JP2016135544A - 木材乾燥装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】木材を劣化なく内部まで充分に乾燥でき、かつ迅速な乾燥速度を得ることができる木材乾燥装置及び方法を提供する。
【解決手段】木材乾燥装置は、外部から供給された空気が接触し電磁波又は帯電粒子を放出可能な活性化部材を有する空気活性化手段と、空気活性化手段に連結され空気活性化手段から供給された空気を用いて燃料を燃焼し煙成分を発生する燃焼室と、燃焼室に連結され燃焼室で発生した煙成分によって内部に収納された木材を乾燥させるように構成された乾燥室とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、木材を乾燥させる乾燥装置及び方法に関する。特に、伐採後の丸太等の水分を含有する木材を燃料の燃焼によって発生した煙成分により加熱し乾燥させる木材乾燥装置及び方法に関する。
木材は、一般に、素材として使用する場合に使用する前に充分に乾燥させて用いられる。その理由としては、木材は水分を含んだままでは強度が低い点が挙げられる。さらに、木材は伐採した直後から水分が乾燥するにしたがって物理的な諸特性が変化するので、水分を含んだ状態で素材として使用すると使用中に諸特性が変化し問題となる点も挙げられる。しかしながら、木材を完全に乾燥させようとする場合、自然乾燥のみで乾燥を行うと、数年から数十年単位までの多大な乾燥時間を要する。このため加熱すること等により乾燥時間を短縮することが考えられるが、加熱を行うと木材の品質の劣化等が起こり易い。従って、乾燥時間を短縮し、かつその過程で木材の品質を劣化させない技術が従来から強く望まれている。
本願発明者は特許文献1において、乾燥室の内部に炭素膜を有し、この乾燥室への加熱により炭素膜から輻射熱を発生させて木材を加熱し、木材の芯部温度を維持することで乾燥させる木材の乾燥方法を開示している。この木材の乾燥方法は、乾燥室を加熱することで、炭素を備える炭素膜が加熱され、この炭素膜の略全面から炭素の輻射熱が発生して木材を効率良く均一に加熱することで、木材の表面と芯部とが均一に加熱され、芯部の温度条件を一定に維持することによって、木材の略全体に対して一定の乾燥状態を得ようとするものである。
特開2011−218718号公報
近年、木材に対して、その品質を保ちつつ、生産コストを従来以上に削減することが求められている。そのために、木材を劣化なく内部まで乾燥しつつ、さらに可能な限り短時間で乾燥を行うことが求められる。
本発明は上述した背景に基づいてなされたものであり、その目的は、木材を劣化なく内部まで充分に乾燥でき、かつ迅速な乾燥速度を得ることができる木材乾燥装置及び方法を提供することにある。
本発明によれば木材乾燥装置は、外部から供給された空気が接触し電磁波又は帯電粒子を放出可能な活性化部材を有する空気活性化手段と、空気活性化手段に連結され空気活性化手段から供給された空気を用いて燃料を燃焼し煙成分を発生する燃焼室と、燃焼室に連結され燃焼室で発生した煙成分によって内部に収納された木材を乾燥させるように構成された乾燥室とを備えている。
空気活性化手段に供給された空気は、その活性化部材と接触することによって、電磁波又は帯電粒子を放出する。これにより、空気の含有物が電磁波を受ける、又は、空気が帯電粒子を含有する等により、空気が活性化する。活性化した空気を用いて燃料を燃焼させて煙成分を発生させる。この煙成分を燃焼室に供給し木材を乾燥させることで、木材を劣化なく内部まで充分に乾燥でき、かつ迅速な乾燥速度を得ることができる。
空気活性化手段は空気を吸入する吸入口と空気を排出する排出口とを有し、この空気活性化手段の活性化部材は少なくとも1つの表面が吸入口と排出口とを結ぶ直線に対して非平行となるように構成され、空気活性化手段は非平行の少なくとも1つの表面に沿って空気が流通する流路を備えていることも好ましい。空気は活性化部材に接触しつつ、吸入口から排出口に向かう直線よりも長い距離の流路を移動する。このため、空気が活性化粒子に接触する時間が長くなる。
活性化部材は、セラミックに活性化粒子を分散した平板形状に構成されていることが好ましい。活性化部材に対する活性化粒子の含有量を容易に調節でき、平板の大きさ、数又は配置によって空気との接触面積や時間を調節できるため、有効に空気と接触が行われる活性化部材を設計できる。
活性化部材は、ラジウムを含有する粒子、角閃石、又は炭素及びケイ素を含有する粒子から選ばれる活性化粒子を含むことが好ましい。ラジウムを含有する粒子及び炭素及びケイ素を含有する粒子は電磁波を放出することができる。角閃石、又は炭素及びケイ素を含有する粒子は帯電粒子を放出することができる。これらの活性化粒子は比較的供給が容易である。
活性化部材は、活性化部材に対する重量比が40〜80重量%である活性化粒子を含むことが好ましい。活性化粒子の含有量がこの範囲内で、活性化部材の表面で空気に接触しやすく、活性化粒子が分散した活性化部材を成形しやすい。
活性化部材は、径が1〜1000μmである活性化粒子を含むことが好ましい。活性化粒子は充分な表面積が得られ、かつ活性化部材に分散させた場合に活性化部材の表面に現れている面積が大きいので、空気に接触しやすい。
また、本発明の木材乾燥方法は、空気を電磁波又は帯電粒子を放出可能な活性化粒子に接触させた後に燃焼室に供給し、燃焼室において供給された空気を用いて燃料を燃焼させることにより煙成分を発生させ、発生した煙成分を木材を収納した乾燥室に供給して木材を乾燥させる。
