JP2013177347A - 結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子、太陽電池、トランジスタ等の有機電子デバイスへの適用できる有機半導体において、優れた有機半導体特性を発揮する、結晶性の縮合多環芳香族化合物製造方法の提供。
【解決手段】縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体のイオン液体溶液を加熱し、前記前駆体から前記脱離基を脱離させて、前記イオン液体溶液中で前記縮合多環芳香族化合物の結晶を生じさせる。前記縮合多環芳香族化合物としては、例えば縮合多環芳香族炭化水素化合物または縮合多環複素芳香族化合物が挙げられる。前記イオン液体としては、フッ素系イオン液体が好ましい。
【選択図】図1(b)

Description

本発明は、結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法に関するものである。
テトラセンやペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物は、有機半導体としてその有用性が広く知られている。これらの化合物は、高い電荷移動度を有するため、優れた有機半導体特性を発揮する。そのため、このような縮合多環芳香族化合物は発光素子、太陽電池、トランジスタ等の有機電子デバイスへの適用が種々検討されている。縮合多環芳香族化合物のうち多くの化合物は有機溶媒に難溶性であるため、真空蒸着法により基板上に薄膜を成膜する方法がとられていた。しかしながら、このような真空蒸着法は、煩雑な装置を必要とするため、より簡便な方法で基板上に成膜出来る方法が望まれていた。また、真空蒸着法では、基板を高温で保持する必要があるため、基板に熱耐性が必要となり、製造できる有機電子デバイスの汎用性に欠ける傾向があった。
そのような背景から、近年、縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を導入し、そのような前駆体の有機溶媒溶液を調製し、その溶液を基板上に塗布し、基板を加熱することにより基板上で前記脱離基を脱離させ、縮合多環芳香族化合物の層を形成する方法が開発された(例えば特許文献1、2)。
しかし、これらの溶液を用いる塗布法により製造された縮合多環芳香族化合物の層には、電荷移動度にさらなる改善が必要な場合も多かった。
国際公開第2011/24804号パンフレット 国際公開第2010/79828号パンフレット
前記塗布法により製造された縮合多環芳香族化合物の層は、結晶性が低い場合や結晶の質が悪い場合が多く、その結晶性の低さおよび結晶の質の悪さが電荷移動度に悪影響を与えていると本発明者らは考えた。そこで、本発明は、結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する簡便な方法の提供を目的とする。
本発明は、縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体のイオン液体溶液を加熱し、前記前駆体から前記脱離基を脱離させて、前記イオン液体溶液中で前記縮合多環芳香族化合物の結晶を生じさせる前記結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法である。
本発明によれば、結晶の縮合多環芳香族化合物を簡便に得ることができる。
実施例1の液滴状の溶液の光学顕微鏡写真である。 実施例1の液滴状の溶液の表面の光学顕微鏡写真である。 図2は、実施例7で得られた有機FET素子のFET特性を示す図である。 図3は、実施例7で得られた有機FET素子のFET特性を示す図である。 図4は、実施例7で得られた有機FET素子の出力特性を示す図である。
本発明者らは、前記塗布法により製造された縮合多環芳香族化合物の層の結晶性が低い原因について、種々検討したところ、以下のように推測した。すなわち、塗布法では基板上に前駆体の溶液を塗布し、前駆体の膜を形成する。その膜中の前駆体は基板上で加熱により縮合多環芳香族化合物へ変換される。前駆体は大きく構造変化して縮合多環芳香族化合物へ変換されるが、膜中では前駆体は自由に動くことができないため、得られる縮合多環芳香族化合物は多結晶であると考えられる。その結果、基板上に得られた縮合多環芳香族化合物の膜は不均質であり、よって、電荷移動度に悪影響を与えていると考えられる。
そこで、本発明者らは、縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体をイオン液体中に溶解させ、その溶液を加熱することにより、溶液中で前記前駆体から前記脱離基を脱離した前記縮合多環芳香族化合物を誘導し,さらに得られた化合物を不揮発性であり、かつ粘性も高いイオン液体中でゆっくりと結晶化をさせることより,高品質な結晶を得ることを見出した。このような知見に基づき、本発明者らは、結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法を完成した。
本発明は、縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体のイオン液体溶液を加熱し、前記前駆体から前記脱離基を脱離させて、前記イオン液体溶液中で前記縮合多環芳香族化合物の結晶を生じさせる前記結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法である。以下、「結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法」を単に「本発明の結晶の製造方法」と呼ぶことがある。
本発明において結晶とは、結晶として欠陥がほぼ無い高品質な結晶が好ましい。結晶として欠陥がほぼ無いとは、結晶の純度が高い、結晶の形が大きい、結晶中の原子の欠損がほぼ無い等を意味する。なお、イオン液体としてフッ素系イオン液体を用いた場合、イオン液体溶液中で2種類以上の結晶形の結晶が生成した場合であっても、イオン液体溶液の表面に析出する結晶はほぼ均一な結晶形の結晶である。従って、別の基板をイオン液体の表面に接触させることにより、結晶形がほぼ均一の高品質な結晶を別の基板の表面へ移し取ることが可能である。
本発明において、「縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体」の「熱脱離可能に付加した」とは、前駆体が、加熱によって、縮合多環芳香族化合物を分解させずに、脱離基を脱離させることを意味する。
