JP2016138044A - 有機化合物析出方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機半導体など高純度であることが求められる有機化合物を精製する方法において、工業的に生産するためにそれら有機化合物を効率的に大量に取得する方法及び装置を提供することを課題とする。【解決手段】気化室1を覆う加熱装置2によって気化室内1に載置された有機化合物OCを、減圧状態で加熱して気化させる気化工程S1と、気化された有機化合物OCを気化室1から突設された排出部3へ不活性ガスにより搬送する搬送工程S2と、排出部3が接触するイオン液体ILを充填する析出容器4においてイオン液体ILから有機化合物OCが析出する析出工程S3とを有することを特徴とする有機化合物析出方法などにより解決することができた。【選択図】図1

Description

本発明は、有機ELなどに使用される有機半導体などの有機化合物の結晶成長方法、精製方法及びその装置に関する。
有機半導体などの有機化合物は、微量の不純物の混入が電子デバイスとして利用したときの性能を大きく低下させるために、より純度の高い単結晶などの結晶の作製方法が種々検討されている。
従来、有機化合物を精製するために、それら有機化合物を溶媒に溶かし、温度差、溶媒の蒸発など溶媒の物理的変化を用いて溶媒に対する有機化合物の溶解度の差を利用して所望の有機化合物を結晶として析出させる方法が行われてきた。また、熱源を用いて減圧下で有機化合物を昇華させた後に冷却して捕集する昇華による精製方法も行われている。
非特許文献1には、有機半導体化合物をレーザーにより加熱させて昇華させ、昇華させた有機半導体化合物をイオン液体中で単結晶として析出させるというイオン液体を介した真空蒸着方法が開示されている。
Y.Matsumoto,APPLIED PHYSICS LETTERS 101、083303(2012)
しかしながら、非特許文献1に開示されているイオン液体を介した真空蒸着方法では、レーザーが照射されたごく限られた有機半導体化合物しか加熱され昇華されないため、得られる結晶は分析機器による分析が困難であるほど微量であった。
そこで、本発明は、有機半導体など高純度であることが求められる有機化合物を精製する方法において、工業的に生産するためにそれら有機化合物を効率的に大量に取得する方法及び装置を提供することを課題とする。
〔1〕すなわち、本発明は、気化室内に載置された有機化合物が、前記気化室を覆う加熱装置によって減圧状態で加熱されて気化される気化工程と、気化された前記有機化合物が前記気化室から突設された排出部へ不活性ガスによって搬送される搬送工程と、前記排出部が接触するイオン液体を充填する析出容器において前記イオン液体から前記有機化合物が析出する析出工程とを有することを特徴とする有機化合物析出方法である。
〔2〕そして、気化室内に載置された有機化合物が、前記気化室を覆う加熱装置によって減圧状態で加熱されて気化される気化工程と、気化された前記有機化合物が前記気化室から突設された排出部へ不活性ガスにより搬送される搬送工程と、前記排出部から所定の距離を隔てて位置するイオン液体を充填する析出容器において前記イオン液体から前記有機化合物が析出する析出工程とを有することを特徴とする有機化合物析出方法である。
〔3〕そして、前記不活性ガスが、鉛直方向の上方から下方に向かって前記気化室に流入し、鉛直方向の上方から下方に向かって前記気化室から直線状に突設された前記排出部の排出口に向かって流れることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の有機化合物析出方法である。
〔4〕そして、前記析出容器から排出された前記イオン液体を用いて、他の溶媒と液液抽出方法により前記イオン液体中に含まれる化合物を抽出し前記イオン液体を再生する再生工程を有することを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載の有機化合物析出方法である。
〔5〕そして、加熱装置によって加熱される壁面と有機化合物を載置する載置部を有する気化室と、前記気化室より突設され、気化された前記有機化合物が通る排出部と、前記排出部が接触するイオン液体を充填する析出容器を備えることを特徴とする有機化合物析出装置である。
〔6〕そして、前記排出部の排出口の端部が、前記排出部の基部側より熱伝導が低い部材からなることを特徴とする前記〔5〕に記載の有機化合物析出装置である。
〔7〕そして、前記析出容器から排出された前記イオン液体と他の溶媒を混合する抽出装置を備えることを特徴とする前記〔5〕又は前記〔6〕に記載の有機化合物析出装置である。
本発明によれば、有機半導体など高純度であることが求められる有機化合物を精製方法において、工業的に生産するためにそれら有機化合物を効率的に大量に取得することができる。