空気が活性化粒子に接触することによって、電磁波又は帯電粒子に接触し、空気の含有物が電磁波を受ける、又は空気が帯電粒子を含有する等により、空気が活性化する。活性化した空気を用いて燃料を燃焼させて煙成分を発生させる。この煙成分を燃焼室に供給し木材を乾燥させることで、木材を劣化なく内部まで充分に乾燥でき、かつ迅速な乾燥速度を得ることができる木材乾燥方法となる。
本発明によれば、空気活性化手段に供給された空気は、その活性化部材と接触することによって、電磁波又は帯電粒子を放出する。これにより、空気の含有物が電磁波を受ける、又は空気が帯電粒子を含有する等により、空気が活性化する。活性化した空気を用いて燃料を燃焼させて煙成分を発生させる。この煙成分を燃焼室に供給し木材を乾燥させることで、木材を劣化なく内部まで充分に乾燥でき、かつ迅速な乾燥速度を得ることができる。
本発明の実施形態における木材乾燥装置の全体構成を概略的に示す一部破断正面図である。 図1の木材乾燥装置の全体構成を概略的に示す平面図である。 図1の木材乾燥装置の空気活性化手段を概略的に示す斜視図である。 図3の空気活性化手段における活性化部材を示す透過斜視図である。 図3の空気活性化手段における活性化部材を詳しく示す一部切欠側面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態における木材乾燥装置1は、供給された空気を用いて燃料を燃焼し煙成分を発生する燃焼室20と、燃焼室20に供給管を介して連結され内部に木材31を収納可能な乾燥室30と、燃焼室20に連結され外部から空気を供給する空気供給管50とを備えている。木材乾燥装置1は、さらに、電磁波又は帯電粒子を放出可能な後述する活性化部材を有する空気活性化手段10を備えている。燃焼室20には、空気供給管50を介して空気活性化手段10が連結されている。
図3及び図4に示すように、空気活性化手段10は、本体12と、この本体12内に設けられた少なくとも1つの活性化部材収納筐体11とを備えている。本実施形態では、本体12は金属筒から構成されている。本実施形態では、本体12はステンレス製の角筒である。本体12の下端には、円筒形状の吸入口部材12aが取付けられている。吸入口部材12aは、内径が本体12の角筒の一辺の長さより大きい円筒形状となっており、本体12内に空気40aを吸引し易いように構成されている。本体12の上端には、内径が本体12の角筒の一辺の長さより大きい円筒形状の排出口部材12bが取付けられている。本体12は、本実施形態では、2つの角筒をステンレス等の金属製のリブ部12cで連結して構成されており、本体12の外面には、後述する支持部材14に本体12を取付けるためのステンレス等の金属製の取付けフレーム12d及び12eが溶接によって固着されている。
空気活性化手段10は、空気40aを吸入するための吸入口10aと、空気供給管50に連結され空気40bを排出するための排出口10bとを有している。本実施形態では、吸入口部材12a及び排出口部材12bを有する本体12の下端及び上端がそれぞれ吸入口10a及び排出口10bに相当する。
本体12内には、4つの図4に示す活性化部材収納筐体11が連続して重なる状態で収納されている。
図4に示すように、各活性化部材収納筐体11は、本実施形態では、本体12内に収納可能な直方体形状を有している。具体的には、活性化部材収納筐体11は、その6面をステンレス板で囲むことにより構成されている。ただし、この活性化部材収納筐体11の底面部11a及び頂面部11bには、多数の通気孔16及び17がそれぞれ設けられている。本実施形態では、底面部11a及び頂面部11bの略全面に均一に分布するように、8×8の計64個の通気孔16及び17がそれぞれ穿たれている。通気孔16及び17の各々は、円形の開口であり、底面部11a及び頂面部11bを貫通している。活性化部材収納筐体11には、後述する活性化部材13を支持するための複数の支持部材15が設けられている。支持部材15は、活性化部材収納筐体11の図において前面及び背面の内壁から突出するピン部材である。これらピン部材は、円柱形状のステンレス製ピンから構成されており、活性化部材収納筐体11の内壁に溶接によって固着されている。
各活性化部材収納筐体11には、活性化部材13が収納されている。本実施形態では、活性化部材13は多数の活性化粒子13aを含有する板状の部材として構成されている。活性化部材13はバインダ13bに多数の活性化粒子13aが分散して形成されている。これら活性化粒子13aは、その一部が活性化部材13の表面に露出するように構成されている。本実施形態では、活性化粒子13aはバインダ13b内に均一に分散されることで、その一部が活性化部材13の表面に露出している。
各活性化粒子13aは、電磁波又は帯電粒子を放出可能な粒子である。電磁波を放出可能な粒子とは、例えば放射性物質若しくは遠赤外線等を放出する物質、又は圧電効果若しくは焦電効果を示す物質等を含む粒子等である。これらの物質の一例として、放射性物質であるラジウム元素を含む鉱石等がある。ラジウム元素を含む鉱石には、ラジウム元素が放射線を放出した産物であるラドン元素が含まれていることがある。電磁波を放出可能な粒子には、他に、遠赤外線を放出しやすい炭素を含んだ鉱石などがある。炭素を含んだ鉱石としては、さらに具体的には、ケイ素と炭素を含有するブラックシリカがある。