例えば、「縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体」が、下記式(1)の化合物であり、「縮合多環芳香族化合物」が下記式(2)の化合物の場合、式(1)の化合物を加熱することにより、式(2)の化合物を分解させずに、O=S=N−C(=O)CH3として脱離基−S=O−N(COCH3)−を脱離させることを意味する。なお、このような反応は、例えば、国際公開第2010/079828号、国際公開第2011/24804号、Peter T. Herwigら, Adv. Mater. 1999, 11, 480-483、A. R. Brownら, J. Appl. Phys. 1996, 79, 2136-2138、A. R. Brownら, Science, 1995, 270, 972-974、A. Afzaliら, Synthetic Metals, 2005, 155, 490-494、Kevin P. Weidkampら, J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 12740-12741、A. Afzaliら, J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 8812-8813、Hiroko Yamadaら, Chem. Eur. J. 2005, 11, 6212-6220、Akane Masumotoら, Japanese Journal of Applied Physics 2009, 48, 051505等において知られている。
[縮合多環芳香族化合物]
本発明における縮合多環芳香族化合物には、芳香族性を有する縮合多環化合物であれば、限定されない。前記縮合多環芳香族化合物は、例えば、縮合多環芳香族炭化水素化合物または縮合多環複素芳香族化合物である。
本発明において、下記に説明する用語は、以下のとおりである。
本発明において、「2〜5個のベンゼン環が縮合している環部分」としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラセン、ピセン、ペンタセン等から誘導される環部分が挙げられる。
本発明において、「複素芳香族環」とは、炭素原子と硫黄、酸素および窒素から選択されるヘテロ原子を1以上含む環であって、芳香族性を有するものである。前記複素芳香族環としては、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン等が挙げられる。
本発明において、「ベンゼン環および複素芳香族環から選択される2〜5個が縮合している環部分」とは、例えば1個の複素芳香族環と1〜4個のベンゼン環が縮合している環部分、2個の複素芳香族環が縮合している環部分、2個の複素芳香族環と1〜3個のベンゼン環が縮合している環部分、3個の複素芳香族環が縮合している環部分、3個の複素芳香族環と1〜2個のベンゼン環が縮合している環部分、4個の複素芳香族環が縮合している環部分、および4個の複素芳香族環と1個のベンゼン環が縮合している環部分が挙げられる。
前記「ベンゼン環および複素芳香族環から選択される2〜5個が縮合している環部分」としては、例えば、イソベンゾフラン、インドリン、インドール、インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン等から誘導される環部分が挙げられる。
本発明において、「置換または非置換の環部分」の「置換の環部分」とは、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、C1〜C20アルキル基、C1〜C20アルコキシル基等の置換基を有する環部分を意味する。
本発明において、「C1〜C20アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜20のアルカンの残基を意味する。C1〜C20アルキル基は、C1〜C10アルキル基が好ましく、C1〜C6アルキル基がより好ましい。好ましいC1〜C10アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル等が挙げられる。
本発明において、「C2〜C20アルケニル基」とは、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等の炭素数2〜20のアルケンの残基を意味する。C2〜C20アルケニル基は、C2〜C10アルケニル基が好ましく、C2〜C6アルキニル基がより好ましい。好ましいC2〜C10アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル等が挙げられる。
本発明において、「C2〜C20アルキニル基」とは、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル等の炭素数2〜20のアルキンの残基を意味する。C2〜C20アルキニル基は、C2〜C10アルキニル基が好ましく、C2〜C6アルキニル基がより好ましい。
本発明において、「置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基」の「置換基」とは、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられる。
本発明において、「C1〜C20アルコキシル基」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、第三級ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜20のアルカンの残基を含むC1〜C20アルキルオキシ基を意味する。C1〜C20アルコキシ基は、C1〜C10アルコキシ基が好ましく、C1〜C6アルコキシ基がより好ましい。好ましいC1〜C10アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、第三級ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ等が挙げられる。
本発明において「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であるのが好ましい。
本発明において、「アリール基」とは、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10の芳香族炭化水素の残基を意味する。アリール基は、フェニル基が好ましい。
本発明において、「アリールアルキル基」は、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基、ナフチルペンチル基、ナフチルヘキシル基等の前記アルキル基に前記アリール基が結合したものを意味する。前記アリールアルキル基は、アリール基とC1〜C10アルキル基が結合したものが好ましく、アリール基とC1〜C6アルキル基が結合したものがより好ましい。
本発明において、「シクロアルキル基」とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3〜7のシクロアルキル基を意味する。前記シクロアルキル基としては、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が好ましい。
