JP2016132103A - 基板用積層体、基板、基板の製造方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

基板用積層体、基板、基板の製造方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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理恵子 藤代
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Abstract

【課題】 ガラス基材とポリイミド層との界面において、乾式でガラス基材とポリイミド層とを効率よく剥離することが可能な基板用積層体を提供すること。【解決手段】 ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層と、を備えることを特徴とする基板用積層体。【選択図】 なし

Description

本発明は、基板用積層体、基板、基板の製造方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、表示装置の分野等において、衝撃や落下によってディスプレイ等に利用したガラスからなる基板が割れるといった問題から、ガラスのように光透過性が高くかつ十分に高度な耐熱性を有するとともに、軽くて柔軟な素材からなる基板の出現が求められてきた。そして、このようなガラス代替用途等に用いられる素材として、高度な耐熱性を有し、かつ、軽くて柔軟なポリイミドが着目されている。
このようなポリイミドとしては、例えば、芳香族ポリイミド(例えば、DuPont社製の商品名「カプトン」)が知られている。しかしながら、このような芳香族ポリイミドは、十分な柔軟性と高度な耐熱性とを有するものではあるものの、褐色を呈し、光透過性が必要とされるガラス代替用途や光学用途等に使用できるものではなかった。
このような状況の下、近年では、ガラス代替用途等に使用可能な十分な光透過性を有する脂環式ポリイミドの開発が進められてきた。例えば、国際公開第2011/099518号(特許文献1)においては、特定の一般式で記載される繰り返し単位を有するポリイミドが開示されている。このような特許文献1に記載のようなポリイミドは、十分な光透過性と高度な耐熱性とを有するものであった。
国際公開第2011/099518号
しかしながら、このような特許文献1に記載のポリイミドを含む、従来のポリイミドは、そのポリイミドのフィルムを単独で基板として利用するためには、先ず、ガラス基材上にポリイミドの膜(フィルム)を形成した後に、そのポリイミドフィルムを前記ガラス基材から剥離して、ポリイミドフィルムとする必要があった。一方、このようなポリイミドフィルムを前記ガラス基材から剥離する工程は、基本的にポリイミドとガラス基材との密着性が高いため、高温の水に浸す等の条件下で(いわゆるウエットプロセスで)実施する必要があり、高温の水等を利用することなく、乾式で剥離(いわゆるドライプロセスでの剥離)を試みると、ポリイミドフィルムの一部がガラス基材上に残り、欠けや破れ等が生じ、ポリイミドフィルムを前記ガラス基材から効率よく剥離することができなかった。
そのため、従来のポリイミドからなるフィルムとガラス基材との積層体を製造した場合、乾式でガラス基材からポリイミドからなるフィルムを剥離することが困難であった。このような理由から、例えば、前記積層体のポリイミドのフィルムの表面上に水分に弱い素子(例えば有機EL素子)等を積層した後に、その素子に対して水分の影響を与えることなくガラス基材を剥離することが困難であった。
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ガラス基材とポリイミド層との界面において、乾式でガラス基材とポリイミド層とを効率よく剥離することが可能な基板用積層体、それを用いて得られる基板、及び、その基板の製造方法、前記基板用積層体を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ガラス基材と、前記ガラス基材上に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層とを含むことにより、得られる基板用積層体が、ガラス基材とポリイミド層(第一のポリイミド層)との界面において、乾式でガラス基材とポリイミド層とを効率よく剥離することが可能なものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の基板用積層体は、ガラス基材と、
前記ガラス基材上に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、
該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層と、
を備えることを特徴とするものである。
上記本発明の基板用積層体においては、前記ポリイミド(A)の前記平均線膨張係数が3〜20ppm/Kであることが好ましい。また、上記本発明の基板用積層体においては、前記ポリイミド(B)の前記平均線膨張係数が40〜80ppm/Kであることが好ましい。
なお、上述のように、本発明の基板用積層体は、ガラス基材と、第一のポリイミド層(第二のポリイミド層よりも低い平均線膨張係数を有するポリイミド層)と、第二のポリイミド層(第一のポリイミド層よりも高い平均線膨張係数を有するポリイミド層)とを、ガラス基材、第一のポリイミド層、第二のポリイミド層の順で積層したものである。このような構成により、ガラス基材と、ポリイミド層(第一のポリイミド層)との界面において、ガラス基材とポリイミド層とを乾式で効率よく剥離することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、第一のポリイミド層と第二のポリイミド層との平均線膨張係数の違いにより、加熱冷却時に、第一のポリイミド層と第二のポリイミド層の膨張、収縮率に差が生じるため、ガラス基材と第一のポリイミド層の接触界面に歪みや伸び縮みが生じ、密着性が低下する。そのため、加熱後、冷却すると、第一のポリイミド層がガラス基材から剥がれやすい状態となる。一方で、第一のポリイミド層と第二のポリイミド層との層間は、ガラスと第一のポリイミド層の相互作用(接着力)よりも大きいため、十分な密着性を有する。そのため、高温の水を利用することなく、加熱冷却のみでガラスと第一のポリイミド層の剥離が可能となる。従って、本発明においては、ガラス基材とポリイミド層とを、その界面において、乾式で効率よく剥離することが可能となるものと本発明者らは推察する。
本発明の基板は、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、
該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層との積層物からなることを特徴とするものである。
上記本発明の基板は、上記本発明の基板用積層体を用いて得られるものであることが好ましい。
また、本発明の基板の製造方法は、上記本発明の基板用積層体を用いて、前記ガラス基材から前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物を乾式で剥離して、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物からなる基板を得ることを特徴とする方法である。
さらに、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記本発明の基板用積層体を用いて得られる基板を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、ガラス基材とポリイミド層との界面において、乾式でガラス基材とポリイミド層とを効率よく剥離することが可能な基板用積層体、それを用いて得られる基板、及び、その基板の製造方法、前記基板用積層体を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することが可能となる。
第一のポリイミド層と第二のポリイミド層の積層状態を模式的に示す概略上面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の好適な一実施形態を示す概略縦断面図である。 実施例1で形成された第一のポリイミド層の反射型IRスペクトルのグラフである。 実施例1で形成された第二のポリイミド層の反射型IRスペクトルのグラフである。 比較例1で得られた基板用積層体(IV)から剥離したポリイミドフィルムの反射型IRスペクトルのグラフである。 比較例2で得られた基板用積層体(V)から剥離したポリイミドフィルムの反射型IRスペクトルのグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[基板用積層体]
本発明の基板用積層体は、ガラス基材と、
前記ガラス基材上に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、
該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層と、
を備えることを特徴とするものである。以下、ガラス基材、第一及び第二のポリイミド層を分けて説明する。
(ガラス基材)
このようなガラス基材としては、特に制限されず、ポリイミド層を積層することが可能な公知のガラス基材(ガラス板等)を適宜利用することができる。また、このようなガラス基材の厚みとしては特に制限されないが、0.001mm〜5.0mmの範囲であることが好ましく、0.1mm〜2.0mmの範囲であることがより好ましい。このような厚みが前記下限未満では薄すぎて割れやすく、取り扱いが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると重厚で取り扱いが困難になるとともに熱履歴で割れが生じやすくなる傾向にある。また、このようなガラス基材としては、市販のガラス板等、市販品を適宜利用してもよい。
(第一のポリイミド層)
第一のポリイミド層は、前記ガラス基材上に積層される層であり、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる層である。
このような50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)としては、透明性の観点から、脂環式のポリイミドであることが好ましく、中でも、耐熱性や線膨張係数の制御の観点からは、下記一般式(1):
[式(1)中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基及びフッ素原子よりなる群から選択される1種を示し、R10は炭素数6〜40のアリール基を示し、nは0〜12の整数を示す。]
で表される繰り返し単位を有する脂環式のポリイミドのうちの平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミドがより好ましい。
このような一般式(1)中のR、R、Rとして選択され得るアルキル基は、炭素数が1〜10のアルキル基である。このような炭素数が10を超えるとガラス転移温度が低下し十分に高度な耐熱性が達成できなくなる。また、このようなR、R、Rとして選択され得るアルキル基の炭素数としては、精製がより容易となるという観点から、1〜6であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。また、このようなR、R、Rとして選択され得るアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。更に、このようなアルキル基としては精製の容易さの観点から、メチル基、エチル基がより好ましい。
前記一般式(1)中のR、R、Rとしては、ポリイミドを製造した際に、より高度な耐熱性が得られるという観点から、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、中でも、原料の入手が容易であることや精製がより容易であるという観点から、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。また、このような式中の複数のR、R、Rは精製の容易さ等の観点から、同一のものであることが特に好ましい。
また、前記一般式(1)中のR10として選択され得る基は、炭素数が6〜40のアリール基である。また、このような炭素数としては6〜30であることが好ましく、12〜20であることがより好ましい。このような炭素数が前記上限を超えると耐熱性が低下する傾向にある。