帯電粒子を放出可能な粒子とは、帯電した元素(例えばイオン)や、帯電した微粒子を放出可能な粒子である。イオンを放出可能な粒子には、例えば一般にマイナスイオンを発生するといわれる物質等を含む粒子が挙げられる。こうした粒子としては角閃石やトルマリンが挙げられる。本実施形態では、活性化粒子13aとしては、電磁波を発生する粒子として放射性物質のラジウム元素を含む鉱石の粒子を用いている。活性化粒子13aとしては、このラジウム元素を含む鉱石の粒子に角閃石である天照石及び乙姫石の粒子を混合して用いている。
活性化粒子13aとしては、径が1000μm未満のものを用いるのが望ましい。径が大きすぎると表面積が小さくなり、空気40と接触しにくくなる。径が小さすぎると活性化部材13の表面に露出しにくくなり、空気40と接触しにくくなる。本実施形態では20〜60μmのものを使用している。活性化部材13の活性化粒子13aの含有量は40〜80重量%が望ましい。活性化粒子13aの量がバインダ13bに対して少なすぎると、空気40と接触することによる効果が充分に得られない。バインダ13bに対して多すぎると活性化部材13を成形することができない。活性化粒子13aを45〜55重量%とし、バインダの割合を大きくすると活性化部材13の強度が上がり扱いやすくなりコストが削減できる。又、活性化粒子13aを60〜80重量%とすると、活性化粒子13aの空気40への接触面積が大きくなる。
バインダ13bは活性化粒子13aと混練して活性化部材13の成形を行いやすいように加えられる。バインダ13bとしては、活性化粒子13aと混練しやすいものであれば任意の材料であっても良いが、例えばセラミック又は樹脂が用いられる。セラミックとしては粘土やその他の焼結体が使用できる。本実施形態では、バインダ13bに粘土を使用している。
本実施形態では、活性化部材収納筐体11内に複数の活性化部材13が収納されている。これら活性化部材13は、図4及び図5において前面及び背面の内壁から突出するピン部材である支持部材15に架け渡されて配置されている。この場合、活性化部材13は、正面及び背面の支持部材15のうち、高さ位置の異なる支持部材15間に架け渡されており、これにより活性化部材13は、図示のように左右に傾斜して配置されている。即ち、左側が低い位置の支持部材15に、右側が高い位置の支持部材15にそれぞれ係合している。ただし、左上側及び右下側の活性化部材13Bは、架け渡す長さが短くなるため、その他の活性化部材13Aに比べて、長さが短くなっている。なお、活性化部材13の左右の端と、活性化部材収納筐体11の内壁との間には、煙の通過する隙間41が何らかの形態で形成されている。例えば、図5において、最も下方及び最も上方の活性化部材13についてはそれらの左下端及び右上端と活性化部材収納筐体11の内壁との間に隙間41を設け、最も下方より一つ上の活性化部材13については左下端を活性化部材収納筐体11の内壁に当接させると共に右上端と活性化部材収納筐体11の内壁との間に隙間41を設け、その上の活性化部材13の右上端を活性化部材収納筐体11の内壁に当接させると共に左下端と活性化部材収納筐体11の内壁との間に隙間41を設け、以下同様に構成することにより、ジグザグ状の空気流路を形成することができる。
活性化部材13の表面が空気活性化手段10の吸入口10a及び排出口10bを結ぶ直線に対して傾斜していることにより、より具体的には、図5に示すように、活性化部材13が活性化部材収納筐体11の底面部11a及び頂面部11bに対して傾斜して配置されていることにより、空気40cが傾斜した表面に沿って流通する流路が形成される。即ち、空気40cは底面部11aの通気孔16から供給され、活性化部材13の表面に沿って流れ、隙間41を通って次の活性化部材13の表面に沿って流れ、以下同様にジグザグに流れた後、頂面部11bの通気孔17から放出されるように流路が形成されている。
支持部材14は金属製の枠材から構成されており、空気活性化手段10はこの支持部材14に取付けフレーム12d及び12eを溶接することによって固着されている。
燃焼室20は、燃料22を燃焼させ、乾燥室30内の木材31a及び31bを乾燥させるための煙成分を生成するための燃焼炉である。本実施形態では、燃焼室20は、壁部21によって囲まれている。壁部21は、断熱材を塗布した鋼板によって、断熱材を挟み込んだ複合的な構成素材によって構成される。断熱材は適宜選択できるが、本実施形態では耐火セラミックを使用している。この壁部21の前面(図1において)に設けられ、開閉扉23によって開閉可能な供給口24から燃料22が送り込まれ内部で燃焼が行われる。開閉扉23はウィンチ機構25によって上下に駆動可能となっており、供給口24の開閉を行うように構成されている。燃料投入棚26は供給口24の外側に連結されており、開閉扉23が開いた際にこの燃料投入棚26上に載置された燃料が供給口24を介して燃焼室20内に投入されるように構成されている。燃料22は、木質の燃料を使用するが、木質について特に樹種は問わず、雑木及び間伐材等を適宜利用できる。燃料22として、バイオマス燃料を用いても良い。
燃焼室20の下方には、壁部21を貫通して空気供給管50が連通しており、この空気供給管50を介して燃焼室20内に空気が供給される。燃焼室20の上方には、壁部21を貫通して第1の煙成分供給管51が連通しており、第1の煙成分供給管51を介して燃焼室20内の煙成分60が排出される。第1の煙成分供給管51は供給ファン装置52を介して第2の煙成分供給管53に連通しており、この第2の煙成分供給管53は、後述するように乾燥室30に連通している。供給ファン装置52は図示しない操作回路に接続されており、その作動や風速を制御できるように構成されている。なお、空気供給管50、第1の煙成分供給管51及び第2の煙成分供給管53はステンレス製のパイプで形成されている。
