JP2008081824A - 白金族を含む溶液からルテニウムを除去する装置 - Google Patents

白金族を含む溶液からルテニウムを除去する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 白金族を含む溶液からルテニウムを酸化蒸留で除去する際に、効率的にルテニウムを除去する蒸留装置を提供すること。
【解決手段】 ルテニウムおよび白金族を含む溶液に酸化剤を加えてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して選択的に除去する装置において、
少なくとも1ヶ所以上の空気吹き込み口最下部の高さが反応槽の底部から5〜20mmにして、反応槽内を減圧して空気を吹き込むことで、比重が大きい四酸化ルテニウム底部に溜めずに効率的に撹拌でき、ルテニウムを容易に除去できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、白金族を含有する溶液、例えば、銅電解スライムの浸出後液から選択的にルテニウムを除去する装置に関する。
ルテニウムを分離回収する方法としては四酸化ルテニウム(RuO4)の揮発性を利用した酸化蒸留方法が知られている。例えば文献 日本原子力学会誌28巻 493ページから500ページ(非特許文献1)のように、白金族を含む残渣に酸化剤を加えたアルカリ融解で溶解した液に塩素を通じて流出した四酸化ルテニウムを回収する方法、ルテニウムを含む沈殿物を硝酸で溶解した液に過マンガン酸カリウムを加えて空気を吹き込み苛性ソーダ溶液中に四酸化ルテニウムを回収する方法が示された。ここではマントルヒーターで加熱したフラスコ内にガスの導入管を差込み、ガスを導入する。
また、特開2004-332041号(特許文献1)のように白金族を含む溶液かに、酸化剤として例えば臭素酸ナトリウム(NaBrO3)を用い四酸化ルテニウムとして蒸留しルテニウムを分離回収する方法がある。
また、特願2004-353480号(特許文献2)では四酸化ルテニウム蒸気を塩酸溶液中に導いて塩化ルテニウムに変換して回収するが、効率的に回収するために空気を流しながら蒸留すると、蒸留液に空気を吹き込むと有害な四酸化ルテニウムの蒸気が連結部から漏出したり、閉塞が生じると加圧になって連結部が外れたり破裂するといった問題がある。このため装置内を吸引ポンプにて減圧にして、吸い込んだ空気を流して四酸化ルテニウムを反応槽から塩酸溶液中に移す方法を開示した。さらに、臭素酸ナトリウムが四酸化ルテニウムに変換できるpH領域が0.5〜2.5の範囲であること、酸化剤の分解によりpHが上がる前に効率的にルテニウムを四酸化ルテニウムに変換するためには十分な濃度の酸化剤が必要であることを開示した。
吸引ポンプを用いて減圧下で空気を流して四酸化ルテニウムを反応槽から塩酸溶液中に移す際に、比重が大きい四酸化ルテニウムが反応槽の底に溜まって残りやすい問題があった。ルテニウムが反応槽内に残ると、ルテニウム以外の白金族を溶液から回収する際に支障となる。
そこで反応槽内を撹拌することを検討したが、四酸化ルテニウムが強酸化性を有するので、装置の素材は樹脂や金属を用いることが好ましくなく、ガラスや石英など素材が限定され、減圧下でシール性を維持して撹拌することが困難であった。このため、反応槽から四酸化ルテニウムを除去するために長時間空気を流さなければならなかった。
渡利一夫、他 著「日本原子力学会」誌 1986年 116巻484ページから492ページ 特開2004-332041号 特願2004-353480号
本発明では上記の欠点を解決するためになされたもので、白金族を含む溶液からルテニウムを酸化蒸留で選択的に除去する際に、効率的にルテニウムを除去する方法を提供することを目的とする。
ルテニウムおよび白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムの内から1種類以上の白金族を含む溶液からルテニウムを選択的に除去する装置において、溶液中のルテニウムを四酸化ルテニウムに変換し、これを除去するために反応槽に導入する空気で槽内を撹拌して、比重の大きい四酸化ルテニウムを分散することで、蒸留の効率を改善する方法を検討した。その結果、四酸化ルテニルムを効率的に蒸留するためには、反応槽の底部から5〜20mmの位置から空気を流しながら蒸留することが重要であることを見出した。
すなわち本発明は、
