JP2016136489A - 正極電極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】容量が低下することを抑制できる正極電極及びリチウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】正極金属箔16aと、正極金属箔16aの少なくとも一部を覆っている正極活物質層16bと、を有し、正極金属箔16aの厚さは、12μm以上16μm以下であり、正極活物質層16bには、リチウムを吸蔵及び放出可能なニッケル系活物質を含み、正極活物質層の密度は、3.0g/cm3以上3.4g/cm3以下であり、ニッケル系活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、2.81Å以上2.88Å以下であり、ニッケル系活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、14.24Å以上14.51Å以下である。【選択図】図2
Description
この発明は、正極電極、及びリチウムイオン二次電池に関する。
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、例えばモータなどへの供給電力を蓄える蓄電装置として、リチウムイオン二次電池が搭載されている。
リチウムイオン二次電池は、例えば特許文献1に記載されているように、正極電極と負極電極とが層状に重なっている電極組立体を有しているとともに、各電極は、金属箔と、金属箔の少なくとも一部を覆っている活物質層とを有している。そして、特許文献1では、正極電極について、活物質層の厚さや密度を規定することにより、サイクル寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池用の正極電極を提供しようとしている。
ところで、リチウムイオン二次電池の容量を向上するには、正極電極の活物質として、リチウムを吸蔵及び放出可能なニッケル系活物質を用いるとともに、金属箔を薄くすることが有効と考えられる。しかしながら、ニッケル系活物質は、充放電に伴う膨張及び収縮の量が大きく、活物質層が金属箔から剥離したり、金属箔の強度が不足したりするなどして、リチウムイオン二次電池の容量が低下し易くなる虞がある。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、容量が低下することを抑制できる正極電極及びリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記課題を解決する正極電極は、リチウムイオン二次電池用の正極電極であって、金属箔と、前記金属箔の少なくとも一部を覆っている活物質層と、を有し、前記金属箔の厚さは、12μm以上16μm以下であり、前記活物質層には、リチウムを吸蔵及び放出可能なニッケル系活物質を含み、前記活物質層の密度は、3.0g/cm3以上3.4g/cm3以下であり、前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、2.81Å以上2.88Å以下であり、前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、14.24Å以上14.51Å以下であることを要旨とする。
この構成によれば、充電及び放電に伴う活物質の膨張及び収縮によって、活物質層が金属箔から剥離したり、金属箔の強度が不足したりすることを抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池の容量が低下することを抑制できる。
また、上記課題を解決するリチウムイオン二次電池は、正極電極と負極電極とが層状に重なっている電極組立体を有するリチウムイオン二次電池であって、前記正極電極は、上述のように構成されたリチウムイオン二次電池用の正極電極であることを要旨とする。
この構成によれば、正極電極において、活物質層が金属箔から剥離したり、金属箔の強度が不足したりすることを抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池の容量が低下することを抑制できる。
本発明によれば、容量が低下することを抑制できる。
以下、正極電極及びリチウムイオン二次電池について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、乗用車や産業用車などの車載用であってもよく、定置用であってもよい。リチウムイオン二次電池10は、ケース11と、該ケース11に収容されている電極組立体12と、を備えている。ケース11は、開口部14を有する有底筒状のケース本体13と、開口部14を塞ぐ板状の蓋15と、を有する。ケース本体13及び蓋15は、例えばステンレスやアルミニウムなどの金属製である。また、ケース11には、図示しない電解質として、電解液が収容されている。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、乗用車や産業用車などの車載用であってもよく、定置用であってもよい。リチウムイオン二次電池10は、ケース11と、該ケース11に収容されている電極組立体12と、を備えている。ケース11は、開口部14を有する有底筒状のケース本体13と、開口部14を塞ぐ板状の蓋15と、を有する。ケース本体13及び蓋15は、例えばステンレスやアルミニウムなどの金属製である。また、ケース11には、図示しない電解質として、電解液が収容されている。
図2に示すように、電極組立体12は、正極電極16と負極電極17とを有しているとともに、電極組立体12では、正極電極16と負極電極17とが相互に絶縁された状態で層状に重なっている。即ち、電極組立体12は、正極電極16と負極電極17とが交互に積層された積層構造を有している。なお、電極組立体12は、帯状の正極電極16と帯状の負極電極17とが相互に絶縁された状態で捲回されていてもよい。
