JP5647366B1 - シリコンナノ粒子を担持させた負極活物質及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンを負極活物質として負極材を形成したリチウムイオン二次電池は、シリコンのリチウムイオンの吸蔵量が炭素材料の4倍程度あり、充放電による膨張と収縮が繰り返され、活物質の剥離、脱落等が発生し、従来の炭素材料系電極と比較して寿命が極めて短いという問題がある。【解決手段】活性炭の広い内部表面にシリコンナノ粒子を担持した材料を負極活物質として使用し、負極材を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の放電容量向上を実現することができる負極活物質及びその製造方法に関する。更に詳しくは、負極活物質としてグラファイトやハードカーボンを用いた従来のリチウムイオン二次電池のエネルギー密度を3〜4倍に向上させることができるシリコンを活性炭に担持した負極活物質及びその製造方法に関する。
1980年代中頃、非水系リチウムイオン二次電池は、特定の結晶構造の炭素材料を負極(特許文献1)、リチウムを含有するLiCoOを正極(特許文献2)、並びに、アルミ箔を電気伝導性及び耐食性に優れた正極集電体(特許文献3)とする基本構成が確立された。その後、厳しい使用条件下における短絡がもたらす破裂や爆発から安全性を確保するセパレーター(特許文献4)、過充電による破裂を防ぐ安全素子(特許文献5)等の実用化技術が開発されることによって、1991年、ほぼ現在の構成のリチウムイオン二次電池が登場した。
このリチウムイオン二次電池は、次のような特徴を有している(非特許文献1)。
(1)重量エネルギー密度が、Ni/Cd電池の約3倍、Ni/MH電池の約2倍あり、体積エネルギー密度は、Ni/Cd電池及びNi/MH電池の約2倍近くある。
(2)電圧が、Ni/Cd電池及びNi/MH電池の3倍以上ある。
(3)大電流放電が可能である。
(4)自己放電が、Ni/Cd電池及びNi/MH電池の約5分の1で、保存性に優れる。
(5)鉛、カドミウム等の有害物質を含まない。
(6)メモリー効果(電池を使い切らないで、次の充電を行うと放電容量が低下する現象)がない。
(7)充放電を500回以上繰り返すことができ、サイクル寿命が長い。
(8)急速充電が可能である。
従って、現在では、携帯電話、携帯情報端末、ノートパソコン、デジタルカメラ・ビデオ等の各種携帯電子機器をはじめ、ハイブリッド自動車、電気自動車、電動自転車、ロボット等の産業機器、工場、ビル、集合住宅、家庭等の定置用畜電池としても幅広く利用されている。
一方、地球という限りある資源の中で人類が持続的発展を遂げるための課題の一つに、エネルギーの問題がある。特に、環境及びエネルギーが保全された社会を構築することが可能な革新的なエネルギーシステムを開発する必要がある。もちろん、水力、火力、原子力発電に代わる新しいエネルギー源の発掘が重要であることは言うまでもないが、得られた電気エネルギーを有効に活用することも不可欠な課題である。そのため、蓄電という、極めて重要な機能を有する二次電池に注目されており、その性能向上、更には、新しい原理に基づいた二次電池の開発が求められている。
上記観点から、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、リチウムイオン二次電池だけでなく、新しい原理に基づいた電池も含めた自動車用及び定置用二次電池の技術開発ロードマップを策定している(非特許文献2)。特に、リチウムイオン二次電池については、正極材料、負極材料、電解質、セパレーター等に求められる機能や材料にまで言及されており、リチウムイオン二次電池の社会的重要性を認識することができる。
このような社会的要請に応え、リチウムイオン二次電池の実用化以来、現在もなお性能向上が図られている。安全性を無視して考えることはできないが、主としてエネルギー密度を向上させるため、正極材料、負極材料、電解質、セパレーター等の改良が施され、当初の二倍以上の体積エネルギー密度に到達している(非特許文献1)。
中でも、放電容量の向上に最も貢献してきた材料は負極活物質であり、リチウムイオン二次電池が、現在の構成とすることができたのも、Liイオンがドープされた、結晶性の高い(密度:1.8〜2.2g/cm)グラファイト構造の黒鉛が見出されたからである(特許文献1)。
