JP2016135827A - 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁性、耐熱性に優れ、表面平坦性、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ製造プロセス中に必要とされる高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性が両方ともに優れた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材を提供する。特に、製造プロセス中の厳しい条件における高温絶縁抵抗性に優れた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ部材を提供する。【解決手段】(a)硬化性樹脂と、(b)グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤と、(c)硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種と、(d)着色剤と、を含む熱硬化性樹脂組成物である。この硬化物、及びこれを用いたディスプレイ部材である。【選択図】なし

Description

本発明は、表面平坦性、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性を両立する硬化物を形成できる熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物を備えたディスプレイ用部材を提供する。
近年の表示装置(ディスプレイ)を備えた電子機器では、ユーザー側から液晶や有機EL等の表示部を見ると、透明ガラス全面に情報や画像が表示されるのではなく、透明ガラスの外周部に、表示部を区画するように黒塗りや白塗り等の枠部分があり、この枠部分の内側で情報が表示されている。操作部にタッチパネル型入力装置(以下、単に「タッチパネル」と記す。)が取り込まれている様々な電子機器、例えば、携帯電話機、個人携帯情報端末、ノートパソコン、タブレットコンピューター等においても同様に透明ガラスの外周部に黒塗りや白塗り等の枠部分があり、この枠部分の内側で情報が表示されている。
この枠部分は加飾部と呼ばれるが、表示部分を4角形状に区画するとともに、見えると都合が悪い部分(ディスプレイ用の配線部分等)を見られないように隠蔽する機能がある。加飾部は、直接目に触れるものとして携帯用端末機器表示部の外観装飾部材としても非常に重要であり、特にデザイン性が重視されていることから、その材料として色沢、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ加工プロセスに必要とされる高温絶縁抵抗及び耐溶剤性を両立する硬化物を形成できる熱硬化性樹脂組成物が求められている。
従来、このような熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、特許文献1には、(A)ビスマレイミド−トリアジン樹脂と、(B)エポキシ樹脂と、(C)カーボンブラックとを含有する組成物が開示されている。
特開昭62−266805号公報
近年、エポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物について要求される密着性のレベルが高まっており、とりわけ、硬化性と密着性とが両方ともに優れ、高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性を両立することができる硬化性樹脂組成物が求められていた。しかしながら、上記特許文献1に記載されている従来の硬化性樹脂組成物は、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性を両立するものではなかった。特に、使用形態の違いにより、製造プロセス中のさらなる高温といった厳しい条件における高温絶縁抵抗性においては改良の余地があった。
そこで、本発明は、絶縁性、耐熱性に優れ、表面平坦性、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ製造プロセス中に必要とされる高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性が両方ともに優れた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材を提供することを目的とする。特に、製造プロセス中の厳しい条件における高温絶縁抵抗性に優れた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、硬化性樹脂、特定のシラン系カップリング剤、特定のフィラー、および、着色剤を含有する組成物が絶縁性、耐熱性、密着性および耐溶剤性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1) (a)硬化性樹脂と、(b)グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤と、(c)硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種と、(d)着色剤と、を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(2) 前記シラン系カップリング剤が水酸基、およびメトキシ基の少なくとも何れか1種を有する(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3) 前記シラン系カップリング剤が、下記一般式(I)の構造を有する(1)または(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2016135827
(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜3の整数、R’は−(CH−O−(CH−であって、iおよびjは夫々独立に1〜5の整数である。)
(4) 基板上に形成したことを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物。
(5) 上記(4)に記載の硬化物を備えたことを特徴とするディスプレイ用部材。
本発明によれば、絶縁性、耐熱性に優れ、表面平坦性、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性を両立できる硬化物を形成できる熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、製造プロセス中の厳しい条件における高温絶縁抵抗性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、表示装置に使用される加飾インキとして好適である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、(a)硬化性樹脂と、(b)グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤と、(c)硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、「絶縁性フィラー」ともいう。)と、(d)着色剤と、を含むものである。
