JP2016135727A - 管状体 - Google Patents

管状体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016135727A
JP2016135727A JP2015011799A JP2015011799A JP2016135727A JP 2016135727 A JP2016135727 A JP 2016135727A JP 2015011799 A JP2015011799 A JP 2015011799A JP 2015011799 A JP2015011799 A JP 2015011799A JP 2016135727 A JP2016135727 A JP 2016135727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sic
layer body
inner layer
outer layer
tubular body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015011799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6460808B2 (ja
Inventor
真緒 棚橋
Mao TANAHASHI
真緒 棚橋
高木 俊
Takashi Takagi
俊 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2015011799A priority Critical patent/JP6460808B2/ja
Publication of JP2016135727A publication Critical patent/JP2016135727A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6460808B2 publication Critical patent/JP6460808B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】外部、他の部材、熱応力によって発生する歪みに対し、強い抵抗力を持つSiCからなる管状体を提供する。
【解決手段】管状体10は、第1のSiC繊維強化SiC複合材21からなる内層体20と、第2のSiC繊維強化SiC複合材31からなる外層体30と、内層体20と外層体30とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層40と、からなる。このため、内層体20あるいは外層体30の破壊が生じても他方に直接的に波及しないので、外部、他の部材、熱応力によって発生する歪みに対し、強い抵抗力を持つSiCからなる管状体10を提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、管状体に関する。
セラミック材料は、一般に耐熱性、強度、耐食性が高いことから、過酷な環境下で使用する構造材料に広く用いられている。
特許文献1には、過酷な環境の一つである原子力発電所における燃料格納容器障壁等に使用される多層セラミックチューブの発明が記載されている。この多層セラミックチューブは、高純度β型化学量論的炭化ケイ素の内層、連続的β型化学量論的炭化ケイ素ファイバーの中間複合材層、及び細粒炭化ケイ素の外層を有する多層セラミックチューブからなり、原子力発電所または原子炉に使用される燃料棒のための被覆として使用するのに特に好適である。セラミックチューブは高い初期ひび割れ抵抗、剛度、極限強度、及び衝撃/熱衝撃抵抗を兼ね備えていることが記載されている。
すなわち、上記記載された発明は、多層セラミックチューブは、高度の初期ひび割れ抵抗、剛度、及び極限強さと共に、優れた機械的及び熱的衝撃抵抗を備え、このなかで中間複合材層は剛度が低いため、モノリスのひび割れを防止できることが記載されている。
特表2008−501977号公報
しかしながら、上記記載された発明は、初期のひび割れ抵抗は備えているものの、一旦破壊が始まると、セラミックチューブ(管状体)を貫通するひび割れあるいは全体的な破損が起こる。特に上記セラミックチューブは、弾性率が高いので、外部、他の部材から加わる歪み、熱応力に対しては、大きな応力を発生し、破損にいたる。
例えば、原子炉内で中性子線照射によって発生するスウェリングなど、内部に挿入した核燃料、部材などが膨張する場合には、他の部材の変形によって歪みを生じさせ、大きな応力を発生させる。
上記課題を鑑み本発明では、外部、他の部材、熱応力によって発生する歪みに対し、強い抵抗力を持つSiCからなる管状体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明の管状体は、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、第2のSiC繊維強化SiC複合材からなるとともに前記内層体の外側に配置された外層体と、前記内層体と前記外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、からなる。
本発明によれば、管状体が、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、第2のSiC繊維強化SiC複合材からなる外層体と、内層体と外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、からなる。このため、外部、他の部材から歪み、熱応力が加わり内層体あるいは外層体の破壊が生じても他方に直接的に波及しない。また、緩衝層は、外層体と、内層体とを部分的につないでいるので、管状体の外側から外層体または内層体を圧縮させる応力が加わっても、緩衝層が破壊されることにより応力を緩和し、他方に破壊を及びにくくすることができる。
さらに、内層体と、外層体とは、緩衝層により部分的につながれているので、熱が伝わりにくく、外層体あるいは内層体の内部に発生する温度差を緩やかにすることができる。このため、熱が伝達される側の層では、発生する熱応力の大きさを小さくすることができる。また、内層体と、外層体との間の緩衝層は、内層体と外層体とがそれぞれ異なる温度であっても、熱膨張差を容易に吸収することができるので、管状体の破壊を防止することができる。
