体、窒素原子と結合している2個の水素原子が異なる基で置換されたN,N−非対称ジ置換体、窒素原子と結合している2個の水素原子が一つの基で置換されて環を形成するN,N−環状置換体などのN,N−ジ置換体に大別される。
N−モノ置換体の具体例としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−モノ環状アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ナフチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアリール置換(メタ)アクリルアミド類、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルエチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアリールアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−ノルボルニル(メタ)アクリルアミド、N−ノルアダマンチル(メタ)アクリルアミド等のN−飽和多環アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
N,N−対称ジ置換体の具体例としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアクリルアミド等のN,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジ環状アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアリール置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジベンジル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアリールアルキル置換(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
N,N−非対称ジ置換体の具体例としては、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
N,N−環状置換体の具体例としては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン等が挙げられる。
これらの中でも、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミドが好ましく、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
<置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)>
本発明の置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)は、置換基が、−(AO)n−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上、好ましくは、nは1〜100の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物である。これらは1種又は2種以上を用いてもよく、具体例としては、(メタ)アクリル酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。ここで(ポリ)オキシアルキレン基とは、オキシアルキレン基及びポリオキシアルキレン基のことをいう。繰り返し数nが100以下であると、高極性有機溶媒に加え低極性有機溶媒への金属ナノワイヤの分散性も良好となり好ましい。
前記不飽和カルボニル化合物(b)は、α,β−不飽和カルボニル基に酸素原子あるいは窒素原子を介して、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、もしくはポリオキシブチレン基等のポリオキシアルキレン基;ポリオキシエチレンメチルエーテル基、ポリオキシエチレンエチルエーテル基、ポリオキシエチレンプロピルエーテル基、ポリオキシエチレンブチルエーテル基、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル基、ポリオキシエチレンオクチルエーテル基、ポリオキシエチレンドデシルエーテル基、もしくはポリオキシエチレンオクタデシルエーテル基等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル基;ポリオキシエチレンフェニルエーテル基、ポリオキシプロピレンフェニルエーテル基等のポリオキシアルキレンアリールエーテル基;ポリオキシエチレンエチルエステル基、ポリオキシエチレンドデシルエステル基等のエステル変性ポリオキシアルキレン基、またはポリオキシエチレンε−カプロラクトン変性物等のヒドロキシアルキルエステル変性ポリオキシアルキレン基を有する置換基が結合している化合物である。これらの中でもアルキルエステル変性物、ε−カプロラクトン変性物が好ましい。アルキルエステル変性物は、エステル変性ポリオキシアルキレン基を有する化合物であり、エステル変性ポリオキシアルキレン基は、(ポリ)オキシアルキレン基末端のヒドロキシ基に対し、カルボン酸ハロゲン化物あるいはカルボン酸無水物等のアルカノイル化剤を作用させることにより得られる。ε−カプロラクトン変性物は、ヒドロキシアルキルエステル変性ポリオキシアルキレン基を有する化合物であり、ヒドロキシアルキルエステル変性ポリオキシアルキレン基は、(ポリ)オキシアルキレン基末端のヒドロキシ基に対し、γ−ブチロラクトン、δ―バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環付加させることにより得られる。ここで、ポリオキシアルキレン基、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基またはポリオキシアルキレンフェニルエーテル基のアルキレンは、例えばエチレンとプロピレンの様に炭素数の異なるものが混在していてもよい。
