JP2001049362A - 重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置 - Google Patents

重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置

Info

Publication number
JP2001049362A
JP2001049362A JP22405999A JP22405999A JP2001049362A JP 2001049362 A JP2001049362 A JP 2001049362A JP 22405999 A JP22405999 A JP 22405999A JP 22405999 A JP22405999 A JP 22405999A JP 2001049362 A JP2001049362 A JP 2001049362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
nickel
solution
heavy metal
hydroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22405999A
Other languages
English (en)
Inventor
Nakamichi Yamazaki
仲道 山崎
Masayuki Matsushita
誠幸 松下
Chika Saeki
知香 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsushita Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Sangyo Co Ltd filed Critical Matsushita Sangyo Co Ltd
Priority to JP22405999A priority Critical patent/JP2001049362A/ja
Publication of JP2001049362A publication Critical patent/JP2001049362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで使用エネルギが少なく、有害ガス
の発生を抑制することが出来る重金属スラッジからの有
価金属の回収方法を提供する。 【解決手段】 ニッケルおよびコバルトを含む重金属ス
ラッジを酸性剤によって溶解した後この溶解液を濾過し
て酸性溶液に溶解しない物質を濾別することにより抽出
原液を生成する第1工程と、この第1工程によって生成
された抽出原液をアルカリ処理した後このアルカリ処理
によって沈殿する金属水酸化物を濾別することにより粗
ニッケル・コバルト溶液を生成する第2工程と、この第
2工程によって生成された粗ニッケル・コバルト溶液を
還元処理した後さらにアルカリ処理して沈殿した金属水
酸化物を濾別することにより純粋ニッケル・コバルト溶
液を生成する第3工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、重金属スラッジ
から有価金属であるニッケルおよびコバルトを回収する
方法および装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】金属の表面処理やメッ
キ処理工程において発生する重金属スラッジは、従来、
埋め立てたりコンクリートによって固化する等の方法に
よって処分されている。
【0003】しかしながら、このような従来の廃棄によ
る処分方法は、自然環境への影響が大きく、また、有価
金属を含んでいる重金属スラッジをそのまま投棄するの
では資源が無駄になるために、決して適切な処理方法と
は言えない。このため、近年、上記のような重金属スラ
ッジから有価金属を回収して資源の再利用を図るととも
に、重金属スラッジの自然界への投棄を減らそうとする
試みが為されてきている。
【0004】ここで、重金属スラッジのうち、特に、N
i,Co,Cr,NaCl等が主成分の重金属スラッジ
においては、スラッジ中に含まれる六価クロム(C
6+)の除去が重要な課題となる。ここで、廃液中から
の六価クロムの除去方法としては、従来、還元・水酸化
物法とイオン交換樹脂法が知られている。
【0005】還元・水酸化物法は、適用範囲が広く一般
によく採用されており、その原理は、以下の通りであ
る。すなわち、強酸性の条件下(例えば、pHが3以
下)において、二価の硫酸鉄や亜硫酸ナトリウムなどの
還元剤を六価クロムに作用させて、六価クロムを三価ク
ロムに還元し、その後、中和剤を添加して水酸化クロム
の沈殿を生成して、これを分離するものである。
【0006】また、イオン交換樹脂法は、強塩基性アニ
オン交換樹脂を使用して、廃液中の六価クロムを吸着除
去するものである。しかしながら、上記の還元・水酸化
物法においては、硫酸鉄等の還元剤の使用によってSO
x等の有害ガスが発生するという問題とともに、還元剤
が高価であるため、処理コストが嵩むといった問題を有
している。
【0007】また、イオン交換樹脂法においては、廃液
中に塩素イオンなどの陰イオン類が多量に共存している
場合には六価クロムの吸着が阻害されるので、廃液の種
類によっては効果が上がらないといった問題がある。こ
のため、このイオン交換樹脂法は、NaClが主成分と
して含まれる重金属スラッジからの六価クロムの除去に
は採用することができない。
【0008】また、このイオン交換樹脂法においては、
使用電力が大きく、そのランニングコストが嵩んでしま
うといった問題も有している。したがって、重金属スラ
ッジからの有価金属の回収にあたっては、六価クロムの
新たな除去方法の開発が課題となっている。
【0009】この発明は、上記のような重金属スラッジ
からの有価金属の回収に対する社会の要請に応えるため
に為されたものである。すなわち、この発明は、低コス
トで使用エネルギが少なく、有害ガスの発生を抑制する
ことが出来る重金属スラッジからの有価金属の回収方法
を提供することを第1の目的とする。さらに、この発明
は、上記重金属スラッジからの有価金属回収方法を実施
するための装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明による重金属
スラッジからの有価金属回収方法は、上記第1の目的を
達成するために、ニッケルおよびコバルトを含む重金属
スラッジを酸性剤によって溶解した後この溶解液を濾過
して酸性溶液に溶解しない物質を濾別することにより抽
出原液を生成する第1工程と、この第1工程によって生
成された抽出原液をアルカリ処理した後このアルカリ処
理によって沈殿する金属水酸化物を濾別することにより
粗ニッケル・コバルト溶液を生成する第2工程と、この
第2工程によって生成された粗ニッケル・コバルト溶液
を還元処理した後さらにアルカリ処理して沈殿した金属
水酸化物を濾別することにより純粋ニッケル・コバルト
溶液を生成する第3工程とからなることを特徴としてい
る。
【0011】この第1の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法は、第1工程において、ニッケル合
金の電解加工時に発生する電解液やメッキ廃液から有価
金属イオンを水酸化物として回収した重金属スラッジ
