JP2016132608A - 複合体及びその製造方法 - Google Patents
複合体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016132608A JP2016132608A JP2015010348A JP2015010348A JP2016132608A JP 2016132608 A JP2016132608 A JP 2016132608A JP 2015010348 A JP2015010348 A JP 2015010348A JP 2015010348 A JP2015010348 A JP 2015010348A JP 2016132608 A JP2016132608 A JP 2016132608A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon
- porous body
- pores
- composite
- spherical carbon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
Description
例えば、非特許文献1には、メソポーラスシリカを650℃のMg蒸気で還元し、1N HClで洗浄してMgOを取り除くことにより、結晶性のSiと非晶質のSiOxとの混合物を得る方法が開示されている。
また、同文献には、この混合物を、溶媒で希釈したフェノール樹脂に分散させ、Ar雰囲気中において800℃で焼成することにより、カーボンとSi/SiOxの複合体を得る方法が開示されている。
また、非特許文献2に記載の方法では、シリコンの粒子サイズがカーボンの細孔径より大きくなる。そのため、シリコンを膜状のカーボンで覆うことができない。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、多孔体の内部まで均一にシリコンが存在している複合体及びその製造方法を提供することにある。
多孔体と、
前記多孔体の細孔内に導入されたシリコンと
を備えている。
多孔体を準備する準備工程と、
室温で液体であるケイ素化合物の蒸気、又は前記ケイ素化合物の液体若しくは溶液を多孔体の細孔内に導入する導入工程と、
前記導入工程の後又は前記導入工程と同時に、前記細孔内において前記ケイ素化合物をシリコンに変換するシリコン化工程と
を備えている。
[1. 複合体]
本発明に係る複合体は、
多孔体と、
前記多孔体の細孔内に導入されたシリコンと
を備えている。
[1.1.1. 形状]
多孔体とは、内部に多数の開気孔が存在する材料をいう。本発明において、多孔体の形状は、特に限定されない。多孔体としては、例えば、
(a)多孔質材料からなるバルク材、膜、又は粒子、
(b)多孔質粒子の集合体、
(c)緻密質粒子の集合体であって、粒子間が細孔として機能するもの
などがある。
「集合体」とは、粒子が相対的に弱い力(例えば、ファンデルワールス力)で結合しているものをいう。集合体としては、例えば、1次粒子が凝集した2次粒子、球状粒子が規則的又は不規則に配列している配列体などがある。
一方、多孔体として多孔質粒子の集合体を用いる時には、シリコンは、多孔質粒子内部の細孔内に優先的に充填される。また、製造条件を最適化すると、シリコンは、多孔質粒子の表面にほとんど析出しない。これは、ケイ素化合物が毛細管凝縮又は吸着により多孔質粒子の細孔内に導入されるためと考えられる。導入されたケイ素化合物は凝縮相を形成するため、細孔外にある気相に比べ密度が高く、シリコン化の反応が進みやすいものと考えられる。
同様に、多孔体が粒子である場合、その粒子径や形状は特に限定されない。例えば、多孔体は、球状粒子であっても良く、あるいは、不定形粒子であっても良い。
これらの中でも、多孔体は、球状粒子が好ましい。多孔体が球状粒子からなる複合体をある種の用途に適用した場合、多孔体が不定形粒子である場合に比べて、粒子内及び/又は粒子間において生ずる電気化学反応や化学反応が等方的に進行しやすくなる。
ここで、「単分散度」とは、(1)式で表される値をいう。
単分散度=(粒子径の標準偏差)×100/(粒子径の平均値) ・・・(1)
多孔体の材料は、特に限定されない。多孔体の材料としては、カーボン、金属酸化物、高分子、金属などがある。多孔体は、これらのいずれか1種の材料からなるものでも良く、あるいは、2種以上の材料からなるものでも良い。
これらの中でも、多孔体は、カーボン又は金属酸化物が好ましい。カーボンや金属酸化物は、化学的安定性や耐熱性に優れているので、シリコンを保持するための多孔体の材料として好適である。
また、多孔体は、カーボンが好ましく、特にメソポーラスカーボンが好ましい。多孔体としてカーボンを用いると、シリコンが細孔内において化学反応する際に、シリコンへの電子の授受が容易化する。
(a)SiO2、又は、
(b)SiO2よりも安定な酸化物、すなわち、酸化物の生成自由エネルギーΔGが負で、かつ、その絶対値がSiO2よりも大きい酸化物(図1参照)、
が好ましい。
SiO2よりも安定な酸化物としては、例えば、TiO2、Ti2O3、Al2O3、ZrO2、HfO2、MgO、CaO、SrO、BaO、CeO2、Y2O3、Sc2O3、Li2Oなどがある。
これらの中でも、金属酸化物は、SiO2、TiO2、Al2O3、ZrO2、HfO2、CeO2、又はY2O3が好ましい。これは、これらはH2Oや酸に対して比較的安定であるためである。
[A. 細孔の形状]
多孔体の細孔の形状は、その内部へのシリコンの充填が可能な限りにおいて、特に限定されない。細孔の形状は、多孔体を構成する材料や多孔体の製造方法に応じて種々の形状を取りうる。例えば、1次粒子内のロッドの隙間、円筒型細孔、スリット型細孔、一次粒子間の隙間などがシリコンを充填するための細孔となりうる。ここで言う「ロッド間の隙間」とは、例えば、シリカの円筒型細孔内にカーボン源を導入し、炭化させた後、フッ酸でシリカを溶解除去するとロッド状のカーボンが球状に集積した多孔体が得られるが、そのカーボンロッド間の隙間をいう。また、多孔体は、放射状細孔を持つものでも良く、あるいは、持たないものでも良い。
多孔体の細孔径は、細孔内へのシリコンの充填が可能な限りにおいて、特に限定されない。但し、細孔径が小さくなりすぎると、細孔内へのシリコンの充填が困難となる。従って、平均細孔径は、1nm以上が好ましい。平均細孔径は、さらに好ましくは、2nm以上である。ここで、「平均細孔径」とは、窒素の吸着等温線からBJH法あるいはDFT法で求めた細孔径分布曲線のピーク値を示す細孔径をいう。
ここで、「細孔径分布が狭い」とは、次の(2)式で表される細孔径分散度(細孔径分布のばらつきを示す指標)が小さいことをいう。多孔体の細孔径分散度は、好ましくは、1/2以下、さらに好ましくは、1/3以下である。
細孔径分散度=Δdp/dp ・・・(2)
但し、Δdpは、細孔径分布曲線の半値幅、
dpは、平均細孔径。
多孔体の細孔容量は、特に限定されない。一般に、細孔容量が大きくなるほど、多孔体内に多量のシリコンを導入することができる。
多孔体内に多量のシリコンを導入するためには、細孔容量は、0.5mL/g以上が好ましい。細孔容量は、さらに好ましくは、1.0mL/g以上、さらに好ましくは、1.4mL/g以上である。
[1.2.1. シリコンの形態]
本発明において、細孔内のシリコンは、
(a)多孔体の細孔の内壁面を被覆する膜、及び/又は、
(b)細孔に内包された粒子
からなる。
シリコンが膜状となるか、あるいは粒子状となるかは、主として、細孔内へのシリコンの導入量やシリコンの導入条件に依存する。本発明において、シリコンは、ケイ素化合物を熱分解(シリコン化)させることにより得られる。後述する方法を用いると、シリコンは、析出の初期段階において細孔の内壁面に膜状に析出すると考えられる。また、細孔内へのケイ素化合物の導入量が多くなるほど、シリコンの膜厚が厚くなると考えられる。さらに、シリコン化の温度が高くなるほど、シリコンは粒子化しやすくなると考えられる。
細孔内のシリコンは、アモルファス、又は多結晶体となる。いずれの結晶構造を取るかは、製造条件により異なる。一般に、シリコン化の温度が高く(低く)なるほど、シリコンは結晶化(アモルファス化)しやすくなる。
シリコンの「重量割合」とは、(3)式で表される値をいう。
重量割合(%)=Wt×100/Wc ・・・(3)
但し、Wtは、複合体に含まれるシリコンの総重量、
Wcは、複合体の重量。
例えば、多孔体がカーボンからなる場合、シリコンの重量割合は、10%〜80%となる。製造条件を最適化すると、重量割合は、30%以上、あるいは、40%以上となる。
また、重量割合は多孔体の真密度によって影響を受け、真密度の高い多孔体ほど、また、細孔容量が小さい多孔体ほど、充填可能なシリコンの上限値は低くなる。多孔体が金属酸化物からなる場合、シリコンの重量割合は、5%〜75%となる。製造条件を最適化すると、重量割合は、25%以上、あるいは、35%以上となる。
シリコンの「内包率」とは、シリコンの内、多孔体の細孔内に内包されたシリコンの割合であって、次の(4)式で定義される値をいう。
内包率(%)=SSP×100/SS ・・・(4)
但し、SSPは、前記シリコンと前記多孔体の構成元素の双方が検出される領域の面積、
SSは、前記シリコンが検出される領域の面積。
内包率は、電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)などを用いた元素分布マッピングにより実測できる。
シリコンが検出される領域SSは、「シリコンのみが検出される領域SS0」と「シリコンと多孔体の構成元素の双方が検出される領域SSP」の和である。従って、シリコンのみが検出される領域SS0が全くない、あるいは、無視できる程度に微少である場合は、内包率=100%となる。
特性劣化の少ない複合体を得るためには、内包率は、85%以上が好ましい。内包率は、さらに好ましくは、90%以上、さらに好ましくは、95%以上である。
シリコンの「充填率」とは、多孔体の細孔の内、シリコンが検出される細孔の割合であって、次の(5)式で定義される値をいう。
充填率(%)=SSP×100/SP ・・・(5)
但し、SSPは、前記シリコンと前記多孔体の構成元素の双方が検出される領域の面積、
SPは、前記多孔体の構成元素が検出される領域の面積。
充填率は、電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)などを用いた元素分布マッピングにより実測できる。
多孔体の構成が検出される領域SPは、「多孔体の構成元素のみが検出される領域SP0」と「シリコンと多孔体の構成元素の双方が検出される領域SSP」の和である。
また、シリコンのみが検出される領域SS0が全くない、あるいは、無視できる程度に微少である場合は、充填率は、次の(5’)式で表される。
充填率(%)=SS×100/ST ・・・(5’)
但し、SSは、シリコンが検出される領域の面積、
STは、シリコン又は多孔体の構成元素のいずれか一方が検出される領域の面積。
SS0が実質的にゼロである場合、STは実像で示される領域の面積となる。「実像で示される領域」とは、SEM、TEM、STEMなどで実際に観察される2次電子像や透過電子像などで示される領域である。充填率は、実像と、Si元素マッピング像との比較で求めることができる。