不飽和カルボニル化合物(b)は、金属ナノワイヤの分散に使用する溶媒に対する溶解度が高いものであるほど金属ナノワイヤの分散性が良好となり好ましい。また、水やアルコール類の様な極性の高い溶媒に金属ナノワイヤを分散する場合は、極性基であるポリオキシアルキレン基を置換基中に有することが好ましい。ポリオキシアルキレン基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)の場合、アルコール類の様な極性の高い溶媒に金属ナノワイヤを分散する場合はオキシアルキレン基の繰り返し数が4以上であることが好ましく、グリコールエーテルエステル類の様な極性の低い溶媒に金属ナノワイヤを分散する場合はポリオキシアルキレン基の繰り返し数が4未満であることが好ましい。さらに低極性の溶媒ではエステル基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン基を有する置換基が結合している化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する置換基が結合している化合物の具体例としては、
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエトキシエチル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデシロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタデシロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアリールエーテル基を有する置換基が結合している化合物の具体例としては、
(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(2−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
アルキルエステル変性ポリオキシアルキレン基を有する置換基が結合している化合物の具体例としては、2−アセトキシエチル(メタ)アクリレート、3−アセトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−アセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルエステル変性ポリオキシアルキレン基を有する置換基が結合している化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルのε−カプロラクトン変性物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性物、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性物、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドのε−カプロラクトン変性物等が挙げられる。
共重合物(c)には、金属ナノワイヤの生成あるいは金属ナノワイヤの有機溶媒分散性を阻害しない程度に、共重合可能な他の単量体を共重合物(c)の構成単位として有することができ、含有率は共重合物(c)中の10質量%以下が好ましい。
共重合可能な他の単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル(異性体を含む)、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル類、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、(メタ)アリルアルコール、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルアミン等の(メタ)アリル化合物類、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルカルボン酸アミド類、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等のビニル基含有複素環類が挙げられる。イオン性を有するモノマーに関しては、それらの塩類も使用できる。
共重合物(c)は、前記不飽和カルボニル化合物(b)のみを構成単位としてもよいが、共重合物(c)における前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)の構成単位としての含有量は60質量%以上99質量%以下が好ましく、共重合物(c)における前記不飽和カルボニル化合物(b)の構成単位としての含有量は1質量%以上40質量%以下であることが、有機溶媒分散性良好かつ金属ナノワイヤの長軸長をより容易に制御可能となるので、好ましい。
本発明の金属ナノワイヤ成長制御剤に用いる共重合物(c)の製造方法としては、従来公知の各種の方法を採用することができる。例えば、撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた反応容器に前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)、不飽和カルボニル化合物(b)および溶媒を仕込み、重合開始剤を添加した後、反応温度20〜150℃で0.5〜12時間反応させて得られる。重合形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、沈殿重合等いずれでもよい。反応操作は回分反応、半回分反応、連続反応のいずれでもよい。
本発明の金属ナノワイヤ成長制御剤に用いる共重合物(c)を合成するための反応溶媒は重合反応を行えるものであれば従来公知の溶媒を用いればよい。具体的な例としては、水、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルエチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
本発明の金属ナノワイヤ成長制御剤に用いる共重合物(c)を合成するための重合開始剤は従来公知の物質を用いればよい。具体的な例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物類;過硫酸塩類や過酸化物類と亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、ブドウ糖、アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物類;ベンゾフェノン等の光重合開始剤;さらにはこれら過硫酸塩類、過酸化物類、レドックス開始剤、アゾ化合物類、光重合開始剤等を組み合わせた重合開始系が挙げられる。