を、塩酸等の酸性剤を添加することによって反応溶解さ
せる。
【0012】そして、このとき、重金属スラッジに含ま
れている塩化ナトリウム等の酸性溶液に溶解しない物質
の結晶が沈殿するので、この不溶解物質を濾別して抽出
原液を生成する。
【0013】次に、第2工程において、抽出原液にアル
カリ処理を施すことによって、ニッケルおよびコバルト
以外の金属を水酸化物として析出させて除去する。
【0014】すなわち、この第2工程は、抽出原液中に
存在する金属イオンの水酸化物生成pH値の違いを利用
して金属分離を行うものであり、抽出原液にアルカリ処
理を施すと、ニッケルやコバルトよりも溶解度積が小さ
い鉄やクロムなどの金属イオンから水酸化物が生成され
て沈澱を始めるので、アルカリ処理によるpH調整によ
って、ニッケルおよびコバルト以外の金属の水酸化物を
生成して沈殿させ、これを濾別することによって、粗ニ
ッケル・コバルト溶液を生成する次に、第3工程におい
て、粗ニッケル・コバルト溶液中に残留している六価ク
ロムイオン等のニッケルおよびコバルト以外の金属イオ
ンを、還元処理によって水酸化物になり易い三価クロム
イオン等に還元し、この後、アルカリ処理することによ
り、還元された金属の水酸化物を生成して沈殿させ、濾
別することによって、粗ニッケル・コバルト溶液から除
去する。
【0015】これによって、ニッケルとコバルトのみが
溶解している溶液が生成される。
【0016】以上のように、上記第1の発明によれば、
酸およびアルカリを用いて重金属スラッジに含まれてい
る各種金属の溶解度の違いを利用することにより有価金
属の分離回収を行うので、確実に重金属スラッジからの
有価金属の回収を行うことが出来るとともに、従来のイ
オン交換樹脂法等と比較して有価金属の回収にかかるコ
ストや使用エネルギを削減することが出来る。
【0017】第2の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第1の発明の構成に加えて、前記第1工程において、重
金属スラッジに塩酸を添加して溶解し、重金属スラッジ
に含まれていた塩酸に溶解しない塩化ナトリウムを濾別
することを特徴としている。
【0018】この第2の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法によれば、重金属スラッジが塩酸に
よって溶解され、この塩酸による重金属スラッジの溶解
液に溶解しない塩化ナトリウムが沈殿して濾別される。
【0019】第3の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第1の発明の構成に加えて、前記第2工程において、第
1工程によって生成された抽出原液に水酸化ナトリウム
を添加してpH調整を行うことによりアルカリ処理を行
い、ニッケルおよびコバルト以外の金属の水酸化物を生
成して沈殿させることを特徴としている。
【0020】この第3の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法によれば、第2工程における抽出原
液のアルカリ処理を、抽出原液に水酸化ナトリウムを添
加してpH値をニッケルおよびコバルト以外の金属が水
酸化物に生成される値、例えばpH3.5に調整するこ
とにより行う。
【0021】第4の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第1の発明の構成に加えて、前記第3工程において、第
2工程によって生成された粗ニッケル・コバルト溶液に
酸性剤を添加してpH調整を行うとともにこの粗ニッケ
ル・コバルト溶液にセルロースを含む有機材を接触させ
て溶液中の六価クロムを三価クロムに還元する還元処理
を行い、この後、水酸化ナトリウムを添加してpH調整
を行うことによりアルカリ処理を行って、還元された三
価クロムの水酸化物を生成して沈殿させることを特徴と
している。
【0022】この第4の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法は、第3工程における粗ニッケル・
コバルト溶液の還元処理が、硫酸等の酸性剤が添加され
て溶液が強酸性になるようにpH調整が行われた後、セ
ルロースを含む有機材と接触が図られることによって行
われる。
【0023】この強酸性の条件下における有機材に含ま
れたセルロースの働きによって、粗ニッケル・コバルト
溶液に残留している六価クロムなどの金属イオンが、水
酸化物になりやすい三価クロムなどの金属イオンに還元
される。そして、アルカリ処理が、還元処理後の粗ニッ
ケル・コバルト溶液に水酸化ナトリウム等のアルカリ剤
を添加することによって行われ、これによって、還元処
理によって還元された三価クロムなどの金属水酸化物が
生成されて沈殿する。
【0024】この水酸化ナトリウムの添加は、粗ニッケ
ル・コバルト溶液がpH3〜5(好ましくは、pH4)
になるように調整される。
【0025】以上のように、上記第4の発明によれば、
還元処理に硫化鉄等の還元剤を使用しないのでSOx等
の有害ガスの発生を抑制することができるとともに、有
機材として廃材を利用することにより、有機廃材の工業
的な利用の道を開いて埋め立て等が問題になっている産
業廃棄物の削減にも貢献することが出来る。
【0026】第5の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第4の発明の構成に加えて、前記有機材がおがくずであ
ることを特徴としている。
【0027】この第5の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法によれば、還元処理に使用される有
機材としてセルロースを主成分とするおがくずを使用す
ることによって、還元処理を促進することが出来るとと
もに、産業廃棄物であるおがくずの工業的利用を図るこ
とが出来る。
【0028】第6の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第4の発明の構成に加えて、前記還元処理を、粗ニッケ
ル・コバルト溶液を加熱しながら行うことを特徴として
いる。
【0029】この第6の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法によれば、有機材を用いて還元処理
が行われる際に、粗ニッケル・コバルト溶液が加熱され
ることによって、その還元処理が促進され、さらに、還
元された三価クロムなどの金属イオンが水酸化物として
沈殿する際の凝集効果が増大されるとともに、還元によ
って不安定な状態にある金属イオンが完全に水酸化物に
なるのを促進することにより還元前の状態に逆戻りしな
いようにされる。
【0030】すなわち、この有機材による還元処理の際
の加熱によって、還元反応の促進とアルカリ処理による
金属水酸化物の沈殿促進が行われる。 第7の発明によ
る重金属スラッジからの有価金属回収方法は、前記第1
の目的を達成するために、第1の発明の構成に加えて、
前記第3工程によって生成された純粋ニッケル・コバル
ト溶液をアルカリ処理することにより、ニッケルとコバ
ルトの水酸化物を生成し沈殿させて濾別する第4工程
と、この第4工程において濾別されたニッケルとコバル
トの水酸化物を洗浄する第5工程とをさらに行うことを
特徴としている。