後述する方法を用いると、細孔内にシリコンを特異的に、かつ、多量に導入できるだけでなく、細孔の表層部分から中心部に至るまで均一にシリコンを導入することができる。具体的には、後述する方法を用いることによって、多孔体へのシリコンの充填率を70%以上にすることができる。製造条件を最適化すると、充填率が90%以上となるように、シリコンを細孔内に均一に充填することができる。このように均一にシリコンを充填した複合体では、多孔体を除去した後においても、多孔体の形状を維持することが可能である。
本発明に係る複合体は、
多孔体を準備し、
室温で液体であるケイ素化合物の蒸気、又は前記ケイ素化合物の液体若しくは溶液を前記多孔体の細孔内に導入し、
前記ケイ素化合物の導入後又は導入と同時に、前記細孔内において前記ケイ素化合物をシリコンに変換する
ことにより製造することができる。
まず、ケイ素化合物を導入するための多孔体を準備する。多孔体は、市販されているものをそのまま用いても良く、あるいは、目的とする構造を備えた多孔体を製造しても良い。多孔体の製造方法は、特に限定されるものではなく、多孔体の材料、細孔径、細孔容量等に応じて、種々の方法を用いることができる。
また、カーボンからなるメソ多孔体は、金属酸化物からなるメソ多孔体の細孔内にカーボン源を導入し、カーボン源を炭化させ、金属酸化物を除去することにより製造することができる。
また、高分子からなる多孔体、例えば、ミクロポーラス3Dポリアニリンは、MOF(Metal-Organic Framework)の細孔内にアニリンを浸透させ、ポリアニリンを電解重合し、さらにMOFを除去することにより製造することができる(Angewandte Chemie International Edition Volume 53, Issure 25, pages 6454-6458, 2014参照)。
また、金属からなる多孔体は、例えば、界面活性剤、金属イオン種、水、揮発性溶媒からなる前駆溶液を基板に滴下した後、溶媒を揮発させて液晶を形成させ、その後金属を析出させ、鋳型を除去することにより製造することができる(Chemistry of Materials, vol. 19 Issue 6 pages 1335-1342, 2007参照)。
次に、室温で液体であるケイ素化合物の蒸気、又は前記ケイ素化合物の液体若しくは溶液を多孔体の細孔内に導入する(導入工程)。
シリコン源には、室温で液体であるケイ素化合物が用いられる。ケイ素化合物は、熱、光、ラジカルなどの刺激により重合し、シリコンを生成させることが可能な化合物であれば良い。
ケイ素化合物は、具体的には、(6)式又は(7)式で表される化合物、又はこれらの重合体若しくは置換体が好ましい。これらのケイ素化合物は、いずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、ケイ素化合物は、より好ましくは、1個以上の環状構造を有する水素化ケイ素化合物から選ばれる1種以上の化合物が良い。これは、環状構造の開裂反応により、環状水素化ケイ素化合物の方が鎖状水素化ケイ素化合物よりも比較的低温で重合が始まることや、反応に伴い低分子の揮発成分が発生しにくいためである。
但し、nは、3以上の整数、
mは、n、(2n−2)、2n、又は(2n+2)、
Xは、水素原子、及び/又はハロゲン原子。
但し、aは、3以上の整数、
bは、a以上(2a+c+2)以下の整数、
cは、1以上a以下の整数、
Xは、水素原子、及び/又はハロゲン原子、
Yは、ホウ素原子、及び/又はリン原子。
ハロゲン原子は、通常、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子である。結合開裂の点においては、ハロゲン原子は、塩素又は臭素が好ましい。
また、(6)式又は(7)式で表されるケイ素化合物は、元素Xとして、水素原子のみ又はハロゲン原子のみを含む化合物でもよく、あるいは、双方を含む化合物(部分ハロゲン化ケイ素化合物)でも良い。
[A. (6)式のケイ素化合物]
(6)式で表されるケイ素化合物、又はその重合体若しくは置換体としては、以下のようなものがある。
[A.1. m=2n−2であるSinXm]
m=2n−2であるSinXm、又はその重合体若しくは置換体としては、
(a)2個の環系を有する水素化ケイ素化合物、
(b)上記水素化ケイ素化合物の水素原子の一部又は全部をSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物、
(c)上記(a)又は(b)の重合体、
などがある。
(i)1,1’−ビスシクロブタシラン、1,1’−ビスシクロペンタシラン、1,1’−ビスシクロヘキサシラン、1,1’−ビスシクロヘプタシラン、
(ii)1,1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、
(iii)スピロ[2,2]ペンタシラン、スピロ[3,3]ヘプタシラン、スピロ[4,4]ノナシラン、スピロ[4,5]デカシラン、スピロ[4,6]ウンデカシラン、スピロ[5,5]ウンデカシラン、スピロ[5,6]ドデカシラン、スピロ[6,6]トリデカシラン
などがある。
m=2nであるSinXm、又はその重合体若しくは置換体としては、
(a)水素化環状ケイ素化合物、
(b)上記水素化環状ケイ素化合物の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換したハロゲン化環状ケイ素化合物、
(c)上記(a)又は(b)の重合体、
などがある。
(i)ヘキサクロルシクロトリシラン、トリクロルシクロトリシラン、オクタクロルシクロテトラシラン、テトラクロルシクロテトラシラン、デカクロルシクロペンタシラン、ペンタクロルシクロペンタシラン、ドデカクロルシクロヘキサシラン、ヘキサクロルシクロヘキサシラン、テトラデカクロルシクロヘプタシラン、ヘプタクロルシクロヘプタシラン、
(ii)ヘキサブロモシクロトリシラン、トリブロモシクロトリシラン、ペンタブロモシクロトリシラン、テトラブロモシクロトリシラン、オクタブロモシクロテトラシラン、テトラブロモシクロテトラシラン、デカブロモシクロペンタシラン、ペンタブロモシクロペンタシラン、ドデカブロモシクロヘキサシラン、ヘキサブロモシクロヘキサシラン、テトラデカブロモシクロヘプタシラン、ヘプタブロモシクロヘプタシラン、
などがある。
m=2n+2であるSinXm、又はその重合体若しくは置換体としては、
(a)水素化シラン、
(b)SinX2nで表される水素化環状ケイ素化合物又はハロゲン化環状ケイ素化合物を熱、光、ラジカルなどによって開環重合した重合体、
(c)上記水素化シラン又は上記重合体の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換した化合物、
(d)上記(a)〜(c)のいずれかの重合体、
などがある。
水素化シランとしては、例えば、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘプタシランなどがある。
m=nであるSinXm、又はその重合体若しくは置換体としては、
(a)多環系を有する水素化ケイ素化合物、
(b)上記多環系を有する水素化ケイ素化合物の水素原子の一部又は全部をSi3H基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物、
(c)上記(a)又は(b)の重合体、
などがある。
(7)式で表されるケイ素化合物、又はその重合体若しくは置換体としては、
(a)ホウ素による変性シラン化合物、
(b)リンによる変性シラン化合物、
(c)上記(a)又は(b)の重合体、
などがある。
リンによる変性シラン化合物としては、例えば、以下の化合物6〜化合物27においてBをPに置き換えた以外は同様の骨格を有する化合物などがある。
ケイ素化合物は、後述するように、蒸気、液体、又は溶液の状態で多孔体の細孔内に導入される。液体のケイ素化合物を多孔体の細孔内に導入する場合において、液体の粘度が十分に低いときには、液体をそのまま多孔体の細孔内に浸透させることができる。
一方、液体の粘度が高すぎる場合には、液体を多孔体の細孔内に浸透させるのが困難となる。このような場合には、ケイ素化合物を溶媒で希釈し、溶液とするのが好ましい。溶媒による希釈は、細孔内へのケイ素化合物の導入量の低減にも利用できる。
また、液体又は溶液の粘度が低くなるほど、細孔内にケイ素化合物を均一に導入することが容易となる。細孔内にケイ素化合物を均一に導入するためには、液体又は溶液の粘度は、100mPa・s以下が好ましい。
ケイ素化合物を溶媒で希釈する場合、溶媒は、ケイ素化合物を溶解させることができ、かつ、ケイ素化合物と反応しないものであれば良い。溶媒としては、例えば、
(a)炭化水素系溶媒、
(b)エーテル系溶媒、
(b)極性溶媒
などがある。これらの溶媒は、単独で使用しても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、炭化水素系溶媒は、ケイ素化合物の溶解性を向上させ、かつ、後述する熱処理や光処理時におけるケイ素化合物の残留を抑制する作用がある。そのため、溶媒は、特に炭化水素系溶媒が好ましい。
[A. 蒸気の導入]
ケイ素化合物は、蒸気の状態で多孔体の細孔内に導入しても良い。多孔体をケイ素化合物の蒸気に曝すと、吸着により細孔内がケイ素化合物で満たされる。一般に、細孔のない平滑表面において、吸着物質は、その分圧(Pad)が飽和蒸気圧(Pv)になると液化する。一方、細孔があると、PadがPv未満であっても毛細管凝縮が起こる。すなわち、Pvより低い分圧(Pcc)で相転移が起き、細孔内は吸着物質で満たされる。
これに対し、吸着物質の分圧(Pad)がPcc以上である領域(Pad≧Pcc)では、毛細管凝縮が起き、細孔内はケイ素化合物の液相で満たされる。すなわち、分圧によって、ケイ素化合物の導入状態を制御できる。
ケイ素化合物は、液体若しくは溶液の状態で多孔体の細孔内に導入しても良い。多孔体とケイ素化合物の液体又は溶液とを接触させると、毛細管凝縮がおこり、細孔内がケイ素化合物で満たされる。また、液体状態共存下のケイ素化合物の蒸気圧(Pad)は、飽和蒸気圧(Pv)程度であり、Pad〜Pv>Pccの関係が成り立っている。
このような細孔での毛細管凝縮及び/又は吸着を利用する利点は、
(a)ケイ素化合物の凝縮層(吸着層や液相)を細孔内のみに形成できること、及び、
(b)細孔外に存在する気相との大きな密度差により、凝縮層のみでシリコン化を進めることができ、結果として、細孔内でのシリコン形成を優先的に起こさせることができること、
である。
従って、細孔内に選択的にシリコンを生成させるためには、ケイ素化合物は、沸点が比較的高いもの(具体的には、150℃以上)が好ましい。ケイ素化合物は、シリコン化の処理温度と沸点の差が小さいものが好ましく、特に、沸点よりもシリコン化の処理温度が低いものが好ましい。
次に、前記細孔内において前記ケイ素化合物をシリコンに変換する(シリコン化工程)。ケイ素化合物をシリコンに変換する方法としては、熱処理、光処理、ラジカル処理などがある。シリコン化には、これらのいずれか1種の方法を用いても良く、あるいは、2種以上の方法を組み合わせて用いても良い。また、シリコン化は、細孔内にケイ素化合物を導入した後に行っても良く、あるいは、導入と同時に行っても良い。
ケイ素化合物が導入された多孔体を所定の温度で熱処理すると、ケイ素化合物をシリコンに変換することができる。熱処理の場合、一般に、到達温度が約600℃以下では、アモルファス状のシリコンが得られる。それより高い温度では、多結晶状のシリコンが得られる。