また、内層体及び外層体はSiC繊維強化SiC複合材よりなる。SiC繊維強化SiC複合材は、クラックが入っても骨材であるSiC繊維が切断されにくく全体の形状を保持することができる。さらに、クラックが入っても残ったSiC繊維の弾力によってクラックが入ったままではあるものの、破損した側の層は元の形状に復元し、管状体としての機能を維持したまま継続して使用することができ、必要に応じて管状体を交換するまで性能を維持することができる。
さらに、本発明の管状体は、以下の態様であることが望ましい。
(1)前記緩衝層は、前記内層体と前記外層体との間に架け渡された支持部と、前記支持部間に形成された空隙と、からなる。
本発明の管状体の緩衝層は、支持部と空隙とからなり、内層体と、外層体とは、支持部の部分で接続され、空隙の部分では、接続しない。
このため、緩衝層による内層体と外層体との接続は、相対的に弱くなる。内層体と外層体との間隔が広がる方向に応力が加わった場合には、支持部が破断し、内層体と外層体との間隔が狭まる方向に応力が加わった場合には、支持部が潰れる。このため、熱応力、外部からの応力が加わりにくい側の層は保護され、管状体を貫通する破壊を防止することができる。
(2)前記支持部は、多孔質のSiCである。
すなわち、支持部が、多孔体であると、内層体あるいは外層体と比較して緩衝層を破壊しやすくすることができるので、熱応力、外部からの応力が加わりにくい側の層はより保護され、管状体を貫通する破壊をより防止することができる。
(3)前記第1のSiC繊維強化SiC複合材及び/または前記第2のSiC繊維強化SiC複合材は、SiC繊維からなる骨材とSiCマトリックスとからなり、前記SiCマトリックスは、PIP−SiC材またはCVD−SiC材である。なお、PIP(Polymer Infiltration and Pyrolysis)−SiC材とは、樹脂を前駆体とするSiC材のことである。
すなわち、PIP−SiC材は、前駆体層の樹脂を焼成して得られ多孔質であるので内部が緻密なSiC繊維との境界が明確であり、多孔質のマトリックス側から、亀裂が進展してもSiC繊維の表面で止まり、SiC繊維の破断しにくくできる。また、CVD−SiC材は、緻密な素材ではあるが、表面から沈着し、SiC繊維からなる骨材の奥には沈着しにくいので、SiC繊維と、SiCマトリックスとが一体化せず、SiC繊維による強化作用を発揮することができる。さらに、CVD−SiC材は、緻密な素材であるので、SiC繊維からなる骨材の有する微細な孔を封止する作用があり、気密性を高くすることができる。この効果は、第1のSiC繊維強化SiC複合材と第2のSiC繊維強化SiC複合材とのいずれについても発揮することができる。
(4)前記SiCマトリックスは、SiC繊維からなる前記骨材の隙間を充填するPIP−SiC材よりなる充填材と、前記骨材と前記充填材を覆うCVD−SiC材よりなる被覆材からなる。
すなわち、PIP−SiC材は、前駆体層の樹脂を焼成して得られ多孔質であるので内部が緻密なSiC繊維との境界が明確であり、多孔質のマトリックス側から、亀裂が進展してもSiC繊維の表面で止まり、SiC繊維の破断しにくくできる。一方、CVD−SiC材は、緻密な素材であるので、SiC繊維からなる骨材の有する微細な孔を封止する作用があり、気密性を高くすることができる。このため、高強度でありながら気密性の高い管状体を得ることができる。この効果は、第1のSiC繊維強化SiC複合材と第2のSiC繊維強化SiC複合材とのいずれについても発揮することができる。
(5)前記骨材は、SiC繊維のストランドを編んだ組紐体である。
すなわち、組紐体は管状の骨材であり、シートを巻いたときにできる巻き始め、巻き終わりなどの端部がない。このため、組紐体が一重であっても、ほつれやすい端部は無い。このため、内層体及び/または外層体を薄く構成しても十分な強度を発揮でき、緩衝層を有していても、全体の厚みを小さくすることができる。さらに、内層体と外層体との間に空隙を有していても、全体の厚みを小さくすることができ設計の自由度を高めることができる。
(6)前記管状体は、原子力炉用構造部材である。
原子炉用構造部材では、中性子線照射によって発生するスウェリング、温度差など応力の発生原因が多数ある。スウェリングなどが発生すると、物質は膨張し、原子炉構造部材は互いに応力を発生させる。特に燃料棒、チャンネルボックスなど内部に他の部材を挿入して使用する管状体では、内部の部材の膨張は管状体の破損に結びつく。
本発明では、核燃料など内部の部材が膨張して、内層体側に応力がかかっても緩衝層が応力を吸収し、外層体側の破損を防止することができる。このため管状体そのものの破損をしにくくすることができる。また、SiCは中性子を吸収しにくいので原子炉用構造部材として好適に利用することができる。
本発明によれば、管状体が、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、第2のSiC繊維強化SiC複合材からなる外層体と、内層体と外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、からなる。このため、内層体あるいは外層体の破壊が生じても他方に直接的に波及しないので、外部、他の部材、熱応力によって発生する歪みに対し、強い抵抗力を持つSiCからなる管状体を提供することができる。
(A)は本発明に係る管状体の全体斜視図であり、(B)は端面図である。 (A)は熱処理前の図1(B)における“II”位置の拡大断面図であり、(B)は熱処理後の図1(B)における“II”位置の拡大断面図である。 (A)〜(C)は管状体の製造方法を示す工程図である。 (A)〜(D)は外層体と内層体との間に前駆体層が挟まれた挿入ユニットの製造方法を示す工程図である。
本発明の管状体について説明する。
前記課題を解決するための本発明の管状体は、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、第2のSiC繊維強化SiC複合材からなるとともに前記内層体の外側に配置された外層体と、前記内層体と前記外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、からなる。
