JP2016136038A - 防振装置及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外筒を樹脂製にすると、外筒を縮径してストッパと内筒間をゼロクリアランスにすることができない。そこで、外筒を樹脂製にするとともに、従来と同程度の工数でゼロクリアランスを実現させる。
【解決手段】内筒20と樹脂製の外筒22間をゴム足25で連結し、さらに直交方向から略山型の第1ストッパ26と第2ストッパ27を内筒20へ向かって突出させる。ゴム足25、第1ストッパ26、第2ストッパ27は内筒20と一体に成形されるが、頂部26a及び頂部27aに面する内筒20の外周に予め接着剤を設けないことにより、頂部26aと頂部27aを内筒20へ非接着とし、ゼロクリアランスで当接させる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、自動車のトルクロッドやエンジンマウント等に用いられる防振装置及びその製法に関する。
トルクロッド等において、振動源もしくは振動受け側との連結部に、防振ブッシュが設けられている。この防振ブッシュは、略同軸配置された内筒及び外筒と、これらを連結する弾性体とからなる。弾性体は、内筒を挟んで反対方向へ延びる一対のゴム足を備える。また、弾性体を内筒の軸方向へ貫通するすぐり穴を備え、このすぐり穴内へ挿入されて、外筒と内筒が相対的に接近する際の干渉をなすストッパを備える(例えば、特許文献1参照)。また、外筒を樹脂製にしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
実開平06−56539号公報 特開2008−128345号公報
すぐり穴によるストッパと内筒の間のクリアランスが大きいと、ゴム足にクラックが入る等して耐久性が低下する。耐久性とクリアランスの大きさとの関係は、ほぼ反比例し、クリアランスが大きいほど耐久性が低下する。
そこで、最も耐久性を良くするには、クリアランスが無くなる状態(ゼロクリアランス)が好ましい。このためには、外筒が金属製の場合は、内筒及び外筒を弾性体で一体化した後、外筒を縮径してゼロクリアランスを実現することができる。また、特許文献1のように、ストッパを弾性体の別部材とし、内筒と外筒の間へ圧入するようにしてもゼロクリアランスを達成できる。しかし、特許文献1の場合は、部品点数や製造工程が増大してしまう。
また、外筒を樹脂製にすることがあり、この場合には縮径することができない。
そこで特許文献2のように、すぐり穴の入れ子型を、弾性体の成形時及び外筒の成形時で、それぞれ大きさを変更することにより、小さなクリアランスを実現したものもある。しかし、この方法でも、入れ子型を利用する限りゼロクリアランスを実現することはできない。また、製造工数も増大してしまう。
そこでこの発明は、外筒を樹脂にした場合でも簡単にゼロクリアランスを達成できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載した発明は、略同心配置される内筒(20)及び外筒(22)と、これらを連結する弾性体(24)とを備え、この弾性体(24)に内筒(20)と前記外筒(22)を結合するゴム足(25)と、内筒(20)の軸方向へ貫通するすぐり穴(28)と、このすぐり穴(28)内へ外筒(22)側から突出するストッパ(26)とを設けた防振装置において、
前記弾性体(24)は前記内筒(20)及び外筒(22)の間へ注入後加硫されて形成され、前記内筒(20)及び外筒(22)へ接着するとともに、
前記ストッパ(26)は、その外周部が前記外筒(22)へ接着し、前記内筒(20)の外周面に対面する部分は、荷重無負荷状態にて前記内筒(20)の外周面へ非接着で当接していることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、上記請求項1において、前記すぐり穴は、前記内筒(20)を挟んで互いに反対側へ設けられた第1すぐり穴(28)と第2すぐり穴(29)を備え、
かつ前記ストッパは、前記第1すぐり穴(28)内に設けられる第1ストッパ(26)と、前記第2すぐり穴(29)内に設けられた第2ストッパ(27)を備えるとともに、