以下、本発明の組成物に使用される各成分について詳細に説明する。
〔(a)硬化性樹脂〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(a)硬化性樹脂を含有し、硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、カルボキシル基含有樹脂、およびシリコーン樹脂等が挙げられる。この中でも上記グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤との組合せにより、諸特性を維持しつつ高温絶縁抵抗性に優れる点から、エポキシ樹脂、およびカルボキシル基含有樹脂の少なくとも何れか1種が好ましい。
硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂は、耐熱性を付与するための成分であり、芳香族骨格を有するエポキシ化合物を含むことが好ましい。芳香族骨格を有するエポキシ化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。この中でも、耐熱性が優れることより、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。また、ガラス基材と成形体との密着性をより一層高める観点からは、エポキシ化合物は、脂環式骨格を有するエポキシ化合物を含むことが好ましい。脂環式骨格を有するエポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、変性エポキシ樹脂を併用してもよい。
芳香族骨格を有するエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、芳香族骨格を有する多塩基酸化合物とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエステル型エポキシ化合物、及び芳香族骨格を有するグリシジルエーテル型エポキシ化合物等が挙げられる。成形体の強度及び耐熱性をより一層高める観点からは、芳香族骨格を有するエポキシ化合物は、ビスフェノール骨格又はノボラック骨格を有することが好ましい。
芳香族骨格を有するエポキシ化合物のエポキシ当量は、好ましくは100以上1000以下である。該エポキシ当量が100以上であると、上記硬化性組成物の成形性がより一層良好になる。該エポキシ当量が1000以下であると、成形体の強度がより一層高くなる。
上記脂環式骨格を有するエポキシ化合物の具体例としては、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、ε−カプロラクトン修飾テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。成形体の耐熱性をより一層高める観点から、脂環式骨格を有するエポキシ化合物は2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物が好ましい。
上記脂環式骨格を有するエポキシ化合物の市販品として、例えば、ダイセル化学社製のセロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2000、セロキサイド3000に例示される脂環式エポキシ、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物であるサイクロマーA200、サイクロマーM100、MGMAのようなメチルグリシジル基を有するメタクリレート、ダウケミカル社製サイラキュアなどが挙げられる。これらに限定されるものでは無い。
エポキシ化合物の配合量は、熱の付与により適度に硬化するように適宜調整され、特に限定されるものではない。固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して、エポキシ化合物の配合量は好ましくは5質量部以上60質量部以下、より好ましくは5質量部以上30質量部以下である。エポキシ化合物の配合量が上記の範囲であると、加熱により硬化性組成物がより一層効果的に硬化し、成形体の耐熱性がより一層高くなる。
硬化性樹脂としてのカルボキシル基含有樹脂は、樹脂中のカルボキシル基とエポキシ基とが熱硬化反応するための成分であり、具体的には、下記に列挙するような樹脂が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上とを共重合させることにより得られるカルボキシル基含有共重合樹脂、
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物や(メタ)アクリル酸クロライドなどによって、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボン酸含有樹脂、
(5)多官能エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、
(6)ポリビニルアルコール誘導体などの水酸基含有ポリマーに、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させた後、生成したカルボン酸に一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、
(7)多官能エポキシ化合物と、不飽和モノカルボン酸と、一分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、
(8)一分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有する多官能オキセタン化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させ、得られた変性オキセタン樹脂中の第一級水酸基に対して飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、及び
(9)多官能エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させた後、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボン酸含有樹脂に、更に、分子中に1個のオキシラン環と1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