但し、到達温度が低すぎると、ケイ素化合物の熱分解が十分に進行せず、シリコンが形成されない場合がある。従って、アモルファス状のシリコンを得たい場合には、到達温度は、300℃〜600℃が好ましい。到達温度は、さらに好ましくは、350℃〜600℃である。
(a)窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気、
(b)不活性ガスに水素などの還元性ガスを混入した還元ガス雰囲気
などがある。
ケイ素化合物が導入された多孔体に光を照射すると、ケイ素化合物をシリコンに変換することができる。光処理に使用する光としては、放電光、レーザー光などがある。
放電光の光源としては、例えば、低圧又は高圧の水銀ランプ、重水素ランプ、あるいは、アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガス蛍光ランプなどがある。
レーザー光の光源としては、例えば、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、あるいは、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどがある。
光処理時の温度は、通常、室温〜500℃である。また、光処理時の雰囲気は、非酸化雰囲気が好ましい。
また、光処理後に、又は光処理と同時に熱処理を行っても良い。溶媒に可溶なケイ素化合物は、光処理後に、又は光処理と同時に熱処理を行うことにより、光学的特性及び電気的特性に優れたシリコンに変換される。
さらに、低温での熱処理によりアモルファス状シリコンを形成した後、さらに光処理を行っても良い。アモルファス状シリコンに光を照射すると、アモルファス状シリコンが多結晶シリコンに変換される。変換効率の点では、レーザー光の使用が特に好ましい。
熱処理によりケイ素化合物をシリコンに変換する場合において、ラジカル開始剤を共存させると、より低温でラジカルが発生し、シリコン化の温度をより低温にすることができる。特に、ケイ素化合物として環状ケイ素化合物を用いる場合には、ラジカルにより開環反応が促進され、ラジカル開始剤の添加の効果が高い。
(a)アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、
(b)ジ−ter−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシドなどの有機過酸化物
などがある。これらは、いずれも使用後に分解生成物を容易に除去できるので、本発明で用いるラジカル開始剤として好適である。
ラジカル開始剤は、ケイ素化合物に混合して、ケイ素化合物と同時に細孔内に導入しても良く、ケイ素化合物の導入に先んじて導入しても良い。
毛細管凝縮及び/又は吸着を利用して、室温で液体であるケイ素化合物を多孔体に導入すると、ケイ素化合物を細孔内に選択的に、かつ均一に導入することができる。次に、細孔内にケイ素化合物を導入した後又は導入と同時に、ケイ素化合物に対して、熱、光、ラジカル等を作用させると、ケイ素化合物の分解・重合(シリコン化)が起こる。その結果、細孔の内壁面にシリコンの固相が膜状に析出し、あるいは、細孔内にシリコンの粒子が析出する。
同様に、毛細管凝縮を用いてケイ素化合物を細孔内に導入する場合において、細孔内へのケイ素化合物の導入及びシリコン化を繰り返すと、シリコンの固相の厚みを制御することができる。
また、本発明に係る方法を用いると、細孔の内壁面を膜状のシリコンで被覆したり、あるいは、細孔内にアモルファスシリコンを生成させることができる。
さらに、毛細管凝縮又は吸着を利用して細孔内にシリコンを導入しているので、細孔外に析出するシリコンが少ない。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1]
[1.1.1. 球状カーボン多孔体の作製]
参考文献1に記載された方法を用いて、平均細孔径3.3nmの球状カーボン多孔体(放射状細孔ではない)を得た。
[参考文献1] Micorporous and Mesoporous Materials, vol. 158, p. 257-263 (Aug. 1 2012)
すなわち、精製水:4229g、及びメタノール(MeOH):3580gの混合溶媒に、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C16TAC):35.2gを溶解し、25℃に保ち撹拌した。さらに、1M NaOH:91.2g、MeOH:100gで希釈したテトラメトキシシラン(TMOS):75.2gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS):4.7gを加えた。約8時間撹拌し、一晩静置した後、ろ過と精製水への再分散とを2回繰り返した。さらに、45℃で乾燥し、白色粉末:54gを得た。
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製容器(容量:15mL)に大細孔径MMSS:0.5gを入れ、フルフリルアルコール(FA)を細孔容量分加えてシリカの細孔内に浸透させた。これを150℃×24h熱処理することによりFAを重合し、さらに窒素雰囲気中で500℃×6h熱処理してFAの炭素化を進めた。これを2回繰り返した後、窒素雰囲気中で900℃×6hr熱処理して、MMSS/カーボン複合体を得た。
この複合体を12%HF溶液に12h浸漬して、シリカ成分を溶解させた。その後、ろ過、洗浄を繰り返し、さらに45℃で乾燥して球状カーボン多孔体を得た。
Ar雰囲気下に制御されたグローブボックス内で、ガラス瓶に球状カーボン多孔体:0.2gを入れた。さらに、ガラス瓶にシクロペンタシラン(CPS)を細孔容量分加えて、メソポーラスカーボン内に浸透させた。ガラス瓶をホットプレート上に静置し、ホットプレートの温度を400℃まで加熱し、30分保持した。その後、室温まで降温して、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
Ar雰囲気下に制御されたグローブボックス内で、ガラス瓶に実施例1で得られた球状カーボン/シリコン複合体:0.1gを入れた。さらに、ガラス瓶に球状カーボン多孔体の細孔容量の半分に相当する量のCPSを加えて、球状カーボン/シリコン複合体内に浸透させた。ガラス瓶をホットプレート上に静置し、ホットプレートの温度を400℃まで加熱し、30分保持した。その後、室温まで降温して、CPS液体を2回導入した球状カーボン/シリコン複合体を得た。
[2.1. SEM観察、吸着等温線及び細孔径分布]
図2(a)及び図2(b)に、それぞれ、実施例1及び実施例2で得られた球状カーボン/シリコン複合体のSEM像を示す。図3(a)に、これらの試料の77KにおけるN2の吸着等温線を示す。図3(b)に、図3(a)の吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。なお、図3には、シリコンを導入する前の球状カーボン多孔体の結果も併せて示した。
熱重量分析により、複合体中のシリコンの重量割合(試料重量中のシリコンの占める割合)を求めた。その結果、シリコンの重量割合は、それぞれ、45.7%(実施例1)、及び53.6%(実施例2)であった(表1)。なお、表1には、後述する実施例3〜6の結果も併せて示した。
球状カーボン/シリコン複合体を空気中で550℃、6時間焼成した。この時、複合体中のカーボンは酸化して、COやCO2の気体となって除去され、シリコンは酸化されてシリカに変わると思われる。図4(a)及び図4(b)に、それぞれ、実施例1及び実施例2の球状カーボン/シリコン複合体を空気中で焼成することにより得られた球状粒子のSEM像を示す。焼成によりカーボンを取り除いた後も、球形が維持されており、かなりの量のシリコンが球状カーボン多孔体に導入されていたことを確認できた。
実施例1について、シリコンの導入状態を観察するために、球状カーボン/シリコン複合体を樹脂に埋め込み、薄片に切断した。図5(a)に、試料の切断面のSTEM像、図5(b)に、同視野のSi元素のマッピングを示す。シリコンは、球状粒子全体に分布しており、球状カーボン多孔体に導入されていたことを確認できた。また、シリコンは単独では検出されず、必ず、カーボンとともに検出されることが確認されている。[1.2.5.]に示したように、内包率がほぼ100%であることから、充填率は、(シリコンが検出される領域の面積)×100/(実像で示される領域の面積)で計算できる。図5(a)及び図5(b)から算出したところ、充填率は、96%と求められた。
また、実施例1の焼成後の球状粒子を樹脂に埋め込み、球状粒子の切断面を露出させた。図6に、焼成後の球状粒子の断面のFE−SEM像を示す。シリコンが酸化して生成したシリカが粒子の内部まで存在しており、シリコンが球状カーボン多孔体の中心部まで導入されていたことを示唆している。
次に、シリコンの結晶状態を調べるために、X線回折測定を実施した。図7に、実施例1及び実施例2で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。いずれの試料にも鋭いピークが存在しないことから、得られたシリコンの状態はアモルファスであると考えられる。また、アモルファスシリコンに由来する2θ=28°付近のブロードなピークは、実施例2の方が明確であることから、CPSを繰り返し導入することで、アモルファスシリコンの生成量も増大することがわかった。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例3]
[1.1.1. 球状カーボン多孔体の作製]
上述の参考文献1に記載された方法を用いて、平均細孔径6.2nmの球状カーボン多孔体を得た。
得られた球状カーボン多孔体を用いて、実施例1(CPS液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
実施例3と同様にして、球状カーボン多孔体を得た。また、CPSに365nmの光を15mW/cm2の条件で10分間照射し、ポリジヒドロシランを得た。得られたポリジヒドロシランの粘度は、5mPa・sであった。
さらに、シリコン源として、CPSに代えて上記の低粘度のポリジヒドロシランを用いた以外は、実施例3と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
CPSに365nmの光を、50mW/cm2の条件で10時間照射し、ポリジヒドロシランを得た。得られたポリジヒドロシランの粘度は、3000mPa・sであった。
さらに、シリコン源として、上記の高粘度のポリジヒドロシランを用いた以外は、実施例4と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体の作製を試みた。
[2.1. SEM観察、吸着等温線及び細孔径分布]
図2(c)及び図2(d)に、それぞれ、実施例3及び実施例4で得られた球状カーボン/シリコン複合体のSEM像を示す。図3(c)に、これらの試料の77KにおけるN2吸着等温線を示す。図3(d)に、図3(c)で得られた吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。
図4(c)及び図4(d)に、それぞれ、実施例3及び実施例4の球状カーボン/シリコン複合体を空気中で焼成することにより得られた球状粒子のSEM像を示す。焼成によりカーボンを取り除いた後も、球形が維持されており、かなりの量のシリコンが球状カーボンに導入されていたことが確認できた。