また、電極組立体12は、正極電極16と負極電極17との間に介在し、正極電極16と負極電極17とを相互に絶縁している多孔質のセパレータ18を有している。セパレータ18は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂材料製であり、充放電に伴ってリチウム(リチウムイオン)が通過可能となるように微細な空孔構造を有している。
正極電極16は、正極金属箔16aと、正極金属箔16aの少なくとも一部を覆っている正極活物質層16bと、縁部から正極金属箔16aの面方向に突出する正極集電タブ16cと、を有する。正極金属箔16aは、例えばアルミニウム箔やアルミニウム合金箔などである。
正極活物質層16bは、正極用の活物質(以下、正極活物質という)、バインダ、及び必要な場合に導電助剤を含んでいる。正極活物質は、リチウム(リチウムイオン)を吸蔵及び放出可能なニッケル系活物質である。このようなニッケル系活物質としては、例えばLiNiO2、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2などといったニッケル含有リチウム複合酸化物を用いることができる。正極活物質は、より好ましくはLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2である。
また、正極用のバインダは、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン、スチレンブタジエンゴムなどである。正極用のバインダには、一種類を用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。正極用の導電助剤は、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、鱗片状黒鉛などである。正極活物質層16bは、正極活物質、バインダ、導電助剤、及び溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP))を混練したペースト状の合剤を、正極金属箔16aに塗布したのちに乾燥して形成されている。
また、負極電極17は、負極金属箔17aと、負極金属箔17aの少なくとも一部を覆っている負極活物質層17bと、縁部から負極金属箔17aの面方向に突出する負極集電タブ17cと、を有する。負極金属箔17aは、例えば銅箔や銅合金箔などである。
負極活物質層17bは、負極用の活物質(以下、負極活物質という)、バインダ、及び必要な場合に導電助剤を含んでいる。負極活物質は、リチウム(リチウムイオン)を吸蔵及び放出可能な材料である。このような負極活物質としては、例えば黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭素、カーボンブラック類などの炭素材料を用いることができる。
負極用のバインダは、例えばPVDF、ポリ四フッ化エチレン、スチレンブタジエンゴムなどである。負極用のバインダには、一種類を用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。負極用の導電助剤は、例えばアセチレンブラックや、ケッチェンブラックなどである。負極活物質層17bは、負極活物質、バインダ、導電助剤、及び溶媒(例えば水)を混練したペースト状の合剤を、負極金属箔17aに塗布したのちに乾燥して形成されている。
また、負極電極17は、負極活物質層17bの表面の少なくとも一部を覆う絶縁性の耐熱層17dを有していてもよい。耐熱層17dは、絶縁性粒子、及びバインダを含んでいる。耐熱層17dに用いられる絶縁性粒子は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)などのセラミック(金属酸化物)粒子である。また、バインダは、例えばPVDFなどである。耐熱層17dは、絶縁性粒子、バインダ、及び溶媒(例えばNMP)を混練したペースト状の合剤を、負極金属箔17aに形成した負極活物質層17bの表面に塗布したのちに乾燥して形成されている。
図1に示すように、電極組立体12は、蓋15との対向面12aから突出し、複数の正極集電タブ16cが層状に重なっている正極集電タブ群19を有する。正極集電タブ群19には、電極組立体12と電気を授受する電極端子としての正極端子20が接続されている。正極端子20は、蓋15に固定されているとともに、ケース11の外部に突出している。また、電極組立体12は、対向面12aから突出し、複数の負極集電タブ17cが層状に重なっている負極集電タブ群21を有する。負極集電タブ群21には、電極組立体12と電気を授受する電極端子としての負極端子22が接続されている。負極端子22は、蓋15に固定されているとともに、ケース11の外部に突出している。
そして、正極電極16における正極金属箔16aの厚さは、12μm以上16μm以下であり、好ましくは14.9μm以上15.1μm以下である。正極金属箔16aの厚さが12μm未満である場合には、正極金属箔16aの強度が不足する。その一方で、正極金属箔16aの厚さが16μmを超える場合には、容量の増加に寄与しない正極金属箔16aの体積や重量が増加し、リチウムイオン二次電池10としての出力密度が低くなる。
また、正極活物質層16bの密度は、3.0g/cm3以上3.4g/cm3であり、好ましくは3.12g/cm3以上3.14g/cm3以下である。正極活物質層16bの密度が3.0g/cm3未満である場合には、リチウムイオン二次電池10としての出力密度が低くなる。その一方で、正極活物質層16bの密度が3.4g/cm3を超える場合には、正極活物質層16bが正極金属箔16aに対して過剰に密着することから、充電及び放電に伴って正極活物質(正極活物質層16b)が膨張及び収縮するときに、正極金属箔16aにかかる負荷が大きくなり易い。