本発明の第一実施形態の有機化合物析出装置を示す概念図である。 本発明の第二実施形態の有機化合物析出装置を示す概念図である。
以下、本発明に係る有機化合物析出方法及びその装置に関する実施の形態について、添付の図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。また、説明中の鉛直上下方向とは、図1における左右方向である。なお、数値範囲を表す表記は上限と下限を含むものである。
図1に示すように、本発明の第一実施形態の有機化合物析出装置Eは、加熱装置2によって加熱される上蓋6、下蓋7及び連結部材8によって囲まれて形成される空間である気化室1、気化室1より突設される排出部3、排出部3が接触するイオン液体ILを充填する析出容器4を備えている。
気化室1は、加熱装置2によって加熱される部材の壁面と有機化合物OCを載置する載置部71を有する空間である。図1に示す第一実施形態では、気化室1は、中心部に空洞を有する上蓋6及び下蓋7の間に円環状の連結部材8を介在させて形成される空間である。上蓋6、下蓋7及び連結部材8が加熱装置2によって加熱される部材であり、上蓋6、下蓋7及び連結部材8における気化室1との境界が気化室1の壁面に相当する。
上蓋6、下蓋7及び連結部材8は、それぞれ分離可能に設けられている。上蓋6は、中心部に略円柱状の空洞が設けられており、その上面にはガスボンベGBから供給されるガスを供給するガス供給用パイプP1を接続するための貫通孔が設けられており、供給されたガスを中心部の空洞に送ることができる。そして、下蓋7は、中心部に空洞が設けられており、その上面には、原料となる有機化合物OCを載置する載置部71が円環状に窪んで設けられている。他の実施形態において、載置部71は、気化室1に対して開口し、排出部3へと続く中心部の空洞を埋めなければ下蓋7とは別部材の容器とすることなどができる。下蓋7の中心部の空洞には、中空の排出部3が接続されており、気化室1で気化された原料となる有機化合物OCをガスボンベGBからのガスにより排出部3に送ることができる。連結部材8は、上下方向に厚みのある円環状の部材であり、上蓋6の下面側及び下蓋7の上面側の間を一定の間隔で保つように上蓋6及び下蓋7と接続されることにより、所定の大きさの気化室1が形成される。上蓋6、下蓋7及び連結部材8は、熱伝導に優れた材料からなることが好ましく、具体的には、ステンレス、銅などの金属、ガラスなどの無機材料であることが好ましい。なお、図示していないが、気化室1の気密性を保つために、上蓋6、下蓋7及び連結部材8などの接続部分には耐熱性を有するガスケットが設けられていることが好ましい。
加熱装置2は、気化室1、析出容器4を加熱する部材である。第一実施形態において、加熱装置2は、図示しない温度制御装置により別々に温度が制御される電熱部材などからなり、断熱性材料からなる保温部5の内部に埋設されている。
加熱装置2は、上蓋6、下蓋7及び連結部材8の全部または一部を覆うように設けられていることから気化室1全体を覆っている。このため、気化室1にある原料である有機化合物OCが気化したときに、気化室1の壁面に析出して固着することにより、気化した有機化合物OCの流れを妨げることがなく、また、収率の低下を抑制することができる。そして、温度調節装置2´は、析出容器4の周囲を覆うように断熱性材料からなる保温部5の内部に設けられており、析出容器4を介して析出容器4内に充填されたイオン液体ILを加熱又は冷却するために温度の調節を行うことができる。イオン液体ILの加熱又は冷却を行うことにより、気化した有機化合物OCがイオン液体ILに溶解される溶解度を調節することができるため、有機化合物OCの飽和度と析出速度等の制御が可能となり、精製しようとする有機化合物の種類に応じて不純物の混入を最小限に抑えることができる。なお、温度調節装置2´は、加熱のみを行う機能のみを有し、加熱装置2と一体的に設けることもできる。
排出部3は、気化室1より突設され、気化された有機化合物OCが内部を通る部材である。排出部3は中空状であるため、気化室1で気化された有機化合物OCが通ることができる。第一実施形態では、排出部3は、下蓋7と接続される略円筒形状の基部32と、析出容器4側にあり基部32より直径の小さい略円筒状の排出口31を有しており、気化室1より鉛直下向きに直線状に設けられている。気化された有機化合物OCが、排出口31からイオン液体IL中に排出されて溶解し、そして、過飽和状態となり、溶解及び析出の繰り返しが起こる溶解平衡に達する。このようにして、有機化合物OCが単結晶などの結晶として析出し、析出容器4の内部において析出量が増加する。また、第一実施形態において、排出口31は、イオン液体ILに埋入して接触しているが、他の実施形態において、排出口31の端部とイオン液体ILの液面が同一平面となるように接していてもよく、また、排出口31とイオン液体ILの液面との間に所定の距離を隔てるように隙間が設けられていてもよい。排出口31とイオン液体ILの液面の間に隙間があるときは、気化された有機化合物OCは、イオン液体ILの液面又は液中にて結晶化され析出する。