この第2ストッパ(27)の一部も前記内筒(20)の外周面に対して非接着で当接していることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、上記請求項1又は2において、連結ロッド(12)と、その長さ方向両端に形成された第1防振ブッシュ(14)及び第2防振ブッシュ(16)を有し、これら第1防振ブッシュ(14)及び第2防振ブッシュ(16)は、それぞれ前記内筒(15a・20)、外筒(15b・22)、弾性体(15c・24)を備えたトルクロッド(10)において、
少なくとも前記第1防振ブッシュ(14)または第2防振ブッシュ(16)のいずれか一方に、前記すぐり穴(28)及びストッパ(26)を備え、前記ストッパが前記内筒の外周面へ非接着で当接する部分が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、上記請求項1において、前記防振装置はエンジンマウントであり、前記弾性体(63)は、前記内筒(62)と前記外筒(64)を結合するゴム足(65)を備え、
前記ストッパ(66)を静止荷重が加わるZ方向に配置し、Z方向と直交する方向へ前記ゴム足(65)を延出させるとともに、
前記ストッパ(66)は、荷重無負荷状態にて、前記内筒(62)の外周面へ非接着で当接し、静止荷重負荷状態にて荷重負荷時クリアランス(66b)を形成することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、上記請求項4において、前記ストッパは、Z方向にて、前記内筒(62)を挟んで一方側に配置される第1ストッパ(66)と反対側に配置される第2ストッパ(67)を備え、
荷重無負荷状態で前記第2ストッパ(67)を前記内筒(62)の外周面へ非接着で当接させたことを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、上記請求項1または4に記載した防振装置の製法において、
前記内筒(20・62)の外周面のうち、前記ゴム足(25・65)が連結する部分に予め接着剤を塗布した接着部(34・74)とし、
少なくとも前記第1ストッパ(26・66)が当接する部分を接着剤の塗布されない非接着部(36・76)とし、
前記内筒(20・62)の周りに前記ゴム足(25・65)と前記ストッパ(26・66)を一体に形成することにより、
前記ストッパ(26・66)と前記内筒(20・62)の間に非接着部(36・76)で非接着とされ、かつ内筒(20・62)の外周面へ非接着で当接する部分を形成したことを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、上記請求項5において、前記内筒(20)と前記弾性体(24)が一体化され、かつ前記ゴム足(25)と前記ストッパ(26)が外周連結部(32)により連結された弾性小組体(30)として形成されることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、上記請求項7の防振装置の製法において、前記弾性小組体(30)を樹脂成形型(50)内へ配置し、その周囲へ樹脂を注入して前記弾性小組体(30)と一体の前記外筒(22)を形成することを特徴とする。
請求項1によれば、第1ストッパ(26)の一部を内筒(20)の外周面に対して非接着で当接させるので、外筒(22)が樹脂製であっても、第1ストッパ(26)を荷重無負荷状態にてゼロクリアランスにすることができる。このため、ゴム足(25)に加わる応力集中を緩和し、耐久性を向上させる。
しかも、第1ストッパ(26)の一部を内筒(20)の外周面と非接着にするだけで済むので、従来とほぼ同じ工数で製造できる。
請求項2によれば、内筒(20)を挟んで第1ストッパ(26)と反対側に第2ストッパ(27)を設けたので、内筒(20)を挟んだ2方向にゼロクリアランスの第1ストッパ(26)及び第2ストッパ(27)を設けることができる。
このため、2方向においていずれの方向へ荷重が負荷されても、ゴム足(25)に対する応力集中を緩和できる。
請求項3によれば、トルクロッドの少なくともいずれか一方の第1防振ブッシュ(14)または第2防振ブッシュ(16)においてストッパをゼロクリアランスにすることができる。
このため、第1防振ブッシュ(14)または第2防振ブッシュ(16)の少なくともいずれか一方のゴム足に対する応力集中を緩和できる。
請求項4によれば、静止荷重が加わるZ方向にて、ストッパ(66)を設け、かつ荷重無負荷状態にてストッパ(66)と内筒(62)の間をゼロクリアランスとしたので、樹脂製の外筒(64)を有するにもかかわらず、荷重無負荷状態でゼロクリアランスとなるエンジンマウントを実現できる。
