JP2016132130A - サーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】記録用紙に転写される下地材料を使用したインクシート構成において、下地材料の位置を特定することが可能なサーマルプリンタを提供する。【解決手段】サーマルプリンタは、インクシート7を備える。インクシート7には、色染料である染料7y,7m,7cと、記録用紙に転写される材料であって、かつ、当該色染料の下地となる染料7wとが、当該インクシート7に並んで塗布されている。位置特定部は、インクシート7が搬送されている際に、センサSN1、2による、マークMK1aおよびマークMK1sの検出状態に基づいて、染料7wの位置を特定する。【選択図】図3

Description

本発明は、インクシートを使用して、記録用紙に画像を形成するための印画処理を行うサーマルプリンタに関する。
従来のサーマルプリンタは、サーマルヘッドによりインクシートを加熱することにより、印画を行う。具体的には、サーマルプリンタは、サーマルヘッドおよびプラテンローラーにより、記録用紙とインクシートとを圧接する。当該インクシートには、イエロー、マゼンタおよびシアンの染料と、保護材料(オーバーコート材料)とが塗布されている。当該保護材料は、記録用紙に熱転写された染料を保護するための材料である。
次に、サーマルプリンタは、グリップローラーおよびピンチローラーにより、圧接された記録用紙およびインクシートを搬送しながら、サーマルヘッドにより、インクシートを加熱する。これにより、インクシートに塗布された染料および保護材料を、記録用紙に転写する。当該染料は、イエロー、マゼンタおよびシアンの染料である。これにより、カラー印画が行われる。
以下においては、イエロー、マゼンタおよびシアンを、それぞれ、「Y」、「M」および「C」ともいう。また、以下においては、Yの染料、Mの染料およびCの染料の各々を、「色染料」ともいう。また、以下においては、保護材料を、「OP材料」ともいう。また、以下においては、印画を行うための処理を、「印画処理」ともいう。また、以下においては、従来の印画処理を、「印画処理N」ともいう。
印画処理Nでは、サーマルプリンタは、まず、Yの染料を記録用紙に転写する転写処理を行った後、記録用紙を所定の距離だけ戻す用紙戻し処理を行う。次に、サーマルプリンタは、Yの染料と同様に、Mの染料、Cの染料、および、OP材料についても、転写処理および用紙戻し処理を行う。すなわち、サーマルプリンタは、各色染料およびOP材料について、転写処理および用紙戻し処理を繰り返し行う。そして、各色染料およびOP材料の転写が終了すると、サーマルプリンタは、記録用紙を搬送して、当該サーマルプリンタから排出する。
以下においては、インクシートにおける、染料またはOP材料の転写を開始する位置を、「転写開始位置」ともいう。また、以下においては、サーマルヘッドのうち熱を発する位置を、「熱放出位置」ともいう。また、以下においては、染料またはOP材料の転写を開始するために、インクシートを搬送する処理を、「頭出し処理」ともいう。頭出し処理では、転写開始位置が、熱放出位置となるように、インクシートが搬送される。
このように、各色染料を転写する印画処理Nでは、まず、Yの染料を記録用紙に転写する必要がある。通常、インクシートに塗布されている各色染料およびOP材料の転写開始位置を判別するために、インクシートには、位置検出のためのマークが、各色染料およびOP材料に対応づけて設けられている。当該マークは、例えば、黒色の材料で構成される。以下においては、転写開始位置を検出するための処理を、「転写位置検出処理」ともいう。
転写位置検出処理では、例えば、光を利用したセンサが使用される。当該センサは、光を発する発光部と、受光部とから構成される。発光部および受光部は、インクシートを挟むように、設けられる。以下においては、発光部が出射する、マークの検出に利用される光を、「センサ光」ともいう。
具体的には、転写位置検出処理では、発光部が、インクシートにセンサ光を照射し、当該インクシートにおけるセンサ光の透過状態に基づいて、転写開始位置が検出される。センサ光がマークに照射された場合、当該センサ光はインクシートを透過しない。センサ光が、各色染料またはOP材料に照射された場合、当該センサ光はインクシートを透過する。このような性質を利用して、マークが検出される。これにより、各色染料またはOP材料の位置が特定される。
以下においては、印画処理Nにおいて1番目に転写される色染料を、「1番色染料」ともいう。1番色染料は、例えば、Yの染料である。また、以下においては、各色染料のうち1番色染料以外の色染料を、「非1番色染料」ともいう。非1番色染料は、例えば、M,C等の染料である。また、以下においては、インクシートにおいて、1番色染料に対応づけて設けられるマークを、「転写開始マーク」ともいう。また、以下においては、インクシートにおいて、非1番色染料およびOP材料の各々に対応づけて設けられるマークを、「非1番マーク」ともいう。
転写開始マークのインクシートの幅方向の長さは、非1番マークのインクシートの幅方向の長さより、十分に長く設定される。なお、転写開始マークおよび非1番マークの判別のために、一般的に、上記のセンサは2つ設けられる。
特許文献1には、各色のインク(染料)の転写開始位置を識別する技術(以下、「関連技術A」ともいう)が示されている。具体的には、関連技術Aでは、画像の形成において1番目に転写される色のインクを特定するマークがないインクシートにおいて、各色のインク(染料)の転写開始位置を識別する。
特開平9−001903号公報
近年では、Y,M,Cの色染料の転写により構成される画像の品質を向上させることが求められている。そこで、まず、下地材料を記録用紙に転写し、当該下地材料上に、Y,M,Cの色染料およびOP材料を、順次転写するという方法が考えられる。当該下地材料は、色染料の下地となる材料である。この方法では、下地材料の位置を特定することが求められる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、記録用紙に転写される下地材料を使用した構成において、下地材料の位置を特定することが可能なサーマルプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るサーマルプリンタは、記録用紙に画像を形成するための印画処理を行う。前記サーマルプリンタは、長尺状のインクシートを備え、前記インクシートには、前記記録用紙に転写されることにより前記画像の色を形成するための色染料と、当該記録用紙に転写される材料であって、かつ、当該色染料の下地となる材料である下地材料とが、当該下地材料および当該色染料の順で、当該インクシートの長手方向に並んで塗布されており、前記インクシートには、さらに、前記色染料の位置を特定するための第1マークと、前記下地材料の位置を特定するための第2マークとが設けられ、前記サーマルプリンタは、さらに、前記インクシートを搬送するための搬送部と、前記搬送部により前記インクシートが搬送されている際に、前記第1マークおよび前記第2マークを検出する機能を有するセンサと、前記インクシートが搬送されている際に、前記センサによる、前記第1マークおよび前記第2マークの検出状態に基づいて、前記下地材料の位置を特定する位置特定部と、を備える。
本発明によれば、サーマルプリンタは、インクシートを備える。前記インクシートには、色染料と、当該記録用紙に転写される材料であって、かつ、当該色染料の下地となる下地材料とが、当該インクシートの長手方向に並んで塗布されている。位置特定部は、前記インクシートが搬送されている際に、前記センサによる、前記第1マークおよび前記第2マークの検出状態に基づいて、前記下地材料の位置を特定する。
これにより、記録用紙に転写される下地材料を使用した構成において、下地材料の位置を特定することができる。
本発明の実施の形態1に係るサーマルプリンタの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るサーマルプリンタのうち印画を行うための機械構成を主に示す図である。 インクシートロールを構成するインクシートの一部を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るサーマルプリンタのうちインクシートを搬送する機構を主に示す図である。 シート搬送部の構成を説明するための図である。 頭出し処理Wのフローチャートである。 本発明の実施の形態1のケースBにおける頭出し処理Wを説明するための図である。 本発明の実施の形態1のケースCにおける頭出し処理Wを説明するための図である。 頭出し処理Yのフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るサーマルプリンタの概略構成を示すブロック図である。 インクシートロールを構成するインクシートの一部を説明するための図である。 頭出し処理WAのフローチャートである。 本発明の実施の形態2のケースBにおける頭出し処理WAを説明するための図である。 本発明の実施の形態2のケースCにおける頭出し処理WAを説明するための図である。 頭出し処理YAのフローチャートである。 サーマルプリンタのハードウエア構成図である。 比較例に係るインクシートを説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るサーマルプリンタ100の概略構成を示すブロック図である。なお、図1には、説明のために、サーマルプリンタ100に含まれない情報処理装置200も示される。サーマルプリンタ100は、詳細は後述するが、熱によって紙に印画を行なうプリンタである。
情報処理装置200は、サーマルプリンタ100を制御する装置である。情報処理装置200は、例えば、PC(Personal Computer)である。情報処理装置200は、ユーザによって操作される。ユーザが、情報処理装置200に対し、印画実行操作を行った場合、情報処理装置200は、印画指示および画像データD1を、サーマルプリンタ100へ送信する。当該印画実行操作は、印画処理をサーマルプリンタ100に実行させるための操作である。また、当該印画指示は、サーマルプリンタ100に印画処理を実行させるための指示である。当該画像データD1は、後述の記録用紙6に印画するための画像のデータである。
図1を参照して、サーマルプリンタ100は、記憶部10と、制御部20と、通信部30と、サーマルヘッド5とを備える。
記憶部10は、各種データ、プログラム等を記憶するメモリである。記憶部10には、例えば、サーマルプリンタ100を制御するための制御プログラム、印画の制御に係るデータ、各種データ、各種の初期値等が記憶されている。
サーマルヘッド5は、詳細は後述するが、制御部20の制御に従い、熱を発する。
制御部20は、詳細は後述するが、サーマルプリンタ100の各部に対して各種処理を行う。制御部20は、制御プログラムに従って当該各種処理を行う。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
制御部20は、制御部21と、印画制御部22と、機械制御部23とを含む。制御部21、印画制御部22および機械制御部23の全てまたは一部は、ハードウエアの電気回路で構成される信号処理回路で構成される。なお、制御部21、印画制御部22および機械制御部23の全てまたは一部は、制御部20により実行される、プログラムのモジュールであってもよい。
制御部21は、詳細は後述するが、主に、サーマルプリンタ100の全体を制御する処理を行う。また、制御部21は、記憶部10にアクセスし、必要に応じて、記憶部10に記憶されているデータ等を読み出す。
制御部21は、位置特定部21aと、搬送量算出部21bとを含む。位置特定部21aおよび搬送量算出部21bについては後述する。位置特定部21aおよび搬送量算出部21bの全てまたは一部は、制御部21により実行される、プログラムのモジュールである。換言すれば、位置特定部21aおよび搬送量算出部21bの全てまたは一部は、制御部21がメモリ等に記憶されたソフトウェアのプログラムに従って各種処理を行うことにより実現される。
なお、位置特定部21aおよび搬送量算出部21bの全てまたは一部は、当該各種処理を行う、ハードウエアの電気回路で構成される信号処理回路で構成されてもよい。
印画制御部22は、詳細は後述するが、サーマルヘッド5を使用して、印画を行うための処理を行う。機械制御部23は、詳細は後述するが、制御部21の制御に従って、サーマルプリンタ100に含まれる機械的な構成(以下、「機械構成」ともいう)を制御する。すなわち、制御部21は、機械制御部23を介して、機械構成を制御する。
通信部30は、情報処理装置200および制御部20と通信する。情報処理装置200が送信した印画指示および画像データD1は、通信部30を介して、制御部21へ送信される。
制御部21は、受信した印画指示に従って、受信した画像データD1を使用して、印画データを生成する。当該印画データは、画像データD1が示す画像を、記録用紙6に印画するための制御データである。制御部21は、印画データを、印画制御部22へ送信する。印画制御部22は、印画データに従って、サーマルヘッド5が発生する熱の量を制御する。これにより、画像データD1が示す画像が、記録用紙6に印画される。
図2は、本発明の実施の形態1に係るサーマルプリンタ100のうち印画を行うための機械構成を主に示す図である。なお、図2は、サーマルプリンタ100にロール紙6rが取り付けられた状態を示す。ロール紙6rは、長尺状の記録用紙6がロール状に巻かれて構成される。サーマルプリンタ100は、詳細は後述するが、記録用紙6に画像を形成するための印画処理を行う。以下においては、本実施の形態における印画処理、または、後述の実施の形態2における印画処理を、「印画処理P」ともいう。
図2を参照して、サーマルプリンタ100は、さらに、インクシートロール7r,7rmを備える。インクシートロール7r,7rmの各々は、長尺状のインクシート7がロール状に巻かれて構成されるインクリボンである。すなわち、サーマルプリンタ100は、インクシート7を備える。サーマルプリンタ100は、当該サーマルプリンタ100に対し、インクシートロール7r,7rmが着脱自在なように、構成される。
なお、インクシートロール7rの側面には、情報を記憶する情報記憶部材が設けられる。情報記憶部材には、インクシート7の残量を示す残量情報が記憶されている。当該情報記憶部材は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグである。制御部21は、情報記憶部材にアクセス可能なように構成される。
インクシートロール7rは、インクシート7の一方側の端部がロール状に巻かれて構成される。インクシートロール7rmは、インクシート7の他方側の端部がロール状に巻かれて構成される。インクシートロール7rは、インクシート7を供給するロール(以下、「供給側ロール」ともいう)である。インクシートロール7rmは、インクシート7を巻き取るためのロール(以下、「巻き取り側ロール」ともいう)である。
図3は、インクシートロール7r,7rmを構成するインクシート7の一部を説明するための図である。図3(a)は、インクシートロール7rを構成するインクシート7の一部を示す図である。図3(a)において、X方向およびY方向の各々は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向およびY方向の各々も、互いに直交する。
以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向(−X方向)とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向(−Y方向)とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、X軸方向およびY軸方向を含む平面を、「XY面」ともいう。
図3(a)を参照して、インクシート7には、染料7w,7y,7m,7cと保護材料7opとが設けられた単位領域R10が、当該インクシート7の長手方向(X軸方向)に沿って、複数形成される。すなわち、インクシート7には、染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opが塗布されている。染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opの各々は、記録用紙6に転写される材料である。