排出部3は、熱伝導に優れた材料からなることが好ましく、具体的には、ステンレス、銅などの金属、ガラスなどの無機材料であることが好ましい。また、他の実施形態において、排出口31のイオン液体ILと接触する端部が、基部32側よりも熱伝導が低い部材とすることができる。これにより、排出部3が加熱装置2により下蓋7を介して加熱されたとしても、イオン液体ILにはその熱が伝わりにくいため、より緻密にイオン液体ILの温度を制御することができる。
析出容器4は、下蓋7の下部に取り付けられイオン液体ILが充填される部材である。第一実施形態では、析出容器4は、上部に開口を有する上下方向に長い容器であり、内部にイオン液体ILを充填しており、排出部3の排出口31が挿入されている。析出容器4は、熱伝導に優れた材料からなることが好ましく、具体的には、ステンレス、銅などの金属、ガラスなどの無機材料であることが好ましい。
本発明で使用される有機化合物OCは、固体から気体に昇華する有機化合物や、液体から気体に蒸発する有機化合物であり、昇華や蒸発により気化し得る有機化合物である。有機化合物OCは、気化室1で加熱されることにより気化し、析出容器4に充填されたイオン液体IL中で析出することにより、気化室1の載置部71に載置された原料である有機化合物OCに含まれる不純物が取り除かれてその純度が高くなる。このように、高純度化のために用いられる有機化合物OCとしては、有機EL、有機電界効果トランジスタ、有機太陽電池などに使用される有機半導体などが好ましい。具体的に、有機半導体としては、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン<TCNQ>、オリゴチオフェン化合物、フタロシアニン類化合物、ペリレン類化合物、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム<Alq3>、テトラチアフルバレン<TTF>、テトラチアフルバレン類化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム錯体、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼンなどが好ましい。
本発明で使用されるイオン液体ILは、25〜30℃程度の常温で、液体で存在する塩である。イオン液体ILは不揮発性の有機溶媒であり、減圧下で加熱しても蒸発することがないため、有機化合物OCを再結晶による析出によって精製を行う溶媒として非常に有用である。具体的に、イオン液体ILとして、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<Emin/TFSI>、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<BMIM/TFSI>、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<EMIM/TFSI>、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<OMIM/TFSI>、3−メチル−1−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどが好ましい。
ガスボンベGBは、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを封入したボンベであり、連結されるガス供給用パイプP1を通じて、気化室1に供給される。そして、気化室1に供給された不活性ガスは、気化された有機化合物OCと共に排出部3を通って、析出容器4に充填されたイオン液体IL中に排出される。そして、イオン液体ILの液面から放出される不活性ガスは、下蓋7に設けられた貫通孔、ガス排出用パイプP2を通って、真空ポンプVPへと吸引される。
図2に、本発明の第二実施形態を示す。図1に示す第一実施形態では、析出容器4に析出した有機化合物OCを取り出すためには、有機化合物析出装置Eを分解して取り出す必要があり手間である。しかし、第二実施形態では、有機化合物析出装置Eを分解しなくても析出容器4に析出した有機化合物OCを取り出すことができるため、連続的に精製することができて効率が良い。