なお、静止荷重負荷状態にて、若干の静止荷重負荷時クリアランス(66b)を生じるが、この静止荷重負荷時クリアランス(66b)を従来では実現できないような微小のものとすることができる。このような微小クリアランス(66b)の場合、小さな荷重負荷でゼロクリアランスになるため、ゴム足(65)に対する応力集中を緩和し、耐久性を向上させることができる。
請求項5によれば、第1ストッパ(66)の反対側へ第2ストッパ(67)を設けることにより、第2ストッパ(67)を荷重無負荷状態及び静止荷重負荷状態のいずれでもゼロクリアランスを維持できるようにするとともに、微小クリアランス(66b)をできるだけ微小にすることができる。その結果、ゴム足(65)に対する応力集中をより緩和することができ、耐久性をより向上させることができる。
請求項6に記載した防振装置の製法によれば、内筒(20)の周囲へ接着部(34)と非接着部(36)を設け、その周りに弾性体(24)を一体成形することにより、内筒(20)と接着一体化したゴム足(25)と、内筒(20)に対して非接着で当接する部分を有するストッパを一体に成形できる。このため、従来とほとんど変わらない工数でゼロクリアランスのストッパを形成できる。
請求項7によれば、ゴム足(25)及びストッパを外周連結部(32)により一体化した弾性小組体(30)を形成するので、弾性小組体(30)を一部品として扱うことができ、取扱性が向上する。
請求項8によれば、弾性小組体(30)を樹脂成形型(50)内へ配置して樹脂を注入することにより、弾性小組体(30)の周囲へ外筒(22)を一体に形成することができる。
第1実施形態に係るトルクロッドの平面図 上記トルクロッドの正面図 図1における第2防振ブッシュの拡大図 図3の4−4線断面図 弾性小組体の成形方法を示す図 弾性小組体の平面図 外筒の成形方法を示す図 第2実施形態に係るエンジンマウントの正面図(荷重無負荷状態) 上記エンジンマウントの静止荷重負荷状態における正面図
以下、自動車のトルクロッドに適用した第1実施形態を、図1〜図7により説明する。
図1及び図2に示すように、このトルクロッド10は、連結ロッド12の長さ方向両端に第1防振ブッシュ14と第2防振ブッシュ16を備える。第1防振ブッシュ14は、第2防振ブッシュ16に対して小さい小玉部をなし、略同心配置された内筒15a、外筒15b、これらを連結するゴム製の弾性体15cを一体に備える。
内筒15aは、その軸穴に通したボルトにより、例えば振動源である略記したエンジン17へ連結される。
第2防振ブッシュ16は第1防振ブッシュ14より大きい大玉部をなし、略同心配置された内筒20と外筒22及びこれらを連結するゴム製の弾性体24を備える。内筒20は軸穴に通したボルトにより、例えば振動受け側である略記した車体18へ取付けられている。
ここで、連結ロッド12の軸方向をX、内筒20の軸方向をZ、X及びZと直交する方向をYとする。なお、X・Y・Zは、例えば、車体の前後方向、左右方向及び上下方向へそれぞれ一致させるものとする。
弾性体24は、内筒20から径方向反対側へ延出して外筒22の内周面へ結合する一対のゴム足25と、図3に示すように、内筒20と外筒22の間に設けられ、内筒20を挟んで反対側に配置される一対の第1ストッパ26と第2ストッパ27とを備える。
内筒20は金属製の筒状をなす。その外周部は、Y方向にてゴム足25と接着一体化し、X方向にて頂部26a及び頂部27aとゼロクリアランスで密接する。
左右一対のゴム足25は、それぞれY方向に沿って内筒20から反対方向へ直線状に延出している。第1ストッパ26及び第2ストッパ27は、それぞれゴム足25と周方向へ略90°ずれて各中心がそれぞれX方向に沿って配置される。
第1ストッパ26及び第2ストッパ27はそれぞれ略山型をなして、頂部26a、27aが内筒20へ向かって突出している。
第1ストッパ26、第2ストッパ27及びゴム足25は、同一材料で一体に形成され、全体として弾性体24を形成する。但し、第1ストッパ26及び第2ストッパ27を、ゴム足25と異なる素材や物性とすることもでき、さらに第1ストッパ26と第2ストッパ27を互いに相違させることもできる。
また、一対のゴム足25はY方向に沿う直線状でなく、X方向の中心線を挟んで内筒20を頂点とするハの字状等に角度を付けて設けてもよい。