さらに、前記一般式(1)中のR10としては、前記平均線膨張係数をより効率よく0〜30ppm/Kの範囲内の値とするといった観点から、−C−CONH−C−で表される基、−C−CONH−C−CONH−C−で表される基、−C−で表される基、−C−C−で表される基、−C−C−C−で表される基、−C(2−Me)-C3(2−Me)−で表される基(o−トリジン由来)、−C−COO−C−で表される基、−C10−で表される基であることが好ましく、−C−CONH−C−で表される基、−C−で表される基であることがより好ましい。
また、前記一般式(1)中のnは0〜12の整数を示す。このようなnの値が前記上限を超えると、精製が困難になる。また、このような一般式(1)中のnの数値範囲の上限値は、より精製が容易となるといった観点から、5であることがより好ましく、3であることが特に好ましい。また、このような一般式(1)中のnの数値範囲の下限値は、製造時に利用するモノマーの安定性の観点や、モノマーの安定性に由来して、より効率よくポリイミドを製造することが可能であるとの観点、原料入手性の観点、製造容易性や精製容易性の観点、モノマー製造時の副反応や収率の観点等から、1であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。このように、一般式(1)中のnとしては、2〜3の整数であることが特に好ましい。
また、このようなポリイミド(A)が上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する脂環式のポリイミドである場合においては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を主として含有するものが好ましい。また、このようなポリイミド(A)においては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して50〜100モル%(より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは98〜100モル%、最も好ましくは100モル%)であることが好ましい。このような含有量はポリイミドの製造時に利用するモノマーの種類やそれらの比率を適宜変更することで容易に上記範囲とすることができる。
また、このようなポリイミド(A)に用いられる一般式(1)で表される繰り返し単位を有する脂環式のポリイミドとしては、下記一般式(2)及び(3):
[各式中、R、R、R、R10、nは式(1)中のR、R、R、R10、nと同義である(その好適なものも同義である)。]
で表される繰り返し単位の総量が全繰り返し単位に対して90モル%以上(更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは98〜100モル%、最も好ましくは100モル%)である脂環式のポリイミドがより好ましい。なお、上記一般式(2)及び(3)表される繰り返し単位はそれぞれ、一般式(1)で表される繰り返し単位のうちの2種の立体異性体からなる繰り返し単位である。そのため、式(2)及び(3)中のR、R、R、R10、nは式(1)中のR、R、R、R10、nと同義である(その好適なものも同義である)。
また、このような一般式(2)で表される繰り返し単位及び一般式(3)で表される繰り返し単位を含有する場合には、一般式(2)で表される繰り返し単位と一般式(3)で表される繰り返し単位との含有比率がモル比(式(2):式(3))で9:1〜6:4(より好ましくは8:2〜7:3)であることが好ましい。なお、一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を含有する場合には、より効率よくポリイミドを調製できるという観点から、前記一般式(2)及び(3)中のR10以外の置換基の構成は同じであることが好ましい。
また、このようなポリイミド(A)は、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kのものである。このような平均線膨張係数が前記上限を超えると、乾式で効率よく剥離させることが困難となる傾向にある。また、前記平均線膨張係数が、前記下限未満のポリイミド(A)は作成自体が困難であるとともに、ポリイミド(A)を作成できたとしても、ガラス基板から剥離した後のポリイミド(A)の上部(表面上)に何らかの層(例えばバリア層、TFT層、透明導電層など)を形成する場合に、その形成させる層との間で線膨張係数の差が大きくなるため、使用時に剥がれやカールが生じる傾向にある。また、同様の観点から、前記平均線膨張係数としては、3〜20ppm/Kであることがより好ましく、5〜10ppm/Kであることが更に好ましい。なお、このような平均線膨張係数は、例えば、繰り返し単位の種類を適宜変更したり(例えば上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含有する脂環式のポリイミドの場合にはR10の種類を適宜選択したり)、そのポリイミドの分子量やイミド化率等を変更することによっても上記範囲に適宜調整することが可能である。また、このような平均線膨張係数は、例えば、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含有する脂環式のポリイミドの場合には、延伸する等することによっても、その数値範囲を適宜制御することが可能である。
また、本発明において、50℃〜200℃の温度範囲におけるポリイミドの平均線膨張係数は、以下のような方法により求める。すなわち、先ず、測定の対象となるポリイミドに関して、縦:75mm、横50mm、厚み13μmの大きさのポリイミドフィルムを形成し、そのポリイミドフィルムを真空乾燥(120℃で1時間)した後、更に、窒素雰囲気下で200℃で1時間熱処理して、乾燥フィルムを得る。そして、このようにして得られた乾燥フィルムを測定用試料として用い、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8310」)を利用し、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、50℃〜200℃における前記測定用試料の縦方向の長さの変化のデータを測定する。その後、測定された縦方向の長さの変化のデータから、前記測定用試料の50℃〜200℃の温度範囲における1℃あたりの長さの変化の平均値を求め、かかる平均値を50℃〜200℃の温度範囲におけるポリイミドの平均線膨張係数として採用することで、ポリイミドの平均線膨張係数を求める。
さらに、このようなポリイミド(A)としては、5%重量減少温度が400℃以上のものが好ましく、450〜550℃のものがより好ましい。このような5%重量減少温度が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、そのような特性を有するポリイミドを製造することが困難となる傾向にある。なお、このような5%重量減少温度は、窒素ガス雰囲気下、窒素ガスを流しながら室温(25℃)から徐々に加熱して、用いた試料の重量が5%減少する温度を測定することにより求めることができる。
また、このようなポリイミド(A)としては、ガラス転移温度(Tg)が250℃以上のものが好ましく、300〜500℃のものがより好ましい。このようなガラス転移温度(Tg)が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとそのような特性を有するポリイミドを製造することが困難となる傾向にある。なお、このようなガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の商品名「DSC220」)を使用して測定することができる。
また、このようなポリイミドとしては、熱分解温度(Td)が450℃以上のものが好ましく、480〜600℃のものがより好ましい。このような熱分解温度(Td)が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、そのような特性を有するポリイミドを製造することが困難となる傾向にある。なお、このような熱分解温度(Td)は、TG/DTA220熱重量分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を使用して、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/min.の条件で熱分解前後の分解曲線にひいた接線の交点となる温度を測定することにより求めることができる。
さらに、このようなポリイミド(A)の数平均分子量(Mn)としては、ポリスチレン換算で1000〜1000000であることが好ましく、10000〜100000であることがより好ましい。このような数平均分子量が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となるばかりか、フィルム自体を作成することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粘性上昇と溶解性低下により、加工が困難となる傾向にある。
また、このようなポリイミド(A)の重量平均分子量(Mw)としては、ポリスチレン換算で5000〜5000000であることが好ましい。また、このような重量平均分子量(Mw)の数値範囲の下限値としては、10000であることがより好ましく、50000であることが更に好ましく、100000であることが特に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)の数値範囲の上限値としては、5000000であることがより好ましく、1000000であることが更に好ましく、500000であることが特に好ましい。このような重量平均分子量が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となるばかりか、フィルム自体を作成することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると粘性上昇と溶解性低下により、加工が困難となる傾向にある。
さらに、このようなポリイミド(A)の分子量分布(Mw/Mn)は1.1〜5.0であることが好ましく、1.5〜3.0であることがより好ましい。このような分子量分布が前記下限未満では製造することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると均一なフィルムを得にくい傾向にある。なお、このようなポリイミドの分子量(Mw又はMn)や分子量の分布(Mw/Mn)は、測定装置としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel HXLなど)を用い、溶媒としてクロロホルムやテトラヒドロフラン(THF)を用いて測定したデータをポリスチレンで換算して求めることができる。
また、このようなポリイミド(A)としては、フィルムを形成した場合に透明性が十分に高いものであることが好ましく、全光線透過率が80%以上(更に好ましくは85%以上、特に好ましくは87%以上)であるものがより好ましい。このような全光線透過率は、ポリイミドの種類等を適宜選択することにより容易に達成することができる。なお、このような全光線透過率としては、本発明のポリイミドを用いて縦:75mm、横50mm、厚み13μmの大きさのポリイミドフィルムを形成して試料とし、測定装置として、日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」を用いて測定した値を採用することができる。
このようなポリイミド(A)の製造方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、国際公開第2011/099518号、国際公開第2014/034760号に記載の方法)を採用して適宜製造することができる。例えば、ポリイミド(A)として、上記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の総量が全繰り返し単位に対して90モル%以上である脂環式のポリイミドを利用する場合において、ガラス基材上に第一のポリイミド層を積層する方法としては、例えば、下記一般式(4)及び(5):
[式(4)及び(5)中、R、R、R、nは前記一般式(1)中のR、R、R、nと同義である。]