本発明によれば、管状体が、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、第2のSiC繊維強化SiC複合材からなる外層体と、内層体と外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、からなる。このため、外部、他の部材から歪み、熱応力が加わり内層体あるいは外層体の破壊が生じても他方に直接的に波及しない。また、緩衝層は、外層体と、内層体とを部分的につないでいるので、管状体の外側から外層体または内層体を圧縮させる応力が加わっても、緩衝層が破壊されることにより応力を緩和し、他方に破壊を及びにくくすることができる。
さらに、内層体と、外層体とは、緩衝層により部分的につながれているので、熱が伝わりにくく、外層体あるいは内層体の内部に発生する温度差を緩やかにすることができる。このため、熱が伝達される側の層では、発生する熱応力の大きさを小さくすることができる。また、内層体と、外層体との間の緩衝層は、内層体と外層体とがそれぞれ異なる温度であっても、熱膨張差を容易に吸収することができるので、管状体の破壊を防止することができる。
また、内層体及び外層体はSiC繊維強化SiC複合材よりなる。SiC繊維強化SiC複合材は、クラックが入っても骨材であるSiC繊維が切断されにくく全体の形状を保持することができる。さらに、クラックが入っても残ったSiC繊維の弾力によってクラックが入ったままではあるものの、破損した側の層は元の形状に復元し、管状体としての機能を維持したまま継続して使用することができ、必要に応じて管状体を交換するまで性能を維持することができる。
さらに、本発明の管状体は、以下の態様であることが望ましい。
(1)前記緩衝層は、前記内層体と前記外層体との間に架け渡された支持部と、前記支持部間に形成された空隙と、からなる。
本発明の管状体の緩衝層は、支持部と空隙とからなり、内層体と、外層体とは、支持部の部分で接続され、空隙の部分では、接続しない。
このため、緩衝層による内層体と外層体との接続は、相対的に弱くなる。内層体と外層体との間隔が広がる方向に応力が加わった場合には、支持部が破断し、内層体と外層体との間隔が狭まる方向に応力が加わった場合には、支持部が潰れる。このため、熱応力、外部からの応力が加わりにくい側の層は保護され、管状体を貫通する破壊を防止することができる。
(2)前記支持部は、多孔質のSiCである。
すなわち、支持部が、多孔体であると、内層体あるいは外層体と比較して緩衝層を破壊しやすくすることができるので、熱応力、外部からの応力が加わりにくい側の層はより保護され、管状体そのものが破壊することをより防止することができる。
なお、多孔質のSiCは、気孔が連続気孔で構成されていることが好ましい。気孔が連続気孔で構成されることにより、支持部が潰れやすくすることができ、管状体を貫通する破壊をより防止することができる。
(3)前記第1のSiC繊維強化SiC複合材及び/または前記第2のSiC繊維強化SiC複合材は、SiC繊維からなる骨材とSiCマトリックスとからなり、前記SiCマトリックスは、PIP−SiC材またはCVD−SiC材である。なお、PIP(Polymer Infiltration and Pyrolysis)−SiC材とは、樹脂を前駆体とするSiC材のことである。
すなわち、PIP−SiC材は、前駆体層の樹脂を焼成して得られ多孔質であるので内部が緻密なSiC繊維との境界が明確であり、多孔質のマトリックス側から、亀裂が進展してもSiC繊維の表面で止まり、SiC繊維の破断しにくくできる。また、CVD−SiC材は、緻密な素材ではあるが、表面から沈着し、SiC繊維からなる骨材の奥には沈着しにくいので、SiC繊維と、SiCマトリックスとが一体化せず、SiC繊維による強化作用を発揮することができる。さらに、CVD−SiC材は、緻密な素材であるので、SiC繊維からなる骨材の有する微細な孔を封止する作用があり、気密性を高くすることができる。この効果は、第1のSiC繊維強化SiC複合材と第2のSiC繊維強化SiC複合材とのいずれについても発揮することができる。
(4)前記SiCマトリックスは、SiC繊維からなる前記骨材の隙間を充填するPIP−SiC材よりなる充填材と、前記骨材と前記充填材を覆うCVD−SiC材よりなる被覆材からなる。
すなわち、PIP−SiC材は、前駆体層の樹脂を焼成して得られ多孔質であるので内部が緻密なSiC繊維との境界が明確であり、多孔質のマトリックス側から、亀裂が進展してもSiC繊維の表面で止まり、SiC繊維の破断しにくくできる。一方、CVD−SiC材は、緻密な素材であるので、SiC繊維からなる骨材の有する微細な孔を封止する作用があり、気密性を高くすることができる。このため、高強度でありながら気密性の高い管状体を得ることができる。この効果は、第1のSiC繊維強化SiC複合材と第2のSiC繊維強化SiC複合材とのいずれについても発揮することができる。
(5)前記骨材は、SiC繊維のストランドを編んだ組紐体である。
すなわち、組紐体は管状の骨材であり、シートを巻いたときにできる巻き始め、巻き終わりなどの端部がない。このため、組紐体が一重であっても、ほつれやすい端部は無い。このため、内層体及び/または外層体を薄く構成しても十分な強度を発揮でき、緩衝層を有していても、全体の厚みを小さくすることができる。さらに、内層体と外層体との間に空隙を有していても、全体の厚みを小さくすることができ設計の自由度を高めることができる。
(6)前記管状体は、原子力炉用構造部材である。
原子炉用構造部材では、中性子線照射によって発生するスウェリング、温度差など応力の発生原因が多数ある。スウェリングなどが発生すると、物質は膨張し、原子炉構造部材は互いに応力を発生させる。特に燃料棒、チャンネルボックスなど内部に他の部材を挿入して使用する管状体では、内部の部材の膨張は管状体の破損に結びつく。
本発明では、核燃料など内部の部材が膨張して、内層体側に応力がかかっても緩衝層が応力を吸収し、外層体側の破損を防止することができる。このため管状体を貫通する破損をしにくくすることができる。