(1)ルテニウムおよび白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムの内から1種類以上の白金族を含む溶液に酸化剤を加えてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して除去する装置において、反応槽内を減圧して空気を吹き込むことで撹拌し、少なくとも1ヶ所以上の空気吹き込み口最下部の高さが反応槽の底部から5〜20mmとすることにより選択的にルテニウムを前記溶液から除去することを特徴とするルテニウムの除去装置
を提供するものである。
本発明の方法及び装置を用いて、白金族を含む溶液からルテニウムを分離回収することで、
(1)ルテニウムおよび白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムの内から1種類以上の白金族を含む溶液からルテニウムを1回の蒸留操作で除去できる。
(2)槽内に四酸化ルテニウムの沈降を防止し、効率的にルテニウムを除去できる。
本発明の詳細について述べる。本発明の目的は白金族を含む溶液からルテニウムを効率的に除去することである。
酸化蒸留法はルテニウムを揮発性の四酸化ルテニウムに変換して蒸留して、塩酸溶液あるいは水酸化ナトリウム溶液に導いて回収する方法として古くから知られている。酸化剤に臭素酸ナトリウムを用いた場合、pH領域が0.5〜2.5の範囲でルテニウムを四酸化ルテニウムに変換できる。変換した四酸化ルテニウムは、吸引ポンプを用いて槽内を減圧にして空気を流し、揮発性の四酸化ルテニウムを塩酸溶液中に導入して塩化ルテニウム溶液にして回収する。
塩化ルテニウム溶液は既知の方法で、ルテニウム粉として回収する。例えば、ギ酸などの還元剤を加えてルテニウム粉に還元する方法、塩化アンモニウムを加えて塩化ルテニウム酸アンモニウムの沈殿としてこれを還元性雰囲気中で分解する方法が挙げられる。
一方で、反応槽内の白金溶液中に少量のルテニウムが残留することがある。四酸化ルテニウムは沸点が約130℃であり、水の沸点よりも高く、反応槽内では四酸化ルテニウムの一部が液体状になっている。このため比重が大きい四酸化ルテニウムが反応槽の底に凝集して溜まり、ルテニウムが反応槽内に残りやすい問題があった。
ルテニウムを回収することが目的であれば回収率が若干低下する程度であるが、ルテニウム以外の白金族元素を精製することを目的とする場合は、少量のルテニウムの残留が問題となる。このため1回の蒸留で十分な除去ができていない場合は、蒸留中に酸化剤の分解によってpHが変化するため、酸化剤を分解してpHを再調整してから再蒸留を行うか、溶媒抽出法、イオン交換法などの手法でルテニウムを除去することが必要になる。
ルテニウムが反応槽内に残留する原因は、比重が大きい四酸化ルテニウムが反応槽の底に凝集して溜まり、揮発されにくいことにある。このため、反応槽内を十分に撹拌して四酸化ルテニウムを細かい液滴状にして溶液中に分散して、四酸化ルテニウムを揮発しやすくする必要があった。
このため、反応槽内に撹拌羽根を入れてモーターで撹拌する方法、反応槽内に磁石をテフロンあるいはガラスでコーティングした撹拌子を入れてマグネットスターラーで撹拌する方法を検討した。
本発明装置の素材は、四酸化ルテニウムが強酸化性を有し、樹脂や金属と容易に反応するため樹脂や金属を用いることが好ましくなく、ガラスや石英などを用いることが好ましい。
撹拌羽根を入れる方法は、有毒な四酸化ルテニウムが揮発するため回転部を完全にシールすることが必要であるが、ガラスや石英などを用いて回転部を密閉することが困難であった。
また、撹拌子を入れてマグネットスターラーで撹拌する方法は、撹拌子テフロンを用いると四酸化ルテニウムとテフロンが反応して黒色の二酸化ルテニウムが精製すること、ガラスを用いると容器との摩耗によって、容器が損傷しやすくなる問題があった。さらに液量が少ない場合は撹拌の効果が得られるが、液量が多くなると十分な撹拌力を得ることができなくなった。
反応槽で揮発した四酸化ルテニウムを塩化ルテニウムにて回収する吸収槽に移すが、効率的に四酸化ルテニウムを回収するためには、空気を流しながら蒸留することが望ましい。
そこで、反応槽内を撹拌するために反応槽の中に空気吹き込み口を設けたガラス管(空気導入管)から空気を吹き込むことで、気泡によって撹拌する方法を検討した。蒸留液に空気を吹き込むと有害な四酸化ルテニウムの蒸気が連結部から漏出したり、途中に閉塞が生じると加圧になって連結部が外れたり破裂するおそれがあった。