共重合物(c)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いた測定におけるポリエチレングリコール換算重量平均分子量で8,000〜4,000,000であることが、銀ナノワイヤの長軸長をより容易に制御可能となるため好ましい。共重合物(c)の分子量を調整するため、従来公知の連鎖移動剤を用いてもよい。具体的な例としては、メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、チオグリセリン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸等のチオール類、2−プロパノール等のアルコール類、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルアルコール等の(メタ)アリル化合物類、ホスフィン酸ナトリウムの様なホスフィン酸塩類が挙げられる。
共重合物(c)は、本発明の銀ナノワイヤ成長制御剤として、次の本発明の金属ナノワイヤの合成に供する。この際、銀ナノワイヤ成長制御剤は共重合物(c)の重合に用いた溶媒を含んだ状態で使用しても、加熱乾燥、スプレー乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等により乾燥固形化して用いてもどちらでもよい。
本発明の金属ナノワイヤは、前記した共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤、塩化物イオンの存在下、ポリオールを還元剤として、金属化合物を還元することにより得られることが好ましい。具体的には以下の合成方法により得ることができる。
<金属ナノワイヤの合成方法>
金属ナノワイヤの合成方法としては、少量の金属イオンを還元剤で金属ナノ粒子に変換し、これを結晶核粒子とし、金属イオン、還元剤を逐次添加することで前記結晶核粒子を金属ナノワイヤに成長させる方法(以下、逐次添加成長法と略する)、全銀イオンを還元剤により一旦金属ナノ粒子とした後オストワルド熟成によってワイヤ化する方法(以下、熟成成長法と略する)等が一般に用いられる。本発明においては逐次添加成長法、熟成成長法どちらの製造方法を採用してもよい。また、反応操作としては、回分反応、半回分反応、連続反応のいずれを採用してもよい。
<ポリオール>
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する還元剤にはポリオールを用いることが好ましい。ポリオールとしては、金属イオンを還元できる化合物であれば特に制限はなく、2つ以上の水酸基を有する化合物から少なくとも一種類を目的に応じて適宜選択することができる。本発明で好ましく用いることができるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(異性体を含む)、ブタンジオール(異性体を含む)、ペンタンジオール(異性体を含む)、ヘキサンジオール(異性体を含む)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール(異性体を含む)、トリエチレングリコール(異性体を含む)、トリプロピレングリコール(異性体を含む)、等のジオール類;グリセリン、ブタントリオール(異性体を含む)、ペンタントリオール(異性体を含む)、ヘキサントリオール(異性体を含む)等のトリオール類;ブタンテトラオール(異性体を含む)、ペンタンテトラオール(異性体を含む)、ヘキサンテトラオール(異性体を含む)等のテトラオール類;ペンタンペンタオール(異性体を含む)、ヘキサンペンタオール(異性体を含む)等のペンタオール類;ヘキサンヘキサオール(異性体を含む)等のヘキサオール類等が挙げられる。これらの中でも、常温で液体であることや、金属ナノワイヤ成長制御剤の溶解のし易さ、といった点から、炭素数が1〜5である飽和炭化水素のジオール、炭素数が1〜5である飽和炭化水素のトリオールが好ましい。中でも、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオール、グリセリンがより好ましい。
<反応溶媒>
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する還元剤のポリオールは、反応溶媒としても機能しているが、金属ナノワイヤ成長制御剤の溶解性や金属ナノワイヤの生成を阻害しない程度にポリオール以外の反応溶媒を加えてもよい。例えば、水;あるいは、メタノール、プロパノール(異性体を含む)、ブタノール(異性体を含む)、ベンジルアルコール、ターピネオール等のアルコール類;あるいはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物類が挙げられる。
<金属化合物>
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する金属化合物としては、ポリオールによって還元される化合物が好ましく、特に制限はない。具体的な例としては、金、白金、パラジウム、銀、銅等の無機酸塩類あるいは有機酸塩類が挙げられる。金属種としては銀が好ましく、銀の無機酸塩類がより好ましく、硝酸銀が特に好ましい。
<塩化物イオン>
本発明の金属ナノワイヤの合成に供する塩化物イオンは、無機塩化物あるいは有機塩化物を極性溶媒中に溶解することによって生成される。