前記縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、例えば、下記式(I)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物が挙げられる。
Ar1Ar2Ar3 式(I)
前記式(I)において、
Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2〜5個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択され、
Ar2は、ベンゼン環部分であり、
Ar1とAr2は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
Ar2とAr3は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成している。
前記式(I)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、Ar1およびAr3が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択されるのが好ましく、Ar1およびAr3が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している非置換の環部分から選択されるのがより好ましい。
前記式(I)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
前記縮合多環芳香族炭化水素化合物が前記式(I)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物である場合、その前駆体は、例えば、下記式(II)で表される。
Ar1Ar4Ar3 式(II)
前記式(II)において、
Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2〜5個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択され、
Ar4は、以下の式(Y)で表される部分であり、
[式(Y)中、−A−は、以下の式(i)〜(vii)のいずれかから選択される式で表される。
前記式(ii)中、R1は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
前記式(iii)中、R2は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
前記式(iv)中、X1、X2、X3およびX4は、互いに独立して、ハロゲン原子またはシアノ基である。
前記式(vi)中、R3は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、アリールアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基である。]
Ar1とAr4は、式(Y)における2つの炭素原子aとbを共有して縮合し、
Ar4とAr3は、式(Y)における2つの炭素原子cとdを共有して縮合している。
前記式(II)で表される前駆体を加熱することにより、脱離基−A−が脱離し、式(I)の縮合多環芳香族化合物へ変換される。
前記式(II)において、−A−が式(i)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、COが脱離し、−A−が式(ii)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、R1−N=C=Oが脱離し、−A−が式(iii)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、R2O−N=C=Oが脱離し、−A−が式(iv)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、下記式(iv’)で表す化合物が脱離し、−A−が式(v)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、CH2=CH2が脱離し、−A−が式(vi)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、下記式(vi’)で表す化合物が脱離し、−A−が式(vii)の場合、式(I)の化合物へ変換される際、下記式(vii’)で表す化合物が脱離する。
前記式(II)で表される前駆体としては、Ar1およびAr3が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択されるのが好ましく、Ar1およびAr3が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している非置換の環部分から選択されるのがより好ましく、Ar1およびAr3が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している非置換の環部分から選択され、−A−が式(ii)または式(iii)であるのがさらに好ましい。
前記式(II)で表される前駆体としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
また、前記縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、例えば、下記式(III)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物が挙げられる。
Ar1Ar2Ar3Ar5Ar6 式(III)
前記式(III)において、
Ar1、Ar3およびAr6は、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2〜5個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択され、
Ar2およびAr5は、ベンゼン環部分であり、
Ar1とAr2は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
Ar2とAr3は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
Ar3とAr5は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
Ar5とAr6は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成している。
前記式(III)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、Ar1、Ar3およびAr6が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択されるのが好ましく、Ar1、Ar3およびAr6が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している非置換の環部分から選択されるのがより好ましい。