乾燥室30は、内部に搬入された木材31a及び31bを乾燥させるための区画であり、本実施形態では互いに隔離された第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bを備えている。第1の乾燥室30aは第2の乾燥室30bより間口が広く構成されており、大型の丸太等の木材31aを大量に収容するのに適している。この第1の乾燥室30aの床面上には、第1の木材支持部材32aが戴置されている。第2の乾燥室30bは小型の丸太や製材された木材31bを収容するのに適しており、この第2の乾燥室30bの床面上には第2の木材支持部材32bが戴置されている。木材31a及び31bは第1の木材支持部材32a及び第2の木材支持部材32b上に上下左右に間隔を設けて積み上げられ多数収納される。これら第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの前面を除く周囲は、壁部33によって囲まれている。壁部33は断熱材を塗布した鋼板によって、断熱材を挟み込んだ複合的な構成素材によって構成される。第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの前面には、手動によって開閉可能な片開き式の扉34a及び34bがそれぞれ設けられている。
第1の乾燥室30aは第2の乾燥室30bの下方には、壁部33を貫通して内部に導入された複数の第1の煙成分分配管55a及び複数の第2の煙成分分配管55bがそれぞれ配設されている。これら第1の煙成分分配管55a及び第2の煙成分分配管55bは、乾燥室の外部において分岐管54に連通しており、この分岐管54は第2の煙成分供給管53に連通している。燃焼室20からの煙成分60は、第1の煙成分供給管51、供給ファン装置52、第2の煙成分供給管53、分岐管54並びに第1の煙成分分配管55a及び第2の煙成分分配管55bを介して第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内に分散供給される。第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの側面後方には、壁部33を貫通して第1の煙成分排出管56a及び第2の煙成分排出管56bがそれぞれ連通しており、これら第1の煙成分排出管56a及び第2の煙成分排出管56bは排気用煙突57に連通している。排気用煙突57は、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの外部において上方に延びている。第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内の煙成分61は、第1の煙成分排出管56a及び第2の煙成分排出管56b並びに排気用煙突57を介して外部に排出される。
本実施形態の木材乾燥装置1で乾燥を行う対象である木材31a及び31bは、木材であればその種類及び形態は問わない。即ち、伐採からの期間、乾燥状態、大きさなどは特に規制されず、樹木種及びその部位も問わない。特に、スギ、カラマツなどの乾燥しにくく、曲がりが生じやすい種を含めあらゆる樹木種の各部位のものも利用できる。本実施形態では、第1の乾燥室30aには伐採後の丸太等の径及び長さの様々な木材31aを、第2の乾燥室30bには丸太からある程度製材を行い、幅や長さの揃った例えば板材等の木材31bを収納している。
第1の木材支持部材32a及び第2の木材支持部材32bは、木材31a及び31bの重量を支えられる強度と耐熱性を持つ材料で構成されている。即ち、木材31a及び31bへの熱の輻射を阻害しない隙間の多い形状と高さを有するように構成されており、例えば鋼材を組んで構成されている。これら第1の木材支持部材32a及び第2の木材支持部材32bは、木材31a及び31bを移動させやすいように、下部に車輪が設けられ台車となっている。
木材31a及び31bは、これら第1の木材支持部材32a及び第2の木材支持部材32b上に戴置し、天井からの輻射熱が阻害されないように天井まである程度の距離を残した高さまで積み上げられる。第1の乾燥室30aでは、第1の木材支持部材32a上にスペーサとなる桟木35を挟んで、積み上げた際に木材31a相互にある程度の隙間が生じるように配列して戴置している。第2の乾燥室30bでは、第2の木材支持部材32b上に途中に中間支持部材36を挟んで、板材等の木材31bを配列して戴置している。
第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの側方内壁には、木材に対する遠赤外線による乾燥の効果を増幅するフェンス37が設けられている。フェンス37は、目が3〜5cmのステンレス製の網状(メッシュ状)部材であり、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの両側方内壁を覆うように固定されている。これらフェンス37は、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内で遠赤外線を放出するか、又は第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内に生じている遠赤外線を乱反射することで、木材31a及び31bに遠赤外線が当たりやすくする。