【0031】この第7の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法は、第3工程において生成された純
粋ニッケル・コバルト溶液をさらに粉体状に加工するも
ので、第4工程において、純粋ニッケル・コバルト溶液
に水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加して、溶液中
のニッケルイオンおよびコバルトイオンを反応させるこ
とにより、高純度の水酸化ニッケルと水酸化コバルトを
生成させる。
【0032】ここで、ニッケルおよびコバルトは、pH
8以上において水酸化物になって析出するため、純粋ニ
ッケル・コバルト溶液がそれ以上のpH値となるように
アルカリ剤の添加量の調整を行う。この生成された水酸
化ニッケルと水酸化コバルトは、混合体となって沈殿す
るので、濾過することにより濾別する。
【0033】そして、第5工程において、濾別された水
酸化ニッケルと水酸化コバルトの混合体を洗浄すること
により、付着したナトリウム分等の洗浄を行う。以上の
ように、上記第7の発明によれば、重金属スラッジから
回収された液体状のニッケルおよびコバルトを、容易に
粉体状の製品にすることが出来る。
【0034】第8の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第7の発明の構成に加えて、前記第4工程において、第
3工程によって生成された純粋ニッケル・コバルト溶液
に水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行うことによ
りアルカリ処理を行い、ニッケルとコバルトの水酸化物
を生成して沈殿させることを特徴としている。
【0035】この第8の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法によれば、第4工程において、純粋
ニッケル・コバルト溶液に水酸化ナトリウムを添加する
ことにより、この水酸化ナトリウムと溶液中のニッケル
イオンおよびコバルトイオンを反応させて、生成された
水酸化ニッケルと水酸化コバルトを沈殿させる。
【0036】第9の発明による重金属スラッジからの有
価金属回収方法は、前記第1の目的を達成するために、
第7の発明の構成に加えて、前記第5工程において、第
4工程によって生成されたニッケルとコバルトの水酸化
物を所要の温度とpH値を有する洗浄液によって洗浄す
ることを特徴としている。
【0037】この第9の発明による重金属スラッジから
の有価金属回収方法によれば、第5工程において、水酸
化ニッケルと水酸化コバルトの混合体が、例えば50
℃,pH5の洗浄液によって洗浄される。これによっ
て、付着していたナトリウム分等の他の物質が洗い流さ
れた高純度の粉末状の水酸化ニッケルと水酸化コバルト
を得ることが出来る。
【0038】第10の発明による重金属スラッジからの
有価金属回収装置は、前記第2の目的を達成するため
に、ニッケルおよびコバルトを含む重金属スラッジを収
容して酸性剤により溶解させる第1タンクと、この第1
タンクにおいて溶解された重金属スラッジの溶解液を濾
過して酸性溶液に溶解しない物質を濾別する第1濾過器
と、この第1濾過器によって濾過されることにより生成
された抽出原液を収容してアルカリ処理を行うことによ
りニッケルおよびコバルト以外の金属水酸化物を沈殿さ
せる第2タンクと、この第2タンク内の抽出原液を濾過
して沈殿した金属水酸化物を濾別する第2濾過器と、こ
の第2濾過器によって濾過されることにより生成された
粗ニッケル・コバルト溶液を収容して還元処理とアルカ
リ処理を行うことにより粗ニッケル・コバルト溶液に含
まれているクロムの水酸化物を沈殿させる第3タンク
と、この第3タンク内の粗ニッケル・コバルト溶液を濾
過して沈殿したクロムの水酸化物を濾別する第3濾過器
とを備えていることを特徴としている。
【0039】この第10の発明による重金属スラッジか
らの有価金属回収装置は、ニッケル合金の電解加工時に
発生する電解液やメッキ廃液から有価金属イオンを水酸
化物として回収した重金属スラッジを第1タンクに収容
し、塩酸等の酸性剤を添加して反応溶解させ、このとき
に酸性溶液に溶解しない塩化ナトリウム等の物質の結晶
を第1濾過器によって濾過することにより、抽出原液を
生成する有価金属回収の第1工程が行われる。
【0040】次に、この生成された抽出原液を第2タン
クを収容して、アルカリ処理を施し、ニッケルやコバル
トよりも溶解度積が小さい鉄やクロムなどの金属の水酸
化物を生成して沈澱させ、この沈殿した金属水酸化物を
第2濾過器によって濾過することにより、粗ニッケル・
コバルト溶液を生成する有価金属回収の第2工程が行わ
れる。
【0041】次に、この生成された粗ニッケル・コバル
ト溶液を第3タンクに収容して、還元処理およびアルカ
リ処理を施し、還元された金属の水酸化物を生成して沈
殿させ、この沈殿した金属水酸化物を第3濾過器によっ
て濾過することにより、純粋ニッケル・コバルト溶液を
生成する有価金属回収の第3工程が行われる。
【0042】以上のように、上記第10の発明によれ
ば、酸およびアルカリを用いて重金属スラッジに含まれ
ている各種金属の溶解度の違いを利用することにより有
価金属の分離回収を行う重金属スラッジからの有価金属
回収方法を容易に実施することが出来る。
【0043】第11の発明による重金属スラッジからの
有価金属回収装置は、前記第2の目的を達成するため
に、第10の発明の構成に加えて、前記第1タンクに、
重金属スラッジの酸性剤による溶解時に発生する有毒ガ
スの有害成分を除去する排ガス装置が接続されているこ
とを特徴としている。
【0044】この第11の発明による重金属スラッジか
らの有価金属回収装置によれば、重金属スラッジの酸性
材による溶解反応時に、その反応熱によって酸性剤の一
部がガス化したり溶解反応によって発生する有毒ガス
が、第1タンクに接続された排ガス装置によって除去さ
れて、無害化されたガスのみが大気中に放出される。
【0045】これによって、安全に重金属スラッジから
の有価金属の回収を行うことが出来る。
【0046】第12の発明による重金属スラッジからの
有価金属回収装置は、前記第2の目的を達成するため
に、第10の発明の構成に加えて、前記第3濾過器によ
って濾過されることにより生成された純粋ニッケル・コ
バルト溶液を収容してアルカリ処理を行うことによりニ
ッケルとコバルトの水酸化物を沈殿させる第4タンク
と、この第4タンク内の純粋ニッケル・コバルト溶液を
濾過して沈殿したニッケルとコバルトの水酸化物を濾別
する第4濾過器と、この第4濾過器によって濾別された
ニッケルとコバルトの水酸化物を収容して洗浄する第5
タンクとをさらに備えていることを特徴としている。
【0047】この第12の発明による重金属スラッジか
らの有価金属回収装置は、純粋ニッケル・コバルト溶液
を第4タンクに収容し、水酸化ナトリウム等のアルカリ
剤を添加して、溶液中のニッケルイオンおよびコバルト
イオンと反応させることにより水酸化ニッケルと水酸化
コバルトを生成して沈殿させ、この沈殿した水酸化ニッ
ケルと水酸化コバルトを第4濾過器によって濾別するこ
とにより、有価金属回収の第4工程が行われる。
【0048】そして、次に、濾別された水酸化ニッケル
と水酸化コバルトを第5タンクに収容し、洗浄液によっ
て洗浄することにより、有価金属回収の第5工程が行わ
