JP2006075740A - イオン性液体の精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な手順を必要とせず、容易な方法で有機物又は無機物等の不純物を取除く。
【解決手段】イオン性液体の精製方法は、有機物と無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する工程と、精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させ有機物を超臨界流体に抽出するとともに無機物を沈殿させる工程と、イオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す工程と、取出されたイオン性液体から無機物を分離除去して有機物と無機塩が除去された高純度イオン性液体を得る工程とを含む。イオン性液体が水を含有する場合は、精製槽12からイオン性液体を取出すときに水も同時に取出し、無機物を分離除去するときにイオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得る。精製槽12から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出し、有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク11に回収することが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】イオン性液体の精製方法は、有機物と無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する工程と、精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させ有機物を超臨界流体に抽出するとともに無機物を沈殿させる工程と、イオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す工程と、取出されたイオン性液体から無機物を分離除去して有機物と無機塩が除去された高純度イオン性液体を得る工程とを含む。イオン性液体が水を含有する場合は、精製槽12からイオン性液体を取出すときに水も同時に取出し、無機物を分離除去するときにイオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得る。精製槽12から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出し、有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク11に回収することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機物や無機物が不純物として含有するイオン性液体の精製方法に関するものである。
近年、環境調和型溶剤としてイオン性液体が注目を集めている。イオン性液体の特徴は、蒸気圧がほとんどなく、低粘性であり、耐熱性であり液体温度領域が広く、かつイオン導電性が高いという性質があり、繰り返して再利用できる溶媒として、廃溶剤削減に寄与されると期待されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、例えば反応性溶媒や電池電解質等として、一度溶媒として使用したイオン性液体は様々な不純物を含んでいることが多く、それをリサイクルさせるためには、イオン性液体からそれらの不純物を除去する精製操作が必要である。ここで、不純物としては、例えば、反応性溶媒に用いた場合には、反応原料、生成物、触媒といった無機或いは有機物などが挙げられる。従って、これらを簡易な方法でイオン性液体から分離し、イオン性液体を精製する方法が望まれている。
しかし、例えば反応性溶媒や電池電解質等として、一度溶媒として使用したイオン性液体は様々な不純物を含んでいることが多く、それをリサイクルさせるためには、イオン性液体からそれらの不純物を除去する精製操作が必要である。ここで、不純物としては、例えば、反応性溶媒に用いた場合には、反応原料、生成物、触媒といった無機或いは有機物などが挙げられる。従って、これらを簡易な方法でイオン性液体から分離し、イオン性液体を精製する方法が望まれている。
また、イオン性液体は、アニオン交換法、酸エステル法、錯形成法などで合成されるけれども、生成したイオン性液体は、イオン性液体の溶解度が低い有機溶媒を加えて沈殿させ、塩として回収している、回収した生成塩は再結晶して純度を上げているが、この再結晶した塩の中には不純物として原料有機物、アルカリ金属ハロゲン塩等が含まれている。この他、反応溶媒として水を使った場合や、イオン性液体を空気中に晒して空気中で吸湿させた場合には、水分が混入する問題がある。イオン性液体に不純物が存在すると、液体粘性を増大させたり、触媒金属を被毒したりすることがあり、可能な限り不純物を取り除くことが必要である。従って、簡易な方法でイオン性液体から不純物を分離するイオン性液体の精製方法は、イオン性液体のリサイクルだけでなく、イオン性液体の製造時において、その純度を高める点からも重要である。
ここで、イオン性液体の一般的な精製方法としては、再結晶法や、溶媒を用いた抽出洗浄が考えられる。溶媒を用いた抽出洗浄は、不純物が無機物又は有機物の場合に用いることができ、イオン性液体に相互融解しない溶媒であってかつ無機物或いは有機物を溶解できる溶媒を用い、イオン性液体を抽出洗浄する精製方法である。この他にも、有機不純物の沸点がイオン性液体の沸点より低いときは、イオン性液体を加熱して溶存する有機物を揮発させることも考えられる。