正極活物質層16bに含まれている正極活物質(ニッケル系活物質)の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%である場合、好ましくは2.86Å以上2.88Å以下であり、より好ましくは2.869Å以上2.871Å以下である。なお、1Åは、10−10mである。正極活物質(ニッケル系活物質)の結晶構造におけるa軸長は、充電率100%である場合、好ましくは2.81Å以上2.83Å以下であり、より好ましくは2.819Å以上2.821Å以下である。即ち、正極活物質(ニッケル系活物質)の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、2.81Å以上2.88Å以下であり、好ましくは2.819Å以上2.871Å以下である。
また、正極活物質(ニッケル系活物質)の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%である場合、好ましくは14.24Å以上14.25Å以下であり、より好ましくは14.247Å以上14.249Å以下である。正極活物質(ニッケル系活物質)の結晶構造におけるc軸長は、充電率100%である場合、好ましくは14.49Å以上14.51Å以下であり、より好ましくは14.499Å以上14.501Å以下である。即ち、正極活物質(ニッケル系活物質)の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、14.24Å以上14.51Å以下であり、好ましくは14.247Å以上14.501Å以下である。
一般的に、ニッケル系活物質は、充電及び放電、即ち結晶構造に対するリチウム(リチウムイオン)の吸蔵(挿入)及び放出(離脱)に伴ってa軸方向及びc軸方向に膨張及び収縮するとともに、該膨張収縮量が大きい。上述のような正極金属箔16aの厚さ、正極活物質層16bの密度、及び正極活物質における各軸長とすることにより、充電及び放電に伴って正極活物質(正極活物質層16b)が繰り返し膨張及び収縮しても、正極活物質層16bが正極金属箔16aから剥離したり、正極金属箔16aの強度が不足して箔切れなどが発生したりすることを抑制できる。なお、正極活物質層16bの剥離や正極金属箔16aの箔切れは、リチウムイオン二次電池10における容量低下につながる。したがって、リチウムイオン二次電池10の容量(出力密度)が向上されるとともに、充放電に伴う容量低下が抑制される。
次に、上記正極電極及びリチウムイオン二次電池の効果について記載する。
(1)充電及び放電に伴う正極活物質の膨張及び収縮によって、正極活物質層16bが正極金属箔16aから剥離したり、正極金属箔16aの強度が不足することを抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池10の容量が低下することを抑制できる。
(1)充電及び放電に伴う正極活物質の膨張及び収縮によって、正極活物質層16bが正極金属箔16aから剥離したり、正極金属箔16aの強度が不足することを抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池10の容量が低下することを抑制できる。
以下、上記実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
<実施例>
[正極電極の作製]
LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(D50=6μm、比表面積=0.5m2/g、タップ密度2.2g/cm3、Li/(Ni+Co+Mn)モル比1.1)を94重量部、アセチレンブラック・鱗片状黒鉛混合体を3重量部、及びPVDFを3重量部(合計100重量部)と、NMPとを混練し、ペースト状である正極用の活物質合剤を得た。ここで、D50は、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(メジアン径)であり、比表面積は、窒素ガスを用いたガス吸着法により測定した比表面積(BET比表面積)である。次に、得られた正極用の活物質合剤を、アルミニウム(JIS規格(H4160:2006)に定める1N30)製の正極金属箔(厚さ=15±1μm)の両面に塗布するとともに、乾燥炉内で加熱して乾燥し、正極活物質層を形成した。次に、正極活物質層の目付量が18.3mg/cm2であり、且つ密度が3.13±0.01g/cm3となるように、正極活物質層をロールプレスして圧縮し、正極金属箔に密着させた。その後、シート状に切り出して正極電極を得た。
<実施例>
[正極電極の作製]
LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(D50=6μm、比表面積=0.5m2/g、タップ密度2.2g/cm3、Li/(Ni+Co+Mn)モル比1.1)を94重量部、アセチレンブラック・鱗片状黒鉛混合体を3重量部、及びPVDFを3重量部(合計100重量部)と、NMPとを混練し、ペースト状である正極用の活物質合剤を得た。ここで、D50は、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(メジアン径)であり、比表面積は、窒素ガスを用いたガス吸着法により測定した比表面積(BET比表面積)である。次に、得られた正極用の活物質合剤を、アルミニウム(JIS規格(H4160:2006)に定める1N30)製の正極金属箔(厚さ=15±1μm)の両面に塗布するとともに、乾燥炉内で加熱して乾燥し、正極活物質層を形成した。次に、正極活物質層の目付量が18.3mg/cm2であり、且つ密度が3.13±0.01g/cm3となるように、正極活物質層をロールプレスして圧縮し、正極金属箔に密着させた。その後、シート状に切り出して正極電極を得た。
[負極電極の作製]
黒鉛(D50=20μm、比表面積3.7m2/g、タップ密度=0.98g/cm3)を98重量部、カルボキシメチルセルロース(増粘剤)を1重量部、及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を1重量部(合計100重量部)と、水とを混練し、ペースト状である負極用の活物質合剤を得た。次に、得られた負極用の活物質合剤を、銅製の負極金属箔(厚さ=10±1μm)の両面に塗布するとともに、乾燥炉内で加熱して乾燥し、負極活物質層を形成した。次に、負極活物質層の目付量が11.1mg/cm2であり、且つ密度が1.4g±0.01/cm3となるように、負極活物質層をロールプレスして圧縮し、負極金属箔に密着させた。その後、シート状に切り出して負極電極を得た。