図7に、実施例3及び実施例4で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。図7より、生成したシリコンは、アモルファスであることがわかった。
以上から、CPSの重合体であるポリジヒドロシランを用いても、シリコンを球状カーボン多孔体の細孔内に導入できることがわかった。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例5]
水熱処理温度を130℃とした以外は、実施例1と同様にして、MMSS:1.5gを得た。得られたMMSSを鋳型に用いて、実施例1と同様にして、球状カーボン多孔体を得た。球状カーボン多孔体の細孔容量は、1.52mL/gであった。また、BJH法を用いて評価した平均細孔径は、3.0nmであった。
次に、この球状カーボン多孔体を用いて、実施例1と同様にして、CPS液体の導入及び400℃での熱処理を行い、球状カーボン/シリコン複合体を得た。さらに、この球状カーボン/シリコン複合体に対して、600℃、1時間、アルゴン雰囲気下での熱処理を行った。
実施例5と同様にして、
(a)CPS液体の導入及び400℃での熱処理、並びに、
(b)600℃、1時間、アルゴン雰囲気下での熱処理
を行った球状カーボン/シリコン複合体を得た。さらに、この球状カーボン/シリコン複合体に対して、800℃、1時間、アルゴン雰囲気下での熱処理を行った。
[2.1. SEM観察、吸着等温線及び細孔径分布]
図2(e)及び図2(f)に、それぞれ、実施例5及び実施例6で得られた球状カーボン/シリコン複合体のSEM像を示す。図3(e)に、これらの試料の77KにおけるN2吸着等温線を示す。図3(f)に、図3(e)で得られた吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。
SEM観察の結果から、600℃又は800℃での熱処理に伴い、Siが球の外部に析出しないことがわかった(図2)。一方、800℃で熱処理した試料は、600℃で熱処理した試料に比べて、N2の吸着量が若干増大しており、シリコン量が減少していることがわかった。熱重量分析により求めた複合体中のシリコンの重量割合は、それぞれ、40.9%(実施例5)、及び38.6%(実施例6)であった(表1)。
図4(e)及び図4(f)に、それぞれ、実施例5及び実施例6の球状カーボン/シリコン複合体を空気中で焼成することにより得られた球状粒子のSEM像を示す。焼成によりカーボンを取り除いた後も、球形を維持しており、かなりの量のシリコンが球状カーボン多孔体に導入されていたことが確認できた。
実施例5について、実施例1と同様に、シリコンの導入状態を観察するために、球状カーボン/シリコン複合体を樹脂に埋め込み、薄片に切断した。図5(c)に、試料の切断面のSTEM像を、図5(d)に、同視野のSi元素マッピングを示す。シリコンは、球状粒子全体に分布しており、球状カーボン多孔体に導入されていたことを確認できた。また、シリコンは単独では検出されず、必ず、カーボンとともに検出されることが確認されている。[1.2.5.]に示したうように、内包率はほぼ100%であることから、充填率は、(Siが検出された領域の面積)×100/(実像で示される領域の面積)で計算できる。図5(c)及び図5(d)から算出したところ、充填率は、98%と求められた。
[2.4. X線回折]
図7に、実施例5及び実施例6で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。600℃で熱処理した試料は、熱処理前の試料と比べて、XRDパターンにあまり変化はなかった。一方、800℃で熱処理した試料では、ややシャープになったピークが観察され、若干の結晶化が確認された。
以上から、600℃で熱処理した試料では、シリコンはアモルファスのままであるが、800℃で熱処理した試料では、シリコンの一部が結晶化することがわかった。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例7]
参考文献2(特開2006−219322号公報)に記載の方法を用いて、平均細孔径1.1nmの細孔を持つ単分散球状メソポーラスカーボンを得た。
さらに、この白色粉末を大気中、550℃で6時間焼成し、粒子径:0.66μmの単分散球状メソポーラスシリカ粒子(MMSS)を得た。この手法で得られたMMSSは、放射状細孔を有している。
さらに、この球状カーボン多孔体を用いて、実施例1(CPS液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
実施例7で得られた球状カーボン多孔体を用いて、実施例4(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
[1.3. 実施例9]
実施例7で得られた球状カーボン多孔体を用いて、実施例2(CPS液体の2回導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
上述の参考文献2に記載の方法を用いて、平均細孔径1.9nmの細孔を持つ単分散球状カーボン多孔体を得た。
さらに、この球状カーボン多孔体を用いて、実施例1(CPS液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
実施例10で得られた球状カーボン多孔体を用いた以外は、実施例4(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
実施例10で得られた球状カーボン多孔体を用いて、以下に示す方法で細孔内にCPSの蒸気を導入し、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
次に、密閉容器をホットプレート上に静置した後、ホットプレートの温度を400℃まで加熱し、30分保持した。その後、室温まで降温して、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
参考文献3(特開2010−265125号公報)に記載の方法を用いて、平均細孔径:3.8nmの細孔を持つ単分散球状カーボン多孔体を得た。
さらに、この球状カーボン多孔体を用いて、実施例1(CPS液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
実施例13で得られた球状カーボン多孔体を用いて、実施例4(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
[1.9. 実施例15]
実施例13で得られた球状カーボン多孔体を用いて、実施例12(CPS蒸気の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
実施例7〜15では、放射状細孔を持つ球状カーボン多孔体を用いて、主に球状カーボン多孔体の細孔径の影響について検討した。
[2.1. 実施例7〜9]
実施例7〜9では、いずれも放射状細孔を持つ平均細孔径1.1nmの球状カーボン多孔体を用いている。一方、実施例7では、CPSを液体状態で細孔内に導入し、実施例8では、CPSの重合体であるポリジヒドロシランを液体状態で細孔内に導入した。さらに、実施例9では、実施例7で作製した球状カーボン/シリコン複合体の細孔内に、さらにCPSを液体状態で導入した。
図8に、実施例7〜9で得られた球状カーボン(放射状細孔)/シリコン複合体のSEM像を示す。図9に、これらの試料の77KにおけるN2吸着等温線、及びこの吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。なお、図9には、シリコンを導入する前の球状カーボン多孔体の結果も併せて示した。
熱重量分析により求めた複合体中のシリコンの重量割合は、それぞれ、30.3%(実施例7)、27.2%(実施例8)、及び37.2%(実施例9)であった(表2)。なお、表2には、後述する実施例10〜15の結果も併せて示した。
図10に、実施例7〜9の球状カーボン/シリコン複合体を空気中で焼成することにより得られた球状粒子のSEM写真を示す。焼成後の試料においても球形が維持されており、球状カーボン多孔体全体にシリコンが導入されていることを示唆している。
図11に、実施例7〜9で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。各試料の結晶性は、アモルファスであった。また、比較的シリコンの導入量の多い実施例9(CPS液体の2回導入)では、アモルファスシリコンに相当するハローが僅かに観測された。
実施例10〜12では、放射状細孔を持つ平均細孔径1.9nmの球状カーボン多孔体を用いている。一方、実施例10では、CPSを液体状態で細孔内に導入し、実施例11では、CPSの重合体であるポリジヒドロシランを液体状態で細孔内に導入した。さらに、実施例12では、CPSを蒸気の状態で細孔内に導入した。
図8に、実施例10〜12で得られた球状カーボン(放射状細孔)/シリコン複合体のSEM像を示す。図9に、これらの試料の77KにおけるN2吸着等温線、及びこの吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。
また、実施例12の結果から、CPSの蒸気を用いて、球状カーボン多孔体の細孔内にシリコンを導入できること、及び、細孔容量の3倍の体積のCPSを系内に入れておけば、細孔が埋まる程度まで、シリコンを導入できること、がわかった。
熱重量分析により求めたシリコンの重量割合は、それぞれ、36.2%(実施例10)、27.3%(実施例11)、及び39.6%(実施例12)であった(表2)。
図10に、実施例10〜12の球状カーボン/シリコン複合体を空気中で焼成することにより得られた球状粒子のSEM写真を示す。焼成後の試料においても球形が維持されており、球状カーボン多孔体全体にシリコンが導入されていることを示唆している。
図11に、実施例10及び12で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。各試料の結晶性は、アモルファスであった。また、比較的シリコンの導入量の多い実施例12(CPS蒸気を導入)では、アモルファスシリコンに相当するハローが僅かに観測された。
実施例13〜15では、放射状細孔を持つ平均細孔径3.8nmの球状カーボン多孔体を用いている。一方、実施例13では、CPSを液体状態で細孔内に導入し、実施例14では、CPSの重合体であるポリジヒドロシランを液体状態で細孔内に導入した。さらに、実施例15では、CPSを蒸気の状態で細孔内に導入した。
図8に、実施例13〜15で得られた球状カーボン(放射状細孔)/シリコン複合体のSEM写真を示す。図9に、これらの試料の77KにおけるN2吸着等温線、及びこの吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。
また、実施例15の結果から、CPSの蒸気を用いて、球状カーボン多孔体の細孔内にシリコンを導入できること、及び、細孔容量の3倍の体積のCPSを系内に入れておけば、細孔が埋まる程度まで、シリコンを導入できること、がわかった。
熱重量分析により求めたシリコンの重量割合は、それぞれ、43.2%(実施例13)、38.8%(実施例14)、及び58.3%(実施例15)であった(表2)。