大野弘幸監修、「イオン性液体−開発の最前線と未来」、シーエムシー出版、p1〜3
ここで、イオン性液体の一般的な精製方法としては、再結晶法や、溶媒を用いた抽出洗浄が考えられる。溶媒を用いた抽出洗浄は、不純物が無機物又は有機物の場合に用いることができ、イオン性液体に相互融解しない溶媒であってかつ無機物或いは有機物を溶解できる溶媒を用い、イオン性液体を抽出洗浄する精製方法である。この他にも、有機不純物の沸点がイオン性液体の沸点より低いときは、イオン性液体を加熱して溶存する有機物を揮発させることも考えられる。
大野弘幸監修、「イオン性液体−開発の最前線と未来」、シーエムシー出版、p1〜3
蒸留による精製はイオン性液体の蒸気圧が低いために困難である。また、溶媒を用いた抽出洗浄は、抽出に使用した溶媒がイオン性液体に残ることがあるので、これを除去する工程が別途必要となる。例えば、不純物は水に溶けるので疎水性のイオン性液体は水で抽出洗浄できるけれども、水に対するイオン性液体の溶解度はゼロではない。このため、イオン性液体の収率低下や洗浄後の水分除去操作が加わり、精製操作は複雑化する不具合がある。有機物も無機塩と同様の方法で抽出洗浄できるけれども、同様に溶媒除去の操作が加わる。更に、イオン性液体を加熱して溶存する有機物を揮発させる精製方法は、揮発性の有機物、又は加熱することでイオン性液体と不純物が反応を生じる場合にはこの方法を適用することができない問題点がある。
本発明の目的は、複雑な手順を必要とせず、容易な方法で有機物又は無機物等の不純物を取除くことができるイオン性液体の精製方法を提供することにある。
本発明の目的は、複雑な手順を必要とせず、容易な方法で有機物又は無機物等の不純物を取除くことができるイオン性液体の精製方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、有機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する工程と、流体タンク11から精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させイオン性液体に含有された有機物を超臨界流体中に抽出する工程と、有機物が抽出除去されたイオン性液体を精製槽12から取出して有機物が除去された高純度イオン性液体を得る工程とを含むイオン性液体の精製方法である。
請求項4に係る発明は、無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する工程と、流体タンク11から精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させイオン性液体に含有された無機物を沈殿させる工程と、イオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す工程と、精製槽12から取出されたイオン性液体から無機物を分離除去して高純度イオン性液体を得る工程とを含むイオン性液体の精製方法である。
請求項4に係る発明は、無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する工程と、流体タンク11から精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させイオン性液体に含有された無機物を沈殿させる工程と、イオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す工程と、精製槽12から取出されたイオン性液体から無機物を分離除去して高純度イオン性液体を得る工程とを含むイオン性液体の精製方法である。
請求項7に係る発明は、有機物と無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する工程と、流体タンク11から精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させイオン性液体に含有された有機物を超臨界流体中に抽出するとともに無機物を沈殿させる工程と、有機物が抽出除去されたイオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す工程と、精製槽12から取出されたイオン性液体から無機物を分離除去して有機物と無機塩が除去された高純度イオン性液体を得る工程とを含むイオン性液体の精製方法である。
この請求項1、請求項4及び請求項7に記載されたイオン性液体の精製方法では、超臨界流体とイオン性液体と接触させて有機物を抽出させるか或いは無機物を沈殿させるかいずれか一方又は双方を行わせ、その後にイオン性液体を単独で又は沈殿した無機物とともに精製槽12から取出して必要であればその無機物を分離除去するだけの比較的容易な手順で高純度イオン性液体を得ることができる。