塩化物イオンとすることができる塩の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩化物;塩化アルミニウム等の土類金属塩化物;塩化亜鉛等の亜鉛族金属塩化物;塩化スズ等の炭素族金属塩化物;塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、オキシ塩化ジルコニウム等の遷移金属塩化物;アンモニア塩酸塩(以下、塩化アンモニウムと略する場合がある)、ヒドラジン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、プロピルアミン塩酸塩、ジプロピルアミン塩酸塩、トリプロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ジブチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩、ペンチルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、エタノールアミン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩、ジメチルエタノールアミン塩酸塩、メチルジエタノールアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、エチレンジアミン塩酸塩、ジエチレンテトラミン塩酸塩、トリエチレンペンタミン塩酸塩、アニリン塩酸塩、トルイジン塩酸塩、グルコサミン塩酸塩、アセトアミジン塩酸塩等のアミン塩酸塩、アラニン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、リシン塩酸塩、システイン塩酸塩、グルタミン酸塩酸塩、オルニチン塩酸塩、シスチン二塩酸塩等のアミノ酸塩酸塩;塩化テトラブチルホスホニウム、塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム等の塩化ホスホニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、塩化リチウム、塩化ナトリウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、塩化アンモニウムが好ましい。
<その他の添加物>
その他の添加物として、金属ナノワイヤの分散性を補助するための界面活性剤や高分子系増粘剤、金属ナノワイヤの酸化を防止するための酸化防止剤、金属ナノワイヤの硫化を防止するための硫化防止剤、系内の水素イオン濃度を調整するための無機酸あるいは有機酸といった酸成分及びアンモニア、アミン類、金属水酸化物といったアルカリ成分等を金属ナノワイヤの生成を阻害しない程度に適宜添加することができる。
<反応温度>
本発明の金属ナノワイヤの合成における反応温度は、銀ナノワイヤが形成可能な温度であればどのような温度でもよいが、25〜180℃であることが好ましい。25℃よりも低いと金属ナノワイヤ形成に時間がかかりすぎ、180℃を超えると金属ナノワイヤ成長制御剤の変質の可能性がある。
<反応時間>
本発明の金属ナノワイヤの合成における反応時間は、金属ナノワイヤが形成可能な時間であれば任意に設定できるが、製造コストの観点から72時間以内が好ましい。
<各原料の仕込み方法>
本発明の金属ナノワイヤの合成における各原料の仕込み方法は、あらかじめ使用溶媒で溶解した後反応容器に仕込んでも、反応容器に使用溶媒を仕込んでから各原料を仕込んでもどちらでもよいが、均一混合のし易さから、あらかじめ使用溶媒に溶解してから仕込むことが好ましく、あらかじめ使用溶媒に溶解してから仕込む場合は滴下仕込みでも一括仕込みでもどちらでもよい。各原料の仕込み順序は特に指定はないが、反応初期段階でより良好な金属ナノ粒子を生成しやすくするため、金属ナノワイヤ成長制御剤、塩化物イオンを含む塩、その他の添加物を仕込んだ後、金属化合物を最後に仕込むことが好ましい。
<金属化合物の反応濃度>
本発明の金属ナノワイヤの合成における反応系中の金属化合物の濃度は、良好な金属ナノワイヤを形成するという観点から、0.0006〜2mol/kgが好ましく、0.006〜0.8mol/kgがさらに好ましい。金属化合物の濃度が0.0006mol/kgを下回ると金属ナノワイヤの生成量が少なくなって製造コストがかかりすぎ、2mol/kgを上回ると良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなる。
<金属ナノワイヤ成長制御剤の反応濃度>
本発明の金属ナノワイヤの合成における金属ナノワイヤ成長制御剤の濃度は、良好な金属ナノワイヤの形成の点から、金属ナノワイヤ成長制御剤を構成する重合体の単量体単位換算で、0.001〜2.5mol/kgが好ましく、0.01〜1.0mol/kgがさらに好ましい。金属ナノワイヤ成長制御剤の濃度が0.0006mol/kgを下回ると良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなる。また、2mol/kgを上回ると良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなるうえに、金属ナノワイヤを単離する際に金属ナノワイヤ成長制御剤の除去操作が煩雑になることから製造コストの上昇を招く。
<塩化物イオンの反応濃度>
本発明の金属ナノワイヤの合成における塩化物イオンの反応濃度は、良好な金属ナノワイヤの形成の点から0.01〜50mmol/kgが好ましく、0.05〜10mmol/kgがさらに好ましく、0.05〜0.15mmol/kgが特に好ましい。塩化物イオンの濃度が50mmol/kgを上回る場合には、良好な形態の金属ナノワイヤが得られにくくなる。
上述した金属ナノワイヤの合成方法によれば、金属ナノワイヤの長軸長を任意に制御可能であり、該合成方法で得られる反応液を精製することで、断面直径が1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/直径)が2以上である構造体なる本発明の金属ナノワイヤを得ることができる。
<金属ナノワイヤの直径>
金属ナノワイヤを透明導電膜として用いる場合、透明性を高めるためには、金属ナノワイヤの直径は小さい方が有利であり、かつ好ましい。本発明においては、金属ナノワイヤの直径として250nm未満が好ましく、150nm未満であることがより好ましく、100nm未満であることがさらに好ましい。なお、金属ナノワイヤの直径は、走査型電子顕微鏡を用い、100個の金属ナノワイヤを観察し、その算術平均値から求めることができる。
<金属ナノワイヤの長軸長>
金属ナノワイヤを含有する透明電導膜は、金属ナノワイヤが互いに接触し合い、3次元的な導電ネットワーク構造が空間的に広く分布して形成されることにより、導電性を発現する。したがって、透明導電膜の用途に応じて最適な長軸長を有する金属ナノワイヤが好ましい。本発明においては、金属ナノワイヤの長軸長として0.5〜1000μmが好ましい。なお、金属ナノワイヤの長軸長は、走査型電子顕微鏡を用い、100個の金属ナノワイヤを観察し、その算術平均値から求めることができる。
<金属ナノワイヤ分散液の製造方法>
本発明の金属ナノワイヤ分散液の製造方法は下記i)〜iii)の工程を有する事を特徴とする。