その後、樹脂を焼成した炭素質材料である、結晶性が低い(密度:1.5〜1.8g/cm)ハードカーボンも、サイクル寿命が長く、電池の容量を知ることができるため、実用化されたが、電圧が安定しないという問題があり、現在市販されているリチウムイオン二次電池の多くは、グラファイトが用いられている。逆に、理想的な結晶構造を有する(密度:2.2g/cm以上)天然黒鉛は、その嵩高さを球形化して克服し、CVD(化学気相成長)法で結晶性炭素を被覆することによって、高い出力の負極活物質となることが報告されている(非特許文献3)。更に、炭素系活物質として、カーボンナノチューブ(特許文献6)、カーボンナノホーン(特許文献7)、グラフェン(特許文献8)等の活用も検討されている。
一方、非炭素系負極活物質としては、酸化物系材料であるチタン酸リチウムが実用化された。これは、強制的な内部短絡模擬試験でも発煙や発火を引き起こさない安全性、長寿命、急速充電性に特徴がある(非特許文献4)。
このような状況において、高容量化を目指した次世代負極活物質として注目を浴びているのは、炭素と同族の元素であるシリコン、ゲルマニウム、スズである(非特許文献5)。従来のグラファイト構造の黒鉛を負極活物質とした場合、その化学構造上、炭素原子6個にリチウムイオンが1個しか結合しないのに対し、これらの同族元素を負極活物質として使用すると、その電子軌道上、原子1個にリチウムイオンが4個結合する可能性があるため、高い放電容量を期待することができる。特に、シリコンの理論容量は、炭素の理論容量(372mAh/g)の約10倍で、4200mAh/gに達するものと計算されており、最も期待されている素材の一つである。
しかしながら、シリコンを負極活物質として使用する場合、充電時にリチウムイオンを吸蔵することで体積が膨張し、リチウムイオンを吸蔵したシリコンの体積は、吸蔵前のシリコンの体積の約4倍に達する。従って、充放電による膨張と収縮が繰り返され、活物質の剥離、脱落等が発生するため、従来のグラファイト電極と比較して寿命が極めて短いという問題がある。すなわち、シリコンを負極活物質として使用するリチウムイオン二次電池は、放電容量と寿命とを両立させることが難しい。
そこで、この問題を解決するため、様々な改良が試みられてきた。第一に、シリコンナノ粒子を高分子材料で包埋、或いは、被覆する方法である(例えば、特許文献9)。第二に、シリコンナノ粒子を炭素質材料、金属酸化物、固体電解質等のような無機材料で包埋、或いは、被覆する方法である(例えば、特許文献10)。第三に、シリコンで多孔質材料を被覆する方法である(例えば、特許文献11及び12)。第四に、導電性基板上にシリコンナノワイヤーを形成する方法である(例えば、特許文献13)。
上記いずれの解決策も、リチウムイオンの吸蔵量の大きさに伴う、後述するように、原理的に放電容量と体積膨張の矛盾を根本的に解決するものではない。
特開昭62−90863号公報 特開昭63−121260号公報 特開昭60‐253157号公報 特開平3−203160号公報 特開平5−74493号公報 特表2012−532435号公報 特開2010−118330号公報 特表2011−503804号公報 特開2013−235685号公報 特開2013−239267号公報 特開2011−238606号公報 特開2012−57198号公報 特表2012−526364号公報 特開2007−290878号公報 国際公開第2012/150804号
吉野彰他,「リチウムイオン二次電池の開発と最近の動向」,日本化学会誌,No.8(2000)523−534. 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013(Battery RM2013)」,平成25年8月(http://www.nedo.go.jp/content/1005f35728.pdf). 福田憲二他,「リチウムイオン二次電池負極材としての天然黒鉛/炭素複合材料」,マテリアルインテグレーション,Vol.17,No.1(2004)45〜49. 小杉伸一郎他,「安全性に優れた新型二次電池SCiB」東芝レビュー,Vol.63No.2(2008)54〜57. 兵頭健生他,「リチウムイオン二次電池アノードに利用可能な酸化スズ系材料の開発」,長崎大学工学部研究報告,第36巻,第67号(平成18年7月)58〜63. 林順一他,「木質バイオマスからの高比表面積活性炭の製造」,化学工学会第75年会,講演要旨B206,2011年3月19日. 独立行政法人 産業技術総合研究所 北海道センター,技術資料42「各種材料からの高級活性炭の製造法とその応用」. 多賀康訓,「薄膜プロセス技術の研究」,総合工学,第22巻(2010)53−64. W.Ensinger et al.,Surface and Coatings Technology,vol.163−164,30 January (2003)p.281−285.