ゴム足25と第1ストッパ26の間には、第1すぐり穴28が内筒20の軸方向へ弾性体24を貫通して形成されている。第1すぐり穴28は第1ストッパの頂部26aが内筒20と密接することにより、第1ストッパを挟んで左右(図では上下であるが、Y方向を左右という)に分断されている。
頂部26aは内筒20の外周面へ密接し、ゼロクリアランスを実現している。
ゴム足25と第2ストッパ27の間には、第2すぐり穴29が、内筒20の軸方向へ弾性体24を貫通して形成されている。第2すぐり穴29は第2ストッパの頂部27aが内筒20へ密接することにより左右に分離されている。
頂部27aは内筒20へ密接し、ゼロクリアランスを実現している。
なお、図3は、内筒20及び外筒22へ振動入力のない中立状態を示す。
外筒22は樹脂製であり、円筒状をなして、内筒20と弾性体24が一体化した弾性小組体30の周囲を囲み、かつ弾性小組体30の周囲と接着一体化されている。
図4に示すように、ゴム足25は接着部34にて内筒20の外周面へ接着一体化している。また、頂部26aと内筒20の外周との間は、頂部26aが内筒20の外周面に対して非接着で当接するゼロクリアランス部36をなしている。
図1及び図2において、エンジン17(図2)から第1防振ブッシュ14の内筒15aへ振動入力されると、一部が弾性体15cにより吸収され、さらに連結ロッド12を介して第2防振ブッシュ16の外筒22へ伝達され、内筒20と外筒22を相対移動させ、弾性体24の弾性変形により吸収される。これによりエンジン側からの振動が、内筒20から車体18(図2)へ伝達されることを遮断する。
このとき、外筒22の内筒20に対するY方向の相対移動は、ゴム足25の弾性変形により阻止される。また、X方向の相対移動は、内筒20が頂部26a及び頂部27aへ当接した状態で、内筒20と外筒22間において、第1ストッパ26または第2ストッパ27を弾性変形することにより阻止される。
しかも、X方向の振動においては、予め第1ストッパ26及び第2ストッパ27が頂部26a及び頂部27aにて、ゼロクリアランスで内筒20へ当接しているので、ゴム足25の外筒側基部25a近傍に対する応力集中が緩和される。このため、この部分にクラックが入りにくくなり、耐久性が向上する。
次に、第2防振ブッシュ16の製法を説明する。
まず、弾性小組体30を成形する。この工程は、図5に示すように、弾性小組体30を成形する成形型40のキャビテイ40a内へ、内筒20を中心に配置し、その周囲へ略90°間隔で中子44a及び44bと46a及び46bを配置する。中子44aと44bは、第1すぐり穴28の形状をなし、中子44aと44bの間に第1ストッパ26が形成される空間45aが設けられる。また、中子46aと46bの間に第2ストッパ27が形成される空間45bが設けられる。
なお、中子44a及び44bと内筒20の外周面とは密接しているが、空間45bが形成される部分では、中子44a及び44bと内筒20の外周面との密接部が周方向で連続せず、内筒20の外周面の一部が空間45aへ露出している。
中子46a及び46bと内筒20の外周面とは密接しているが、空間45aが形成される部分では、中子46a及び46bと内筒20の外周面との密接部が周方向で連続せず、内筒20の外周面の一部が空間45bへ露出している。
中子44aと46aの間に一方のゴム足25が形成される空間47aが設けられ、中子44bと46bの間に、他方のゴム足25が形成される空間47bが設けられる。
内筒20の外周部のうち一部は空間47a及び空間47bに臨み、この部分には接着剤48が予め塗布されている。
各中子44a及び44bと46a及び46bの外周部には、成形型40との間に外周間隙43が形成されるようになっている。各外周間隙43は円弧状をなし、周方向両端部は、空間45a、45b、47a、47bへ連続している。
なお、内筒20の外周面のうち、空間45a及び空間45bに露出状態で直接臨んでいる部分には接着剤が塗布されず、接着剤非塗布部49になっている。なお、この部分には適当な離型剤を塗布しておいてもよい。
この状態で、未加硫ゴムを空間45a、45b、空間47a、47bへ注入して加硫すると、図6に示す弾性小組体30が形成される。
弾性小組体30は、内筒20の周囲へ、図において左右一対のゴム足25と、上下一対の第1ストッパ26及び第2ストッパ27が一体化し、これらは外周間隙43によって形成される円弧状の外周連結部32で連結一体化されている。