この請求項1、請求項4及び請求項7に記載されたイオン性液体の精製方法では、超臨界流体とイオン性液体と接触させて有機物を抽出させるか或いは無機物を沈殿させるかいずれか一方又は双方を行わせ、その後にイオン性液体を単独で又は沈殿した無機物とともに精製槽12から取出して必要であればその無機物を分離除去するだけの比較的容易な手順で高純度イオン性液体を得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、精製槽12に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、水は精製槽12からイオン性液体を取出すときに同時に精製槽12からイオン性液体とともに取出され、イオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得るイオン性液体の精製方法である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、精製槽12に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、水は精製槽12からイオン性液体を取出すときに同時に精製槽12からイオン性液体とともに取出され、イオン性液体から無機物を分離除去するときにイオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得るイオン性液体の精製方法である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、精製槽12に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、水は精製槽12からイオン性液体を取出すときに同時に精製槽12からイオン性液体とともに取出され、イオン性液体から無機物を分離除去するときにイオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得るイオン性液体の精製方法である。
この請求項2、請求項5及び請求項8に記載されたイオン性液体の精製方法では、水を含むイオン性液体であっても、比較的容易にその水を除去して水を含まない高純度のイオン性液体を比較的容易に得ることができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、精製槽12に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、水は精製槽12からイオン性液体を取出すときに同時に精製槽12からイオン性液体とともに取出され、イオン性液体から無機物を分離除去するときにイオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得るイオン性液体の精製方法である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、精製槽12に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、水は精製槽12からイオン性液体を取出すときに同時に精製槽12からイオン性液体とともに取出され、イオン性液体から無機物を分離除去するときにイオン性液体から水を分離除去して高純度イオン性液体を得るイオン性液体の精製方法である。
この請求項2、請求項5及び請求項8に記載されたイオン性液体の精製方法では、水を含むイオン性液体であっても、比較的容易にその水を除去して水を含まない高純度のイオン性液体を比較的容易に得ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、精製槽12から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出す工程と、超臨界流体から有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク11に回収する工程とを更に含むイオン性液体の精製方法である。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る発明であって、精製槽12から取出された抽出流体を流体タンク11に回収する工程とを更に含むイオン性液体の精製方法である。
請求項9に係る発明は、請求項7又は8に係る発明であって、精製槽12から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出す工程と、超臨界流体から有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク11に回収する工程とを更に含むイオン性液体の精製方法である。
この請求項3、請求項6及び請求項9に記載されたイオン性液体の精製方法では、その精製に使用した超臨界流体を再利用して資源の有効利用が図られる。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る発明であって、精製槽12から取出された抽出流体を流体タンク11に回収する工程とを更に含むイオン性液体の精製方法である。
請求項9に係る発明は、請求項7又は8に係る発明であって、精製槽12から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出す工程と、超臨界流体から有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク11に回収する工程とを更に含むイオン性液体の精製方法である。
この請求項3、請求項6及び請求項9に記載されたイオン性液体の精製方法では、その精製に使用した超臨界流体を再利用して資源の有効利用が図られる。
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、超臨界流体が二酸化炭素であり、超臨界流体をイオン性液体と接触させる精製槽12の内部の圧力が7〜35MPaであって内部温度が31〜100℃であるイオン性液体の精製方法である。
この請求項10に記載されたイオン性液体の精製方法では、イオン性液体に対して超臨界流体を適正に溶解させて無機物を有効に沈殿させることができる。精製槽12の内部の圧力が7MPa未満であるか或いはその内部温度が31℃未満であるとイオン性液体に対する超臨界流体の溶解度が下がり、精製槽12の内部の圧力が35MPaを越えるか或いはその内部温度が100℃を越えていると精製槽12の負荷の増大を招く。ここで、精製槽12の内部の圧力は7〜20MPaであって、その温度が40〜80℃であることが好ましい。