i)金属ナノワイヤ成長制御剤を含むポリオール中で、金属化合物を25〜180℃で反応させて金属ナノワイヤを合成する工程。
ii)金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す工程。
iii)取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する工程。
金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す方法としては、遠沈法、濾過法、傾瀉法、水簸法、溶媒による沈殿後再分散処理する方法等従来公知の方法を用いることができる。
取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する方法としては、攪拌翼型撹拌機、超音波分散機、震盪機、自転公転撹拌機等を用いる従来公知の方法を用いることができる。
溶媒は金属ナノワイヤを分散可能なものであれば特に制限はない。具体例としては、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、ターピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のポリオール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグライム類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、3−メチル−2−ヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族類;およびこれらの2種類以上からなる溶媒が挙げられる。
樹脂溶液は、金属ナノワイヤを分散可能な溶媒に樹脂を溶解したものであれば特に制限はない。樹脂の具体例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、ガティガム、ローカストビーンガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム等の多糖類およびその誘導体;(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド等を単独あるいは共重合したポリ(メタ)アクリル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリエステル樹脂;アルキッド樹脂;エポキシ樹脂;エチレン酢酸ビニル樹脂;ポリビニルアルコールおよびその誘導体等があげられる。
本発明の金属ナノワイヤおよびその分散液は、例えば、透明導電膜を形成し、液晶ディスプレイ用電極材、プラズマディスプレイ用電極材、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ用電極材、電子ペーパー用電極材、タッチパネル用電極材、薄膜型アモルファスSi太陽電池用電極材、色素増感太陽電池用電極材、電磁波シールド材、帯電防止材等の各種デバイスなどに幅広く適用される。
以下、好ましい金属化合物として、硝酸銀を用い、本発明の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に記載がない限り、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を表す。
なお、本文中あるいは表中の各薬剤の略号、商標、商品名は以下のことを意味する。
HEAA:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、商品名HEAA、KJケミカルズ(株)製
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド、商品名DMAA、KJケミカルズ(株)製
DEAA:N,N−ジエチルアクリルアミド、商品名DEAA、KJケミカルズ(株)製
NIPAM:N−イソプロピルアクリルアミド、商品名NIPAM,KJケミカルズ(株)製
TBAA:N−t−ブチルアクリルアミド、商品名TBAA、MRCユニテック(株)製
PME200:CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−CH n≒4、商品名ブレンマーPME−200、日油(株)製
ブレンマーPLE−200:CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−C1225 n≒4、商品名ブレンマーPLE−200、日油(株)製
ブレンマー50POEP−800B:CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−(CHCHCHO)CH(C)(C11)、商品名ブレンマー50POEP−800B、日油(株)製
ブレンマーPSE−1300:CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−C1837 n≒30、商品名ブレンマーPSE−1300、日油(株)製
プラクセルFA−5:アクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン5mol付加物、(株)ダイセル製
プラクセルFA2D:アクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトン2mol付加物、(株)ダイセル製
NPA:1−プロパノール
DEGE:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<不飽和カルボニル化合物(b)の合成>
(調製例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器を具備した四つ口フラスコにN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド115部、ε−カプロラクタム342部、塩化スズ(II)0.1部、ヒドロキノンモノメチルエーテル1部を仕込んだ。その後窒素ガスを送入しながら110℃に昇温し、12時間反応させ、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドのカプロラクトン変性物(HEAA−CL)を得た。
(調製例2)