第1ストッパ26と第2ストッパ27は内筒20と接着により結合しないが、外周連結部32によりゴム足25と連続一体化し、弾性小組体30が一体に形成される。
なお、ゴム足25は内筒20に対して接着剤により接着一体化した接着部34を備える。一方、第1ストッパ26及び第2ストッパ27は、内筒20に対して接着せず、非接着部36をなす(図4参照)。
非接着部36は、頂部26a及び頂部27aが内筒20と非接着であるが密に当接して、ゼロクリアランスとなっている。
この弾性小組体30の成形において、内筒20と各中子44a及び44bと46a及び46bの間に極薄いバリが形成される。これは、図5の拡大部Aに示すように、内筒20と各中子44a及び44bと46a及び46bとの間(図示は内筒20と中子44bとの間)に極めて狭い(数ミクロンオーダー)隙間41が形成され、ここに未加硫ゴムが入り込むことによって極薄いバリとなるものであり、このバリの存在は製品の品質を高める上で好ましくない。
そこで、中子側から内筒20の外周へ向かって微細な突起42を介し、この突起42によりバリに溝を形成することで、成形後にこの溝を基点にしてバリが自然に切断され、品質に影響を生じさせないようになっている。
なお、突起42は、各中子44a及び44bと46a及び46bの内筒20と対面する部分に、内筒20の軸方向へ長く形成されている。但し、内筒20側から突出させてもよく、内筒20と各中子の双方から突出させてもよい。
また、突起42の位置は、ゴム足とストッパ間の中間位置からストッパ側に形成される。
例えば、図5における中子44bに形成される突起42について説明すれば、突起42はゴム足25を形成する空間47bと第1ストッパ26を形成する空間45aに挟まれた中子44bの内筒20に対面する内周面に設けられ、その位置は、中子44bの内周面のうち、内筒20の周方向における周方向中間位置から空間45a側(すなわち第1ストッパ26側)に近寄った位置に形成される。
これは、防振装置としてのゴム足25側にバリ切断による品質の影響を与えないようにするための配慮であり、このようにすると、突起42によるバリの破壊起点が第1ストッパ26側に形成されるため、破壊の影響がゴム足25まで延びないようになる。
なお、他の中子に形成される突起も同様の配慮がされ、中子44aでは空間45a側に形成され、中子46a及び46bではそれぞれ空間45b側に形成される。
次に、弾性小組体30の周りに外筒22を一体成形する。図7は、この樹脂成形型50を示す。
樹脂成形型50には弾性小組体30を収容するキャビテイ52が形成される。キャビテイ52は弾性小組体30より大きな円形をなし、弾性小組体30を中央に配置したとき、弾性小組体30の周囲にリング状キャビテイ54が形成される。
また、このリング状キャビテイ54に連通してロッド部キャビテイ56が形成されている。なお、図示しないが、樹脂成形型50には、第1防振ブッシュ14側の外筒15bを成形するためのキャビテイも形成されている。
そこで、樹脂成形型50のキャビテイ52内へ弾性小組体30を配置し、リング状キャビテイ54内へ外筒22の樹脂材料を射出成形等により注入する。樹脂が硬化後、樹脂成形型50から取り出せば、図3に示す第2防振ブッシュ16が得られる。この第2防振ブッシュ16は外筒22と一体に形成される。
なお、ロッド部キャビテイ56並びに図示しないが第1防振ブッシュ14側のキャビテイ(予め内筒15a及び弾性体15cが一体化された小組体が収容されている)内へ外筒22と同じ樹脂材料を同時に注入する。これにより、連結ロッド12及び第1防振ブッシュ14も一体に形成される。
このとき、樹脂成形型50内へ注入された樹脂のうちリング状キャビテイ54内へ注入されたものは、弾性小組体30の周囲において硬化して接着一体化する。弾性小組体30の周囲には、必要により予め接着剤を塗布しておけば、より接着が強力になる。
しかも、外筒の成形前後において、頂部26a及び27aはゼロクリアランスを維持している。したがって、このようにすると、外筒22を樹脂製にしたにもかかわらず、ゼロクリアランスを容易に実現できる。しかも、従来と比べて製造工数を増加しないので、製造が容易になり、コストダウンが可能になる。
なお、ゼロクリアランス構造は、第1ストッパ26又は第2ストッパ27のいずれか一方へのみ設けることもできる。また、第1防振ブッシュ14に第2防振ブッシュ16と同様の弾性体構造を設けてもよい。この場合、第2防振ブッシュ16における、ゴム足・すぐり・ストッパが同様に設けられ、かつストッパは上記したゼロクリアランスに形成される。また、このゼロクリアランス構造を第1防振ブッシュ14と第2防振ブッシュ16の双方に設けることもできる。すなわち、ゼロクリアランス構造を少なくとも、第1防振ブッシュ14と第2防振ブッシュ16のいずれか一方に設けるようにする。