前記式(III)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
前記縮合多環芳香族炭化水素化合物が前記式(III)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物である場合、その前駆体は、例えば、下記式(IV)で表される。
Ar1Ar4Ar3Ar7Ar6 式(IV)
前記式(IV)において、
Ar1、Ar3およびAr6は、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2〜5個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択され、
Ar4およびAr7は、それぞれ独立に、以下の式(Y)で表される部分であり、
[式(Y)中、−A−は、以下の式(i)〜(vii)のいずれかから選択される式で表される。
前記式(ii)中、R1は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
前記式(iii)中、R2は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
前記式(iv)中、X1、X2、X3およびX4は、互いに独立して、ハロゲン原子またはシアノ基である。
前記式(vi)中、R3は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、アリールアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基である。]
Ar1とAr4は、式(Y)における2つの炭素原子aとbを共有して縮合し、
Ar4とAr3は、式(Y)における2つの炭素原子cとdを共有して縮合し、
Ar3とAr7は、式(Y)における2つの炭素原子aとbを共有して縮合し、
Ar7とAr6は、式(Y)における2つの炭素原子cとdを共有して縮合している。
前記式(IV)で表される前駆体を加熱することにより、脱離基−A−が脱離し、式(III)の縮合多環芳香族化合物へ変換される。
前記式(IV)において、−A−が式(i)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、COが脱離し、−A−が式(ii)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、R1−N=C=Oが脱離し、−A−が式(iii)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、R2O−N=C=Oが脱離し、−A−が式(iv)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、下記式(iv’)で表す化合物が脱離し、−A−が式(v)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、CH2=CH2が脱離し、−A−が式(vi)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、下記式(vi’)で表す化合物が脱離し、−A−が式(vii)の場合、式(III)の化合物へ変換される際、下記式(vii’)で表す化合物が脱離する。
前記式(IV)で表される前駆体としては、Ar1、Ar3およびAr6が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択されるのが好ましく、Ar1、Ar3およびAr6が、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環が縮合している非置換の環部分から選択されるのがより好ましい。
前記式(IV)で表される前駆体としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
前記縮合多環芳香族炭化水素化合物としては、例えば、下記式(XI)で表される縮合多環複素芳香族炭化水素化合物が挙げられる。
Ar11Ar12Ar13 式(XI)
前記式(XI)において、
Ar11およびAr13は、それぞれ独立に、ベンゼン環および複素芳香族環から選択される1個からなる置換または非置換の環部分ならびにベンゼン環および複素芳香族環から選択される2〜5個が縮合している置換又は非置換の環部分から選択され、
Ar12は、ベンゼン環部分であり、
Ar11とAr12は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
Ar12とAr13は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成している。
なお、Ar11およびAr13の少なくとも一方は少なくとも1個の複素芳香族環を有する。
前記式(XI)で表される縮合多環複素芳香族化合物としては、Ar11およびAr13が、それぞれ独立に、1個の複素芳香族環または1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2個のベンゼン環と2個の複素芳香族環が縮合している置換または非置換の環部分から選択されるのが好ましく、Ar11およびAr13が、それぞれ独立に、1個の複素芳香族環または1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環と2個の複素芳香族環が縮合している非置換の環部分から選択されるのがより好ましい。
前記式(XI)で表される縮合多環複素芳香族化合物としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
前記縮合多環複素芳香族炭化水素化合物が前記式(XI)で表される縮合多環複素芳香族炭化水素化合物である場合、その前駆体は、例えば、下記式(XII)で表される。
Ar11Ar14Ar13 式(XII)
前記式(XII)において、
Ar11およびAr13は、それぞれ独立に、ベンゼン環および複素芳香族環から選択される1個からなる置換または非置換の環部分ならびにベンゼン環および複素芳香族環から選択される2〜5個が縮合している置換又は非置換の環部分から選択され、
Ar14は、以下の式(Y)で表される部分であり、
[式(Y)中、−A−は、以下の式(i)〜(vii)のいずれかから選択される式で表される。
前記式(ii)中、R1は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
前記式(iii)中、R2は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
前記式(iv)中、X1、X2、X3およびX4は、互いに独立して、ハロゲン原子またはシアノ基である。