本発明は、リチウムイオン二次電池の負極材の負極活物質としてシリコンを使用した場合に生じる、充放電による膨張と収縮に伴って発生する活物質の剥離と脱落等の問題を解決した負極活物質を提供するものである。すなわち、本発明により、放電容量が大きく、かつ、寿命が長いリチウムイオン二次電池を達成することができる負極活物質を提供することができる。
本発明者らは、微視的には黒鉛類似の結晶構造を有する非晶質カーボンである活性炭の内部細孔表面に、シリコンナノ粒子を担持した負極活物質をリチウムイオン二次電池の負極材料として使用することによって、充放電による膨張と収縮に伴って発生する活物質の剥離と脱落等の問題を解決することを見出し、本発明を完成した。
上述したように、シリコンナノ粒子を高分子材料や無機材料で包埋、或いは、被覆する方法、シリコンで多孔質材料を被覆する方法、導電性基板上にシリコンナノワイヤーを形成する方法等では、リチウムイオンの吸蔵量が大きくなると、負極活物質の体積を保持したまま、シリコンの膨張を緩和する空間がないため、膨張がそのまま電極材の破壊に至る一方、電極材が破壊しないということは、リチウムイオンの吸蔵量が少なく、放電容量を向上させることはできない。
しかし、本発明によれば、シリコンナノ粒子が、比表面積及び細孔容積が大きな活性炭の内部細孔表面に担持されているため、リチウムイオンの吸蔵量が大きくなっても、活性炭の細孔空間で膨張するだけで、電極活物質自体の大きさに変化がないため、電極材の破壊に至ることはなく、充放電による膨張と収縮に伴って発生する活物質の剥離と脱落等の問題を解決することができる。従って、本発明により、放電容量が大きく、かつ、寿命が長いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
多孔性活性炭の細孔構造を表す模式図である。 シリコンナノ粒子を製造する物理蒸着装置の概要図である。
本発明は、リチウムイオン二次電池の負極材に適した、活性炭内部に形成された細孔にシリコンナノ粒子を担持した負極活物質及びその製造方法である。
活性炭とは、多数の細孔を有する多孔性の炭素物質で、大きな比表面積を有するものであり、植物系又は鉱物系原料を炭化処理及び賦活処理して製造されたものであれば、特に限定されるものではない。
木材、椰子殻、石炭、石油コークス等を原料として、無酸素下、200〜600℃において乾留する炭化処理を経て、炭素材料の細孔構造を発達させ、細孔を付加する賦活処理を行い、表面積及び細孔容積を大きくする。賦活処理には、ガス賦活法と薬品賦活法があり、いずれの方法を用いてもよい。ガス賦活法は、有機系原料を、水蒸気,二酸化炭素等を用いて600〜1,200℃で一定時間乾留させる方法である。一方、薬品賦活法は、有機系原料の場合、塩化亜鉛やリン酸等を添加して上記熱処理を行う。特に、鉱物系原料の場合、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を添加して上記熱処理を行うことがある。
上記いずれの材料及び方法を用いて作製した活性炭も、一般的には、500〜2,000m/gの比表面積を有しており、特に、3,000m/gの高比表面積をもつ活性炭は、スーパー活性炭と呼ばれている。そして、活性炭の細孔は、2nm以下の微細孔であるミクロ孔、2〜50nmの細孔であるメソ孔、及び、50nm以上の孔であるマクロ孔の三種類がある(図1)。
本発明の負極活物質は、上記活性炭の内部に存在する大きな容積の細孔にシリコンナノ粒子を担持することによって、上記課題、すなわち、充放電によるシリコンの膨張と収縮が引き起こす活物質の剥離や脱落等の発生による寿命低下、を解決することができる。
シリコンナノ粒子が、上記三種の活性炭の細孔に担持されると、シリコンがリチウムイオンを吸蔵しても、シリコンナノ粒子の膨張を許容する空間が存在し、リチウムイオンを限界まで吸蔵することができ、放電容量を大きくすることが可能となる。しかも、膨張を許容する空間が活性炭内部に存在するため、負極活物質自身の体積は、活性炭の体積に依存し、リチウムイオンの吸蔵前後で変化がない。