図10に、実施例13〜15の球状カーボン/シリコン複合体を空気中で焼成することにより得られた球状粒子のSEM像を示す。焼成後の試料においても球形が維持されており、球状カーボン多孔体全体にシリコンが導入されていることを示唆している。
図11に、実施例13及び15で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。各試料の結晶性は、アモルファスであった。また、比較的シリコンの導入量の多い実施例15(CPS蒸気を導入)では、アモルファスシリコンに相当するハローが明確に観測された。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例16]
CPSの仕込量を実施例15の1/3(すなわち、細孔容量の等量)とした以外は実施例15(CPS蒸気の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
[1.2. 実施例17]
CPSの仕込量を実施例15の2/3(すなわち、細孔容量の2倍量)とした以外は実施例15(CPS蒸気の導入)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
[2.1. SEM観察、吸着等温線及び細孔径分布]
図12に、実施例16及び17で得られた球状カーボン(放射状細孔)/シリコン複合体のSEM像を示す。図13に、これらの試料の77KにおけるN2吸着等温線と細孔径分布を示す。なお、図13には、シリコンを導入する前の球状カーボン多孔体、及び実施例15の結果も併せて示した。
これらの実施例では、用いた球状カーボン多孔体、及び処理温度ともに同じ条件であるが、系内に仕込むCPS量が異なる。各条件のCPSの仕込量は、それぞれ、球状カーボン多孔体の細孔容積と等量(実施例16)、2倍量(実施例17)、又は3倍量(実施例15)である。
以上の結果から、CPSの系内への仕込量を変えることで、球状カーボン多孔体へのシリコンの導入量を制御できることがわかった。
図14に、実施例16及び17で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。なお、図14には、シリコンを導入する前の球状カーボン多孔体及び実施例15、18の結果も併せて示した。
各試料の結晶性は、アモルファスであった。また、シリコンの導入量の多い試料ほど、アモルファスシリコンに相当するハローが明確に観測された。
[1. 試料の作製]
CPS導入時のホットプレートの温度(シリコン化の処理温度)を600℃とした以外は、実施例17(CPS蒸気の導入、細孔容量の2倍量)と同様にして、球状カーボン/シリコン複合体を得た。
[2.1. SEM観察]
図12に、実施例18で得られた球状カーボン(放射状細孔)/シリコン複合体のSEM像を示す。
ここでは、CPSの導入時のホットプレートの温度(シリコン化の処理温度)の結晶状態に及ぼす影響を、400℃(実施例17)と600℃(実施例18)で比較する。
SEM観察の結果から、実施例18においても、シリコン導入後も球形が維持されており、球の外部にSi粒子の大きな析出はないことが確認できた(図12)。実施例18のシリコンの重量割合は、54.5%であった(表3)。
図14に、実施例18で得られた球状カーボン/シリコン複合体のXRDパターンを示す。実施例18で得られた球状カーボン/シリコン複合体の結晶性は、アモルファスであった。しかし、シリコンの導入量が同程度の実施例17と比較して、アモルファスシリコンに相当するハローの強度が高かった。これは、600℃での処理により、Si−H結合が減少し、Si−Si結合が増大したためと思われる。
以上から、600℃程度の処理温度では、球状カーボン/シリコン複合体中のシリコンの結晶性はアモルファスのままであることがわかった。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例19]
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド共重合体:2g、精製水:15mL、2N塩酸:60mLを混合し、透明溶液を得た。この透明溶液にTEOS:4.25gを添加し、室温で5分攪拌した。その後、30℃で24時間、さらに100℃で24時間静置し、水熱処理を行った。水熱処理後にオートクレーブを冷却し、減圧して生成物を取り出した。生成物のろ過とEtOHへの再分散とを2回繰り返し、洗浄した。さらに、45℃で乾燥させた後、大気中550℃×6時間焼成し、メソポーラスシリカ:2gを得た。
実施例19で得られたメソポーラスカーボンを用いて、実施例12(CPS蒸気の導入)と同様にして、カーボン/シリコン複合体を得た。
図15に、実施例19及び20で得られたーボン/シリコン複合体のSTEM像を示す。図16に、これらの試料の77KにおけるN2の吸着等温線、及びその吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。なお、図16には、シリコンを導入する前のメソポーラスカーボンの結果も併せて示した。
実施例19及び20で用いたメソポーラスカーボンは、試料全体に渡りヘキサゴナルの対称性を有しており、STEM等で観察しやすく、メソポーラスカーボン中のシリコンの分散状態を把握しやすい試料である。実施例19及び20で得られたカーボン/シリコン複合体を分析することで、メソポーラスカーボン中のシリコンの分散状態を明確にする。
一方、シリコン導入量の多い実施例20では、細孔がシリコンで閉塞していた。残存する細孔容量は、0.0265mL/gであり、未処理のメソポーラスカーボンの1.12mL/gの2.2%程度であった。シリコンの導入状況の異なる実施例19と実施例20とで、ほぼ同様のSTEM像が得られたことから、シリコンは、細孔の表面に膜状に分散していることが推察された。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例21]
参考文献4に記載された方法で、平均細孔径:2.3nmの細孔を持つ単分散球状メソポーラスシリカを得た。
[参考文献4] Yano K, Fukushima Y., J. Mater. Chem., 2003; 13(10); 2577-81
実施例21で得られた平均細孔径:2.3nmのMMSSを多孔体として用いた以外は、実施例4(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、球状シリカ/シリコン複合体を得た。
精製水:60mL、EtOH:60mLの混合溶媒に、実施例21で得られた白色粉末(未焼成のMMSS):2gを超音波処理によって分散させた。これに、さらにドコシルトリメチルアンモニウムクロリド(C22TAC):5.44gを加えて攪拌した。白色粉末の分散液を、容量:200mLの内筒容器を持つオートクレーブに入れ、80℃×7日間水熱処理した。水熱処理後にオートクレーブを冷却し、減圧して生成物を取り出した。生成物のろ過とEtOHへの再分散とを2回繰り返し、洗浄した。さらに、45℃で乾燥させた後、大気中550℃×6時間焼成し、平均細孔径3.6nmのMMSS:0.85gを得た。
この平均細孔径:3.6nmのMMSSを用いた以外は実施例20(CPS蒸気の導入)と同様にして、球状シリカ/シリコン複合体を得た。
実施例23で得られた平均細孔径3.6nmのMMSSを多孔体として用いて、実施例4(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、球状シリカ/シリコン複合体を得た。
図17に、実施例21〜24で得られた試料のSEM像を示す。図18に、これらの試料の77KにおけるN2の吸着等温線、及びその吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。なお、図17及び図18には、MMSSの結果も併せて示した。
実施例21〜24では、多孔体として単分散球状メソポーラスシリカ(MMSS)を用いた場合でも、本発明により、MMSSの細孔内にシリコンを導入できることを示す。
これらの結果から、MMSSを多孔体として用いた場合でも、本発明により、MMSSの細孔内にシリコンを導入できることがわかった。
[1. 試料の作製]
一般に、金属酸化物のナノ粒子は、凝集して二次粒子となる。この二次粒子内では、一次粒子間が細孔として機能し、CPSなどのケイ素化合物を吸着できると考えられる。そこで、石原産業性TiO2ナノ粒子:ST01を多孔体として用いて、実施例4(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、チタニア/シリコン複合体を得た。
なお、事前に、ST01の細孔構造をN2吸着等温線を用いて評価したところ、主に、細孔径:10〜50nm、平均細孔径:25nm、細孔容量:0.57mL/g程度の細孔が存在することがわかった。
図19に、実施例25で得られた試料の77KにおけるN2吸着等温線、及びその吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。なお、図19には、TiO2の結果も併せて示した。
シリコン導入に伴い、細孔径分布は、やや細孔径が減少する方向に変化し、平均細孔径は22nmとなった。以上の結果から、本発明により、TiO2の細孔にもシリコンを導入できることがわかった。
[1. 試料の作製]
市販のγAl2O3ノナの粒子を多孔体として用いた以外は、実施例22(ポリジヒドロシラン液体の導入)と同様にして、アルミナ/シリコン複合体を得た。
事前に、このγAl2O3の細孔構造をN2吸着等温線により評価したところ、主に、細孔径:10〜50nm、平均細孔径:20nm程度、細孔容量:0.82mL/g程度の細孔が存在することがわかった。
図20に、実施例26で得られた試料の77KにおけるN2の吸着等温線、及びその吸着等温線からBJH法を用いて求めた細孔径分布を示す。なお、図20には、γAl2O3の結果も併せて示した。
シリコン導入に伴い、12nm以上の細孔の容量が減少し、10nm以下の細孔の容量が増大した。平均細孔径は10nm以下となった。以上の結果から、本発明により、Al2O3の細孔にもシリコンを導入できることがわかった。
[1. 試料の作製]
以下に示す、シランガスを用いた熱CVD法を用いて、細孔へのシリコンの導入を試みた。多孔体には、実施例13で用いた、平均細孔径:3.8nmであり、かつ、放射状細孔を持つ球状カーボン多孔体を用いた。
すなわち、くぼみ付き石英ガラス基板のくぼみに、球状カーボン多孔体:0.2gを入れ、これを容量:100mLの処理室のホットプレートの上に置いた。その後、処理室を1Pa以下まで減圧した後、ホットプレートの温度を400℃まで昇温した。次に、30sccm、50Paの条件で、30分間、シランガスを処理室に導入し、球状カーボン多孔体内へのシリコンの導入を図った。
処理後の試料の重量を計ったところ、処理に伴う試料の重量変化はほとんどないことがわかった。また、試料のN2の吸着等温線を測定したところ、吸着等温線も処理前後でほぼ変化がなかった。これらの結果から、この手法では、球状カーボン多孔体の細孔にシリコンを導入できないことがわかった。
[1. 試料の作製]
400℃で保持している間に、40W×1分の条件で、10回プラズマを発生させた以外は比較例2と同様にして、球状カーボン多孔体内へのシリコンの導入を図った。
[2. 結果]