これらの例示の中で好ましいものとしては、上記(2)、(5)、(7)、(9)のカルボキシル基含有樹脂であり、特に上記(5)のカルボキシル基含有樹脂が、熱硬化性、硬化皮膜特性の面から好ましい。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、好ましくは10〜150mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは30〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が10mgKOH/g以上であると、密着性がより良好となり、また、150mgKOH/g以下であると硬化物の熱安定性がより向上する。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に1000〜30000、さらには5000〜20000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が1000以上であると、タックフリー性能がより高まり、硬化物の硬度もより十分なものとなる。また、重量平均分子量が20000以下であると、密着性、硬化性をよりバランス良く達成することが可能となる。
このようなカルボキシル基含有樹脂の配合量は、固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して、好ましくは25〜60質量部、より好ましくは25〜50質量部である。25質量部以上の場合、硬化性がより十分となり、また、上記50質量部以下の場合、粘性が最適となり、塗布性等が低下することもない。
硬化性樹脂としてのシリコーン樹脂は、通常、酸化チタンを含むと密着性が悪くなるので、シリコーン樹脂の添加によって密着性と硬化性とバランスを取ることが可能となる。とりわけ、下記の線状シリコーン樹脂および架橋型シリコーン樹脂を添加することによって、より一層良好な密着性、硬化性、耐熱性を得ることができる。
線状シリコーン樹脂は、下記一般式(II)で表される構造を有し、両末端にシラノール基を持つシリコーン樹脂である。線状シリコーン樹脂により、より一層良好な耐高温クラック性を付与することができる。
Figure 2016135827
(式中、Rがそれぞれ直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜12のアルキル基を示す。nは粘度が10〜100cpとなる整数である。)
線状シリコーン樹脂は、上記一般式(II)の構造を有し、両末端にシラノール基を持つ線状シリコーン樹脂であれば、問題なく使用できる。市販品としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のYF3800、XF3905、YF3057、YF3807、YF3802、YF3897、XC96−723、2D SILANOL FLUIDが挙げられる。
上記線状シリコーン樹脂の分子量は、特に限定されないが、あまりに大きい場合には、高粘度でハンドリング性が不良となる場合があるため、その分子量を粘度が10〜100cpとなるように調整することが好ましく、粘度を20〜70cpとなるように調整することがより好ましい。また、上記線状シリコーン樹脂の重量平均分子量は、一般的に300〜8000、さらには400〜7000の範囲にあるものが好ましい。
架橋型シリコーン樹脂としては特に制限されず、加熱硬化型シリコーン樹脂、常温硬化型シリコーン樹脂のいずれも使用できる。架橋型シリコーン樹脂により、より一層良好な耐溶剤性を付与することができる。
また、上記架橋型シリコーン樹脂の重量平均分子量は、一般的に5000〜50000、さらには10000〜30000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が5000以上であると、硬化物の硬度もより十分なものとなる。また、重量平均分子量が50000以下であると、密着性、硬化性をよりバランス良く達成することが可能となる。
架橋型シリコーン樹脂としては、市販のものを使用でき、たとえば、SR2400、SR2410、SR2411、SR2510、SR2405、840RESIN、804RESIN(いずれも商品名、東レダウコーニング社製)、KR271、KR272、KR274、KR216、KR280、KR282、KR261、KR260、KR255、KR266、KR251、KR155、KR152、KR214、KR220、X−4040−171、KR201、KR5202、KR3093、KR240、KR350、KR400(いずれも商品名、信越シリコーン社製)、TSR127B、YR3370(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)などが挙げられる。この中から、1種を単独で使用してもよいし、2種以上の樹脂を併用してもよい。
〔(b)グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤を含む。グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤を上記硬化性樹脂と併用することにより、製造プロセス中の厳しい条件においても、優れた高温絶縁抵抗性を得ることができる。
上記のシラン系カップリング剤は、好ましくは水酸基およびメトキシ基の少なくとも何れか1種を有し、より好ましくは下記一般式(I)の構造を有する。
Figure 2016135827
(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜3の整数、R’は−(CH−O−(CH−であって、iおよびjは夫々独立に1〜5の整数である。)
上記シラン系カップリング剤は、より好ましくは上記一般式(I)中のR’のiが1、jが3であり、j側の炭素原子が上記一般式(I)中のSiと結合する。
上記シラン系カップリング剤としては、水酸基およびメトキシ基の少なくとも何れか1種を有し、また、上記一般式(I)の構造を有するシラン系カップリング剤であれば、問題なく使用できる。市販品としては、例えば、CoatOSil MP 200(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
上記シラン系カップリング剤の分子量は、特に限定されないが、その分子量を粘度が0.003m/s以下となるように調整することが好ましい。より好ましくは、0.001m/s以下である。
グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤の配合量としては、固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがさらに好ましい。上記シラン系カップリング剤の配合量が、20質量部以下の場合、印刷性(コーティング性)が良好となる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、他のシラン系カップリング剤も併用して用いることができる。他のシラン系カップリング剤としては特に限定されないが、例えば、一般にエポキシシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、カチオニックシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤およびこれらの複合系カップリング剤が挙げられる。
他のシラン系カップリング剤の市販品としては、例えば、KA−1003、KBM−1003、KBE−1003、KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−602、KBM−603、KBE−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−9103、KBM−573、KBM−575、KBM−6123、KBE−585、KBM−703、KBM−802、KBM−803、KBE−846、KBE−9007(いずれも商品名、信越シリコーン社製)、Silquest A−186、Silquest A−187(いずれも商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる
〔(c)硫酸バリウム、シリカ、タルクのいずれか少なくとも1種〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用される(c)硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種の絶縁性フィラーは、使用により、硬化物の高温絶縁抵抗性を改善するのみでなく、表面平坦性を上昇させ、加工プロセスの加熱による変形を抑制し、表面平坦性を維持するほか、かすり傷やマイクロクラックを有効に防止することができる。特に表面の平坦性も改善する観点からは、上記絶縁性フィラーは、硫酸バリウムを含むことが好ましい。また、マイクロクラックを防止するための観点からは、前記硫酸バリウムに加えて、さらにタルクおよびシリカのいずれか少なくとも1種を含むことがより好ましい。
上記絶縁性フィラーの粒径として、硫酸バリウムの平均粒径は0.05〜5.00μmであること、シリカの平均粒径は0.1〜5.0μmであること、タルクの平均粒径は0.1〜5.0μmであることが好ましい。絶縁性フィラーの平均粒径は上記の範囲の上限値以下であると、分散性や表面平坦性がより向上する。また、絶縁性フィラーの平均粒径は上記の範囲の下限値以上であると、硬化性や高温抵抗性がより向上する。
上記絶縁性フィラーの合計配合量として、固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して、高温絶縁抵抗性がさらに向上することより、10〜70質量部であることが好ましく、10〜60質量部であることがより好ましい。また、硫酸バリウム、シリカ、タルクは市販のものを使用してもよい。
硫酸バリウムの市販品としては、沈降性硫酸バリウム ♯100、沈降性硫酸バリウム ♯300、沈降性硫酸バリウム SS−50、BARIACE B−30、BARIACE B−31、BARIACE B−32、BARIACE B−33、BARIACE B−34、BARIFINE BF−1、BARIFINE BF−10、BARIFINE BF−20、BARIFINE BF−40(堺化学工業社製)、表面処理硫酸バリウム B−30、B−34(堺化学工業社製)、W−1、W−6、W−10、C−300(竹原化学工業社製)などが挙げられる。
シリカの市販品としては、アエロジル50、アエロジル200、アエロジル380、アエロジルA300などのAシリーズ、RY300などのRYシリーズ(日本アエロジル社製);WACKER HDK S13、WACKER HDK V15、WACKER HDK N20(いずれも旭化成社製);「ファインシールB」(商品名、トクヤマ社製)、「ファインシール」(トクヤマ社製)、「サイリシア」(富士シリシア化学社製)、スノーテックスUP、スノーテックスOUP(日産化学工業社製)、Nipsil L−300、Nipsil KQ(日本シリカ工業社製)等が挙げられる。
タルクの市販品としては、LMS−100、LMS−200、LMS−300、LMS−3500、LMS−400、LMP−100、PKP−53、PKP−80、PKP−81(富士タルク工業社製)、D−600、D−800、D−1000、P−2、P−3、P−4、P−6、P−8、SG−95(日本タルク社製)等が挙げられる。これらは単独あるいは複数組み合わせても使用できる。
〔(d)着色剤〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、着色剤を含有する。使用する着色剤としては、黒色着色剤、白色着色剤、青色着色剤、赤色着色剤、紫色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤を用いることができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。特に隠蔽性の観点から、組成物が黒、白、グレーの何れかとなることが好ましい。具体例として、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。特に好ましいものとしては、黒色着色剤を用いることができる。
本発明の組成物に含まれる黒色着色剤は、黒色を十分に示し、上記カルボキシル基含有樹脂またはエポキシ樹脂と化学的に反応しないものであればよく、例えば、C.I.Pigment black 6、7、9および18等に示されるカーボンブラック系の着色剤、C.I.Pigment black 8、10等に示される黒鉛系の着色剤、C.I.Pigment black 11、12および27,Pigment Brown 35等で示される酸化鉄系の着色剤:例えば戸田工業社製KN−370の酸化鉄、三菱マテリアル社製13Mのチタンブラック、C.I.Pigment black 20等で示されるアンスラキノン系の着色剤、C.I.Pigment black13、25および29等で示される酸化コバルト系の着色剤、C.I.Pigment black 15および28等で示される酸化銅系の着色剤、C.I.Pigment black 14および26等で示されるマンガン系の着色剤、C.I.Pigment black 23等で示される酸化アンチモン系の着色剤、C.I.Pigment black 30等で示される酸化ニッケル系の着色剤、C.I.Pigment black 31、32で示されるペリレン系の着色剤、Pigment Black 1で示されるアニリン系の着色剤および硫化モリブデンや硫化ビスマスも好適な着色剤として例示できる。これらの着色剤は、単独で、または適宜組み合わせて使用される。