染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opの各々は、サーマルヘッド5により加熱されることにより、記録用紙6に転写される転写材料である。例えば、染料7wは、1番目の転写材料である。すなわち、染料7wは、印画処理Pにおいて1番目に記録用紙6に転写される材料である。また、例えば、染料7cは、4番目の転写材料である。
染料7y,7m,7cの各々は、転写の対象物である記録用紙6に転写するための色を示す。具体的には、染料7y,7m,7cは、それぞれ、イエロー、マゼンタおよびシアンの色を示す。
以下においては、イエロー、マゼンタおよびシアンを、それぞれ、「Y」、「M」および「C」ともいう。また、以下においては、染料7y,7m,7cの各々を、「色染料」ともいう。各色染料は、当該色染料が記録用紙6に転写されることにより画像の色を形成するための染料である。
保護材料7opは、記録用紙6に転写された色を保護するための材料である。具体的には、保護材料7opは、染料7y,7m,7cにより、記録用紙6に形成された画像を保護するための材料である。以下においては、保護材料7opを、「OP材料」ともいう。
染料7wは、色染料の下地となる材料(以下、「下地材料」ともいう)である。染料7wは、一例として、白色の材料である。インクシート7には、色染料(染料7y,7m,7c)と、下地材料(染料7w)とが、当該下地材料および当該色染料の順で、インクシート7の長手方向に並んで塗布されている。
転写材料である染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opの各々は、転写領域Rt1を有する。転写領域Rt1は、各転写材料において、転写の対象となる領域である。
以下においては、記録用紙6のうち、画像を形成するための領域を、「画像形成領域」ともいう。画像形成領域の形状およびサイズは、図3(a)の転写領域Rt1の形状およびサイズと等しい。
以下においては、記録用紙6の画像形成領域に画像を形成するために、インクシート7が搬送される方向を、「正搬送方向」ともいう。正搬送方向は、下地材料(染料7w)または色染料を記録用紙6に転写するために、インクシート7が搬送される方向である。図3(a)において、正搬送方向は、−X方向である。インクシート7は、必要に応じて、正搬送方向(−X方向)へ搬送される。
なお、印画処理Pでは、記録用紙6の画像形成領域に、染料7wが最初に転写される。その後、当該画像形成領域に、染料7y,7m,7cおよび保護材料7opの順で、染料7y,7m,7cおよび保護材料7opが転写される。すなわち、染料7w上に染料7yが転写される。これにより、画像形成領域に、染料7y,7m,7cで表現される画像が形成される。
また、インクシート7には、複数のマークMK1aと、複数のマークMK1sとが設けられる。マークMK1aは、色染料の位置を特定するためのマークである。マークMK1aおよびマークMK1sの各々は、黒色の材料で構成される。
マークMK1aは、色染料に対応づけて設けられる。具体的には、マークMK1aは、当該マークMK1aが色染料に隣接するように、インクシート7のうち、当該色染料の正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。ここで、色染料は、染料7yであるとする。この場合、図3(a)のように、マークMK1aは、当該マークMK1aが染料7yに隣接するように、インクシート7のうち、当該染料7yの正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。
また、マークMK1aは、保護材料7opに対応づけて設けられる。具体的には、マークMK1aは、当該マークMK1aが保護材料7opに隣接するように、インクシート7のうち、当該保護材料7opの正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。
マークMK1sは、1番目の転写材料の位置を特定するためのマークである。具体的には、マークMK1sは、下地材料である染料7wの位置を特定するためのマークである。マークMK1sは、下地材料である染料7wに対応づけて設けられる。具体的には、マークMK1sは、当該マークMK1sが下地材料(染料7w)に隣接するように、インクシート7のうち、当該下地材料の正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。
再び、図1および図2を参照して、サーマルプリンタ100は、さらに、搬送ローラー対13と、プラテンローラー15と、搬送部40と、センサSN10とを備える。
図4は、本発明の実施の形態1に係るサーマルプリンタ100のうちインクシート7を搬送する機構(以下、「搬送機構」ともいう)を主に示す図である。図4(a)は、搬送機構の側面図である。なお、図4(a)では、搬送機構を分かりやすくするために、各構成要素の一部(例えば、インクシートロール7r)が配置される位置は、実際の位置とは異なる。
図4(a)において、X方向、Y方向およびZ方向の各々は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向の各々も、互いに直交する。前述したように、X方向と、当該X方向の反対の方向(−X方向)とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、前述したように、Y方向と、当該Y方向の反対の方向(−Y方向)とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向(−Z方向)とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
また、前述したように、X軸方向およびY軸方向を含む平面を、「XY面」ともいう。以下においては、X軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「XZ面」ともいう。また、以下においては、Y軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「YZ面」ともいう。図4(b)は、搬送機構の平面図である。
図1、図2および図4を参照して、搬送ローラー対13は、記録用紙6を搬送するためのローラー対である。搬送ローラー対13は、グリップローラー13aとピンチローラー13bとから構成される。
プラテンローラー15は、搬送ローラー対13により搬送される記録用紙6に接する。プラテンローラー15は、サーマルヘッド5の一部と対向するように設けられる。
搬送部40は、インクシート7を搬送するための機構である。搬送部40は、シート搬送部80,90から構成される。シート搬送部80は、詳細は後述するが、機械制御部23の制御に従って、インクシート7を正搬送方向(−X方向)へ搬送する。
以下においては、正搬送方向と反対の方向を、「逆搬送方向」ともいう。図3(a)において、逆搬送方向は、X方向である。シート搬送部90は、詳細は後述するが、機械制御部23の制御に従って、インクシート7を逆搬送方向(X方向)へ搬送する。
図5は、シート搬送部80の構成を説明するための図である。図5(a)は、XZ面に沿った、シート搬送部80の構成を示す図である。図5(b)は、YZ面に沿った、シート搬送部80に含まれる後述のエンコーダ11の構成を示す図である。
図4(b)および図5を参照して、シート搬送部80は、アタッチメント81と、巻き取り側ギア82と、モータギア83と、モータMT2と、エンコーダ11とを含む。
アタッチメント81は、インクシートロール7rmの側面に固定される。モータギア83は、棒状の部材である。モータギア83の側面にはギアが設けられる。モータギア83は、モータMT2に取付けられる。モータMT2は、機械制御部23の制御に従って、モータギア83を回転させる。
巻き取り側ギア82は、アタッチメント81に固定される。また、巻き取り側ギア82は、モータギア83の側面のギアと噛み合うように設けられる。これにより、モータMT2は、モータギア83を回転させることにより、巻き取り側ギア82およびアタッチメント81を介して、インクシートロール7rmを回転させることができる。
モータMT2は、必要に応じて、インクシート7を正搬送方向(−X方向)へ搬送するための制御を行う。具体的には、モータMT2は、巻き取り側ギア82が反時計回り方向に回転するように、モータギア83を回転させることにより、インクシートロール7rmを反時計回り方向に回転させる。これにより、インクシート7は、正搬送方向(−X方向)へ搬送される。
なお、インクシートロール7rmの回転に伴い、インクシートロール7rも回転する。そのため、インクシートロール7rは、インクシートロール7rmがインクシート7の一部を巻き取るのに伴い、巻き取られたインクシート7の長さの分だけ、インクシート7を供給する。
エンコーダ11は、回転部材84と、センサSN20とから構成される。回転部材84は、円盤状の部材である。回転部材84は、モータギア83の端部に固定される。これにより、回転部材84は、モータギア83の回転に伴い、回転する。回転部材84には、図示しない複数のスリットが、円状に設けられる。以下においては、回転部材84に設けられるスリットの数を、「スリット数SLn」ともいう。
センサSN20は、回転している回転部材84の各スリットを検出する機能を有する。センサSN20は、回転部材84のスリットを検出する毎に、パルス(信号)を、機械制御部23を介して、制御部21へ送信する。
次に、シート搬送部90について説明する。図4(b)を参照して、シート搬送部90は、アタッチメント91と、供給側ギア92と、モータギア93と、トルクリミッター94と、モータMT1とを含む。
アタッチメント91は、インクシートロール7rの側面に固定される。供給側ギア92は、アタッチメント91に固定される。なお、供給側ギア92には、インクシートロール7rの回転力(トルク)を調整するためのトルクリミッター94が設けられる。供給側ギア92の側面にはギアが設けられる。
モータギア93は、モータMT1に取付けられる。モータギア93は、供給側ギア92の側面のギアと噛み合うように設けられる。モータMT1は、機械制御部23の制御に従って、モータギア93を回転させる。モータMT1は、モータギア93を回転させることにより、供給側ギア92およびアタッチメント91を介して、インクシートロール7rを回転させることができる。
モータMT1は、必要に応じて、インクシート7を逆搬送方向(X方向)へ搬送するための制御を行う。具体的には、モータMT1は、供給側ギア92(インクシートロール7r)が時計回り方向に回転するように、モータギア93を回転させる。これにより、インクシート7は、逆搬送方向(X方向)へ搬送される。すなわち、モータMT1の動作により、インクシートロール7rmに対し、インクシート7を巻き戻すことができる。なお、インクシートロール7rの回転に伴い、インクシートロール7rmも回転する。以下においては、インクシート7が搬送される経路を「搬送経路」ともいう。
次に、センサSN10について説明する。センサSN10は、搬送部40によりインクシート7が搬送されている際に、マークMK1aおよびマークMK1sを検出する機能を有する。センサSN10は、インクシート7が搬送される搬送経路のうち、サーマルヘッド5より上流側の位置に設けられる。
センサSN10は、光を利用して、インクシート7の光の透過率を測定する機能を有する。換言すれば、センサSN10は、インクシート7の光の透過率を使用して、マークMK1aおよびマークMK1sを検出する機能を有する。
センサSN10は、センサSN10は、センサSN1とセンサSN2とから構成される。センサSN1は、センサSN2と同じ構成および機能を有する。
センサSN1は、マークMK1aおよびマークMK1sを検出する機能を有する。すなわち、マークMK1sは、インクシート7のうち、センサSN1およびセンサSN2の両方により検出されるための領域に設けられる。すなわち、マークMK1sのY軸方向の長さは、センサSN1およびセンサSN2の両方により検出されるように、マークMK1aのY軸方向の長さより、大きい。
センサSN2は、マークMK1sを検出する機能を有する。
また、センサSN1およびセンサSN2の各々は、光を利用して、インクシート7の光の透過率を測定する機能を有する。センサSN1は、発光部SN1aと受光部SN1bとから構成される。発光部SN1aおよび受光部SN1bは、インクシート7を挟むように、設けられる。
また、センサSN2は、発光部SN2aと受光部SN2bとから構成される。発光部SN2aおよび受光部SN2bは、インクシート7を挟むように、設けられる。発光部SN2aおよび受光部SN2bは、それぞれ、発光部SN1aおよび受光部SN1bと同じ機能を有する。
以下においては、センサSN1,SN2の各々が設けられている領域を、「センサ領域」ともいう。センサ領域は、例えば、図4(b)において、センサSN1,SN2の各々が設けられている領域である。また、以下においては、センサSN1の発光部SN1aが出射する光、または、センサSN2の発光部SN2aが出射する光を、「センサ光」ともいう。
また、以下においては、インクシート7のうち、色染料および保護材料7opのいずれかが塗布されている領域を、「画像用材料領域R1g」ともいう。当該色染料は、染料7y,7m,7cのいずれかである。また、以下においては、インクシート7のうち、下地材料(染料7w)が塗布されている領域を、「下地材料領域R1w」ともいう。
また、以下においては、インクシート7のうち、マークMK1a,MK1sのいずれかが設けられている領域を、「マーク領域R1b」ともいう。また、以下においては、インクシート7のうち、画像用材料領域R1g、下地材料領域R1wおよびマーク領域R1b以外の領域を、「無地領域R1n」ともいう。すなわち、インクシート7は、画像用材料領域R1gと下地材料領域R1wとマーク領域R1bと無地領域R1nとを含む。無地領域R1nは、例えば、透明な領域である。
なお、下地材料(染料7w)の光の透過率は、色染料(染料7y,7m,7c)および保護材料7opの光の透過率より小さい。また、下地材料(染料7w)の光の透過率は、マークMK1a,MK1sの光の透過率より大きい。したがって、下地材料領域R1wの光の透過率は、画像用材料領域R1gの光の透過率より小さく、かつ、マーク領域R1bの光の透過率より大きい。また、下地材料(染料7w)が塗布されている下地材料領域R1wは、センサ光の透過状態が、画像用材料領域R1g等よりも不安定な不安定領域である。
以下においては、発光部SN1aが出射した光の量に対する、受光部SN1bが受けた光の量の割合を、「光透過率」または「光透過率Tr」ともいう。
次に、センサSN1が行う処理(以下、「センサ処理」ともいう)について説明する。センサ処理では、発光部SN1aは、インクシート7に対し光を出射する。受光部SN1bは、発光部SN1aが出射した光のうち、インクシート7に含まれる、画像用材料領域R1g、下地材料領域R1w、マーク領域R1bおよび無地領域R1nのいずれかを透過した光を受ける。
また、センサ処理では、受光部SN1bは、発光部SN1aが出射した光の量に対する、受光部SN1bが受けた光の量の割合である光透過率を算出する。以上の方法により、センサSN1は、常時、光透過率を測定している。
また、センサ処理では、センサSN1は、常に、検出信号を、機械制御部23を介して、制御部21へ送信し続けている。センサ処理では、センサSN1は、最新の光透過率が閾値Th1未満である場合、検出信号のレベルを、Lレベルに設定する。閾値Th1は、マークMK1a,MK1sを検出するための値である。閾値Th1は、例えば、無地領域R1nの光透過率の0.01倍〜0.2倍の範囲の値である。
例えば、受光部SN1bと発光部SN1aとの間に、マークMK1a,MK1sのいずれかが設けられたマーク領域R1bが存在する場合、受光部SN1bは、最新の光透過率が閾値Th1未満であると判定する。最新の光透過率が閾値Th1未満になることにより、センサSN1は、マークMK1a,MK1sのいずれかを検出する。
センサSN1は、マークMK1a,MK1sのいずれかを検出している期間にわたって、検出信号のレベルを、Lレベルに設定する。また、センサSN1は、最新の光透過率が閾値Th1以上である場合、検出信号のレベルを、Hレベルに設定する。
なお、前述したように、センサSN1は、センサSN2と同じ構成および機能を有する。そのため、センサSN2(発光部SN2aおよび受光部SN2b)の動作および構成は、センサSN1(発光部SN1aおよび受光部SN1b)と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