一部の木材31a及び31bの端部の芯部には、図示しない芯部温度センサが取り付けられている。木材の芯部とは、外周表面ではない中心部であり、木材を輪切りにした際の略中心部及びその周辺を指す。端部とは、木材の一端面から内部側に径の半分以上離れた部分である。木材の外周表面から、この端部の芯部に向けて温度センサ挿入口が穿たれ、芯部温度センサ(図示せず)が差し込まれている。芯部温度センサは先端部分に温度感知部を有する温度センサであり、木材の外周表面から内部に向けて差し込まれ、温度感知部が芯部に位置するように配置される。本実施形態では、芯部温度センサと、この芯部温度センサに接続され温度を測定及び記録する外部回路(図示せず)とから温度制御装置が構成される。芯部温度センサは、各木材について両端部の芯部2箇所に配置されていることが望ましい。
第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの内部には、温度を管理するための複数の室内温度センサ(図示せず)が設けられている。乾燥室内の位置によって、特に上部と下部とでは対流により温度差が発生するので、室内温度センサは、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの壁面における上下位置や左右位置にそれぞれ複数設けられている。本実施形態では、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの上下に2列、左右に3列の室内温度センサが設けられている。
次に、本実施形態における木材乾燥装置1を用いた木材乾燥方法について、図1、図2、図4及び図5を用いて説明する。まず、木材31aを第1の木材支持部材32a上に、木材31bを第2の木材支持部材32b上に載置する。第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの扉34a及び34bをそれぞれ開けて、第1の木材支持部材32a及び第2の木材支持部材32bをその車輪を利用して移動させ、木材31a及び32bをそれぞれ第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内部に収納する。
次いで、燃焼室20内の燃料22を燃焼させ、煙成分60を発生させる。このとき、燃焼室20内の燃料22の燃焼と共に、その燃焼に必要とされる空気40bは、空気活性化手段10を通じて空気供給管50から供給される。具体的には、図1に示すように、空気活性化手段10の吸入口10aから空気40aが吸入され、排出口10bから空気40bが排出されて、この空気40bが空気供給管50を介して燃焼室20内に供給される。このとき、図5に示すように、空気活性化手段10内には空気40cの流路が発生する。
空気活性化手段10内において空気40cの流れについてさらに詳細に説明する。吸入口10aから空気活性化手段10内に供給された空気40aは、図5に示すように、通気孔16を介して活性化部材収納筐体11内に流入する。活性化部材収納筐体11内に流入した空気40cは、活性化部材13の表面に沿って、活性化部材13と活性化部材収納筐体11との間及び活性化部材13相互の空間42内を流路を形成して移動する。具体的には、活性化部材13の表面が空気活性化手段10の吸入口10a及び排出口10bを結ぶ直線に対して傾斜していることにより、即ち、活性化部材13が活性化部材収納筐体11の底面部11a及び頂面部11bに対して傾斜して配置されていることにより、空気40cは活性化部材13に衝突しつつその傾斜した表面に沿って流れる。最も下方の活性化部材13における左下端及び右上端と活性化部材収納筐体11の内壁との間に隙間41が設けられているため、空気40cは、この隙間41を通じて通気孔17に近い図の上方の空間42内に移動する。次いで、空気40cは、活性化部材13の表面に沿って空間42内を図の左下に向かう流路と、そのまま図の右上に向い、隙間41に向かう流路とを形成して移動し、次の隙間41を通じて上方の空間42内に移動する。以下同様にして、空気40cは図5に示した流路を形成しつつ、活性化部材収納筐体11内をジグザグに移動する。この過程で、空気40cは活性化部材13と長時間接触する。
空気40cは、活性化部材13と接触することで、活性化粒子13aの放出する電磁波又は帯電粒子と接触する。活性化粒子13aとのこれらの接触により影響を受けた空気40cを、以下、活性化された空気40bとする。本実施形態では、空気40cがラジウム元素の放出する放射線を受けると共に、角閃石の放出するイオンが空気40cに含有されることで、活性化された空気40bとなる。
この活性化された空気40bが燃焼室20に送り込まれ、燃焼室20内の燃料22を燃焼させ、煙成分60を発生させる。このように発生した煙成分60は、供給ファン装置52の作動により、第1の煙成分供給管51、供給ファン装置52、第2の煙成分供給管53、分岐管54並びに第1の煙成分分配管55a及び第2の煙成分分配管55bを介して第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内に供給される。
供給された煙成分60は、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの床側に流れ、対流によって天井側にも流れる。そのため、煙成分60は第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの内面に一様に当ることとなる。この煙成分60は第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの内面や木材31a及び31bの表面に被着して炭素膜を形成する。炭素膜は煙成分60が引き続き供給されることにより成長し厚さが増大する。この炭素膜は加熱されることにより、遠赤外線又は赤外線を放射し、木材31a及び31bを穏やかに加熱する。木材31a及び31bは、煙成分60が直接接触することによる熱伝導によっても加熱される。煙成分60から木材31a及び31bへの熱伝導は、木材表面に形成された炭素膜にも伝わるため、この熱伝導によっても炭素膜が加熱され、遠赤外線又は赤外線の放射が行われる。このように、炭素膜の存在によって、煙成分60が木材の表面に直接当たることがなく、木材31a及び31bの表面のみが過剰に加熱されて劣化の原因となるようなことがなくなる。