で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物の総量が90モル%以上である脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマーと、下記一般式(6):
[式(6)中、R10は前記一般式(1)中のR10と同義である。]
で表される芳香族ジアミンとを反応させて、ポリアミド酸を形成した後、該ポリアミド酸を含有するポリアミド酸溶液(ポリイミド(A)の製造用のポリアミド酸溶液)を、前記ガラス基材上に塗布し、イミド化せしめて、前記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種を含有し、かつ、前記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の総量が全繰り返し単位に対して90モル%以上であるポリイミド(A)からなる層(第一のポリイミド層)を形成して、ガラス基材上に第一のポリイミド層を積層する方法を採用してもよい。前記脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマーや前記芳香族ジアミン、これらを反応させる方法、イミド化の方法等の具体的な方法は特に制限されず、例えば、国際公開第2014/034760号に記載の方法等を適宜採用すればよい。
なお、上述のようなポリアミド酸を形成する方法を採用する場合、前記ポリアミド酸としては、固有粘度[η]が0.05〜3.0dL/gのものが好ましく、0.1〜2.0dL/gでのものがより好ましい。このような固有粘度[η]が0.05dL/g未満では、これを用いてフィルム状のポリイミドを製造した際に、得られるフィルムが脆くなる傾向にあり、他方、3.0dL/gを超えると、粘度が高すぎて加工性が低下し、例えばフィルムを製造した場合に均一なフィルムを得ることが困難となる。また、このような固有粘度[η]は、以下のようにして測定することができる。すなわち、先ず、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用い、そのN,N−ジメチルアセトアミド中に前記ポリアミド酸を濃度が0.5g/dLとなるようにして溶解させて、測定試料(溶液)を得る。次に、前記測定試料を用いて、30℃の温度条件下において動粘度計(ウベローデ型粘度計)を用いて、前記測定試料の粘度を測定し、求められた値を固有粘度[η]として採用する。なお、このような動粘度計(ウベローデ型粘度計を使用)としては、離合社製の自動粘度測定装置(商品名「VMC−252」)を用いる。
また、このような第一のポリイミド層はガラス基材上に積層されているものである。このような第一のポリイミド層の厚みとしては、特に制限されないが、1〜500μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。このような厚みが前記下限未満では自立膜としては強度が低く破断しやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると製造時に溶剤の乾燥が困難となり気泡、ボイド、白化、斑が発生したり、膜の均一性を保つのが困難となる傾向にある。
また、このような第一のポリイミド層の形状は特に制限されないが、フィルム状であることが好ましい。このような形状とすることで、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子等の透明電極用の基板等に好適に利用することが可能となる。
(第二のポリイミド層)
第二のポリイミド層は、前記第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層される層であり、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる層である。
このような50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)としては、透明性の観点から、脂環式のポリイミドであることが好ましく、中でも、耐熱性、製膜性の観点からは、上記一般式(1)で表される繰り返し単位(更に好ましくは上記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位)を有する脂環式のポリイミドのうちの平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミドがより好ましい。
このようなポリイミド(B)が上記一般式(1)で表される繰り返し単位(更に好ましくは上記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位)を有する脂環式のポリイミドである場合、上記一般式(1)、(2)、(3)中のR、R、R、nは、前記第一のポリイミド層におけるポリイミド(A)に関して説明した、上記一般式(1)、(2)、(3)中のR、R、R、nと同様のものである(その好適なものも同様である。)。また、ポリイミド(B)において、上記一般式(1)、(2)、(3)中のR10は前記第一のポリイミド層におけるポリイミド(A)に関して説明したものと同様のものであるが、前記平均線膨張係数をより効率よく40〜100ppm/Kの範囲内の値とするといった観点からは、−C−O−C−C−O−C−で表される基、−C−O−C−C(CH−C−O−C−で表される基、−C−O−C−で表される基、−C−O−C−O−C−で表される基、−C−O−C−C(CF−C−O−C−で表される基、−C(3−Me)−C(3−Me)−(mトリジン由来)で表される基、−C−O−C−SO−C−O−C−で表される基、−C(3−CF)−C(3−CF)−(mトリジン由来)で表される基、−C−CH−C−で表される基、−C(Me)−で表される基であることが好ましく、−C−O−C−C−O−C−で表される基、−C−O−C−C(CH−C−O−C−で表される基であることがより好ましい。
また、ポリイミド(B)が上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する脂環式のポリイミドである場合、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して50〜100モル%(より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは98〜100モル%、最も好ましくは100モル%)であることが好ましい。このような含有量はポリイミドの製造時に利用するモノマーの種類やそれらの比率を適宜変更することで容易に上記範囲とすることができる。
また、このようなポリイミド(B)としては、上記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の総量が全繰り返し単位に対して90モル%以上(より好ましくは95〜100モル%、更に好ましくは98〜100モル%、特に好ましくは100モル%)である脂環式のポリイミドであることが好ましい。なお、このような一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を含有する場合には、一般式(2)で表される繰り返し単位と一般式(3)で表される繰り返し単位との含有比率がモル比((2):(3))で9:1〜6:4(より好ましくは8:2〜7:3)であることが好ましい。なお、一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位を含有する場合には、より効率よくポリイミドを調製できるという観点から、前記一般式(2)及び(3)中のR10以外の置換基の構成は同じであることが好ましい。
また、このようなポリイミド(B)は、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kのものである。このような平均線膨張係数が前記上限を超えると、ポリイミド(A)からなる層との間の線膨張係数の差が大きくなるため剥離後、大きくカールしたり、場合によってはポリイミド(A)膜(ポリイミド(A)からなる層)にクラックが入るといった問題が生じる。また、前記平均線膨張係数が、前記下限未満ではポリイミド(A)膜との間の線膨張係数の差が小さくなるため乾式での剥離が困難になったり、場合によっては剥離が出来なくなる。また、同様の観点から、前記平均線膨張係数としては、40〜80ppm/Kであることがより好ましく、50〜70ppm/Kであることが更に好ましい。なお、このような平均線膨張係数の測定方法としては前述の方法を採用する。なお、このような平均線膨張係数は、例えば、繰り返し単位の種類を適宜変更したり(例えば上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含有する脂環式のポリイミドの場合にはR10の種類を適宜選択したり)、そのポリイミドの分子量やイミド化率等を変更することによっても上記範囲に適宜調整することが可能である。また、このような平均線膨張係数は、例えば、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含有する脂環式のポリイミドの場合には、延伸する等することによっても、その数値範囲を適宜制御することが可能である。
さらに、このようなポリイミド(B)としては、5%重量減少温度が400℃以上のものが好ましく、450〜550℃のものがより好ましい。このような5%重量減少温度が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、そのような特性を有するポリイミドを製造することが困難となる傾向にある。なお、このような5%重量減少温度は、窒素ガス雰囲気下、窒素ガスを流しながら室温(25℃)から徐々に加熱して、用いた試料の重量が5%減少する温度を測定することにより求めることができる。
また、このようなポリイミド(B)としては、ガラス転移温度(Tg)が200℃以上のものが好ましく、300〜500℃のものがより好ましい。このようなガラス転移温度(Tg)が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとそのような特性を有するポリイミドを製造することが困難となる傾向にある。なお、このようなガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の商品名「DSC220」)を使用して測定することができる。
また、このようなポリイミドとしては、熱分解温度(Td)が450℃以上のものが好ましく、480〜600℃のものがより好ましい。このような熱分解温度(Td)が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、そのような特性を有するポリイミドを製造することが困難となる傾向にある。なお、このような熱分解温度(Td)は、TG/DTA220熱重量分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を使用して、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/min.の条件で熱分解前後の分解曲線にひいた接線の交点となる温度を測定することにより求めることができる。
さらに、このようなポリイミド(B)の数平均分子量(Mn)としては、ポリスチレン換算で1000〜1000000であることが好ましく、10000〜100000であることがより好ましい。このような数平均分子量が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となるばかりか、フィルム自体を作成することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粘性上昇と溶解性低下により、加工が困難となる傾向にある。
また、このようなポリイミド(B)の重量平均分子量(Mw)としては、ポリスチレン換算で5000〜5000000であることが好ましい。また、このような重量平均分子量(Mw)の数値範囲の下限値としては、10000であることがより好ましく、50000であることが更に好ましく、100000であることが特に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)の数値範囲の上限値としては、5000000であることがより好ましく、1000000であることが更に好ましく、500000であることが特に好ましい。このような重量平均分子量が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となるばかりか、フィルム自体を作成することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると粘性上昇と溶解性低下により、加工が困難となる傾向にある。