従って、活性炭の細孔は大きい程負極活物質の性能は向上するため、比表面積が大きな活性炭程好まししいが、比表面積500〜2,000m/gの一般的な活性炭を全て用いることができる。しかし、2,000〜5,000m/gの比表面積の活性炭がより好ましく用いられる。このようなスーパー活性炭に属するものは、例えば、オガ粉から作製された活性炭(非特許文献6)や繭から作製した活性炭(特許文献14)が知られている。比表面積と関連性がある細孔容積も大きな活性炭程好ましいが、0.38〜0.60ml/gの一般的な活性炭を用いることができる(非特許文献7)。好ましくは、0.50〜2.00ml/gの細孔容積の活性炭である。また、活性炭の平均粒径は限定されるものではないが、バインダー樹脂、導電助剤、溶剤等に分散してスラリーとし、アルミ箔等の薄い導電材に塗布して負極材を作製することから、1〜10μmであることが好ましい。更に好ましくは、2〜8μmである。
このように、活性炭の細孔、すなわち、2nm以下の微細孔であるミクロ孔、2〜50nmの細孔であるメソ孔、及び、50nm以上の孔であるマクロ孔にシリコンを担持させるためには、少なくとも直径が20nm以下のシリコンナノ粒子であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
上記シリコンナノ粒子は、基本的には、一般的な物理蒸着(PVD)法を用いて製造することができるが、シリコンナノ粒子を担持させる母材が、蒸着物質に対し、常に新しい堆積面を向けるように、この母材を撹拌しながら物理蒸着を行う必要がある。この方法によって、ナノ粒子が生成する機構は定かではないが、次のように考えられる。一般的な蒸着やスパッタリング等の成膜機構は、Volmer−Weber(VW)成長、Frank−van der Merwe(FM)成長、Stranski−Krastanov(SK)成長が有名である(非特許文献8)。物理蒸着物質と基板について、表面エネルギー、温度等様々なパラメーターによって成膜機構に差が生じると考えられるが、成膜初期において、VW成長となる条件を見出し、上記母材を撹拌しながら物理蒸着を行えば、常に新しい堆積面が蒸着物質に対して向けられるため、3次元の海島構造、すなわち、ナノ粒子が次々に生成していくものと考えられる。
具体的には、図2に示したように、物理蒸着槽内の上部に設けられた蒸発源、蒸発源下部に設けられた蒸発物質が堆積する母材を投入する撹拌槽、攪拌槽内に設けられた蒸発物質が母材に均一に堆積するための攪拌機を少なくとも設置し、母材である活性炭を撹拌しながら、蒸着源のシリコンを蒸発させることによって、粒子が活性炭内部の細孔に堆積される。PVD法としては、真空蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法、及び、各種スパッタリング法を用いることができ、例えば、非特許文献9、特許文献12及び15等の方法が開示されている。この場合、活性炭外部にもシリコンナノ粒子は担持される。このシリコンナノ粒子の付着力は比較的弱く、脱落するものが多いけれども、活性炭内部だけにシリコンナノ粒子を担持するためには、ブラシ等を用いた機械的な洗浄を行うことが好ましい。更に、純水や、界面活性剤等の洗剤を含む純水やアルコールに投入、撹拌によって洗浄した後、更に純水やアルコールで洗浄することがより好ましい。このようにして作製されたシリコン担持活性炭は、シリコンの酸化を防止するため、不活性ガスで置換された容器に保存されることが好ましい。
更に、活性炭の細孔に、シリコンナノ粒子を担持させるより好ましい方法は、上記物理蒸着法において、溶媒溶解性物質を母材として、その表面にシリコンナノ粒子を予め作製しておき、その後、シリコンナノ粒子を担持した溶媒溶解性物質と活性炭を溶媒で撹拌し、上記溶媒溶解性物質が溶解すると共に、活性炭の細孔にシリコンナノ粒子を担持させていく方法である。特に、活性炭の細孔へのシリコンナノ粒子の侵入を促進するためには、上記各種溶媒中に、界面活性剤を溶解させておくことが好ましい。界面活性剤は、用いる溶媒に溶解し、炭素材料に親和性があるものであれば特に制限はない。