木材31a及び31bの乾燥及び炭素膜の形成に用いられた煙成分及び余剰の煙成分は、煙成分61として、第1の煙成分排出管56a及び第2の煙成分排出管56bを介して排気用煙突57から外部に排出される。
木材31a及び31bの芯部の温度は、芯部温度センサで計測され、燃料22の量の調節、排気量の調節、気圧調節装置による酸素流入量又は気圧の調節、及び供給ファン装置52の速度調節などを行うことにより、最適値に制御することができる。
木材31a及び31bの乾燥は、その芯部温度が、55℃以上95℃未満の値に維持されるように行われる。芯部温度が55℃を下回ると木材の芯部が充分に加熱されず、細胞の壁孔が破壊されず、芯部全体が乾燥されない。さらにリグニンやヘミセルロースが軟化せず、木材に内部応力が残り、曲がりが生じて充分に良好な品質が得られない。95℃以上となると芯部の細胞も破壊され劣化する可能性があり、表面温度はさらに高くなっているため劣化するおそれが大きい。充分に乾燥が得られかつ曲がりが除去でき、表面の劣化が少ない範囲としては、芯部温度は60℃以上90℃未満が特に望ましい。
上述の芯部温度を維持しつつ乾燥させるためには、燃焼室20から煙成分60を供給して木材の芯部温度を上述した温度まで上昇させた後、その温度を一定の乾燥時間だけ維持することが必要である。本実施形態の木材乾燥装置1では、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bへの煙成分60の供給開始より2〜4時間で木材の芯部温度を65〜95℃まで上げることができる。その後はこの芯部温度を24〜96時間前後の一定時間、継続して維持する。木材の曲がりを除去するには、30時間以上を継続して乾燥する必要がある。
本実施形態では、65〜95℃の芯部温度を96時間維持した後、燃焼室20の燃焼を停止し、排気を行うことにより第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bを冷却する。具体的には、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内の温度が室温前後となるまで半日〜1日前後を放置する。その後、扉34a及び34bを開き、第1の木材支持部材32a及び第2の木材支持部材32bをその車輪を利用して移動させることにより、木材31a及び32bをそれぞれ第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bから搬出し、風乾する処理を行う。
本実施形態においては、空気活性化手段10の空気活性化作用により、木材31a及び31bを乾燥させる際に、その芯部温度を短時間で上昇させることができる。また、その乾燥の間、安定した芯部温度を維持することが可能となる。また、前述した炭素膜の作用により、燃焼室20の温度、即ち煙成分60の温度を高くしても木材の品質に劣化が生じないので、燃焼室20の温度を高めることによって、乾燥時間をさらに短くすることができる。さらに、木材の原料となる木の品種や木材のサイズを問わず、短時間で乾燥させることが可能であるため、乾燥の作業を簡略化させることができる。さらにまた、乾燥の条件を定めるために試行錯誤せずにあらかじめ設定した一定の条件で乾燥を行うことができる。その結果、生産コストを削減した有効な木材生産を行うことが可能となる。
空気活性化手段10の空気活性化作用により上述した効果が生じるメカニズムについては、正確には解明されていないが、活性化粒子13aより発する電磁波が、活性化部材収納筐体11内に導入された空気40cに含まれる分子や粒子に対して物理的作用を及ぼし、これによって得られた空気40bを用いて燃焼を行い、得られた煙成分60により木材の乾燥を行うことにより、その乾燥が促進されていると考えられる。さらに、活性化粒子13aより発する帯電粒子、特にいわゆるマイナスイオンが空気40c内に増加し、それらの粒子の影響によりその空気40bを用いて得られた煙成分60が乾燥を促進していると考えられる。加えて、活性化粒子13aが、空気40c内に含まれる乾燥を阻害するような物質を吸着するので、燃焼室20へ送り込まれる空気40bからはこれらの物質が除去されることで、得られる煙成分60にもそのような物質が含まれず、その結果、木材の乾燥が促進されている可能性もある。
また、本実施形態による木材乾燥装置1を用いた木材乾燥方法を用いて乾燥した木材は、木質以外の化学物質の含有量が少ない木材となっている。具体的には、乾燥後の木材は、アルデヒド等の揮発性有機化合物、硫黄酸化物又は窒素化合物等の放出量が減少している。本実施形態では木材内部への乾燥が有効に行われるために、乾燥中に水分と共にこれらの物質が木材内部から除去される可能性がある。このため、大気に含まれる化学物質等が伐採前の樹木や乾燥前の木材に付着したとしても、この木材乾燥方法を用いた乾燥により除去することができる。