管状体の製造方法は、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体の外側に第2のSiC繊維強化SiC複合材からなる外層体を前駆体層を挟んで配置し挿入ユニットを形成し、前記挿入ユニットを熱処理することにより前駆体層が焼成され、前記内層体と前記外層体とを部分的につなぐSiCからなる接続層を形成する。
従って、管状体となる挿入ユニットは、第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、内層体の外側に接続層を形成する前駆体層を介して接続される第2のSiC繊維強化SiC複合材からなる外層体とを有する。熱処理により管状体が得られると、前駆体層は、内層体と外層体とを部分的につなぐ接続層となる。
このため、内層体あるいは外層体の破壊が生じても他方に直接的に波及しないので、外部、他の部材、熱応力によって発生する歪みに対し、強い抵抗力を持つSiCからなる管状体を提供することができる。
前駆体層の主成分は、焼成することによりSiCが得られるSiC前駆体からなる。SiC前駆体としては、例えばポリカルボシランなどが挙げられる。シリカとカーボン、あるいはシリカと有機物とをSiC前駆体として使用することができる。シリカの形態は特に限定されず、ナノシリカ、シリカ粉末などが利用できる。
ポリカルボシランをSiC前駆体として使用した場合には、ポリカルボシランの分子中に含まれる炭素と珪素が焼成によってSiCに変わる。
シリカとカーボンあるいはシリカと有機物とを組み合わせた場合には、シリカに含まれる珪素とカーボンが反応しSiCが得られる。
シリカと有機物とを組み合わせた場合には、シリカに含まれる珪素と有機物に含まれるカーボンが反応しSiCが得られる。
前駆体層には、SiC前駆体のほかにSiC粉を含んでいてもよい。SiC粉を含んでいると熱処理を加えたときに、前駆体層が、流出しにくくすることができる。
また、前駆体層にはこのほかに溶媒、分散媒などを含んでいてもよい。溶媒あるいは分散媒としてはアルコール、テトラヒドロフラン、水などが挙げられ、熱処理によって揮散する。分散媒と溶媒の違いはSiC前駆体が、溶解しているかどうかであって、溶解している場合には溶媒と呼び、溶解していない場合には分散媒と呼ぶ。
本発明の管状体の断面形状は、特に限定されない。丸パイプ形状、角パイプ形状のほか多角形、長方形、菱形、長方形などどのようなものでも利用することができる。
本発明の管状体は、内層体が外層体の内側に挿入することができればよく、内層体、外層体、緩衝層の大きさ、厚さは特に限定されない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1(A)は本発明に係る管状体の全体斜視図であり、図1(B)は端面図である。図2(A)は熱処理前の図1(B)における“II”位置の拡大断面図であり、図2(B)は熱処理後の図1(B)における“II”位置の拡大断面図である。図3(A)〜(C)は管状体の製造方法を示す工程図である。図4(A)〜(D)は外層体と内層体との間に前駆体層が挟まれた挿入ユニットの製造方法を示す工程図である。
図1(A)および図1(B)に示すように、管状体10は、管状の内層体20と、内層体20の外側に配置された管状の外層体30と、内層体20と外層体30とを部分的につなぐ緩衝層40とを有する。
図2(A)および図2(B)に示すように、内層体20は、第1のSiC繊維強化SiC複合材21から形成される(図2参照)。第1のSiC繊維強化SiC複合材21は、SiC繊維の骨材22とSiCマトリックス23とから構成される。
外層体30は、第2のSiC繊維強化SiC複合材31から形成される。第2のSiC繊維強化SiC複合材31は、SiC繊維の骨材32とSiCマトリックス33とから構成される。
内層体20を形成する第1のSiC繊維強化SiC複合材21と、外層体30を形成する第2のSiC繊維強化SiC複合材31とは、同一の形態であっても良いし、異なっていても良い。なお、以下の説明においては、主に内層体20を形成する第1のSiC繊維強化SiC複合材21について説明する。
骨材22は、例えばSiC繊維のストランドを編んだ組紐体を用いることができる。骨材22は、このほかにもSiC繊維の組み方の異なるさまざまな形態の骨材を利用することができる。例えば、織布体、不織布体、フィラメントワインディング体などがある。織布には、平織、綾織などさまざまな形態の織布体を利用することができる。不織布体であれば、抄造体、フェルト体などの形態が挙げられる。
SiCマトリックス23の形態も特に限定されない。例えばSiCマトリックス23は、SiC繊維からなる骨材22の隙間を充填するPIP−SiC材よりなる充填材24と、骨材22と充填材24の表面を覆うCVD−SiC材よりなる被覆材25とからなる。
SiCマトリックス23は、これに限定されず、PIP−SiC材のみ、CVD−SiC材のみからなってもよい。
PiP−SiC材は、例えば、ポリカルボシランなどSiC前駆体を焼成する前駆体法で得ることができる。CVD−SiC材は、気体の原料ガスの熱分解よるCVD法で得ることができる。
骨材22とSiCマトリックス23の組み合わせは特に限定されず、どのように組み合わせも適用することができる。
次に、管状体の製造方法について説明する。
図3(A)に示すように、内層体20を外層体30の内側に挿入して内層体20の外側に外層体30を配置し、図3(B)に示すように、内層体20と外層体30との間に緩衝層40の前駆体層43を配置して挿入ユニット11(図1(A)および図1(B)においてカッコ書き参照)を形成する。
そして、図3(C)に示すように、挿入ユニット11を熱処理することにより、内層体20と外層体30とを部分的に接続する(図2(B)参照)SiCからなる緩衝層40を形成して、管状体10を形成する。
SiCからなる緩衝層40の形成について詳しく説明する。管状体の製造方法として、前駆体である樹脂を焼成しSiCを得る前駆体法が利用できる。この方法では、内層体20と外層体30との間に前駆体層43を配置し、挿入ユニットを形成する。(図2(A)参照)次に挿入ユニットを熱処理することにより前駆体層43を焼成することにより緩衝層を形成し得ることができる。(図2(B)参照)この前駆体層43は焼成の過程で有機物などが分解し空隙が形成されるので、多孔質の緩衝層を得ることができる。また、SiC前駆体にSiC粉を加えても良い。SiC粉を加えることで焼成の過程における流出を防止でき、効率よく緩衝層を形成することができる。