この方法の場合、溶媒溶解性物質としては、水溶性物質、アルコール溶解性物質、炭化水素系溶剤溶解性物質等、特に制限はない。中でも、水溶性物質、例えば、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、セロビオース、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)等の二糖類や単糖類、ポリビニルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性ポリマー、食塩、塩化カリウム等の水溶性無機化合物等を用いることが好ましい。更に、シリコンの酸化を防止するため、アルコール溶解性物質、例えば、ポリビニルアセタール、メトキシメチル化ポリアミド、セラック樹脂等を用いることがより好ましい。もちろん、炭化水素系の有機溶剤に溶解する物質を用いることもできる。このようにして作製されたシリコン担持溶媒溶解性物質やシリコン担持活性炭は、上述したように、シリコンが酸化されないように窒素置換した容器に保存されることが好ましい。
そして、このような溶媒溶解性物質は、粒径0.1〜1,000μmのパウダーの状態にして物理蒸着に供される。更に好ましくは、粒径1〜500μmのパウダーとして用いられる。粒径が0.1μmより小さいと、パウダーが凝集しやすく、粒子表面にシリコンナノ粒子が付着することが困難となる。逆に、1,000μmより大きくなると、パウダーの比表面積が小さくなり、シリコンナノ粒子の付着量を確保することができない。また、パウダーに対するシリコンの付着量は、0.1〜1.0重量%であることが好ましい。更に好ましくは、0.15〜0.5重量%である。シリコンの付着量が大きすぎると、粒子径が大きくなりすぎたり、溶媒溶解性物質が溶解しないという問題があり、少なすぎると、活性炭に担持する量を確保できないという問題がある。
また、上記二つの方法で作製されるシリコン担持活性炭におけるシリコンは、用いる活性炭の細孔容積に依存するが、活性炭に対して1〜100重量%であることが好ましい。更に好ましくは、5〜50重量%である。より更に好ましくは8〜20重量%である。これらは、一般的な活性炭の細孔容積が、0.38〜0.6ml/gであること(非特許文献7)、及び、リチウムイオンを吸蔵したシリコンの体積が、元の体積の4倍程度になることと対応している。
最終的に、上記二つの方法で作製されるシリコン担持活性炭を、負極材としてアルミニウム箔等の導電性金属薄膜状に形成するため、バインダー樹脂、導電助剤、溶剤等で分散させたスラリーを作製するが、その前に、この負極活物質を5%程度のフッ化水素水で洗浄し、シリコン酸化膜を除去することが好ましい。
ところで、活性炭の細孔内部にシリコンを担持する方法として、化学蒸着(CVD)法によって、細孔全面に均一なシリコン被膜を形成するシリコン担持活性炭も製造することができる。しかし、同一体積のシリコンであれば、均一膜よりもナノ粒子の比表面積が大きく、リチウムイオンの吸蔵が大量かつ迅速に行われるので、本発明の負極活物質の方が優れた性能を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
まず、図2に示したように、真空蒸着槽5に内に備えられた撹拌槽7の中に、平均粒径約200μmのブドウ糖(韓国Daesang社製)を適量投入する。次いで、蒸着源6に真空蒸着用シリコンフレークを備え付ける。このシリコンフレークは、平均粒径約1mm、純度99.999%のポリシリコン(韓国OCI社製)である。
次いで、上記真空蒸着槽の真空度が1×10-4〜1torrになるように排気しながら、不活性ガス導入系11からArを真空蒸着槽7に導入する。真空度が安定したら、撹拌槽7のプロペラ8を1〜200rpmの回転速度で撹拌しながら、蒸着源6のシリコンを、固定された平面基板上において単位面積当たり1Å〜10μm/分の速度で蒸発、シャッター10を開け、ブドウ糖表面に2〜10nmのシリコンナノ粒子が形成される。ブドウ糖に対し、5重量%のシリコンナノ粒子が形成されたところで、シャッター10を閉じる。生成されたシリコンナノ粒子担持ブドウ糖は窒素置換された容器に保存された。