黒鉛(D50=20μm、比表面積3.7m2/g、タップ密度=0.98g/cm3)を98重量部、カルボキシメチルセルロース(増粘剤)を1重量部、及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を1重量部(合計100重量部)と、水とを混練し、ペースト状である負極用の活物質合剤を得た。次に、得られた負極用の活物質合剤を、銅製の負極金属箔(厚さ=10±1μm)の両面に塗布するとともに、乾燥炉内で加熱して乾燥し、負極活物質層を形成した。次に、負極活物質層の目付量が11.1mg/cm2であり、且つ密度が1.4g±0.01/cm3となるように、負極活物質層をロールプレスして圧縮し、負極金属箔に密着させた。その後、シート状に切り出して負極電極を得た。
[リチウムイオン二次電池の組立]
作製した正極電極と負極電極とを、間にセパレータを介在させた状態で交互に積層し、電極組立体を得た。次に、電極組立体をケースに収容するとともに、非水電解液を注入して試料とした。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを体積比3:3:4で混合した混合溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムを1Mの濃度となるように溶解させたものを用いた。
作製した正極電極と負極電極とを、間にセパレータを介在させた状態で交互に積層し、電極組立体を得た。次に、電極組立体をケースに収容するとともに、非水電解液を注入して試料とした。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(MEC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを体積比3:3:4で混合した混合溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムを1Mの濃度となるように溶解させたものを用いた。
[X線回析]
作製した正極電極を充電率(SOC)0%の試料とした。また、作製したリチウムイオン二次電池について、充電率3%となるように充電したのちに正極電極を取り出してDMC溶媒で洗浄した後、乾燥させたものを充電率3%の試料とした。同様にして、充電率5%、6%、7%、25%、31%、49%、71%、74%、80%、83%、86%、88%、91%、95%、100%の試料を作製した。次に、作製した充電率の異なる試料について、X線回折装置(リガク社製 型番Smartlab)によってX線回析パターンを測定するとともに、リートベルト法によって正極活物質のa軸長とc軸長とを算出した。その結果を表1に示す。
作製した正極電極を充電率(SOC)0%の試料とした。また、作製したリチウムイオン二次電池について、充電率3%となるように充電したのちに正極電極を取り出してDMC溶媒で洗浄した後、乾燥させたものを充電率3%の試料とした。同様にして、充電率5%、6%、7%、25%、31%、49%、71%、74%、80%、83%、86%、88%、91%、95%、100%の試料を作製した。次に、作製した充電率の異なる試料について、X線回折装置(リガク社製 型番Smartlab)によってX線回析パターンを測定するとともに、リートベルト法によって正極活物質のa軸長とc軸長とを算出した。その結果を表1に示す。
また、正極活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%である場合、14.248Å(誤差を考慮すると14.247Å以上14.249Å以下)であり、充電率100%である場合、14.500Å(誤差を考慮すると14.499Å以上14.501Å以下)であった。即ち、正極活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、14.247Å以上14.501Å以下であることが確認された。
<比較例>
正極電極の作製、負極電極の作製、及びリチウムイオン二次電池の組立については、正極活物質としてLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(D50=6μm、比表面積=0.5m2/g、タップ密度2.4g/cm3、Li/(Ni+Co+Mn)モル比1.0)を用いた点を除き、上述した実施例と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
正極電極の作製、負極電極の作製、及びリチウムイオン二次電池の組立については、正極活物質としてLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(D50=6μm、比表面積=0.5m2/g、タップ密度2.4g/cm3、Li/(Ni+Co+Mn)モル比1.0)を用いた点を除き、上述した実施例と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
[X線回析]
上述した実施例において充電率を異ならせた試料と同様にして試料(充電率0%及び充電率100%)を作製し、X線回析を行った結果、正極活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%である場合、2.869Åであり、充電率100%である場合、2.822Åであった。また、正極活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%である場合、14.242Åであり、充電率100%である場合、14.558Åであった。