特に好ましいのは、カーボンブラックであり、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック、M−40、M−45、M−50、MA−8、MA−100、コロンビアケミカルカンパニー製のカーボンブラック1255等が挙げられる。
黒色着色剤の配合量は、多すぎると、絶縁性が低下し、コストアップにも繋がり、また少なすぎると、色沢または非透明性が不十分となる場合はある。好ましくは、固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して1〜25質量部であり、より好ましくは、2〜20質量部である。
白色の着色剤としては、C.I.ピグメントホワイト4に示される酸化亜鉛、C.I.ピグメントホワイト6に示される酸化チタン、C.I.ピグメントホワイト7に示される硫化亜鉛が挙げられるが、着色力と無毒性という点から特に好ましいのは酸化チタンであり例えば、富士チタン工業社製TR−600、TR−700、TR−750、TR−840、石原産業社R−550、R−580、R−630、R−820、CR−50、CR−60、CR−90、チタン工業社製KR−270、KR−310、KR−380等のルチル型酸化チタン、富士チタン工業社製TA−100、TA−200、TA−300、TA−500、石原産業社製A100、A220、チタン工業社製KA−15、KA−20、KA−35、KA−90等のアナターゼ型酸化チタンが挙げられる。
白色着色剤の配合量は、好ましくは固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して0.1〜60質量部である。
青色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系等の顔料系はピグメント(Pigment)、染料系はソルベント(Solvent)に分類されている化合物などがあり、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
顔料系:Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60;
染料系:Solvent Blue 35、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70;
等を使用することができる。上記以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
赤色着色剤としては、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
モノアゾ系:Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23, 31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269;
ジスアゾ系:Pigment Red 37, 38, 41;
モノアゾレーキ系:Pigment Red 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1, 68;
ベンズイミダゾロン系:Pigment Red 171, Pigment Red 175, Pigment Red 176, Pigment Red 185, Pigment Red 208;
ぺリレン系:Solvent Red 135, Solvent Red 179, Pigment Red 123, Pigment Red 149, Pigment Red 166, Pigment Red 178, Pigment Red 179, Pigment Red 190, Pigment Red 194, Pigment Red 224;
ジケトピロロピロール系:Pigment Red 254, Pigment Red 255, Pigment Red 264, Pigment Red 270, Pigment Red 272;
縮合アゾ系:Pigment Red 220, Pigment Red 144, Pigment Red 166, Pigment Red 214, Pigment Red 220, Pigment Red 221, Pigment Red 242;
アンスラキノン系:Pigment Red 168, Pigment Red 177, Pigment Red 216, Solvent Red 149, Solvent Red 150, Solvent Red 52, Solvent Red 207;
キナクリドン系:Pigment Red 122, Pigment Red 202, Pigment Red 206, Pigment Red 207, Pigment Red 209.
紫色着色剤としては、具体的には、Pigment Violet 19, 23, 29, 32, 36, 37, 38, 42;
Solvent Violet 13, 36; C.I.Pigment brown 25; C.I.Pigment black 1, C.I. Pigment black 7,Pigment Violet 37(ジオキサジン系)等が挙げられる。
黄色着色剤としては、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下の着色剤が挙げられる。モノアゾ系:Pigment Yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 183;
ジスアゾ系:Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 198;
縮合アゾ系:Pigment Yellow 93, Pigment Yellow 94, Pigment Yellow 95, Pigment Yellow 128, Pigment Yellow 155, Pigment Yellow 166, Pigment Yellow 180;
ベンズイミダゾロン系:Pigment Yellow 120, Pigment Yellow 151, Pigment Yellow 154, Pigment Yellow 156, Pigment Yellow 175, Pigment Yellow 181;
イソインドリノン系:Pigment Yellow 110, Pigment Yellow 109, Pigment Yellow 139, Pigment Yellow 179, Pigment Yellow 185;
アントラキノン系:Solvent Yellow 163, Pigment Yellow 24, Pigment Yellow 108, Pigment Yellow 193, Pigment Yellow 147, Pigment Yellow 199, Pigment Yellow 202.