次いで、このようにして作製されたシリコンナノ粒子担持ブドウ糖10gを、60℃の蒸留水が150ml入っているビーカーに機械的に撹拌しながら投入する。約1分撹拌した後、そのビーカーに超音波を加えながら、活性炭10gを投入し、上記機械的撹拌を30分行う。この活性炭は、比表面積1250m2/g、細孔容積0.54ml/gのフェノール樹脂系活性炭(フタムラ化学社製)を平均粒径4μmに粉砕したものである。
このようにして生成したシリコン担持活性炭は、ろ過装置で、ブドウ糖が溶解した蒸留水が取り除かれると共に、蒸留水で洗浄し、約12時間自然乾燥させる。更に、5%のフッ化水素で洗浄後、Nガスを流しながら同様に乾燥させ、乾燥後、窒素置換された容器に保存され、負極材を形成するためのスラリー用負極活物質が得られる。
本発明のシリコンを担持した活性炭は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として好適な素材である。しかし、本発明のナノ粒子を基礎とする材料技術及び製造技術は、リチウムイオン二次電池ばかりではなく、太陽電池等の各種電池の電極材料、セパレーターに応用することができる。更には、各種複合材料へも展開することができる。
1活性炭
2マクロ孔
3メソ孔
4ミクロ孔
5物理蒸着槽
6蒸着源
7撹拌槽
8プロペラ
9モーター
10シャッター
11不活性ガス導入系
12真空排気系

Claims (6)

  1. 物理蒸着槽内に、前記物理蒸着槽上部に設けられた蒸発源、前記蒸発源下部に設けられた前記蒸発源から放出される蒸発物質が堆積する母材を投入する撹拌槽、前記拌槽内に設けられた前記蒸発物質が前記母材に均一に堆積するための拌機を少なくとも設置し、前記母材として活性炭を、前記蒸発源としてシリコン用い、前記活性炭を撹拌しながら前記シリコンの蒸発物質を堆積することによって、前記活性炭の内部細孔表面にシリコンナノ粒子が担持されたことを特徴とする負極活物質。
  2. 物理蒸着槽内に、前記物理蒸着槽上部に設けられた蒸発源、前記蒸発源下部に設けられた前記蒸発源から放出される蒸発物質が堆積する母材を投入する撹拌槽、前記拌槽内に設けられた前記蒸発物質が前記母材に均一に堆積するための拌機を少なくとも設置し、前記母材として溶媒溶解性物質を、前記蒸発源としてシリコン用い、前記溶媒溶解性物質を撹拌しながら前記溶媒溶解性物質の表面に前記シリコンの蒸発物質を堆積することによってシリコンナノ粒子を担持した後、前記シリコンナノ粒子が担持された前記溶媒溶解性物質と活性炭とを溶媒中で混合することによって、前記活性炭の内部細孔表面に前記シリコンナノ粒子が担持されたことを特徴とする負極活物質。
  3. 前記溶媒溶解性物質が水溶性物質であることを特徴とする請求項に記載の負極活物質。
  4. 前記溶媒溶解性物質がアルコール溶解性物質であることを特徴とする請求項に記載の負極活物質。
  5. 物理蒸着槽内に、前記物理蒸着槽上部に設けられた蒸発源、前記蒸発源下部に設けられた前記蒸発源から放出される蒸発物質が堆積する母材を投入する撹拌槽、前記拌槽内に設けられた前記蒸発物質が前記母材に均一に堆積するための拌機を少なくとも設置し、前記母材として活性炭を、前記蒸発源としてシリコン用い、前記活性炭を撹拌しながら前記活性炭の内部細孔表面に前記シリコンの蒸発物質を堆積することによってシリコンナノ粒子が担持されることを特徴とする負極活物質の製造方法。
  6. 物理蒸着槽内に、前記物理蒸着槽上部に設けられた蒸発源、前記蒸発源下部に設けられた前記蒸発源から放出される蒸発物質が堆積する母材を投入する撹拌槽、前記拌槽内に設けられた前記蒸発物質が前記母材に均一に堆積するための拌機を少なくとも設置し、前記母材として溶媒溶解性物質を、前記蒸発源としてシリコン用い、前記溶媒溶解性物質を撹拌しながら前記溶媒溶解性物質の表面に前記シリコンの蒸発物質を堆積することによってシリコンナノ粒子を担持した後、前記シリコンナノ粒子が担持された前記溶媒溶解性物質と活性炭とを溶媒中で混合することによって、前記活性炭の内部細孔表面に前記シリコンナノ粒子が担持されることを特徴とする負極活物質の製造方法。
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