攪拌機、温度計、還流冷却器を具備した四つ口フラスコにN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド115部、無水酢酸123部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.3部、トリエチルアミン115部を仕込んだ後、0℃に冷却して3時間反応させた。その後水200部を投入し反応を停止させた。反応液400部とトルエン400部を分液ロートにとり、5分間振盪後トルエン層を取り出した。水層はさらに3回同様の抽出操作を行った。トルエン層をなす型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去し、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドの酢酸エステル(HEAA−Ac)を得た。
<銀ナノワイヤ成長制御剤の合成例>
(合成例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコにN,N−ジエチルアクリルアミド135部、メタクリル酸2−エトキシエチル15部、プロピレングリコール775部を仕込んだ後、窒素ガスを送入しながら70℃に昇温し、プロピレングリコールで濃度1%になるように溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液75部を添加し、90℃で3時間反応させた。その後プロピレングリコール2000部を加えて濃度5%の共重合物溶液を調製した。粘度は113mPa・sであった。
(合成例2〜16、20、26)
単量体組成を表1に記載のように変更した以外は合成例1と同様にして共重合物溶液を合成した。
(合成例17〜19、21〜25、27、29)
単量体組成、重合溶媒を表1に記載のように変更し、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を2−プロパノールで溶解した以外は合成例1と同様にして反応させた。その後反応液をフッ素樹脂製のシート上に取り出し、恒量になるまで90℃の電気乾燥機で乾燥して共重合物の固形分を得た。攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコにプロピレングリコール950部を仕込んだ後、撹拌下共重合物の固形分50部を投入した。その後90℃まで加熱して固形分が溶解するまで撹拌を継続した。
(合成例28)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコにN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド135部、メタクリル酸メチル15部、イオン交換水840質量部を仕込んだ後、窒素ガスを通しながら50℃に昇温し、5質量%過硫酸アンモニウム水溶液5質量部、5質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液5質量部を添加し、80℃で3時間反応させた。その後反応液をフッ素樹脂製のシート上に取り出し、恒量になるまで90℃の電気乾燥機で乾燥して共重合物の固形分を得た。攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコにプロピレングリコール950部を仕込んだ後、撹拌下共重合物の固形分50部を投入した。その後90℃まで加熱して固形分が溶解するまで撹拌を継続した。
Figure 2016138313
<銀ナノワイヤ合成例および銀ナノワイヤ分散液の調製>
(実施例1)
攪拌装置、温度計、窒素導入管を具備した四つ口フラスコに窒素を送入しながら、合成例1の5%共重合物150部、プロピレングリコール775部およびプロピレングリコールで濃度1%になるよう溶解した塩化アンモニウム5部を加え、室温で30分間攪拌した。次いで、内温を130℃まで昇温し、プロピレングリコールで濃度10%になるよう溶解した硝酸銀70部を加え、130℃で1時間攪拌し、銀ナノワイヤを合成した。その後、反応液を取り出し、反応液100部に1−プロパノール100部を加えて希釈し、メンブレンフィルターで吸引濾過した。さらに残渣上に1−プロパノールを加えて吸引濾過を5回繰り返すことで銀ナノワイヤを単離し、得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。さらに、得られた銀ナノワイヤを有機溶媒分散性試験用の各有機溶媒で2回洗浄し、濃度が1%になるように銀ナノワイヤ分散液を調製し、試験に供した。結果を表2に示す。
(評価方法)
得られた銀ナノワイヤ分散液の、各評価項目における評価方法および測定方法は以下の方法に従った。
(有機溶媒分散性)
得られた銀ナノワイヤ有機溶媒分散液を20mLスクリュー管瓶にとり、目視観察した。
分散状態は、
5:凝集せず分散する
4:5と3の中間で、3よりは凝集が弱い
3:静置するとふわっとした弱い凝集が認められるが、振盪すると分散する
2:3と1の中間で、撹拌するとほぼ分散するが、一部分散しきらない凝集物が認められる
1:ほとんど凝集物ばかりで、溶媒に分散しない
の5段階で評価した。
(DEGE分散液4週間経過後凝集物発生率)
上記調製後4週間を経過した銀ナノワイヤジエチレングリコールモノエチルエーテル分散液をビーカーに量りとり、100メッシュの金属フィルタで吸引ろ過し、捕捉された銀ナノワイヤ凝集物を150℃×3hrで乾燥した後、質量を測定した。下記式で凝集物発生率の値を算出することで、経時によって銀ナノワイヤが絡まり合うことで生じる凝集物の発生防止効果を評価した。
凝集物の質量/銀ナノワイヤ全体の質量×100=凝集物発生率(%)
評価基準
5:凝集物発生率10%未満
4:凝集物発生率10%以上30%未満
3:凝集物発生率30%以上50%未満
2:凝集物発生率50%以上
1:ほとんどが凝集物(およそ80%以上)となり銀ナノワイヤが固く凝固している
(実施例2〜23)
共重合物(c)を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして銀ナノワイヤ分散液を調製し、試験に供した。結果を表2に示す。
(比較例1〜6)
共重合物(比較例1〜4にあっては単独重合物)(c)を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして銀ナノワイヤ分散液を調製し、試験に供した。結果を表2に示す。