れる。
【0049】以上のように、上記第12の発明によれ
ば、重金属スラッジから回収された液体状のニッケルお
よびコバルトを、容易に粉体状の製品にすることが出来
る。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思わ
れる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説
明を行う。
【0051】図1は、この発明の実施形態の一例におけ
る重金属スラッジからの有価金属回収方法の概略を示す
工程図である。この有価金属回収方法は、有価金属とし
て重金属スラッジからニッケルとコバルトを回収するも
のであって、図1において、ニッケルおよびコバルト,
クロム,塩化ナトリウム等を主成分として含む金属イオ
ンの水酸化物として回収された重金属スラッジを塩酸に
よって溶解し、その溶解液から塩化ナトリウムを濾別す
ることによって抽出原液を生成する第1工程(抽出原液
生成工程)と、この抽出原液をアルカリ処理することに
よって粗ニッケル・コバルト溶液を生成する第2工程
(粗ニッケル・コバルト溶液生成工程)と、この粗ニッ
ケル・コバルト溶液を還元処理するとともにさらにアル
カリ処理を施すことによって純粋ニッケル・コバルト溶
液を生成する第3工程(純粋ニッケル・コバルト溶液生
成工程)とからなっている。
【0052】さらに、この有価金属回収方法は、乾燥し
た粉体上のニッケル・コバルト化合物を生成する場合に
は、上記三つの工程に、第3工程において得られる純粋
ニッケル・コバルト溶液にアルカリを加えることによっ
て、ニッケルとコバルトを高純度の水酸化ニッケルと水
酸化コバルトの混合体として沈殿させて濾別する第4工
程(加工工程)と、この濾別された水酸化ニッケルと水
酸化コバルトの混合体を温水洗浄する第5工程(洗浄工
程)とが加えられる。
【0053】図2は、上記有価金属の回収方法を実施す
るための回収装置を示す概略構成図である。この図2に
おいて、重金属スラッジからの有価金属回収装置の図1
の第1工程を行う部分は、重金属スラッジの溶解を行う
第1タンクA1と、この第1タンクA1に重金属スラッ
ジを投入するコンベアA2と、第1タンクA1内から重
金属スラッジの溶解液を吸引して塩化ナトリウムを濾別
する吸引濾過器A3と、第1タンクA1内で発生する塩
素ガスを吸引して凝縮させる凝縮器A4と、この凝縮さ
れた塩素ガスを水酸化ナトリウム溶液によって吸収する
とともに排気を行う排気塔A5とから構成されている。
【0054】この凝縮器A4は、図3に示されるよう
に、ケーシングA4a内が仕切板A4bとA4cによっ
て、図3の左側から順にガス導入室A4d,冷却室A4
e,ガス排出室A4fの三つの室に区画されており、冷
却室A4e内に複数本のガス導通管A4gが、それぞれ
両端部をガス導入室A4dとガス排出室A4fに連通さ
れた状態で、互いに間隔を開けて水平向きに取り付けら
れている。
【0055】そして、この凝縮器A4のケーシングA4
aには、第1タンクA1に接続されたガス導入口A4h
が設けられており、冷却室A4eには、その一端部に冷
却水導入口A4iが設けられ他端部に冷却水排出口A4
jが設けられており、さらに、ガス排出室A4fには、
その天井部に、排気塔A5に接続されたガス排出口A4
kが設けられ、底部にドレンA4lが設けられている。
【0056】排気塔A5は、図4に示されるように、内
部が密閉され縦向きに設置された筒状のケーシングA5
a内に、上下を多孔板A5bとA5cによって仕切られ
た吸着剤充填室A5dが形成され、この吸着剤充填室A
5d内に塩素ガスを吸着する吸着剤が充填されている。
【0057】ケーシングA5aの上部には、水酸化ナト
リウムタンクA5Aに接続され吸着剤充填室A5dの上
方に連通された水酸化ナトリウム供給口A5eが設けら
れ、後述するように、この水酸化ナトリウム供給口A5
bからケーシングA5a内の吸着剤充填室A5d上方に
導入された水酸化ナトリウムが、多孔板A5bを抜けて
吸着剤充填室A5d内をシャワー状に落下するようにな
っている。
【0058】ケーシングA5aには、さらに、下部外壁
に、凝縮器A4のガス排出口A4kに接続されるととも
に吸着剤充填室A5dの下方に連通されたガス導入口A
5fが設けられ、底部に、水酸化ナトリウムタンクA5
Aに接続された水酸化ナトリウム排出口A5gが設けら
れ、天井部に、ガス排出口A5hが取り付けられてい
る。
【0059】そして、このガス排出口A5hには、ブロ
アA5Bが接続されている。
【0060】有価金属回収方法の第2工程を行う部分
は、第1工程において生成された抽出原液をアルカリ処
理する第2タンクB1と、第2タンクB1内においてア
ルカリ処理された抽出原液を濾過して沈殿した金属水酸
化物を濾別するフィルタプレス機B2とから構成されて
いる。
【0061】有価金属回収方法の第3工程を行う部分
は、第2工程において生成された粗ニッケル・コバルト
溶液を還元およびアルカリ処理する第3タンクC1と、
この第3タンクC1において還元およびアルカリ処理さ
れた溶液を濾過して純粋ニッケル・コバルト溶液を抽出
する吸引濾過機C2とから構成されている。
【0062】有価金属回収方法の第4工程を行う部分
は、アルカリが加えられることによって高純度の水酸化
ニッケルと水酸化コバルトの混合体を沈降させる第4タ
ンクD1と、この第4タンクD1内において沈降した水
酸化ニッケルと水酸化コバルトの混合体を濾別する濾過
器D2とから構成されている。
【0063】有価金属回収方法の第5工程を行う部分
は、第4工程において濾別された水酸化ニッケルと水酸
化コバルトの混合体を温水洗浄する第5タンクEからな
っており、この第5タンクEにおいて温水洗浄された水
酸化ニッケルと水酸化コバルトの混合体の濾過には、第
4工程部分の濾過器D2が使用される。
【0064】この有価金属回収装置は、さらに、濾過器
D2において水酸化ニッケルと水酸化コバルトの混合体
と分離された水を貯留してリサイクルするリサイクル水
タンクFを備えている。
【0065】次に、上記有価金属回収装置を用いて行わ
れる有価金属回収方法の各工程について、図2を参照し
ながら説明を行う。
【0066】ここで、有価金属回収の原料となるのは、
ニッケル合金の電解加工時に発生する電解液やメッキ廃
液から有価金属イオンを水酸化物として回収した重金属
スラッジであって、この重金属スラッジには、ニッケル
(Ni),コバルト(Co),クロム(Cr),塩化ナ
トリウム(NaCl)が主成分として含まれているもの
である。
【0067】第1工程(抽出原液生成工程)において、
上記の重金属スラッジがコンベアA2によって第1タン
クA1内に投入される。さらに、この第1タンクA1内
に塩酸が添加されることによって、重金属スラッジが反
応溶解される。このとき、重金属スラッジとして水分含
有率30〜50%のものが用いられ、濃塩酸(HCl)が
1dm3/kgの割合で加えられることによって、重金
属スラッジが完全に溶解される。
【0068】このように、重金属スラッジの溶解に濃塩
酸が用いられることにより、重金属スラッジに含まれて
いる塩化ナトリウムが反応溶液中に溶解しないので、第
1タンクA1内は、重金属溶液から析出したNaCl結
晶が重金属溶液と混在した状態になっている。
【0069】この重金属スラッジの溶解時の化学反応式
