JP2016132551A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】機械室を小さくできる乗客コンベアを提供する。【解決手段】トラス12の上端部にある機械室14内部には、左右一対のダイレクトドライブ方式のモータ20R、20Lと、その各々に連結された主駆動スプロケット22R、22Lと、前記左右一対の主駆動スプロケット22R、22Lと前記トラス12の下端部にある機械室内部に設けられた左右一対の従動スプロケットとの間に架け渡されている踏段チェーンとを有する。これにより減速機などの設置スペースが不要になり、前記機械室14の長さを短くでき、前記トラス12の上端部の端面と建屋との隙間を大きくとることができる。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
従来より、エスカレータ、動く歩道などの乗客コンベアにおいて、踏段と手摺りベルトを駆動させる駆動装置は、トラスの一端部に設けられている機械室内部に設置し、この駆動装置により主駆動スプロケットと手摺り駆動スプロケットを回転させて、踏段と手摺りベルトを同期して走行させている。
最近、地震に対する乗客コンベアの安全性を高めるため、乗客コンベアの設置に関する法律(建築基準法施行令)が改正される。この改正のポイントは、建屋にトラスを設置する場合に、トラスと建屋との隙間を従来より大きくして、地震などによって揺れがあっても、その揺れによる動きをこの隙間で吸収するためである。
ところが、従来の乗客コンベアは、建屋とトラスの隙間が少ししかなく、この法律を遵守するためには、機械室を小さくする必要があるという問題点がある。
そこで、本発明の実施形態は上記問題点に鑑み、機械室を小さくできる乗客コンベアを提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、建屋に支持アングルによって支持されるトラスと、前記トラスの一端部に設けられた第1機械室と、前記トラスの他端部に設けられた第2機械室と、前記機械室内に配され、前記踏段を駆動させるための左右一対の主駆動スプロケットと、前記第1機械室内に設けられた左右一対の前記主駆動スプロケットと、左右一対の前記主駆動スプロケットの少なくともどちらか一方の主駆動軸に取り付けられ、ダイレクトドライブで前記主駆動スプロケットを回転させるモータと、前記第2機械室内に設けられた左右一対の前記従動スプロケットと、左右一対の前記主駆動スプロケットと左右一対の前記従動スプロケットとの間に掛け渡された左右一対の踏段チェーンと、左右一対の踏段チェーンが取り付けられ、無端状に連結された複数の踏段と、を有することを特徴とする乗客コンベアである。
以下、本発明の一実施形態のエスカレータ10を図1〜図3に基づいて説明する。
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、図1に基づいて説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の構造について、図1に基づいて説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、複数本の枠材18から構成され、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
トラス12の上端部にある上階側の機械室(第1機械室)14内部には、左右一対のモータ20R,20Lが設けられ、これら左右一対のモータ20R,20Lによって左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lが回転し、これと連動して左右一対の手摺り駆動スプロケット24R,24Lが回転し、踏段30と左右一対の手摺りベルト38,38が走行する。この機械室14については後から詳しく説明する。機械室14内部の端部に位置する壁面には制御装置50が取り付けられている。
トラス12の下端部にある下階側の機械室(第2機械室)16内部には、左右一対の従動スプロケット26が設けられている。上階側の主駆動スプロケット24と下階側の従動スプロケット26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30が等間隔で取り付けられている。踏段30の車輪301はトラス12に固定された不図示の案内レールを走行し、車輪302はトラス12に固定された案内レール25,27を走行する。
トラス12の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部に手摺りレール60が設けられ、この手摺りレールに沿って手摺りベルト38する。
欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。欄干36の側面下部には、スカートガード44が設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ設けられている。
左右一対のスカートガード44の内部には、手摺りベルト38を駆動させるための手摺りベルト駆動ロール39が複数個それぞれ設けられ、これら手摺りベルト駆動ロール39は、不図示の連結チェーンによって手摺り駆動スプロケット24,24に連結されている。手摺り駆動スプロケット24,24が主駆動スプロケット22,22と同期して回転すると、手摺りベルト駆動ロール39も回転し、手摺りベルト38が踏段30と同期して移動する。
上階側の機械室14の天井面にある乗降口には、上階側の乗降板32が水平に設けられ、下階側の機械室16の天井面にある乗降口には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。乗降板32の先端には櫛歯状のコムが設けられ、このコムから踏段30が現れる。また、乗降板34にも櫛歯状のコムが設けられている。