この請求項10に記載されたイオン性液体の精製方法では、イオン性液体に対して超臨界流体を適正に溶解させて無機物を有効に沈殿させることができる。精製槽12の内部の圧力が7MPa未満であるか或いはその内部温度が31℃未満であるとイオン性液体に対する超臨界流体の溶解度が下がり、精製槽12の内部の圧力が35MPaを越えるか或いはその内部温度が100℃を越えていると精製槽12の負荷の増大を招く。ここで、精製槽12の内部の圧力は7〜20MPaであって、その温度が40〜80℃であることが好ましい。
本発明のイオン性液体の精製方法では、不純物として有機物と無機物のいずれか一方又は双方を含有するイオン性液体を精製槽に供給する工程と、流体タンクから精製槽に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させイオン性液体に含有された有機物を超臨界流体に抽出させるか或いは無機物を沈殿させるかいずれか一方又は双方を行わせる工程と、イオン性液体を単独で或いは沈殿した無機物とともに精製槽から取出す工程と、必要であれば精製槽から取出されたイオン性液体から無機物を分離除去して高純度イオン性液体を得る工程とを含むので、従来よりも比較的容易な手順で高純度イオン性液体を得ることができる。
また、精製槽に供給されるイオン性液体が水を含有する場合であっても、水は精製槽からイオン性液体を取出すときに同時に精製槽からイオン性液体とともに取出し、そのイオン性液体から水を分離除去することにより高純度イオン性液体を得ることができる。
一方、精製槽から超臨界流体を取出す工程と、超臨界流体から有機物を分離除去した抽出流体を流体タンクに回収する工程とを更に含むようにすれば、イオン性液体の精製に使用した超臨界流体を再利用して資源の有効利用が図られる。
更に、超臨界流体が二酸化炭素であり、超臨界流体をイオン性液体と接触させる精製槽の内部の圧力が7〜35MPaであって内部温度が31〜100℃であれば、イオン性液体に対して超臨界流体を適正に溶解させて無機物を有効に沈殿させることができる。
一方、精製槽から超臨界流体を取出す工程と、超臨界流体から有機物を分離除去した抽出流体を流体タンクに回収する工程とを更に含むようにすれば、イオン性液体の精製に使用した超臨界流体を再利用して資源の有効利用が図られる。
更に、超臨界流体が二酸化炭素であり、超臨界流体をイオン性液体と接触させる精製槽の内部の圧力が7〜35MPaであって内部温度が31〜100℃であれば、イオン性液体に対して超臨界流体を適正に溶解させて無機物を有効に沈殿させることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、イオン性液体の精製方法に用いる装置10は、超臨界流体となる二酸化炭素を貯留する流体タンク11と精製槽12を備える。この実施の形態における流体タンク11は金属製の耐圧タンクであり、精製槽12としては密閉式の耐圧容器が用いられる。流体タンク11と精製槽12は管路13により連結され、管路13には流体タンク11から液体二酸化炭素を加圧し、この状態で精製槽12に圧送可能な供給ポンプ14が設けられる。そして、供給ポンプ14より下流側の管路13には、この管路13を流れる液体二酸化炭素を加熱して超臨界二酸化炭素となる加熱器15とこの管路13を開閉する第1開閉バルブ13aがこの順序で設けられる。
図1に示すように、イオン性液体の精製方法に用いる装置10は、超臨界流体となる二酸化炭素を貯留する流体タンク11と精製槽12を備える。この実施の形態における流体タンク11は金属製の耐圧タンクであり、精製槽12としては密閉式の耐圧容器が用いられる。流体タンク11と精製槽12は管路13により連結され、管路13には流体タンク11から液体二酸化炭素を加圧し、この状態で精製槽12に圧送可能な供給ポンプ14が設けられる。そして、供給ポンプ14より下流側の管路13には、この管路13を流れる液体二酸化炭素を加熱して超臨界二酸化炭素となる加熱器15とこの管路13を開閉する第1開閉バルブ13aがこの順序で設けられる。
精製槽12の上部側壁には管路16の一端が接続され、管路16の他端は流体タンク11に接続される。管路16には、超臨界二酸化炭素を減圧することにより二酸化炭素を有機物と分離して回収する分離槽17と、分離槽17により回収された二酸化炭素を冷却する冷却器18が一端から他端に向かってこの順序に設けられる。また、精製槽12と分離槽17の間の管路16にはこの管路16を開閉する第2開閉バルブ16aが設けられる。
また、精製槽12の上部には不純物を含有するイオン性液体をこの精製槽12に供給する被精製液供給管路19が接続される。被精製液供給管路19には加圧ポンプ21が設けられ、この加圧ポンプ21は不純物を含有するイオン性液体を精製槽12に加圧した状態で供給可能に構成される。また、精製槽12と加圧ポンプ21の間の被精製液供給管路19には、この供給管路19を開閉する第3開閉バルブ19aが設けられる。
また、精製槽12の上部には不純物を含有するイオン性液体をこの精製槽12に供給する被精製液供給管路19が接続される。被精製液供給管路19には加圧ポンプ21が設けられ、この加圧ポンプ21は不純物を含有するイオン性液体を精製槽12に加圧した状態で供給可能に構成される。また、精製槽12と加圧ポンプ21の間の被精製液供給管路19には、この供給管路19を開閉する第3開閉バルブ19aが設けられる。