さらに、このようなポリイミド(B)の分子量分布(Mw/Mn)は1.1〜5.0であることが好ましく、1.5〜3.0であることがより好ましい。このような分子量分布が前記下限未満では製造することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると均一なフィルムを得にくい傾向にある。なお、このようなポリイミドの分子量(Mw又はMn)や分子量の分布(Mw/Mn)は、測定装置としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel HXLなど)を用い、溶媒としてクロロホルムやテトラヒドロフラン(THF)などを用いて測定したデータをポリスチレンで換算して求めることができる。
また、このようなポリイミド(B)としては、フィルムを形成した場合に透明性が十分に高いものであることが好ましく、全光線透過率が80%以上(更に好ましくは85%以上、特に好ましくは87%以上)であるものがより好ましい。このような全光線透過率は、ポリイミドの種類等を適宜選択することにより容易に達成することができる。なお、このような全光線透過率としては、ポリイミド(B)を用いて縦:75mm、横50mm、厚み13μmの大きさのポリイミドフィルムを形成して試料とし、測定装置として、日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」を用いて測定した値を採用することができる。
このようなポリイミド(B)の製造方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、国際公開第2011/099518号、国際公開第2014/034760号に記載の方法)を採用して適宜製造することができる。
なお、前記ポリイミド(A)及び(B)としては、平均線膨張係数がそれぞれ前記範囲内のポリイミドをより容易に調製できるとの観点や耐熱性、透明性、製膜性の観点等から、一般式(1)で表される繰り返し単位(より好ましくは一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位)を90モル%以上含有する脂環式のポリイミドであって、式中のR10の種類が異なる2種のポリイミドのうち、1種を前記ポリイミド(A)として用い、もう1種を前記ポリイミド(B)として用いることがより好ましい。この場合において、ポリイミド(A)中の一般式(1)で表される繰り返し単位(より好ましくは一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位)におけるR10は−C−CONH−C−で表される基、−C−で表される基であることが好ましく、ポリイミド(B)中の一般式(1)で表される繰り返し単位(より好ましくは一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位)におけるR10は−C−O−C−C−O−C−で表される基、−C−O−C−C(CH−C−O−C−で表される基であることが好ましい。
また、本発明において、前記ポリイミド(A)及び(B)としては平均線膨張係数の差が10以上(より好ましくは10〜60の範囲)のものを組み合わせて利用することが好ましい。このような平均線膨張係数の差が前記下限未満では、線膨張係数差が小さいため乾式での剥離が困難になったり場合によっては剥離が出来なくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると線膨張係数差が大きいため剥離後、大きくカールしたり、場合によってはポリイミド(A)膜にクラックが入る傾向にある。
また、このようなポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層の製造方法は特に制限されないが、例えば、ポリイミド(B)として、上記一般式(2)及び(3)で表される繰り返し単位の総量が全繰り返し単位に対して90モル%以上である脂環式のポリイミドを利用する場合においては、前記一般式(4)及び(5)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物の総量が90モル%以上である前記脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマーと、上記一般式(6)で表される芳香族ジアミン(R10は上記一般式(1)において説明したものと同義であるが、ポリイミド(B)に好適に用いることが可能なものとして説明した基とすることがより好ましい。)とを反応させて、ポリアミド酸を形成した後、該ポリアミド酸を含有するポリアミド酸溶液(ポリイミド(B)の製造用のポリアミド酸溶液)を、前述のようにして形成した前記第一のポリイミド層の表面上の少なくとも一部に塗布し、イミド化せしめて、前記第一のポリイミド層の表面上の少なくとも一部に、前記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種を含有し、かつ、前記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位の総量が全繰り返し単位に対して90モル%以上であるポリイミド(B)からなる層(第二のポリイミド層)を積層する方法を採用してもよい。なお、前記脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマーや前記芳香族ジアミン、これらを反応させる方法、イミド化の方法等の具体的な方法は特に制限されず、例えば、国際公開第2014/034760号に記載の方法等を適宜採用すればよい。また、前記ポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層を備える基板用積層体の製造方法としては、ポリイミド(B)からなるフィルムを予め調製して準備した後、ガラス基材上に前記第一のポリイミド層を形成するためにポリアミド酸溶液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜の表面上に予め準備していたポリイミド(B)からなるフィルムを配置し、その後、前記塗膜をイミド化して硬化し、前記塗膜部分に前記第一のポリイミド層を形成することにより、ガラス基材上に第一のポリイミド層(塗膜をイミド化した層)を積層するとともに、第一のポリイミド層上に第二のポリイミド層(ポリイミド(B)からなるフィルム)を積層して、ガラス基材と第一のポリイミド層と第二のポリイミド層との積層体(基板用積層体)を形成する方法を採用してもよい。
また、ポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層の製造に前記ポリアミド酸を用いる場合、かかるポリアミド酸の固有粘度[η]は、0.05〜3.0dL/gであることが好ましく、0.1〜2.0dL/gであることがより好ましい。このような固有粘度[η]が0.05dL/g未満では、これを用いてフィルム状のポリイミドを製造した際に、得られるフィルム(ポリイミド層)が脆くなる傾向にあり、他方、3.0dL/gを超えると、粘度が高すぎて加工性が低下し、例えばフィルム(ポリイミド層)を製造した場合に均一なフィルム(ポリイミド層)を得ることが困難となる。
また、このような第二のポリイミド層の厚みとしては、特に制限されないが、1〜500μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。このような厚みが前記下限未満では自立膜としては強度が低く破断しやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると製造時に溶剤の乾燥が困難となり気泡、ボイド、白化、斑が発生したり、膜の均一性を保つのが困難となる傾向にある。
このようなポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層としては、第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層されていればよく、その形状は特に制限されず、例えば、いわゆるフィルム状に積層させてもよく(例えば、第一のポリイミド層の表面上の全面に積層された膜としてもよい。)、図1(各層を上方から見た場合の概略図である。)に示すように、第一のポリイミド層11の外縁近傍にのみ第二のポリイミド層12を積層させて、第二のポリイミド層12を、いわゆる額縁状の形状としてもよい(なお、図1においては上面から見た場合に第一のポリイミド層11の外縁が見えるような状態となっているが、上面から見た場合に外縁部が見えないように額縁状の形状とすることが好ましい。)。このように、第二のポリイミド層は、表面上の一部に形成されていればよく、その形状は特に制限されるものではない。なお、ガラス基材と、第一のポリイミド層及び第二のポリイミド層の積層物の剥離性をより向上させるといった観点から、少なくとも第一のポリイミド層11の外縁近傍(周囲の部分)に第二のポリイミド層が形成されていることがより好ましい。すなわち、第一のポリイミド層11の外縁部の近傍(周囲の部分)に第二のポリイミド層が形成されていることにより、加熱冷却後、外縁部が線膨張係数差によって歪みが生じ、それに伴いガラス基材と第一のポリイミド層間の接着性が低下し、それが剥離する際のキッカケとなり、剥離性をより十分に向上させることが可能となる傾向にある。
また、本発明の基板用積層体は、前記ガラス基材と、前記第一のポリイミド層と、前記第二のポリイミド層とを備える積層体からなるものである。このような積層体により、ガラス基材とポリイミド層とを、高温の水を利用することなく、その界面において乾式で効率よく剥離することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の基板用積層体においては、第一のポリイミド層と、第二のポリイミド層との平均線膨張係数の違いにより、加熱冷却時に第一のポリイミド層と第二のポリイミド層の膨張、収縮率に差が生じる。そのため、ガラス基材と第一のポリイミド層の接触界面に歪みや伸び縮みが生じ密着性が低下する。これにより、第一のポリイミド層がガラス基材から剥がれやすい状態となる。一方で、第一のポリイミド層と第二のポリイミド層との層間の相互作用(接着力)は、ガラスと第一のポリイミド層との間の相互作用(接着力)よりも大きく、十分な密着性を有する。従って、本発明の基板用積層体においては、ガラス基材とポリイミド層との界面において効率よく剥離することが可能となるものと本発明者らは推察する。なお、ここにいう「乾式」とは、液体(例えば、高温の水)を用いない方式をいい、ガラス基材とポリイミド層との剥離を液体中(例えば、水中)で実施しないことをいう。このような乾式の処理としては、中でも、相対湿度が0〜80%以下の雰囲気下における処理であることが好ましい。このような条件下においても、本発明の基板用積層体は、ガラス基材とポリイミド層との界面において、ガラス基材を容易に剥離することが可能である。
なお、本発明の基板用積層体を製造するための方法は特に制限されず、例えば、前記ガラス基材、前記ポリイミド(A)の製造用のポリアミド酸溶液、前記ポリイミド(B)の製造用のポリアミド酸溶液を適宜準備して、前記ガラス基材の表面上に前記ポリイミド(A)の製造用のポリアミド酸溶液の塗膜を形成してイミド化し、前記ガラス基材上に第一のポリイミド層を積層した後、前記第一のポリイミド層の表面上に前記ポリイミド(B)の製造用のポリアミド酸溶液の塗膜を形成してイミド化して基板用積層体を得る方法を採用してもよく、あるいは、前記ガラス基材、前記ポリイミド(A)の製造用のポリアミド酸溶液、前記ポリイミド(B)のフィルムを準備し、前記ガラス基材の表面上に前記ポリイミド(A)の製造用のポリアミド酸溶液の塗膜を形成した後、前記塗膜の硬化前(イミド化や溶媒の除去の前)に、該塗膜の表面上に前記ポリイミド(B)のフィルムを積層し、その後、前記塗膜をイミド化して硬化して基板用積層体を得る方法を採用してもよい。
また、本発明の基板用積層体においては、前記ガラス基材と、前記第一のポリイミド層と、前記第二のポリイミド層とを備えていればよく、他の層が更に積層されていてもよい。例えば、ガスバリア性が必要な用途の基板を得るために、上記本発明の基板用積層体を利用する場合には、第二のポリイミド層の表面上にガスバリア層を適宜積層してもよく、用いる用途に応じて各種の層を適宜積層してもよい。このような他の層としては特に制限されないが、例えば、ガスバリア層、TFT層、透明電極層等が挙げられる。なお、本発明の基板用積層体を用いて基板を製造すべくガラス基材を剥離した後には、第一のポリイミド層の表面上にも他の層を適宜積層して利用できる。