また、図2(B)に示すように、緩衝層40は、内層体20と外層体30との間に架け渡された支持部41と、支持部41間に形成された空隙42と、からなる。支持部41は、多孔質のSiCから形成される。支持部は、緩衝層に部分的に形成されていれば良く、どのような形態で形成されていても良い。例えば、柱状、壁状、メッシュ状などが挙げられる。このほかにも緩衝層に外層体と内層体とをつなぐ空隙がランダムに多数形成された残部が支持部を構成してもよい。
緩衝層40となる前駆体層43の形成方法は、種々のものがある。
図4(A)は、外周塗布法、図4(B)は内周塗布法、図4(C)は注入法、図4(C)はディップ法を示している。
<外周塗布法>
例えば、外周塗布法では、図4(A)に示すように、内層体20の外面にSiC前駆体にSiC粉を分散した液を塗布した後、内層体20を外層体30の内部に挿入して挿入ユニット11を形成する。なお、SiC粉は必須ではなく、使用しなくてもよい。
<内周塗布法>
あるいは、図4(B)に示す内周塗布法では、外層体30の内面にSiC前駆体にSiC粉を分散した液を塗布した後、内層体20を外層体30の内部に挿入して挿入ユニット11を形成する。なお、SiC粉は必須ではなく、使用しなくてもよい。
<注入法>
また、図4(C)に示すように、注入法では、外層体30の内側に内層体20を挿入し、外層体30と内層体20との間の隙間にSiC前駆体の溶液にSiC粉を分散した液を注入器44で注入して、前駆体層43を形成し、挿入ユニット11を形成する。なお、SiC粉は必須ではなく、使用しなくてもよい。
<ディップ法>
あるいは、図4(D)に示すように、ディップ法では、外層体30の内側に内層体20を挿入し、これをSiC前駆体の溶液にSiC粉を分散した液45に浸漬して外層体30と内層体20との間に前駆体層43を形成して挿入ユニット11を形成する。なお、SiC粉は必須ではなく、使用しなくてもよい。
次に、本実施形態の管状体10の作用・効果について説明する。
本実施形態の管状体10によれば、管状体10は、第1のSiC繊維強化SiC複合材21からなる内層体20と、第2のSiC繊維強化SiC複合材31からなる外層体30と、内層体20と外層体30とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層40と、からなる。
このため、外部や他の部材から歪みや熱応力が加わり、内層体20あるいは外層体30の破壊が生じても他方に直接的に波及しない。また、緩衝層40は、外層体30と、内層体20とを部分的につないでいるので、管状体10の外側から外層体30または内層体20を圧縮させる応力が加わっても、緩衝層40が破壊されることにより応力を緩和し、他方に破壊を及びにくくすることができる。
さらに、内層体20と、外層体30とは、緩衝層40により部分的につながれているので、熱が伝わりにくく、外層体あるいは内層体の内部に発生する温度差を緩やかにすることができる。このため、熱が伝達される側の層では、発生する熱応力の大きさを小さくすることができる。また、内層体20と、外層体30との間の緩衝層40は、内層体20と外層体30とがそれぞれ異なる温度であっても、熱膨張差を容易に吸収することができるので、管状体10の破壊を防止することができる。
また、内層体20及び外層体30はSiC繊維強化SiC複合材よりなる。SiC繊維強化SiC複合材は、クラックが入っても骨材22、32であるSiC繊維が切断されにくく全体の形状を保持することができる。さらに、クラックが入っても残ったSiC繊維の弾力によってクラックが入ったままではあるものの、破損した側の層は元の形状に復元し、管状体10としての機能を維持したまま継続して使用することができ、必要に応じて管状体10を交換するまで性能を維持することができる。
本実施形態の管状体10によれば、緩衝層40は、支持部41と空隙42とからなり、内層体20と、外層体30とは、支持部41の部分で接続され、空隙42の部分では、接続しない。
このため、緩衝層40による内層体20と外層体30との接続は、相対的に弱くなる。内層体20と外層体30との間隔が広がる方向に応力が加わった場合には、支持部41が破断し、内層体20と外層体30との間隔が狭まる方向に応力が加わった場合には、支持部41が潰れる。このため、熱応力、外部からの応力が加わりにくい側の層は保護され、管状体10を貫通する破壊を防止することができる。
本実施形態の管状体10によれば、支持部41は、多孔質のSiCである。
すなわち、内層体20と外層体30とを部分的に接続する支持部41が、多孔体であると、内層体20あるいは外層体30と比較して緩衝層40を破壊しやすくすることができる。このため、熱応力、外部からの応力が加わりにくい側の層はより保護され、管状体10を貫通する破壊をより防止することができる。
本実施形態の管状体10によれば、第1のSiC繊維強化SiC複合材21及び/または第2のSiC繊維強化SiC複合材31は、SiC繊維からなる骨材22、32とSiCマトリックス23、33とからなり、SiCマトリックス23、33は、PIP−SiC材またはCVD−SiC材である。
すなわち、PIP−SiC材は、前駆体層の樹脂を焼成して得られ多孔質であるので内部が緻密なSiC繊維と境界とが明確であり、多孔質のマトリックス側から、亀裂が進展してもSiC繊維の表面で止まり、SiC繊維の破断しにくくできる。また、CVD−SiC材は、緻密な素材ではあるが、表面から沈着し、SiC繊維からなる骨材の奥には沈着しにくいので、SiC繊維と、SiCマトリックスとが一体化せず、SiC繊維による強化作用を発揮することができる。さらに、CVD−SiC材は、緻密な素材であるので、SiC繊維からなる骨材の有する微細な孔を封止する作用があり、気密性を高くすることができる。この効果は、第1のSiC繊維強化SiC複合材と第2のSiC繊維強化SiC複合材とのいずれについても発揮することができる。
本実施形態の管状体10によれば、SiCマトリックス23、33は、SiC繊維からなる骨材22、32の隙間を充填するPIP−SiC材よりなる充填材24と、骨材22、32と充填材24を覆うCVD−SiC材よりなる被覆材25からなる。