一方、精製槽12の下部には被精製液回収管路22の上端が接続され、被精製液回収管路22の下端は高純度イオン性液体貯蔵槽23に接続される。被精製液回収管路22には超臨界二酸化炭素から沈殿した無機物を分離除去するフィルタ装置24と減圧分離装置26がこの順序で設けられる。フィルタ装置24にはイオン性液体が通過可能であって沈殿物が通過不能な濾過フィルタが内部に設けられ、この濾過フィルタにより捕獲された沈殿物を除去可能に構成される。一方、減圧分離装置26はフィルタ装置24を通過して沈殿物が除去されたイオン性液体を減圧することにより、このイオン性液体に含まれる二酸化炭素を除去して高純度のイオン性液体とするものである。また、精製槽12とフィルタ装置24の間、及びフィルタ装置24と減圧分離装置26の間の被精製液回収管路22には、この回収管路22を開閉する第4及び第5開閉バルブ22a,22bが設けられる。
次に、この装置を用いた本発明におけるイオン性液体の精製方法を、イオン性液体が有機物と無機物を含有する場合を代表して以下に説明する。
次に、この装置を用いた本発明におけるイオン性液体の精製方法を、イオン性液体が有機物と無機物を含有する場合を代表して以下に説明する。
(1)イオン性液体供給工程
先ず、有機物と無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する。ここで、イオン性液体は一度溶媒として使用したものの他に、新規に製造されたものであって、その純度を向上させるためのものも含まれる。また、有機物や無機物としては、例えば、イオン性液体が反応性溶媒に用いた場合における反応原料、生成物、触媒といった無機或いは有機物などが挙げられる。具体的な有機物としては、アルコール、ケトン、アセトントリル、アルキルアミン類等が挙げられ、無機物としては、BF4塩、PF6塩、アルミナ、シリカ等が挙げられる。更に、精製槽12に供給されるイオン性液体は水を含有するものであっても良い。イオン性液体の精製槽12への供給は第3開閉バルブ19aを開放させた状態で加圧ポンプ21を駆動することにより行われる。
先ず、有機物と無機物を含有するイオン性液体を精製槽12に供給する。ここで、イオン性液体は一度溶媒として使用したものの他に、新規に製造されたものであって、その純度を向上させるためのものも含まれる。また、有機物や無機物としては、例えば、イオン性液体が反応性溶媒に用いた場合における反応原料、生成物、触媒といった無機或いは有機物などが挙げられる。具体的な有機物としては、アルコール、ケトン、アセトントリル、アルキルアミン類等が挙げられ、無機物としては、BF4塩、PF6塩、アルミナ、シリカ等が挙げられる。更に、精製槽12に供給されるイオン性液体は水を含有するものであっても良い。イオン性液体の精製槽12への供給は第3開閉バルブ19aを開放させた状態で加圧ポンプ21を駆動することにより行われる。
(2)超臨界流体供給工程
次に、流体タンク11から精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させる。この実施の形態では、供給ポンプ14を駆動して流体タンク11に貯留された液体二酸化炭素を加圧加熱して超臨界状態の二酸化炭素とし、第1開閉バルブ13aを介して精製槽12に供給する場合を示す。この場合、精製槽12に供給されるイオン性液体と二酸化炭素の量はイオン性液体に超臨界二酸化炭素が飽和状態になるまで溶解し得る量であることが好ましく、具体的なイオン性液体と二酸化炭素の体積比は、95:5〜5:95となるようにすることが好ましい。そして精製槽12の内部は、その圧力が7〜35MPaであって内部温度が31〜100℃に調整される。ここで、圧力の調整は加圧ポンプ21及び供給ポンプ14により行い、温度の調整は管路13に設けられた加熱器15により行われる。
次に、流体タンク11から精製槽12に所定量の超臨界流体を供給してイオン性液体と接触させる。この実施の形態では、供給ポンプ14を駆動して流体タンク11に貯留された液体二酸化炭素を加圧加熱して超臨界状態の二酸化炭素とし、第1開閉バルブ13aを介して精製槽12に供給する場合を示す。この場合、精製槽12に供給されるイオン性液体と二酸化炭素の量はイオン性液体に超臨界二酸化炭素が飽和状態になるまで溶解し得る量であることが好ましく、具体的なイオン性液体と二酸化炭素の体積比は、95:5〜5:95となるようにすることが好ましい。そして精製槽12の内部は、その圧力が7〜35MPaであって内部温度が31〜100℃に調整される。ここで、圧力の調整は加圧ポンプ21及び供給ポンプ14により行い、温度の調整は管路13に設けられた加熱器15により行われる。
そして、図2に詳しく示すように、超臨界流体とイオン性液体と接触させイオン性液体に含有された有機物を超臨界流体に抽出するとともに無機物を沈殿させる。即ち、図2(a)に示すように、超臨界流体である二酸化炭素はイオン性液体よりもその比重が軽いので、二酸化炭素は精製槽12の内部で上層に位置し、イオン性液体は精製槽12の内部で二酸化炭素と分離して下層に位置する。すると、図2(b)に示すように、イオン性液体に含まれる有機物は超臨界二酸化炭素中に抽出される。その一方で無機物はイオン性液体における溶解度が低下して沈殿する。ここで、イオン性液体が比較的多くの水を含む親水性のものである場合には、超臨界二酸化炭素がイオン性液体に入り込むことで、イオン性液体に対する水の溶解度は低下し、イオン性液体と水層の分離が生じるが、この水層は後述するイオン性液体の取出し工程において、同時に精製槽からイオン性液体とともに取出す。