(2)機械室14の構造
次に、機械室14の構造について図2と図3に基づいて説明する。図2に示すように機械室14の両側面を構成するトラス12の枠材18にはそれぞれ左右一対のモータ20R,20Lが固定されている。これらモータ20R,20Lは、誘導電動機であって、制御装置50に含まれているインバータ回路によって回転数及び回転方向が制御される。右側のモータ20Rの出力軸には主駆動軸62Rが同軸に連結され、この主駆動軸62Rに主駆動スプロケット22Rが取り付けられている。また、この主駆動軸62Rには、駆動プーリ70Rとラチェットホイール72Rが同軸に連結され取り付けられていると共に、ディスクブレーキ74Rが設けられている。このラチェットホイール72Rの下方に位置する機械室14の底面にはラチェット装置76Rが設置されており、主駆動スプロケット22が逆回転するのを防止している。左側の主駆動スプロケット22Lの主駆動軸62Lもモータ20Lの出力軸に連結され、駆動プーリ70L、ラチェットホイール72Lが同軸に連結され、さらにディスクブレーキ74Lが取り付けられている。なお、主駆動軸62Rと主駆動軸62Lとは独立している。また、ラチェットホイール72Lの下方にはラチェット装置76Lが設けられている。ディスクブレーキ74R,74Lは、制御装置50からの停止信号によって駆動し、左右一対のモータ20R,20Lの回転を停止させて、エスカレータ10を停止させる。
次に、機械室14の構造について図2と図3に基づいて説明する。図2に示すように機械室14の両側面を構成するトラス12の枠材18にはそれぞれ左右一対のモータ20R,20Lが固定されている。これらモータ20R,20Lは、誘導電動機であって、制御装置50に含まれているインバータ回路によって回転数及び回転方向が制御される。右側のモータ20Rの出力軸には主駆動軸62Rが同軸に連結され、この主駆動軸62Rに主駆動スプロケット22Rが取り付けられている。また、この主駆動軸62Rには、駆動プーリ70Rとラチェットホイール72Rが同軸に連結され取り付けられていると共に、ディスクブレーキ74Rが設けられている。このラチェットホイール72Rの下方に位置する機械室14の底面にはラチェット装置76Rが設置されており、主駆動スプロケット22が逆回転するのを防止している。左側の主駆動スプロケット22Lの主駆動軸62Lもモータ20Lの出力軸に連結され、駆動プーリ70L、ラチェットホイール72Lが同軸に連結され、さらにディスクブレーキ74Lが取り付けられている。なお、主駆動軸62Rと主駆動軸62Lとは独立している。また、ラチェットホイール72Lの下方にはラチェット装置76Lが設けられている。ディスクブレーキ74R,74Lは、制御装置50からの停止信号によって駆動し、左右一対のモータ20R,20Lの回転を停止させて、エスカレータ10を停止させる。
左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lにおけるトラス12の傾斜部側には、左右一対の手摺り駆動スプロケット24R,24Lの手摺り駆動軸64R,64Lとは独立し、回動自在に軸受け78R,78Lに取り付けられている。これら左右一対の軸受け78R,78Lは、トラス12の両側面に位置する枠材18に固定されている。右側の手摺り駆動スプロケット24Rの手摺り駆動軸64Rは、前記したように軸受け78Rに回動自在に取り付けられ、その先端には従動プーリ80Rが取り付けられている。従動プーリ80Rは、主駆動スプロケット22Rの駆動プーリ70Rと連結ベルト68Rを介して連結されている。左側の手摺り駆動スプロケット24Lの手摺り駆動軸64Lは、前記したように軸受け78Lに回動自在に取り付けられ、その先端には従動プーリ80Lが取り付けられている。従動プーリ80Lは、主駆動スプロケット22Lの駆動プーリ70Lと連結ベルト68Lを介して連結されている。従動プーリ80R,80L、駆動プーリ70R,70L、連結ベルト68R,68Lが連結手段である。
図3に示すように下階側の機械室16には、左右一対の従動スプロケット26R,26Lが従動軸66の両端部に取り付けられている。左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lと左右一対の従動スプロケット26R,26Lの間に左右一対の踏段チェーン28,28が架け渡されている。
左右一対のモータ20R,20Lが同じ速度で同期して回転すると、左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lがダイレクトドライブで回転し、これによって踏段30が移動する。また、連結ベルト68R,68Lによって連結された手摺り駆動スプロケット24も同期して回転し、手摺りベルト38が欄干36の上部にある手摺りレール60に沿って移動する。
機械室14の内部において、従来はモータ、減速機などを主駆動スプロケットと並べて設置したため、機械室14の長手方向の寸法が長くなっていた。しかし、本実施形態ではこのモータや減速機を設置するスペースが必要なく、主駆動スプロケット22R,22Lの外側に左右一対のモータ20R,20Lが設置されダイレクトドライブで回転されるので、その分だけ機械室14の長さが短くなり、図1に示すようにトラス12の上端部における端面と建屋1の間の隙間Lを大きくとることができる。
(3)効果
本実施形態によれば、左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの外側にモータ20R,20Lを取り付けるため、機械室14の長さを小さくでき、改正された法律に対応したエスカレータ10を形成できる。
本実施形態によれば、左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの外側にモータ20R,20Lを取り付けるため、機械室14の長さを小さくでき、改正された法律に対応したエスカレータ10を形成できる。