[基板]
本発明の基板は、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、
該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層との積層物からなることを特徴とするものである。
ここで、ポリイミド(A)及び(B)はそれぞれ、上述の本発明の基板用積層体において説明したものと同様のものである(その好適なものも同様である。)。また、このようなポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層、及び、該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層されかつ前記ポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層もそれぞれ、上述の本発明の基板用積層体において説明したものと同様のものである。
このような本発明の基板は、本発明の基板用積層体を用いて得られるものであることが好ましい。また、このような本発明の基板は、上記本発明の基板用積層体(ガラス基材と第一のポリイミド層と第二のポリイミド層との積層体)におけるガラス基材から、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物(ポリイミド層の積層部分)を剥離して得られるものであること、すなわち、上述の本発明の基板用積層体から剥離して得られる前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物(ポリイミド層の積層体:樹脂層の積層物)であることが好ましい。そのため、このような基板は、後述の本発明の基板の製造方法により好適に製造することができる。
なお、このような基板としては、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物を含んでいればよく、他の層が更に積層されていてもよい。例えば、ガスバリア性が必要な用途の基板として利用する場合には、第一のポリイミド層及び/又は第二のポリイミド層の表面上等にガスバリア層を適宜積層してもよく(第一のポリイミド層及び/又は第二のポリイミド層の表面上にガスバリア層以外の他の層を積層した後に、その他の層の表面上にガスバリア層を積層してもよい。)、用いる用途に応じて各種の層を適宜積層できる。このような他の層としては特に制限されないが、例えば、ガスバリア層、TFT層(酸化物半導体、アモルファスシリコン、ポリシリコン、有機トランジスタなど)、透明電極層等が挙げられる。
また、前述のように、上記本発明の基板用積層体は、ガラス基材とポリイミド層との界面において、ガラス基材とポリイミド層とを、乾式で効率よく剥離することが可能なものであるため、上記本発明の基板用積層体の前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層の積層物が形成されている側の面の表面上(前記第二のポリイミド層の表面上)に各種素子を形成した後に、乾式で(例えば大気中でそのまま)、前記基板用積層体からガラス基材を削除(剥離)して、各種素子の基板として、上記本発明の基板を調製することもできる。そのため、本発明の基板としては、有機エレクトロルミネッセンス素子の透明電極基板、TFT基板、バリア基板等として好適に利用することができる。
[基板の製造方法]
本発明の基板の製造方法は、上記本発明の基板用積層体を用いて、前記ガラス基材から前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物を乾式で剥離して、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物からなる基板を得ることを特徴とする方法である。なお、本発明に用いる基板用積層体、前記ガラス基材、前記第一のポリイミド層及び前記第二のポリイミドはそれぞれ、上記本発明の基板用積層体において説明したものと同様である。
このように、本発明においては、上記本発明の基板用積層体の前記ガラス基材から、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物を剥離する工程を乾式で行う。なお、ここにいう「乾式」とは、液体(例えば、高温の水)を用いない方式をいい、ガラス基材とポリイミド層との剥離を液体中(例えば、水中)で実施しないことをいう。このような乾式の剥離処理としては、相対湿度が0〜80%以下の雰囲気下における剥離処理であることが好ましく、相対湿度が0〜40%の雰囲気下における剥離処理であることがより好ましい。このような湿度の条件が前記上限を超えると、有機エレクトロルミネッセンス素子に水等の液体が凝縮する傾向にある。
また、このような剥離処理(剥離する工程)の具体的な方法としては特に制限されないが、周辺部の剥離しやすい箇所や内部の浮いている箇所等をきっかけとして手作業で剥離する方法や、ロールやクランプ、ニップ、クリップ、バキューム等の機械装置で剥離する方法や、他の剥離装置(レーザー剥離装置、固体レーザー式剥離装置、エキシマレーザー式剥離装置、薄膜剥離レーザー加工機、フィルム剥離装置)との組み合わせで剥離する方法等が挙げられる。このような方法により、ガラス基材とポリイミド層との界面において、ポリイミド層を乾式で簡便に剥離することができる。なお、本発明に用いる基板用積層体を調製する際において、その調製工程において加熱工程を実施している場合(塗膜を加熱硬化せしめている場合)、かかる加熱工程後、常温(25℃)に冷却することで、第一のポリイミド層と第二のポリイミド層との間に収縮率に差を生じせしめて、第一のポリイミド層とガラス基材との界面を剥がれやすい状態とすること等が可能となり、これによりポリイミドとガラス基材とを容易に剥離できる傾向にある。
このような剥離処理の際の温度条件としては−20〜400℃であることが好ましく、0〜200℃であることがより好ましく、20〜100℃であることが更に好ましい。このような温度条件が前記下限未満では基板用積層体が低温で柔軟性が低下するため、割れやすくなり歩留まりや作業性が悪化する傾向にあり、他方、前記上限を超えると基板用積層体が熱劣化や酸素劣化、水分劣化する傾向にある。
また、このような剥離処理の際の雰囲気としては、特に制限されず、大気中であっても、不活性ガス雰囲気の条件下であってもよいが、熱劣化、酸素劣化、水分劣化の観点からは、不活性ガス雰囲気の条件下であることが好ましい。
このような剥離処理の際の圧力条件も特に制限されないが、1Pa〜1MPaであることが好ましく、1hPa〜0.2MPaであることがより好ましく、100hPa〜1013hPaであることが更に好ましい。このような圧力条件が前記下限未満では残留溶剤等の気化により気泡やボイドが発生しやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると大気圧下に戻した場合に圧縮気体が発泡する傾向にある。
このようにして、剥離することにより、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物からなる基板を得ることが可能である。なお、本発明は、高温の水などの液体を利用する、いわゆるウエットプロセスを利用せずに、乾式で、例えば、ドライプロセス下において、そのままガラス基材から前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物を剥離して、該積層体からなる基板を調製することができる方法である。そのため、予め前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物が積層されている面側に各種素子を形成した後に、上述の剥離工程を実施して素子を備える基板を調製しても、素子が水分の影響を受けてしまうことを十分に防止することが可能である。このような観点から、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物が積層されている面側に各種素子を形成した後に、剥離工程(本発明の基板の製造方法)を実施して、前記積層物からなる基板を備える各種素子を形成してもよく、あるいは、予め、ガラス基材を剥離する工程(本発明の基板の製造方法)を実施して基板を製造した後に、その基板(前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物からなる基板:ポリイミド層の積層物からなる基板)上に各種素子を形成してもよい。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記本発明の基板用積層体を用いて得られる基板を備えることを特徴とするものである。
このように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記本発明の基板用積層体を用いて得られる基板を備えるものである。このような基板としては、上記本発明の基板用積層体からガラス基材を剥離して得られる基板であることが望ましい。このような基板としては、電極用の基板とすることが好ましい。例えば、第一のポリイミド層及び第二のポリイミド層をそれぞれ、上述の一般式(1)で表される繰り返し単位を有する脂環式のポリイミドからなる層とした場合には、透明性及び耐熱性が高い基板となることから、透明電極用の基板として好適に利用することもできる。なお、このような第一のポリイミド層及び第二のポリイミド層からなる基板は、ポリイミドからなる基板であることから、十分にフレキシブル性の高いものとすることができる。
また、このような有機エレクトロルミネッセンス素子としては、基板(例えば電極用の基板)として、上記本発明の基板用積層体を用いて得られる基板を備える以外、他の構成は特に制限されず、公知の構成の素子部分を適宜積層させればよい。以下、このような有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)として好適な一実施形態を図面を参照しながら簡単に説明する。
図2は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の好適な一実施形態の概略縦断面図である。図2に示す有機EL素子は、第一のポリイミド層11と、第二のポリイミド層12と、ガスバリア層13と、透明電極層14と、有機層15と、金属電極層16とを備えるものである。
このような有機EL素子中の第一のポリイミド層11と第二のポリイミド層12は、上記基板用積層体において説明したものと同様であり、本実施形態においては、基板として備えるものである。
また、ガスバリア層13は、ガス(水蒸気を含む)の透過防止性能をより高いものとして、素子内部へのガスの透過を抑制するために好適に利用される層である。このようなガスバリア層13としては、特に制限されないが、例えば、SiN、SiO、SiC、SiO、TiO、Al等の無機物からなる層、超薄板ガラス等を好適に利用することができる。このように、ガスバリア層13としては、第一のポリイミド層11と第二のポリイミド層12とからなる積層体部分(基板部分)に、公知のガスバリア性のある層を適宜配置(形成)して積層してもよい。
また、ガスバリア層13の厚みは特に制限されないが、0.01〜5000μmの範囲であることが好ましく、0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。このような厚みが前記下限未満では十分なガスバリア性が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると重厚化しフレキシブル性や柔軟性等の特長が消失する傾向にある。
透明電極層14は有機EL素子の透明電極として利用する層である。このような透明電極層14の材料としては、有機EL素子の透明電極に利用可能なものであればよく、特に制限されず、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、金、白金、銀、銅が用いられる。これらの中でも、透明性と導電性の兼ね合いの観点から、ITOが好ましい。