前記式(vi)中、R3は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、アリールアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基である。]
Ar11とAr14は、式(Y)における2つの炭素原子aとbを共有して縮合し、
Ar14とAr13は、式(Y)における2つの炭素原子cとdを共有して縮合している。
なお、Ar11およびAr13の少なくとも一方は少なくとも1個の複素芳香族環を有する。
前記式(XII)で表される前駆体を加熱することにより、脱離基−A−が脱離し、式(XIII)の縮合多環複素芳香族化合物へ変換される。
前記式(XII)において、−A−が式(i)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、COが脱離し、−A−が式(ii)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、R1−N=C=Oが脱離し、−A−が式(iii)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、R2O−N=C=Oが脱離し、−A−が式(iv)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、下記式(iv’)で表す化合物が脱離し、−A−が式(v)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、CH2=CH2が脱離し、−A−が式(vi)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、下記式(vi’)で表す化合物が脱離し、−A−が式(vii)の場合、式(XI)の化合物へ変換される際、下記式(vii’)で表す化合物が脱離する。
前記式(XII)で表される前駆体としては、Ar11およびAr13が、それぞれ独立に、1個の複素芳香族環または1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2個のベンゼン環と2個の複素芳香族環が縮合している置換または非置換の環部分から選択されるのが好ましく、Ar11およびAr13が、それぞれ独立に、1個の複素芳香族環または1個のベンゼン環からなる非置換の環部分および2個のベンゼン環と2個の複素芳香族環が縮合している非置換の環部分から選択されるのがより好ましい。
前記式(XII)で表される前駆体としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
前記縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体は、市販で入手してもよいし、文献公知の方法により製造することができる。例えば、前記前駆体は、縮合多環芳香族化合物に、Diels−Alder反応により脱離基を付加させ、次いで芳香族化させることにより得ることができる。前記文献としては、例えば、国際公開第2010/079828号、国際公開第2011/24804号、Peter T. Herwigら, Adv. Mater. 1999, 11, 480-483、A. R. Brownら, J. Appl. Phys. 1996, 79, 2136-2138、A. R. Brownら, Science, 1995, 270, 972-974、A. Afzaliら, Synthetic Metals, 2005, 155, 490-494、Kevin P. Weidkampら, J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 12740-12741、A. Afzaliら, J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 8812-8813、Hiroko Yamadaら, Chem. Eur. J. 2005, 11, 6212-6220、Akane Masumotoら, Japanese Journal of Applied Physics 2009, 48, 051505等を挙げることができる。
本発明の結晶の製造方法において、縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体のイオン液体溶液を加熱し、前記前駆体から前記脱離基を脱離させて、前記イオン液体溶液中で前記縮合多環芳香族化合物の結晶を生じさせる。
本発明において用いるイオン液体溶液の溶媒であるイオン液体としては、従来公知のイオン液体であれば限定されず用いることができる。そのようなイオン液体としては、例えば、カチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)とを組み合わせたイオンのみからなる液体である。本発明において用いるイオン液体は、前駆体を溶解することが可能であり、かつ、縮合多環芳香族化合物の結晶は非溶解性であるものを選択することができる。
前記イオン液体におけるカチオンとしては、例えば、ジアルキルイミダゾリウムイオン「DI+」、トリアルキルイミダゾリウムイオン「TI+」などのイミダゾリウムイオン;テトラアルキルアンモニウムイオン;アルキルピリジニウムイオン;ジアルキルピロリジニルムイオン;ジアルキルピペリジニウムイオン等が挙げられる。
前記ジアルキルイミダゾリウムイオンの中でも、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン「EMIM+」、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムイオン「OMIM+」および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン「BMIM+」が好ましく、前記トリアルキルイミダゾリウムイオンの中でも、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン「DMPI+」および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン「BMIM+」が好ましい。また、テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、ジメチルエチルメトキシアンモニウムイオン「DMEMA+」が好ましい。前記アルキルピリジニウムイオンとしては、1−ブチルピリジニウムイオン「BP+」が好ましい。前記ジアルキルピロリジニルムイオンとしては、メチルプロピルピロリジニウムイオン「Py13+」が好ましい。前記ジアルキルピペリジニウムイオンとしては、メチルプロピルピペリジニウムイオン「PP13+」が好ましい。