緑色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系があり、具体的には、Pigment Green 7, Pigment Green 36, Solvent Green 3, Solvent Green 5, Solvent Green 20, Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
オレンジ色着色剤としては、具体的には、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73等が挙げられる。
茶色着色剤としては、具体的には、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25等が挙げられる。
また、黒色着色剤、白色着色剤以外の着色剤は、好ましくは固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して0.1〜10質量部である。
また、本発明の組成物には、必要に応じて所望の物性または製造プロセスに使用される製造条件を調整するために以下のような添加剤を含むことができる。
[硬化触媒]
硬化速度の促進、または、加熱温度を低下させるために、硬化触媒を配合することができる。この硬化触媒としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。市販されている硬化触媒としては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、▲寧▼夏石嘴山民族化工集団公司製のDBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。
[光安定剤]
更に、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、その硬化物の光劣化の減少を目的としてヒンダードアミン系光安定剤を配合することができる。
このヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB 119FL(以上いずれもBASFジャパン社製);MARK LA−57、LA−62、LA−67、LA−63、LA−68(以上いずれもADEKA社製);サノールLS−770、LS−765、LS−292、LS−2626、LS−1114、LS−744(以上いずれも三共ライフテック社製)等が挙げられる。
[密着促進剤]
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、層間の密着性、又はポリイミド等の基材との密着性を向上させるために密着促進剤を用いることができる。密着促進剤としては、例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール(商品名:川口化学工業社製アクセルM)、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
[酸化防止剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、酸化を防ぐために、発生したラジカルを無効化するようなラジカル捕捉剤や、発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤などの酸化防止剤を含有することができる。本発明で用いられる酸化防止剤は、カルボキシル基含有樹脂やエポキシ樹脂等の酸化劣化を防止し、黄変を抑制することができる。上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでもフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[有機溶剤]
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、組成物の希釈、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、希釈剤として有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。有機溶剤の配合量としては、特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜に添加すればよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法等の方法により塗布し、約50〜300℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。
[湿潤分散剤]
組成物の微小凹部への充填性、硬化皮膜の表面平滑性、組成物の消泡性または表面張力を調整するために、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、湿潤分散剤を含有することができる。その市販品としては、例えば、ビックケミー・GMBH社製湿潤分散剤BYK−110、BYK−111、BYK−183等が挙げられる。湿潤分散剤は単独または2種以上を併用してもよい。湿潤分散剤の配合量としては、固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
[レベリング剤]
レベリング剤としては、例えば、ポリアクリレート系重合体、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物およびポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物等が挙げられる。レベリング剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。レベリング剤の配合量として、固形分換算で熱硬化性樹脂組成物全体の100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
[消泡剤]
消泡剤の具体例としては、市販されている非シリコーン系の破泡性ポリマー溶液からなる消泡剤としてビックケミー・ジャパン社製のBYK(登録商標)−054、−055、−057、−1790などが挙げられ、シリコーン系の消泡剤としてはビックケミー・ジャパン社製のBYK(登録商標)−063、−065、−066N、−067A、−077、及び、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のジメチルシリコーンオイル SH200シリーズ、などが挙げられる。
〔基板〕