そこで吸収槽側から吸引ポンプを用いて装置内を減圧下にして、反応槽の中に設けた空気吹き込み口から空気を吸い込こむようにすることで、空気を吹き込む場合と同様に空気撹拌の効果が得られるようになった。
減圧にすることで、連結部から有毒な四酸化ルテニウムの蒸気が漏出することがなくなった。連結部に隙間があっても空気を吸い込み排気量が増すが、反応槽に必要な空気量が導入できる吸引ポンプを用いれば良い。同じ空気量でも加圧して空気を吹き込む場合よりも、気泡の大きさが大きく、大きな撹拌力を得ることができる。さらに、閉塞が生じた場合も加圧状態になることがなく、吸引ポンプの負圧以上に下がることもない。
ガラスや石英などの脆性な素材は、圧縮の力に対しては大きな強度を有するが、引張りの力に対して弱いので、装置を減圧にすることは装置に圧縮の力が加わることになるため破損しにくい利点がある。負圧に対して装置に応力が集中する角を作らないように、球状の丸底フラスコや円筒状の管を組み合わせて装置を作製することが好ましい。
このように、吸引ポンプを用いて減圧下で空気を流して反応槽を撹拌する場合に、気泡の通り道に当たる部分は十分に撹拌できるが、気泡が通らない部分の撹拌力が弱い問題がある。
空気撹拌では空気吹き込み口よりも上側は吹き込み口を増やすことで撹拌できるが、吹き込み口より下に気泡が行きにくいため底部を撹拌することが難しい。比重が大きい液体状の四酸化ルテニウムは反応槽の底に溜まるため、効率的に四酸化ルテニウムを微細な液滴状にすることが必要であった。
そこで、本発明では反応槽を耐熱ガラス製の丸底フラスコで作製して、液体状の四酸化ルテニウムを底部に集まるので、空気の吹き込み口の位置を変えたところ、完全にルテニウムを抜くことができた。反応槽の底部に溜まる四酸化ルテニウムを撹拌するには、空気の吹き込み口の位置が重要であることがわかった。
空気の吹き込み口の位置を調整する試験から、望ましい反応槽から空気の吹き込み口の最下部の高さが反応槽の底部から5〜20mmであることが明らかになった。この範囲では、1回の蒸留操作でルテニウムを完全に除去できる。
なお、反応槽の形状は丸底フラスコに限定されるものではなく、液体状の四酸化ルテニウムが集まる底部が広いあるいは複数あるような形状でも可能で、空気の吹き込み口を複数設ければよい。また、反応槽の材質は耐熱ガラスに限定されるものではない。
望ましい反応槽から空気の吹き込み口の最下部の高さが反応槽の底部から5〜20mmである理由を述べる。1回の蒸留で四酸化ルテニウムを十分に除去するためには、反応槽の底部まで十分に撹拌されることが必要であり、少なくとも反応槽の底部の直近まで気泡が到達することが望ましい。
しかし、気泡は空気の吹き込み口から直ちに上昇してしまうため、空気の吹き込み口の位置を底に近づけることが望ましい。試験により、空気の吹き込み口の最下部の高さが反応槽の底部から20mmを超えると、反応槽に残留するルテニウム量が多くなることが判明した。
一方で、空気の吹き込み口が底に近すぎると空気を排出しにくくなり、導入管と反応槽の間で気泡による異常振動が生じることがあり、破損の原因となる恐れがある。このため、空気の吹き込み口の最下部の高さが反応槽の底部から5mm以上とすることが望ましい。
空気吹き込み口の形状は、生成する気泡の大きさと撹拌力に影響するが、開口部を小さくして気泡を小さくすると撹拌力が弱くなること、吹き込み口に塩が析出して閉塞しやすくなる。また、開口部が大きくなると気泡が大きくなり、液面に異常振動をもたらすことがある。適正な開口部の内径は反応槽の液量と空気量に依存するが、内径が5〜30mm程度である。
空気導入管に流す空気量は特に規定されるものではないが、目安として1分間当たりに反応槽の液量に対して1/5〜2倍程度である。空気量が少なすぎると撹拌の効果が十分でなく、揮発した四酸化ルテニウムを吸収槽へ移すために長時間を要するようになる。
また、空気量が多すぎると反応槽の嵩が増したり、液の飛散が激しくなり、吸収槽側へ反応液が移って回収したルテニウムの品位が低下することがある。
反応槽内の圧力は、導入する空気量や四酸化ルテニウムの揮発速度に影響するが、大気圧より5〜30kPa程度の減圧が望ましい。
以下に本発明の実施例を説明する。実施例は図1に示した蒸留装置を用いて行なった。図2に示した反応槽内の空気導入管の先端を、反応槽の底部から5mmの高さに調節した。