また、透明電極層14の厚みは20〜500nmの範囲であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、導電性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、透明性が不十分となり発光したEL光を十分に外部に取り出せなくなる傾向にある。
なお、ガスバリア層13と透明電極層14との間に、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)層を形成してもよい。このようにTFT層を設けることで、TFTに接続された透明電極を有する装置(TFT素子)を形成することも可能となる。このようなTFT層の材料(酸化物半導体、アモルファスシリコン、ポリシリコン、有機トランジスタなど)や構成は特に制限されず、公知のTFTの構成に基づいて適宜設計することができる。また、第一のポリイミド層11と第二のポリイミド層12とガスバリア層13との積層体上にTFT層を設けた場合には、これらの積層体を、いわゆるTFT基板として利用することも可能である。なお、このようなTFT層の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、低温ポリシリコン法、高温ポリシリコン法、アモルファスシリコン法、酸化物半導体法などの製造方法を採用してもよい。
有機層15は、有機EL素子を形成するために用いることが可能なものであればよく、その構成は特に制限されず、公知の有機EL素子の有機層に利用可能なものを適宜利用することができる。また、このような有機層15の構成も特に制限されず、公知の構成を適宜採用でき、例えば、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層からなる積層体を有機層としてもよい。
このような正孔輸送層の材料としては、正孔輸送層を形成させることが可能な公知の材料を適宜用いることができ、例えば、ナフチルジアミン(α−NPD)、トリフェニルアミン、トリフェニルジアミン誘導体(TPD)、ベンジジン、ピラゾリン、スチリルアミン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、カルバゾール等の誘導体等を用いることができる。
また、発光層は、電極層等から注入される電子及び正孔が再結合して発光する層であり、かかる発光層の材料としては特に制限されず、有機EL素子の発光層を形成させることが可能な公知の材料を適宜用いることができ、例えば、4,4’−N,N’−dicarbazole−biphenyl(CBP)にトリスフェニルピリジナトイリジウム(III)錯体(Ir(ppy))をドープした材料や、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq、green、低分子)、bis−(8−hydroxy)quinaldine aluminum phenoxide(Alq’OPh、blue、低分子)、5,10,15,20−tetraphenyl−21H,23H−porphine(TPP、red、低分子)、poly(9,9−dioctylfluorene−2,7−diyl)(PFO、blue、高分子)、poly[2−methoxy−5−(2’−ethylhexyloxy)−1,4−(1−cyanovinylene)phenylene](MEH−CN−PPV、red、高分子)、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる材料などの電圧の印加によって発光する公知の材料を適宜利用することができる。
さらに、電子輸送層の材料としては特に制限されず、電子輸送層を形成させることが可能な公知の材料を適宜用いることができ、例えば、アルミニウムキノリノール錯体(Alq)、フェナンスロリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体、シロール誘導体を用いることができる。
また、有機層15が、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層からなる積層体である場合、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の各層の厚みは特に制限されないが、それぞれ1〜50nmの範囲(正孔輸送層)、5〜200nmの範囲(発光層)、及び5〜200nmの範囲(電子輸送層)であることが好ましい。また、有機層15の全体の厚みとしては20〜600nmの範囲であることが好ましい。
金属電極層16は金属からなる電極である。このような金属電極の材料としては、仕事関数の小さな物質を適宜用いることができ、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、MgAg、MgIn、AlLiが挙げられる。また、金属電極層16の厚みは50〜500nmの範囲であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、剥離し易くなったりクラックが発生し易くなる傾向にある。
なお、このような有機EL素子の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、以下のような方法(A)を採用することができる。このような方法(A)は、先ず、上記本発明の基板用積層体を準備した後、上記本発明の基板用積層体のポリイミド層が形成されている面上に前記ガスバリア層、前記透明電極、前記有機層及び前記金属電極を順次積層し、その後、上記本発明の基板用積層体部分からガラス基材を乾式で剥離することにより製造してもよい。
また、上記本発明の基板用積層体のポリイミド層が形成されている面上にガスバリア層13を積層する方法としては特に制限されず、蒸着法、スパッター法等の公知の方法を適宜採用することができ、中でも、周密な膜とするための観点から、スパッター法を採用することが好ましい。また、ガスバリア層13の表面上に透明電極層14を積層する方法としては、蒸着法、スパッター法等の公知の方法を適宜採用することができ、中でも、周密な膜とするための観点から、スパッター法を採用することが好ましい。
また、透明電極層14の表面上に有機層15を積層する方法も特に制限されず、例えば、有機層を、前述のように、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層からなる積層体とする場合には、これらの層を透明電極層14上に順次積層すればよい。なお、このような有機層15中の各層を積層する方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができ、例えば、蒸着法、スパッター法、塗布法等を採用することができる。これらの方法の中でも、有機層の分解、劣化及び変性を十分に防止するという観点から、蒸着法を採用することが好ましい。
さらに、有機層15上に金属電極層16を積層する方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができ、例えば、蒸着法、スパッター法等を採用することができる。これらの方法の中でも、先に形成した有機層15の分解、劣化および変性を十分に防止するという観点から、蒸着法を採用することが好ましい。
また、このようにして、上記本発明の基板用積層体に各層を積層した後においては、上記本発明の基板用積層体部分からガラス基材を乾式で(ドライプロセスで)剥離することにより、第一のポリイミド層11及び第二のポリイミド層12からなる積層体部分(積層物)を素子を支持するための基板としてそのまま残すことが可能となる。このような剥離の方法としては、上記本発明の基板の製造方法において説明した乾式での剥離の方法を適宜採用することができる。これにより、第一のポリイミド層11及び第二のポリイミド層12からなる積層体を、ガスバリア層やいわゆる素子部を支持するための基板としてそのまま利用できることから、フレキシブル性の十分に高い有機EL素子を好適に製造することができる。
以上、本発明の有機EL素子の好適な一実施形態について説明したが、本発明の有機EL素子は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、有機層15は、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の積層体からなるものであったが、有機層の形態は特に制限されるものではなく、公知の有機層の構成を適宜採用することができ、例えば、正孔注入層と発光層との積層体からなる有機層;発光層と電子注入層との積層体からなる有機層;正孔注入層と発光層と電子注入層との積層体からなる有機層;又は、バッファー層と正孔輸送層と電子輸送層との積層体からなる有機層等とすることができる。なお、このような有機層の他の形態における各層の材料は特に制限されず、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、電子注入層の材料としては、ペリレン誘導体等を用いてもよく、正孔注入層の材料としてはトリフェニルアミン誘導体等を用いてもよく、陽極バッファー層の材料としては銅フタロシアニン、PEDOT等を用いてもよい。また、上記実施形態においては配置されていない層であっても、有機EL素子に利用することが可能な層であれば適宜配置してもよく、例えば、有機層15への電荷注入又は正孔注入を容易にするという観点から、透明電極層14上或いは有機層15上に、フッ化リチウム(LiF)、Li等の金属フッ化物、Ca、Ba、Cs等の活性の高いアルカリ土類金属、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよい。
また、上記実施形態においては、基板部分が、第一のポリイミド層11及び第二のポリイミド層12からなる積層体を備えるものであったが、基板部分は第一のポリイミド層11のみからなっていてもよい。この場合、例えば、上記本発明の基板用積層体を、例えば、上述の図2に示すような額縁状の第二のポリイミド層12を備えるものとし、第一のポリイミド層11上のみ(例えば、第二のポリイミド層12が形成された周辺部以外の第一のポリイミド層11の中心部の部分の表面上のみ)に有機エレクトロルミネッセンス素子部分(ガスバリア層、透明電極層、有機層、金属電極層(反対電極層))を形成して、ガラス基材を乾式で剥離した後に、かかる額縁部分(第二のポリイミド層12が形成されている周辺部分)を切り落とす等して、第一のポリイミド層11のみを素子の基板として形成させてもよい。このような場合においても基板(第一のポリイミド層)は、上記本発明の基板用積層体を用いて得られるものとなる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<分子構造の同定>
各実施例及び各比較例で用いたポリイミドの分子構造の同定は、IR測定機(日本分光株式会社製、商品名:FT/IR−460、FT/IR−4100)及びNMR測定機(VARIAN社製、商品名:UNITY INOVA−600)を用いて、IR及びNMRスペクトルを測定することにより行った。
<固有粘度[η]の測定>
各実施例及び各比較例において中間体として得られたポリアミド酸の固有粘度[η]は、前述のように、離合社製の自動粘度測定装置(商品名「VMC−252」)を用い、N,N−ジメチルアセトアミドを溶媒とした濃度0.5g/dLの測定試料を用いて30℃の温度条件下において測定した。分子量(Mw又はMn)及び、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel HXL、溶媒:クロロホルムを用いて測定したデータをポリスチレンで換算して求めた。
<各層を形成するポリイミドの線膨張係数の測定>
各実施例等で形成された各層のポリイミドの線膨張係数は、以下のようにして調製された測定用試料をそれぞれ用いて、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8310」)を利用して、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、50℃〜200℃における前記試料の長さの変化を測定して、50℃〜200℃の温度範囲における1℃あたりの長さの変化の平均値を求めることにより測定した。
〈線膨張係数の測定用試料の調製〉