すなわち、センサSN2は、センサSN1と同様に、センサ処理を行う。すなわち、発光部SN2aおよび受光部SN2bは、発光部SN1aおよび受光部SN1bと同様に、センサ処理を行う。
例えば、受光部SN2bと発光部SN2aとの間にマークMK1s(マーク領域R1b)が存在する場合、受光部SN2bは、最新の光透過率が閾値Th1未満であると判定する。最新の光透過率が閾値Th1未満になることにより、センサSN2は、マークMK1sを検出する。センサSN2は、マークMK1sを検出している期間にわたって、検出信号のレベルを、Lレベルに設定する。
以下においては、センサSN1が出力する検出信号を、「検出信号SG1」ともいう。また、以下においては、センサSN2が出力する検出信号を、「検出信号SG2」ともいう。
前述したように、下地材料領域R1wは、センサ光の透過状態が、画像用材料領域R1g等よりも不安定な不安定領域である。そのため、インクシート7の搬送により、下地材料領域R1wがセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1,SG2のレベルは、HレベルおよびLレベルのいずれであるか明確でない。
以下においては、サーマルヘッド5が熱を発する位置(ヒーターライン)を、「加熱位置LC1」ともいう。加熱位置LC1は、例えば、図4に示される位置である。なお、前述したように、センサSN10は、インクシート7が搬送される搬送経路のうち、サーマルヘッド5より上流側の位置に設けられる。すなわち、センサSN10(センサSN1,SN2)は、インクシート7が搬送される搬送経路のうち、加熱位置LC1(ヒーターライン)より上流側の位置に設けられる。
以下においては、記録用紙6が搬送される方向を、「用紙搬送方向」ともいう。また、以下においては、記録用紙6における前述の画像形成領域の用紙搬送方向の長さを、「転写長さLsp」ともいう。また、以下においては、インクシート7が搬送される方向を、「シート搬送方向」ともいう。シート搬送方向は、前述の正搬送方向(−X方向)および逆搬送方向(X方向)を含むX軸方向である。また、以下においては、インクシート7における転写領域Rt1のシート搬送方向(X軸方向)の長さを、「転写長さLsa」ともいう。転写長さLsaは、転写長さLspと同じである。
次に、印画処理Pについて簡単に説明する。印画処理Pは、1〜5番目の転写材料を、順次、記録用紙6の画像形成領域に転写する処理である。1〜5番目の転写材料とは、それぞれ、染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opである。なお、説明を簡単にするために、印画処理Pが行われる直前において、記録用紙6の画像形成領域の先端の位置、および、インクシート7における1番目の転写材料内の転写領域Rt1の先端の位置は、加熱位置LC1であるとする。
印画処理Pでは、シート搬送処理、用紙搬送処理および転写処理が同時に行われる。なお、以下のシート搬送処理、用紙搬送処理および転写処理は、制御部21の制御によりインクシート7が搬送されることにより、ヒーターライン(加熱位置LC1)が、転写材料内の転写領域Rt1の先端の位置である状態で行われる。転写領域Rt1の先端は、例えば、図4(b)の染料7w内の転写領域Rt1のX軸方向の左端である。
シート搬送処理では、インクシートロール7rから、インクシート7が、転写長さLsaだけ引き出される。これにより、所定時間にわたって、インクシート7が搬送される。
また、用紙搬送処理では、搬送ローラー対13により記録用紙6が搬送される。具体的には、送ローラー対13により、ロール紙6rから、記録用紙6が、転写長さLspだけ引き出される。これにより、記録用紙6は、搬送ローラー対13により挟まれた状態で、所定時間にわたって、搬送される。
転写処理では、インクシート7および記録用紙6が搬送されている期間にわたって、サーマルヘッド5は、加熱位置LC1に存在する1番目の転写材料に対し加熱を行う。なお、サーマルヘッド5による加熱の量は、前述の印画データに基づいて、印画制御部22により制御される。これにより、インクシート7の転写材料が、記録用紙6の画像形成領域に転写される。
そして、インクシート7は、次の転写材料内の転写領域Rt1の先端の位置が加熱位置LC1となるように、インクシートロール7rmにより巻き取られる。また、記録用紙6の画像形成領域の先端の位置が加熱位置LC1となるように、記録用紙6は、ロール紙6rにより巻き取られる。
以上の処理が、2〜5番目の転写材料の各々に対し、繰り返し行われる。これにより、画像形成領域に、染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opが、染料7w,7y,7m,7cおよび保護材料7opの順で、転写される。これにより、画像形成領域に画像が形成される。以下においては、記録用紙6の画像形成領域に画像が形成されたものを、「印画物」ともいう。当該印画物は、記録用紙6の一部である。
そして、記録用紙6は、所定の長さだけ送り出され、切断機構(図示せず)により、所定の寸法に切断される。これにより、記録用紙6の一部である印画物が生成される。また、排紙機構(図示せず)により、印画物が、サーマルプリンタ100から排出される。
次に、本実施の形態のインクシート7の比較対象となるインクシート7Nについて説明する。インクシート7Nは、本実施の形態では使用されない、一般的なインクシートである。
図17は、比較例に係るインクシート7Nを説明するための図である。図17(a)は、インクシート7Nの平面図である。インクシート7Nは、インクシート7と比較して、染料7w(下地材料)を含まない点と、マークMK1sの代わりにマークMK1nを有する点とが異なる。インクシート7Nのそれ以外の点は、インクシート7と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
以下、インクシート7Nについて簡単に説明する。インクシート7Nには、染料7y,7m,7cと保護材料7opとが設けられた単位領域R10Nが、当該インクシート7Nの長手方向(X軸方向)に沿って、複数形成される。
なお、マークMK1nは、染料7yに対応づけて設けられる。マークMK1nの構成は、マークMK1sと同じである。具体的には、マークMK1nは、当該マークMK1nが染料7yに隣接するように、インクシート7Nのうち、染料7yの正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。以下においては、インクシート7Nのうち、マークMK1nが設けられている領域を、「マーク領域R1b」ともいう。
次に、仮に、サーマルプリンタ100において、インクシート7Nを使用した場合について説明する。具体的には、インクシート7Nが正搬送方向(−X方向)へ搬送される場合における、センサSN1,SN2の各々が出力する前述の検出信号の状態について説明する。前述したように、センサSN1が出力する検出信号を、「検出信号SG1」ともいう。また、前述したように、センサSN2が出力する検出信号を、「検出信号SG2」ともいう。
図17(b)は、仮にインクシート7Nを使用した場合における検出信号SG1,SG2の状態を示す図である。インクシート7Nの搬送により、マークMK1n(マーク領域R1b)がセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1,SG2のレベルは、Lレベルである。これは、センサSN1,SN2の各々が出射するセンサ光が、マークMK1n(マーク領域R1b)を透過しないためである。また、インクシート7Nの搬送により、マークMK1a(マーク領域R1b)がセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1のレベルはLレベルである。
また、インクシート7Nの搬送により、前述の画像用材料領域R1gおよび無地領域R1nのいずれかがセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1,SG2のレベルは、Hレベルである。これは、センサSN1,SN2の各々が出射するセンサ光が、画像用材料領域R1gおよび無地領域R1nを透過するためである。
次に、サーマルプリンタ100において、本実施の形態のインクシート7を使用した場合について説明する。具体的には、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送される場合における、検出信号SG1,SG2の状態について説明する。
図3(b)は、インクシート7を使用した場合における検出信号SG1,SG2の状態を示す図である。図17(b)と同様、インクシート7の搬送により、マークMK1a,MK1sのいずかが設けられたマーク領域R1bがセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1,SG2のレベルはLレベルになる。また、図17(b)と同様、インクシート7の搬送により、マークMK1aが設けられたマーク領域R1bがセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1のレベルはLレベルである。
また、インクシート7の搬送により、画像用材料領域R1gおよび無地領域R1nのいずれかがセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1,SG2のレベルは、Hレベルである。
以下においては、検出信号SG1のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングを、「タイミングtga」ともいう。タイミングtgaは、マークMK1aまたはマークMK1sの先端がセンサSN1により検出されるタイミングである。
また、制御部21は、前述のセンサ処理により、常に、検出信号SG1,SG2を受信している。そのため、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgaに、マークMK1aまたはマークMK1sの位置を特定することができる。前述したように、マークMK1aは、当該マークMK1aが色染料に隣接するように、インクシート7のうち、当該色染料の正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。
また、マークMK1aは、当該マークMK1aが保護材料7opに隣接するように、インクシート7のうち、当該保護材料7opの正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。また、マークMK1sは、当該マークMK1sが下地材料(染料7w)に隣接するように、インクシート7のうち、当該下地材料の正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。
以上により、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgaに、下地材料(染料7w)、色染料および保護材料7opのいずれかの位置を特定する。
以下においては、検出信号SG2のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングを、「タイミングtgb」ともいう。タイミングtgbは、マークMK1sの先端がセンサSN2により検出されるタイミングである。
制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgbに、マークMK1sの位置を特定することができる。そのため、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgbに、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
以上により、制御部21の位置特定部21aは、インクシート7が搬送されている際に、センサSN10(センサSN1,SN2)による、マークMK1aおよびマークMK1sの検出状態に基づいて、色染料の位置、および、下地材料(染料7w)の位置を特定する。当該色染料は、染料7y,7m,7cのいずれかである。
次に、下地材料の頭出しを行うための処理(以下、「頭出し処理W」ともいう)について説明する。サーマルプリンタ100に、インクリボンであるインクシートロール7r,7rmを取り付けた際において、センサ領域に存在する転写材料が不明であるケース(状況)が生じる場合がある。当該ケースは、例えば、センサ領域に、下地材料(染料7w)の中央部が存在するケースである。本実施の形態では、当該ケースにおいても、頭出し処理Wにより、下地材料の頭出しを行う。
以下においては、インクシートロール7rの直径を、「直径D」ともいう。また、以下においては、前述の情報記憶部材に記憶されている残量情報が示す、インクシート7の残量を、「シート残量」ともいう。なお、制御部21は、予め、直径算出テーブルを記憶している。直径算出テーブルは、シート残量の各値と、インクシートロール7rの直径の各値とを対応づけたテーブルである。
頭出し処理Wは、センサ領域に存在する転写材料が不明である状態Xにおいて行われる。状態Xは、例えば、サーマルプリンタ100にインクシートロール7r,7rmが取り付けられたという状態である。また、状態Xは、サーマルプリンタ100の電源がオンされた直後の状態である。なお、前述の印画処理Pが連続して行われる場合には、頭出し処理Wは行われない。
図6は、頭出し処理Wのフローチャートである。なお、以下の頭出し処理Wによりインクシート7が搬送される場合、当該インクシート7の搬送に伴って、回転部材84は回転する。前述したように、センサSN20は、回転部材84のスリットを検出する毎に、パルスを、制御部21へ送信する。
ここで、ケースAを考慮する。ケースAは、例えば、平面視(XY面)において、センサ領域が保護材料7op内に存在するケースである。まず、図3を用いて、ケースAにおける頭出し処理Wについて説明する。頭出し処理Wでは、ステップS110〜S170の順で、処理が行われる。
ステップS110では、直径推定処理が行われる。直径推定処理では、制御部21が、インクシートロール7rの側面に設けられた情報記憶部材に記憶されている残量情報が示すシート残量を参照する。そして、制御部21は、直径算出テーブルが示す、シート残量の値に対応するインクシートロール7rの直径を特定する。当該特定された直径は、インクシートロール7rのおおまかな直径(以下、「直径Da」ともいう)である。これにより、直径Daが推定される。
ステップS120では、初回搬送処理が行われる。初回搬送処理では、制御部21が、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。モータMT2は、当該制御に従って、インクシートロール7rmが反時計回り方向に回転するように、モータギア83を回転させる。これにより、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送される。すなわち、インクシート7の一部が、インクシートロール7rmに巻き取られる。
そして、制御部21は、1回目のタイミングtgbを検出すると、以下の処理を行う。当該タイミングtgbは、インクシート7が搬送されている間において、検出信号SG2のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングである。前述したように、タイミングtgbは、マークMK1sの先端がセンサSN2により検出されるタイミングである。なお、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgbにおいて、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
具体的には、制御部21は、インクシート7の搬送が停止するように、1回目のタイミングtgbにおいてモータMT2を制御する。これにより、インクシート7の搬送が停止する。
なお、ケースAにおける1回目のタイミングtgbは、1回目のタイミングtgaでもある。当該1回目のタイミングtgaは、マークMK1sの先端がセンサSN1により検出されるタイミングである。すなわち、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgaにおいて、下地材料(染料7w)の位置を特定する。なお、当該1回目のタイミングtgaでは、マークMK1aの先端はセンサSN1により検出されない。