すなわち、PIP−SiC材は、前駆体層の樹脂を焼成して得られ多孔質であるので内部が緻密なSiC繊維との境界が明確であり、多孔質のマトリックス側から、亀裂が進展してもSiC繊維の表面で止まり、SiC繊維の破断しにくくできる。また、CVD−SiC材は、緻密な素材であるので、SiC繊維からなる骨材の有する微細な孔を封止する作用があり、気密性を高くすることができる。このため、高強度でありながら気密性の高い管状体を得ることができる。この効果は、第1のSiC繊維強化SiC複合材と第2のSiC繊維強化SiC複合材とのいずれについても発揮することができる。
本実施形態の管状体10によれば、骨材22、32は、SiC繊維のストランドを編んだ組紐体である。
すなわち、組紐体は管状の骨材であり、シートを巻いたときにできる長手方向の、巻き始め、巻き終わりなどの端部がなく、組紐体が一重であっても、ほつれやすい端部は無い。このため、内層体20及び/または外層体30を薄く構成しても十分な強度を発揮でき、緩衝層40を有していても、全体の厚みを小さくすることができる。さらに、内層体20と外層体30との間に空隙42を有していても、全体の厚みを小さくすることができ設計の自由度を高めることができる。
本実施形態の管状体10によれば、管状体10は、原子力炉用構造部材である。
原子炉用構造部材では、中性子線照射によって発生するスウェリング、温度差など応力の発生原因が多数ある。スウェリングなどが発生すると、物質は膨張し、原子炉構造部材は互いに応力を発生させる。特に燃料棒、チャンネルボックスなど内部に他の部材を挿入して使用する管状体10では、内部の部材の膨張は管状体10の破損に結びつく。
本発明では、核燃料など内部の部材が膨張して、内層体20に応力がかかっても緩衝層40が応力を吸収し、外層体30の破損を防止することができる。このため管状体10を貫通する破損をしにくくすることができる。
次に、本実施形態の管状体の製造方法の作用・効果について説明する。
本実施形態の管状体10の製造方法によれば、第1のSiC繊維強化SiC複合材21からなる内層体20の外側に第2のSiC繊維強化SiC複合材31からなる外層体30を配置する。そして、内層体20と外層体30との間に前駆体層43を挟んで配置して挿入ユニットを形成し、挿入ユニットを熱処理することにより、前駆体層43を焼成し内層体20と外層体30とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層40を形成する。
従って、管状体10は、挿入ユニットの段階では第1のSiC繊維強化SiC複合材21からなる内層体20と、内層体20の外側に緩衝層40となる前駆体層43を介して接続される第2のSiC繊維強化SiC複合材31からなる外層体30とを有する。前駆体層43は、熱処理されることにより内層体20と外層体30とを部分的につなぐ緩衝層40となる。
このため、内層体20あるいは外層体30の破壊が生じても他方に直接的に波及しないので、外部、他の部材、熱応力によって発生する歪みに対し、強い抵抗力を持つSiCからなる管状体10を提供することができる。
本発明の管状体は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
(実施例)
次に、具体的な実施例を例示する。
実施例1〜8について共通部分を説明する。
内層体は、外径φ20mm、厚さ1mm、長さ300mmのSiC繊維強化SiC複合材のパイプを使用する。外層体は内径φ22mm、厚さ2mm、長さ300mmのSiC繊維強化SiC複合材のパイプを使用する。
SiC繊維強化SiC複合材のパイプは、以下のものを使用する。
<パイプA>(組紐体+PIP-SiC材+CVD-SiC材)
SiC繊維を束ねたストランドを用いて組紐体を作成する。得られた組紐体にポリカルボシランを含浸したのち熱処理し、SiC化させる。次にCVD炉に入れて、メタンと、トリクロロシランガスを用いて表面にSiCを沈積させる。
このようにして組紐体を骨材とし、骨材の隙間にPIP−SiC材よりなる充填材を有し、充填材と骨材とを覆うCVD−SiC材を有するSiC繊維強化SiC複合材のパイプが得られる。以下、この構成のパイプを「パイプA」とする。
<パイプB>(組紐体+PIP-SiC材)
SiC繊維を束ねたストランドを用いて組紐体を作成する。得られた組紐体にポリカルボシランを含浸したのち熱処理し、SiC化させる。
このようにして組紐体を骨材とし、骨材の隙間にPIP−SiC材よりなる充填材を有するSiC繊維強化SiC複合材のパイプが得られる。以下、この構成のパイプを「パイプB」とする。
<パイプC>(組紐体+CVD-SiC材)
SiC繊維を束ねたストランドを用いて組紐体を作成する。得られた組紐体をCVD炉に入れて、メタンと、トリクロロシランガスを用いて表面にSiCを沈積させる。
このようにして組紐体を骨材とし、骨材の隙間および表面にCVD−SiC材を有するSiC繊維強化SiC複合材のパイプが得られる。以下、この構成のパイプを「パイプC」とする。
<パイプD>(フィラメントワインディング体+PIP-SiC材+CVD-SiC材)
SiC繊維を束ねたストランドをマンドレルに巻回しフィラメントワインディング体をを作成する。得られたフィラメントワインディング体にポリカルボシランを含浸したのち熱処理し、SiC化させる。次にマンドレルを抜いた後、CVD炉に入れて、メタンと、トリクロロシランガスを用いて表面にSiCを沈積させる。
このようにしてフィラメントワインディング体を骨材とし、骨材の隙間にPIP−SiC材よりなる充填材を有し、充填材と骨材とを覆うCVD−SiC材を有するSiC繊維強化SiC複合材のパイプが得られる。以下、この構成のパイプを「パイプD」とする。
<パイプE>(織布体+PIP-SiC材+CVD-SiC材)
SiC繊維を平織りした織布をマンドレルに巻回し織布体を作成する。得られた織布体にポリカルボシランを含浸したのち熱処理し、SiC化させる。次にマンドレルを抜いた後、CVD炉に入れて、メタンと、トリクロロシランガスを用いて表面にSiCを沈積させる。
このようにして織布体を骨材とし、骨材の隙間にPIP−SiC材よりなる充填材を有し、充填材と骨材とを覆うCVD−SiC材を有するSiC繊維強化SiC複合材のパイプが得られる。以下、この構成のパイプを「パイプE」とする。
<パイプF>(不織布体+PIP-SiC材+CVD-SiC材)