前記イオン液体におけるアニオンとしては、例えば、PF6 -、PF3(C253 -、PF3(CF33 -、BF4 -、BF2(CF32 -、BF3(CF3-、ビスオキサラトホウ酸アニオン「BOB-」、Tf-、Nf-、ビス(フルオロスルフォニル)イミドアニオン「FSI-」、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドアニオン「TFSI-」、ビス(ペンタフルオロエタンスルフォニル)イミドアニオン「BETI-」、ジシアノアミンアニオン「DCA-」などが挙げられる。前記イオン液体におけるアニオンとしては、PF6 -、PF3(C253 -、PF3(CF33 -、BF4 -、BF2(CF32 -、BF3(CF3-等のフッ素を含有するものが好ましい。このようなフッ素を含有するアニオンを有するフッ素系イオン液体を用いた場合、製造された縮合多環芳香族化合物の結晶が、そのイオン液体の表面に析出しやすいためである。
前記カチオンとアニオンとを組み合わせたイオン液体としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(emim−TFSI)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(hmim−TFSI)、1−オクチル−3−メチルiイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)(omim−TFSI,io−lo−tec)、四フッ化ホウ酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(Bmim−BF4)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート(Bmim−PF6)等が挙げられる。PF6 -、PF3(C253 -、PF3(CF33 -、BF4 -、BF2(CF32 -、BF3(CF3-、FSI-、TFSI-、BETI-等のフッ素を含有するアニオンを有するフッ素系イオン液体が好ましい。このようなフッ素を含有するアニオンを有するイオン液体を用いた場合、製造された縮合多環芳香族化合物の結晶が、そのイオン液体の表面に析出しやすいためである。
本発明の結晶の製造方法においては、予め、前記前駆体をイオン液体に溶解させ、イオン液体溶液を調製しておくのが好ましい。前記イオン液体中における前記前駆体の濃度は、例えば、0.01〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.05〜0.1重量%である。なお、前記前駆体をイオン液体に溶解させる際、必要に応じて加熱してもよい。
本発明の結晶の製造方法においては、次に、前記溶液を加熱する。前記加熱温度と加熱時間としては、前記前駆体から前記脱離基を脱離させて前記縮合多環芳香族化合物が形成される温度と時間の組み合わせであれば、限定されない。前記加熱温度としては、例えば、150〜300℃、好ましくは120〜180℃、より好ましくは80〜170℃である。また、加熱時間としては、例えば1〜24時間、好ましくは1〜12時間、より好ましくは3〜12時間である。
本発明の結晶の製造方法によれば、前記のように前記前駆体から前記脱離基を脱離させて、前記イオン液体溶液中で前記縮合多環芳香族化合物の結晶を生じさせる。前記結晶としては、例えば、粉末状の結晶、バルク状の結晶、針状結晶、板状結晶、薄片状結晶が挙げられるが、中でも薄片状結晶が好ましい。前記結晶が薄片状結晶であると、そのような結晶を用いた有機半導体層の電荷移動度が向上するためである。薄片状結晶の場合、その厚みは、例えば100〜500nmである。
本発明の結晶の製造方法により得られた結晶は、従来の方法、例えばろ取等により単離してもよい。または、用いるイオン液体がフッ素系イオン液体の場合、イオン液体溶液の表面に析出した結晶することを利用して、別の基板を前記イオン液体溶液の表面と接触させて、別の基板上で結晶を移してもよい。
本発明の結晶の製造方法においては、予め、基板を用意し、前記溶液を前記基板上に滴下させて前記基板上に前記溶液の液滴を配置するのが好ましい。前記基板としては、加熱温度に耐性があれば基板を形成する材料は限定されない。前記基板の材料としては、例えば、鉄、銅、パイレックス(登録商標)、石英等が挙げられる。また、前記前駆体のイオン液体溶液の液滴が配置された基板を加熱してもよい。
さらに、本発明は、有機半導体層の製造方法である。本発明の結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法において、前記イオン液体が、フッ素系イオン液体であり、前記縮合多環芳香族化合物が、有機半導体化合物である場合、前記結晶の縮合多環芳香族化合物は、そのイオン液体溶液の表面に析出する。本発明の有機半導体層の製造方法は、そのイオン液体溶液の表面に析出した前記結晶を、別の基板を前記イオン液体溶液の表面に接触させることにより、前記別の基板の表面に移し、前記別の基板上の前記縮合多環芳香族化合物の結晶を乾燥させて前記結晶の縮合多環芳香族化合物から形成される有機半導体層を得る。
このような有機半導体層の製造方法の製造方法によれば、前記縮合多環芳香族化合物の結晶を、簡便に別の基板へ移すことができるため、有機半導体層を容易に製造することができる。また、このようにして得られた有機半導体層は、電荷移動度が高いという効果を奏し、その結果、得られた有機半導体デバイスの特性が高いという効果が得られる。
前記別の基板としては、前記縮合多環芳香族化合物の結晶から、例えば有機半導体層を形成する場合に、有機素子において用いられうる基板を用いてもよい。前記別の基板としては、例えば、ポリマー(例えばポリエチレンナフトエート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなど)、セラミック、シリコン、石英、ガラス等の基板が挙げられる。前記基板は、表面処理を施した基板であってもよい。
本発明の有機半導体層の製造方法において、得られた、前記別の基板上に配置された、前記結晶の縮合多環芳香族化合物は、さらに、溶媒により洗浄して、残存するイオン液体を除去してもよい。このような溶媒としては、例えば、アセトニトリル、アセトン,メタノール,エタノール等の極性溶媒が挙げられる。
このような有機半導体デバイスとは、有機半導体層を有し、かつ、2つ以上の電極を有し、その電極間に生じる電圧を、電気、光、磁気、化学物質などにより制御するデバイス、または、印加した電圧や電流により、光、電場、磁場などを発生させるデバイスである。このような有機半導体デバイスとしては、例えば、有機光電変交換素子、有機電解効果トランジスタ、有機電解発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子などが挙げられる。
13,6−N−スルフィニルアセタミドペンタセン(Aldrich製、666025、スキーム1中(1))を1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(イオン液体、emim-TFSI)中に0.05重量%の濃度で混合し、65℃で90分加熱することにより溶解させて前駆体溶液を調製した。