次に、エンジンマウントに適用した第2実施形態を図8及び図9により説明する。この実施形態においても、上下方向をZ、前後方向をXとする。このエンジンマウント60は、金属製の内筒62と、樹脂製の外筒64を備える。内筒62と外筒64は略同心配置され、両部材間をゴム製等の弾性体63で連結している。
弾性体63は、内筒62を挟んで、図8の左右(X方向)へ延びる一対のゴム足65と、上下方向に配置された第1ストッパ66及び第2ストッパ67を一対で備える。
ゴム足65と第1ストッパ66の間には、第1すぐり穴68が内筒62を挟んで左右一対で設けられる。ゴム足65と第2ストッパ67の間には、第2ストッパ67を挟んで第2すぐり穴69が左右一対で設けられている。
第1ストッパ66は内筒62に臨む面が略水平に形成され、図の左右方向(X方向)における中間部である中央部66aはその表面が内筒62の外周へゼロクリアランスで当接している。第2ストッパ67は略山型状をなして、外筒64側から内筒62へ向かって突出し、その頂部67aは内筒62に対してゼロクリアランスにて当接している。なお、第1ストッパ66を第2ストッパ67と同様の略山型状にすることもできる。
ストッパ部分の成形方法は、ゼロクリアランス部分を含めて第1実施形態の第2防振ブッシュ16と同様のため、説明を省略するが、弾性小組体70、外周連結部72、接着部74、ゼロクリアランス部76を同様に備えている。
このエンジンマウントは、ゴム足65を略X方向へ延出配置するとともに、第1ストッパ66及び第2ストッパ67の各中心(66a・67a)を内筒62のZ方向における中心線(図示省略)上に配置し、内筒62を図示省略のエンジンへ取付け、外筒64を車体へ取付ける。
図8は、内筒62へエンジンの荷重が負荷されない荷重無負荷状態(0G状態,中立状態)であり、この状態では、第1ストッパ66及び第2ストッパ67はいずれもゼロクリアランスで中央部66a及び頂部67aが内筒62の外周面へ当接している。
図9は、内筒62へエンジンの静止荷重が負荷された状態(1G状態)である。
この場合、内筒62がエンジンの静止荷重で図の下方へ移動するため、中央部66aは内筒62から微小寸法dだけ離れ、若干の荷重負荷時クリアランス66bを形成する。一方、第2ストッパ67は、内筒62より圧縮されるので、頂部67aはゼロクリアランスを維持する。
そこでこの状態で振動が内筒62へ入力されると、内筒62が上下(Z方向)や前後(X方向)へ移動する。特に、上下方向の振動に対して、ゴム足65が上下に弾性変形して振動を吸収するとともに、第1ストッパ66及び第2ストッパ67によっても振動を吸収する。
しかも、ゴム足65の外筒側基部65aに対する応力集中は、第1ストッパ66の荷重負荷時クリアランス66bが微小であること及び第2ストッパ67の頂部67aがゼロクリアランスであるために緩和され、この部分にクラックが入りにくくなるため、耐久性が向上する。
そのうえ、荷重負荷時クリアランス66bはエンジンの静止荷重により不可避的に発生するが、従来のように、荷重無負荷状態(0G)で既にクリアランスが形成されてしまうものと比べれば、静止荷重負荷状態(1G)において従来では実現できないような微小クリアランスを達成できる。
ゴム足65の耐久性とクリアランスの大きさとの関係は、前述したようにほぼ反比例するから、このように微小の荷重負荷時クリアランス66bを実現することにより、従来では期待できない耐久性の向上を図ることができる。
なお、本第2実施形態において、第2ストッパ67は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。但し、第2ストッパ67を設ければ、荷重負荷時クリアランス66bをより小さくさせておくことができる。また、第2実施形態におけるストッパ及びゼロクリアランス構造を第1実施形態におけるトルクロッドの例えば、大玉部へ適用することもできる。
10:トルクロッド、16:第2防振ブッシュ、20:内筒、22:外筒、24:弾性体、25:ゴム足、26:第1ストッパ、26a:頂部、27:第2ストッパ、27a:頂部、28:第1すぐり穴、29:第2すぐり穴、30:弾性小組体、34:接着部、36:非接着部、60:エンジンマウント、62:内筒、64:外筒、65:ゴム足、66:第1ストッパ、66a:中央部、66b:クリアランス、67:第2ストッパ、67a:頂部