本実施形態おける活性化部材13は、バインダ13bに活性化粒子13aを混練し板状に成形することで形成されている。この場合、活性化粒子13aの含有量や配置は任意に調整でき、活性化粒子13aと空気40cとが効率的に接触するように構成できる。そのため、溶岩や自然の鉱石を燃焼室等に配置してその輻射を利用する従来の方法に対して、効率的に電磁波や帯電粒子を発生するように構成可能である。
上述した実施形態の一変更態様として、活性化部材13の表面が吸入口10a及び排出口10bを結ぶ直線に対して傾斜していなくとも良い。例えば、活性化部材13の表面が上述した直線に対して略垂直でもあっても良く、活性化部材13の表面が曲面を形成していても良い。
その他の変更態様として、空気活性化手段10における本体12や活性化部材収納筐体11が、上述した材料以外の材料で形成されていても良い。例えば、電磁波又は帯電粒子を放出可能な素材を含有する構成材料で構成されていても良い。例として、活性化部材収納筐体11が、上述したような角閃石の粒子をセラミックに分散させた材料で形成されていても良い。活性化部材収納筐体11のこの構成により、空気40cがより多くの角閃石の粒子と接触する。
さらに他の変更態様として、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内の炭素膜に輻射を行わせるための手段として、炭素膜を加熱する手段が別個に設けられていても良い。例えば、第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bの内面の温度を上昇させ、炭素膜を過熱させる手段が設けられていても良い。
[乾燥試験]
内部表面が断熱材を塗布した鋼板によって断熱材を挟み込んで構成された壁、床及び天井によって囲まれた第1の乾燥室30a(3.2m×4.5m×4.5m)及び第2の乾燥室30b(2m×4.5m×3.5m)と、燃焼室20(3m×2.3m×1.7m)と、燃焼室20への空気供給路に設けられた空気活性化手段10とを備えた木材乾燥装置1を用いて乾燥試験を行った。
活性化粒子13aとして、ラジウム元素を含む鉱石の粒子、並びに天照石及び乙姫石の粒子であってそれぞれ径が20〜60μmのものを粘土のバインダ13bに対して約50重量%となるよう混練して板状の活性化部材13を得た。5つのこのような活性化部材13をステンレスを構成素材とする152×130×175mmの活性化部材収納筐体11内に収納して固定し、この活性化部材収納筐体11を本体12内に4つ収納固定することによって空気活性化手段10とした。
実施例1として、この木材乾燥装置1の第1の乾燥室30a内に伐採後のカラマツの丸木を桟木35(60mm×60mmの角パイプ)を入れて隙間を確保しつつ収納して木材31aとし、第2の乾燥室30b内にはスギを製材して得た板材を収納して積み重ね、木材31bとした。このような木材31a及び31bに対して、燃焼室20で雑木及び間伐材を燃料22として燃焼させ、得られた煙成分60を第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bに供給して乾燥を開始した。比較例1として、空気活性化手段10及びフェンス37を設けない木材乾燥装置を用いて同様に乾燥を行った。
第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bにおける木材31a及び31bの種々の位置における芯部温度を芯部温度センサを用いて測定すると共に、燃焼室20、並びに第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30b内の種々の位置における室内温度を室内温度センサを用いて測定し、芯部温度が55〜95℃の範囲を維持するように燃焼室20の燃料22の量を調整した。その温度測定結果(℃)を、実施例1については表1に、比較例1については表2に示す。ただし、表1及び表2において、各欄は温度測定した位置を表わしており、各列は温度測定した時刻を表わしている。
表1において、「丸太室上」は第1の乾燥室30aの上部、「丸太室下」は第1の乾燥室30aの下部、「製品室上」は第2の乾燥室30bの上部、「製品室下」は第2の乾燥室30bの下部、「丸太上」は第1の乾燥室30aの上部に収納した木材31a、「丸太中」は第1の乾燥室30aの中間部に収納した木材31a、「丸太下」は第1の乾燥室30aの下部に収納した木材31a、「製品上」は第2の乾燥室30bの上部に収納した製材された木材31b、「製品中」は第2の乾燥室30bの中間部に収納した製材された木材31b、「製品下」は第2の乾燥室30bの下部に収納した製材された木材31bをそれぞれ表している。また、表2において、「木材右奥」は乾燥室の前面から見て右奥に収納した木材、「木材右手前」は乾燥室の前面から見て右手前に収納した木材、「木材左手前」は乾燥室の前面から見て左手前に収納した木材、「木材右中」は乾燥室の前面から見て右中間部に収納した木材、「木材右上中」は乾燥室の前面から見て右上中間部に収納した木材、「木材左中」は乾燥室の前面から見て左中間部に収納した木材、「木材左上奥」は乾燥室の前面から見て左上奥に収納した木材、「木材右下奥」は乾燥室の前面から見て右下奥に収納した木材、「木材右上奥」は乾燥室の前面から見て右上奥に収納した木材、「室内左下奥」は乾燥室の前面から見て左下奥部、「室内右中手前」は乾燥室の前面から見て右中間部の手前、「室内右上手前」は乾燥室の前面から見て右上の手前、「室内右下手前」は乾燥室の前面から見て右下の手前をそれぞれ表わしている。