アルゴン雰囲気下(酸素濃度0.1ppm未満、および水分濃度0.1ppm未満,グローブボックス内で作業)で120℃に加熱したホットプレート上に配置したカバーガラス(パイレックス)上に前記前駆体溶液を60mg滴下した。ホットプレートを120℃で90分加熱を続けたところ、前駆体からペンタセン(スキーム1中(2))へと熱変換する反応(下記スキーム1参照)の進行とともに、ペンタセンの薄片状単結晶(寸法は約100μm、厚み約200nm)が溶液表面に析出した。
前記溶液の表面に、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS−SAM)で表面処理を行った熱酸化膜(500nm)付きのシリコン基板表面を接触させ、前記シリコン基板表面に、析出したペンタセンの薄片状単結晶を貼り付けた。前記シリコン基板表面上に残存するイオン液体はアセトニトリルにより洗浄して除去した。次いで前記シリコン基板表面上に残留したアセトニトリルを取り除くため、前記シリコン基板を100℃で5分加熱した。その結果、シリコン基板の表面上に配置されたペンタセンの薄膜を得た。得られた結晶の電子顕微鏡写真を図1に示す。図1(a)は、前記液滴状の溶液の状態、図1(b)は、前記溶液の表面の電子顕微鏡写真を示す。図1(a)および図1(b)により示すように、本発明の結晶の製造方法により得られた縮合多環芳香族化合物は、結晶状で、その溶液の表面に析出していることが確認できた。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Emim−TFSI)の代わりに1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Hmim-TFSI、Merck 490031)をイオン液体として用いた以外は、実施例1と同様にして行った。得られた縮合多環芳香族化合物の結晶は、薄片状単結晶(寸法は約100μm、厚み約200nm)と針状結晶(針状の長さは50μm未満)であった。なお、得られた薄片状単結晶は溶液の表面に析出し、針状結晶は溶液内に沈殿した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Emim−TFSI)の代わりに1−オクチル−3−メチルiイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)(Omim−TFSI,io-lo-tec, IL-0099-HP-0025)をイオン液体として用いた以外は、実施例1と同様にして行った。得られた縮合多環芳香族化合物の結晶は、薄片状単結晶(寸法は約100μm、厚み約200nm)と針状結晶(針状の長さは50μm未満)であった。なお、得られた薄片状単結晶は溶液の表面に析出し、針状結晶は溶液内に沈殿した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Emim−TFSI)の代わりに四フッ化ホウ酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(Bmim−BF4)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート(Bmim−PF6)をイオン液体として用いた以外は、実施例1と同様にして行った。得られた縮合多環芳香族化合物の結晶は、バルク状結晶(長さは20μm未満)であり、溶液内に沈殿していた。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Emim−TFSI)の代わりに1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート(Bmim−PF6)をイオン液体として用いた以外は、実施例1と同様にして行った。得られた縮合多環芳香族化合物の結晶は、バルク状結晶(長さは20μm未満)であり、溶液内に沈殿していた。
N-フェニルマレイミド-ジナフトチエノチオフェン前駆体(DNTT前駆体、国際公開第2001/24804号に従い製造した。スキーム2中(3))を1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(イオン液体、Emim−TFSI)中に0.5重量%の濃度で混合して前駆体溶液を得た。
アルゴン雰囲気下(酸素濃度0.1ppm未満、および水分濃度0.1ppm未満,グローブボックス内で作業)で160℃に加熱したホットプレート上に配置したカバーガラス(パイレックス)上に前記前駆体溶液を100mg滴下した。ホットプレートを160℃で12時間加熱を続けたところ、前駆体からDNTT(スキーム2中(4))へと熱変換する反応(下記スキーム2参照)の進行とともに、DNTTの薄片状単結晶(寸法は約100μm、厚み約200nm)が溶液表面に析出した。
金属マスクを通して、実施例1で得られた前記シリコン基板表面の前記ペンタセンの薄膜上に、金を真空蒸着させ、チャネル長100μmおよびチャネル幅100μmのソース電極およびドレイン電極(膜厚30nm)を形成して、ボトムゲート−トップコンタクト型有機FET素子を作製した。作製した素子について、FET特性(ドレイン電圧50V印加時のゲート電圧−ドレイン電流特性)を測定した。FET特性は、窒素雰囲気下、半導体パラメータアナライザー(型番:E5270B、Agilent technology社製)を用いて、測定した。得られた結果を図2に示す。また、ドレイン電圧を−100V印加時に得られた結果を図3に示す。図2および図3は、得られた素子の伝達特性を示す。図2および図3において、縦軸がドレイン電流(−ID(μA))を示しており、横軸がゲート電圧(VG(V))を示している。図2および図3から、本発明の結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法により得られた縮合多環芳香族化合物の結晶から得られた有機半導体層を有するFETの特性は向上していることが確認できた。
図4は、得られた素子の出力特性を示す。図4において、縦軸がドレイン電流(−ID(μA))を示しており、横軸がドレイン電圧(VD(V))を示している。ドレイン電流Idを表す式Id=(w/2L)μCi(Vg−Vth2[式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Ciは絶縁層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧を表す]を用いてキャリア移動度μを算出した。得られたキャリア移動度は、0.69cm2/Vsであった。また、ドレイン電圧−100V印加時ゲート電圧−ドレイン電流特性における最大および最小ドレイン電流値(Id)の比より算出したオン/オフ比は、1.7×105であった(ゲート電圧−100V時)。
本発明の結晶の製造方法によれば、結晶の縮合多環芳香族化合物を簡便に得ることができる。このような製造方法によれば、低製造コストで有機半導体層および有機半導体デバイスを得ることができる。