比較例2と同様に、処理に伴う試料の重量変化、及び吸着等温線の変化は、ほとんどなかった。これらの結果から、この手法では、球状カーボン多孔体の細孔にシリコンを導入できないことがわかった。処理室表面には、シリコンの膜が形成されていたことから、プラズマCVDによりシリコンは生成するものの、球状カーボン多孔体の細孔には、シリコンが浸透しないと考えられる。
[1. 試料の作製]
実施例23で用いた平均細孔径:3.6nmの細孔を持つMMSS:0.15gと、Mg:0.1gとを良く混ぜ合わせた。これをAl2O3るつぼに入れ、内径:φ44の石英管を用いた管状炉内に設置した。窒素を毎分100mLの流量でフローさせながら、650℃まで昇温し、7時間保持した。その後、室温まで冷却した。得られた粒子を2N塩酸で洗浄し、副生成物のMgO及びMg2Siを除去した。さらに、5%HF水溶液によって、未反応のシリカを除去し、シリコン多孔体を得た。
実施例1で得られた球状カーボン/シリコン複合体:9.4mg、ケッチェンブラック:2.5mg、及びポリテトラフルオロエチレンパウダー:0.6mgを乳鉢で混練し、フィルムを作製した。このフィルムをSUS製メッシュに押し付け、評価用負極を作製した。この電極を作用極に用いて、100mA/gの電流密度で充放電測定を行った。対極には、リチウム金属を用いた。電解液には、1M LiPF6 エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート(1:1)v/v%を用いた。
比較例4のシリコン多孔体では、充放電に伴い、シリコンは大きな体積膨張と収縮を繰り返した。そのため、シリコンの微粉化がおき、電気容量が低下した。これに対し、実施例1の複合体では、カーボンがシリコンを保護するため、微粉化を抑制できると考えられる。
Claims (14)
- 多孔体と、
前記多孔体の細孔内に導入されたシリコンと
を備えた複合体。 - 前記シリコンは、前記細孔の内壁面を被覆する膜、及び/又は、前記細孔に内包された粒子からなる請求項1に記載の複合体。
- 次の(4)式で表される前記シリコンの内包率が85%以上である請求項1又は2に記載の複合体。
内包率(%)=SSP×100/SS ・・・(4)
但し、SSPは、前記シリコンと前記多孔体の構成元素の双方が検出される領域の面積、
SSは、前記シリコンが検出される領域の面積。 - 次の(5)式で表される前記シリコンの充填率が70%以上である請求項1から3までのいずれか1項に記載の複合体。
充填率(%)=SSP×100/SP ・・・(5)
但し、SSPは、前記シリコンと前記多孔体の構成元素の双方が検出される領域の面積、
SPは、前記多孔体の構成元素が検出される領域の面積。 - 前記多孔体は、カーボン又は金属酸化物からなる請求項1から4までのいずれか1項に記載の複合体。
- 前記金属酸化物は、SiO2、TiO2、Ti2O3、Al2O3、ZrO2、HfO2、MgO、CaO、SrO、BaO、CeO2、Y2O3、Sc2O3、及びLi2Oからなる群から選ばれるいずれか1種以上の酸化物からなる請求項5に記載の複合体。
- 前記多孔体は、カーボンからなり、
(3)式で表される前記シリコンの重量割合が5%以上80%以下である請求項1から5までのいずれか1項に記載の複合体。
重量割合(%)=Wt×100/Wc ・・・(3)
但し、Wtは、前記複合体に含まれる前記シリコンの総重量、
Wcは、前記複合体の重量。 - 前記多孔体は、次の(2)式で表される細孔径分散度が1/2以下である請求項1から7までのいずれか1項に記載の複合体。
細孔径分散度=Δdp/dp ・・・(2)
但し、Δdpは、細孔径分布曲線の半値幅、
dpは、平均細孔径。 - 前記多孔体は、平均細孔径が1nm以上100nm以下である請求項1から8までのいずれか1項に記載の複合体。
- 前記多孔体は、球状粒子である請求項1から9までのいずれか1項に記載の複合体。
- 前記球状粒子は、単分散度が10%以下である請求項10に記載の複合体。
- 多孔体を準備する準備工程と、
室温で液体であるケイ素化合物の蒸気、又は前記ケイ素化合物の液体若しくは溶液を前記多孔体の細孔内に導入する導入工程と、
前記導入工程の後又は前記導入工程と同時に、前記細孔内において前記ケイ素化合物をシリコンに変換するシリコン化工程と
を備えた複合体の製造方法。 - 前記ケイ素化合物は、1個以上の環状構造を有する水素化ケイ素化合物から選ばれる1種以上の化合物である請求項12に記載の複合体の製造方法。
- 請求項12又は13に記載の方法により得られる複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015010348A JP6451340B2 (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 複合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015010348A JP6451340B2 (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 複合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016132608A true JP2016132608A (ja) | 2016-07-25 |
JP6451340B2 JP6451340B2 (ja) | 2019-01-16 |
Family
ID=56437308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015010348A Active JP6451340B2 (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 複合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6451340B2 (ja) |
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019039320A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2019-02-28 | 株式会社白山 | 熱電材料及び熱電モジュール |
JP2019169317A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社豊田中央研究所 | 単分散球状炭素多孔体及び固体高分子形燃料電池 |
JP2019535096A (ja) * | 2016-09-12 | 2019-12-05 | イメリス グラファイト アンド カーボン スイッツァランド リミティド | 組成物及びその使用 |
JP2020514231A (ja) * | 2017-03-09 | 2020-05-21 | グループ14・テクノロジーズ・インコーポレイテッドGroup14 Technologies, Inc. | 多孔質足場材料の上のケイ素含有前駆体の分解 |
CN113169308A (zh) * | 2018-11-08 | 2021-07-23 | 奈克松有限公司 | 用于金属离子电池的电活性材料 |
WO2021241748A1 (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-02 | 昭和電工株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極材およびその用途 |
JP2022506881A (ja) * | 2018-11-08 | 2022-01-17 | ネクシオン リミテッド | 金属イオン電池用電気活性材料 |
US11335903B2 (en) | 2020-08-18 | 2022-05-17 | Group14 Technologies, Inc. | Highly efficient manufacturing of silicon-carbon composites materials comprising ultra low z |
US11437621B2 (en) | 2015-08-28 | 2022-09-06 | Group14 Technologies, Inc. | Materials with extremely durable intercalation of lithium and manufacturing methods thereof |
US11495793B2 (en) | 2013-03-14 | 2022-11-08 | Group14 Technologies, Inc. | Composite carbon materials comprising lithium alloying electrochemical modifiers |
US11492262B2 (en) | 2020-08-18 | 2022-11-08 | Group14Technologies, Inc. | Silicon carbon composites comprising ultra low Z |
JP2022547660A (ja) * | 2019-09-10 | 2022-11-15 | ネグゼオン・リミテッド | シリコン-炭素複合材料および方法 |
US11611073B2 (en) | 2015-08-14 | 2023-03-21 | Group14 Technologies, Inc. | Composites of porous nano-featured silicon materials and carbon materials |
WO2023054729A1 (ja) * | 2021-10-01 | 2023-04-06 | 株式会社レゾナック | 複合体粒子、負極活物質およびリチウムイオン二次電池 |
US11639292B2 (en) | 2020-08-18 | 2023-05-02 | Group14 Technologies, Inc. | Particulate composite materials |
WO2023074216A1 (ja) | 2021-10-27 | 2023-05-04 | 三菱ケミカル株式会社 | 粒子及びその製造方法と、二次電池及びその製造方法 |
US11661517B2 (en) | 2014-03-14 | 2023-05-30 | Group14 Technologies, Inc. | Methods for sol-gel polymerization in absence of solvent and creation of tunable carbon structure from same |
US11707728B2 (en) | 2013-11-05 | 2023-07-25 | Group14 Technologies, Inc. | Carbon-based compositions with highly efficient volumetric gas sorption |
US11732079B2 (en) | 2012-02-09 | 2023-08-22 | Group14 Technologies, Inc. | Preparation of polymeric resins and carbon materials |