Claims (8)

  1. 略同心配置される内筒(20)及び外筒(22)と、これらを連結する弾性体(24)とを備え、この弾性体(24)に内筒(20)と前記外筒(22)を結合するゴム足(25)と、内筒(20)の軸方向へ貫通するすぐり穴(28)と、このすぐり穴(28)内へ外筒(22)側から突出するストッパ(26)とを設けた防振装置において、
    前記弾性体(24)は前記内筒(20)及び外筒(22)の間へ注入後加硫されて形成され、前記内筒(20)及び外筒(22)へ接着するとともに、
    前記ストッパ(26)は、その外周部が前記外筒(22)へ接着し、前記内筒(20)の外周面に対面する部分は、荷重無負荷状態にて前記内筒(20)の外周面へ非接着で当接していることを特徴とする防振装置。
  2. 前記すぐり穴は、前記内筒(20)を挟んで互いに反対側へ設けられた第1すぐり穴(28)と第2すぐり穴(29)を備え、
    かつ前記ストッパは、前記第1すぐり穴(28)内に設けられる第1ストッパ(26)と、前記第2すぐり穴(29)内に設けられた第2ストッパ(27)を備えるとともに、
    これら第1ストッパ(26)及び第2ストッパ(27)の各一部も前記内筒(20)の外周面に対して非接着で当接していることを特徴とする請求項1の防振装置。
  3. 連結ロッド(12)と、その長さ方向両端に形成された第1防振ブッシュ(14)及び第2防振ブッシュ(16)を有し、これら第1防振ブッシュ(14)及び第2防振ブッシュ(16)は、それぞれ前記内筒(15a・20)、外筒(15b・22)、弾性体(15c・24)を備えたトルクロッド(10)において、
    少なくとも前記第1防振ブッシュ(14)または第2防振ブッシュ(16)のいずれか一方に、前記すぐり穴(28)及びストッパ(26)を備え、前記ストッパが前記内筒の外周面へ非接着で当接する部分が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載した防振装置。
  4. 前記防振装置はエンジンマウントであり、前記弾性体(63)は、前記内筒(62)と前記外筒(64)を結合するゴム足(65)と、前記第1すぐり穴(68)と前記第1ストッパ(66)とを備え、
    前記ストッパ(66)を静止荷重が加わるZ方向に配置し、Z方向と直交する方向へ前記ゴム足(65)を延出させるとともに、
    前記第1ストッパ(66)は、荷重無負荷状態にて、前記内筒(62)の外周面へ非接着で当接し、静止荷重負荷状態にて荷重負荷時クリアランス(66b)を形成することを特徴とする請求項1の防振装置。
  5. 前記ストッパは、Z方向にて、前記内筒(62)を挟んで一方側に配置される第1ストッパ(66)と反対側に配置される第2ストッパ(67)を備え、
    荷重無負荷状態で前記第2ストッパ(67)を前記内筒(62)の外周面へ非接着で当接させたことを特徴とする請求項4の防振装置。
  6. 前記内筒(20・62)の外周面のうち、前記ゴム足(25・65)が連結する部分に予め接着剤を塗布した接着部(34・74)とし、
    少なくとも前記ストッパ(26・66)が当接する部分を接着剤の塗布されない非接着部(36・76)とし、
    前記内筒(20・62)の周りに前記ゴム足(25・65)と前記ストッパ(26・66)を一体に形成することにより、
    前記ストッパ(26・66)と前記内筒(20・62)の間に非接着部(36・76)で非接着とされ、かつ内筒(20・62)の外周面へ非接着で当接する部分を形成したことを特徴とする請求項1または4に記載した防振装置の製法。
  7. 前記内筒(20)と前記弾性体(24)が一体化され、かつ前記ゴム足(25)と前記ストッパ(26)が外周連結部(32)により連結された弾性小組体(30)として形成されることを特徴とする請求項6に記載した防振装置の製法。
  8. 前記弾性小組体(30)を樹脂成形型(50)内へ配置し、その周囲へ樹脂を注入して前記弾性小組体(30)と一体の前記外筒(22)を形成することを特徴とする請求項7に記載した防振装置の製法。
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