比較例1においては、燃焼室20の温度を300℃以上に上げると木材31に割れが生じることがあるため、温度を300℃未満に保った。一方、実施例1においては、予備的な実験において燃焼室20の温度を300℃以上としても木材31a及び31bに割れが生じなかったため、この試験では300℃以上の温度に設定して燃焼を行った。
実施例1においては、開始から3〜4時間で目標とする芯部温度である60℃前後に到達した。到達した後は、芯部温度はほとんど上下せず、安定に保たれていた。以後、芯部温度が安定に保った状態を続け、4日目に炉を停止し、10時間冷却してから木材31a及び31bを第1の乾燥室30a及び第2の乾燥室30bから搬出した。一方、比較例1においては、目標とする芯部温度である90℃前後に到達するまで開始から6〜7時間を要した。
なお、実施例1について、試験後に活性化部材収納筐体11及び燃焼室20内について、JIS B9929:2006に規定された方法を用いて空気中のイオン密度を測定したところ、活性化部材収納筐体11では9万/立方m、燃焼室20では14万/立方mであった。
実施例1の木材は、その芯部まで均一に乾燥し、表面やその近くに熱劣化やひび割れは見られなかった。また、実施例1の木材は、その後の1か月ほどの風乾でも、ねじれ、反りなどの曲がりは発生しなかった。
一方、比較例1の木材では、乾燥後の木材をさらに角材などの形状に加工すると、木材の木目に応じて割れが生じることがあり、加工した際の歩止まりが45〜70%前後であった。これに対して実施例1の木材では、こうした割れが生じることがほとんどなく、歩止まりは80〜100%であった。これらの結果から、本発明の木材乾燥装置及び木材乾燥方法は、従来よりも短時間で木材の乾燥を行うことができ、乾燥した木材の劣化がより少ないことが示された。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含まれるものである。
本発明は木材の利用及び処理の問題をいずれも解決し得るものである。木材の利用される建築や素材をはじめとするあらゆる分野に役立ち、利用と処理のいずれの面の利用によっても環境問題の解決に寄与する技術となるものである。
1 木材乾燥装置
10 空気活性化手段
10a 吸入口
10b 排出口
11 活性化部材収納筐体
11a 底面部
11b 頂面部
12 本体
12a 吸入口部材
12b 排出口部材
12c リブ部
12d、12e 取付けフレーム
13、13A、13B 活性化部材
13a 活性化粒子
13b バインダ
14、15 支持部材
16、17 通気孔
20 燃焼室
21、33 壁部
22 燃料
23 開閉扉
24 供給口
25 ウィンチ機構
26 燃料投入棚
30 乾燥室
30a 第1の乾燥室
30b 第2の乾燥室
31a、31b 木材
32a 第1の木材支持部材
32b 第2の木材支持部材
34a 第1の扉
34b 第2の扉
35 桟木
36 中間支持部材
37 フェンス
40a、40b、40c 空気
41 隙間
42 空間
50 空気供給管
51 第1の煙成分供給管
52 供給ファン装置
53 第2の煙成分供給管
54 分岐管
55a 第1の煙成分分配管
55b 第2の煙成分分配管
56a 第1の煙成分排出管
56b 第2の煙成分排出管
57 排気用煙突
60、61 煙成分

Claims (7)

  1. 外部から供給された空気が接触し電磁波又は帯電粒子を放出可能な活性化部材を有する空気活性化手段と、該空気活性化手段に連結され該空気活性化手段から供給された空気を用いて燃料を燃焼し煙成分を発生する燃焼室と、該燃焼室に連結され該燃焼室で発生した前記煙成分によって内部に収納された木材を乾燥させるように構成された乾燥室とを備えていることを特徴とする木材乾燥装置。
  2. 前記空気活性化手段は前記空気を吸入する吸入口と前記空気を排出する排出口とを有し、該空気活性化手段の前記活性化部材は少なくとも1つの表面が前記吸入口と前記排出口とを結ぶ直線に対して非平行となるように構成され、前記空気活性化手段は該非平行の少なくとも1つの表面に沿って前記空気が流通する流路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の木材乾燥装置。
  3. 前記活性化部材は、セラミックに活性化粒子を分散した平板形状に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の木材乾燥装置。
  4. 前記活性化部材は、ラジウムを含有する粒子、角閃石、又は炭素及びケイ素を含有する粒子から選ばれる活性化粒子を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の木材乾燥装置。
  5. 前記活性化部材は、該活性化部材に対する重量比が40〜80重量%である活性化粒子を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の木材乾燥装置。
  6. 前記活性化部材は、径が1〜1000μmである活性化粒子を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の木材乾燥装置。
  7. 空気を電磁波又は帯電粒子を放出可能な活性化粒子に接触させた後に燃焼室に供給し、該燃焼室において供給された空気を用いて燃料を燃焼させることにより煙成分を発生させ、発生した煙成分を木材を収納した乾燥室に供給して前記木材を乾燥させることを特徴とする木材乾燥方法。
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