SiC繊維のフェルトをマンドレルに巻回し不織布体を作成する。得られた不織布体にポリカルボシランを含浸したのち熱処理し、SiC化させる。次にマンドレルを抜いた後、CVD炉に入れて、メタンと、トリクロロシランガスを用いて表面にSiCを沈積させる。
このようにして不織布体を骨材とし、骨材の隙間にPIP−SiC材よりなる充填材を有し、充填材と骨材とを覆うCVD−SiC材を有するSiC繊維強化SiC複合材のパイプが得られる。以下、この構成のパイプを「パイプF」とする。
次に具体的な実施例について、表1に従って順に説明する。
表1中「フィラメントワインディング」は「FW」、「ポリカルボシラン」は「PCS」と表記する。
実施例1は、パイプAを内層体、パイプAを外層体とし、外周塗布法で前駆体層を形成し、1200度で熱処理することにより、本発明の管状体を得ることができる。なお、外周塗布法では、ポリカルボシランとSiC粉の混合液を使用する。
実施例2は、パイプBを内層体、パイプAを外層体とし、内周塗布法で前駆体層を形成し、1200度で熱処理することにより、本発明の管状体を得ることができる。なお、内周塗布法では、ポリカルボシランとSiC粉の混合液を使用する。
実施例3は、パイプCを内層体、パイプAを外層体とし、注入法で前駆体層を形成し、1200度で熱処理することにより、本発明の管状体を得ることができる。なお、注入法では、ポリカルボシランとSiC粉の混合液を使用する。
実施例4は、パイプAを内層体、パイプDを外層体とし、ディップ法で前駆体層を形成し、1200度で熱処理することにより、本発明の管状体を得ることができる。なお、ディップ法では、ポリカルボシランの液を使用する。
実施例5は、パイプEを内層体、パイプFを外層体とし、外周塗布法で前駆体層を形成し、1200度で熱処理することにより、本発明の管状体を得ることができる。なお、外周塗布法では、ポリカルボシランとSiC粉の混合液を使用する。
Figure 2016135727
いずれの管状体も第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、第2のSiC繊維強化SiC複合材からなるとともに前記内層体の外側に配置された外層体と、内層体と外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、からなり、破損しにくい管状体を得ることができる。
また、いずれの管状体も中性子を吸収しにくいSiCよりなるので原子炉用構造部材として好適に利用することができる。
本発明の管状体は、原子力炉用構造部材に用いることができる。
10 管状体
20 内層体
21 第1のSiC繊維強化SiC複合材
22、32 骨材
23、33 SiCマトリックス
24 充填材
25 被覆材
30 外層体
31 第2のSiC繊維強化SiC複合材
40 緩衝層
41 支持部
42 空隙
43 前駆体層

Claims (7)

  1. 第1のSiC繊維強化SiC複合材からなる内層体と、
    第2のSiC繊維強化SiC複合材からなるとともに前記内層体の外側に配置された外層体と、
    前記内層体と前記外層体とを部分的につなぐSiCからなる緩衝層と、
    からなる管状体。
  2. 前記緩衝層は、前記内層体と前記外層体との間に架け渡された支持部と、前記支持部間に形成された空隙と、からなることを特徴とする請求項1に記載の管状体。
  3. 前記支持部は、多孔質のSiCであることを特徴とする請求項2に記載の管状体。
  4. 前記第1のSiC繊維強化SiC複合材及び/または前記第2のSiC繊維強化SiC複合材は、SiC繊維からなる骨材とSiCマトリックスとからなり、
    前記SiCマトリックスは、PiP−SiC材またはCVD−SiC材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の管状体。
  5. 前記SiCマトリックスは、SiC繊維からなる前記骨材の隙間を充填するPIP−SiC材よりなる充填材と、前記骨材と前記充填材を覆うCVD−SiC材よりなる被覆材とからなることを特徴とする請求項4に記載の管状体。
  6. 前記骨材は、SiC繊維のストランドを編んだ組紐体であることを特徴とする請求項4又は5に記載の管状体。
  7. 前記管状体は、原子力炉用構造部材であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の管状体。
JP2015011799A 2015-01-23 2015-01-23 管状体 Active JP6460808B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011799A JP6460808B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 管状体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011799A JP6460808B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 管状体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016135727A true JP2016135727A (ja) 2016-07-28
JP6460808B2 JP6460808B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=56512058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015011799A Active JP6460808B2 (ja) 2015-01-23 2015-01-23 管状体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6460808B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018193259A (ja) * 2017-05-15 2018-12-06 株式会社東芝 長繊維強化炭化ケイ素部材、その製造方法、および、原子炉構造部材