マントルヒーター内に設置した反応槽にpHを1に調整したルテニウムおよび白金族(Rh、Ir、Pd、Pt)を含む塩酸酸性溶液を70L入れた。これに臭素酸ナトリウムを14kg加えて四酸化ルテニウムを生成し、反応槽をマントルヒーターで加熱しながら液中に空気を毎分70Lで流した。
このときに空気導入管に純水を毎時0.3Lで流して閉塞を防止した。四酸化ルテニウム蒸気を含む空気を、80℃に加熱したトラップ槽の3%臭素酸ナトリウム溶液に通じて、6規定塩酸溶液を入れた吸収槽に導き、四酸化ルテニウム蒸気を塩化ルテニウム溶液として回収した。
吸収液を通じた空気は臭素酸ナトリウムが分解した臭素ガスを含むので、16%水酸化ナトリウム溶液に臭素を吸収し、排気ポンプで排気する。蒸留は液温80℃で2時間の空気吹込みを行なった。
表1に実施例1の液組成、液量、分配比の結果を示す。実施例1は、反応槽の空気吹き込み口最下部の高さが反応槽の底部から5mmであるが、蒸留後の反応槽中ルテニウム濃度は0.001g/L未満であり、反応槽からルテニウムを除去できた。
ルテニウム以外の白金族はほぼ全量が反応槽に残り、吸収槽にルテニウム以外の白金族が含まれていない。また、吸収槽を2段設けることにより、ルテニウムのほぼ全量を回収し、ルテニウムを他の白金族から除去することができた。




以下実施例2を表2に実施例2の液組成、液量、分配比の結果に基づき説明する。実施例2は、反応槽内の空気導入管の先端を、反応槽の底部から20mmの高さに調節したこと以外は実施例1と同じ装置、手順で実施した。加えた臭素酸ナトリウムの量は14kgで、空気を毎分70Lで流しながら、液温80℃で2時間の蒸留を行った。
蒸留後の反応槽中ルテニウム濃度は0.001g/L未満であり、反応槽からルテニウムを除去できた。ルテニウム以外の白金族は、ほぼ全量が反応槽に残り、吸収槽にはルテニウム以外の白金族が含まれていない。また、吸収槽を2段設けることにより、ルテニウムのほぼ全量を回収し、ルテニウムを他の白金族元素から除去することができた。




(比較例1)
以下比較例1を説明する。比較例1は反応槽内の空気導入管の先端を、反応槽の底部から30mmの高さに調節したこと以外は実施例と同じ装置、手順で実施した。表3に比較例1の液組成、液量、分配比の結果を示す。加えた臭素酸ナトリウムの量は14kgで、空気を毎分70Lで流しながら、液温80℃で2時間の蒸留を行った。
蒸留後の反応槽中ルテニウム濃度は0.12g/Lであり、反応槽中にルテニウムが残った。これは、空気導入管の先端が反応槽の底部から30mmと高ったため、反応槽の底部を十分に撹拌することができず、比重の大きい四酸化ルテニウムが底部に溜まり、揮発できなかったためである。この蒸留後の反応槽液から他の白金族を回収するときに、十分な品位が得られずに支障となった。



(比較例2)
以下比較例2を説明する。比較例2は反応槽内の空気導入管の先端を、反応槽の底部から3mmの高さに調節したこと以外は実施例と同じ装置で実施した。反応槽に液を70L入れ、空気を毎分70Lで流したところ、空気導入管が振れてガラス同士が接触したため、試験を中断した。空気導入管の先端と反応槽底部の間隔が狭いため、空気の流れが妨げられ、気泡によって空気導入管が振動するようになり、反応槽と接触した。反応槽および空気導入管に破損の恐れがあり、不適当である。
図3は実施例および比較例の結果を、反応槽の底部から空気導入管の最下部までの高さと蒸留後に反応槽の溶液中ルテニウム濃度との関係である。最下部までの高さが5〜20mmの範囲では反応槽の溶液中ルテニウム濃度が低く、ルテニウムを効率的に除去できることがわかる。
実施例および比較例で使用したルテニウム蒸留装置の説明図である。 実施例および比較例で使用したルテニウム蒸留装置反応槽の説明図である。 実施例および比較例の結果をまとめた説明図である。

Claims (1)

  1. ルテニウムおよび白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムの内から1種類以上の白金族を含む溶液に酸化剤を加えてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して除去する装置において、
    反応槽内を減圧して空気を吹き込むことで撹拌し、少なくとも1ヶ所以上の空気吹き込み口最下部の高さが反応槽の底部から5〜20mmとすることにより選択的にルテニウムを前記溶液から除去することを特徴とするルテニウムの除去装置。
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