以上により、制御部21の位置特定部21aは、インクシート7が搬送されている際に、センサSN10(センサSN1,SN2)による、マークMK1aおよびマークMK1sの検出状態に基づいて、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
以下においては、マークMK1sのシート搬送方向の長さと、染料7wのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「W長さLxw」ともいう。W長さLxwは、例えば、図3(a)に示される長さである。また、以下においては、インクシート7が搬送される量を、「搬送量」ともいう。搬送量は、インクシート7が移動する距離でもある。
ステップS130では、スキップ搬送処理が行われる。スキップ搬送処理では、制御部21が、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxa分だけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。搬送量Lxaは、予め設定された長さである。搬送量Lxaは、例えば、図3(a)のW長さLxwの約1.5倍の長さである。すなわち、搬送量Lxaは、各色染料により形成される画像の幅方向(X軸方向)の長さの約1.5倍の長さである。
以下においては、インクシート7を搬送量Lxa分だけ搬送するために必要なパルスの数を、「パルス数Pnx」ともいう。また、以下においては、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数を、「受信パルス数」ともいう。
具体的には、スキップ搬送処理では、まず、制御部21は、パルス数Pnを算出するための以下の式1に、直径Da、前述のスリット数SLnおよび搬送量Lxaを代入することにより算出されるパルス数Pnを、パルス数Pnxとして算出する。
Figure 2016132130
式1の「η」はギア比である。当該ギア比ηは、巻き取り側ギア82およびモータギア83の構成等により予め設定された既知の値である。式1の「Ln」は、インクシート7の搬送量である。なお、式1の「Ln」には、搬送量Lxaが代入される。また、式1の「Dn」には、直径Daが代入される。
そして、制御部21は、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。インクシート7の搬送を開始されたとき以降における受信パルス数がパルス数Pnxになると、制御部21は、インクシート7の搬送が停止するように、モータMT2を制御する。これにより、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxa分だけ搬送される。このとき、ケースAでは、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7y内に存在する。
なお、インクシート7が搬送量Lxa分だけ搬送されている期間においては、検出信号SG2のレベルが変化しても、当該レベルの変化に応じた制御処理等は行われない。
ステップS140では、パルス用搬送処理が実行される。パルス用搬送処理は、他の処理とは独立して行われる。パルス用搬送処理では、制御部21が、インクシート7の搬送を停止させないまま、さらに、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。
そして、制御部21は、2回目のタイミングtgbを検出すると、以下の処理を行う。当該タイミングtgbは、インクシート7が搬送されている間において、検出信号SG2のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングである。
具体的には、制御部21は、インクシート7の搬送が停止するように、2回目のタイミングtgbにおいてモータMT2を制御する。なお、インクシート7の搬送が停止した時点で、パルス用搬送処理は終了する。
以下においては、染料7yに対応づけて設けられるマークMK1aを、「マークMK1ay」ともいう。また、以下においては、染料7mに対応づけて設けられるマークMK1aを、「マークMK1am」ともいう。また、以下においては、染料7cに対応づけて設けられるマークMK1aを、「マークMK1ac」ともいう。また、以下においては、保護材料7opに対応づけて設けられるマークMK1aを、「マークMK1aop」ともいう。
前述したように、マークMK1sのシート搬送方向の長さと、染料7wのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「W長さLxw」ともいう。以下においては、マークMK1ayのシート搬送方向の長さと、染料7yのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「Y長さLxy」ともいう。また、以下においては、マークMK1amのシート搬送方向の長さと、染料7mのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「M長さLxm」ともいう。
また、以下においては、マークMK1acのシート搬送方向の長さと、染料7cのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「C長さLxc」ともいう。また、以下においては、マークMK1aopのシート搬送方向の長さと、保護材料7opのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「OP長さLxop」ともいう。単位領域R10のシート搬送方向の長さは、W長さLxw、Y長さLxy、M長さLxm、C長さLxcおよびOP長さLxopを加算した長さである。
以下においては、ステップS140のパルス用搬送処理によりインクシート7が搬送されている期間を、「シート搬送期間Tm3」ともいう。
ステップS150では、パルスカウント処理が実行される。パルスカウント処理は、他の処理とは独立して行われる。すなわち、前述のパルス用搬送処理とパルスカウント処理とは並列的にほぼ同時に行われる。
パルスカウント処理では、シート搬送期間Tm3において、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数(受信パルス数)をカウントする。なお、パルスカウント処理は、パルス用搬送処理の終了と同時に終了する。
以下においては、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7yを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pna」ともいう。当該受信パルス数は、前述したように、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数である。
ケースAにおけるパルス数Pnaは、センサ領域が染料7y内に存在する状態でステップS150が開始されてから、前述のマークMK1amの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。当該タイミングtgaは、前述したように、検出信号SG1のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングである。以下においては、パルス数Pnaに対応する、インクシート7の搬送量を、「搬送量Lpa」ともいう。搬送量Lpaは、染料7yが搬送される量でもある。
また、以下においては、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7mを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnb」ともいう。ケースAにおけるパルス数Pnbは、マークMK1amの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaから、前述のマークMK1acの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。以下においては、パルス数Pnbに対応する、インクシート7の搬送量を、「搬送量Lpb」ともいう。搬送量Lpbは、染料7mが搬送される量でもある。
また、以下においては、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7cを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnc」ともいう。ケースAにおけるパルス数Pncは、マークMK1acの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaから、前述のマークMK1aopの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。以下においては、パルス数Pncに対応する、インクシート7の搬送量を、「搬送量Lpc」ともいう。搬送量Lpcは、染料7cが搬送される量でもある。
また、以下においては、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が保護材料7opを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnd」ともいう。ケースAにおけるパルス数Pndは、マークMK1aopの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaから、マークMK1sの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。以下においては、パルス数Pndに対応する、インクシート7の搬送量を、「搬送量Lpd」ともいう。搬送量Lpdは、保護材料7opが搬送される量でもある。
パルスカウント処理の終了後、ステップS160の処理が行われる。
ステップS160では、搬送量算出処理が行われる。搬送量算出処理では、制御部21の搬送量算出部21bが、搬送量を算出する。ケースAでは、当該搬送量は、例えば、染料7mの搬送量(長さ)と、マークMK1aの長さとを加算した長さである。
ここでは、ケースAにおける搬送量算出処理について説明する。ケースAにおける搬送量算出処理では、具体的には、搬送量算出部21bが、まず、インクシートロール7rの正確な直径Dを、以下の式2により算出する。式2は、前述の式1を変形した式である。なお、記憶部10には、前述のW長さLxw、Y長さLxy、M長さLxm、C長さLxcおよびOP長さLxopが予め記憶されている。
Figure 2016132130
直径Dの算出の際には、Y長さLxy、M長さLxm、C長さLxcおよびOP長さLxopのいずれかと正確に対応する搬送量に対応する受信パルス数が使用される。
ケースAでは、前述のシート搬送期間Tm3において、タイミングtgaが3回発生する。そのため、ケースAでは、例えば、センサ領域を、染料7m全体が通過する。つまり、ケースAでは、例えば、染料7mが搬送される搬送量Lpbは、M長さLxmと正確に対応する搬送量である。
そのため、搬送量算出部21bは、式2において、一例として、LnにM長さLxmを代入し、Pnに、搬送量Lpbに対応する、ケースAにおける前述のパルス数Pnb(受信パルス数)を代入する。これにより、搬送量算出部21bは、Dnを算出する。算出された当該Dnは、インクシートロール7rの正確な直径Dである。
そして、搬送量算出部21bは、算出したDn(直径D)を用いて、以下の式3により、インクシート7の搬送量である、搬送量Lpa,Lpb,Lpc,Lpdを算出する。式3は、前述の式1を変形した式である。
Figure 2016132130
例えば、搬送量算出部21bは、式3において、Dnに正確な直径Dを代入し、Pnに、ケースAにおける前述のパルス数Pna(受信パルス数)を代入することにより算出されるLnを、搬送量Lpaとして算出する。また、例えば、搬送量算出部21bは、式3において、Dnに直径Dを代入し、Pnに、ケースAにおける前述のパルス数Pnb(受信パルス数)を代入することにより算出されるLnを、搬送量Lpbとして算出する。また、例えば、搬送量算出部21bは、式3において、Dnに直径Dを代入し、Pnに、ケースAにおける前述のパルス数Pnc(受信パルス数)を代入することにより算出されるLnを、搬送量Lpcとして算出する。搬送量Lpdも上記と同様にして算出される。
次に、ステップS170の処理が行われる。ステップS170では、搬送量算出部21bは、搬送量Lpbが搬送量Lpcと同等であるか否かが判定される。具体的には、搬送量算出部21bは、搬送量Lpbと搬送量Lpcとを比較する。搬送量算出部21bは、搬送量Lpcが、例えば、搬送量Lpbの1.1倍以上であるか否かを判定する。すなわち、搬送量算出部21bは、搬送量Lpcが、搬送量Lpbの110%以上であるか否かを判定する。
なお、前述の保護材料7opの幅方向の長さは、通常、他の色染料の幅方向の長さよりも長い。そのため、OP長さLxopに対応する搬送量Lpdは、上記比較において使用されない。
ステップS170においてYESならば、処理はステップS180Aへ移行する。一方、ステップS170においてNOならば、処理は後述のステップS180Bへ移行する。ここで、ケースAは、前述したように、平面視(XY面)において、センサ領域が保護材料7op内に存在するケースである。すなわち、ケースAでは、センサ領域が保護材料7op内に存在した状態で、頭出し処理Wが開始される。そのため、ケースAにおける頭出し処理Wにおいて、ステップS120〜S160の処理により算出された搬送量Lpbおよび搬送量Lpcは、図3(b)のように、等しい。そのため、ケースAでは、ステップS170においてYESと判定され、処理はステップS180Aへ移行する。
以下においては、前述の印画処理Pにおいて1番目に転写される材料を当該下地材料(染料7w)とするための位置を、「印画開始位置」ともいう。
ステップS180Aでは、下地頭出し処理Aが行われる。下地頭出し処理Aでは、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。少し具体的には、下地頭出し処理Aでは、搬送部40は、算出された搬送量Lpcに基づいて、下地材料(染料7w)の位置が、印画開始位置となるように、インクシート7を搬送する。
具体的には、制御部21が、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb1分だけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT1を制御する。搬送量Lxb1は、以下の式4で示される値である。
Figure 2016132130
式4のLpcおよびLpdは、それぞれ、ケースAにおける搬送量Lpcおよび搬送量Lpdである。なお、ケースAにおける搬送量Lpcは、搬送量算出部21bにより算出される。式4の「4×Lpc+Lpd」は、図3(a)の単位領域R10のX軸方向の長さである。式4の「0.1×Lpc」は、下地材料(染料7w)から確実に転写を行われるために設定された余分の搬送量(長さ)である。
なお、式4において、搬送量Lxb1の算出の際に使用される搬送量Lpcは、下地材料(染料7w)の位置を、印画開始位置とするために使用される搬送量でもある。
なお、制御部21が、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb1分だけ搬送されるように、モータMT1を制御する処理は、ステップS130と同様に、受信パルス数等を使用して行われる。モータMT1は、当該制御に従って、インクシートロール7rが時計回り方向に回転するように、モータギア93を回転させる。
これにより、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb1分だけ搬送される。そのため、インクシート7に対するセンサ領域の相対位置が、図3(c)のように、正搬送方向(−X方向)へ搬送量Lxb1分だけ移動する。以上により、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。
次に、図7を用いて、ケースBにおける頭出し処理Wについて説明する。図7は、ケースBにおける頭出し処理Wを説明するための図である。図7(a)、図7(b)および図7(c)は、それぞれ、図3(a)、図3(b)および図3(c)と同様なものを示す。