このとき必要であれば精製槽12に供給されたイオン性液体と超臨界流体とを精製槽12の内部で攪拌することが好ましい。例えば精製槽12に図示しない攪拌機が備えられている場合には、この攪拌機におけるモータを駆動して攪拌羽根を回転させ、精製槽12に供給されたイオン性液体と超臨界流体とをともに精製槽12の内部で攪拌する。また、混合させるためには、攪拌機を設けるまでもなく、循環ポンプや攪拌するための気泡を発生させるバブラーや邪魔板などからなる混合機を設けても良い。
このとき必要であれば精製槽12に供給されたイオン性液体と超臨界流体とを精製槽12の内部で攪拌することが好ましい。例えば精製槽12に図示しない攪拌機が備えられている場合には、この攪拌機におけるモータを駆動して攪拌羽根を回転させ、精製槽12に供給されたイオン性液体と超臨界流体とをともに精製槽12の内部で攪拌する。また、混合させるためには、攪拌機を設けるまでもなく、循環ポンプや攪拌するための気泡を発生させるバブラーや邪魔板などからなる混合機を設けても良い。
(3)イオン性液体の取出し工程
その後、図2(b)及び(c)に示すように、有機物が抽出されたイオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す。このとき、精製槽12に水層が生じている場合には、この水層もイオン性液体の取出しとともに同時に精製槽から取出す。図1に示すように、この取り出しは第1〜第3開閉バルブ13a,16a,19aを閉止した状態で、第4開閉バルブ22aを開放し被精製液回収管路22を介して精製槽12からイオン性液体を沈殿した無機物等とともに取出す。
その後、図2(b)及び(c)に示すように、有機物が抽出されたイオン性液体を沈殿した無機物とともに精製槽12から取出す。このとき、精製槽12に水層が生じている場合には、この水層もイオン性液体の取出しとともに同時に精製槽から取出す。図1に示すように、この取り出しは第1〜第3開閉バルブ13a,16a,19aを閉止した状態で、第4開閉バルブ22aを開放し被精製液回収管路22を介して精製槽12からイオン性液体を沈殿した無機物等とともに取出す。
(4)無機物の分離除去工程
次に、精製槽12から取出されたイオン性液体から沈殿した無機物を分離除去して有機物と無機塩が除去された高純度イオン性液体を得る。この実施の形態における無機物の分離除去は、フィルタ装置24により行われ、フィルタ装置24に設けられた図示しない濾過フィルタをイオン性液体が通過する際に沈殿物はその濾過フィルタにより捕獲され、これによりイオン性液体とともに精製槽12から取り出された沈殿物はそのイオン性液体から除去される。
次に、精製槽12から取出されたイオン性液体から沈殿した無機物を分離除去して有機物と無機塩が除去された高純度イオン性液体を得る。この実施の形態における無機物の分離除去は、フィルタ装置24により行われ、フィルタ装置24に設けられた図示しない濾過フィルタをイオン性液体が通過する際に沈殿物はその濾過フィルタにより捕獲され、これによりイオン性液体とともに精製槽12から取り出された沈殿物はそのイオン性液体から除去される。
図示しないが、イオン性液体とともに水層を精製層12から取り出した場合には、この無機物を分離除去するときにイオン性液体から水も分離除去して高純度イオン性液体を得る。この水の分離除去は、フィルタ装置24における濾過フィルタとして疎水性の膜を設置させることが挙げられる。このように疎水性の膜を設置すれば、この膜により水をイオン性液体から分離させて除去することができる。
なお、フィルタ装置24を通過して沈殿物が除去されたイオン性液体は第5開閉バルブ22bを開放することにより減圧分離装置26に達し、この減圧分離装置26において減圧することによりイオン性液体に残存する二酸化炭素は揮発し、高純度のイオン性液体が得られる。この高純度のイオン性液体は高純度イオン性液体貯蔵槽23に導かれて貯蔵され、再利用される。
このようなイオン性液体の精製方法では、複雑な手順を必要とせず、容易な方法で有機物又は無機物等の不純物を取除くことができる。
このようなイオン性液体の精製方法では、複雑な手順を必要とせず、容易な方法で有機物又は無機物等の不純物を取除くことができる。
(5)超臨界流体の取出し工程
図2(c)に戻って、イオン性液体から有機物を抽出した超臨界流体である二酸化炭素はイオン性液体とは別に精製槽12から取出す。この取り出しは第1、第3及び第4開閉バルブ13a,19a,22aを閉止した状態で第2開閉バルブ16aを開放し、管路16を介して精製槽12から二酸化炭素を取出す。
図2(c)に戻って、イオン性液体から有機物を抽出した超臨界流体である二酸化炭素はイオン性液体とは別に精製槽12から取出す。この取り出しは第1、第3及び第4開閉バルブ13a,19a,22aを閉止した状態で第2開閉バルブ16aを開放し、管路16を介して精製槽12から二酸化炭素を取出す。
(6)超臨界流体の回収工程
精製槽12から取出された超臨界二酸化炭素から有機物を分離除去した後に流体タンク11に回収する。有機物の分離除去は、分離槽17により行われ、この分離槽17では、二酸化炭素を減圧することにより固体又は液体である有機物から分離させ、その有機物を除去した二酸化炭素は管路16を通過する際に冷却器18により冷却され、液体タンク11に回収された後再利用される。
なお、上述した実施の形態では、超臨界流体として二酸化炭素を挙げて説明したが、超臨界流体はこれに限らず、有機物を抽出でき、イオン性液体に溶け込んで無機物の溶解度を低下させることができれば、メタン、エタン、プロパン、エチレン、窒素、フロン、アンモニア等であっても良い。
また、上述した実施の形態では、イオン性液体が有機物と無機物の双方を含有する場合を説明したが、イオン性液体は有機物又は無機物のいずれか一方を含有している場合であっても良い。