Claims (10)

  1. 縮合多環芳香族化合物に熱脱離可能に付加した脱離基を有する前駆体のイオン液体溶液を加熱し、前記前駆体から前記脱離基を脱離させて、前記イオン液体溶液中で前記縮合多環芳香族化合物の結晶を生じさせる前記結晶の縮合多環芳香族化合物を製造する方法。
  2. 前記縮合多環芳香族化合物は、縮合多環芳香族炭化水素化合物または縮合多環複素芳香族化合物のいずれか一方である請求項1に記載の方法。
  3. 前記縮合多環芳香族化合物が、下記式(I)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物であり、前記前駆体が、下記式(II)で表される請求項2に記載の方法。

    Ar1Ar2Ar3 式(I)
    Ar1Ar4Ar3 式(II)

    前記式(I)において、
    Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2〜5個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択され、
    Ar2は、ベンゼン環部分であり、
    Ar1とAr2は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
    Ar2とAr3は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成している。
    前記式(II)において、
    Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、1個のベンゼン環からなる置換または非置換の環部分および2〜5個のベンゼン環が縮合している置換または非置換の環部分から選択され、
    Ar4は、以下の式(Y)で表される部分であり、
    [式(Y)中、−A−は、以下の式(i)〜(vii)のいずれかから選択される式で表される。
    前記式(ii)中、R1は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
    前記式(iii)中、R2は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
    前記式(iv)中、X1、X2、X3およびX4は、互いに独立して、ハロゲン原子またはシアノ基である。
    前記式(vi)中、R3は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、アリールアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基である。]
    Ar1とAr4は、式(Y)における2つの炭素原子aとbを共有して縮合し、
    Ar4とAr3は、式(Y)における2つの炭素原子cとdを共有して縮合している。
  4. 前記縮合多環芳香族化合物は、下記式(XI)で表される縮合多環複素芳香族化合物であり、前記前駆体が、下記式(XII)で表される請求項2に記載の方法。

    Ar11Ar12Ar13 式(XI)
    Ar11Ar14Ar13 式(XII)

    前記式(XI)において、
    Ar11およびAr13は、それぞれ独立に、ベンゼン環および複素芳香族環から選択される1個からなる置換または非置換の環部分ならびにベンゼン環および複素芳香族環から選択される2〜5個が縮合している置換又は非置換の環部分から選択され、
    Ar12は、ベンゼン環部分であり、
    Ar11とAr12は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成し、
    Ar12とAr13は、2つの炭素原子を共有して縮合環を形成している。
    なお、Ar11およびAr13の少なくとも一方は少なくとも1個の複素芳香族環を有する。
    前記式(XII)において、
    Ar11およびAr13は、それぞれ独立に、ベンゼン環および複素芳香族環から選択される1個からなる置換または非置換の環部分ならびにベンゼン環および複素芳香族環から選択される2〜5個が縮合している置換又は非置換の環部分から選択され、
    Ar14は、以下の式(Y)で表される部分であり、
    [式(Y)中、−A−は、以下の式(i)〜(vii)のいずれかから選択される式で表される。
    前記式(ii)中、R1は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
    前記式(iii)中、R2は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基またはC2〜C20アルキニル基である。
    前記式(iv)中、X1、X2、X3およびX4は、互いに独立して、ハロゲン原子またはシアノ基である。
    前記式(vi)中、R3は、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、アリールアルキル基、アリール基またはシクロアルキル基である。]
    Ar11とAr14は、式(Y)における2つの炭素原子aとbを共有して縮合し、
    Ar14とAr13は、式(Y)における2つの炭素原子cとdを共有して縮合している。
    なお、Ar11およびAr13の少なくとも一方は少なくとも1個の複素芳香族環を有する。
  5. 前記加熱温度が、80〜120℃である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記イオン液体が、フッ素系イオン液体である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記フッ素系イオン液体が、PF6 -、PF3(C253 -、PF3(CF33 -、BF4 -、BF2(CF32 -およびBF3(CF3-からなる群から選択されるアニオンを含む請求項6に記載の方法。
  8. 前記前駆体のイオン液体溶液の加熱が、前記前駆体のイオン液体溶液の液滴が配置された基板を加熱することにより行われる請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記縮合多環芳香族化合物が、有機半導体化合物である請求項6〜8のいずれかに記載の方法により得られた前記イオン液体溶液の表面に析出した前記結晶を、別の基板を前記イオン液体溶液の表面に接触させることにより、前記別の基板の表面に移し、
    前記別の基板上の前記縮合多環芳香族化合物の結晶を乾燥させて前記結晶の縮合多環芳香族化合物から形成される有機半導体層を得る有機半導体層の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法によって有機半導体層を形成する工程を含む、有機半導体デバイスの製造方法。
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