第二実施形態は、有機化合物析出装置Eに、固液分離機SLS、抽出装置EE、溶媒タンクSTが付加されている。有機化合物析出装置Eから排出された有機化合物OC及びイオン液体ILの混合物は、固液分離機SLSに移送され、固体である有機化合物OCと液体であるイオン液体ILに分離される。分離されたイオン液体ILは、抽出装置EEに移送されて、溶媒タンクSTに蓄えられているヘキサン、ベンゼン、トルエンなどイオン液体ILではない他の溶媒と抽出装置EE内で液液抽出方法によりイオン液体ILに含有されている有機化合物OCや不純物などの化合物を他の溶媒に抽出させてイオン液体ILを再利用できるようにする。このように、再生されたイオン液体ILは、有機化合物析出装置Eの析出容器4に送液され得る。イオン液体ILは、不揮発性であるため、精製するためには蒸留を行うことが困難であり、液液抽出方法により行われることが好ましい。なお、抽出するために用いられた他の溶媒は、抽出装置EEから排出して、廃棄されるか、若しくは蒸留等によって再利用される。
固液分離機SLSは、フィルターなどにより固体と液体を分離する濾過機、遠心力により固体と液体を分離する遠心分離機など種々の装置を使用することができる。また、抽出装置EEには、内容物の温度調節ができるようにヒーター及び間接的な冷却装置が内設されていてもよい。
有機化合物析出装置Eのうち、おおよその部材は第一実施形態と共通している。第一実施形態と大きく異なる点は、下蓋7に抽出装置EEから再生されたイオン液体が送液される送液ラインが設けられている点、析出容器4の底に有機化合物OC及びイオン液体ILの混合物を排出できる部材が設けられている点である。他の部材については、第一実施形態における部材を利用することができる。
そして、本発明の有機化合物析出方法は、気化工程S1と、搬送工程S2と、析出工程S3を有しており、以下に説明する。
気化工程S1は、気化室1内に載置された有機化合物OCが、気化室1を覆う加熱装置2によって減圧状態で加熱されて気化される工程である。第一実施形態及び第二実施形態において、真空ポンプVPによって気化室1を減圧して、加熱装置2によって、上蓋6、下蓋7及び連結部材8を加熱することにより気化室1を加熱して、載置部71に載置された原料である有機化合物OCを昇華又は蒸発させることにより気化させる。適宜ガスボンベGBより不活性ガスが気化室1に流入しているために、気化室1の真空度は10−3〜10−1Torrに調節されていることが好ましい。気化室1の真空度がこの範囲内であると、上蓋6、下蓋7及び連結部材8などが耐えられる範囲で加熱することができるとともに、気化された有機化合物OCを搬送させる十分な量の不活性ガスを気化室1に導入することができる。なお、気化室1の真空度は、図示しない圧力計を気化室1と連結させるなどによって測定することができる。
搬送工程S2は、気化された有機化合物OCが気化室1から突設された排出部3へ不活性ガスにより搬送される工程である。本実施形態において、気化室1の上部から気化室1に流入した不活性ガスが、気化された有機化合物OCを巻き込みながら、下蓋7に取り付けられた排出部3の排出口31に向かって鉛直方向の上方から下方へと直線状に流れることによって、気化された有機化合物OCを排出部3の排出口31まで搬送する。第一実施形態及び第二実施形態では、とりわけ、不活性ガスが、気化室1からイオン液体ILまで直線状に流れるために、気化室1において不活性ガスの流路の周囲で気化した有機化合物OCを満遍なく巻き込みながら、排出部3で滞ることなくイオン液体ILまで搬送することができる。
析出工程S3は、排出部3が接触するイオン液体ILを充填する析出容器4においてイオン液体ILから有機化合物OCが析出する工程である。すなわち、気化された有機化合物OCがイオン液体ILに溶解し、そして、過飽和状態となり、溶解及び析出の繰り返しが起こる溶解平衡に達する。このようにして、有機化合物OCが単結晶などの結晶として析出し、析出容器4の内部において析出量が増加する。これにより、単結晶を成長させやすく、より精製の程度を向上させることができる。第一実施形態及び第二実施形態において、不活性ガスによって排出部3を通りイオン液体IL中に搬送された気化された有機化合物OCは、初期においてイオン液体ILに溶解するが、気化された有機化合物OCが連続してイオン液体IL中に搬送されるため溶解が飽和に達したときにイオン液体ILに溶解しきれなくなった有機化合物OCが単結晶などの結晶形態で、析出容器4に析出する。また、予めイオン液体ILに有機化合物OCを飽和若しくは飽和に近い状態まで溶解させておき、気化された有機化合物OCがイオン液体IL中に搬送されるとすぐに有機化合物OCを析出させることもできる。なお、析出容器4の周囲にある温度調節装置2´によりイオン液体ILを加熱又は冷却して温度調整することにより、有機化合物OCの溶解度、析出速度などを制御して不純物を最小限となるように結晶を析出させることができる。