精製槽12から取出された超臨界二酸化炭素から有機物を分離除去した後に流体タンク11に回収する。有機物の分離除去は、分離槽17により行われ、この分離槽17では、二酸化炭素を減圧することにより固体又は液体である有機物から分離させ、その有機物を除去した二酸化炭素は管路16を通過する際に冷却器18により冷却され、液体タンク11に回収された後再利用される。
なお、上述した実施の形態では、超臨界流体として二酸化炭素を挙げて説明したが、超臨界流体はこれに限らず、有機物を抽出でき、イオン性液体に溶け込んで無機物の溶解度を低下させることができれば、メタン、エタン、プロパン、エチレン、窒素、フロン、アンモニア等であっても良い。
また、上述した実施の形態では、イオン性液体が有機物と無機物の双方を含有する場合を説明したが、イオン性液体は有機物又は無機物のいずれか一方を含有している場合であっても良い。
不純物を含むイオン性液体の模擬物を調製し、超臨界二酸化炭素による不純物除去試験を実施した。
<実施例1>
不純物として塩化ナトリウムとプロパノールをイミダゾール系のイオン性液体に加えて模擬物を調製した。この液体を精製槽12に入れ、超臨界二酸化炭素を供給して精製槽内部の圧力を8MPaにするととものその内部のの温度を40℃として、塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<実施例1>
不純物として塩化ナトリウムとプロパノールをイミダゾール系のイオン性液体に加えて模擬物を調製した。この液体を精製槽12に入れ、超臨界二酸化炭素を供給して精製槽内部の圧力を8MPaにするととものその内部のの温度を40℃として、塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<実施例2>
精製槽内部の圧力を25MPaにするととものその内部のの温度を40℃とした以外は、実施例1と同一の模擬物及び手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<実施例3>
精製槽内部の圧力を15MPaにするととものその内部のの温度を60℃とした以外は、実施例1と同一の模擬物及び手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<実施例4>
精製槽内部の圧力を25MPaにするととものその内部のの温度を60℃とした以外は、実施例1と同一の模擬物及び手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
精製槽内部の圧力を25MPaにするととものその内部のの温度を40℃とした以外は、実施例1と同一の模擬物及び手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<実施例3>
精製槽内部の圧力を15MPaにするととものその内部のの温度を60℃とした以外は、実施例1と同一の模擬物及び手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<実施例4>
精製槽内部の圧力を25MPaにするととものその内部のの温度を60℃とした以外は、実施例1と同一の模擬物及び手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<比較例1>
精製槽内部の圧力を10MPaにするととものその内部のの温度を20℃として、実施例1と同一の模擬物に気体である二酸化炭素を接触させた以外は、実施例1と同一の手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<評価試験>
イオン性液体から除去されたプロパノールの除去率と塩化ナトリウムの除去率を測定した。プロパノールの除去率は高圧セルによる紫外線分光光度法を用いた超臨界二酸化炭素中の溶解量を測定することにより求めた。塩化ナトリウムの除去率はイオン性液体に残留するナトリウム量をICP分析法により測定することにより求めた。この結果を表1に示す。
精製槽内部の圧力を10MPaにするととものその内部のの温度を20℃として、実施例1と同一の模擬物に気体である二酸化炭素を接触させた以外は、実施例1と同一の手順に従って塩化ナトリウムとプロパノールの除去を実施した。
<評価試験>
イオン性液体から除去されたプロパノールの除去率と塩化ナトリウムの除去率を測定した。プロパノールの除去率は高圧セルによる紫外線分光光度法を用いた超臨界二酸化炭素中の溶解量を測定することにより求めた。塩化ナトリウムの除去率はイオン性液体に残留するナトリウム量をICP分析法により測定することにより求めた。この結果を表1に示す。
表1の結果より明らかなように、イオン性液体に超臨界二酸化炭素を接触させた実施例1〜4のプロパノールと塩化ナトリウムの除去率は、イオン性液体に圧力を低下させて気体とした二酸化炭素に接触させた実施例1のプロパノールと塩化ナトリウムの除去率に比較して著しく高いことが判る。よってイオン性液体に超臨界流体を接触させる本発明のイオン性液体の精製方法では、従来技術である比較例1に比較して比較的容易な手順で高純度イオン性液体を得ることができることが判る。
11 流体タンク
12 精製槽
12 精製槽
Claims (10)
- 有機物を含有するイオン性液体を精製槽(12)に供給する工程と、
流体タンク(11)から前記精製槽(12)に所定量の超臨界流体を供給して前記イオン性液体と接触させ前記イオン性液体に含有された前記有機物を前記超臨界流体中に抽出する工程と、
前記有機物が抽出除去された前記イオン性液体を前記精製槽(12)から取出して前記有機物が除去された高純度イオン性液体を得る工程と