は、以下の通りである。 Ni化合物:NiO+2HCL→Ni2++2Cl2-+H
2O Ni(OH)2+2HCL→Ni2++2CL-+2H2
等 Co化合物:CoO+2HCL→Co2++2CL−+
H2O Co(OH)2+2HCL→Co2++2CL-+H2
等 Fe化合物:Fe23+6HCl→Fe3+6Cl-+3
2O 2Fe(OH)3+6HCl→2Fe3++6Cl-+3H2
O 等 Ti化合物+HCl→Tin++副産物 Mo化合物+HCl→Mon++副産物 三価クロム:2Cr(OH)3+6HCl→2Cr3++6C
-+3H2O 六価クロム:2Na2CrO4+2HCl→Cr27 2-
2Na++H2O+2NaCl ここで、この第1タンクA1における重金属スラッジの
濃塩酸による溶解反応時には、その反応熱によって溶解
液が高温となり、このため、添加される塩酸の一部がガ
ス化してしまったり、また、溶解反応によって塩素ガス
が発生する。
【0070】このため、第1タンクA1内への濃塩酸の
添加時には、発生する高温塩酸ガスや塩素ガスが第1タ
ンクA1内から外部に漏れ出ないようにされているとと
もに、この第1タンクA1で発生した高温塩酸ガスや塩
素ガスが凝縮器A4と排気塔A5を通されることによっ
て除去されて、無害化されたガスのみが大気中に放出さ
れる。
【0071】すなわち、濃塩酸による重金属スラッジの
反応溶解時に発生する高温塩酸ガスや塩素ガス,水蒸気
は、ブロアA5B(図4参照)による吸引力によって、
密閉された第1タンクA1内から凝縮器A4のガス導入
口A4hを介してガス導入室A4d内に引き込まれ、さ
らにガス導通管A4g内を通ってガス排出室A4f内に
導通される。
【0072】この高温塩酸ガス等がガス導通管A4g内
を通過する際に、冷却水導入口A4iから冷却室A4e
内を通って冷却水排出口A4jに導通されてガス導通管
A4gの間を循環する冷却水により冷却されて、高温塩
酸ガスや水蒸気が液化される。
【0073】そして、ガス排出室A4f内において、塩
素ガスと液化された塩酸溶液とが分離され、塩酸溶液
は、ドレンA4lから図示しない回収タンクに回収され
る。
【0074】また、塩素ガスは、ガス排出口A4kから
ガス導入口A5f(図4参照)を介して排気塔A5のケ
ーシングA5a内に吸引され、多孔板A5cを通過して
吸着剤充填室A5d内に導入されて、吸着剤の間を上昇
する。
【0075】このとき、水酸化ナトリウムタンクA5A
から水酸化ナトリウム供給口A5eを介してケーシング
A5a内に10%の水酸化ナトリウム溶液が供給され、
この水酸化ナトリウム溶液が多孔板A5bを通って吸着
剤充填室A5d内にシャワー状に落下される。
【0076】これによって、吸着剤充填室A5d内を上
昇する塩素ガスが、吸着剤によって吸着されるとともに
水酸化ナトリウム溶液と反応することにより、除去され
る。
【0077】そして、上記のようにしてクリーンになっ
たガスは、ガス排出口A5hからブロアA5Bを介して
大気中に放出される。
【0078】上記のようにして、第1タンクA1内にお
いて溶解された重金属スラッジの溶解液は、吸引濾過器
A3によって第1タンクA1内から吸引され、吸引濾過
器A3によって濾過されることにより、溶解液から析出
したNaCl結晶が濾過される。そして、このNaCl
結晶が濾別された抽出原液は、第2タンクB1に溜めら
れ、第2工程に移行する。
【0079】第2工程(粗ニッケル・コバルト溶液生成
工程)では、第2タンクB1内に溜められた抽出原液に
アルカリ処理を施すことによって、ニッケルおよびコバ
ルト以外の金属を水酸化物として析出させて除去する。
【0080】すなわち、この第2工程は、抽出原液中に
存在する金属イオンの水酸化物生成pH値の違いを利用
して金属分離を行うものであり、抽出原液にアルカリ処
理を施すと、ニッケルやコバルトよりも溶解度積が小さ
い鉄やクロムなどの金属イオンから水酸化物が生成され
て沈澱を始める性質を利用するものである。
【0081】このニッケルやコバルト以外の金属イオン
を水酸化物として沈殿させるpH値は、実験の結果か
ら、pH3〜5、好ましくは、pH3.5であることが
判明している。
【0082】したがって、第2タンクB1内に、図示し
ないpH計によって抽出原液のpH値を測りながらアル
カリ剤(ここでは水酸化ナトリウム)が添加され、抽出
原液がpH3.5になるように調整される。これによっ
て、ニッケル・コバルト以外の金属イオンが水酸化物と
なって第2タンクB1の底部に沈降する。
【0083】このときのニッケル・コバルト以外の金属
イオン、例えば鉄イオンとクロムイオンの水酸化物生成
時の化学反応式は、以下の通りである。 Fe3++3NaOH →Fe(OH)3↓+3Na+ Cr3++3NaOH →Cr(OH)3↓+3Na+ このニッケル・コバルト以外の金属イオンが沈殿した
後、第2タンクB1内の溶液がフィルタプレス機B2に
よって濾過されることにより、ニッケルおよびコバルト
以外の金属イオンの大半が除去された粗ニッケル・コバ
ルト溶液が抽出される。この抽出された粗ニッケル・コ
バルト溶液は、第3タンクC1に溜められて、第3工程
に移行する。
【0084】ここで、第2工程において抽出された粗ニ
ッケル・コバルト溶液中には、六価クロムイオンが依然
残存しており、この不純物である六価クロムイオンを除
去するためには、この六価クロムをpH調整によって不
溶物になり易い三価クロムにまで還元する必要がある。
【0085】第3工程(純粋ニッケル・コバルト溶液生
成工程)では、第2工程において抽出された粗ニッケル
・コバルト溶液中の六価クロムイオンを、還元処理によ
って三価クロムイオンに還元し、この後、アルカリ処理
することによって、三価クロムの水酸化物を生成して析
出させて、粗ニッケル・コバルト溶液から除去する。
【0086】この粗ニッケル・コバルト溶液の還元処理
は、第3タンクC1内において、粗ニッケル・コバルト
溶液が加熱され、さらに、硫酸(H2SO4)が添加され
た後、セルロースを含む有機材と接触されることによっ
て行われる。
【0087】このときの粗ニッケル・コバルト溶液の加
熱温度は50℃以上、好ましくは60℃以上とされ、硫
酸等の添加によるpH値が1以下に調整される。なお、
有機材を使用しないで還元剤を用いて六価クロムの還元
を行う場合には、有機材の代わりに亜硫酸水素ナトリウ
ム(NaHSO3)が粗ニッケル・コバルト溶液に添加
される。
【0088】そして、この還元処理は、図示しないOR
P計によって監視される。図2中、C1aは、第3タン
クC1内に設置された加熱用の熱交換機である。この六
価クロムイオンの還元処理にセルロースを含む有機材を
使用するのは、以下の理由によるものである。
【0089】すなわち、有機材に含まれるセルロース
は、おもに酸素および水素,炭素が組み合わされた高分
子であり、構造が複雑であるために分解され難いという
性質を有しているが、強酸性および高温条件下におい
て、酸化能力が増した六価クロムによって、セルロース
がその頑丈な骨格を攻撃されることにより二酸化炭素や
水に分解さる。
【0090】そして、六価クロムが、このセルロースを
分解させる際に、pH調整によって不溶物になり易い三
価クロムに還元されるものである。この有機材と粗ニッ
ケル・コバルト溶液の接触方式としては、例えば、カラ
ム方式やバッチ方式,投入一括処理方式等が上げられ