上述した実施例において充電率を異ならせた試料と同様にして試料(充電率0%及び充電率100%)を作製し、X線回析を行った結果、正極活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%である場合、2.869Åであり、充電率100%である場合、2.822Åであった。また、正極活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%である場合、14.242Åであり、充電率100%である場合、14.558Åであった。
<容量維持率の評価>
実施例のリチウムイオン二次電池と、比較例のリチウムイオン二次電池について、60℃の環境温度のもと、電圧範囲3.48V〜3.93Vにおいて、2Cの電流レートによる放電及び充電を1回とするサイクルを規定サイクル行った。そして、初回サイクルにおける充電容量と規定サイクル後の充電容量とに基づき、下記式により与えられる容量維持率を算出した。その結果をプロットした結果を図3に示す。
実施例のリチウムイオン二次電池と、比較例のリチウムイオン二次電池について、60℃の環境温度のもと、電圧範囲3.48V〜3.93Vにおいて、2Cの電流レートによる放電及び充電を1回とするサイクルを規定サイクル行った。そして、初回サイクルにおける充電容量と規定サイクル後の充電容量とに基づき、下記式により与えられる容量維持率を算出した。その結果をプロットした結果を図3に示す。
容量維持率=(規定サイクル後の充電容量/初回サイクルの充電容量)
図3に示すように、実施例のリチウムイオン二次電池では、比較例のリチウムイオン二次電池と比較して、サイクル数の増加に伴う容量維持率の低下が優位に抑制されていることが確認された。これは、充電及び放電に伴って正極活物質層が繰り返し膨張及び収縮したとしても、正極活物質層の剥離や、正極金属箔の箔切れなどの発生が抑制されていることに起因している。
図3に示すように、実施例のリチウムイオン二次電池では、比較例のリチウムイオン二次電池と比較して、サイクル数の増加に伴う容量維持率の低下が優位に抑制されていることが確認された。これは、充電及び放電に伴って正極活物質層が繰り返し膨張及び収縮したとしても、正極活物質層の剥離や、正極金属箔の箔切れなどの発生が抑制されていることに起因している。
以下、上記実施形態及び実施例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記ニッケル系活物質は、ニッケル含有リチウム複合酸化物であることが好ましい。
(イ)前記ニッケル系活物質は、ニッケル含有リチウム複合酸化物であることが好ましい。
(ロ)前記ニッケル系活物質は、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2であることが好ましい。
(ハ)前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%である場合に2.869Å以上2.871Å以下であることが好ましい。
(ハ)前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%である場合に2.869Å以上2.871Å以下であることが好ましい。
(ニ)前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率100%である場合に2.819Å以上2.821Å以下であることが好ましい。
(ホ)前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%である場合に14.247Å以上14.249Å以下であることが好ましい。
(ホ)前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%である場合に14.247Å以上14.249Å以下であることが好ましい。
(ヘ)前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率100%である場合に14.499Å以上14.501Å以下であることが好ましい。
(ト)前記金属箔の厚さは、14.9μm以上15.1μm以下であることが好ましい。
(ト)前記金属箔の厚さは、14.9μm以上15.1μm以下であることが好ましい。
(チ)前記活物質層の密度は、3.12g/cm3以上3.14g/cm3以下であることが好ましい。
(リ)前記金属箔は、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔であることが好ましい。
(リ)前記金属箔は、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔であることが好ましい。
10…リチウムイオン二次電池、16…正極電極、16a…正極金属箔(金属箔)、16b…正極活物質層。
Claims (2)
- リチウムイオン二次電池用の正極電極であって、
金属箔と、
前記金属箔の少なくとも一部を覆っている活物質層と、を有し、
前記金属箔の厚さは、12μm以上16μm以下であり、
前記活物質層には、リチウムを吸蔵及び放出可能なニッケル系活物質を含み、
前記活物質層の密度は、3.0g/cm3以上3.4g/cm3以下であり、
前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるa軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、2.81Å以上2.88Å以下であり、
前記ニッケル系活物質の結晶構造におけるc軸長は、充電率0%と充電率100%との間で充電及び放電をする場合、14.24Å以上14.51Å以下である正極電極。 - 正極電極と負極電極とが層状に重なっている電極組立体を有するリチウムイオン二次電池であって、
前記正極電極は、請求項1に記載の正極電極であるリチウムイオン二次電池。
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