先ず、各実施例等において調製されたポリアミド酸溶液(I)〜(III)をそれぞれ用いて、各ポリアミド酸溶液に由来するポリイミドフィルムをそれぞれ調製した。すなわち、先ず、ポリアミド酸溶液をガラス板(縦:75mm、横50mm、厚み1.3mmの大きさのガラス基材)上に加熱硬化後の塗膜の厚みが13μmとなるようにスピンコートして、塗膜を形成した。次に、前記塗膜の形成されたガラス板を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置することで溶媒を蒸発させた。その後、前記塗膜(溶媒を蒸発させた後の塗膜)の形成されたガラス板を3L/分の流量で窒素が流れている250mm角イナートオーブン中に投入して、窒素雰囲気下、25℃の温度条件において0.5時間静置した後、135℃の温度条件で0.5時間加熱し、更にポリアミド酸溶液の種類に応じて、400℃(ポリアミド酸溶液(I))、350℃(ポリアミド酸溶液(II))又は350℃(ポリアミド酸溶液(III))の温度条件を採用して1時間加熱し、塗膜を硬化せしめることにより、ガラス板上にポリイミドフィルムを積層した。次いで、該ポリイミドフィルム付のガラス板を90℃のお湯に浸漬し、ガラス板からポリイミドフィルム(縦:75mm、横50mm、厚み13μm)を剥離して回収して、ポリイミドフィルムを得た。
次いで、得られたポリイミドフィルムに対して真空乾燥(120℃、1時間(Hr))を行った後、窒素雰囲気下、200℃で1時間(Hr)熱処理して、ポリイミドフィルムを乾燥フィルムとし、かかる乾燥フィルムを測定用の試料とした。
<基板用積層体の剥離性の評価>
各実施例等で得られた基板用積層体の最外層のポリイミド層(例えば、実施例1では第二のポリイミド層)の表面上に、粘着テープ(ニチバン株式会社製の商品名「セロテープ(登録商標)」、品番:CT405AP−15)を貼り付けて、剥離試験を行った。なお、前記粘着テープは、積層体の最外層のポリイミド層の表面上の周辺部に額縁状になるようにして貼り付けた(最外層のポリイミド層の表面の外周部に、前記粘着テープをロの字型に貼り付けた)。また、かかる剥離試験は、前記粘着テープの剥離を試みた際に、ガラス板とポリイミド層(ガラス板と接触しているポリイミド層:例えば、実施例1では第一のポリイミド層)との界面において剥離が起こるか否かを確認するものとした。剥離性の評価基準は、以下の通りとした。
〈剥離性の評価基準〉
A:ガラス板とポリイミド層との界面において剥離でき、ガラス板の全面に亘って、ポリイミドの残留物がなく、ポリイミド層の剥離された面が滑らかな平面となっている。
B:ガラス板とポリイミド層との界面において剥離できず、粘着テープとポリイミド層との界面において剥離が起こり、粘着テープのみが剥がれた。
(実施例1)
<脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマーの準備工程>
国際公開第2014/034760号の実施例1のモノマー合成工程に準拠して、下記一般式(7):
で表されるトランス、エンド、エンド−ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物及び下記一般式(8):
で表されるシス、エンド、エンド−ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物の混合物(脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマー:上記一般式(7)及び(8)で表される化合物の含有比率が99モル%(残りの成分はノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物のトランス−エンド−エンド異性体及びシス−エンド−エンド異性体以外の他の異性体である。)であり、上記一般式(7)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物のモル比([式(7)]:[式(8)])が63:37である混合物)を準備した。
なお、化合物中の異性体の同定はHPLC測定により行った値を採用した。このようなHPLC測定は、測定装置としてアジレントテクノロジー株式会社製の商品名「1200 Series」を用い、カラムとしてアジレントテクノロジー株式会社製の商品名「Eclipse XDB−C18(5μm、直径4.6mm、長さ150mm)」を用い、溶媒としてアセトニトリルと蒸留水との混合物(アセトニトリル/蒸留水=70ml/30ml)を用い、溶媒の流速を1ml/min.とし、ダイオードアレイ検出器(DAD)の検出波長を210nmに設定し、温度を35℃とし、試料として測定する化合物を溶媒1.5mlに対して1mg添加して調製したものを用いて行った。そして、トランス−エンド−エンド異性体及びシス−エンド−エンド異性体の総量(含有比率:純度)、及び、トランス−エンド−エンド異性体とシス−エンド−エンド異性体とのモル比は、HPLCの面積比より検量線(標準試料:ナフタレン)を用いて算出することにより求めた。
<ポリアミド酸溶液(I)の調製工程>
先ず、30mlの三口フラスコをヒートガンで加熱して十分に乾燥させた。次に、十分に乾燥させた前記三口フラスコ内の雰囲気ガスを窒素で置換して、前記三口フラスコ内を窒素雰囲気とした。次いで、前記三口フラスコ内に、4,4’−ジアミノベンズアニリド0.2045g(0.90mmol:日本純良薬品株式会社製:4,4’−DABAN)を添加した後、更に、N,N−ジメチルアセトアミドを2.7g添加して、撹拌することにより、前記N,N−ジメチルアセトアミド中に4,4’−ジアミノベンズアニリド(芳香族ジアミン化合物:4,4’−DABAN)を溶解させて溶解液を得た(なお、4,4’−DABANは一部溶解)。
次に、前記溶解液を含有する三口フラスコ内に、窒素雰囲気下、上記一般式(7)及び(8)で表される化合物の混合物(脂環式テトラカルボン酸二無水物系モノマー)を0.3459g(0.90mmol)添加した後、窒素雰囲気下、室温(25℃)で12時間撹拌して、ポリアミド酸を形成し、反応液としてポリアミド酸溶液(I)を得た。このようにして溶媒(N,N−ジメチルアセトアミド)中においてポリアミド酸を形成して、反応液(ポリアミド酸溶液(I))を得た。
なお、このようにして形成されたポリアミド酸の固有粘度[η]を、離合社製の自動粘度測定装置(商品名「VMC−252」)を用い、N,N−ジメチルアセトアミドを溶媒として、濃度0.5g/dLのポリアミド酸の測定試料を調整して、30℃の温度条件下において測定した。すなわち、前記ポリアミド酸溶液(I)(前記反応液[溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド])の一部を利用して、ポリアミド酸の濃度が0.5g/dLとなるN,N−ジメチルアセトアミド溶液を調製して、上記条件でポリアミド酸の固有粘度[η]を測定したところ、ポリアミド酸の固有粘度[η]は0.91dL/gであった。
<ポリアミド酸溶液(II)の調製工程>
4,4’−ジアミノベンズアニリド0.2045g(0.90mmol:4,4’−DABAN)を用いる代わりに、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル0.3316g(0.90mmol:日本純良薬品株式会社製:APBP)を用いた以外は、上記ポリアミド酸溶液(I)の調製工程で採用している方法と同様の方法を採用して、ポリアミド酸溶液(II)を得た。なお、このようにして得られた前記ポリアミド酸溶液(II)の固有粘度[η]は1.00であった。
<第一ポリイミド層の積層工程>
前記ポリアミド酸溶液(I)をガラス板(縦:75mm、横50mm、厚み1.3mmの大きさのガラス基材)上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが13μmとなるようにスピンコートして、ガラス板上に塗膜を形成した。次に、前記塗膜の形成されたガラス板を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置することで溶媒を蒸発させた。その後、前記塗膜(溶媒を蒸発させた後の塗膜)の形成されたガラス板を3L/分の流量で窒素が流れている250mm角イナートオーブン中に投入して、窒素雰囲気下、25℃の温度条件において0.5時間静置した後、135℃の温度条件で0.5時間加熱し、更に400℃の温度条件で1時間加熱して塗膜を硬化せしめ、ガラス板上に第一のポリイミド層が積層された積層体(A)を形成した。
<基板用積層体の製造工程(第二のポリイミド層の積層工程)>
上述のようにして得られた積層体(A)及びポリアミド酸溶液(II)を用いて、前記ポリアミド酸溶液(II)を、積層体(A)の第一のポリイミド層の表面上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが13μmとなるようにスピンコートして、第一のポリイミド層の表面上に塗膜を形成した。次に、前記第一のポリイミド層の表面上に前記塗膜が形成された積層体(A)を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置することで、前記塗膜から溶媒を蒸発させた。その後、前記塗膜(溶媒を蒸発させた後の塗膜)の形成された積層体(A)を3L/分の流量で窒素が流れている250mm角イナートオーブン中に投入して、窒素雰囲気下、25℃の温度条件において0.5時間静置した後、135℃の温度条件で0.5時間加熱し、更に350℃の温度条件で1時間加熱して塗膜を硬化せしめ、第一のポリイミド層上に第二のポリイミド層を積層し、「ガラス板/第一のポリイミド層/第二のポリイミド層(ここにおいて「/」は積層されていることを示す。)」の積層構造を有する、基板用積層体(I)を得た。
<基板用積層体(I)の特性の評価>
基板用積層体(I)の剥離性の評価を行った結果、ガラスと、第一のポリイミド層の界面において剥離でき、ガラスの全面に亘って第一のポリイミドの残留物がなく、きれいに剥離することができた。得られた結果を表1に示す。なお、剥離性の評価を行った後に得られた積層物の各層を形成する化合物の同定を行ったところ、第一及び第二のポリイミド層はそれぞれ、確かにポリイミドからなる層であることが確認された。また、剥離性の評価を行った後に得られた積層物の各層に対して反射型IRスペクトルを測定して得られた結果(反射型IRスペクトル)を図3、図4に示す。なお、図3は得られたフィルムの一層目の表面側から反射IR測定した結果(第一のポリイミド層の反射型IRスペクトル)であり、図4は二層目の表面側から反射IR測定した結果(第二のポリイミド層の反射型IRスペクトル)である。
図3に示す結果からも明らかなように、第一のポリイミド層においては、製造時に用いた芳香族ジアミン(4,4’−DABAN)に由来する繰り返し単位を有するポリイミドに特徴的なピーク(1699cm−1と1171cm−1の位置のピーク)が確認され、かかる結果からも、第一のポリイミド層が確かにポリイミドからなる層であることが確認された。また、図4に示す結果からも明らかなように、第二のポリイミド層においては、製造時に用いた芳香族ジアミン(APBP)に由来する繰り返し単位を有するポリイミドに特徴的なピーク(1700cm−1と1233cm−1と1165cm−1の位置のピーク)が確認され、かかる結果からも、第二のポリイミド層が確かにポリイミドからなる層であることが確認された。
(実施例2)
<ポリアミド酸溶液(III)の調製工程>
4,4’−ジアミノベンズアニリド0.2045g(0.90mmol:4,4’−DABAN)を用いる代わりに、4,4’−イソプロピリデンビス[(4−アミノフェノキシ)ベンゼン]0.3695g(0.90mmol:東京化成株式会社製:BAPP)を用いた以外は、上記ポリアミド酸溶液(I)の調製工程で採用している方法と同様の方法を採用して、ポリアミド酸溶液(III)を得た。なお、このようにして得られた前記ポリアミド酸溶液(II)の固有粘度[η]は0.77であった。
<第一ポリイミド層の積層工程>
実施例1で採用した第一ポリイミド層の積層工程と同様の工程を採用して、ガラス板上に第一のポリイミド層が積層された積層体(A)を形成した。
<基板用積層体の製造工程(第二のポリイミド層の積層工程)>
ポリアミド酸溶液(II)を用いる代わりに、上述のようにして得られたポリアミド酸溶液(III)を用いた以外は、実施例1で採用した基板用積層体の製造工程(第二のポリイミド層の積層工程)と同様の工程を採用して、積層体(A)の第一のポリイミド層上に第二のポリイミド層を積層し、「ガラス板/第一のポリイミド層/第二のポリイミド層(ここにおいて「/」は積層されていることを示す。)」の積層構造を有する、基板用積層体(II)を得た。
<基板用積層体(II)の特性の評価>
基板用積層体(II)の剥離性の評価を行った結果を表1に示す。なお、剥離性の評価を行った後に得られた積層フィルムの各層を形成する化合物の同定を行ったところ、第一及び第二のポリイミド層はそれぞれ、確かにポリイミドからなる層であることが確認された。