る。これらの方式については、後で詳述する。
【0091】この還元処理時の六価クロムイオンの化学
反応式は、以下の通りである。 CrO4 2-+(セルロース)n+H2SO4→→→Cr2(S
4)3+(セルロース)n+(ブドウ糖)m+CO2+H2
O このとき、有機材に含まれるセルロースは、上記のよう
に、ブドウ糖→CO2,H2Oの順に変化してゆく。こ
の還元処理に使用される有機材としては、おがくず等の
木材廃棄物や段ボールなどのパルプスラッジ,雑草,木の
葉等が挙げられるが、工業廃棄物であるおがくずが、セ
ルロースを主成分としていること、取り扱いが容易であ
りシステムへの導入がし易いこと、反応速度が速いこ
と、さらには、後述するように金属水酸化物を凝集する
機能と濾過材としての機能を果たす等の理由から、最も
適していると言える。
【0092】なお、段ボールなどのパルプスラッジも同
様の効果を有している。上記還元処理の終了後、第3タ
ンクC1内の粗ニッケル・コバルト溶液にアルカリ剤
(ここでは水酸化ナトリウム)が添加されることによ
り、アルカリ処理が行われる。
【0093】この水酸化ナトリウムの添加は、図示しな
いpH計によって、粗ニッケル・コバルト溶液のpH値
が、水酸化クロム析出pH値の計算数値および実験値に
基づいて設定されたpH3〜5(好ましくは、pH4)
になるように調整される。このアルカリ処理によって、
六価クロムから還元された三価クロムが水酸化ナトリウ
ムと反応して水酸化物が生成され、沈殿する。
【0094】このときの化学反応式は、以下の通りであ
る。 Cr2(SO4)3+6NaOH→2Cr(OH)3↓+3Na
2SO4 以上のようにして生成された水酸化クロム(Cr(OH)
3)が、第3タンクC1の底部に沈殿した後、吸引濾過
機C2によって第3タンクC1内の溶液が吸引濾過され
て沈殿した水酸化クロムが分離されることにより、溶液
中の三価クロムが除去される。
【0095】このようにして、純粋なニッケル・コバル
ト溶液が抽出される。この抽出された純粋ニッケル・コ
バルト溶液は、この液状の状態で、製品として出荷が可
能である。
【0096】この純粋ニッケル・コバルト溶液をさらに
粉体状に加工する場合には、上記第3工程において抽出
された純粋ニッケル・コバルト溶液が第4タンクD1に
溜められて、第4工程に移行する。
【0097】この第4工程(加工工程)では、純粋ニッ
ケル・コバルト溶液をアルカリ処理して、ニッケルとコ
バルトを高純度の水酸化ニッケルと水酸化コバルトの混
合体として沈殿させ、これを濾別する。すなわち、第4
タンクD1内の純粋ニッケル・コバルト溶液に、アルカ
リ剤(ここでは水酸化ナトリウム)が添加され、この添
加された水酸化ナトリウムと純粋ニッケル・コバルト溶
液中のニッケルイオンとコバルトイオンとが反応するこ
とによって、高純度の水酸化ニッケルと水酸化コバルト
が生成される。
【0098】ここで、ニッケルおよびコバルトは、pH
8以上において水酸化物になって析出するため、図示し
ないpH計によって、純粋ニッケル・コバルト溶液がp
H9になるように水酸化ナトリウムの添加量が調整され
る。この生成された水酸化ニッケルと水酸化コバルト
は、混合体となって第4タンクD1の底に沈殿する。
【0099】このときの化学反応式は、以下の通りであ
る。 Ni2++NaOH→Ni(OH)2↓+Na2+ Co2++NaOH→Co(OH)2↓+Na2+ この後、濾過器D2によって第4タンクD1内の溶液が
濾過されることにより、沈殿した水酸化ニッケル(Ni
(OH)2)と水酸化コバルト(Co(OH)2)が分離さ
れ、この分離された水酸化ニッケルと水酸化コバルト
は、第5タンクE内に溜められて第5工程に移行する。
【0100】この第5工程(洗浄工程)では、第4工程
において濾別された水酸化ニッケルと水酸化コバルトの
混合体に溶液中のナトリウム分が付着しているために、
この付着したナトリウム分の洗浄が行われる。
【0101】すなわち、第5タンクE内において、水酸
化ニッケルと水酸化コバルトの混合体が、50℃,pH
5の洗浄液とともに攪拌されることによって洗浄され、
この後、第4工程において使用された濾過器D2によっ
て再度吸引濾過されることにより、付着したナトリウム
分が洗い流された水酸化ニッケルと水酸化コバルトの混
合体が濾別されて、乾燥される。
【0102】以上のようにして、水酸化ニッケルと水酸
化コバルトの混合体が、粉体状の製品として出荷が可能
になる。なお、濾過器D2において、水酸化ニッケルと
水酸化コバルトの混合体が濾別された洗浄水は、リサイ
クル水タンクFに溜められて再使用される。
【0103】以下において、前述した第3工程における
有機材と重金属スラッジの抽出原液とを接触させる方法
について、さらに詳しく説明を行う。有機材を抽出原液
に接触させて六価クロムの十分な還元反応を行わせるた
めには、有機材と抽出原液との接触が、空気が混入しな
い密接した状態で行われることが要求され、これを達成
するための接触方式として、前述したように、カラム方
式およびバッチ方式,投入一括処理方式がある。各方式
について、図面を参照しながら説明を行う。
【0104】(1)カラム方式 このカラム方式は、図5に示されるように、上部と下部
にそれぞれ注入口1aと排出口1bとが設けられた円柱
形のカラム1(塩化ビニル等の材質で、内径30〜40
cm、高さ3〜5m)に、このカラム1に適合する形を有
する樹脂製のろ布2におがくず3が充填されたものが収
容される。このおがくず3が充填されたろ布2は、例え
ば、カラム上部が50cmほど余る状態でカラム1内に収
容される。
【0105】この後、混在空気を除去しながらカラム1
内に水を注入して、ろ布2内のおがくず3が完全に水に
浸かるようにする。この状態で、カラム1内が密閉され
て垂直に固定され、注入口1aから加温およびpH調整
された被処理液が注入されて、排出口1bから排出さ
れ、この間被処理液とおがくず3との接触が為される。
このときの注入速度は、おがくず10gに対して0.5
〜1.0ml/分とするのが好ましい。
【0106】このカラム方式を図2の有価金属回収装置
に適用する場合には、第3タンクC1内にカラム1を設
置して、第3タンクC1内の粗ニッケル・コバルト溶液
がカラム1内を循環するように構成するか、カラム1を
第3タンクC1の外側に接続して、第3タンクC1内の
粗ニッケル・コバルト溶液がカラム1内を通過した後、
再び第3タンクC1内に戻るように構成することが考え
られる。
【0107】(2)バッチ方式 このバッチ方式は、加熱手段10aを備えた円筒形の槽
10内に容積の3分の1程度まで被処理液が入れられ、
その中に、重さが被処理液の1〜2割となる量のおがく
ず16が充填された樹脂製のろ袋11が、吊り下げられ
た状態で浸される。このとき、被処理液の液温が加熱手
段10aによって50〜80℃まで上昇され、ろ袋11
は被処理液内に所要の時間だけ浸される。
【0108】このバッチ方式を図2の有価金属回収装置
に適用する場合には、加熱手段を備えた第3タンクC1
内の粗ニッケル・コバルト溶液に、おがくず3が充填さ
れたろ袋11を直接浸すように構成する。そして、粗ニ
ッケル・コバルト溶液が黄色(Cr6+溶液の色)から青
緑色(Cr3+溶液の色)に変わるまで加熱を続け、青緑
色に変色したらろ袋11を引き上げるようにする。