を含むイオン性液体の精製方法。 - 精製槽(12)に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、前記水は前記精製槽(12)から前記イオン性液体を取出すときに同時に前記精製槽(12)から前記イオン性液体とともに取出され、前記イオン性液体から前記水を分離除去して高純度イオン性液体を得る請求項1記載のイオン性液体の精製方法。
- 精製槽(12)から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出す工程と、前記超臨界流体から前記有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク(11)に回収する工程とを更に含む請求項1又は2記載のイオン性液体の精製方法。
- 無機物を含有するイオン性液体を精製槽(12)に供給する工程と、
流体タンク(11)から前記精製槽(12)に所定量の超臨界流体を供給して前記イオン性液体と接触させ前記イオン性液体に含有された前記無機物を沈殿させる工程と、
前記イオン性液体を沈殿した前記無機物とともに前記精製槽(12)から取出す工程と、
前記精製槽(12)から取出された前記イオン性液体から前記無機物を分離除去して高純度イオン性液体を得る工程と
を含むイオン性液体の精製方法。 - 精製槽(12)に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、前記水は前記精製槽(12)から前記イオン性液体を取出すときに同時に前記精製槽(12)から前記イオン性液体とともに取出され、前記イオン性液体から無機物を分離除去するときに前記イオン性液体から前記水を分離除去して高純度イオン性液体を得る請求項4記載のイオン性液体の精製方法。
- 精製槽(12)から取出された抽出流体を流体タンク(11)に回収する工程とを更に含む請求項4又は5記載のイオン性液体の精製方法。
- 有機物と無機物を含有するイオン性液体を精製槽(12)に供給する工程と、
流体タンク(11)から前記精製槽(12)に所定量の超臨界流体を供給して前記イオン性液体と接触させ前記イオン性液体に含有された前記有機物を前記超臨界流体中に抽出するとともに前記無機物を沈殿させる工程と、
前記有機物が抽出除去された前記イオン性液体を沈殿した前記無機物とともに前記精製槽(12)から取出す工程と、
前記精製槽(12)から取出された前記イオン性液体から前記無機物を分離除去して前記有機物と前記無機塩が除去された高純度イオン性液体を得る工程と
を含むイオン性液体の精製方法。 - 精製槽(12)に供給されるイオン性液体が水を更に含有し、前記水は前記精製槽(12)から前記イオン性液体を取出すときに同時に前記精製槽(12)から前記イオン性液体とともに取出され、前記イオン性液体から無機物を分離除去するときに前記イオン性液体から前記水を分離除去して高純度イオン性液体を得る請求項7記載のイオン性液体の精製方法。
- 精製槽(12)から抽出された有機物とともに超臨界流体を取出す工程と、前記超臨界流体から前記有機物を分離除去した抽出流体を流体タンク(11)に回収する工程とを更に含む請求項7又は8記載のイオン性液体の精製方法。
- 超臨界流体が二酸化炭素であり、前記超臨界流体をイオン性液体と接触させる精製槽(12)の内部の圧力が7〜35MPaであって内部温度が31〜100℃である請求項1ないし9いずれか1項に記載のイオン性液体の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004263138A JP2006075740A (ja) | 2004-09-10 | 2004-09-10 | イオン性液体の精製方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006075740A true JP2006075740A (ja) | 2006-03-23 |
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JP2004263138A Withdrawn JP2006075740A (ja) | 2004-09-10 | 2004-09-10 | イオン性液体の精製方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006075740A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015122686A1 (ko) * | 2014-02-14 | 2015-08-20 | 한국생산기술연구원 | 이온성 액체를 이용한 유기소재 정제방법 및 정제장치 |
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JP2016138044A (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 国立大学法人東北大学 | 有機化合物析出方法及びその装置 |
EP2937124A4 (en) * | 2012-12-18 | 2016-10-12 | Korea Ind Tech Inst | METHOD AND DEVICE FOR CLEANING AN ORGANIC MATERIAL USING AN IONIC LIQUID |
-
2004
- 2004-09-10 JP JP2004263138A patent/JP2006075740A/ja not_active Withdrawn
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