(4)変更例
上記実施形態では、左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの外側に左右一対のモータ20R,20Lを設置したが、これに代えて左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの内側にそれぞれモータ20R,20Lを取り付けてもよい。
上記実施形態では、左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの外側に左右一対のモータ20R,20Lを設置したが、これに代えて左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの内側にそれぞれモータ20R,20Lを取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、左右一対の主駆動スプロケット22R,22Lの両方にモータ20R、20Lを取り付けたが、積載乗客人数が少ないエスカレータ10においては、左側又は右側の一方の主駆動スプロケット22にのみモータ20を取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、踏段30を走行させる場合に左右一対のモータ20R,20Lを同時に駆動させていたが、積載乗客人数が少ない場合にはどちらか一方のみを駆動させ、省エネルギー化を図ってもよい。
また、上記実施形態では、エスカレータ10の踏段30に適応して説明したが、これに代えて動く歩道のステップ(踏段)に適応してもよい。
(5)その他
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・建屋、2・・・支持アングル、3・・・支持アングル、10・・・エスカレータ、12・・・トラス、14・・・上階側の機械室、16・・・下階側の機械室、20R,L・・・モータ、22R,L・・・主駆動スプロケット、64R,L・・・主駆動軸
本発明の実施形態は、建屋に支持アングルによって支持されるトラスと、前記トラスの一端部に設けられた第1機械室と、前記トラスの他端部に設けられた第2機械室と、前記機械室内に配され、前記踏段を駆動させるための左右一対の主駆動スプロケットと、前記第1機械室内に設けられた左右一対の前記主駆動スプロケットと、左右一対の前記主駆動スプロケットの少なくともどちらか一方の主駆動軸に取り付けられ、ダイレクトドライブで前記主駆動スプロケットを回転させるモータと、前記第2機械室内に設けられた左右一対の前記従動スプロケットと、左右一対の前記主駆動スプロケットと左右一対の前記従動スプロケットとの間に掛け渡された左右一対の踏段チェーンと、左右一対の踏段チェーンが取り付けられ、無端状に連結された複数の踏段と、を有し、左側の前記主駆動軸と、右側の前記主駆動軸とが独立し、左右一対の前記主駆動スプロケットの外側に突出した前記主駆動軸に、左右一対のモータがそれぞれ取り付けられ、前記モータは、前記トラスの側面を構成する枠材に固定されている、ことを特徴とする乗客コンベアである。
Claims (10)
- 建屋に支持アングルによって支持されるトラスと、
前記トラスの一端部に設けられた第1機械室と、
前記トラスの他端部に設けられた第2機械室と、
前記機械室内に配され、前記踏段を駆動させるための左右一対の主駆動スプロケットと、
前記第1機械室内に設けられた左右一対の前記主駆動スプロケットと、
左右一対の前記主駆動スプロケットの少なくともどちらか一方の主駆動軸に取り付けられ、ダイレクトドライブで前記主駆動スプロケットを回転させるモータと、
前記第2機械室内に設けられた左右一対の前記従動スプロケットと、
左右一対の前記主駆動スプロケットと左右一対の前記従動スプロケットとの間に掛け渡された左右一対の踏段チェーンと、
左右一対の踏段チェーンが取り付けられ、無端状に連結された複数の踏段と、
を有することを特徴とする乗客コンベア。 - 左右一対の前記主駆動スプロケットの前記主駆動軸に、左右一対のモータがそれぞれ取り付けられている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 左側の前記主駆動軸と、右側の前記主駆動軸とが独立している、
請求項2に記載の乗客コンベア。 - 前記モータが、前記主駆動スプロケットの外側に設置されている、
請求項3に記載の乗客コンベア。 - 前記モータは、前記トラスの側面を構成する枠材に固定されている、
請求項4に記載の乗客コンベア。 - 前記モータが、前記主駆動スプロケットの内側に設置されている、
請求項3に記載の乗客コンベア。 - 複数の踏段の左右両側であって、前記トラスから立設された左右一対の欄干と、
左右一対の前記欄干の上部をそれぞれ走行する左右一対の無端状の手摺りベルトと、
前記第1機械室内に配され、前記踏段と同期させて前記手摺りベルトを駆動する左右一対の手摺り駆動スプロケットと、
前記主駆動軸と、前記手摺り駆動スプロケットの手摺り駆動軸とを連結する連結ベルトと、
を有する請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記手摺り駆動スプロケットの手摺り駆動軸は、前記トラスの側面を構成する枠材に固定された軸受けに設けられている、
請求項7に記載の乗客コンベア。 - 左側の前記手摺り駆動スプロケットの前記手摺り駆動軸と、右側の前記手摺り駆動スプロケットの前記手摺り駆動軸とが独立している、
請求項8に記載の乗客コンベア。 - 前記乗客コンベアが、エスカレータ、又は、動く歩道である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
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