【0109】(3)投入一括処理方式 この投入一括処理方式は、処理槽20におがくず3を直
接投入して、そのままの状態で、被処理液の還元処理と
アルカリ処理を一括して行うものである。すなわち、処
理槽20内の強酸性の被処理液中におがくず3がそのま
ま投入され、加熱状態で還元処理が行われる。そして、
この被処理液にアルカリ剤(NaOH)が添加され、被
処理液中の金属イオンが反応して水酸化物が生成され
る。
【0110】この後、被処理液が冷却され安定化される
ことにより、生成された水酸化物とおがくずが処理槽2
0の底部に沈殿する。ここで、アルカリ処理時に生成さ
れる金属水酸化物は、そのままの状態では、水酸化物の
微小なコロイド表面が帯電していてエネルギ的に不安定
であるため、液中を動き回って沈殿し難い性質を有して
いるが、上記のように処理槽20内におがくず3が直接
投入されて、浮遊している生成された金属水酸化物とお
がくず3が被処理液中に混在することにより、金属水酸
化物の微小なコロイド表面が電気的に中和されてエネル
ギ的に安定化するため、微小なコロイド同士が凝集して
大きくなってゆき沈殿し易くなる。
【0111】このように、この投入一括処理方式は、凝
集剤などを使用することなく容易に金属水酸化物を凝集
させて沈殿させることができ、さらに、沈殿した金属水
酸化物をおがくず3とともに濾過することによって、お
がくず3が濾過材としても機能するので、濾過時間の短
縮等、効率的な処理を行うことができる。この投入一括
処理方式を図2の有価金属回収装置に適用する場合に
は、第3タンクC1におがくずが直接投入される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による重金属スラッジからの有価金属
回収方法の実施形態の一例を示す説明図である。
【図2】この発明による重金属スラッジからの有価金属
回収装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図3】同装置に使用される凝縮器を示す側断面図であ
る。
【図4】同装置に使用される排気塔を示す側断面図であ
る。
【図5】おがくずを粗ニッケル・コバルト溶液に接触さ
せるためのカラム方式の説明図である。
【図6】おがくずを粗ニッケル・コバルト溶液に接触さ
せるためのバッチ方式の説明図である。
【図7】おがくずを粗ニッケル・コバルト溶液に接触さ
せるための投入一括処理方式の説明図である。
【符号の説明】
A1 …第1タンク A2 …コンベア A3 …吸引濾過器(第1濾過器) A4 …凝縮器(排ガス装置) A5 …排気塔(排ガス装置) B1 …第2タンク B2 …フィルタプレス機(第2濾過器) C1 …第3タンク C1a…過熱器 C2 …吸引濾過器(第3濾過器) D1 …第4タンク D2 …濾過器(第4濾過器) E …第5タンク

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルおよびコバルトを含む重金属ス
    ラッジを酸性剤によって溶解した後この溶解液を濾過し
    て酸性溶液に溶解しない物質を濾別することにより抽出
    原液を生成する第1工程と、 この第1工程によって生成された抽出原液をアルカリ処
    理した後このアルカリ処理によって沈殿する金属水酸化
    物を濾別することにより粗ニッケル・コバルト溶液を生
    成する第2工程と、 この第2工程によって生成された粗ニッケル・コバルト
    溶液を還元処理した後さらにアルカリ処理して沈殿した
    金属水酸化物を濾別することにより純粋ニッケル・コバ
    ルト溶液を生成する第3工程と、 からなることを特徴とする重金属スラッジからの有価金
    属回収方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程において、重金属スラッジ
    に塩酸を添加して溶解し、重金属スラッジに含まれてい
    た塩酸に溶解しない塩化ナトリウムを濾別する請求項1
    に記載の重金属スラッジからの有価金属回収方法。
  3. 【請求項3】 前記第2工程において、第1工程によっ
    て生成された抽出原液に水酸化ナトリウムを添加してp
    H調整を行うことによりアルカリ処理を行い、ニッケル
    およびコバルト以外の金属の水酸化物を生成して沈殿さ
    せる請求項1に記載の重金属スラッジからの有価金属回
    収方法。
  4. 【請求項4】 前記第3工程において、第2工程によっ
    て生成された粗ニッケル・コバルト溶液に酸性剤を添加
    してpH調整を行うとともにこの粗ニッケル・コバルト
    溶液にセルロースを含む有機材を接触させて溶液中の六
    価クロムを三価クロムに還元する還元処理を行い、この
    後、水酸化ナトリウムを添加してpH調整を行うことに
    よりアルカリ処理を行って、還元された三価クロムの水
    酸化物を生成して沈殿させる請求項1に記載の重金属ス
    ラッジからの有価金属回収方法。
  5. 【請求項5】 前記有機材がおがくずである請求項4に
    記載の重金属スラッジからの有価金属回収方法。
  6. 【請求項6】 前記還元処理を、粗ニッケル・コバルト
    溶液を加熱しながら行う請求項4に記載の重金属スラッ
    ジからの有価金属回収方法。
  7. 【請求項7】 前記第3工程によって生成された純粋ニ
    ッケル・コバルト溶液をアルカリ処理することにより、
    ニッケルとコバルトの水酸化物を生成し沈殿させて濾別
    する第4工程と、 この第4工程において濾別されたニッケルとコバルトの
    水酸化物を洗浄する第5工程と、 をさらに行う請求項1に記載の重金属スラッジからの有
    価金属回収方法。
  8. 【請求項8】 前記第4工程において、第3工程によっ
    て生成された純粋ニッケル・コバルト溶液に水酸化ナト
    リウムを添加してpH調整を行うことによりアルカリ処
    理を行い、ニッケルとコバルトの水酸化物を生成して沈
    殿させる請求項7に記載の重金属スラッジからの有価金
    属回収方法。
  9. 【請求項9】 前記第5工程において、第4工程によっ
    て生成されたニッケルとコバルトの水酸化物を所要の温
    度とpH値を有する洗浄液によって洗浄する請求項7に
    記載の重金属スラッジからの有価金属回収方法。
  10. 【請求項10】 ニッケルおよびコバルトを含む重金属
    スラッジを収容して酸性剤により溶解させる第1タンク
    と、 この第1タンクにおいて溶解された重金属スラッジの溶
    解液を濾過して酸性溶液に溶解しない物質を濾別する第
    1濾過器と、 この第1濾過器によって濾過されることにより生成され
    た抽出原液を収容してアルカリ処理を行うことによりニ
    ッケルおよびコバルト以外の金属水酸化物を沈殿させる
    第2タンクと、 この第2タンク内の抽出原液を濾過して沈殿した金属水
    酸化物を濾別する第2濾過器と、 この第2濾過器によって濾過されることにより生成され
    た粗ニッケル・コバルト溶液を収容して還元処理とアル
    カリ処理を行うことにより粗ニッケル・コバルト溶液に
    含まれているクロムの水酸化物を沈殿させる第3タンク
    と、 この第3タンク内の粗ニッケル・コバルト溶液を濾過し