さらに、図2に示す第二実施形態において、気化工程S1と、搬送工程S2と、析出工程S3だけでなく、再生工程S4も有することができる。すなわち、再生工程S4は、析出容器4から排出されたイオン液体ILを用いて、他の溶媒と液液抽出方法によりイオン液体IL中に含まれる化合物を抽出してイオン液体ILを再生する工程である。第二実施形態において、固液分離装置SLSによって分離されたイオン液体ILは、有機化合物OCと不純物を溶解している。このイオン液体ILは、抽出装置EEに移送されて、ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどイオン液体ILではない他の溶媒と抽出装置EE内で液液抽出方法によりイオン液体ILに含有されている有機化合物OCや不純物などの化合物を他の溶媒に抽出させる。これにより、イオン液体ILから有機化合物OCや不純物などの化合物が完全に又はほとんど除去されるために、イオン液体ILは、有機化合物析出装置Eの析出容器4に送液され再利用される状態になる。
第一実施形態の有機化合物析出装置Eを用いて、有機化合物OCの精製実験を行った。有機化合物OCとしてペンタセン100.5mg(Sigma−Aldrich製試薬)、イオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド<Emin/TFSI>3.0ml(関東化学製試薬)、不活性ガスとしてアルゴンを用いた。
ペンタセン、Emin/TFSIを所定箇所に準備した後に、真空ポンプVPで10−2Torrの減圧状態となるように調整した。そして、アルゴンを1.0mL/minで気化室1に導入し、加熱装置2で上蓋6、下蓋7及び連結部材8を350℃で2時間加熱し、温度調節装置2´で析出容器4を300℃で2時間加熱した。その後、加熱装置2、温度調節装置2´を止めて室温になるまで静置した。
析出容器4から析出した結晶を取り出したところ、イオン液体IL中から収率35%でペンタセンを回収した。また、排出部3の排出口31にも付着しており、排出口31から収率12.4%でペンタセンを回収した。イオン液体IL中から得られたペンタセンの結晶構造をXRDにて解析したところ、バルク相と思しき原料のペンタセンに比べると明らかに単結晶のみが精製されており、純度の高い結晶を得られていることが分かった。
1・・・気化室
2・・・加熱装置
2´・・温度調節装置
3・・・排出部
31・・排出口
32・・基部
4・・・析出容器
5・・・保温部
6・・・上蓋
7・・・下蓋
71・・載置部
8・・・連結部材
E・・・有機化合物析出装置
OC・・有機化合物
IL・・イオン液体
VP・・真空ポンプ
GB・・ガスボンベ
P1・・ガス供給用パイプ
P2・・ガス排出用パイプ
SLS・固液分離機
EE・・抽出装置
ST・・溶媒タンク

Claims (7)

  1. 気化室内に載置された有機化合物が、前記気化室を覆う加熱装置によって減圧状態で加熱されて気化される気化工程と、
    気化された前記有機化合物が前記気化室から突設された排出部へ不活性ガスにより搬送される搬送工程と、
    前記排出部が接触するイオン液体を充填する析出容器において前記イオン液体から前記有機化合物が析出する析出工程と
    を有することを特徴とする有機化合物析出方法。
  2. 気化室内に載置された有機化合物が、前記気化室を覆う加熱装置によって減圧状態で加熱されて気化される気化工程と、
    気化された前記有機化合物が前記気化室から突設された排出部へ不活性ガスにより搬送される搬送工程と、
    前記排出部から所定の距離を隔てて位置するイオン液体を充填する析出容器において前記イオン液体から前記有機化合物が析出する析出工程と
    を有することを特徴とする有機化合物析出方法。
  3. 前記不活性ガスが、鉛直方向の上方から下方に向かって前記気化室に流入し、
    鉛直方向の上方から下方に向かって前記気化室から直線状に突設された前記排出部の排出口に向かって流れることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機化合物析出方法。
  4. 前記析出容器から排出された前記イオン液体を用いて、他の溶媒と液液抽出方法により前記イオン液体中に含まれる化合物を抽出し前記イオン液体を再生する再生工程を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機化合物析出方法。
  5. 加熱装置によって加熱される壁面と有機化合物を載置する載置部を有する気化室と、
    前記気化室より突設され、気化された前記有機化合物が通る排出部と、
    前記排出部が接触するイオン液体を充填する析出容器を備えることを特徴とする有機化合物析出装置。
  6. 前記排出部の排出口の端部が、前記排出部の基部側より熱伝導が低い部材からなることを特徴とする請求項5に記載の有機化合物析出装置。
  7. 前記析出容器から排出された前記イオン液体と他の溶媒を混合する抽出装置を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の有機化合物析出装置。
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