ケースBは、例えば、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7w(下地材料領域R1w)内に存在するケースである。前述したように、下地材料領域R1wは、センサ光の透過状態が、画像用材料領域R1g等よりも不安定な不安定領域である。そのため、インクシート7Nの搬送により、下地材料領域R1wがセンサ領域を通過している期間は、検出信号SG1,SG2のレベルは、HレベルおよびLレベルのいずれであるか明確でない。また、ケースBは、センサ領域が染料7w内に存在する期間に、検出信号SG2のレベルが、HレベルからLレベルに変化する状態が発生するケースである。
ケースBでは、ケースAと同様に、ステップS110,S120が行われる。ステップS120の処理において、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送されている途中で、検出信号SG2のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングtgbが発生したとする。この場合、ケースBにおけるステップS120では、センサ領域が染料7w(下地材料領域R1w)内に存在した状態で、インクシート7の搬送が停止される。
そして、ケースBでは、ケースAと同様に、ステップS130により、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxa分だけ搬送される。これにより、ケースBでは、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7m内に存在する。そのため、ケースBでは、後述の処理において、搬送量Lpaは算出されない。
次に、ケースBでは、ケースAと同様に、ステップS140〜S160の処理が行われることにより、搬送量Lpb,Lpc,Lpdが算出される。なお、ケースBでは、搬送量Lpcは、例えば、搬送量Lpbの1.1倍以上である。そのため、ステップS170でNOと判定され、処理はステップS180Bへ移行する。
ステップS180Bでは、下地頭出し処理Bが行われる。下地頭出し処理Bでは、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。少し具体的には、下地頭出し処理Bでは、搬送部40は、算出された搬送量Lpcに基づいて、下地材料(染料7w)の位置が、印画開始位置となるように、インクシート7を搬送する。
具体的には、制御部21が、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb2分だけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT1を制御する。搬送量Lxb2は、例えば、搬送量Lpcの0.1倍の搬送量である。
なお、制御部21が、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb2分だけ搬送されるように、モータMT1を制御する処理は、ステップS130と同様に、受信パルス数等を使用して行われる。モータMT1は、当該制御に従って、インクシートロール7rが時計回り方向に回転するように、モータギア93を回転させる。
これにより、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb2分だけ搬送される。そのため、インクシート7に対するセンサ領域の相対位置が、図7(c)のように、正搬送方向(−X方向)へ搬送量Lxb2分だけ移動する。以上により、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。
次に、図8を用いて、ケースCにおける頭出し処理Wについて説明する。図8は、ケースCにおける頭出し処理Wを説明するための図である。図8(a)、図8(b)および図8(c)は、それぞれ、図3(a)、図3(b)および図3(c)と同様なものを示す。
ケースCは、例えば、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7w(下地材料領域R1w)内に存在するケースである。また、ケースCは、センサ領域が染料7w内に存在する期間において、検出信号SG2のレベルが、HレベルまたはLレベルを維持するケースである。
ケースCでは、ケースAと同様に、ステップS110,S120が行われる。ケースCにおけるステップS120の処理では、制御部21は、処理対象の単位領域R10に隣接する次の単位領域R10で発生するタイミングtgbを、図8(b)のように、1回目のタイミングtgbとして検出する。これにより、次の単位領域R10のマークMK1sの先端がセンサSN2により検出され、インクシート7の搬送は停止する。
そして、ケースCでは、ケースAと同様に、ステップS130〜S170の処理が行われる。また、ケースCでは、ケースAと同様に、ステップS180Aの処理が行われる。これにより、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。
なお、センサ領域が、染料7y,7m,7cのいずれかにある場合も、上記のケースCにおける頭出し処理Wが行われる。
以上のように、ケースA,B,Cのいずれにおいても、以下の処理が行われる。具体的には、頭出し処理Wでは、2回目のタイミングtgbの検出が行われる。そして、センサSN1に対応する検出信号SG1の状態と、センサSN20から得られたパルスとに基づいて、搬送量Lpbおよび搬送量Lpcが算出される。
そして、搬送量Lpbと搬送量Lpcとの比較結果に応じて、下地材料(染料7w)の頭出しを行うための搬送量が算出される。これにより、センサ領域に存在する転写材料が不明である前述の状態Xにおいても、下地材料(染料7w)の頭出しを確実に行うことができる。
次に、図4(a)および図4(b)を用いて、下地材料(染料7w)の転写後における染料7yの頭出しを行うための処理(以下、「頭出し処理Y」ともいう)について説明する。頭出し処理Yは、印画処理Pに含まれる。なお、前述したように、印画処理Pでは、染料7y,7m,7cおよび保護材料7opの順で、染料7y,7m,7cおよび保護材料7opが記録用紙6に転写される。
頭出し処理Yは、前述の頭出し処理Wが行われた後に行われる。具体的には、頭出し処理Yは、前述の頭出し処理Wが行われた後、制御部21の制御によりインクシート7が搬送されることにより、ヒーターライン(加熱位置LC1)が、下地材料(染料7w)内の転写領域Rt1の先端の位置とされた状態で行われる。当該転写領域Rt1の先端は、例えば、図4(b)の染料7w内の転写領域Rt1のX軸方向の左端である。
図9は、頭出し処理Yのフローチャートである。なお、以下の頭出し処理Yによりインクシート7が搬送される場合、当該インクシート7の搬送に伴って、回転部材84は回転する。前述したように、センサSN20は、回転部材84のスリットを検出する毎に、パルスを、制御部21へ送信する。
頭出し処理Yでは、ステップS210〜ステップS250の順に処理が行われる。
ステップS210では、下地材料転写処理が実行される。下地材料転写処理は、他の処理とは独立して行われる。下地材料転写処理では、下地材料(染料7w)に対して、印画処理Pにおける前述のシート搬送処理、用紙搬送処理および転写処理が行われる。これにより、下地材料(染料7w)が、記録用紙6の画像形成領域に転写される。
シート搬送処理では、搬送部40のシート搬送部80は、制御部21による制御に従って、下地材料(染料7w)を記録用紙6に転写するためにインクシート7を搬送する。具体的には、制御部21が、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ転写長さLsaだけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2(シート搬送部80)を制御する。前述したように、転写長さLsaは、転写領域Rt1のシート搬送方向(X軸方向)の長さである。転写長さLsaは、予め設定された既知の値である。
モータMT2(シート搬送部80)は、制御部21による当該制御に従って、インクシートロール7rmが反時計回り方向に回転するように、モータギア83を回転させる。これにより、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ転写長さLsaだけ搬送される。すなわち、インクシートロール7rから、インクシート7が、転写長さLsaだけ引き出される。これにより、所定時間にわたって、インクシート7が搬送される。
用紙搬送処理および転写処理は前述したので詳細な説明は行わない。なお、用紙搬送処理により、インクシート7は、正搬送方向(−X方向)へ転写長さLsaだけ搬送される。
下地材料転写処理は、下地材料(染料7w)が、記録用紙6の画像形成領域に転写されると終了する。すなわち、下地材料転写処理の終了とともに、インクシート7の搬送が停止される。これにより、加熱位置LC1(ヒーターライン)は、図4(a)および図4(b)に示す位置となる。
以下においては、下地材料転写処理によりインクシート7が転写長さLsaだけ搬送されている期間を、「シート搬送期間Tmw」ともいう。
ステップS220では、パルスカウント処理Wが実行される。パルスカウント処理Wは、他の処理とは独立して行われる。すなわち、前述の下地材料転写処理とパルスカウント処理Wとは並列的にほぼ同時に行われる。
パルスカウント処理Wでは、シート搬送期間Tmwにおいて、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数(受信パルス数)をカウントする。なお、パルスカウント処理Wは、下地材料転写処理の終了と同時に終了する。
以下においては、シート搬送期間Tmwにおける、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnw」ともいう。当該受信パルス数は、前述したように、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数である。パルスカウント処理Wの終了後、ステップS230の処理が行われる。
ステップS230では、直径算出処理が行われる。直径算出処理では、制御部21が、インクシートロール7rの正確な直径Dを、前述の式2により算出する。具体的には、制御部21が、式2において、Lnに転写長さLsaを代入し、Pnに、パルス数Pnwを代入する。これにより、制御部21は、Dnを算出する。算出された当該Dnは、インクシートロール7rの正確な直径Dである。
ステップS240では、パルス数算出処理Yが行われる。パルス数算出処理Yでは、搬送量Lpyに対応するパルス数が算出される。搬送量Lpyは、図4(b)に示す加熱位置LC1から、染料7y内の転写領域Rt1の左端までの長さである。以下においては、インクシート7を搬送量Lpy分だけ搬送するために必要なパルスの数を、「パルス数Pny」ともいう。
具体的には、パルス数算出処理Yでは、まず、制御部21は、前述の式1において、Dnに、算出した直径Dを代入し、Lnに搬送量Lpyを代入することにより算出されるパルス数Pnを、パルス数Pnyとして算出する。
ステップS250では、搬送処理Yが行われる。搬送処理Yでは、制御部21が、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxy分だけ搬送されるように、モータMT2(シート搬送部80)を制御する。
具体的には、制御部21は、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。インクシート7の搬送が開始されたとき以降における受信パルス数がパルス数Pnyになると、制御部21は、インクシート7の搬送が停止するように、モータMT2(シート搬送部80)を制御する。
これにより、シート搬送部80は、インクシート7を、正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxy分だけ搬送する。その結果、図4(b)に示す加熱位置LC1は、染料7y内の転写領域Rt1の左端の位置となる。
なお、搬送量Lpyは、パルス数Pnyに対応する搬送量である。また、パルス数Pnyは、インクシートロール7rの直径Dを用いて算出される。そのため、ステップS230,S240,S250が行われることにより、搬送部40(シート搬送部80)は、インクシートロール7rの直径Dに基づいて、色染料(染料7y)の頭出しを行うように、インクシート7を搬送する。
以上の頭出し処理Yにより、染料7yの頭出しが行われる。なお、頭出し処理Yでは、マークMK1aの検知を行わない。そのため、センサ領域が、転写色抜け領域および未転写領域を通過することによる誤検知を防ぐことができる。
当該転写色抜け領域は、インクシート7のうち、転写材料が転写されることにより発生する当該転写材料が存在しない領域である。また、当該未転写領域は、インクシート7のうち、転写材料が存在する領域である。また、当該誤検知は、センサ領域が転写色抜け領域および未転写領域を通過する期間に、検出信号SG1のレベルがHレベルからLレベルに変化したことを、マークMK1aの先端を検知したこととすることである。すなわち、上記の頭出し処理Yにより、下地材料(染料7w)を起因とした、染料7yの頭出しの失敗を防ぐことができる。
なお、染料7m,7cおよび保護材料7opの各々の頭出しは、マークMK1aの検知により行われる。
以上の頭出し処理Yでは、下地材料(染料7w)の転写の際に得られたパルスを用いて正確な直径Dが算出される。そして、当該正確な直径Dを用いて、染料7yの頭出しに必要な搬送量Lpyに対応するパルス数Pnyが算出される。そして、インクシート7の搬送を開始されたとき以降における受信パルス数がパルス数Pnyになるまで、インクシート7が搬送される。これにより、センサSN10(センサSN1,SN2)が、インクシート7が搬送される搬送経路のうち、加熱位置LC1(ヒーターライン)より上流側の位置に設けられた構成においても、染料7yの頭出しを確実に行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、サーマルプリンタ100は、インクシート7を備える。インクシート7には、色染料(染料7y,7m,7c)と、記録用紙6に転写される材料であって、かつ、当該色染料の下地となる下地材料(染料7w)とが、当該インクシート7の長手方向に並んで塗布されている。位置特定部21aは、インクシート7が搬送されている際に、センサSN10(センサSN1,SN2)による、マークMK1aおよびマークMK1sの検出状態に基づいて、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
これにより、記録用紙6に転写される下地材料(染料7w)を使用した構成において、下地材料(染料7w)の位置を特定することができる。
また、本実施の形態では、ケースA,B,Cのいずれにおいても、以下の処理が行われる。具体的には、頭出し処理Wでは、2回目のタイミングtgbの検出が行われる。そして、センサSN1に対応する検出信号SG1の状態と、センサSN20から得られたパルスとに基づいて、搬送量Lpbおよび搬送量Lpcが算出される。そして、搬送量Lpbと搬送量Lpcとの比較結果に応じて、下地材料(染料7w)の頭出しを行うための搬送量Lxb1が算出される。なお、当該搬送量Lxb1は、染料7cが搬送される量に対応する(搬送量Lpc)を使用して算出される。
これにより、センサ領域に存在する転写材料が不明である状態Xにおいても、下地材料(染料7w)の頭出しを確実に行うことができる。また、上記の頭出し処理Wが行われることにより、センサ領域が、センサ光の透過状態が不安定な下地材料領域R1w(不安定領域)内に存在するケースBにおいても、下地材料(染料7w)の頭出しを確実に行うことができる。また、上記の頭出し処理Wが行われることにより、センサ光の透過状態が不安定な下地材料(染料7w)が塗布されたインクシート7を用いる構成においても、当該下地材料の頭出しを確実に行うことができる。
また、本実施の形態では、上記の構成により、多くのセンサ、特別なマーク判別機構を不要とすることができる。
また、本実施の形態では、頭出し処理Yにより、染料7yの頭出しが行われる。なお、頭出し処理Yでは、マークMK1aの検知を行わない。そのため、センサ領域が、転写色抜け領域および未転写領域を通過することによる誤検知を防ぐことができる。
また、本実施の形態では、頭出し処理Yでは、下地材料(染料7w)の転写の際に得られたパルスを用いて正確な直径Dが算出される。そして、当該正確な直径Dを用いて、染料7yの頭出しに必要な搬送量Lpyに対応するパルス数Pnyが算出される。
そして、インクシート7の搬送を開始されたとき以降における受信パルス数がパルス数Pnyになるまで、インクシート7が搬送される。すなわち、染料7yの頭出しの際のみ、パルスが使用される。なお、他の色染料(染料7m,7c)および保護材料7opの頭出しは、マークMK1aが使用される。
これにより、センサSN10(センサSN1,SN2)が、インクシート7が搬送される搬送経路のうち、加熱位置LC1(ヒーターライン)より上流側の位置に設けられた構成においても、染料7yの頭出しを確実に行うことができる。したがって、染料の頭出しのズレにより、例えば、黒のマークが記録用紙に印画されるという不具合を防ぐことができる。そのため、黒のマークが印画されていない印画物を得ることができる。
なお、従来のサーマルプリンタでは、多くの種類のインクリボンを識別するためのセンサが多くなるという問題点があった。
ところで、従来の色(Y,M,C等)の染料のみを使用して、特別な用途の記録用紙に印画を行う場合、当該特別な用途の記録用紙に形成される画像が見え難くなる。当該特別な用途の記録用紙とは、例えば、記録用紙の表面が、銀、金等で構成される用紙である。
そこで、下地材料を記録用紙に転写し、当該下地材料上に、Y,M,Cの色染料およびOP材料を、順次転写するという方法が考えられる。当該下地材料は、色染料の下地となる、白の材料である。これにより、記録用紙に形成される画像を見やすくすることができる。すなわち、色染料に加え、下地材料を有するインクシート(以下、「下地追加インクシート」ともいう)を使用するという方法が考えられる。
なお、当該下地材料の光の透過率は、色染料およびOP材料の光の透過率より小さい。また、当該下地材料の光の透過率は、黒のマークの光の透過率より大きい。そのため、インクシートのうち、下地材料が存在する領域は、センサ光の透過状態が不安定である。したがって、従来のサーマルプリンタにおいて、仮に、下地追加インクシートを使用して、印画処理が行われた場合には、下地材料がマークとして誤検知されるという問題点がある。
また、例えば、インクシートを従来のサーマルプリンタに最初に取付けた際、インクシートの位置によっては、丁度、下地材料とセンサとが重なる場合がある。この場合、マークの誤検知が発生し、下地材料の途中から印画されるという問題点がある。
さらに、インクシートが搬送される搬送経路のうち、ヒーターラインより上流側の位置にセンサが設けられた構成では、以下の問題点がある。具体的には、記録用紙に、下地材料のうち転写用の領域内の材料が転写された後のインクシートには、下地材料の一部が残っている。この場合、インクシートに残っている、当該下地材料の一部が、マークとして、誤検知される場合がある。この場合、Yに対応するマークより手前の位置から印画処理が始まる。そのため、マークが記録用紙に転写されるという問題点がある。
そこで、本実施の形態は上記のように構成されるため、上記の各問題点を解決することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、2つのセンサを使用する構成であった。本実施の形態では、1つのセンサを使用して、転写材料の頭出しを行う。
図10は、本発明の実施の形態2に係るサーマルプリンタ100Aの概略構成を示すブロック図である。サーマルプリンタ100Aは、図1のサーマルプリンタ100と比較して、センサSN10の代わりにセンサSN10Aを備える点と、インクシートロール7r,7rmの代わりにインクシートロール7ra,7rmaを備える点とが異なる。サーマルプリンタ100Aのそれ以外の構成は、サーマルプリンタ100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
センサSN10Aは、実施の形態1のセンサSN1のみで構成される。すなわち、センサSN10Aは、センサSN1である。当該センサSN10A(センサSN1)の配置箇所は、実施の形態1のサーマルプリンタ100における、センサSN1の配置箇所と同じである。
インクシートロール7raは、後述のインクシート7Aの一方側の端部がロール状に巻かれて構成される。インクシートロール7raは、インクシート7Aの他方側の端部がロール状に巻かれて構成される。インクシートロール7ra,7rmaの各々は、長尺状のインクシート7Aがロール状に巻かれて構成されるインクリボンである。
なお、インクシートロール7raの配置箇所および構成は、図2および図4のインクシートロール7rの配置箇所および構成と同じである。また、インクシートロール7rmaの配置箇所および構成は、図2および図4のインクシートロール7rmの配置箇所および構成と同じである。
図11は、インクシートロール7ra,7rmaを構成するインクシート7Aの一部を説明するための図である。図11(a)は、インクシートロール7raを構成するインクシート7Aの一部を示す図である。図11(b)は、インクシート7Aを使用した場合における検出信号SG1の状態を示す図である。
以下においては、インクシート7Aが搬送される方向を、「シート搬送方向」ともいう。また、以下においては、インクシート7Aにおける転写領域Rt1のシート搬送方向(X軸方向)の長さを、「転写長さLsa」ともいう。
図11(a)を参照して、インクシート7Aは、図3(a)のインクシート7と比較して、マークMK1sの代わりにマークMK1saが設けられている点が異なる。インクシート7Aのそれ以外の構成は、インクシート7と同様なので詳細な説明は繰り返さない。例えば、マークMK1saは、黒色の材料で構成される。なお、インクシート7Aには、染料7w,7y,7m,7cと保護材料7opとが設けられた単位領域R10Aが、当該インクシート7Aの長手方向(X軸方向)に沿って、複数形成される。
マークMK1saのシート搬送方向の長さは、マークMK1sのシート搬送方向の長さより長い。すなわち、マークMK1aのシート搬送方向の長さは、マークMK1saのシート搬送方向の長さと異なる。マークMK1saのシート搬送方向の長さは、マークMK1sのシート搬送方向のKa(1より大きい実数)倍である。当該Kaは、例えば、1.5〜3の範囲のいずれかである。マークMK1saのそれ以外の構成は、マークMK1sと同様なので詳細な説明は繰り返さない。
以下においては、記録用紙6の画像形成領域に画像を形成するために、インクシート7Aが搬送される方向を、「正搬送方向」ともいう。正搬送方向は、下地材料(染料7w)または色染料を記録用紙6に転写するために、インクシート7Aが搬送される方向である。
マークMK1saは、1番目の転写材料の位置を特定するためのマークである。具体的には、マークMK1saは、下地材料である染料7wの位置を特定するためのマークである。マークMK1saは、下地材料である染料7wに対応づけて設けられる。具体的には、マークMK1sは、当該マークMK1saが下地材料(染料7w)に隣接するように、インクシート7Aのうち、当該下地材料の正搬送方向(−X方向)側の領域に設けられる。
なお、センサSN10A(センサSN1)は、搬送部40によりインクシート7Aが搬送されている際に、マークMK1aおよびマークMK1saを検出する機能を有する。また、センサSN10A(センサSN1)は、インクシート7Aの光の透過率を使用して、マークMK1aおよびマークMK1saを検出する機能を有する。また、センサSN10Aは、インクシート7Aが搬送される搬送経路のうち、サーマルヘッド5より上流側の位置に設けられる。
以下においては、インクシート7Aのうち、色染料および保護材料7opのいずれかが塗布されている領域を、「画像用材料領域R1g」ともいう。また、以下においては、インクシート7Aのうち、下地材料(染料7w)が塗布されている領域を、「下地材料領域R1w」ともいう。また、以下においては、インクシート7Aのうち、マークMK1a,MK1saのいずれかが設けられている領域を、「マーク領域R1b」ともいう。すなわち、インクシート7Aは、画像用材料領域R1gと下地材料領域R1wとマーク領域R1bと無地領域R1nとを含む。
なお、前述したように、下地材料(染料7w)の光の透過率は、色染料(染料7y,7m,7c)および保護材料7opの光の透過率より小さい。また、下地材料(染料7w)の光の透過率は、マークMK1a,MK1saの光の透過率より大きい。したがって、下地材料領域R1wの光の透過率は、画像用材料領域R1gの光の透過率より小さく、かつ、マーク領域R1bの光の透過率より大きい。
なお、センサSN10A(センサSN1)は、実施の形態1のセンサ処理において、インクシート7およびマークMK1sを、それぞれ、インクシート7AおよびマークMK1saに置き換えた処理を行う。
以下においては、インクシート7Aが搬送部40(シート搬送部80,90)により搬送されることにより、マークMK1a全体がセンサ領域(センサSN1)を通過するために必要な時間を、「時間Ta1」ともいう。すなわち、時間Ta1は、センサ領域(センサSN1)を、マークMK1aの先端からマークMK1aの末端までが通過するために必要な時間である。
また、以下においては、インクシート7Aが搬送部40(シート搬送部80,90)により搬送されることにより、マークMK1sa全体がセンサ領域(センサSN1)を通過するために必要な時間を、「時間Tsa1」ともいう。すなわち、時間Tsa1は、センサ領域(センサSN1)を、マークMK1saの先端からマークMK1saの末端までが通過するために必要な時間である。前述したように、マークMK1saのシート搬送方向の長さは、マークMK1sのシート搬送方向のKa倍である。したがって、時間Tsa1は、時間Ta1のKa倍である。
以下においては、検出信号SG1のレベルがLレベルであり、かつ、検出信号SG1のレベルがLレベルを維持している期間が、時間Ta1より長い状況を、「状況STL」ともいう。センサSN1(制御部21)は、検出信号SG1のレベルがLレベルを維持している期間が、時間Ta1より長くなることにより、マークMK1saを検出する。以下においては、状況STLが発生した直後に、検出信号SG1のレベルが、LレベルからHレベルに変化するタイミングを、「タイミングtgc」ともいう。
以下においては、検出信号SG1のレベルが、Hレベル、LレベルおよびHレベルの順に変化する状況を、「状況Shlh」ともいう。また、以下においては、状況Shlhが発生し、かつ、検出信号SG1のレベルがLレベルを維持している期間が時間Ta1である場合において、検出信号SG1のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングを、「タイミングtga」ともいう。
マークMK1saに対応するタイミングtgcは、マークMK1saの末端がセンサSN1により検出されるタイミングである。そのため、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgcに、マークMK1saの位置を特定することができる。したがって、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgcに、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
タイミングtgaは、マークMK1aの先端がセンサSN1により検出されるタイミングである。また、制御部21は、前述のセンサ処理により、常に、検出信号SG1を受信している。そのため、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgaに、マークMK1aの位置を特定することができる。
以上により、制御部21の位置特定部21aは、インクシート7Aが搬送されている際に、センサSN10A(センサSN1)による、マークMK1aおよびマークMK1saの検出状態に基づいて、色染料の位置、および、下地材料(染料7w)の位置を特定する。当該色染料は、染料7y,7m,7cのいずれかである。
次に、下地材料の頭出しを行うための処理(以下、「頭出し処理WA」ともいう)について説明する。以下においては、インクシートロール7raの直径を、「直径D」ともいう。また、以下においては、前述の情報記憶部材に記憶されている残量情報が示す、インクシート7Aの残量を、「シート残量」ともいう。なお、制御部21は、予め、直径算出テーブルを記憶している。直径算出テーブルは、シート残量の各値と、インクシートロール7raの直径の各値とを対応づけたテーブルである。
頭出し処理WAは、センサ領域に存在する転写材料が不明である前述の状態Xにおいて行われる。状態Xは、例えば、サーマルプリンタ100にインクシートロール7ra,7rmaが取り付けられたという状態である。
図12は、頭出し処理WAのフローチャートである。図12において、図6のステップ番号と同じステップ番号の処理は、実施の形態1で説明した処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。
なお、以下の頭出し処理WAによりインクシート7Aが搬送される場合、当該インクシート7Aの搬送に伴って、回転部材84は回転する。センサSN20は、実施の形態1と同様、回転部材84のスリットを検出する毎に、パルスを、制御部21へ送信する。
まず、図11を用いて、前述のケースAにおける頭出し処理WAについて説明する。頭出し処理WAでは、ステップS110〜S170の順で、処理が行われる。
ステップS110Aでは、直径推定処理Aが行われる。直径推定処理Aでは、直径推定処理と同様、制御部21が、インクシートロール7raの側面に設けられた情報記憶部材に記憶されている残量情報が示すシート残量を参照する。そして、制御部21は、直径算出テーブルが示す、シート残量の値に対応するインクシートロール7raの直径を特定する。当該特定された直径は、インクシートロール7raのおおまかな直径(以下、「直径Da」ともいう)である。これにより、直径Daが推定される。
ステップS120Aでは、初回搬送処理Aが行われる。初回搬送処理Aでは、初回搬送処理と同様、制御部21が、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。モータMT2は、当該制御に従って、インクシートロール7rmaが反時計回り方向に回転するように、モータギア83を回転させる。これにより、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ搬送される。すなわち、インクシート7Aの一部が、インクシートロール7rmaに巻き取られる。
そして、制御部21は、1回目のタイミングtgcを検出すると、以下の処理を行う。当該タイミングtgcは、前述したように、前述の状況STLが発生した直後に、検出信号SG1のレベルが、LレベルからHレベルに変化するタイミングである。
前述したように、タイミングtgcは、マークMK1saの末端がセンサSN1により検出されるタイミングである。なお、制御部21の位置特定部21aは、タイミングtgcにおいて、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
具体的には、制御部21は、インクシート7Aの搬送が停止するように、1回目のタイミングtgcにおいてモータMT2を制御する。これにより、インクシート7Aの搬送が停止する。なお、当該1回目のタイミングtgcでは、マークMK1aの先端がセンサSN1により検出されない。
以上により、制御部21の位置特定部21aは、インクシート7Aが搬送されている際に、センサSN10A(センサSN1)による、マークMK1aおよびマークMK1saの検出状態に基づいて、下地材料(染料7w)の位置を特定する。
ステップS130Aでは、スキップ搬送処理Aが行われる。スキップ搬送処理Aでは、スキップ搬送処理と同様、制御部21が、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxa分だけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。以下においては、インクシート7Aを搬送量Lxa分だけ搬送するために必要なパルスの数を、「パルス数Pnx」ともいう。
具体的には、スキップ搬送処理Aでは、スキップ搬送処理と同様、まず、制御部21は、前述の式1に、直径Da、前述のスリット数SLnおよび搬送量Lxaを代入することにより算出されるパルス数Pnを、パルス数Pnxとして算出する。
そして、制御部21は、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。インクシート7の搬送を開始されたとき以降における受信パルス数がパルス数Pnxになると、制御部21は、インクシート7Aの搬送が停止するように、モータMT2を制御する。これにより、インクシート7が正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxa分だけ搬送される。このとき、ケースAでは、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7y内に存在する。
ステップS140Aでは、パルス用搬送処理Aが実行される。パルス用搬送処理Aは、他の処理とは独立して行われる。パルス用搬送処理Aでは、パルス用搬送処理と同様、制御部21が、インクシート7Aの搬送を停止させないまま、さらに、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。
そして、制御部21は、2回目のタイミングtgcを検出すると、以下の処理を行う。具体的には、制御部21は、インクシート7Aの搬送が停止するように、2回目のタイミングtgcにおいてモータMT2を制御する。なお、インクシート7Aの搬送が停止した時点で、パルス用搬送処理Aは終了する。
以下においては、マークMK1saのシート搬送方向の長さと、染料7wのシート搬送方向の長さとを加算した長さを、「W長さLxw」ともいう。また、以下においては、ステップS140Aのパルス用搬送処理Aによりインクシート7Aが搬送されている期間を、「シート搬送期間Tm3」ともいう。
ステップS150Aでは、パルスカウント処理Aが実行される。パルスカウント処理Aは、他の処理とは独立して行われる。すなわち、前述のパルス用搬送処理Aとパルスカウント処理Aとは並列的にほぼ同時に行われる。
パルスカウント処理Aでは、シート搬送期間Tm3において、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数(受信パルス数)をカウントする。なお、パルスカウント処理Aは、パルス用搬送処理Aの終了と同時に終了する。
以下においては、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7yを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pna」ともいう。当該受信パルス数は、前述したように、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数である。
以下においては、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7yを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pna」ともいう。当該受信パルス数は、前述したように、制御部21がセンサSN20から受信するパルスの数である。
また、以下においては、実施の形態1で定義したマークMK1ay、マークMK1am、マークMK1acおよびマークMK1aopを使用する。
ケースAにおけるパルス数Pnaは、センサ領域が染料7y内に存在する状態でステップS150Aが開始されてから、前述のマークMK1amの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。本実施の形態の当該タイミングtgaは、前述したように、状況Shlhが発生し、かつ、検出信号SG1のレベルがLレベルを維持している期間が時間Ta1である場合において、検出信号SG1のレベルが、HレベルからLレベルに変化するタイミングである。以下においては、パルス数Pnaに対応する、インクシート7Aの搬送量を、「搬送量Lpa」ともいう。搬送量Lpaは、染料7yが搬送される量でもある。
また、前述したように、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7mを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnb」ともいう。ケースAにおけるパルス数Pnbは、マークMK1amの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaから、前述のマークMK1acの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。以下においては、パルス数Pnbに対応する、インクシート7Aの搬送量を、「搬送量Lpb」ともいう。搬送量Lpbは、染料7mが搬送される量でもある。
また、前述したように、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が染料7cを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnc」ともいう。ケースAにおけるパルス数Pncは、マークMK1acの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaから、前述のマークMK1aopの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaまでの期間における受信パルス数である。以下においては、パルス数Pncに対応する、インクシート7Aの搬送量を、「搬送量Lpc」ともいう。搬送量Lpcは、染料7cが搬送される量でもある。
また、前述したように、シート搬送期間Tm3にセンサ領域が保護材料7opを通過する場合における、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnd」ともいう。ケースAにおけるパルス数Pndは、マークMK1aopの先端がセンサSN1により検出されるタイミングtgaから、マークMK1saの末端がセンサSN1により検出されるタイミングtgcまでの期間における受信パルス数である。以下においては、パルス数Pndに対応する、インクシート7Aの搬送量を、「搬送量Lpd」ともいう。搬送量Lpdは、保護材料7opが搬送される量でもある。
パルスカウント処理Aの終了後、ステップS160Aの処理が行われる。
ステップS160Aでは、搬送量算出処理Aが行われる。搬送量算出処理Aでは、前述の搬送量算出処理と同様、制御部21の搬送量算出部21bが、搬送量を算出する。ケースAでは、当該搬送量は、例えば、染料7mの搬送量(長さ)と、マークMK1aの長さとを加算した長さである。
ここでは、ケースAにおける搬送量算出処理Aについて説明する。ケースAにおける搬送量算出処理Aでは、具体的には、搬送量算出部21bが、インクシートロール7raの正確な直径Dを、前述の式2により算出する。
直径Dの算出の際には、Y長さLxy、M長さLxm、C長さLxcおよびOP長さLxopのいずれかと正確に対応する搬送量に対応する受信パルス数が使用される。
ケースAでは、搬送量算出部21bは、前述の搬送量算出処理と同様、式2において、一例として、LnにM長さLxmを代入し、Pnに、搬送量Lpbに対応する、ケースAにおける前述のパルス数Pnb(受信パルス数)を代入する。これにより、搬送量算出部21bは、Dnを算出する。算出された当該Dnは、インクシートロール7rの正確な直径Dである。
そして、搬送量算出部21bは、前述の搬送量算出処理と同様、算出したDn(直径D)を用いて、前述の式3により、インクシート7Aの搬送量である、搬送量Lpa,Lpb,Lpc,Lpdを算出する。
例えば、搬送量算出部21bは、式3において、Dnに正確な直径Dを代入し、Pnに、ケースAにおける前述のパルス数Pna(受信パルス数)を代入することにより算出されるLnを、搬送量Lpaとして算出する。
次に、ステップS170の処理が行われる。ステップS170では、実施の形態1と同様、搬送量算出部21bは、搬送量Lpbが搬送量Lpcと同等であるか否かが判定される。ステップS170においてYESならば、処理はステップS180Aaへ移行する。一方、ステップS170においてNOならば、処理は後述のステップS180Baへ移行する。
ケースAでは、実施の形態1と同様、ステップS170においてYESと判定され、処理はステップS180Aaへ移行する。前述したように、前述の印画処理Pにおいて1番目に転写される材料を当該下地材料(染料7w)とするための位置を、「印画開始位置」ともいう。
ステップS180Aaでは、下地頭出し処理Aaが行われる。下地頭出し処理Aaでは、前述の下地頭出し処理Aと同様、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。少し具体的には、下地頭出し処理Aでは、搬送部40は、算出された搬送量Lpcに基づいて、下地材料(染料7w)の位置が、印画開始位置となるように、インクシート7Aを搬送する。
具体的には、制御部21が、前述の下地頭出し処理Aと同様、インクシート7Aが逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb1分だけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT1を制御する。搬送量Lxb1は、前述の式4で示される値である。式4において、搬送量Lxb1の算出の際に使用される搬送量Lpcは、前述したように、下地材料(染料7w)の位置を、印画開始位置とするために使用される搬送量でもある。
なお、制御部21が、インクシート7Aが逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb1分だけ搬送されるように、モータMT1を制御する処理は、ステップS130Aと同様に、受信パルス数等を使用して行われる。モータMT1は、当該制御に従って、インクシートロール7raが時計回り方向に回転するように、モータギア93を回転させる。
これにより、インクシート7が逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb1分だけ搬送される。そのため、インクシート7に対するセンサ領域の相対位置が、図11(c)のように、正搬送方向(−X方向)へ搬送量Lxb1分だけ移動する。以上により、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。
次に、図13を用いて、前述のケースBにおける頭出し処理WAについて説明する。図13は、ケースBにおける頭出し処理WAを説明するための図である。なお、ケースBは、実施の形態1と同様、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7w(下地材料領域R1w)内に存在するケースである。
また、本実施の形態のケースBは、センサ領域が染料7w内に存在する期間に、前述の状況STLが発生し、当該状況STLの発生直後に、検出信号SG1のレベルが、LレベルからHレベルに変化する状態が発生するケースである。図13(a)、図13(b)および図13(c)は、それぞれ、図11(a)、図11(b)および図11(c)と同様なものを示す。
ケースBでは、ケースAと同様に、ステップS110A,S120Aが行われる。ステップS120Aの処理において、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ搬送されている途中で、状況STLが発生し、かつ、検出信号SG1のレベルが、LレベルからHレベルに変化するタイミングtgcが発生したとする。この場合、ケースBにおけるステップS120Aでは、センサ領域が染料7w(下地材料領域R1w)内に存在した状態で、インクシート7Aの搬送が停止される。
そして、ケースBでは、ケースAと同様に、ステップS130Aにより、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxa分だけ搬送される。これにより、ケースBでは、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7m内に存在する。そのため、ケースBでは、後述の処理において、搬送量Lpaは算出されない。
次に、ケースBでは、ケースAと同様に、ステップS140A〜S160Aの処理が行われることにより、搬送量Lpb,Lpc,Lpdが算出される。なお、ケースBでは、搬送量Lpcは、例えば、搬送量Lpbの1.1倍以上である。そのため、ステップS170でNOと判定され、処理はステップS180Baへ移行する。
ステップS180Baでは、下地頭出し処理Baが行われる。下地頭出し処理Baでは、前述の下地頭出し処理Bと同様、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。少し具体的には、下地頭出し処理Baでは、搬送部40は、算出された搬送量Lpcに基づいて、下地材料(染料7w)の位置が、印画開始位置となるように、インクシート7Aを搬送する。
具体的には、制御部21が、前述の下地頭出し処理Bと同様、インクシート7Aが逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb2分だけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT1を制御する。搬送量Lxb2は、例えば、搬送量Lpcの0.1倍の搬送量である。
なお、制御部21が、インクシート7Aが逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb2分だけ搬送されるように、モータMT1を制御する処理は、ステップS130Aと同様に、受信パルス数等を使用して行われる。モータMT1は、当該制御に従って、インクシートロール7raが時計回り方向に回転するように、モータギア93を回転させる。
これにより、インクシート7Aが逆搬送方向(X方向)へ搬送量Lxb2分だけ搬送される。そのため、インクシート7Aに対するセンサ領域の相対位置が、図13(c)のように、正搬送方向(−X方向)へ搬送量Lxb2分だけ移動する。以上により、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。
次に、図14を用いて、ケースCにおける頭出し処理WAについて説明する。図14は、ケースCにおける頭出し処理WAを説明するための図である。図14(a)、図14(b)および図14(c)は、それぞれ、図11(a)、図11(b)および図11(c)と同様なものを示す。
ケースCは、例えば、平面視(XY面)において、センサ領域が染料7w(下地材料領域R1w)内に存在するケースである。また、本実施の形態におけるケースCは、センサ領域が染料7w内に存在する期間において、検出信号SG1のレベルが、Hレベルを維持するケースである。
ケースCでは、ケースAと同様に、ステップS110A,S120Aが行われる。ケースCにおけるステップS120Aの処理では、制御部21は、処理対象の単位領域R10Aに隣接する次の単位領域R10Aで発生するタイミングtgcを、図14(b)のように、1回目のタイミングtgcとして検出する。これにより、次の単位領域R10のマークMK1saの末端がセンサSN1により検出され、インクシート7Aの搬送は停止する。
そして、ケースCでは、ケースAと同様に、ステップS130A〜S170Aの処理が行われる。また、ケースCでは、ケースAと同様に、ステップS180Aaの処理が行われる。これにより、下地材料(染料7w)の頭出しが行われる。
なお、センサ領域が、染料7y,7m,7cのいずれかにある場合も、上記のケースCにおける頭出し処理WAが行われる。
次に、図4(a)および図4(b)を用いて、下地材料(染料7w)の転写後における染料7yの頭出しを行うための処理(以下、「頭出し処理YA」ともいう)について説明する。頭出し処理YAは、実施の形態1の頭出し処理Yと類似する。頭出し処理YAは、印画処理Pに含まれる。
頭出し処理YAは、前述の頭出し処理WAが行われた後に行われる。具体的には、頭出し処理YAは、前述の頭出し処理WAが行われた後、制御部21の制御によりインクシート7Aが搬送されることにより、ヒーターライン(加熱位置LC1)が、下地材料(染料7w)内の転写領域Rt1の先端の位置とされた状態で行われる。当該転写領域Rt1の先端は、例えば、図4(b)の染料7w内の転写領域Rt1のX軸方向の左端である。
図15は、頭出し処理YAのフローチャートである。図15において、図9のステップ番号と同じステップ番号の処理は、実施の形態1で説明した処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。なお、以下の頭出し処理YAによりインクシート7Aが搬送される場合、当該インクシート7Aの搬送に伴って、回転部材84は回転する。前述したように、センサSN20は、回転部材84のスリットを検出する毎に、パルスを、制御部21へ送信する。
頭出し処理YAでは、ステップS210A〜ステップS250Aの順に処理が行われる。
ステップS210Aでは、下地材料転写処理Aが実行される。下地材料転写処理Aは、他の処理とは独立して行われる。下地材料転写処理Aでは、下地材料転写処理と同様に、下地材料(染料7w)に対して、前述の印画処理Pにおけるシート搬送処理、用紙搬送処理および転写処理が行われる。これにより、下地材料(染料7w)が、記録用紙6の画像形成領域に転写される。
シート搬送処理では、搬送部40のシート搬送部80は、制御部21による制御に従って、下地材料(染料7w)を記録用紙6に転写するためにインクシート7Aを搬送する。具体的には、制御部21が、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ転写長さLsaだけ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2(シート搬送部80)を制御する。前述したように、転写長さLsaは、転写領域Rt1のシート搬送方向(X軸方向)の長さである。
モータMT2(シート搬送部80)は、制御部21による当該制御に従って、インクシートロール7rmaが反時計回り方向に回転するように、モータギア83を回転させる。これにより、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ転写長さLsaだけ搬送される。
また、用紙搬送処理により、インクシート7Aは、正搬送方向(−X方向)へ転写長さLsaだけ搬送される。
下地材料転写処理Aは、下地材料(染料7w)が、記録用紙6の画像形成領域に転写されると終了する。すなわち、下地材料転写処理Aの終了とともに、インクシート7Aの搬送が停止される。これにより、加熱位置LC1(ヒーターライン)は、図4(a)および図4(b)に示す位置となる。
以下においては、下地材料転写処理Aによりインクシート7Aが転写長さLsaだけ搬送されている期間を、「シート搬送期間Tmw」ともいう。前述したように、シート搬送期間Tmwにおける、制御部21の受信パルス数を、「パルス数Pnw」ともいう。
ステップS220では、実施の形態1と同様、パルスカウント処理Wが実行される。前述の下地材料転写処理Aとパルスカウント処理Wとは並列的にほぼ同時に行われる。
ステップS230Aでは、直径算出処理Aが行われる。直径算出処理Aでは、制御部21が、インクシートロール7raの正確な直径Dを、前述の式2により算出する。具体的には、制御部21が、式2において、Lnに転写長さLsaを代入し、Pnに、パルス数Pnwを代入する。これにより、制御部21は、Dnを算出する。算出された当該Dnは、インクシートロール7raの正確な直径Dである。
ステップS240では、実施の形態1と同様、パルス数算出処理Yが行われる。パルス数算出処理Yにより、パルス数Pnyが算出される。
ステップS250Aでは、搬送処理YAが行われる。搬送処理YAでは、搬送処理Yと同様に、制御部21が、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxy分だけ搬送されるように、モータMT2(シート搬送部80)を制御する。
具体的には、制御部21は、インクシート7Aが正搬送方向(−X方向)へ搬送されるように、機械制御部23を介して、モータMT2を制御する。インクシート7Aの搬送が開始されたとき以降における受信パルス数がパルス数Pnyになると、制御部21は、インクシート7Aの搬送が停止するように、モータMT2(シート搬送部80)を制御する。
これにより、シート搬送部80は、インクシート7Aを、正搬送方向(−X方向)へ、搬送量Lxy分だけ搬送する。その結果、図4(b)に示す加熱位置LC1は、染料7y内の転写領域Rt1の左端の位置となる。
なお、搬送量Lpyは、パルス数Pnyに対応する搬送量である。また、パルス数Pnyは、インクシートロール7raの直径Dを用いて算出される。そのため、ステップS230A,S240,S250Aが行われることにより、搬送部40(シート搬送部80)は、インクシートロール7raの直径Dに基づいて、色染料(染料7y)の頭出しを行うように、インクシート7Aを搬送する。
以上の頭出し処理YAにより、染料7yの頭出しが行われる。これにより、実施の形態1と同様な効果が得られる。すなわち、1つのセンサSN1を使用し、かつ、マークMK1sの代わりにマークMK1saが設けられたインクシート7Aを使用した構成においても、染料7yの頭出しを確実に行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態では、1つのセンサSN1を使用した構成においても、実施の形態1と同様な効果が得られる。すなわち、記録用紙6に転写される下地材料(染料7w)を使用した構成において、下地材料(染料7w)の位置を特定することができる。
また、本実施の形態では、具体的には、1つのセンサSN1を使用し、かつ、マークMK1sの代わりにマークMK1saが設けられたインクシート7Aを使用した構成において、ケースA,B,Cのいずれにおいても、以下の処理が行われる。具体的には、頭出し処理WAでは、2回目のタイミングtgcの検出が行われる。そして、センサSN1に対応する検出信号SG1の状態と、センサSN20から得られたパルスとに基づいて、搬送量Lpbおよび搬送量Lpcが算出される。そして、搬送量Lpbと搬送量Lpcとの比較結果に応じて、下地材料(染料7w)の頭出しを行うための搬送量を算出する。
これにより、1つのセンサSN1を使用した構成において、かつ、センサ領域に存在する転写材料が不明である前述の状態Xにおいても、実施の形態1と同様に、下地材料(染料7w)の頭出しを確実に行うことができる。
また、本実施の形態では、前述したように、頭出し処理YAが行われる。これにより、1つのセンサSN1を使用し、かつ、加熱位置LC1(ヒーターライン)より上流側の位置に設けられた構成においても、染料7yの頭出しを確実に行うことができる。
(その他の変形例)
以上、本発明に係るサーマルプリンタについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を本実施の形態に施したものも、本発明に含まれる。つまり、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
また、サーマルプリンタ100またはサーマルプリンタ100Aは、図1または図10に示される全ての構成要素を含まなくてもよい。すなわち、サーマルプリンタ100またはサーマルプリンタ100Aは、本発明の効果を実現できる最小限の構成要素のみを含めばよい。例えば、サーマルプリンタ100またはサーマルプリンタ100Aは、印画制御部22および機械制御部23を備えない構成としてもよい。当該構成では、制御部21が、印画制御部22および機械制御部23が行う処理もさらに行う。
なお、サーマルプリンタ100またはサーマルプリンタ100Aの各構成要素の全てまたは一部を、ハードウエアで示した構成は、例えば、以下のようになる。以下においては、サーマルプリンタ100またはサーマルプリンタ100Aの各構成要素の全てまたは一部を、ハードウエアで示したサーマルプリンタを、「サーマルプリンタhd10」ともいう。
図16は、サーマルプリンタhd10のハードウエア構成図である。図16を参照して、サーマルプリンタhd10は、プロセッサhd1と、メモリhd2と、搬送装置hd3と、センサhd4とを備える。
図1または図10の制御部20は、プロセッサhd1である。図1または図10の記憶部10は、メモリhd2である。また、図1または図10の搬送部40は、搬送装置hd3である。また、図1のセンサSN10または図10のセンサSN10Aは、センサhd4である。
図1または図10の位置特定部21aおよび搬送量算出部21bの各々は、プロセッサhd1がメモリhd2等に記憶されたソフトウェアのプログラムに従って各種処理を行うことにより実現される。すなわち、図1または図10の位置特定部21aおよび搬送量算出部21bの各々は、プロセッサhd1が、メモリhd2等に記憶されたプログラムを実行することにより、当該プロセッサhd1の機能として実現される。なお、当該各機能は、例えば、複数のプロセッサhd1が連携して各種処理を行うことにより実現されてもよい。
なお、前述したように、位置特定部21aおよび搬送量算出部21bの全てまたは一部は、上記の各種処理を行う、ハードウエアの電気回路で構成される信号処理回路で構成されてもよい。また、ソフトウェアで実現される位置特定部21aおよび搬送量算出部21bと、ハードウエアの位置特定部21aおよび搬送量算出部21bとを合わせた概念を考慮して、位置特定部21aおよび搬送量算出部21bにおける用語「部」を、用語「処理回路」に置き換えてもよい。
また、本発明は、サーマルプリンタ100またはサーマルプリンタ100Aが備える特徴的な構成部の動作をステップとする頭出し方法として実現してもよい。また、本発明は、そのような頭出し方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
また、本発明に係る頭出し方法は、図6、図9、図12および図15のいずれかの処理の一部または全てに相当する。本発明に係る頭出し方法は、図6、図9、図12および図15のいずれかにおける、対応する全てのステップを必ずしも含む必要はない。すなわち、本発明に係る頭出し方法は、本発明の効果を実現できる最小限のステップのみを含めばよい。
また、頭出し方法における各ステップの実行される順序は、本発明を具体的に説明するための一例であり、上記以外の順序であってもよい。また、頭出し方法におけるステップの一部と、他のステップとは、互いに独立して並列に実行されてもよい。
上記実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば、センサSN10またはセンサSN10Aは、マーク(例えば、マークMK1a)を検出するために、光の透過率を使用したがこれに限定されない。センサSN10またはセンサSN10Aは、例えば、撮影を行う機能を有し、当該撮影に得られた画像を使用した、当該画像の認識処理により、マークを検出してもよい。
また、上記の各実施の形態では、保護材料7opが設けられたインクシートを使用する構成としたがこれに限定されない。上記の各実施の形態では、保護材料7opが設けられていないインクシートを使用してもよい。
また、マークMK1a,MK1s,MK1saの各々は、黒色の材料で構成されるとしたがこれに限定されない。マークMK1a,MK1s,MK1saの各々は、染料7wの光の透過率が、マークMK1a,MK1s,MK1saの光の透過率より大きいという条件を満たすことができる他の色(例えば、灰色)の材料で構成されてもよい。
5 サーマルヘッド、6 記録用紙、7,7A,7N インクシート、7c,7m,7w,7y 染料、7op 保護材料、7r,7ra,7rm,7rma インクシートロール、10 記憶部、20,21 制御部、21a 位置特定部、21b 搬送量算出部、40 搬送部、80,90 シート搬送部、100,100A,hd10 サーマルプリンタ、hd1 プロセッサ、hd2 メモリ、hd3 搬送装置、hd4,SN1,SN2,SN10,SN10A,SN20 センサ、MK1a,MK1n,MK1s,MK1sa マーク。

Claims (10)

  1. 記録用紙に画像を形成するための印画処理を行うサーマルプリンタであって、
    長尺状のインクシートを備え、
    前記インクシートには、前記記録用紙に転写されることにより前記画像の色を形成するための色染料と、当該記録用紙に転写される材料であって、かつ、当該色染料の下地となる材料である下地材料とが、当該下地材料および当該色染料の順で、当該インクシートの長手方向に並んで塗布されており、
    前記インクシートには、さらに、前記色染料の位置を特定するための第1マークと、前記下地材料の位置を特定するための第2マークとが設けられ、
    前記サーマルプリンタは、さらに、
    前記インクシートを搬送するための搬送部と、
    前記搬送部により前記インクシートが搬送されている際に、前記第1マークおよび前記第2マークを検出する機能を有するセンサと、
    前記インクシートが搬送されている際に、前記センサによる、前記第1マークおよび前記第2マークの検出状態に基づいて、前記下地材料の位置を特定する位置特定部と、を備える
    サーマルプリンタ。
  2. 前記センサは、第1センサと第2センサとから構成され、
    前記第1センサは、前記第1マークを検出する機能を有し、
    前記第2センサは、前記第2マークを検出する機能を有する
    請求項1に記載のサーマルプリンタ。
  3. 前記下地材料は、前記印画処理において1番目に前記記録用紙に転写される材料であり、
    前記第1センサは、さらに、前記第2マークを検出する機能を有し、
    前記第2マークは、前記インクシートのうち、前記第1センサおよび前記第2センサの両方により検出されるための領域に設けられる
    請求項2に記載のサーマルプリンタ。
  4. 前記インクシートは、当該インクシートが搬送される方向であるシート搬送方向へ搬送され、
    前記第1マークの前記シート搬送方向の長さは、前記第2マークの当該シート搬送方向の長さと異なる
    請求項1に記載のサーマルプリンタ。
  5. 前記インクシートは、前記下地材料または前記色染料を前記記録用紙に転写するために、当該インクシートが搬送される方向である正搬送方向へ搬送され、
    前記第1マークは、当該第1マークが前記色染料に隣接するように、前記インクシートのうち、当該色染料の前記正搬送方向側の領域に設けられ、
    前記第2マークは、当該第2マークが前記下地材料に隣接するように、前記インクシートのうち、当該下地材料の前記正搬送方向側の領域に設けられる
    請求項1から4のいずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
  6. 前記搬送部は、前記下地材料の位置が特定された後、当該下地材料の位置が、前記印画処理において1番目に転写される材料を当該下地材料とするための位置である印画開始位置となるように、前記インクシートを搬送する
    請求項1から5のいずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
  7. 前記サーマルプリンタは、
    前記下地材料の位置を、前記印画処理において1番目に転写される材料を当該下地材料とするための位置である印画開始位置とするために使用される、前記インクシートの搬送量を算出する搬送量算出部をさらに備え、
    前記搬送部は、算出された前記搬送量に基づいて、前記下地材料の位置が前記印画開始位置となるように、前記インクシートを搬送する
    請求項1から6のいずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
  8. 前記搬送部は、前記下地材料の位置が前記印画開始位置となるように、前記インクシートを搬送した後、さらに、
    (a1)前記下地材料を前記記録用紙に転写するために前記インクシートを搬送し、
    (a2)前記インクシートがロール状に巻かれて構成されるインクシートロールの直径に基づいて、前記色染料の頭出しを行うように、前記インクシートを搬送する
    請求項6または7に記載のサーマルプリンタ。
  9. 前記下地材料は、白色の材料である
    請求項1から8のいずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
  10. 前記センサは、前記インクシートの光の透過率を使用して、前記第1マークおよび前記第2マークを検出する機能を有し、
    前記インクシートは、前記色染料が塗布されている領域である画像用材料領域と、前記下地材料が塗布されている領域である下地材料領域と、前記第1マークおよび前記第2マークのいずれかが設けられているマーク領域とを含み、
    前記下地材料領域の光の透過率は、前記画像用材料領域の光の透過率より小さく、かつ、前記マーク領域の光の透過率より大きい
    請求項1から9のいずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
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