JP2019172534A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 イビデン株式会社 耐熱部品及びその製造方法
JP2019531246A (ja) * 2016-08-08 2019-10-31 ゼネラル・アトミックスGeneral Atomics 設計されたSiC−SiC複合材およびモノリシックSIC層構造体

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030102071A1 (en) * 2001-12-03 2003-06-05 Mako Frederick M. Ceramic joining
JP2003252694A (ja) * 2002-03-01 2003-09-10 Chokoon Zairyo Kenkyusho:Kk SiC繊維複合化SiC複合材料
JP2008501977A (ja) * 2004-06-07 2008-01-24 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー 原子力発電所における燃料格納容器障壁等に使用される多層セラミックチューブ
JP2013210372A (ja) * 2013-04-26 2013-10-10 Ibiden Co Ltd 核燃料被覆管及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030102071A1 (en) * 2001-12-03 2003-06-05 Mako Frederick M. Ceramic joining
JP2003252694A (ja) * 2002-03-01 2003-09-10 Chokoon Zairyo Kenkyusho:Kk SiC繊維複合化SiC複合材料
JP2008501977A (ja) * 2004-06-07 2008-01-24 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー 原子力発電所における燃料格納容器障壁等に使用される多層セラミックチューブ
JP2013210372A (ja) * 2013-04-26 2013-10-10 Ibiden Co Ltd 核燃料被覆管及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019531246A (ja) * 2016-08-08 2019-10-31 ゼネラル・アトミックスGeneral Atomics 設計されたSiC−SiC複合材およびモノリシックSIC層構造体
JP2021165225A (ja) * 2016-08-08 2021-10-14 ゼネラル・アトミックスGeneral Atomics 設計されたSiC−SiC複合材およびモノリシックSIC層構造体
JP2018193259A (ja) * 2017-05-15 2018-12-06 株式会社東芝 長繊維強化炭化ケイ素部材、その製造方法、および、原子炉構造部材
JP2019172534A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 イビデン株式会社 耐熱部品及びその製造方法
JP7063675B2 (ja) 2018-03-29 2022-05-09 イビデン株式会社 耐熱部品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6460808B2 (ja) 2019-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3143086B2 (ja) SiC複合材料スリーブおよびその製造方法
JP5205671B2 (ja) 耐熱複合材料
KR20120093926A (ko) 연질 탄소 섬유 펠트 및 경질 탄소 섬유 펠트를 포함하는 복합 재료
JP6460808B2 (ja) 管状体
JP6318175B2 (ja) 湾曲したセラミック音響減衰パネルの製造方法
RU2293718C2 (ru) Теплозащитная система с переменной плотностью волокон
JP2002234777A (ja) 冷却流路を有するセラミックマトリックス複合材部品の製造方法
JP2004269353A (ja) セラミックマトリクス複合材料から多孔性部品を製造する方法
KR20060020675A (ko) 구조재용 지지체 및 그의 제조 방법
EP2015935A1 (de) Druckfester fluidbeaufschlagter körper
JP6334293B2 (ja) 管状体
JP2019142768A (ja) 化学気相浸透によって製造されたセラミックマトリックス複合材、及びこのセラミックマトリックス複合材の製造の方法
KR20140015436A (ko) 세라믹 매트릭스를 포함하는 복합체의 제조방법
JP5002846B2 (ja) ルツボ保持部材及びその製造方法
JP6490915B2 (ja) 管状体及びその製造方法
EP3002267B1 (fr) Procédé pour la réalisation d'une pièce monolithique composite thermostructurale à double paroi et pièce obtenue
JP2016135728A (ja) 管状体
WO2016002913A1 (ja) 管状体の製造方法
JP6491990B2 (ja) 管状体および管状体の製造方法
JP2003252694A (ja) SiC繊維複合化SiC複合材料
JP7256000B2 (ja) セラミック管状体
JP2017145181A (ja) SiC/SiC複合材料の製造方法
JP4117529B2 (ja) セラミックス基複合部材の製造方法
JP2010030803A (ja) セラミック複合部材
JP6799451B2 (ja) SiC繊維/SiC複合材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6460808

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250