US12002958B2 (en) | 2020-05-28 | 2024-06-04 | Resonac Corporation | Composite particles, negative electrode active material, and lithium-ion secondary battery |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2580033B (en) | 2018-12-19 | 2021-03-10 | Nexeon Ltd | Electroactive materials for metal-Ion batteries |
KR20240011254A (ko) | 2018-12-21 | 2024-01-25 | 넥시온 엘티디. | 금속-이온 배터리용 전기활성 물질을 제조하기 위한 방법 |
US10508335B1 (en) | 2019-02-13 | 2019-12-17 | Nexeon Limited | Process for preparing electroactive materials for metal-ion batteries |
US10964940B1 (en) | 2020-09-17 | 2021-03-30 | Nexeon Limited | Electroactive materials for metal-ion batteries |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000059015A1 (fr) * | 1999-03-30 | 2000-10-05 | Seiko Epson Corporation | Procede de fabrication d'un film de silicium |
JP2001308020A (ja) * | 2000-04-19 | 2001-11-02 | Jsr Corp | シリコン膜およびそのパターン形成方法 |
JP2005022964A (ja) * | 2003-06-13 | 2005-01-27 | Jsr Corp | シラン重合体およびシリコン膜の形成方法 |
JP2008179520A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-07 | Tokuyama Corp | 二元細孔シリカの製造方法 |
JP2010277989A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-12-09 | Denso Corp | 非水電解液電池用負極及び非水電解液電池 |
JP2013063895A (ja) * | 2011-08-29 | 2013-04-11 | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute | 多孔質シリカ内包粒子の製造方法および多孔質シリカ、多孔質シリカ内包粒子 |
JP2013187097A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Nec Corp | シリコン又はシリコン酸化物とカーボンナノホーンの複合体及び電極材料及びリチウムイオン二次電池並びにシリコン又はシリコン酸化物とカーボンナノホーンの複合体の製造方法 |
JP2014093345A (ja) * | 2012-11-01 | 2014-05-19 | Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku | 複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法 |
JP5647366B1 (ja) * | 2014-04-11 | 2014-12-24 | 株式会社ジーエル・マテリアルズホールディングス | シリコンナノ粒子を担持させた負極活物質及びその製造方法 |
-
2015
- 2015-01-22 JP JP2015010348A patent/JP6451340B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000059015A1 (fr) * | 1999-03-30 | 2000-10-05 | Seiko Epson Corporation | Procede de fabrication d'un film de silicium |
JP2001308020A (ja) * | 2000-04-19 | 2001-11-02 | Jsr Corp | シリコン膜およびそのパターン形成方法 |
JP2005022964A (ja) * | 2003-06-13 | 2005-01-27 | Jsr Corp | シラン重合体およびシリコン膜の形成方法 |
JP2008179520A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-07 | Tokuyama Corp | 二元細孔シリカの製造方法 |
JP2010277989A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-12-09 | Denso Corp | 非水電解液電池用負極及び非水電解液電池 |
JP2013063895A (ja) * | 2011-08-29 | 2013-04-11 | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute | 多孔質シリカ内包粒子の製造方法および多孔質シリカ、多孔質シリカ内包粒子 |
JP2013187097A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Nec Corp | シリコン又はシリコン酸化物とカーボンナノホーンの複合体及び電極材料及びリチウムイオン二次電池並びにシリコン又はシリコン酸化物とカーボンナノホーンの複合体の製造方法 |
JP2014093345A (ja) * | 2012-11-01 | 2014-05-19 | Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku | 複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法 |
JP5647366B1 (ja) * | 2014-04-11 | 2014-12-24 | 株式会社ジーエル・マテリアルズホールディングス | シリコンナノ粒子を担持させた負極活物質及びその製造方法 |
Cited By (36)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11732079B2 (en) | 2012-02-09 | 2023-08-22 | Group14 Technologies, Inc. | Preparation of polymeric resins and carbon materials |
US11495793B2 (en) | 2013-03-14 | 2022-11-08 | Group14 Technologies, Inc. | Composite carbon materials comprising lithium alloying electrochemical modifiers |
US11707728B2 (en) | 2013-11-05 | 2023-07-25 | Group14 Technologies, Inc. | Carbon-based compositions with highly efficient volumetric gas sorption |
US11661517B2 (en) | 2014-03-14 | 2023-05-30 | Group14 Technologies, Inc. | Methods for sol-gel polymerization in absence of solvent and creation of tunable carbon structure from same |
US11611073B2 (en) | 2015-08-14 | 2023-03-21 | Group14 Technologies, Inc. | Composites of porous nano-featured silicon materials and carbon materials |
US11646419B2 (en) | 2015-08-28 | 2023-05-09 | Group 14 Technologies, Inc. | Materials with extremely durable intercalation of lithium and manufacturing methods thereof |
US11437621B2 (en) | 2015-08-28 | 2022-09-06 | Group14 Technologies, Inc. | Materials with extremely durable intercalation of lithium and manufacturing methods thereof |
US11495798B1 (en) | 2015-08-28 | 2022-11-08 | Group14 Technologies, Inc. | Materials with extremely durable intercalation of lithium and manufacturing methods thereof |
JP2019535096A (ja) * | 2016-09-12 | 2019-12-05 | イメリス グラファイト アンド カーボン スイッツァランド リミティド | 組成物及びその使用 |
JP7376360B2 (ja) | 2017-03-09 | 2023-11-08 | グループ14・テクノロジーズ・インコーポレイテッド | 多孔質足場材料の上のケイ素含有前駆体の分解 |
US11611071B2 (en) | 2017-03-09 | 2023-03-21 | Group14 Technologies, Inc. | Decomposition of silicon-containing precursors on porous scaffold materials |
JP2020514231A (ja) * | 2017-03-09 | 2020-05-21 | グループ14・テクノロジーズ・インコーポレイテッドGroup14 Technologies, Inc. | 多孔質足場材料の上のケイ素含有前駆体の分解 |
JP7228844B2 (ja) | 2017-08-22 | 2023-02-27 | 株式会社白山 | 熱電材料及び熱電モジュール |
CN111033772A (zh) * | 2017-08-22 | 2020-04-17 | 株式会社白山 | 热电材料以及热电模块 |
CN111033772B (zh) * | 2017-08-22 | 2023-12-01 | 株式会社白山 | 热电材料以及热电模块 |
WO2019039320A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2019-02-28 | 株式会社白山 | 熱電材料及び熱電モジュール |