本発明に使用される基板としては、ポリイミドフィルム、PETフィルムなどの樹脂フィルム、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、ウエハ板等を挙げることができる。この中でもポリイミドフィルム、PETフィルムなどの樹脂フィルム、ガラス基板を好ましく用いることができる。基板の材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。密着性の観点から、ガラス基板がより好ましい。
〔製造・混合方法〕
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記の必須成分および必要に応じて使用される他の添加成分を均一に混合すれば、製造できる。混合方法としては、公知の方法が使用でき、特に限定されない。分散機を使用せずに混合する方法、ニーダー、ロールミル、アトライター、ビーズミルなどの各種分散機で機械的に混合する方法のいずれでもよい。
特に好ましい方法としては、予め前記絶縁性フィラーと溶剤と分散剤とを配合し、ビーズミル等の分散機で分散した分散液を、他の硬化性樹脂成分と混合し、または必要に応じてさらにロールミル分散して得る方法、若しくは予め一部の樹脂成分と前記絶縁性フィラーと溶剤と分散剤とを配合しビーズミル等の分散機で分散した分散液を、他の硬化性樹脂成分と混合し、または必要に応じてさらにロールミル分散して得る方法が挙げられる。
また、着色剤を添加する際には、分散性の観点から、水又は有機溶剤などに、予め着色剤などの粉体類を分散させた混合液に、着色剤分散剤を溶解又は微分散させた液を添加及び混合することが好ましい。
〔塗布方法〕
このようにして熱硬化性樹脂組成物を所定の組成で調製した後、例えば、有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、例えば、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法等の方法により塗布することができる。この中でも、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法が好ましく使用され、スクリーン印刷法が特に好ましく使用される。
〔硬化方法〕
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う硬化は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱式の熱源を備えたものを用いて乾燥機の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。加熱条件としては100〜300℃が好ましい。特に硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合、100〜200℃が好ましく、シリコーン樹脂を用いた場合、200〜300℃が好ましい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、以下において特に断りのない限り、「部」は質量部を、「%」は質量%を意味する。
(実施例1〜7及び比較例1)
下記表1に示す種々の成分を表1に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、熱硬化性樹脂組成物のペーストを調製した。
[硬化性樹脂の合成例1(クレゾールノボラック型感光性樹脂)]
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gに、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6)1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一に溶解した。次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に、芳香族系炭化水素(東燃ゼネラル石油(株)製、ソルベッソ150)415g、テトラヒドロ無水フタル酸456.0g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却し、クレゾールノボラック型感光性樹脂(ワニス)を得た。
このようにして得られたクレゾールノボラック型感光性樹脂(ワニス)の固形分濃度は65質量%、固形分の酸価は89mgKOH/gであった。また、得られたクレゾールノボラック型感光性樹脂の重量平均分子量(Mw)は9,000であった。
なお、得られた樹脂の重量平均分子量は、(株)島津製作所製のポンプLC−6ADと、昭和電工(株)製のカラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
Figure 2016135827
*1 BNE200D75、長春人造樹脂廠(股)製、エポキシ樹脂(固形分75%)、エポキシ当量:198〜218(表中の配合量は固形分の値)
*2 合成例1で得られたクレゾールノボラック型感光性樹脂(ワニス)(表中の配合量は固形分の値)
*3 CoatOSil MP-200、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、エポキシシランオリゴマー
*4 Silquest A-187、 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、有機シラン
*5 B-30、堺化学工業社製、平均粒径:0.3μm、表面処理硫酸バリウム
*6 Nipsil L300、日本シリカ工業社製、平均粒径:2.2μm
*7 SG-95、日本タルク社製、含水ケイ酸マグネシウム、平均粒径(D50):2.5μm
*8 1255、コロンビアケミカルカンパニー製、カーボンブラック、黒色着色剤
*9 Irgazin DPP Red Ultra Opaque、BASFジャパン社製、赤色着色剤
*10 Cromophtal Violet B、BASFジャパン社製、紫色着色剤(Pigment Violet 37)
*11 OSTAPLAST YELLOW AGR、 Synthesia,a,s製、アントラキノン、黄色着色剤
*12 RKB-33、バイエルAG社製、酸化チタン、白色着色剤
*13 ジシアンジアミド
*14 DEAC、Polynt UKLtd.製、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
*15 BYK-183、BYK-ChemieGmbH製、顔料親和性基をもつ高分子量ブロックコポリマー
*16 BYK-110、BYK-ChemieGmbH製、酸性基含有共重合体
*17 BYK-354、BYK-ChemieGmbH製、ポリアクリレート系レベリング剤
(評価ガラス基板の作製)
上記実施例1〜7及び比較例1で得られた熱硬化性樹脂組成物のペーストをそれぞれ420メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷にて硬化皮膜の膜厚が乾燥後約6μmとなるようにガラス基板(セントラル硝子社製ソーダライムガラス、厚さ0.7mm)に塗工し、塗工されたガラス基板をオーブン(ヤマト科学社製、DH−62)に入れて、150℃で30分間加熱ベークを行ない、約6μmの硬化皮膜が形成された評価ガラス基板を作製した。
前記各熱硬化性樹脂組成物の硬化皮膜が形成されたガラス基板を用いて、以下のような種々の特性について下記の方法で評価した。
<光遮蔽性(OD値)>
ガラス基板の皮膜側を測定器に向けて透過濃度計(サカタインクスエンジニアリング社製、型番:X−Rite 361T、光源波長:400〜800nm)に装着してOD値を以下のように評価した。
○:OD値が4超
△:OD値が3以上4以下
×:OD値が3未満
<熱湯耐性(熱湯試験)>
ガラス基板を60分間、100℃の沸騰水中に浸漬した後に、取り出して表面の水分を除去してから、目視で水の浸入または皮膜の析出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
<耐高温クラック性>
ガラス基板を、DENG YNG高温オーブン(登盈儀器社製、型番:DH−400)に入れて、280℃で1時間加熱し、電子顕微鏡(50倍、オリンパス社製、型番:MEASURING MICROSCOPE STM−MJS2)を使用し、ガラス基板の塗膜表面を以下のように評価した。
○:クラックなし
△:クラック発生率が0%超10%未満
×:クラック発生率が10%以上
<高温絶縁抵抗性>
ガラス基板をオーブンにて300℃で30分間ベークし、抵抗計(Agilent Technologes製、ハイレジスタンスメータ4339B、コンポーネント・テスト・フィクスチャ16339A)の正極、負極を、正極と負極との距離が0.5cmとなるようにそれぞれガラス基板の皮膜に挟め、電圧:500V、時間:60秒間という条件で皮膜の抵抗を測定し、以下のように皮膜の抵抗を評価した。
○:抵抗が1×1010Ω超
△:抵抗が1×10以上1×1010Ω以下
×:抵抗が1×10Ω未満
<表面平坦性>
表面粗さ測定計((株)小坂研究所製、型番:SE3500)を用いて、測定長さ:2.5mm、縦倍率:1000、横倍率:100、カットオフ:0.8mm、速度:0.5mm/sという条件で皮膜表面の粗さ(ピークの最大高さ、RmaxD)を3回測定し、以下のように評価した。
○:RmaxDが1.5μm未満
△:RmaxDが1.5以上2μm未満
×:RmaxDが2μm以上
<鉛筆硬度>
JIS K5400(1990版)に準拠して、鉛筆硬度計(東洋精機社製、型番:C221A)各ガラス基板に、芯の先が平らになるように研がれた4B〜9Hの鉛筆を、約45°の角度で押し付けて、皮膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
<耐硫酸性>
25℃でガラス基板を10vol%硫酸水溶液に30分間浸漬して、水で洗浄を行った後に、水分を除去して、目視で水の浸入または皮膜の溶出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
<耐塩酸性>
25℃でガラス基板を10vol%塩酸水溶液に30分間浸漬して、水で洗浄を行った後に、水分を除去して、目視で水の浸入または皮膜の溶出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
<耐アルカリ性>
25℃でガラス基板を10wt%NaOH水溶液に30分間浸漬して、水で洗浄を行った後に、水分を除去して、目視で水の浸入または皮膜の溶出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
<耐溶剤性>
キンバリークラーク製のレンズペーパーに、少量のエタノール(95vol%)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)(100vol%)、イソプロピルアルコール(IPA)(100vol%)を付け、溶剤が付けられたレンズペーパーを用いてガラス基板の皮膜を約20回繰り返して拭いた後に、皮膜の表面を目視で観察した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:皮膜が剥離した。
<密着性(碁盤目付着性試験)>
JISK5400に準拠して、サンプルの皮膜に、1mmの碁盤目100個(10×10)を作り、碁盤目上に透明粘着テープ(ニチバン社製、幅:18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った碁盤目の数を調べた。
下記表2には、残った碁盤目の数を分子として、碁盤目の全数(100個)を分母として結果を記載した。
○:碁盤目が100%残存した。
△:碁盤目が95%以上100%未満残存した。
×:碁盤目が95%未満残存した。
前記各評価試験の結果を表2にまとめて示す。
Figure 2016135827
表2に示すように、本実施形態に係る実施例1〜7はいずれも、密着性、表面平坦性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ高温絶縁抵抗性及び耐溶剤性を両立するものであった。特に、製造プロセス中の厳しい条件における高温絶縁抵抗性に優れることが確認された。一方、比較例1は、グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤を配合していないため、十分な高温絶縁抵抗性が得られたものではなかった。

Claims (5)

  1. (a)硬化性樹脂と、(b)グリシジル基と水酸基とを有するシラン系カップリング剤と、(c)硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種と、(d)着色剤と、を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記シラン系カップリング剤が水酸基、およびメトキシ基の少なくとも何れか1種を有する請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記シラン系カップリング剤が、下記一般式(I)の構造を有する請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2016135827
    (式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜3の整数、R’は−(CH−O−(CH−であって、iおよびjは夫々独立に1〜5の整数である。)
  4. 基板上に形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物。
  5. 請求項4に記載の硬化物を備えたことを特徴とするディスプレイ用部材。
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