Figure 2016138313
実施例1〜22は、比較例1〜6と比べいずれも有機溶媒に対する分散性が優れており、再分散性に関しては最も評価が低いものでも実用上問題ないレベルであった。即ち、本発明の共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤の存在下、金属化合物をポリオール中で還元反応することにより得られる金属ナノワイヤを使用することで、有機溶媒への分散性に優れる金属ナノワイヤを得ることができた。有機溶媒への分散性に優れるため、これら実施例で得られた金属ナノワイヤ分散液は、調製後4週間を過ぎたものであっても、分散状態は調製当日と遜色ないレベルにある。
(実施例2)
実施例1と比べ、より好ましいN置換(メタ)アクリルアミド(a)である、N,N−ジメチルアクリルアミドを共重合物(c)に含むため、有機溶剤分散性が向上し、調製4週間後の凝集物発生量が改善された。
(実施例3、4)
実施例2と比べ、さらに好ましいN置換(メタ)アクリルアミド(a)である、N,N−ジエチルアクリルアミドを共重合物(c)に含むため、有機溶剤分散性が向上し、調製4週間後の凝集物発生量が改善された。
(実施例5〜8、17〜23)
実施例3、4と比べ、共重合物(c)の構成単位である(a)、不飽和カルボニル化合物(b)を好ましい範囲で含むため、有機溶剤分散性が向上し、調製4週間後の凝集物発生量が改善された。
(実施例9〜12)
実施例5〜8と比べ、共重合物(c)の構成単位に、ポリオキシアルキレン基の繰り返し数が4以上の置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を用いているため、極性の高いアルコール類に対する金属ナノワイヤの分散性が向上した。
(実施例13〜16)
実施例5と比べ、共重合物(c)の構成単位に、置換基中にエステル基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を用いているため、極性の低いグリコールエーテルエステル類に対する金属ナノワイヤの分散性が向上した。

Claims (11)

  1. 置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)を構成単位として有する共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤であって、
    前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、−(AO)−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤。
  2. N置換(メタ)アクリルアミド(a)、及び、
    前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)とは異なり、かつ、置換基を有するα,β−不飽和カルボニル化合物(b)
    を構成単位として有し、N置換(メタ)アクリルアミド(a):不飽和カルボニル化合物(b)=30:70〜99.9:0.1の質量比の範囲である共重合物(c)を含有する金属ナノワイヤ成長制御剤であって、
    前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、−(AO)−R(A=アルキレン、R=水素、アルキル基、アリール基またはアルカノイル基、nは1以上の整数)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン基、もしくはエステル結合を含有する基であることを特徴とする、金属ナノワイヤ成長制御剤。
  3. 前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)が、一つ又は二つのN置換アルキル基を有することを特徴とする、請求項2に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤。
  4. 前記N置換(メタ)アクリルアミド(a)が、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする、請求項2に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤。
  5. 前記不飽和カルボニル化合物(b)の置換基が、アルキレンオキシアルキルエーテル基及び/又はアルキレンオキシアリールエーテル基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤。
  6. 前記不飽和カルボニル化合物(b)が、アルキルエステル変性物及び/又はε−カプロラクトン変性物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤。
  7. 前記アルキルエステル変性物が、(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする、請求項6に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いて合成された金属ナノワイヤ。
  9. 請求項8に記載の金属ナノワイヤが、水及び有機溶媒から選ばれる2種類以上の溶媒に分散されたものであることを特徴とする、金属ナノワイヤ分散液。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属ナノワイヤ成長制御剤を用いた金属ナノワイヤ分散液の製造方法であって、該製造方法が、下記i)〜iii)の工程を有することを特徴とする、金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
    i)金属ナノワイヤ成長制御剤を含むポリオール中で、金属化合物を25〜180℃で反応させて金属ナノワイヤを合成する工程。
    ii)金属ナノワイヤを合成した反応液から、金属ナノワイヤを取り出す工程。
    iii)取り出した金属ナノワイヤを溶媒あるいは樹脂溶液に分散する工程。
  11. 前記工程iii)で用いる溶媒が、水及び有機溶媒媒から選ばれる2種類以上の溶媒であることを特徴とする、請求項10に記載の金属ナノワイヤ分散液の製造方法。
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