    て沈殿したクロムの水酸化物を濾別する第3濾過器と、 を備えていることを特徴とする重金属スラッジからの有
    価金属回収装置。
  11. 【請求項11】 前記第1タンクに、重金属スラッジの
    酸性剤による溶解時に発生する有毒ガスの有害成分を除
    去する排ガス装置が接続されている請求項10に記載の
    重金属スラッジからの有価金属回収装置。
  12. 【請求項12】 前記第3濾過器によって濾過されるこ
    とにより生成された純粋ニッケル・コバルト溶液を収容
    してアルカリ処理を行うことによりニッケルとコバルト
    の水酸化物を沈殿させる第4タンクと、 この第4タンク内の純粋ニッケル・コバルト溶液を濾過
    して沈殿したニッケルとコバルトの水酸化物を濾別する
    第4濾過器と、 この第4濾過器によって濾別されたニッケルとコバルト
    の水酸化物を収容して洗浄する第5タンクと、 をさらに備えている請求項10に記載の重金属スラッジ
    からの有価金属回収装置。
JP22405999A 1999-08-06 1999-08-06 重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置 Pending JP2001049362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22405999A JP2001049362A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22405999A JP2001049362A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001049362A true JP2001049362A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16807940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22405999A Pending JP2001049362A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001049362A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003027154A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Nikko Materials Co Ltd 高純度白金及びパラジウムの回収方法
JP2008513597A (ja) * 2004-09-17 2008-05-01 ビーエイチピー・ビリトン・エスエスエム・テクノロジー・ピーティーワイ・リミテッド 組み合わされた湿式精錬および乾式精錬の処理によるフェロニッケルまたはニッケルマットの生産
JP2008527164A (ja) * 2004-12-30 2008-07-24 ビーエイチピー・ビリトン・エスエスエム・テクノロジー・ピーティーワイ・リミテッド 樹脂溶出液流からニッケル及びコバルトを回収する方法
JP2010248573A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Ihi Corp 金属残渣の処理方法及び処理装置
JP2011131183A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Ihi Corp 金属残渣の処理方法及び処理装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003027154A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Nikko Materials Co Ltd 高純度白金及びパラジウムの回収方法
JP2008513597A (ja) * 2004-09-17 2008-05-01 ビーエイチピー・ビリトン・エスエスエム・テクノロジー・ピーティーワイ・リミテッド 組み合わされた湿式精錬および乾式精錬の処理によるフェロニッケルまたはニッケルマットの生産
JP2008527164A (ja) * 2004-12-30 2008-07-24 ビーエイチピー・ビリトン・エスエスエム・テクノロジー・ピーティーワイ・リミテッド 樹脂溶出液流からニッケル及びコバルトを回収する方法
JP2010248573A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Ihi Corp 金属残渣の処理方法及び処理装置
JP2011131183A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Ihi Corp 金属残渣の処理方法及び処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105540973B (zh) 高砷污酸废水净化及循环利用的方法
US4127989A (en) Method for separating metal values from brine
CN105969993A (zh) 一种高砷烟灰综合回收处理的方法
CN106282577B (zh) 一种不锈钢酸洗废水的资源化利用及处理方法
CN107699695A (zh) 一种从废scr脱硝催化剂中回收钨、钒的方法
CN104759462B (zh) 一种具有尾气处理功能的土壤淋洗提质修复装置
WO2019137543A1 (zh) 一种富氧选择性浸出钛精矿制备高纯度TiO2的方法
CN107673409A (zh) 利用酸洗污泥和酸洗废液制备镁锌铁氧体的系统及方法
CN105152205B (zh) 一种从废烟气脱硝催化剂中回收Ti和V的方法及装置
CN109437285A (zh) 一种绿色环保生产二氧化锗的方法
JP2001049362A (ja) 重金属スラッジからの有価金属回収方法および装置
CN109097568B (zh) 一种从含硒砷碱性浸出液中分离硒和砷的方法
CN105200236B (zh) 一种从废烟气脱硝催化剂中回收w和v的方法及装置
JP2010001175A (ja) アルミン酸ナトリウムと水素との生成方法
JP4688399B2 (ja) 鉄塩酸処理廃液から塩酸を回収する方法
CN105600758B (zh) 一种提纯硒的湿法精炼工艺
CN105217686B (zh) 一种从废烟气脱硝催化剂中回收金属氧化物的方法和装置
CN107502757B (zh) 一种从镀镍槽渣和污泥中回收再生硫酸镍的方法
CN108854490B (zh) 一种氯乙酸尾气净化及副产盐酸脱硫工艺
FI71771C (fi) Foerfarande foer framstaellning av ett taett koboltpulver.
JP4270694B2 (ja) 酸化鉄の製造方法および製造設備
CN106495356A (zh) 钢铁行业硝酸氢氟酸混合酸酸洗废液的处理方法及系统
WO2023029572A1 (zh) 一种氮化铝的制备方法
US4012297A (en) Mercury recovery and recycle process
CN110498436B (zh) 一种用钙钛矿制取二氧化钛粉体和氟化钙的方法