(実施例3)
<ポリイミドフィルム(I)の調製>
先ず、実施例2で採用したポリアミド酸溶液(III)の調製工程と同様の工程を採用して、ポリアミド酸溶液(III)を調製した。次に、ポリアミド酸溶液(III)をガラス板(縦:75mm、横50mm、厚み1.3mmの大きさのガラス基材)上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが13μmとなるようにスピンコートして、ガラス板上に塗膜を形成した。次いで、前記塗膜の形成されたガラス板を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置することで溶媒を蒸発させた。その後、前記塗膜(溶媒を蒸発させた後の塗膜)の形成されたガラス板を3L/分の流量で窒素が流れている250mm角イナートオーブン中に投入して、窒素雰囲気下、25℃の温度条件において0.5時間静置した後、135℃の温度条件で0.5時間加熱し、更に350℃の温度条件で1時間加熱して塗膜を硬化せしめ、ガラス板上にポリイミドフィルムを形成した。次に、該ポリイミドフィルム付のガラス板を90℃のお湯に浸漬し、ガラス板からポリイミドフィルム(縦:75mm、横50mm、厚み13μm)を剥離して回収し、ポリイミドフィルム(I)を得た。なお、ポリイミドフィルム(I)のN,N−ジメチルアセトアミドに対する溶解性は、25℃でN,N−ジメチルアセトアミド溶媒(1g)にポリイミドフィルム(I)の小片(2mg)を投入して溶解性を測定する試験を行った結果、ポリイミドフィルム(I)は形状変化や溶解の兆し、膨潤等が全くなかったことから、N,N−ジメチルアセトアミドに不溶であることが確認できた。
<基板用積層体の製造工程>
先ず、実施例1で採用したポリアミド酸溶液(I)の調製工程と同様の工程を採用して、ポリアミド酸溶液(I)を調製した。次いで、前記ポリアミド酸溶液(I)をガラス板(縦:75mm、横50mm、厚み1.3mmの大きさのガラス基材)上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが13μmとなるようにスピンコートして、ガラス板上に塗膜を形成した。次いで、ウエット状態のままの前記塗膜上に、上述のようにして得られたポリイミドフィルム(I)を載せて、ガラス板上に前記塗膜とポリイミドフィルム(I)とが積層された積層体を得た。次いで、かかる積層体を60℃のホットプレート上に載せて、2時間静置することで積層体中の塗膜から溶媒を蒸発させた。その後、前記積層体を3L/分の流量で窒素が流れている250mm角イナートオーブン中に投入して、窒素雰囲気下、25℃の温度条件において0.5時間静置した後、135℃の温度条件で0.5時間加熱し、更に400℃の温度条件で1時間加熱して塗膜を硬化せしめ、ガラス板上に、第一のポリイミド層及び第二のポリイミド層(ポリイミドフィルム(I))を積層し、「ガラス板/第一のポリイミド層/第二のポリイミド層(ここにおいて「/」は積層されていることを示す。)」の積層構造を有する基板用積層体(III)を形成した。
<基板用積層体(III)の特性の評価>
基板用積層体(III)の剥離性の評価を行った結果を表1に示す。なお、剥離性の評価を行った後に得られた積層フィルムの各層を形成する化合物の同定を行ったところ、第一及び第二のポリイミド層はそれぞれ、確かにポリイミドからなる層であることが確認された。
(比較例1)
実施例1で採用した第一ポリイミド層の積層工程と同様の工程を採用して、ガラス板上に第一のポリイミド層が積層された積層体(A)を形成し、かかる積層体(A)を比較のための基板用積層体(IV)とした。
<基板用積層体(IV)の特性の評価>
基板用積層体(IV)の剥離性の評価を行った結果を表1に示す。また、積層体(A)を熱湯に浸漬することで剥離したフィルムを用いて、フィルムを構成する化合物の同定を行ったところ、ポリイミドであることが確認された。なお、前記フィルムに対して反射IR測定を行った結果を図5に示す。図5に示す結果からも明らかなように、得られたフィルムにおいては、製造時に用いた芳香族ジアミン(4,4’−DABAN)に由来する繰り返し単位を有するポリイミドに特徴的なピーク(1698cm−1と1170cm−1の位置のピーク)が確認され、かかる結果から、得られたフィルムが確かにポリイミドからなるものであることが確認された。
(比較例2)
先ず、実施例1で採用したポリアミド酸溶液(II)の調製工程と同様の工程を採用して、ポリアミド酸溶液(II)を調製した。次いで、前記ポリアミド酸溶液(I)を用いる代わりに、前記ポリアミド酸溶液(II)を用いる以外は、実施例1で採用した第一ポリイミド層の積層工程と同様の工程を採用して、ガラス板上にポリアミド酸溶液(II)に由来するポリイミド層が積層された積層体を形成し、かかる積層体を比較のための基板用積層体(V)とした。
<基板用積層体(V)の特性の評価>
基板用積層体(V)の剥離性の評価を行った結果を表1に示す。また、基板用積層体(V)を熱湯に浸漬することで剥離したフィルムを用いて、フィルムを構成する化合物の同定を行ったところ、フィルムを構成する化合物はポリイミドであることが確認された。なお、前記フィルムに対して反射IR測定を行った結果を図6に示す。図6に示す結果からも明らかなように、得られたフィルムにおいては、製造時に用いた芳香族ジアミン(APBP)に由来する繰り返し単位を有するポリイミドに特徴的なピーク(1705cm−1と1232cm−1と1166cm−1の位置のピーク)が確認され、かかる結果からも、得られたフィルムが確かにポリイミドからなるものであることが確認された。
(比較例3)
先ず、実施例2で採用したポリアミド酸溶液(III)の調製工程と同様の工程を採用して、ポリアミド酸溶液(III)を調製した。次いで、前記ポリアミド酸溶液(I)を用いる代わりに、前記ポリアミド酸溶液(III)を用いる以外は、実施例1で採用した第一ポリイミド層の積層工程と同様の工程を採用して、ガラス板上にポリアミド酸溶液(III)に由来するポリイミド層が積層された積層体を形成し、かかる積層体を比較のための基板用積層体(VI)とした。
<基板用積層体(VI)の特性の評価>
基板用積層体(VI)の剥離性の評価を行った結果を表1に示す。また、基板用積層体(V)を熱湯に浸漬することで剥離したフィルムを用いて、フィルムを構成する化合物の同定を行ったところ、フィルムを構成する化合物はポリイミドであることが確認された。
(比較例4)
<ポリアミド酸溶液(I)及び(II)の調製工程>
実施例1で採用している方法と同様の方法を採用して、ポリアミド酸溶液(I)とポリアミド酸溶液(II)をそれぞれ調製した。
<第一ポリイミド層の積層工程>
ポリアミド酸溶液(I)を用いる代わりに、ポリアミド酸溶液(II)を用いた以外は実施例1で採用した第一ポリイミド層の積層工程と同様の工程を採用して、ガラス板上にポリアミド酸溶液(II)に由来した第一のポリイミド層が積層された積層体(B)を形成した。
<基板用積層体の製造工程(第二のポリイミド層の積層工程)>
ポリアミド酸溶液(II)を用いる代わりに、ポリアミド酸溶液(I)を用いた以外は、実施例1で採用した基板用積層体の製造工程(第二のポリイミド層の積層工程)と同様の工程を採用して、前記積層体(B)の第一のポリイミド層上にポリアミド酸溶液(I)に由来する第二のポリイミド層を積層し、「ガラス板/第一のポリイミド層/第二のポリイミド層(ここにおいて「/」は積層されていることを示す。)」の積層構造を有する、比較のための基板用積層体(VII)を得た。
<基板用積層体(VII)の特性の評価>
基板用積層体(VII)の剥離性の評価を行った結果を表1に示す。また、基板用積層体(VII)を熱湯に浸漬することで剥離したフィルムを用いて、ガラス板以外の各層を構成する化合物の同定を行ったところ、各層を構成する化合物はそれぞれポリイミドであることが確認された。
表1に示した結果から明らかなように、ガラス板と、前記ガラス板上に積層されかつ50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層(低線膨張係数のポリイミド層)と、第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層されかつ50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層(高線膨張係数のポリイミド層)とを備える本発明の基板用積層体を用いた場合(実施例1〜3)には、ガラス板(ガラス基材)とポリイミド層との界面における剥離性が十分に高いものとなることが確認された。これに対して、ガラス板上にポリイミド層を一層のみ積層した比較例1〜3においては、ポリイミドの種類によらず、ガラス板(ガラス基材)とポリイミド層との界面において剥離することができなかった。更に、実施例1で得られた基板用積層体に対して、前記低線膨張係数のポリイミド層と前記高線膨張係数のポリイミド層との積層順序を入れ替えた比較例4で得られた基板用積層体においては、やはりガラス板(ガラス基材)とポリイミド層との界面において剥離することができなかった。このような結果から、上記本発明の基板用積層体の構成により、ガラス基材とポリイミド層との界面における剥離性が十分に高いものとなることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、ガラス基材とポリイミド層との界面において、乾式でガラス基材とポリイミド層とを効率よく剥離することが可能な基板用積層体、それを用いて得られる基板、及び、その基板の製造方法、前記基板用積層体を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することが可能となる。
したがって、本発明の基板用積層体は、乾式でガラス基材とポリイミド層とを効率よく剥離することが可能で、乾式でポリイミドからなる基板を形成できるため、例えば、有機EL素子用の透明電極基板、バリア基板、TFT基板等を製造するための材料等として特に有用である。
1…有機EL素子、11…第一のポリイミド層、12…第二のポリイミド層、13…ガスバリア層、14…透明電極層、15…有機層、16…金属電極層。

Claims (7)

  1. ガラス基材と、
    前記ガラス基材上に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、
    該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層と、
    を備えることを特徴とする基板用積層体。
  2. 前記ポリイミド(A)の前記平均線膨張係数が3〜20ppm/Kであることを特徴とする請求項1に記載の基板用積層体。
  3. 前記ポリイミド(B)の前記平均線膨張係数が40〜80ppm/Kであることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板用積層体。
  4. 50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が0〜30ppm/Kであるポリイミド(A)からなる第一のポリイミド層と、
    該第一のポリイミド層の表面の少なくとも一部に積層され、かつ、50℃〜200℃の温度範囲における平均線膨張係数が40〜100ppm/Kであるポリイミド(B)からなる第二のポリイミド層との積層物からなることを特徴とする基板。
  5. 前記基板が、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の基板用積層体を用いて得られるものであることを特徴とする請求項4に記載の基板。
  6. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の基板用積層体を用いて、前記ガラス基材から前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物を乾式で剥離して、前記第一のポリイミド層と前記第二のポリイミド層との積層物からなる基板を得ることを特徴とする基板の製造方法。
  7. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の基板用積層体を用いて得られる基板を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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