US11502235B2 (en) | 2017-08-22 | 2022-11-15 | Hakusan, Inc. | Thermoelectric material and thermoelectric module |
JPWO2019039320A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2020-12-24 | 株式会社白山 | 熱電材料及び熱電モジュール |
JP7116564B2 (ja) | 2018-03-22 | 2022-08-10 | 株式会社豊田中央研究所 | 単分散球状炭素多孔体及び固体高分子形燃料電池 |
JP2019169317A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社豊田中央研究所 | 単分散球状炭素多孔体及び固体高分子形燃料電池 |
JP2022506882A (ja) * | 2018-11-08 | 2022-01-17 | ネクシオン リミテッド | 金属イオン電池用電気活性材料 |
JP2022506881A (ja) * | 2018-11-08 | 2022-01-17 | ネクシオン リミテッド | 金属イオン電池用電気活性材料 |
CN113169308A (zh) * | 2018-11-08 | 2021-07-23 | 奈克松有限公司 | 用于金属离子电池的电活性材料 |
JP2022547660A (ja) * | 2019-09-10 | 2022-11-15 | ネグゼオン・リミテッド | シリコン-炭素複合材料および方法 |
US12002958B2 (en) | 2020-05-28 | 2024-06-04 | Resonac Corporation | Composite particles, negative electrode active material, and lithium-ion secondary battery |
JP7472972B2 (ja) | 2020-05-28 | 2024-04-23 | 株式会社レゾナック | リチウムイオン二次電池用負極材およびその用途 |
WO2021241748A1 (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-02 | 昭和電工株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極材およびその用途 |
JPWO2021241748A1 (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-02 | ||
US11492262B2 (en) | 2020-08-18 | 2022-11-08 | Group14Technologies, Inc. | Silicon carbon composites comprising ultra low Z |
US11335903B2 (en) | 2020-08-18 | 2022-05-17 | Group14 Technologies, Inc. | Highly efficient manufacturing of silicon-carbon composites materials comprising ultra low z |
US11498838B2 (en) | 2020-08-18 | 2022-11-15 | Group14 Technologies, Inc. | Silicon carbon composites comprising ultra low z |
US11804591B2 (en) | 2020-08-18 | 2023-10-31 | Group14 Technologies, Inc. | Highly efficient manufacturing of silicon-carbon composite materials comprising ultra low Z |
US11639292B2 (en) | 2020-08-18 | 2023-05-02 | Group14 Technologies, Inc. | Particulate composite materials |
US11611070B2 (en) | 2020-08-18 | 2023-03-21 | Group14 Technologies, Inc. | Highly efficient manufacturing of silicon-carbon composites materials comprising ultra low Z |
WO2023054729A1 (ja) * | 2021-10-01 | 2023-04-06 | 株式会社レゾナック | 複合体粒子、負極活物質およびリチウムイオン二次電池 |
WO2023074216A1 (ja) | 2021-10-27 | 2023-05-04 | 三菱ケミカル株式会社 | 粒子及びその製造方法と、二次電池及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6451340B2 (ja) | 2019-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6451340B2 (ja) | 複合体及びその製造方法 | |
Peng et al. | Holey 2D nanomaterials for electrochemical energy storage | |
Wang et al. | 3D Ti 3 C 2 T x aerogels with enhanced surface area for high performance supercapacitors | |
Lan et al. | Confined interfacial monomicelle assembly for precisely controlled coating of single-layered titania mesopores | |
Zuo et al. | Self-templating construction of 3D hierarchical macro-/mesoporous silicon from 0D silica nanoparticles | |
US9917299B2 (en) | Method and material for lithium ion battery anodes | |
JP6807233B2 (ja) | バッテリー電極を形成する方法、及び、バッテリーを形成する方法 | |
US9728777B2 (en) | Methods for mass-producing silicon nano powder and graphene-doped silicon nano powder | |
US10439206B2 (en) | Method and material for lithium ion battery anodes | |
JP2018502420A (ja) | 電池電極用の電極材料を製造する方法 | |
KR101213481B1 (ko) | 베타 알루미나 고체 전해질 및 그 제조방법 | |
US20130149549A1 (en) | Metallic structures by metallothermal reduction | |
Xie et al. | Self‐Templated Synthesis of Ultrathin Nanosheets Constructed TiO2 Hollow Spheres with High Electrochemical Properties | |
Wang et al. | Preparation of three-dimensional ordered macroporous SiCN ceramic using sacrificing template method | |
Hasegawa et al. | Porous polymer‐derived ceramics: Flexible morphological and compositional controls through sol–gel chemistry | |
Wang et al. | Ultrafast Crystallization of Ordered Mesoporous Metal Oxides and Carbon from Block Copolymer Self‐Assembly and Joule Heating | |
KR102002227B1 (ko) | 티타늄 겔을 이용한 세라믹스의 저온 제조 방법 및 이에 따라 제조된 세라믹스 | |
JP5669265B2 (ja) | 多孔性硫化銅、その製造方法およびその用途 | |
KR101443718B1 (ko) | 수은 흡착용 복합소재 제조방법 및 이 복합소재를 이용한 수중 수은 제거 방법 | |
Feng et al. | Silicone surfactant templating for mesoporous silica@ carbon complex | |
JP5182279B2 (ja) | ラメラ多孔体電解質 | |
WO2020175616A1 (ja) | 炭素材料の製造方法、電極の製造方法、電極、電気化学デバイス、及び炭素材料 | |
US9349541B2 (en) | Method for producing three-dimensional mesoporous titanium dioxide electrode using organic/inorganic hybrid support and dye-sensitized solar cell using the same | |
JP5343669B2 (ja) | メソ多孔体電解質 | |
JP5262055B2 (ja) | 球状シリカ系多孔体及びその製造方法、並びに球状カーボン系多孔体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171107 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20171107 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20171107 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180724 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180918 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181113 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181126 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6451340 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |