以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
<実施の形態1>
(構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱転写型プリンタ100のうち印画を行うための機械構成を主に示す図である。
図1において、X方向、Y方向およびZ方向の各々は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向の各々も、互いに直交する。以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向(−X方向)とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向(−Y方向)とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向(−Z方向)とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
また、以下においては、X軸方向およびY軸方向を含む平面を、「XY面」ともいう。また、以下においては、X軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「XZ面」ともいう。また、以下においては、Y軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「YZ面」ともいう。
図1を参照して、熱転写型プリンタ100は、インクシート8と、ペーパーロール2rと、サーマルヘッド11と、搬送部5と、プラテンローラー4と、インクボビン3a,3bと、カッター10と、ペーパー反転機構20と、センサSN1aとを備える。
以下においては、Yの染料、Mの染料およびCの染料を、それぞれ、Y染料、M染料およびC染料ともいう。なお、前述したように、Yの染料、Mの染料およびCの染料の各々を、「色染料」または「染料」ともいう。
インクシート8の形状は、長尺状である。インクシート8には、Y染料、M染料、C染料および前述のOP材料が、Y染料、M染料、C染料およびOP材料の順で、当該インクシート8の長手方向に並んで塗布されている。以下においては、色染料およびOP材料の各々を、「転写材料」ともいう。
なお、本実施の形態では、インクシート8に、OP材料が塗布されていない構成(以下、「変形構成C1」ともいう)としてもよい。当該変形構成C1では、インクシート8には、Y染料、M染料およびC染料が、Y染料、M染料およびC染料の順で、当該インクシート8の長手方向に並んで塗布されている。
ペーパーロール2rは、長尺状のペーパー2がロール状に巻かれて構成される。すなわち、熱転写型プリンタ100は、ペーパー2を備える。具体的には、ペーパーロール2rは、筒状のコア部材2xに設けられる。ペーパーロール2rは、ペーパー2の一部が、コア部材2xに巻かれることにより構成される。ペーパーロール2rが設けられたコア部材2xが、熱転写型プリンタ100に設けられた回転軸(図示せず)に取付けられることにより、ペーパーロール2rは熱転写型プリンタ100に取付けられる。これにより、ペーパーロール2rは、回転自在なように構成される。
熱転写型プリンタ100は、詳細は後述するが、ペーパー2の両面に画像を形成する機能を有する。なお、上記の色染料は、ペーパー2に対し画像の色を形成するための染料である。また、ペーパー2は、表面2aと、裏面2bとを有する。
サーマルヘッド11は、詳細は後述するが、熱を発する。以下においては、サーマルヘッド11が熱を発するX軸方向の位置を、「加熱位置」ともいう。加熱位置にインクシート8の色染料が存在する状態で、サーマルヘッド11が熱を発することにより、色染料(転写材料)がペーパー2に転写される。以下においては、加熱位置を、「転写位置LC1」ともいう。転写位置LC1は、ペーパー2に染料(色染料)またはOP材料の転写が行われる位置である。
搬送部5は、ペーパー2を搬送するための構成要素である。具体的には、搬送部5は、ピンチローラー5aとグリップローラー5bとから構成される。搬送部5は、ピンチローラー5aとグリップローラー5bとの間にペーパー2を挟んだ状態で、当該ペーパー2を搬送する。
以下においては、ピンチローラー5aおよびグリップローラー5bによるペーパー2を挟む力を、「挟持力P1」ともいう。本実施の形態では、ペーパー2が搬送される場合、ペーパー2を確実に搬送しつつ、かつ、ペーパー2にローラー等の痕がつかないように、挟持力P1はなるべく小さい力に設定される。
プラテンローラー4は、サーマルヘッド11の一部と対向するように設けられる。インクボビン3aには、インクシート8の一方側の端が取付けられる。インクボビン3bには、インクシート8の他方側の端が取付けられる。インクシート8の一方側の端部がインクボビン3aに巻かれることにより、インクシートロール8rが構成される。インクシート8の他方側の端部がインクボビン3bに巻かれることにより、インクシートロール8rmが構成される。
インクシートロール8rは、インクシート8を供給するロールである。インクシートロール8rmは、インクシート8を巻き取るためのロールである。
インクボビン3bは、インクシート8を巻き取るように回転する。すなわち、インクボビン3bの回転に伴い、インクシートロール8rmは、インクシート8を巻き取るように回転する。なお、インクシートロール8rmの回転に伴い、インクシートロール8rも回転する。そのため、インクシートロール8rは、インクシートロール8rmがインクシート8の一部を巻き取るのに伴い、巻き取られたインクシート8の長さの分だけ、インクシート8を供給する。
以下においては、ペーパー2のうち、転写材料の転写の対象となる面を、「転写対象面」ともいう。カッター10は、ペーパー2の一部をカットする機能を有する。ペーパー反転機構20は、ペーパー2の転写対象面を切り替える機能を有する。
以下においては、図1において、実線で表現されるペーパーロール2rの位置を、「表面用位置La」ともいう。また、以下においては、図1において、点線で表現されるペーパーロール2rの位置を、「裏面用位置Lb」ともいう。表面用位置Laは、転写対象面がペーパー2の表面2aである場合に、ペーパーロール2rが配置される位置である。裏面用位置Lbは、転写対象面がペーパー2の裏面2bである場合に、ペーパーロール2rが配置される位置である。
具体的には、ペーパー反転機構20は、ペーパーロール2rの位置を表面用位置Laから裏面用位置Lbに変更する動作、または、ペーパーロール2rの位置を裏面用位置Lbから表面用位置Laに変更する動作を行う。
なお、ペーパー反転機構20の構成は、ペーパー2の両面(表面2aおよび裏面2b)に、印画を行うことを実現するための構成であれば、上記の構成以外の他の構成であってもよい。
センサSN1aは、詳細は後述するが、ペーパー2に設けられたマークMK1を検出する機能を有する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る熱転写型プリンタ100の構成を示すブロック図である。なお、図2には、説明のために、熱転写型プリンタ100に含まれないPC(Personal Computer)200も示される。熱転写型プリンタ100は、PC200と通信する。
熱転写型プリンタ100は、さらに、CPU(Central Processing Unit)22と、メモリ23と、不揮発メモリ24と、加熱制御部25と、機械制御部26と、モータ27とを備える。
CPU22は、熱転写型プリンタ100の各部に対して各種処理を行うプロセッサである。CPU22は、例えば、機械制御部26および加熱制御部25を制御する。
加熱制御部25は、CPU22の制御に従って、サーマルヘッド11を制御することにより、サーマルヘッド11が発する熱の量を制御する。
機械制御部26は、CPU22の制御に従って、モータ27を制御する。モータ27は、例えば、グリップローラー5bを回転させるためのモータである。なお、機械制御部26は、モータ27以外のモータ(図示せず)も制御する。当該モータ(図示せず)は、例えば、インクボビン3bを回転させるためのモータである。
次に、ペーパー2の構成について詳細に説明する。図3は、ペーパーロール2rを構成するペーパー2の一部を説明するための図である。ペーパー2には、複数の画像形成領域R1cが、ペーパー2の長手方向(X軸方向)に間隔をあけて並ぶように存在する。画像形成領域R1cは、画像を形成するための領域である。
なお、図3では、説明を簡単にするために、n(自然数)番目の画像形成領域R1cと、(n+1)番目の画像形成領域R1cとが示される。以下においては、n番目の画像形成領域R1cを、「画像形成領域R1c(n)」ともいう。また、以下においては、(n+1)番目の画像形成領域R1cを、「画像形成領域R1c(n+1)」ともいう。すなわち、図3では、上記の複数の画像形成領域R1cに含まれる画像形成領域R1c(n)および画像形成領域R1c(n+1)が、ペーパー2の長手方向(X軸方向)に間隔をあけて並ぶように存在する。
次に、画像形成領域R1c(n)を用いて、各画像形成領域R1cについて説明する。画像形成領域R1c(n)は、カット位置LC2a,LC2bを含む。カット位置LC2a,LC2bの各々は、カッター10によりカットされる位置である。画像形成領域R1cのカット位置LC2a,LC2bが、カッター10によりカットされることにより、ペーパー2の領域R1caが、印刷物として、熱転写型プリンタ100の外部へ排出される。
以下においては、ペーパー2のうち、隣り合う2つの画像形成領域R1cの間の領域を、「余白領域」ともいう。本実施の形態では、ペーパー2の余白領域に、マークMK1が設けられる。すなわち、図3のように、ペーパー2のうち画像形成領域R1c(n)と画像形成領域R1c(n+1)との間には、マークMK1が設けられる。マークMK1は、印画開始位置Lp1を特定するためのマークである。当該印画開始位置Lp1は、ペーパー2に対し染料(色染料)の転写を開始するための、当該ペーパー2内の位置である。印画開始位置Lp1は、例えば、図3の画像形成領域R1cの右端である。
マークMK1は、例えば、画像形成領域R1cの右端に対応づけて設けられる。なお、マークMK1は、例えば、単色の材料で構成される。当該単色は、例えば、黄色、黒等である。マークMK1は、ペーパー2の表面2aおよび裏面2bの両方に設けられる。
なお、マークMK1は、ペーパー2の表面2aおよび裏面2bの一方に設けられる構成としてもよい。例えば、マークMK1は、ペーパー2の表面2aに設けられる構成としてもよい。当該構成において、センサSN1aは、ペーパー2に設けられたマークMK1を検出する機能を有する。
なお、マークMK1は、ペーパー2に予め設けられていなくてもよい。マークMK1は、染料の転写の際に、ペーパー2に転写されてもよい。
以下においては、ペーパー2のうち、画像形成領域R1c(n)のカット位置LC2bと、画像形成領域R1c(n+1)のカット位置LC2aとの間の領域を、「カット領域R1n」ともいう。カット領域R1nは、印刷物として使用されない領域である。
次に、センサSN1aについて説明する。センサSN1aは、搬送部5によりペーパー2が搬送されている際に、マークMK1を検出する機能を有する。センサSN1aは、例えば、光を利用して、マークMK1の濃度を測定することにより、マークMK1を検出する。センサSN1aは、マークMK1を検出した場合、検出信号SgMを、CPU22へ送信する。検出信号SgMは、マークMK1が検出された旨をしめす信号である。CPU22は、検出信号SgMを受信することにより、マークMK1が検出されたことを把握する。
マークMK1の濃度は、例えば、センサSN1aがペーパー2に向けて光を出射し、当該センサSN1aが当該ペーパー2から反射される光の量を検出することにより、測定される。なお、マークMK1の濃度の測定方法は、上記以外の方法であってもよい。
ここで、図3の領域R1xは、一例として、平面視(XY面)において、ペーパー2に対するセンサSN1aの相対位置を示す領域である。
図4は、センサSN1aが測定する濃度の特性を示す図である。図4において、縦軸は、濃度である。横軸は、センサSN1aに対するマークMK1の相対位置である。図4の横軸の中央部は、例えば、図3のマークMK1のX軸方向の中心がセンサSN1aと対向している状態に相当する。
図4の特性線L1a,L1b,L1cの各々は、例えば、センサSN1aがマークMK1を検出するように、図3のペーパー2が−X方向へ搬送された場合において、センサSN1aにより測定される濃度の特性を示す。
なお、センサSN1aについては、当該センサSN1aの製造ばらつき等により、例えば、黒の濃度に対する、センサSN1aの感度等がばらつく。また、熱転写型プリンタ100の組立の精度のばらつき等により、センサSN1aの取付け位置がばらつく。そのため、センサSN1aの濃度の測定値がばらつく。したがって、センサSN1aにより測定される濃度の特性は、例えば、特性線L1a,L1b,L1c等のように、ばらつく。
なお、特性線L1a,L1b,L1cのいずれにおいても、濃度が最大となる箇所が存在するため、センサSN1aは、所定のしきい値等を利用して、マークMK1を検出することが可能である。
(特徴的な処理)
次に、マークMK1を利用して、ペーパー2の搬送を制御する処理(以下、「搬送制御処理」ともいう)について説明する。図5は、搬送制御処理のフローチャートである。
ここで、以下の前提A1を考慮する。前提A1では、センサSN1aは、一例として、図3の領域R1xに存在する。前述したように、領域R1xは、平面視(XY面)において、ペーパー2に対するセンサSN1aの相対位置を示す領域である。また、前提A1では、印画開始位置Lp1は、図3の画像形成領域R1c(n)の右端である。
次に、前提A1における搬送制御処理について説明する。なお、前提A1における搬送制御処理が行われる際の転写対象面は、表面2aおよび裏面2bのいずれであってもよい。搬送制御処理では、まず、ステップS110の処理が行われる。
ステップS110では、搬送処理Pが実行される。搬送処理Pは、他の処理とは独立して行われる。搬送処理Pでは、ペーパー2が−X方向へ搬送される処理が開始される。具体的には、搬送部5が、ペーパー2の搬送を開始するように、CPU22が、機械制御部26を介して、モータ27を制御する。モータ27は、当該制御に従って、グリップローラー5bの回転を開始させる。
なお、搬送処理Pが行われている期間にわたって、マークMK1は−X方向へ移動する。これにより、前提A1では、図3のマークMK1のY軸方向の中央部が、領域R1xに向かって移動する。マークMK1のY軸方向の中央部が、領域R1xを通過している途中で、センサSN1aは、マークMK1を検出する。前述したように、センサSN1aは、マークMK1を検出した場合、検出信号SgMを、CPU22へ送信する。なお、搬送処理Pが終了するまで、ペーパー2の搬送は継続される。
ステップS120では、センサSN1aがマークMK1を検出したか否かが判定される。具体的には、CPU22が、センサSN1aから検出信号SgMを受信したか否かを判定する。ステップS120においてYESならば処理はステップS130へ移行する。一方、ステップS120においてNOならば、再度、ステップS120の処理が行われる。
なお、搬送処理Pと、ステップS120の処理とは、並列的に行われる。センサSN1aがマークMK1を検出した場合、処理はステップS130へ移行する。
ステップS130では、CPU22が、搬送処理Pを終了させる。具体的には、CPU22は、搬送部5がペーパー2の搬送を停止するように、機械制御部26を介して、モータ27を制御する。モータ27は、当該制御に従って、グリップローラー5bの回転を停止させる。
ステップS140では、頭出し処理が行われる。頭出し処理は、ペーパー2における、マークMK1が検出された位置を基準に、転写材料(染料、OP材料)を転写するための位置の頭だしを行う処理である。言い換えれば、頭出し処理では、センサSN1aにより検出されたマークMK1の位置を基準として、各色染料が転写される位置のずれが生じないように、ペーパー2が搬送される。
頭出し処理では、搬送部5が、ペーパー2における印画開始位置Lp1が転写位置LC1となるように、ペーパー2を搬送する。具体的には、印画開始位置Lp1が転写位置LC1となるために、搬送部5がペーパー2を搬送するように、CPU22が、機械制御部26を介して、モータ27を制御する。なお、前提A1では、前述したように、印画開始位置Lp1は、図3の画像形成領域R1c(n)の右端である。また、転写位置LC1は、前述したように、ペーパー2に染料(色染料)またはOP材料の転写が行われる位置である。
上記のステップS120,S130,S140が行われることにより、搬送部5は、センサSN1aによるマークMK1の検出に基づいて、ペーパー2における印画開始位置Lp1が転写位置LC1となるように、ペーパー2を搬送する。
以下においては、サーマルヘッド11とプラテンローラー4とによる、ペーパー2およびインクシート8を挟む力を、「挟持力PS」ともいう。なお、本実施の形態では、ペーパー2が搬送される場合、ペーパー2を確実に搬送しつつ、かつ、ペーパー2にローラー等の痕がつかないように、挟持力PSはなるべく小さい力に設定される。すなわち、インクシート8がペーパー2に押圧される力が小さい力に設定される。
ステップS150では、転写処理が行われる。転写処理では、転写材料を、画像形成領域R1cに転写するための処理が行われる。当該転写材料は、色染料またはOP材料である。具体的には、ペーパー2がX方向へ搬送されており、かつ、インクシート8が搬送されている状態で、サーマルヘッド11が転写材料を加熱することにより、画像形成領域R1cに転写材料が転写される。なお、転写処理が行われた後、搬送部5は、ペーパー2を所定の距離だけ戻すための戻し処理(スイングバック)を行う。
以上の搬送制御処理が、Y染料、M染料、C染料およびOP材料の各々に対し行われる。これにより、Y染料、M染料、C染料およびOP材料の各々の転写が開始される位置を、印画開始位置Lp1にすることができる。その結果、色ずれの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ペーパー2のうち画像形成領域R1c(n)と画像形成領域R1c(n+1)との間には、マークMK1が設けられる。マークMK1は、ペーパー2に対し染料の転写を開始するための、当該ペーパー2内の位置である印画開始位置Lp1を特定するためのマークである。搬送部5は、センサSN1aによるマークMK1の検出に基づいて、ペーパー2における印画開始位置Lp1が、染料の転写が行われる位置である転写位置LC1となるように、当該ペーパー2を搬送する。
これにより、ペーパー2の両面に画像を形成する構成において、ペーパー2を搬送する構造に頼ることなく、染料を転写するための位置を制御することができる。
また、本実施の形態によれば、搬送部5は、センサSN1aによるマークMK1の検出に基づいて、ペーパー2における印画開始位置Lp1が転写位置LC1となるように、ペーパー2を搬送する。これにより、戻し処理(スイングバック)により、ペーパー2の搬送量に誤差が生じた場合でも、当該誤差を補正して、各転写材料を、ペーパー2の同一の位置から転写することができる。
また、本実施の形態によれば、センサSN1aにより検出されたマークMK1の位置を基準として、各色染料が転写される位置のずれが生じないように、ペーパー2が搬送される。また、前述したように、ペーパー2が搬送される場合、挟持力P1および挟持力PSは、ペーパー2にローラー等の痕がつかないように、なるべく小さい力に設定される。なお、挟持力PSが小さい力に設定されることにより、インクシート8がペーパー2に押圧される力が小さくなる。以上により、色ずれがなく、かつ、印刷の品質の低下が抑制された印刷物を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、前述のように、ペーパー2を搬送する構造に頼ることなく、染料を転写するための位置を制御することができる。そのため、本実施の形態では、図4を用いて説明したように、センサSN1aの感度のばらつき、センサSN1aの取付け位置のばらつき等の影響を受けることなく、安定して、染料を転写するための位置を制御することができる。
なお、マークMK1はペーパー2に予め設けられていなく、染料の転写の際に、マークMK1がペーパー2に転写される構成(以下、「変形構成Mx」ともいう)としてもよい。
変形構成Mxでは、まず、マーク転写処理が行われる。マーク転写処理では、マークMK1を、隣り合う2つの画像形成領域R1cの間の余白領域に転写するための処理が行われる。隣り合う2つの画像形成領域R1cは、例えば、図3の画像形成領域R1c(n)および画像形成領域R1c(n+1)である。
具体的には、マーク転写処理では、ペーパー2のY染料のXY面の位置が、図3の余白領域を覆う位置に存在する状態で、サーマルヘッド11がY染料を加熱することにより、ペーパー2の余白領域にマークMK1が転写される。これにより、ペーパー2の余白領域に転写された当該マークMK1はY染料で構成される。
次に、変形構成Mxでは、Y染料転写処理が行われる。Y染料転写処理では、Y染料を、画像形成領域R1cに転写するための処理が行われる。その後、搬送部5は、ペーパー2を所定の距離だけ戻すための戻し処理(スイングバック)を行う。
次に、変形構成Mxでは、M染料、C染料およびOP材料の各々に対し、前述の搬送制御処理が行われる。これにより、変形構成Mxにおいても、色ずれの発生を抑制することができる。
なお、従来の一般的な熱転写型プリンタ(以下、「プリンタJ」ともいう)では、グリップローラーとピンチローラーとの間にペーパーを挟む。そして、プリンタJは、グリップローラーの回転により、ペーパーを搬送しながら、インクシートをサーマルヘッドで加熱する。これにより、インクシートの染料がペーパーに転写される。また、プリンタJは、Y染料、M染料およびC染料の各々を、ペーパーの同一領域に転写することにより、カラー印刷を実現する。
なお、プリンタJは、色染料であるY染料、M染料およびC染料の各々を転写する毎に、同一の位置までペーパーを所定の距離だけ戻すための戻し処理(スイングバック)を行う。そのため、各色染料の転写後の戻し処理によるペーパーの搬送距離に差異が発生すると色ずれが発生する。
この色ずれを抑制するために、突起を有するグリップローラーを使用して、ペーパーを搬送する方法(以下、「搬送方法J」ともいう)が考えられる。しかしながら、ペーパーの両面に印画を行う構成において搬送方法Jを行うと、グリップローラーの突起により、既に染料が転写されている、ペーパーの表面に突起痕がついてしまう。すなわち、ペーパーの表面に凹凸が生じる。
したがって、搬送方法Jでは、ペーパーの裏面に対し印刷を行う際、既にペーパーの表面に凹凸が存在するため、インクシートとペーパーとが密着せず、予期した印刷濃度を得ることができない。そのため、搬送方法Jには、十分な印刷性能が得られず、印刷品質が非常に低いという問題点がある。すなわち、搬送方法Jは、戻し処理(スイングバック)を行う際の色ずれ対策としては適さない。
また、前述の関連技術Aも、搬送方法Jと同様、ペーパー(記録媒体)の両面に印画を行う構成において、ペーパーの印画対象面と反対の面(裏面)に突起を食い込ませることにより、ペーパーを搬送する。そのため、ペーパーの裏面に突起痕(グリップ痕)がつく。ペーパーのうち、突起痕が存在する領域には、インクシートの染料が付着しにくくなる。したがって、関連技術Aには、ペーパーに染料が十分に転写されず、印刷の濃度の低下が発生するという問題点がある。
また、関連技術Aでは、ペーパーの裏面に対して印刷を行う際、既に染料が転写されている、ペーパーの表面に対し突起痕をつけることとなる。そのため、関連技術Aでは、突起痕が存在する領域における印刷の濃度を補正したとしても、印刷品質の低下を抑制できないという問題点がある。
そこで、本実施の形態の熱転写型プリンタ100は上記のように構成されるため、上記の問題点を解決することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態では、ペーパーロール2rの巻き径を利用した構成(以下、「変形構成A」ともいう)について説明する。以下においては、変形構成Aを適用した熱転写型プリンタを、「熱転写型プリンタ100A」ともいう。
(構成)
図6は、本発明の実施の形態2に係る熱転写型プリンタ100Aのうち印画を行うための機械構成を主に示す図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る熱転写型プリンタ100Aの構成を示すブロック図である。
図6および図7を参照して、熱転写型プリンタ100Aは、図1および図2の熱転写型プリンタ100と比較して、移動制御部12および測定部13をさらに備える点が異なる。熱転写型プリンタ100Aのそれ以外の構成は、熱転写型プリンタ100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
CPU22は、機械制御部26を介して、移動制御部12を制御する。移動制御部12は、機械制御部26(CPU22)の制御に従って、グリップローラー5bを移動させるための構成を有する。移動制御部12は、例えば、カム12aと、棒状部材12bとから構成される。カム12aは、回転自在に構成される。棒状部材12bの一方の端部は、カム12aと接触する。棒状部材12bの他方の端部は、グリップローラー5bに接続される。棒状部材12bは、カム12aの回転に伴い、グリップローラー5bを移動させるように、構成される。
なお、移動制御部12の構成は、カムを用いた上記の構成に限定されず、グリップローラー5bを移動させるための他の構成であってもよい。
以下においては、コア部材2xに設けられるペーパーロール2rの厚みを、「巻き径d1」ともいう。巻き径d1は、図6に示すように、ペーパー2の一部がコア部材2xに巻かれることにより構成されるペーパーロール2rの厚みである。巻き径d1は、ペーパー2が搬送されることにより変化する。前述したように、ペーパーロール2rは、回転自在なように構成される。以下においては、単位時間当たりにおける、ペーパーロール2rの回転数を、「回転数Rn」ともいう。当該単位時間は、例えば、1秒である。
測定部13は、回転数Rnを測定可能なように構成される。測定部13は、例えば、ペーパーロール2rの回転に伴い回転するコア部材2xに設けられたマークを検出することにより、回転数Rnを測定する。測定部13は、回転数Rnを測定する毎に、当該回転数Rnを、CPU22へ送信する。
(特徴的な処理)
次に、熱転写型プリンタ100Aが行う特徴的な処理(以下、「挟持力制御処理」ともいう)について説明する。なお、熱転写型プリンタ100Aは、実施の形態1と同様、搬送制御処理も行う。
挟持力制御処理では、詳細は後述するが、機械制御部26(CPU22)の制御に従って、移動制御部12が、最新の巻き径d1に基づいて、グリップローラー5bを移動させることにより、挟持力P1を制御する。挟持力P1は、前述したように、ピンチローラー5aおよびグリップローラー5bによるペーパー2を挟む力である。
上記の最新の巻き径d1は、CPU22により、常に把握されている。最新の巻き径d1は、以下の巻き径特定処理により特定される。巻き径特定処理は、所定時間(例えば、1秒〜10秒の範囲)毎に、他の処理とは独立して、繰り返し行われる。
巻き径特定処理では、例えば、CPU22が、搬送部5によるペーパー2の搬送量と、測定部13が測定した最新の回転数Rnとから、巻き径d1を算出する。なお、巻き径d1の算出方法は、一般的な数式を用いた方法であるので詳細な説明は行わない。これにより、CPU22は、算出した巻き径d1を、最新の巻き径d1として特定する。
なお、巻き径d1は、上記の演算により特定される代わりに、例えば、測定部13が、直接、特定する構成(以下、「変形構成As1」ともいう)としてもよい。変形構成As1では、測定部13が直接巻き径d1を測定可能なように、当該測定部13は構成される。例えば、測定部13は、光を利用して、直接、巻き径d1を測定可能なように構成される。
変形構成As1を適用した巻き径特定処理では、測定部13が、巻き径d1を測定する。そして、測定部13は、測定した巻き径d1を、CPU22へ送信する。これにより、CPU22は、受信した巻き径d1を、最新の巻き径d1として特定する。
挟持力制御処理では、機械制御部26(CPU22)の制御に従って、移動制御部12が、上記の巻き径特定処理、または、変形構成As1を適用した巻き径特定処理により特定された最新の巻き径d1に基づいて、グリップローラー5bを移動させることにより、挟持力P1を制御する。
巻き径d1が小さい程、搬送部5がペーパー2を搬送するために必要な力(以下、「搬送力」ともいう)は小さくてよい。すなわち、巻き径d1が小さい程、挟持力P1は小さくてもよい。
そのため、挟持力制御処理では、例えば、巻き径d1が所定の閾値Th1より小さい場合、搬送力を小さくするために、CPU22が、挟持力P1が小さくなるように、機械制御部26を介して、移動制御部12を制御する。具体的には、移動制御部12が、CPU22(機械制御部26)の制御に従って、グリップローラー5bをピンチローラー5aから少しだけ離れるように、当該グリップローラー5bを移動させる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、移動制御部12が、最新の巻き径d1に基づいて、グリップローラー5bを移動させることにより、挟持力P1を制御する。そのため、例えば、巻き径d1が所定の閾値Th1より小さい場合、挟持力P1が小さくなるように、グリップローラー5bは移動する。そのため、突起を有するグリップローラーを、グリップローラー5bとして使用しても、ペーパー2に突起痕をつきにくくすることができる。
なお、本実施の形態に前述の変形構成Mxを適用してもよい。変形構成Mxを適用した熱転写型プリンタ100Aは、前述の変形構成Mxで説明した処理を行う。これにより、変形構成Mxを適用した本実施の形態においても、色ずれの発生を抑制することができる。
<実施の形態3>
本実施の形態では、ペーパー2の表面2aおよび裏面2bの各々において、同じ領域に色染料を転写する構成(以下、「変形構成B」ともいう)について説明する。以下においては、変形構成Bを適用した熱転写型プリンタを、「熱転写型プリンタ100B」ともいう。変形構成Bでは、一例として、マークMK1は、ペーパー2の表面2aおよび裏面2bの両方に設けられる。
(構成)
図8は、本発明の実施の形態3に係る熱転写型プリンタ100Bのうち印画を行うための機械構成を主に示す図である。図9は、本発明の実施の形態3に係る熱転写型プリンタ100Bの構成を示すブロック図である。
図8および図9を参照して、熱転写型プリンタ100Bは、図1および図2の熱転写型プリンタ100と比較して、センサSN1bをさらに備える点が異なる。熱転写型プリンタ100Bのそれ以外の構成は、熱転写型プリンタ100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
センサSN1bは、センサSN1aと同じ機能を有するセンサである。すなわち、センサSN1bは、ペーパー2に設けられたマークMK1を検出する機能を有する。センサSN1bは、図8のように、センサSN1aと対向するように設けられる。具体的には、センサSN1bは、ペーパー2の裏面2bに設けられたマークMK1を検出可能なように設けられる。なお、センサSN1bは、センサSN1aと同様、マークMK1を検出した場合、検出信号SgMを、CPU22へ送信する。
(特徴的な処理)
次に、熱転写型プリンタ100Bが行う特徴的な処理(以下、「両面印画処理B」ともいう)について説明する。両面印画処理Bでは、詳細は後述するが、一例として、ペーパー2の表面2aの画像形成領域R1c(n)と、ペーパー2の裏面2bの画像形成領域R1c(n)とに画像が形成される。なお、表面2aの画像形成領域R1c(n)の位置と、裏面2bの画像形成領域R1c(n)の位置とは、平面視(XY面)において同じ位置である。
両面印画処理Bでは、まず、転写対象面が表面2aである状態、すなわち、ペーパーロール2rの位置が表面用位置Laである状態において、実施の形態1と同様、図5の搬送制御処理が行われる。その結果、画像形成領域R1c(n)に各色染料が転写されることにより、表面2aの当該画像形成領域R1c(n)に画像が形成される。
次に、転写対象面が裏面2bに設定される。具体的には、ペーパー反転機構20が、ペーパーロール2rの位置を表面用位置Laから裏面用位置Lbに変更する動作を行う。
次に、搬送制御処理Bが行われる。搬送制御処理Bは、転写対象面が裏面2bである場合に行われる処理である。図10は、搬送制御処理Bのフローチャートである。
図10を参照して、搬送制御処理Bは、図5の搬送制御処理と比較して、ステップS120の代わりにステップS120Bが行われる点が異なる。搬送制御処理Bのそれ以外の処理は、搬送制御処理と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
ここで、以下の前提B1を考慮する。前提B1では、センサSN1bは、一例として、図3の領域R1xに存在する。領域R1xは、平面視(XY面)において、ペーパー2に対するセンサSN1bの相対位置を示す領域である。また、前提B1では、印画開始位置Lp1は、図3の画像形成領域R1c(n)の右端である。
次に、前提B1における搬送制御処理Bについて説明する。なお、前提B1における搬送制御処理Bが行われる際の転写対象面は、裏面2bである。搬送制御処理Bでは、まず、ステップS110の処理が行われる。
ステップS110では、実施の形態1と同様、搬送処理Pが実行される。搬送処理Pでは、ペーパー2が−X方向へ搬送される処理が開始される。
なお、搬送処理Pが行われている期間にわたって、マークMK1は−X方向へ移動する。これにより、前提B1では、図3のマークMK1のY軸方向の中央部が、領域R1xに向かって移動する。マークMK1のY軸方向の中央部が、領域R1xを通過している途中で、センサSN1bは、ペーパー2の裏面2bに設けられたマークMK1を検出する。前述したように、センサSN1bは、マークMK1を検出した場合、検出信号SgMを、CPU22へ送信する。なお、搬送処理Pが終了するまで、ペーパー2の搬送は継続される。
ステップS120Bでは、センサSN1bが裏面2bに設けられたマークMK1を検出したか否かが判定される。具体的には、CPU22が、センサSN1bから検出信号SgMを受信したか否かを判定する。ステップS120BにおいてYESならば処理はステップS130へ移行する。一方、ステップS120BにおいてNOならば、再度、ステップS120Bの処理が行われる。
なお、搬送処理Pと、ステップS120Bの処理とは、並列的に行われる。センサSN1bがマークMK1を検出した場合、処理はステップS130へ移行する。
ステップS130では、実施の形態1と同様、CPU22が、搬送処理Pを終了させる。具体的には、CPU22は、搬送部5がペーパー2の搬送を停止するように、機械制御部26を介して、モータ27を制御する。
ステップS140では、実施の形態1と同様に、頭出し処理が行われる。頭出し処理により、センサSN1bにより検出されたマークMK1の位置を基準として、各色染料が転写される位置のずれが生じないように、ペーパー2が搬送される。
上記のステップS120B,S130,S140が行われることにより、搬送部5は、センサSN1bによるマークMK1の検出に基づいて、ペーパー2における印画開始位置Lp1が転写位置LC1となるように、ペーパー2を搬送する。
ステップS150では、実施の形態1と同様に、転写処理が行われる。
以上の搬送制御処理Bが、Y染料、M染料、C染料およびOP材料の各々に対し行われる。その結果、裏面2bの画像形成領域R1c(n)に各色染料が転写されることにより、当該裏面2bの画像形成領域R1c(n)に画像が形成される。以上により、両面印画処理Bは終了する。
なお、ペーパー2の表面2aのうち、画像が形成された画像形成領域R1c(n)は、両面印画処理Bの搬送制御処理により、各染料(色染料)が転写された領域である。また、ペーパー2の裏面2bのうち、画像が形成された画像形成領域R1c(n)は、両面印画処理Bの搬送制御処理Bにより、各染料(色染料)が転写された領域である。前述したように、表面2aの画像形成領域R1c(n)の位置と、裏面2bの画像形成領域R1c(n)の位置とは、平面視(XY面)において同じ位置である。
したがって、両面印画処理Bでは、搬送部5が、表面2aのうち染料が転写される画像形成領域R1c(n)の位置と、裏面2bのうち染料が転写される画像形成領域R1c(n)の位置とが、平面視(XY面)において同じ位置となるように、ペーパー2を搬送する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、搬送部5が、表面2aのうち染料が転写される画像形成領域R1c(n)の位置と、裏面2bのうち染料が転写される画像形成領域R1c(n)の位置とが、平面視(XY面)において同じ位置となるように、ペーパー2を搬送する。これにより、ペーパー2の表面2aおよび裏面2bの各々において、同じ領域に画像を形成することができる。
なお、本実施の形態の両面印画処理Bに前述の変形構成Mxを適用してもよい。変形構成Mxを適用した両面印画処理Bでは、まず、前述の変形構成Mxと同様にマーク転写処理およびY染料転写処理が行われる。次に、M染料、C染料およびOP材料の各々に対し、前述の搬送制御処理が行われる。次に、転写対象面が裏面2bに設定される。
次に、M染料、C染料およびOP材料の各々に対し、前述の搬送制御処理Bが行われる。これにより、変形構成Mxを適用した両面印画処理Bにおいても、色ずれの発生を抑制することができる。
(その他の変形例)
以上、本発明に係る熱転写型プリンタについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を本実施の形態に施したものも、本発明に含まれる。つまり、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
また、熱転写型プリンタ100,100A,100Bは、図2、図7、図9等に示される全ての構成要素を含まなくてもよい。すなわち、熱転写型プリンタ100,100A,100Bは、本発明の効果を実現できる最小限の構成要素のみを含めばよい。例えば、熱転写型プリンタ100,100A,100Bの各々は、加熱制御部25および機械制御部26を備えない構成としてもよい。当該構成では、CPU22が、加熱制御部25および機械制御部26が行う処理もさらに行う。
なお、熱転写型プリンタ100,100A,100Bの各々に含まれる各構成要素の全てまたは一部を、ハードウエアで示した構成は、例えば、以下のようになる。以下においては、熱転写型プリンタ100,100A,100Bの各々に含まれる各構成要素の全てまたは一部を、ハードウエアで示した熱転写型プリンタを、「熱転写型プリンタhd10」ともいう。
図11は、熱転写型プリンタhd10のハードウエア構成図である。図11を参照して、熱転写型プリンタhd10は、プロセッサhd1と、メモリhd2と、センサhd3と、搬送機構hd4とを備える。
図2、図7および図9のCPU22は、プロセッサhd1の一部または全てである。また、図2、図7および図9の不揮発メモリ24は、メモリhd2である。また、図2、図7および図9のセンサSN1aは、センサhd3である。また、センサSN1aと、図8および図9のセンサSN1bとにより、センサhd3が構成されてもよい。
図2、図7および図9の加熱制御部25は、プロセッサhd1がメモリhd2等に記憶されたソフトウェアのプログラムに従って各種処理を行うことにより実現される。また、図2、図7および図9の機械制御部26は、プロセッサhd1がメモリhd2等に記憶されたソフトウェアのプログラムに従って各種処理を行うことにより実現される。すなわち、図2、図7および図9の加熱制御部25および機械制御部26の各々は、プロセッサhd1が、メモリhd2等に記憶されたプログラムを実行することにより、当該プロセッサhd1の機能として実現される。なお、当該各機能は、例えば、複数のプロセッサhd1が連携して各種処理を行うことにより実現されてもよい。
なお、加熱制御部25および機械制御部26の全てまたは一部は、上記の各種処理を行う、ハードウエアの電気回路で構成される信号処理回路で構成されてもよい。また、ソフトウェアで実現される加熱制御部25および機械制御部26と、ハードウエアの加熱制御部25および機械制御部26とを合わせた概念を考慮して、加熱制御部25および機械制御部26における用語「部」を、用語「処理回路」に置き換えてもよい。
また、本発明は、熱転写型プリンタ100,100A,100Bの各々が備える特徴的な構成部の動作をステップとする搬送制御方法として実現してもよい。また、本発明は、そのような搬送制御方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
また、本発明に係る搬送制御方法は、図5または図10の処理の一部または全てに相当する。本発明に係る搬送制御方法は、図5または図10における、対応する全てのステップを必ずしも含む必要はない。すなわち、本発明に係る搬送制御方法は、本発明の効果を実現できる最小限のステップのみを含めばよい。
また、搬送制御方法における各ステップの実行される順序は、本発明を具体的に説明するための一例であり、上記以外の順序であってもよい。また、搬送制御方法におけるステップの一部と、他のステップとは、互いに独立して並列に実行されてもよい。
上記実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば、センサSN1aまたはセンサSN1bは、マーク(マークMK1)を検出するために、光を使用したがこれに限定されない。センサSN1aまたはセンサSN1bは、例えば、撮影を行う機能を有し、当該撮影に得られた画像を使用した、当該画像の認識処理により、マークを検出してもよい。
また、例えば、実施の形態3の変形構成Bを、実施の形態2の変形構成Aに適用した構成(以下、「変形構成Ab」ともいう)としてもよい。変形構成Abは、図6および図7の熱転写型プリンタ100Aに、変形構成BのセンサSN1bをさらに追加した構成である。以下においては、変形構成Abが適用された熱転写型プリンタ100Aを、「熱転写型プリンタPAb」ともいう。
熱転写型プリンタPAbにおいて、センサSN1bは、図8と同様な位置に設けられる。すなわち、熱転写型プリンタPAbは、図6の移動制御部12および測定部13に加え、センサSN1bをさらに備える。変形構成Abにおける熱転写型プリンタPAbは、実施の形態2の挟持力制御処理と、実施の形態3の両面印画処理Bとを行う。
なお、熱転写型プリンタPAbは、実施の形態2の挟持力制御処理と、変形構成Mxを適用した両面印画処理Bとを行ってもよい。